JP3875131B2 - 挿入光源 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入光源に関し、より特定的には、円偏光または楕円偏光の放射光を発生するための挿入光源に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、真空中において、光速近くまで加速された電子ビームが磁界中で曲げられると、電子ビームの移動軌跡の接線方向に放射光が発光されることが知られている。そして、周期的に変化する磁界で何回も繰り返し電子を曲げると、干渉によって輝度の高い、波長の揃った放射光が得られる。このような周期磁界を発生する装置として、挿入光源(アンジュレータ)が知られている。このような放射光は、物質のミクロな構造や様々な物理化学現象の解明に利用できるとともに、新材料の開発などの産業分野での応用も期待されている。
【0003】
また、挿入光源において、水平垂直磁場が螺旋周期的に変化する磁気回路の中を相対論的電子ビームを通過させると、電子は螺旋状の軌道に沿って運動し、その結果、高輝度準単色の円偏光の放射光が得られることが知られている。このような円偏光放射光を生成するための磁気回路を作る方法としては、バイファイラ巻きコイルを使用する電磁石による方法がある。また、数cm以下の周期長に対しては、永久磁石を用いる方法が一般的である。図19および図20は、従来の永久磁石を用いる円偏光放射光を生成する磁気回路を示した斜視図である。
【0004】
図19および図20を参照して、従来の永久磁石を用いた磁気回路では、電子ビームの通過するギャップ空間100を挟むように、下側に位置する第1磁気回路装置110と、上側に位置する第2磁気回路装置120とが設けられている。第1磁気回路装置110は、中央列に位置する第1磁石列101と、第1磁石列101の幅方向の両側に配置された第3磁石列103および第4磁石列104とを含んでいる。第2磁気回路装置120は、中央列に位置する第2磁石列102と、第2磁石列102の幅方向の両側に配置された第5磁石列105および第6磁石列106とを含んでいる。
【0005】
第1磁石列101と第2磁石列102とは、ギャップ空間100を挟んで対向するように配置されることで、鉛直磁場を発生する。また、第3磁石列103と第5磁石列105とは、図16、図17のように移動させることでギャップ空間100を挟んで反発するように配置され、水平磁場を発生する。また、第4磁石列104と第6磁石列106とは、第3磁石列103と第5磁石列105と同様、図16、図17のように移動させることで、ギャップ空間100を挟んで反発するように配置され、水平磁場を発生する。
【0006】
第1磁石列101〜第6磁石列106は、同じ周期長Lを有しているとともに、多数個の磁石が列方向(電子ビームの進行する方向)に沿って規則正しく配列されている。なお、各磁石において矢印で示されるのは磁化されている方向を示している。
【0007】
ここで、中央の第1磁石列101と第2磁石列102とは位置が固定されている。また、第3磁石列103と第4磁石列104とが第1磁石列101を挟んで互いに反対方向に列方向(電子ビームの進行する方向)に移動可能に設置されている。また、第3磁石列103と第4磁石列104との移動に連動して、第5磁石列105と第6磁石列106とが第2磁石列102を挟んで互いに反対方向に列方向に移動される。これにより、螺旋磁場を形成することができるので、円偏光(または楕円偏光)の放射光を作り出すことが可能である。また、図19に示した状態と図20に示した状態とを交互に周期的に繰り返すように磁石列を移動することによって、左回りの円偏光(または楕円偏光)と右回りの円偏光(または楕円偏光)とを作り出すことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図19および図20に示した従来の挿入光源では、円偏光または楕円偏光を発生させるために、6列の磁石列101〜106が必要であるため、装置の構成が複雑化するという問題点があった。
【0009】
また、図19および図20に示した従来の挿入光源では、円偏光(または楕円偏光)の左回りと右回りとを切り換えるために、4つの磁石列を移動させる機構が必要であり、これによっても、装置の構成が複雑化するという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、簡単な構成で、左右回りの楕円偏光または円偏光を発生させることが可能な挿入光源を提供することである。
