JP4821356B2 - 磁界制御方法および磁界発生装置 - Google Patents

磁界制御方法および磁界発生装置 Download PDF

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    • A61B34/73Manipulators for magnetic surgery

Description

この発明は磁界制御方法および磁界発生装置に関し、より特定的には、目標位置における磁界の向きを任意の方向に変更する磁界制御方法および磁界発生装置に関する。
近年、医療分野では、患者の体内に配置されたカテーテルやカプセル内視鏡等の被誘導物を磁界の作用によって任意の位置に誘導する医療システムが開発されている。患者の体内において被誘導物を任意の位置に誘導するためには、目標位置における磁界の向きを全方向(あらゆる方向)に変更する必要がある。そこで、このような医療システムには、たとえば特許文献1に開示されているような磁界発生装置が用いられる。特許文献1の磁界発生装置では、1つの磁界発生部の周方向への回転と径方向への移動とを組み合わせることによって、目標位置における磁界の向きを全方向に変更する。特許文献1の磁界発生装置では、第1回転機構によって磁界発生部を周方向に回転させ、第2回転機構と第2回転機構に回転可能に設けられるスライド機構とによって磁界発生部を径方向に移動させる。
特表2002−536037
しかし、特許文献1の磁界発生装置では、第1回転機構、第2回転機構およびスライド機構が必要である。このために、特許文献1の磁界発生装置では、装置の構成が複雑になり、装置の制御も複雑になるという問題があった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、目標位置における磁界の向きを簡単に全方向に変更できる、磁界制御方法および磁界発生装置を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界制御方法は、それぞれ複数の磁極が形成される一方主面を有し一方主面の磁極が対称となるように並べて配置される一対の磁界発生部と、一対の磁界発生部をそれぞれ回転させる第1駆動手段と、一対の磁界発生部をそれぞれ移動させる第2駆動手段とを含む磁界発生装置において、一対の磁界発生部によって発生される磁界のうち一方主面に対向する所定平面上の目標位置における磁界を第1駆動手段および第2駆動手段によって制御するための磁界制御方法であって、第1駆動手段が一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させることによって、目標位置における磁界の向きの所定平面に対する傾きを変更する工程、および第2駆動手段が一対の磁界発生部をそれぞれ所定平面に平行な所定円に沿って同方向に同距離で移動させることによって、目標位置における磁界の向きを所定平面上で変更する工程を備える。
請求項2に記載の磁界制御方法は、請求項1に記載の磁界制御方法において、磁界発生装置は、一対の磁界発生部を軸方向に移動させる第3駆動手段をさらに含み、第3駆動手段が一対の磁界発生部を軸方向に移動させて一対の磁界発生部と目標位置との距離を変更することによって、目標位置における磁界の向きを維持したまま目標位置の磁界強度を変更する工程をさらに含むことを特徴とする。
請求項3に記載の磁界発生装置は、磁界を発生させる磁界発生ユニットを備え、磁界発生ユニットは、それぞれ複数の磁極が形成される一方主面を有し一方主面の磁極が対称となるように並べて配置される一対の磁界発生部と、一対の磁界発生部をそれぞれ回転させる第1駆動手段と、一対の磁界発生部をそれぞれ所定平面に平行な所定円に沿って同方向に同距離で移動させる第2駆動手段とを含む。
請求項4に記載の磁界発生装置は、請求項3に記載の磁界発生装置において、磁界発生ユニットは、一対の磁界発生部を軸方向に移動させる第3駆動手段をさらに含むことを特徴とする。
請求項5に記載の磁界発生装置は、請求項3または4に記載の磁界発生装置において、磁界発生ユニットは、一対の磁界発生部の他方主面にそれぞれ設けられる磁性体をさらに含むことを特徴とする。
請求項6に記載の磁界発生装置は、請求項3から5のいずれかに記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ永久磁石を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の磁界発生装置は、請求項6に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ1つの永久磁石によって構成されることを特徴とする。
