JP4480264B2 - 挿入光源 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円偏光又は楕円偏光の放射光を発生することのできる挿入光源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
真空中において光速近くまで加速された電子ビームが磁界中で曲げられると、電子ビームの移動軌跡の接線方向に放射光を発光し、これをシンクロトロン放射光と呼んでいる。このようなシンクロトロン放射光を発生させる光源を、電子貯蔵リング(電子ビーム蓄積リング)の直線部に設置し、高指向性、高強度、高偏光性などの特性を生かした種々の技術の実用化のための研究が行われている。今日の電子貯蔵リングには、より高いビーム電流、より小さなビーム断面積による高輝度光源である挿入光源(アンジュレータ)が複数設けられている。
【0003】
ここで、水平垂直磁場が螺旋周期的に変化する磁気回路の中を相対論的電子ビームを通過させると、電子は螺旋状の軌道に沿って運動し、高輝度準単色の円偏光の放射光が得られることが知られている。かかる円偏光放射光を生成する磁気回路を作る方法としては、バイファイラ巻きコイルを使用する電磁石による方法もあるが、永久磁石を用いる方法の方が一般的であり、その代表的な例を図14、図15に示す。
【0004】
図14において、電子ビームの通過するギャップ空間δを挟むように下側に位置する第1磁気回路装置J1と、上側に位置する第2磁気回路装置J2とが設けられている。第1磁気回路装置J1は、その中央列に位置する第1磁石列m1と、第1磁石列m1の幅方向両側に配置される第3磁石列m3および第4磁石列m4とを備えている。第2磁気回路装置J2は、その中央列に位置する第2磁石列m2と、第2磁石列m2の幅方向両側に配置される第5磁石列m5および第6磁石列m6とを備えている。
【0005】
第1磁石列m1と第2磁石列m2とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、垂直磁場を発生するために設けられる。
第3磁石列m3と第5磁石列m5とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、水平磁場を発生するために設けられる。
第4磁石列m4と第6磁石列m6とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、水平磁場を発生するために設けられる。
【0006】
各磁石列m1〜m6は、同じ周期長Lを有しており、多数個の磁石が列方向(電子ビームの進行する方向)に沿って規則正しく配列されている。また、各磁石において矢印で示されるのは磁化されている方向を示すものである。
【0007】
ここで、中央の第1磁石列m1と第2磁石列m2とは位置が固定されており、第1磁石列m1に対して、その両側にある第3磁石列m3と第4磁石列m4とがお互いに反対方向に列方向(電子ビームの進行する方向)に駆動されると共に、これに連動して、第2磁石列m2に対して、その両側にある第5磁石列m5と第6磁石列m6とがお互いに反対方向に列方向に駆動されることにより、螺旋磁場を形成し円偏光(又は楕円偏光)の放射光を作り出している。図で説明すると、図14(a)と(b)の状態を交互に周期的に繰り返すように磁石列を駆動するようにしている。以上のような円偏光を用いて、物質の磁性研究等のさまざまな物性研究が行なわれている。
【0008】
図14の構成は第1・第2磁気回路装置J1,J2がそれぞれ3列の磁石列で構成されるものであるが、図15のように、第1・第2磁気回路装置J1,J2がそれぞれ2列の磁石列で構成されるものもある。
図15において、電子ビームの通過するギャップ空間δを挟むように下側に位置する第1磁気回路装置J1と、上側に位置する第2磁気回路装置J2とが設けられている。第1磁気回路装置J1は、図中左側に位置する第1磁石列m11と、第1磁石列m11の幅方向片側に配置される第3磁石列m13を備えている。第2磁気回路装置J2は、図中左側に位置する第2磁石列m12と、第2磁石列m12の幅方向片側に配置される第4磁石列m14を備えている。
【0009】
第1磁石列m11と第2磁石列m12とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にある。
第3磁石列m13と第4磁石列m14とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にある。
これら4列の磁石列により、 鉛直方向の磁場とそれと1/4周期ずれて配置される水平方向の磁場が得られる。これら鉛直、 水平磁場の合成として螺旋型磁場が得られる。
【0010】
各磁石列m11〜m14は、同じ周期長Lを有しており、多数個の磁石が列方向(電子ビームの進行する方向)に沿って規則正しく配列されている。また、各磁石において矢印で示されるのは磁化されている方向を示すものである。
【0011】