【0011】
また、この発明のもう1つの目的は、簡単な構成で、左右回りの楕円偏光または円偏光を切り換えることが可能な挿入光源を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1における挿入光源は、中央部に第1回動中心を有する複数の第1磁石ユニットが周期的に組み合わされ、複数の第1磁石ユニットがそれぞれ第1回動中心回りに同じ角度分だけ回動可能な第1磁石列と、中央部に第2回動中心を有する複数の第2磁石ユニットが周期的に組み合わされ、第1磁石列に対して電子ビームの通過するギャップ空間を挟んで対向するように配置されるとともに、複数の第2磁石ユニットがそれぞれ第2回動中心回りに同じ角度分だけ回動可能な第2磁石列とを備えている。
【0013】
請求項1では、上記のように、互いに対向するように配置された第1磁石列および第2磁石列をそれぞれ第1回動中心および第2回動中心回りに回動可能に構成することによって、第1磁石列と第2磁石列とを互いに逆方向に同じ角度分だけ所定の角度回動すれば、第1磁石列および第2磁石列の2つの磁石列のみを用いて、周期的に変化する水平磁場と鉛直磁場とを発生させることができる。これにより、簡単な構成で、左回りまたは右回りの円偏光または楕円偏光を発生させることができる。また、第1磁石列と第2磁石列とを上記とは反対回りに互いに逆方向に所定の角度回動すれば、上記とは逆方向の水平磁場を発生させることができるので、上記とは逆回り(右または左回り)の円偏光または楕円偏光を発生させることができる。したがって、請求項1による挿入光源では、第1磁石列と第2磁石列の回動角度を調節するだけで、対向配置された2つの第1および第2磁石列のみを用いて、切り換え可能な左右の楕円偏光または円偏光を発生させることができる。その結果、簡単な構成で、左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【0014】
請求項2による挿入光源では、請求項1の構成において、第1回動中心と、第2回動中心とは、鉛直方向に実質的に同じ軸線上に配置されている。請求項2では、このように構成することによって、第1磁石列と第2磁石列とを同一軸線上で相対的に回動することができる。
【0015】
請求項3による挿入光源では、請求項1または2の構成において、第1磁石列の複数の第1磁石ユニットを連結するとともに、複数の第1磁石ユニットを同期して第1回動中心回りに回動させるための第1連結部材と、第2磁石列の複数の第2磁石ユニットを連結するとともに、複数の第2磁石ユニットを同期して第2回動中心回りに回動させるための第2連結部材とをさらに備える。請求項3では、このように構成することによって、第1連結部材を移動することにより、容易に、第1磁石列を構成する複数の第1磁石ユニットを同期して回動することができるとともに、第2連結部材を移動することにより、容易に、第2磁石列を構成する複数の第2磁石ユニットを同期して回動することができる。これにより、第1磁石列を構成する複数の第1磁石ユニットおよび第2磁石列を構成する複数の第2磁石ユニットが同期ずれを起こすのを有効に防止することができる。
【0016】
請求項4における挿入光源は、請求項3の構成において、第1連結部材は、第1回動中心を挟むようにほぼ平行に配置された一対の連結部材を含み、第2連結部材は、第2回動中心を挟むようにほぼ平行に配置された一対の連結部材を含む。請求項4では、第1回動中心を挟むように一対の第1連結部材をほぼ平行に配置し、かつ、第2回動中心についても同様な構成にすることで、一対の第1連結部材を互いに逆方向に移動させることにより、容易に、第1磁石列を第1回動中心を支点として回動させることができるとともに、一対の第2連結部材を互いに逆方向に移動させることにより、容易に、第2磁石列を第2回動中心を支点として回動させることができる。
【0017】
請求項5における挿入光源は、請求項3または4の構成において、第1磁石ユニットは、第1永久磁石と、第1永久磁石を保持するとともに第1連結部材が接続される第1保持部材とを含み、第2磁石ユニットは、第2永久磁石と、第2永久磁石を保持するとともに第2連結部材が接続される第2保持部材とを含む。請求項5では、このように構成することによって、第1保持部材により、第1永久磁石の保持と、複数の第1永久磁石と第1連結部材との接続とを行うことができる。また同様に、第2保持部材により、第2永久磁石の保持と、複数の第2永久磁石と第2連結部材との接続とを行うことができる。