請求項8に記載の磁界発生装置は、請求項7に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ、異極間近傍の径方向の寸法が他の箇所の径方向の寸法よりも大きくなるように外形および内形の少なくともいずれか一方が楕円形である環状に形成されることを特徴とする。
請求項9に記載の磁界発生装置は、請求項7に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ、異極間近傍の厚みが他の箇所の厚みよりも大きくなるように形成されることを特徴とする。
請求項10に記載の磁界発生装置は、請求項7に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ、一方主面側からみて外形が扇形状に形成されることを特徴とする。
請求項11に記載の磁界発生装置は、請求項6に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ、複数の永久磁石と複数の永久磁石を保持する保持部材とを含むことを特徴とする。
請求項12に記載の磁界発生装置は、請求項6に記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部はそれぞれ、一方主面側に磁極が形成される複数の第1永久磁石と、少なくとも複数の第1永久磁石の間に配置される第2永久磁石とを含み、第2永久磁石を挟んで隣り合う2つの第1永久磁石は一方主面側に異極が形成され、第2永久磁石は第1永久磁石に対向する面に第1永久磁石の一方主面側の磁極と同極が形成されることを特徴とする。
請求項13に記載の磁界発生装置は、請求項3から12のいずれかに記載の磁界発生装置において、一対の磁界発生部の一方主面にはそれぞれ、2つの磁極が形成されることを特徴とする。
請求項14に記載の磁界発生装置は、請求項3から13のいずれかに記載の磁界発生装置において、共通の空間に磁界を発生させる複数の磁界発生ユニットを含むことを特徴とする。
請求項15に記載の磁界発生装置は、請求項14に記載の磁界発生装置において、共通の空間を挟んで配置される2つの磁界発生ユニットを含むことを特徴とする。
なお、「目標位置」とは、一対の磁界発生部によって発生される磁界中において磁界の向きや強度を制御すべき位置をいう。
請求項1に記載の磁界制御方法では、一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させることによって、目標位置における磁界の向きの所定平面に対する傾きが少なくとも±90°の範囲で変更される。また、一対の磁界発生部をそれぞれ所定円に沿って同方向に同距離で移動させることによって、目標位置における磁界の向きが所定平面上で360°変更される。したがって、一対の磁界発生部の回転と一対の磁界発生部の所定経路上での移動とを組み合わせることによって、目標位置における磁界の向きを簡単に全方向に変更できる。請求項3に記載の磁界発生装置についても同様である。請求項3に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部の回転と一対の磁界発生部の所定経路上での移動とによって目標位置における磁界の向きを簡単に全方向に変更できるので、簡素に構成でき、容易に制御できる。
請求項2に記載の磁界制御方法では、一対の磁界発生部と目標位置との距離を変更することによって、目標位置における磁界の向きを維持したまま目標位置の磁界強度を任意に変更できる。患者の体内に配置された被誘導物を磁界の作用によって誘導する医療システムでは、磁界の向きを任意に変更することに加えて被誘導物に作用する磁界強度を任意に変更できることが好ましい。請求項2に記載の磁界制御方法は、目標位置の磁界強度を任意に変更できるので、被誘導物を磁界の作用によって誘導する医療システムに好適に用いられる。一対の磁界発生部と目標位置との相対的な位置関係の変更は、たとえば請求項4に記載する磁界発生装置のように、一対の磁界発生部を軸方向に移動させることによって行われる。
請求項5に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部の他方主面にそれぞれ磁性体を設けることによって、一対の磁界発生部の他方主面側への漏洩磁束を減少させ、目標位置の磁界強度を大きくできる。