ここで、対角配置されている第1磁石列m11と第4磁石列m14とは位置が固定されており、第2磁石列m12と第3磁石列m13とが同期して同じ方向に列方向(電子ビームの進行する方向)に駆動されることにより、螺旋磁場を形成し、 円偏光(又は楕円偏光)の放射光を作り出している。図で説明すると、図15(a)(b)(c)の状態を交互に周期的に繰り返すように磁石列を駆動するようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図14の従来技術において、中央の磁石列に対して、その両側にある一対の磁石列を相対駆動させると、中央の磁石列により吸引反発力が発生するために、一対の磁石列を高速で駆動することができない。特に、円偏光放射光による物性研究をより高精度で行うためには、左右円偏光の切り換えを高速で行なう必要があり、そのためには両側にある一対の磁石列も高速で駆動させる必要がある。また、図15の従来技術に関しても磁石列を相対駆動させると、同様に吸引反発力が発生するために高速駆動ができない。
【0013】
理論上は磁石列を駆動するためのモーターのパワーを大きくすることにより、高速駆動を実現できそうであるが、上記説明した吸引反発力は非常に大きなものであり、モーターのパワーアップにより高速駆動を実現することは事実上不可能に近い。
【0014】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動モーターのパワーをそれほど大きくすることなく、左右円偏光等の切り換えを高速で行なうことのできる挿入光源を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明に係る挿入光源は、図1を参照にして説明すると、
電子ビームの通過するギャップ空間を挟むようにして配置される第1磁気回路装置(J1)、及び、第2磁気回路装置(J2)と、
前記第1磁気回路装置(J1)に備えられた垂直磁場発生用の第1磁石列(m1)と、
前記第2磁気回路装置(J2)に備えられ、前記ギャップ空間を挟んで前記第1磁石列(m1)と対向配置される前記垂直磁場発生用の第2磁石列(m2)と、
前記第1磁気回路装置(J1)に備えられ、前記第1磁石列(m1)の幅方向両側に配置される水平磁場発生用の第3磁石列(m3)、及び、第4磁石列(m4)と、
前記第2磁気回路装置(J2)に備えられ、前記ギャップ空間を挟んで前記第2磁石列(m2)の幅方向両側に、前記ギャップ空間を挟んで前記第3磁石列(m3)及び第4磁石列(m4)と対向配置される前記水平磁場発生用の第5磁石列(m5)、及び、第6磁石列(m6)と、
前記第1磁石列(m1)に対して、前記第3磁石列(m3)及び第4磁石列(m4)を列方向に沿って相対駆動させる第1駆動機構と、
前記第2磁石列(m2)に対して、前記第5磁石列(m5)及び第6磁石列(m6)を前記列方向に沿って相対駆動させる第2駆動機構と、
前記第1駆動機構及び第2駆動機構による各磁石列の前記相対駆動の際に、前記第1磁石列(m1)と前記第3磁石列(m3)及び前記第4磁石列(m4)間、 及び第2磁石列(m2)と前記第5磁石列(m5)及び前記第6磁石列間(m6)に生じる吸引反発力を軽減又はキャンセルするキャンセル用磁気回路装置(m7,8,9,10)とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
なお、参照のために図番を括弧付きで付している。
この構成によると、図14に示す従来技術の構成に付加してキャンセル用磁気回路装置を設けている。これにより、各磁石列を駆動する際に、第1、第2磁石列による吸引反発力を軽減又はキャンセルすることができる。したがって、駆動源としてそれほどパワーの大きなモーターを用いなくても各磁石列を高速駆動することが可能になる。その結果、駆動モーターのパワーをそれほど大きくすることなく、左右円偏光の切り換えを高速で行なうことのできる挿入光源を提供することができた。
【0017】
なお、第1駆動機構と第2駆動機構に関しては、それぞれ別個に駆動源を設けていても良いし、第1駆動機構と第2駆動機構とに共通の駆動源を用いてもよく、いずれも本発明の枠内に入るものである。
【0018】
本発明に係る前記キャンセル用磁気回路装置は、前記第3磁石列(m3)及び前記第4磁石列(m4)の更に幅方向外側に配置されるキャンセル用の第7磁石列(m7)及び第8磁石列(m8)と、前記第5磁石列(m5)及び第6磁石列(m6)の更に幅方向外側に配置されるキャンセル用の第9磁石列(m9)及び第10磁石列(m10)とを備えている。
【0019】
この構成によると、第3磁石列の外側に第7磁石列が、第4磁石列の外側に第8磁石列がそれぞれ配置され、第5磁石列の外側に第9磁石列が、第6磁石列の外側に第10磁石列がそれぞれ配置される。したがって、磁気回路の構成を大型化しなくてすむため挿入光源自体の大型化も抑制することができる。
【0020】