【0018】
請求項6における挿入光源は、請求項3〜5のいずれかの構成において、第1連結部材に連結され、第1連結部材を往復移動させることによって第1磁石列を第1回動中心回りに揺動するための第1揺動部材と、第2連結部材に連結され、第2連結部材を往復移動させることによって第2磁石列を第2回動中心回りに揺動するための第2揺動部材とをさらに備える。請求項6では、このように構成することによって、第1揺動部材と第2揺動部材とにより、第1磁石列と第2磁石列とを互いに逆方向に揺動することが可能となるので、容易に左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【0019】
請求項7における挿入光源は、請求項6の構成において、第1揺動部材および第2揺動部材は、1つの駆動源を含む駆動機構によって駆動され、第1揺動部材および第2揺動部材は、それぞれ、第1磁石列および第2磁石列を互いに逆方向に同じ角度だけ揺動するように駆動される。請求項7では、このように構成することによって、自動的に左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【0020】
請求項8における挿入光源は、請求項7の構成において、駆動機構は、駆動源を構成する1つのモータと、モータの回転を直線往復運動に変換する偏心輪機構と、偏心輪機構に接続され、偏心輪機構による直線往復運動を第1揺動部材の揺動運動に変換する機械式変換機構と、第1揺動部材の揺動運動とは逆方向の揺動運動を第2揺動部材に伝達するための機構とを含む。請求項8では、このように構成することによって、1つのモータを用いて、容易に、第1磁石列および第2磁石列を互いに逆方向に同じ角度だけ自動的に揺動することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。まず、本発明の実施形態を説明する前に、本発明の概念について説明する。
【0022】
図1〜図9は、本発明の挿入光源の概念を説明するための図である。図1〜図9を参照して、本発明の挿入光源では、まず、図1に示すように、電子ビームの通過するギャップ空間100を挟むように、下側に位置する第1磁石列11と上側に位置する第2磁石列21とが設けられている。ここで、本発明では、下側の磁気回路装置は、第1磁石列11のみによって構成されており、上側の磁気回路装置は、第2磁石列21のみによって構成されている。第1磁石列11および第2磁石列21は、鉛直方向(y軸方向)に磁化された永久磁石が一定間隔を空けてNS交互に配置されている。図1の永久磁石に付された矢印は、磁化方向を示している。この場合、永久磁石の磁化方向は、全て、電子ビームの進行方向に対して直交する方向である。
【0023】
図1および図2に示す状態では、ギャップ空間100に周期的に変化する図3に示すような鉛直磁場(By)を発生することができる。このギャップ空間100に電子ビームが通過すると、周期的に変化する鉛直磁場によって電子ビームの軌道が曲げられるので、電子ビームは蛇行軌道をとる。この時、ビームの進行方向に放射光と呼ばれる光を発生させることができる。
【0024】
ここで、本発明では、ギャップ空間100を挟んで対向するように配置された第1磁石列11および第2磁石列21を、永久磁石の中心線2(図2参照)上に位置する回動中心1を支点として回動可能に構成している。この場合、第1磁石列11と第2磁石列21とは、同一の回動中心1を支点として、それぞれ、別々に回動可能である。このように構成することによって、たとえば、図4および図5に示すように、下側の第1磁石列11を回動中心1を支点として反時計方向に30°回動させるとともに、上側の第2磁石列21を回動中心1を支点として時計方向に30°回動させることができる。
【0025】
図4および図5に示した状態に第1磁石列11および第2磁石列21を配置すると、図6に示すように、鉛直磁場(By)に加えて、水平磁場(Bx)を発生させることができる。すなわち、鉛直磁場と水平磁場とが周期的に変化する磁気回路へと変化させることができる。これにより、図1に示した状態では蛇行軌道をとっていた電子ビームが、図4および図5に示した状態では螺旋軌道に変化するので、電子ビームは楕円偏光または円偏光からなる放射光を発生することができる。
【0026】