請求項6に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部がそれぞれ永久磁石を含み、永久磁石が磁界発生部の磁界発生源として用いられる。これによって、電力の供給が必要な電磁石を用いる場合に比べ、磁界発生部を簡素に構成でき、ひいては装置をより簡素に構成できる。また、磁界を発生させるためのエネルギー供給が不要であるので、制御をより容易にでき、ランニングコストを抑えることができる。
請求項7に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部がそれぞれ1つの永久磁石によって構成される。これによって、磁界発生部の部品点数を抑えることができ、装置をより簡素に構成できる。
磁界発生部の一方主面において異極間近傍では正極(N極)から負極(S極)へと磁束が短絡してしまう。このために、一対の磁界発生部において、一方主面の異極間近傍が隣り合う状態では、一方主面の磁極の中央部近傍が隣り合う状態よりも目標位置の磁界強度が小さくなる。つまり、一対の磁界発生部をそれぞれ回転させ目標位置における磁界の向きを変更することによって、目標位置の磁界強度が変化する。請求項8に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部がそれぞれ、異極間近傍の径方向の寸法が他の箇所の径方向の寸法よりも大きくなるように外形および内形の少なくともいずれか一方が楕円形である環状に形成される。これによって、一方主面の異極間近傍の磁石量が多くなり、磁界の向きの変更に伴う目標位置の磁界強度の変化を抑制できる。また、請求項9に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部がそれぞれ、異極間近傍の厚みが他の箇所の厚みよりも大きくなるように形成される。これによっても、一方主面の異極間近傍の磁石量が多くなり、磁界の向きの変更に伴う目標位置の磁界強度の変化を抑制できる。
請求項10に記載の磁界発生装置では、一方主面側からみて一対の磁界発生部の外形がそれぞれ扇形状に形成される。これによって、磁界発生部の外形を円形状に形成する場合に比べて、磁界発生部を小さくでき、磁石量を大幅に削減できる。したがって、磁界発生部の重量を軽くでき、ひいては装置の重量を軽くできる。
請求項11に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部がそれぞれ、保持部材で複数の永久磁石を保持することによって構成される。これによって、複数の永久磁石を離間して配置でき、一方主面上で異極を離間させることができる。つまり、目標位置にほとんど作用しない異極間近傍の永久磁石を省くことができる。このように磁石量を抑えることができるので、磁界発生部の重量を軽くでき、ひいては装置の重量を軽くできる。
請求項12に記載の磁界発生装置では、第2永久磁石を挟んで隣り合う2つの第1永久磁石において、一方の第1永久磁石の一方主面側の磁極(N極)磁束を集中させ、該磁極からの磁束を他方の第1永久磁石の一方主面側の磁極(S極)に効率よく収束させることができる。これによって、目標位置に効率的に磁束を作用させることができ、目標位置の磁界強度を大きくできる。
磁界発生部の一方主面の異極間近傍では正極から負極へと磁束が短絡してしまうので、一方主面に形成される磁極の数が多ければ目標位置に作用する磁束が少なくなってしまう。請求項13に記載の磁界発生装置では、一対の磁界発生部のそれぞれの一方主面に磁極が2つずつ形成される。このように一対の磁界発生部において一方主面の磁極の数をできるだけ少なくすることによって、一方主面において短絡する磁束を減少させることができる。これによって、目標位置に効率的に磁束を作用させることができ、目標位置の磁界強度を大きくできる。
請求項14に記載の磁界発生装置では、複数の磁界発生ユニットが共通の空間に磁界を発生させることによって、共通の空間内に設定される目標位置の磁界強度を大きくできる。
請求項15に記載の磁界発生装置では、共通の空間を挟んで2つの磁界発生ユニットを配置することによって、それぞれが発生させた磁界によって目標位置およびその近傍の磁界強度が補完され、磁界の向きの変更に伴う目標位置およびその近傍の磁界強度の変化を抑制できる。言い換えれば、磁界の向きの変更に伴う目標位置およびその近傍の磁気勾配を小さくできる。
この発明によれば、目標位置における磁界の向きを簡単に全方向に変更できる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1および図2を参照して、この発明の一実施形態の磁界発生装置10は、磁界を発生させる磁界発生ユニット11を備える。磁界発生ユニット11は、回転台12および一対の磁界発生部14a,14bを含む。