本発明はさらに、前記キャンセル用の前記第7磁石列及び第8磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第1磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第7磁石列及び第8磁石列を構成する磁石と、前記第1磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにし、
前記キャンセル用の前記第9磁石列及び第10磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第2磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第9磁石列及び第10磁石列を構成する磁石と、前記第2磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにしている。
【0021】
この構成によると、磁石の配列周期(周期長)が同一であるから、効果的に吸引反発力を軽減又はキャンセルすることができる。
【0022】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記第1駆動機構は、共通のクランク軸を備えた一対のクランク機構を備えており、これによって、前記第3磁石列と前記第4磁石列とを互いに逆方向に往復駆動可能にしたものがあげられる。
【0023】
この構成によると、第3、第4磁石列を一対のクランク機構を介して共通のクランク軸により連動させて駆動させることができる。第3磁石列と第4磁石列とを別個独立した機構により駆動させると、いわゆる同期ずれが発生してしまうが、上記構成によれば第3、第4磁石列を精度よく同期させて駆動させることができる。
【0024】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記クランク軸にフライホイール効果を有する重量部を設けたものがあげられる。
この構成によると、フライホイール効果により第3、第4磁石列の動きをスムーズにすることができる。
【0025】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記第3磁石列を支持するベース部材と、前記第4磁石列を支持するベース部材とをそれぞれ別個に設け、各ベース部材の水平面及び垂直面をガイドするリニアガイド機構を備えたものがあげられる。
【0026】
ギャップ空間を挟んで向かい合う磁石列間には、吸引反発力が作用するために各磁石列を保持している保持部材のたわみ変形が発生する可能性があるが、上記のごとく水平面及び垂直面をガイドするリニアガイド機構を設けることにより、たわみ変形をなくすことができる。
【0027】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記第2駆動機構は、共通のクランク軸を備えた一対のクランク機構を備えており、これによって、前記第5磁石列と前記第6磁石列とを互いに逆方向に往復駆動可能に構成し、
前記第1駆動機構と前記第2駆動機構とを同期駆動させる同期機構を備えたものがあげられる。
【0028】
所望の円偏光(又は楕円偏光)の放射光を発生させるためには、第1磁気回路装置における磁石列の動きと、第2磁気回路装置における磁石列の動きとを同期させて駆動させる必要がある。そこで、上記のごとく、第1駆動機構と第2駆動機構とを同期駆動させることにより、所望の円偏光放射光を得ることができる。
【0029】
本発明の目的を達成するため本発明に係る別の挿入光源は、図10を参照にして説明すると、電子ビームの通過するギャップ空間を挟むようにして配置される第1磁気回路装置(J1)、及び、第2磁気回路装置(J2)と、前記第1磁気回路装置(J1)に備えられた磁場発生用の第1磁石列(m21)と、前記第2磁気回路装置(J2)に備えられ、前記ギャップ空間を挟んで前記第1磁石列(m21)と対向配置される磁場発生用の第2磁石列(m22)と、前記第1磁気回路装置(J1)に備えられ、前記第1磁石列(m21)の幅方向一方側に配置される磁場発生用の第3磁石列(m23)と、前記第2磁気回路装置(J2)に備えられ、前記第2磁石列(m22)の幅方向一方側に、前記ギャップ空間を挟んで前記第3磁石列(m23)と対向配置される磁場発生用の第4磁石列(m24)と、前記第1磁石列(m21)に対して、前記第3磁石列(m23)を列方向に沿って相対駆動させる第1駆動機構と、前記第4磁石列(m24)に対して、前記第2磁石列(m22)を前記列方向に沿って相対駆動させる第2駆動機構と、前記第1駆動機構及び第2駆動機構による各磁石列の前記相対駆動の際に発生する吸引反発力を軽減又はキャンセルするキャンセル用磁気回路装置とを備え、前記キャンセル用磁気回路装置は、前記第3磁石列(m23)の前記第1磁石列(m21)が配置されている側とは反対側の幅方向外側に配置されるキャンセル用の第5磁石列(m25)と、前記第2磁石列(m22)の前記第4磁石列(m24)が配置されている側とは反対側の幅方向外側に配置されるキャンセル用の第6磁石列(m26)を備え、