また、図7および図8に示した状態では、図4および図5の場合と逆方向に第1磁石列11および第2磁石列21を回動させている。すなわち、下側の第1磁石列11を回動中心1を支点として時計回りに30°回動させるとともに、上側の第2磁石列21を反時計回りに30°回動させている。このような配置にすることによって、図9に示すように、図6に示した水平磁場とは逆向きの水平磁場を発生させることができる。このため、図4に示した状態と図7に示した状態とを切り換えるように構成すれば、右回りの楕円偏光と左回りの楕円偏光とを交互に発生させることが可能となる。
【0027】
上記のように、本発明では、第1磁石列11および第2磁石列21を回動中心1を中心として回動可能に構成することによって、第1磁石列11および第2磁石列21の回動位置を図4または図7に示した位置にすれば、第1磁石列11および第2磁石列21の2つの磁石列のみを用いて、周期的に変化する水平磁場と鉛直磁場とを発生させることができる。これにより、簡単な構成で、右回りまたは左回りの楕円偏光(または円偏光)を発生させることができる。
【0028】
また、第1磁石列11および第2磁石列21の回動位置を図4および図7に示した位置に交互に切り換えるようにすれば、第1磁石列11および第2磁石列21の2つの磁石列のみを用いて、右回りと左回りの楕円偏光(または円偏光)を交互に発生させることができる。これにより、簡単な構成で、右回りと左回りの楕円偏光(または円偏光)を切り換えることができる。
【0029】
以下、上記した本発明の挿入光源の概念を具体的に実施するための実施形態について説明する。
【0030】
図10は、本発明の一実施形態による挿入光源の全体構成を示した正面図であり、図11は、図10に示した一実施形態による挿入光源の部分側面図である。また、図12は、図11に示した挿入光源の下側磁石列部分の平面図である。
【0031】
図10〜図12を参照して、まず、本実施形態による挿入光源の構造について説明する。本実施形態による挿入光源は、図10および図11に示すように、ギャップ空間100の下側に配置された第1磁石ユニット10と、ギャップ空間100の上側に配置された第2磁石ユニット20とを備えている。
【0032】
第1磁石ユニット10は、第1磁石列11を構成する第1永久磁石11aと、第1永久磁石11aを保持するためのホルダ12と、ホルダ12内に第1永久磁石11aを固定するための固定部材13と、ホルダ12が取り付けられるベース部15とを含んでいる。なお、ホルダ12と固定部材13とベース部15とによって、本発明の「第1保持部材」が構成されている。
【0033】
固定部材13は、ねじ14を用いてホルダ12に固定されている。また、ホルダ12は、ねじ16を用いてベース部15に固定されている。ベース部15の中央部には、第1回動中心軸17が取り付けられている。第1回動中心軸17の先端部分は、軸受34を用いて軸支持部33に回転可能に取り付けられている。
【0034】
また、各ベース部15は、軸部15aおよび15bを有する。軸部15aおよび15bは、それぞれ、軸受32aおよび軸受32bを用いて連結部材31aおよび31bに回動可能に取り付けられている。また、軸支持部33は、取り付け板35を介して、リニアガイド機構36に取り付けられている。
【0035】
また、ギャップ空間100の上側に設けられた第2磁石ユニット20も上記した第1磁石ユニット10と同様の構成を有している。すなわち、第2磁石ユニット20は、第2磁石列21を構成する第2永久磁石21aと、第2永久磁石21aを保持するホルダ22と、ホルダ22に第2永久磁石21aを固定するための固定部材23と、ホルダ22が取り付けられるベース部25とを含んでいる。なお、ホルダ22と固定部材23とベース部25とによって、本発明の「第2保持部材」が構成されている。
【0036】
また、固定部材23は、ねじ24を用いてホルダ22に固定されている。ホルダ22は、ねじ26を用いてベース部25に取り付けられている。ベース部25には、第2回動中心軸27が取り付けられている。第2回動中心軸27は、軸受44を用いて軸支持部43に回動可能に取り付けられている。なお、第2回動中心軸27は、第1回動中心軸17と実質的に同一軸心上に設けられている。また、ベース部25は、軸部25aおよび25bを有する。軸部25aおよび25bは、それぞれ、軸受42aおよび42bを用いて連結部材41aおよび41bに回動可能に取り付けられている。
【0037】
また、軸支持部43は、取り付け板45を介して、リニアガイド機構46に取り付けられている。第1磁石ユニット10と第2磁石ユニット20との上下方向の移動は、それぞれ、リニアガイド機構36および46を用いて行われる。この場合、リニアガイド機構36および46は、上下に同じ高さ分だけ移動するように連動するように構成されている。