回転台12は、円板状に形成され、回転軸R1を中心に周方向の時計回り方向(矢印A1方向)または周方向の反時計回り方向(矢印A2方向)に回転可能に設けられる。磁界発生部14aは、軸方向(矢印B1方向および矢印B2方向)に延びる貫通孔を中央に有する環状(円環状)に形成され、回転軸R2を中心に周方向の時計回り方向(矢印A3方向)または周方向の反時計回り方向(矢印A4方向)に回転可能に設けられる。磁界発生部14bは、磁界発生部14aと同形状かつ同寸法に形成され、回転軸R3を中心に周方向の時計回り方向(矢印A5方向)または周方向の反時計回り(矢印A6方向)に回転可能に設けられる。
磁界発生部14a,14bはそれぞれ同様に磁化(着磁)され、磁界発生部14aの一方主面16aと磁界発生部14bの一方主面16bとにはそれぞれN極とS極とが1つずつ形成される。図2に示すように、磁界発生部14a,14bは、回転台12の回転軸R1を回転軸R2とR3とで挟み、回転軸R1からR2までの距離と回転軸R1からR3までの距離とが等しくなるように配置される。また、図2からわかるように、磁界発生部14a,14bは、一方主面16a,16b側からみて互いのN極と互いのS極とが対称(図2では左右対称)になるように並べて配置される。
ここで図3を参照して、このように配置される磁界発生部14a,14bについて詳しく説明する。磁界発生部14a,14bは同様に構成されるので、ここでは符号「a」を「b」に読み替えることで磁界発生部14bの説明を省略する。なお、図3は磁界発生部14aのW−W断面(図1参照)である。
磁界発生部14aは、いわゆる両面2極着磁の1つの永久磁石によって構成される。磁界発生部14aの半分は矢印B1方向に磁化され、磁界発生部14aの残り半分は矢印B2方向に磁化される。したがって、一方主面16aと他方主面18aとには、一方主面16aの磁極に対して他方主面18aの磁極が異極となるように、それぞれN極とS極とが1つずつ形成される。
このような磁界発生部14aの断面における磁束の分布は、図3に破線で示すような態様になる。磁界発生部14aの断面において、一方主面16aのN極の中央部近傍から出た磁束は一方主面16a上を通って一方主面16aのS極の中央部近傍に入り、一方主面16aのN極の内周側端部近傍から出た磁束は貫通孔内を通って他方主面18aのS極の内周側端部近傍に入り、一方主面16aのN極の外周側端部近傍から出た磁束は外周面上を通って他方主面18aのS極の外周側端部近傍に入る。他方主面18aのN極から出た磁束も同様に他方主面18aのS極および一方主面16aのS極に入る。
図1および図2に戻って、このような磁界発生部14aの他方主面18aには、磁性体からなるバックヨーク20aが設けられる。同様に、磁界発生部14bの他方主面18bには、磁性体からなるバックヨーク20bが設けられる。バックヨーク20aは磁界発生部14aと同寸法の円板状に形成され、バックヨーク20aの外周面と磁界発生部14aの外周面とは面一になる。同様に、バックヨーク20bは磁界発生部14bと同寸法の円板状に形成され、バックヨーク20bの外周面と磁界発生部14bの外周面とは面一になる。バックヨーク20a,20bはそれぞれ回転台12の一方主面12a上に回転可能に設けられる。
また、回転台12の一方主面12a上には、磁界発生部14a,14bをそれぞれ回転させるための駆動部22が設けられる。駆動部22は、円板状のギア24,26、およびモータ28を含む。ギア24は、一方主面12a上に設けられるモータ28に取り付けられ、バックヨーク20aの外周面に設けられるギア30aに係合する。ギア26は、一方主面12a上に回転可能に設けられ、ギア24とバックヨーク20bの外周面に設けられるギア30bとに係合する。
駆動部22は、モータ28によってギア24を回転させ、磁界発生部14a,14bをそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させる。詳しくは、モータ28がギア24を時計回りに回転させることによって、バックヨーク20aひいては磁界発生部14aが矢印A4方向に回転する。これと同時に、ギア26が反時計回りに回転し、バックヨーク20bひいては磁界発生部14bが矢印A5方向に回転する。なお、ギア24を反時計回りに回転させることによって、磁界発生部14aが矢印A3方向に回転し、磁界発生部14bが矢印A6方向に回転することはいうまでもない。この実施形態では、駆動部22が第1駆動手段に相当する。