前記第5磁石列(m25)を構成する磁石の配列周期と、前記第1磁石列(m21)を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第5磁石列(m25)を構成する磁石と、前記第1磁石列(m21)を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにし、
前記6磁石列(m26)を構成する磁石の配列周期と、前記第2磁石列(m22)を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第6磁石列(m26)を構成する磁石と、前記第2磁石列(m22)を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにしたことを特徴とするものである。なお、参照のために図番を括弧付きで付している。
【0030】
この構成によると、図15に示す従来技術の構成に付加してキャンセル用磁気回路装置を設けている。これにより、第2・第3磁石列を駆動する際に、第1・第4磁石列との間に発生する吸引反発力を軽減又はキャンセルすることができる。したがって、駆動源としてそれほどパワーの大きなモーターを用いなくても各磁石列を高速駆動することが可能になる。その結果、駆動モーターのパワーをそれほど大きくすることなく、偏光の切り換えを高速で行なうことのできる挿入光源を提供することができた。なお、第1駆動機構と第2駆動機構に関しては、それぞれ別個に駆動源を設けていても良いし、第1駆動機構と第2駆動機構とに共通の駆動源を用いてもよく、いずれも本発明の枠内に入るものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明にかかる挿入光源を構成する磁気回路の模式図である。説明の便宜上XYZ座標軸を示している。
【0032】
<第1実施形態の磁気回路の構成>
図1において、電子ビームの通過するギャップ空間δを挟むように下側に位置する第1磁気回路装置J1と、上側に位置する第2磁気回路装置J2とが設けられている。第1磁気回路装置J1は、その中央列に位置する第1磁石列m1と、第1磁石列m1の幅方向両側に配置される第3磁石列m3および第4磁石列m4と、第3磁石列m3の更に外側に位置する第7磁石列m7と、第4磁石列m4の更に外側に位置する第8磁石列m8とを備えている。
【0033】
第2磁気回路装置J2は、その中央列に位置する第2磁石列m2と、第2磁石列m2の幅方向両側に配置される第5磁石列m5および第6磁石列m6と、第5磁石列m5の更に外側に位置する第9磁石列m9と、第6磁石列m6の更に外側に位置する第10磁石列m10とを備えている。
【0034】
第1磁石列m1と第2磁石列m2とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、垂直磁場を発生するために設けられる。
第3磁石列m3と第5磁石列m5とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、水平磁場を発生するために設けられる。
第4磁石列m4と第6磁石列m6とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、水平磁場を発生するために設けられる。
【0035】
第7磁石列m7と第9磁石列m9とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、後に説明するキャンセル用磁石列として機能する。
第8磁石列m8と第10磁石列m10とは、ギャップ空間δを挟んで対向する位置関係にあり、これらもキャンセル用磁石列として機能する。
【0036】
各磁石列m1〜m10は、同じ磁石配列ピッチで同じ周期長Lを有しており、多数個の磁石が列方向(電子ビームの進行する方向:Z軸方向)に沿って規則正しく配列されている。また、各磁石において矢印で示されるのは磁化されている方向を示すものである。
【0037】
各磁気回路装置J1,J2の中央に位置する第1、第2磁石列m1,m2は固定されて保持されている。また、キャンセル用磁石列である、第7〜10磁石列m7〜10についても固定されて保持されている。
【0038】
第3磁石列m3と第4磁石列m4は、中央の第1磁石列m1に対して互いに逆方向(図1においては矢印A(Z方向),B(−Z方向)で示す。)に連動して往復移動できるように構成されている。往復移動することにより、図1に示す状態と図2に示す状態とに周期的に切り換わるように駆動される。
【0039】
第5磁石列m5と第6磁石列m6は、中央の第2磁石列m2に対して互いに逆方向(図1においては矢印C(−Z方向),D(Z方向)で示す。)に連動して往復移動できるように構成されている。往復移動することにより、同様に、図1に示す状態と図2に示す状態とに周期的に切り換わるように駆動される。
【0040】
図1、図2からも分かるように、上下の各磁石列は連動して駆動されるようになっており、第3磁石列m3と第6磁石列m6とが同じ方向に駆動されるように構成され、第4磁石列m4と第5磁石列m5とが同じ方向であって、かつ、第3、第6磁石列m3,m6とは逆方向に駆動されるように構成されている。