【0038】
図10に示した第1磁石列11および第2磁石列21は、図11に示すように配置されている。第1磁石列11および第2磁石列21は、図11に示した矢印の方向に磁化されている。また、図12に示すように、第1連結部材31aおよび31bには、第1揺動部材51の両端部がそれぞれ接続されている。したがって、第1揺動部材51が揺動すると、第1連結部材31aおよび31bは互いに逆方向に直線移動する。これにより、第1揺動部材51の揺動により、第1磁石列11を第1回動中心軸17を支点として所定の角度揺動することができる。
【0039】
また、図12に示すように、機械式変換機構として、第1揺動部材51の軸部51aには、ピニオン54が設けられているとともに、そのピニオン54に係合するように、ラック53が設けられている。ラック53には、軸55を介して支持部材56が取り付けられている。支持部材56には、偏心輪機構としてのクランク部材57が連結軸56aによって取り付けられている。クランク部材57は、モータ58の軸58aに対して偏心量eだけ偏心した状態でモータ58の軸58aに取り付けられている。また、モータ58の軸58aは、軸受59および60によって回転可能に支持されている。これにより、モータ58が回転すると、クランク部材57を含むクランク機構によってモータ58の回転運動が往復運動に変換される。そして、その往復運動がラック53およびピニオン54によって第1揺動部材51の揺動運動に変換される。そして、その第1揺動部材51の揺動運動によって、第1連結部材31aおよび31bを介して、第1磁石列11が所定の周期で回動移動される。
【0040】
なお、図10に示したように、上側に配置された第2磁石列21も、一対の第2連結部材41aおよび41bによって連結されている。また、その第2連結部材41aおよび41bは、第2揺動部材52(図11参照)の両端と接続されている。本実施形態では、第2揺動部材52も、モータ58によって駆動される。すなわち、第1揺動部材51の揺動方向と逆方向になるように、歯車機構など(図示せず)を用いて第1揺動部材51の軸51aの回動を第2揺動部材52に伝達する。これにより、第2揺動部材52を容易に第1揺動部材51とは逆方向に連動して揺動することができる。その結果、第1磁石列11と第2磁石列21とを互いに逆方向に所定の角度範囲で揺動することができる。なお、モータ58として、サーボモータなどの高出力のモータ58を用いれば、高速に第1磁石列11および第2磁石列21の揺動が可能となるので、高速で左右楕円偏光または左右円偏光の切り換えを行うことができる。
【0041】
本実施形態では、上記のように、互いに対向するように配置された第1磁石列11および第2磁石21をそれぞれ第1回動中心軸17および第2回動中心軸27を中心として回動可能に構成するとともに、第1磁石列11および第2磁石列21を互いに逆方向に揺動するための第1揺動部材51および第2揺動部材52を設けることによって、対向配置された2つの第1磁石列11および第2磁石列21のみを用いて、左右の楕円偏光または円偏光を容易に切り換えることができる。その結果、簡単な構成で左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1揺動部材51および第2揺動部材52を、それぞれ、第1磁石列11および第2磁石列21を互いに逆方向に同じ角度だけ揺動するように駆動することによって、自動的に左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【0043】
また、本実施形態では、第1磁石列11の複数の第1磁石ユニット10を連結する第1連結部材31aおよび31bと、第2磁石列21の複数の第2磁石ユニット20を連結する第2連結部材41aおよび41bとを設けることによって、第1連結部材31aおよび31bを移動することにより、容易に、第1磁石列11を構成する複数の第1磁石ユニット10を同期して回動することができるとともに、第2連結部材41aおよび41bを移動することにより、容易に、第2磁石列21を構成する複数の第2磁石ユニット20を同期して回動することができる。これにより、第1磁石列11を構成する複数の第1磁石ユニット10および第2磁石列21を構成する複数の第2磁石ユニット20が同期ずれを起こすのを有効に防止することができる。