また、図1に示すように、回転台12の他方主面12bにはモータ32が接続され、モータ32はシリンダ34に連結される。モータ32は、回転台12を矢印A1方向または矢印A2方向に回転させる。シリンダ34は、本体34aとピストン34bとを含む。シリンダ34は、ピストン34bを矢印B1方向または矢印B2方向に移動させることによって、回転台12ひいては磁界発生部14a,14bを矢印B1方向または矢印B2方向に移動させる。この実施形態では、回転台12とモータ32とによって第2駆動手段が構成される。また、この実施形態では、シリンダ34が第3駆動手段に相当する。
ついで、このように構成される磁界発生装置10の磁界制御方法について説明する。
図4〜図8を参照して、磁界発生装置10では、磁界発生部14a,14bの回転と回転台12(図1参照)の回転とを組み合わせることによって、目標位置Pにおける磁界の向きを制御する。なお、図4〜図8には磁界発生部14a,14bのみを示す。
図4に示すように、ここでは、一方主面16a,16bに平行に延びて回転台12の回転軸R1に直交するX軸と、一方主面16a,16bに平行に延びてX軸および回転軸R1に直交するY軸と、X軸およびY軸に直交し回転軸R1に一致するZ軸との交点を目標位置Pとする。言い換えれば、一方主面16a,16bに平行なX−Y平面と、X−Y平面に直交するX−Z平面と、X−Y平面およびX−Z平面に直交するY−Z平面とが交わる点を目標位置Pとする。また、図4において、X軸の目標位置Pから手前側をプラス方向とし奥側をマイナス方向とし、Y軸の目標位置Pから奥側をプラス方向とし手前側をマイナス方向とし、Z軸の目標位置Pから上側をプラス方向とし下側をマイナス方向とする。この実施形態では、一方主面16a,16bに平行なX−Y平面が所定平面に相当する。
ここでは、図4に示す状態を基準として目標位置Pにおける磁界の向きを変更する場合について説明する。図4には、一方主面16a,16bのS極がY軸のプラス側で隣り合い、一方主面16a,16bのN極がY軸のマイナス側で隣り合う状態が示されている。つまり、一方主面16a,16bの異極間(一方主面16a,16b上に一点鎖線の直線で示す)が隣り合う状態が示されている。また、図4には、Z軸(回転軸R1)上かつ一方主面16a,16bの間の中心位置P1と目標位置Pとが距離Dを有するように磁界発生部14a,14bが配置された状態が示されている。つまり、一方主面16a,16bとX−Y平面とが一致しないように、磁界発生部14a,14bが配置された状態が示されている。
図4に示す状態では、一方主面16aのN極から出た磁束の多くが一方主面16bのS極に向かうことなくY軸のマイナス側からプラス側に延びて一方主面16aのS極に入る。同様に、一方主面16bのN極から出た磁束の多くが一方主面16aのS極に向かうことなくY軸のマイナス側からプラス側に延びて一方主面16bのS極に入る。したがって、目標位置Pにおける磁界の向きはY軸のプラス方向になる。
磁界発生装置10では、駆動部22(図1参照)によって磁界発生部14a,14bをそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを変更する。また、モータ32(図1参照)によって回転台12を周方向の一方向に回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きをX−Y平面上で変更する。
まず、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを変更する場合について説明する。ここでは、図4に示す状態から磁界発生部14aを矢印A4方向に回転させかつ磁界発生部14bを矢印A5方向に回転させるものとする。
図4に示す状態から磁界発生部14a,14bをそれぞれ矢印A4方向と矢印A5方向とに回転させることによって、中心位置P1に一方主面16a,16bのN極の中央部(一方主面16a,16b上に一点鎖線の楕円で示す部分)が近づき、中心位置P1から一方主面16a,16bのS極の中央部(一方主面16a,16b上に一点鎖線の楕円で示す部分)が離れる。これによって、目標位置Pを通る磁束の向きがY軸のプラス方向からZ軸のプラス方向へと傾き、目標位置Pにおける磁界の向きがY軸のプラス方向からZ軸のプラス方向へと傾く。図9をも参照して、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きは磁界発生部14a,14bの回転角度が大きくなるにつれて大きくなる。そして、図5に示すように、磁界発生部14a,14bをそれぞれ90°回転させた状態では、一方主面16a,16bのN極の中央部が隣り合い、目標位置Pにおける磁界の向きがX−Y平面に対して90°傾き、Y軸のプラス方向からZ軸のプラス方向になる。