以上のように駆動することにより、所望の円偏光(楕円偏光)放射光を得ることができる。
【0041】
<キャンセル用磁石列>
ところで、固定された第1磁石列m1に対して相対的に第3、第4磁石列m3,m4を列方向に駆動させようとすると、第1磁石列m1から受ける吸引反発力により、第3、第4磁石列m3,m4を駆動させる際に負荷となり高速駆動ができない。この点は、第2磁石列m2に対して第5、第6磁石列m5,m6を列方向に駆動させようとする場合も同様である。
【0042】
そこでかかる吸引反発力による負荷を軽減又はキャンセルするためにキャンセル用磁石列m7〜m10を設けているのが特徴である。キャンセル用磁石列m7〜m10は、先ほども説明したように、駆動される各磁石列m3〜m6のさらに外側に配置された磁石列m7,m8,m9,m10である。つまり、磁石列としては、第1、第2磁気回路装置とも5列の磁石列となっている。なお、キャンセル用の磁石列m7〜10は固定されており動かない。
【0043】
ここで各磁石列m1〜10の周期長Lは同じであり、4つの磁石を1つの単位として構成されている。
第1磁石列m1は、図1の一番先頭から、
(Y)→(−Z)→(−Y)→(Z)の順に周期的に磁石が配置されている。ここで(Y)はY方向に磁化された磁石を意味する記号であり、その他も同様である。
【0044】
第2磁石列m2は図1の一番先頭から、
(Y)→(Z)→(−Y)→(−Z)の順に周期的に磁石が配置されている。 これにより、垂直磁場を作り出している。
【0045】
第3、第4磁石列m3,m4は図1の一番先頭から、
(Y)→(−Z)→(−Y)→(Z)の順に周期的に磁石が配置されている。つまり、第1磁石列m1と同じである。
【0046】
第5,第6磁石列m5,m6は、第2磁石列m2と同じ磁石配列である。
【0047】
つまり、これらの第3〜第6磁石列m3〜m6を駆動しない場合(この場合,各磁石列m1〜m10の先頭位置が揃った状態である。)には、直線偏光放射光を作り出すことができ、駆動した場合に螺旋形に変動する磁場を作り出すことができるのである。
【0048】
次に、第1磁気回路装置J1におけるキャンセル用の第7,第8磁石列m7,m8は、図1の一番先頭から、
(−Y)→(Z)→(Y)→(−Z)の順に周期的に磁石が配置されている。つまり、第1磁石列m1を構成する磁石とは、X方向にて対応する磁石の磁化方向が逆になるようにしている。したがって、第3,第4磁石列m3,m4を駆動する時の第1磁石列m1による列方向(z方向)の吸引反発力を軽減又はキャンセルするように作用させることができる。また、第1磁石列m1と第7,第8磁石列m7,m8の磁石配列の周期長Lを同じにすることで、効果的にキャンセルすることができる。
【0049】
第2磁気回路装置J2におけるキャンセル用の第9,第10磁石列m9,m10に関しても第2磁石列m2を構成する磁石とは反対の磁化方向にしており、これにより第5,第6磁石列m5,m6を駆動する時の第2磁石列m2による列方向(z方向)の吸引反発力を軽減又はキャンセルさせることができる。
【0050】
<駆動装置の構成>
次に、図1,図2に示される第1,第2磁気回路装置J1,J2を駆動するための駆動機構を含めた挿入光源の構成を図3,図4,図5により示す。図3は平面図、図4は図5のP矢視図(正面図)、図5は側面図である。なお、第1磁気回路装置J1の第1駆動機構と第2磁気回路装置J2の第2駆動機構とは同じ構成であるから、ここでは第1磁気回路装置J1の駆動機構に関する説明にとどめておき、第2磁気回路装置J2に関する説明は省略する。
【0051】
まず、保持機構から説明する。中央に大きな下側ベース1が配置され,その上に第1中間ベース2と第2中間ベース3がボルトにより結合される。中央の第1磁石列m1を構成する各磁石は結合用軸部材4により第2中間ベース3に対して固定される。下側ベース1の左右には、左側面ベース5と右側面ベース6とがそれぞれボルト等により結合される。
【0052】
左側面ベース5の上部には、中間支持部材7がボルトにより固定され、さらにこの中間支持部材7に対してキャンセル磁石支持部材8がボルトにより固定される。キャンセル用の第8磁石列m8を構成する各磁石は、第1押さえ部材9と第2押さえ部材10によりキャンセル磁石支持部材8に対して固定される。また、右側面ベース6の側にも図4の左右対称的に、中間支持部材7、キャンセル磁石支持部材8、第1,第2押え部材9,10が設けられており、キャンセル用の第7磁石列m7を構成する各磁石が固定されている。
【0053】
次に、移動用の第4磁石列m4の保持機構を説明する。移動用ベース11(ベース部材に相当する。)の上に第1支持部材12と第2支持部材13が順番にボルト等で固定されており、さらに第2支持部材13に対して磁石支持部材14がボルトで固定されている。移動用の第4磁石列m4を構成する各磁石は、第3押さえ部材15と第4押さえ部材16により固定されている。また、移動用の第3磁石列m3も全く同じ方法により保持されている。また、移動用ベース11は下側の水平面にリニアガイド機構17を備えており,左右の垂直面にもリニアガイド機構18,19を備えている。これにより、駆動される第3,第4磁石列m3,m4が他の磁石列から受ける吸引反発力による上下左右方向のたわみ変形をなくすことができる。リニアガイド機構としては、公知の循環するボール機構を用いた構成(例えば,商品名LMガイド)を採用することができる。