【0044】
また、本実施形態では、第1回動中心軸17と第2回動中心軸27とを同一軸線上に配置することによって、第1磁石列11と第2磁石列21とを同一軸線上で相対的に回動することができる。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、上記実施形態では、一対の第1連結部材31aおよび31bおよび一対の第2連結部材41aおよび41bを設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、それぞれ各1本の第1連結部材および第2連結部材であっても同様の効果を得ることができる。
【0047】
また、上記実施形態では、偏心輪機構としてのクランク機構および機械式変換機構としてのラック・ピニオン機構を用いて、モータの回転を第1揺動部材51および第2揺動部材52の揺動運動に変換したが、本発明はこれに限らず、他の機構または方法を用いて第1揺動部材51および第2揺動部材52を互いに逆方向に揺動するようにしてもよい。たとえば、偏心輪機構として、クランク機構に代えてカム機構を用いてもよい。
【0048】
また、上記図1、図4および図7に示した例では、鉛直方向(Y方向)に磁化した磁石のみからなる第1磁石列11および第2磁石列21を用いた場合を示したが、本発明はこれに限らず、図13、図14および図15の第1変形例に示すように、水平方向(Z方向)に磁化した磁石のみからなる第1磁石列71および第2磁石列81を用いてもよい。図13〜図15の永久磁石に付された矢印は、磁化方向を示している。この場合、永久磁石の磁化方向は、全て、電子ビームの進行方向と平行な方向となる。なお、図14は、図13に示した状態から、下側の第1磁石列71を回動中心を支点として反時計方向に30°回動させるとともに、上側の第2磁石列21を回動中心を支点として時計方向に30°回動させた状態を示している。また、図15は、図13に示した状態から、下側の第1磁石列71を回動中心を支点として時計方向に30°回動させるとともに、上側の第2磁石列21を回動中心を支点として反時計方向に30°回動させた状態を示している。このように構成しても、図1、図4および図7に示した例と同様の効果を得ることができる。また、水平方向(Z方向)に磁化した磁石のみからなる第2変形例として図16、図17および図18に示す構成がある。なお、上記した例では、回動範囲を±30°としているが、それ以外の範囲でも同様の効果がある。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、簡単な構成で、左右の楕円偏光または円偏光を発生させることができる。また、簡単な構成で、左右の楕円偏光または円偏光を切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の挿入光源の概念を説明するための第1磁石列および第2磁石列を示した斜視図である。
【図2】図1に示した状態における第1磁石列および第2磁石列の平面図である。
【図3】図1および図2に示した第1磁石列および第2磁石列の配置によって得られる磁場を示した図である。
【図4】図1に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の一例を示した斜視図である。
【図5】図4に示した状態における第1磁石列および第2磁石列の平面図である。
【図6】図4および図5に示した第1磁石列および第2磁石列の配置によって得られる磁場を示した図である。
【図7】図1に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の他の例を示した斜視図である。
【図8】図7に示した状態における第1磁石列および第2磁石列の平面図である。
【図9】図7および図8に示した第1磁石列および第2磁石列の配置によって得られる磁場を示した図である。
【図10】本発明の一実施形態による挿入光源の構成を示した正面図である。
【図11】図10に示した一実施形態による挿入光源の部分側面図である。
【図12】図11に示した一実施形態による挿入光源の第1磁石列部分の平面図である。
【図13】図1に示した本発明の挿入光源の第1磁石列および第2磁石列の第1変形例を示した斜視図である。
【図14】図13に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の一例を示した斜視図である。