図5に示す状態からさらに磁界発生部14a,14bをそれぞれ回転させると、目標位置Pにおける磁界の向きはZ軸のプラス方向からY軸のマイナス方向へと傾く。そして、図6に示すように、磁界発生部14a,14bをそれぞれ180°回転させた状態では、一方主面16a,16bのN極がY軸のプラス側で隣り合い、一方主面16a,16bのS極がY軸のマイナス側で隣り合う。このように一方主面16a,16bの異極間が隣り合う状態では、目標位置Pにおける磁界の向きがY軸のマイナス方向となる。
図6に示す状態からさらに磁界発生部14a,14bをそれぞれ回転させると、目標位置Pにおける磁界の向きはY軸のマイナス方向からZ軸のマイナス方向へと傾く。そして、図7に示すように、磁界発生部14a,14bをそれぞれ270°回転させた状態では、一方主面16a,16bのS極の中央部が隣り合い、目標位置Pにおける磁界の向きがZ軸のマイナス方向となる。その後、さらに磁界発生部14a,14bをそれぞれ回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きがY軸のプラス方向に戻る。
つまり、磁界発生装置10では、磁界発生部14a,14bをそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きが±180°変更される。言い換えれば、目標位置Pにおける磁界の向きがY−Z平面上で360°変更される。なお、ここでは目標位置Pにおける磁界の向きをY−Z平面上で反時計回りに360°回転させる場合について説明したが、磁界発生部14a,14bをそれぞれ矢印A3方向と矢印A6方向とに回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きがY−Z平面上で時計回りに360°回転することはいうまでもない。
ついで、目標位置Pにおける磁界の向きをX−Y平面上で変更する場合について説明する。磁界発生装置10では、回転台12(図1参照)を回転させることによって、Z軸(回転軸R1)と同軸でありかつ回転軸R2,R3を通る所定円(図4において一点鎖線で示す)Cに沿って磁界発生部14a,14bがそれぞれ同方向に同距離で移動する。これによって、目標位置Pにおける磁界の向きがX−Y平面上で変更される。ここでは回転台12を矢印A1方向に回転させ、図4に示す状態から目標位置Pにおける磁界の向きをX−Y平面上で変更するものとする。
モータ32が回転台12を矢印A1方向に回転させることによって、図4に示す状態から磁界発生部14a,14bがそれぞれ所定円Cの周方向の時計回り方向(矢印A7方向)に同距離で移動する。これによって、目標位置Pにおける磁界の向きがX−Y平面上でY軸のプラス方向からX軸のプラス方向に傾く。そして、回転台12を矢印A1方向に90°回転させた状態では、磁界発生部14a,14bが図8に示すように配置される。この状態では、一方主面16a,16bのS極がX軸のプラス側で隣り合い、一方主面16a,16bのN極がX軸のマイナス側で隣り合う。このときの目標位置Pにおける磁界の向きは、Y軸に対して90°傾き、X軸のプラス方向となる。その後、回転台12をさらに矢印A1方向に回転させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きが、Y軸のマイナス方向を経てX軸のマイナス方向へと移り、Y軸のプラス方向に戻る。つまり、回転台12を回転させ磁界発生部14a,14bを所定円Cに沿って移動させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きがX−Y平面上で時計回りに360°変更される。なお、回転台12を矢印A2方向に回転させることによって、磁界発生部14a,14bが所定円Cに沿って矢印A8方向(図4参照)に移動し、目標位置Pにおける磁界の向きがX−Y平面上で反時計回りに360°変更されることはいうまでもない。
このように、磁界発生装置10では、磁界発生部14a,14bの回転と磁界発生部14a,14bの所定経路上での移動とを組み合わせることによって、目標位置Pにおける磁界の向きを全方向(あらゆる方向)に変更できる。