【0054】
図3の平面図から分かるように、各磁石列m1,m3,m4,m7,m8の列の両端部にある磁石の幅寸法は,それ以外の磁石の幅寸法の半分となっている。
【0055】
第3,第4磁石列m3,m4を駆動するために、パルスモータ(不図示)と連結されるクランク軸20とクランク機構Kを介して駆動するようにしている。クランク軸20は,その両端部を軸受21,22により支持されており、さらにクランク機構Kを構成する第1クランク部材23と第2クランク部材24が一体形成されている。第1,第2クランク部材23,24は、それぞれ同一形状をしているが、クランク軸20の中心とは、偏心量eだけ偏心した状態でクランク軸20と結合しており、しかも第1クランク部材23と第2クランク部材24の偏心方向は互いに180度逆となっている。第1,第2クランク部材23,24は、それぞれ第1支持部材12に形成された連結部12aに対して連結軸26により連結されている。また、クランク軸20の軸方向の中央部にはフライホイール効果を有する重量部25が設けられている。これにより、安定した第3,第4磁石列m3,m4の駆動を実現している。以上説明したクランク機構K等は支持ベース27の上に組み立てられている。
【0056】
不図示のパルスモータ(なお、モーターとしてはパルスモータでなくても良い。)によりクランク軸20を回転させることにより、第3,第4磁石列m3,m4を所定の周期で往復移動させることができる。第1,第2クランク部材23,24の偏心方向が逆方向であることから、第3磁石列m3と第4磁石列m4とは互いに逆方向に駆動される。本実施形態においては、偏心量eは、磁石1個分の幅寸法となっているが、特にこれに限定されるものではない。キャンセル用磁石列m7,m8を設けたことにより、2Hz以上(好ましくは3〜10Hz)の高速駆動を実現できるようになった。
【0057】
磁石列のうち中央にある第1磁石列m1は垂直磁場を発生させるためであり、その左右にある第3、第4磁石列m3,m4を互いに逆方向に駆動することにより水平磁場を発生させ、しかも、往復駆動をすることにより磁場の方向変化をさせ、ギャップ空間を通過する電子ビームの螺旋状軌道を右巻き、左巻きと変化させて、これにより得られる放射光も右円偏光、左円偏光と変化させることができるのである。
【0058】
<駆動ブロック図>
図6は、駆動機構のブロック図を示す図である。第1磁気回路装置J1の第3,第4磁石列m3,m4と第2磁気回路装置J2の第5,第6磁石列m5,m6とは同期させて駆動させる必要がある。そのため、第1駆動機構のパルスモータと第2駆動機構のパルスモータとを同期させて駆動するための同期機構D1が設けられており、制御装置COにより制御される。なお、電気的な同期機構D1ではなく、第1,第2駆動機構のクランク機構Kどうしを機械的に同期連結した同期機構D2を採用しても良い。なお、1つのパルスモータで第1、第2駆動機構を駆動するように構成しても良い。
【0059】
<キャンセル用磁石列の効果>
次に、キャンセル用磁石列を用いたキャンセル用磁気回路装置の効果についグラフを用いて説明する。
図7は、キャンセル用磁気回路装置を用いた場合の効果(理論計算値)を示すグラフである。条件として、周期長を60mm、 電子ビームの通過するギャップ間隔は20mmとしている。横軸のΔは列方向の移動量(mm)である。縦軸はz軸(図1参照)方向の移動する磁石列1mあたりの吸引反発力Fz(N/m)である。グラフ中、黒い◇は、キャンセル用磁気回路装置を備えていない場合であり、○はキャンセル用磁気回路装置を備えている場合であり、その効果はグラフからも明らかである。
【0060】
<第2実施形態の磁気回路の構成>
次に、第2実施形態の磁気回路の構成を図8に示す。図1の第1実施形態との違いはキャンセル用の磁石列m7,m8,m9,m10の磁化方向であり、その他の構成は同じである。この構成による効果は図9に示すように、x軸方向の吸引反発力が低下することがわかる。
【0061】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の磁気回路の構成について説明する。
【0062】
図10において、第1磁気回路装置J1は、第1磁石列m21と、第1磁石列m21の幅方向片側(図の右側)に隣接配置される第3磁石列m23と、第3磁石列m23の幅方向外側に隣接する第5磁石列m25とを備えている。
【0063】
第2磁気回路装置J2は、第2磁石列m22と、第2磁石列m22の幅方向片側(図の右側)に隣接配置される第4磁石列m24と、第2磁石列m12の幅方向外側に隣接する第6磁石列m26とを備えている。
【0064】
各磁石列m21〜m24は、図15の各磁石列m11〜m14と同じく鉛直・水平磁場の合成として、z方向に螺旋状に変化する磁場を発生するために設けられる。