【図15】図13に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の他の例を示した斜視図である。
【図16】図1に示した本発明の挿入光源の第1磁石列および第2磁石列の第2変形例を示した斜視図である。
【図17】図16に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の一例を示した斜視図である。
【図18】図16に示した状態から第1磁石列および第2磁石列を所定の角度だけ互いに逆方向に回動させた場合の他の例を示した斜視図である。
【図19】従来の挿入光源の構成を示した斜視図である。
【図20】従来の挿入光源の構成を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 回動中心
2 中心線
10 第1磁石ユニット
11 第1磁石列
11a 第1永久磁石
12 ホルダ(第1保持部材)
13 固定部材(第1保持部材)
15 ベース部(第1保持部材)
17 第1回動中心軸
20 第2磁石ユニット
21 第2磁石列
21a 第2永久磁石
22 ホルダ(第2保持部材)
23 固定部材(第2保持部材)
25 ベース部(第2保持部材)
27 第2回動中心軸
31a、31b 第1連結部材
41a、41b 第2連結部材
51 第1揺動部材
52 第2揺動部材
53 ラック(機械式変換機構)
54 ピニオン(機械式変換機構)
57 クランク部材(偏心輪機構)
58 モータ

Claims (8)

  1. 中央部に第1回動中心を有する複数の第1磁石ユニットが周期的に組み合わされ、前記複数の第1磁石ユニットがそれぞれ前記第1回動中心回りに同じ角度分だけ回動可能な第1磁石列と、
    中央部に第2回動中心を有する複数の第2磁石ユニットが周期的に組み合わされ、前記第1磁石列に対して電子ビームの通過するギャップ空間を挟んで対向するように配置されるとともに、前記複数の第2磁石ユニットがそれぞれ前記第2回動中心回りに同じ角度分だけ回動可能な第2磁石列とを備えた、挿入光源。
  2. 前記第1回動中心と、前記第2回動中心とは、鉛直方向に実質的に同じ軸線上に配置されている、請求項1に記載の挿入光源。
  3. 前記第1磁石列の複数の第1磁石ユニットを連結するとともに、前記複数の第1磁石ユニットを同期して前記第1回動中心回りに回動させるための第1連結部材と、
    前記第2磁石列の複数の第2磁石ユニットを連結するとともに、前記複数の第2磁石ユニットを同期して前記第2回動中心回りに回動させるための第2連結部材とをさらに備える、請求項1または2に記載の挿入光源。
  4. 前記第1連結部材は、前記第1回動中心を挟むようにほぼ平行に配置された一対の連結部材を含み、
    前記第2連結部材は、前記第2回動中心を挟むようにほぼ平行に配置された一対の連結部材を含む、請求項3に記載の挿入光源。
  5. 前記第1磁石ユニットは、第1永久磁石と、前記第1永久磁石を保持するとともに、前記第1連結部材が接続される第1保持部材とを含み、
    前記第2磁石ユニットは、第2永久磁石と、前記第2永久磁石を保持するとともに、前記第2連結部材が接続される第2保持部材とを含む、請求項3または4に記載の挿入光源。
  6. 前記第1連結部材に連結され、前記第1連結部材を往復移動させることによって前記第1磁石列を前記第1回動中心回りに揺動するための第1揺動部材と、
    前記第2連結部材に連結され、前記第2連結部材を往復移動させることによって前記第2磁石列を前記第2回動中心回りに揺動するための第2揺動部材とをさらに備える、請求項3〜5のいずれか1項に記載の挿入光源。
  7. 前記第1揺動部材および前記第2揺動部材は、1つの駆動源を含む駆動機構によって駆動され、
    第1揺動部材および前記第2揺動部材は、それぞれ、前記第1磁石列および前記第2磁石列を互いに逆方向に同じ角度だけ揺動するように駆動される、請求項6に記載の挿入光源。
  8. 前記駆動機構は、
    前記駆動源を構成する1つのモータと、
    前記モータの回転を直線往復運動に変換する偏心輪機構と、
    前記偏心輪機構に接続され、前記偏心輪機構による直線往復運動を前記第1揺動部材の揺動運動に変換する機械式変換機構と、
    前記第1揺動部材の揺動運動とは逆方向の揺動運動を前記第2揺動部材に伝達するための機構とを含む、請求項7に記載の挿入光源。
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