なお、磁界発生部14a,14bの回転のみを行ってもよいし、磁界発生部14a,14bの移動のみを行ってもよい。つまり、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを変更する工程のみを行ってもよいし、目標位置Pにおける磁界の向きをX−Y平面上で変更する工程のみを行ってもよい。また、磁界発生部14a,14bを回転させつつ、回転台12を回転させ磁界発生部14a,14bを移動させてもよい。つまり、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを変更する工程と、目標位置Pにおける磁界の向きをX−Y平面上で変更する工程とを同時に行ってもよい。このように、磁界発生部14a,14bの駆動態様は目標位置Pにおける磁界の向きを所望の向きに設定できれば任意に選択できる。
また、磁界発生装置10では、シリンダ34(図1参照)によって磁界発生部14a,14bを矢印B1方向または矢印B2方向に移動させ、一方主面16a,16bの間の中心位置P1と目標位置Pとの間の距離Dを変更し、目標位置Pの磁界強度を制御する。つまり、磁界発生装置10では、磁界発生部14a,14bと目標位置Pとの距離を変更することによって、目標位置Pの磁界強度を制御する。
図10に距離Dと目標位置Pの磁界強度との関係を表すグラフを示す。図10のグラフ中において、E1は、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きが0°である状態(たとえば図4または図6に示す状態)で距離Dを変更した場合の目標位置Pの磁界強度の推移である。また、E2は、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きが30°である状態で距離Dを変更した場合の目標位置Pの磁界強度の推移である。また、E3は、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きが60°である状態で距離Dを変更した場合の目標位置Pの磁界強度の推移である。また、E4は、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きが90°である状態(たとえば図5または図7に示す状態)で距離Dを変更した場合の目標位置Pの磁界強度の推移である。E1〜E4をみて、距離Dを変更することによって目標位置Pの磁界強度を任意に変更できることがわかる。
また、E1〜E4をみて、目標位置Pの磁界強度は目標位置Pにおける磁界の向きによってばらつくことがわかる。図11に距離DとE1〜E4を平均した磁界強度(平均磁界強度)との関係、および距離DとE1〜E4の最大値と最小値との差(磁界の向きによる磁界強度のばらつき量)との関係を表すグラフを示す。図11のグラフ中において、Fは距離Dを変更した場合の平均磁界強度の推移であり、Gは距離Dを変更した場合の磁界強度のばらつき量の推移である。
図10のE1〜E4と図11のGとをみて、距離D1では磁界強度のばらつき量が最も小さくなり、目標位置Pの磁界強度が略一定になっているのがわかる。したがって、目標位置Pの磁界強度を一定に保つ必要がある場合は、中心位置P1と目標位置Pとの距離Dを予め距離D1に設定しておくことによって、磁界発生部14a,14bを矢印B1方向または矢印B2方向に移動させずとも目標位置Pの磁界強度を略一定にできる。精度よく目標位置Pの磁界強度を一定に保つ必要がある場合は、目標位置Pにおける磁界の向きに応じて磁界発生部14a,14bを矢印B1方向または矢印B2方向に移動させればよい。
このような磁界発生装置10によれば、磁界発生部14a,14bの回転と回転台12の回転とを組み合わせることによって、目標位置Pにおける磁界の向きを簡単に全方向に変更できる。このように、磁界発生部14a,14bと回転台12とを回転させるのみで目標位置Pにおける磁界の向きを簡単に全方向に変更できるので、簡素に構成でき、容易に制御できる。
シリンダ34が磁界発生部14a,14bを矢印B1方向またはB2方向に移動させることによって、磁界発生部14a,14bと目標位置Pとの位置関係を変更し、目標位置Pの磁界強度を任意に変更できる。ひいては目標位置Pの磁界強度を一定に保つことができる。したがって、磁界発生装置10は、カテーテルやカプセル内視鏡等の被誘導物を磁界の作用によって誘導する医療システムにおいて被誘導物に作用する磁界強度を一定にでき、このような医療システムに好適に用いられる。
磁界発生部14a,14bの他方主面18a,18bにそれぞれバックヨーク20a,20bを設けることによって、他方主面18a,18b側への漏洩磁束を減少させ、目標位置Pの磁界強度を大きくできる。