第5磁石列m25と第6磁石列m26とは、キャンセル用磁石列として機能する。キャンセル用磁石列が片側のみに配置されている(対角線的に配置)点が特徴である。
各磁石列m21〜m26を構成する磁石の磁化方向と配列周期については、図10に示すとおりである。
第1・第4磁石列m21,m24と、キャンセル用磁石列である第5・第6磁石列m25,m26については固定されて保持されている。
【0065】
お互いに対角線方向に配置された第2磁石列m22と第3磁石列m23は、固定された各磁石列m21,m24,m25,m26に対して連動して往復移動できるように構成されている。往復移動することにより、図10の(a)(b)(c)の状態に周期的に切り換わるように駆動される。
【0066】
以上のように駆動することにより、所望の螺旋磁場を形成し、円偏光(又は楕円偏光)の放射光を得ることができる。
この第3実施形態の構成によれば、キャンセル用磁石列は2列で済み、また、駆動する磁石列も2列で済むので挿入光源全体の構成を小型化することができると共に、駆動機構の構成も簡素化することができる。
【0067】
図10に示すキャンセル用磁気回路装置を用いた場合の効果は、図11に示される。グラフ中、黒い◇は、 キャンセル用磁気回路装置を備えていない場合であり、○はキャンセル用磁気回路装置を備えている場合である。その効果はグラフからも明らかであり、z軸方向の吸引反発力を低下させることができる。
【0068】
<第4実施形態の磁気回路の構成>
次に、第4実施形態の磁気回路の構成を図12に示す。図10の第3実施形態との違いはキャンセル用の磁石列m25,m26の磁化方向であり、その他の構成は同じである。この構成による効果は図13に示すように、x軸方向の吸引反発力が低下することがわかる。
【0069】
第3、 第4実施形態においては、キャンセル用磁石列が2列の磁石列の片側のみに配置されている構成であるが、2列の磁石列の両側に配置した構成を採用してもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明の構成によると、図14、図15に示す従来技術の構成に付加してキャンセル用磁気回路装置を設けている。これにより、各磁石列を駆動する際に発生する吸引反発力を軽減又はキャンセルすることができる。したがって、駆動源として強大なパワーの大きなモーターを用いなくても各磁石列を高速駆動することが可能になる。その結果、駆動モーターのパワーをそれほど大きくすることなく、左右円偏光等の切り換えを高速で行なうことのできる挿入光源を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る挿入光源を構成する磁気回路の模式図(1)
【図2】第1実施形態に係る挿入光源を構成する磁気回路の模式図(2)
【図3】駆動機構を含めた挿入光源の構成を示す平面図
【図4】駆動機構を含めた挿入光源の構成を示す正面図(図5のP矢視図)
【図5】駆動機構を含めた挿入光源の構成を示す側面図
【図6】駆動ブロック図
【図7】キャンセル用磁気回路装置を用いた場合の効果を示すグラフ
【図8】第2実施形態に係る挿入光源を構成する磁気回路の模式図
【図9】第2実施形態の効果を示すグラフ
【図10】第3実施形態に係る挿入光源を構成する磁気回路の模式図
【図11】第3実施形態の効果を示すグラフ
【図12】第4実施形態に係る挿入光源を構成する磁気回路の模式図
【図13】第4実施形態の効果を示すグラフ
【図14】従来技術にかかる磁気回路の模式図(1)
【図15】従来技術にかかる磁気回路の模式図(2)
【符号の説明】
11 移動用ベース
17,18,19 リニアガイド機構
20 クランク軸
25 重量部
K クランク機構
J1 第1磁気回路装置
J2 第2磁気回路装置
m1,m2 第1磁石列、第2磁石列
m3,m4 第3磁石列、第4磁石列
m5,m6 第5磁石列、第6磁石列
m7、m8 第7磁石列、第8磁石列
m9、m10 第9磁石列、第10磁石列
m11,m12 第1磁石列、第2磁石列
m13,m14 第3磁石列、第4磁石列
m15,m16 第5磁石列、第6磁石列
m17、m18 第7磁石列、第8磁石列
m21,m22 第1磁石列、第2磁石列
m23,m24 第3磁石列、第4磁石列
m25,m26 第5磁石列、第6磁石列
L 周期長
δ ギャップ空間
Claims (6)
- 電子ビームの通過するギャップ空間を挟むようにして配置される第1磁気回路装置、及び、第2磁気回路装置と、
前記第1磁気回路装置に備えられた垂直磁場発生用の第1磁石列と、
前記第2磁気回路装置に備えられ、前記ギャップ空間を挟んで前記第1磁石列と対向配置される前記垂直磁場発生用の第2磁石列と、
前記第1磁気回路装置に備えられ、前記第1磁石列の幅方向両側に配置される水平磁場発生用の第3磁石列、及び、第4磁石列と、
前記第2磁気回路装置に備えられ、前記第2磁石列の幅方向両側に、前記ギャップ空間を挟んで前記第3磁石列及び第4磁石列と対向配置される前記水平磁場発生用の第5磁石列、及び、第6磁石列と、
前記第1磁石列に対して、前記第3磁石列及び第4磁石列を列方向に沿って相対駆動させる第1駆動機構と、
前記第2磁石列に対して、前記第5磁石列及び第6磁石列を前記列方向に沿って相対駆動させる第2駆動機構と、
前記第1駆動機構及び第2駆動機構による各磁石列の前記相対駆動の際に、前記第1磁石列と前記第3磁石列及び前記第4磁石列間、及び第2磁石列と前記第5磁石列及び前記第6磁石列間に生じる吸引反発力を軽減又はキャンセルするキャンセル用磁気回路装置とを備え、
前記キャンセル用磁気回路装置は、前記第3磁石列及び前記第4磁石列の更に幅方向外側に配置されるキャンセル用の第7磁石列及び第8磁石列と、
前記第5磁石列及び第6磁石列の更に幅方向外側に配置されるキャンセル用の第9磁石列及び第10磁石列とを備え、
前記第7磁石列及び第8磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第1磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第7磁石列及び第8磁石列を構成する磁石と、前記第1磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにし、
前記第9磁石列及び第10磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第2磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第9磁石列及び第10磁石列を構成する磁石と、前記第2磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにしたことを特徴とする挿入光源。 - 前記第1駆動機構は、共通のクランク軸を備えた一対のクランク機構を備えており、これによって、前記第3磁石列と前記第4磁石列とを互いに逆方向に往復駆動可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の挿入光源。
- 前記クランク軸にフライホイール効果を有する重量部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の挿入光源。
- 前記第3磁石列を支持するベース部材と、前記第4磁石列を支持するベース部材とをそれぞれ別個に設け、各ベース部材の水平面及び垂直面をガイドするリニアガイド機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載の挿入光源。
- 前記第2駆動機構は、共通のクランク軸を備えた一対のクランク機構を備えており、これによって、前記第5磁石列と前記第6磁石列とを互いに逆方向に往復駆動可能に構成し、
前記第1駆動機構と前記第2駆動機構とを同期駆動させる同期機構を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の挿入光源。 - 電子ビームの通過するギャップ空間を挟むようにして配置される第1磁気回路装置、及び、第2磁気回路装置と、
前記第1磁気回路装置に備えられた磁場発生用の第1磁石列と、
前記第2磁気回路装置に備えられ、前記ギャップ空間を挟んで前記第1磁石列と対向配置される磁場発生用の第2磁石列と、
前記第1磁気回路装置に備えられ、前記第1磁石列の幅方向一方側に配置される磁場発生用の第3磁石列と、
前記第2磁気回路装置に備えられ、前記第2磁石列の幅方向一方側に、前記ギャップ空間を挟んで前記第3磁石列と対向配置される磁場発生用の第4磁石列と、
前記第1磁石列に対して、前記第3磁石列を列方向に沿って相対駆動させる第1駆動機構と、
前記第4磁石列に対して、前記第2磁石列を前記列方向に沿って相対駆動させる第2駆動機構と、
前記第1駆動機構及び第2駆動機構による各磁石列の前記相対駆動の際に発生する吸引反発力を軽減又はキャンセルするキャンセル用磁気回路装置とを備え、
前記キャンセル用磁気回路装置は、前記第3磁石列の前記第1磁石列が配置されている側とは反対側の幅方向外側に配置されるキャンセル用の第5磁石列と、
前記第2磁石列の前記第4磁石列が配置されている側とは反対側の幅方向外側に配置されるキャンセル用の第6磁石列を備え、
前記第5磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第1磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第5磁石列を構成する磁石と、前記第1磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにし、
前記6磁石列を構成する磁石の配列周期と、前記第2磁石列を構成する磁石の配列周期とを同一にし、かつ、前記幅方向にて対応する、前記第6磁石列を構成する磁石と、前記第2磁石列を構成する磁石の磁化方向がすべて逆またはすべて同じになるようにしたことを特徴とする挿入光源。
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