それぞれ1つの永久磁石によって構成される磁界発生部14a,14bを用いることによって、電力の供給が必要な電磁石を磁界発生源として用いる場合に比べ、磁界発生部14a,14bを簡素に構成でき、ひいては磁界発生装置10を簡素に構成できる。また、磁界を発生させるためのエネルギー供給が不要であるので、制御をより容易にでき、ランニングコストを抑えることができる。また、磁界発生部14a,14bを1つの永久磁石で構成することによって、磁界発生部14a,14bの部品点数を抑えることができ、磁界発生装置10をより簡素に構成できる。
磁界発生部14a,14bにおいて一方主面16a,16bにそれぞれN極とS極とを1つずつ形成し、磁極の数をできるだけ少なくすることによって、一方主面16a,16bにおいて異極間近傍で短絡する磁束を減少させることができる。これによって、目標位置Pに効率的に磁束を作用させることができ、目標位置Pの磁界強度を大きくできる。
なお、上述の実施形態では、駆動部22によって磁界発生部14a,14bをそれぞれ回転させる場合について説明したが、第1駆動手段は駆動部22に限定されない。たとえば、磁界発生部14aを回転させる駆動手段と磁界発生部14bを回転させる駆動手段とを設け、2つの駆動手段によって磁界発生部14a,14bを別々に回転させてもよい。
また、上述の実施形態では、回転台12とモータ32とによって第2駆動手段を構成する場合について説明したが、第2駆動手段はこれに限定されない。たとえば、磁界発生部14aを移動させる駆動手段と磁界発生部14bを移動させる駆動手段とを設け、2つの駆動手段によって磁界発生部14a,14bを別々に移動させてもよい。
また、磁界発生ユニットの一対の磁界発生部は、上述の磁界発生部14a,14bに限定されず、たとえば図12および図13に示すような磁界発生部40a,40bを用いてもよい。磁界発生部40a,40bはそれぞれ、外形が円形でありかつ内形が楕円形の環状に形成される1つの永久磁石によって構成され、一方主面42a,42bの異極間(一方主面42a,42b上に一点鎖線の直線で示す)近傍の径方向(矢印H方向)の寸法が他の箇所の矢印H方向の寸法よりも大きくなる。つまり、磁界発生部40a,40bでは、一方主面42a,42bの異極間近傍の磁石量が多くなる。このような磁界発生部40a,40bを用いることによって、一方主面42a,42bの異極間が隣り合っている状態(図12に示す状態)と一方主面42a,42bの磁極の中央部が隣り合っている状態(図13に示す状態)との目標位置Pの磁界強度の差を小さくできる。つまり、磁界の向きの変更に伴う目標位置Pの磁界強度の変化を抑制できる。
また、図14および図15に示すような磁界発生部50a,50bを用いてもよい。磁界発生部50a,50bはそれぞれ、外形が楕円形でありかつ内形が円形の環状に形成される1つの永久磁石によって構成され、一方主面52a,52bの異極間(一方主面52a,52b上に一点鎖線の直線で示す)近傍の矢印H方向の寸法が他の箇所の矢印H方向の寸法よりも大きくなる。このような磁界発生部50a,50bにおいても、異極間近傍の磁石量が多くなり、一方主面52a,52bの異極間が隣り合っている状態(図14に示す状態)と一方主面52a,52bの磁極の中央部が隣り合っている状態(図15に示す状態)との目標位置Pの磁界強度の差を小さくできる。また、図14と図15とを比較して、図14に示す状態では、図15に示す状態よりも、一方主面52a,52bから中心位置P1までの距離が短くなり、一方主面52a,52bが目標位置Pに近くなる。磁界発生部50a,50bでは、このように一方主面52a,52bの配置態様を変化させることによって、目標位置Pの磁界強度の変化をより一層抑制できる。
また、図16に示すような磁界発生部60a,60bを用いてもよい。磁界発生部60a,60bはそれぞれ、外形および内形が円形の環状に形成される1つの永久磁石によって構成される。磁界発生部60a,60bを構成する永久磁石はそれぞれ、一方主面62a,62bにおいて異極間(一方主面62a,62b上に一点鎖線の直線で示す)近傍の厚みが他の箇所の厚みよりも大きくなるように形成される。このような磁界発生部60a,60bにおいても、異極間近傍の磁石量が多くなり、磁界の向きの変更に伴う目標位置Pの磁界強度の変化を抑制できる。
また、図17に示すような磁界発生部70a,70bを用いてもよい。磁界発生部70a,70bはそれぞれ、一方主面72a,72b側からみて円環の一部をなす1つの永久磁石によって構成される。つまり、磁界発生部70a,70bはそれぞれ、一方主面72a,72b側からみて外形が略扇形状に形成される1つの永久磁石によって構成される。このような磁界発生部70a,70bでは、磁界発生部の外形を円形状に形成する場合に比べて、磁石量を大幅に削減できる。したがって、磁界発生部70a,70bの重量を軽くでき、ひいては磁界発生装置の重量を軽くできる。なお、磁界発生部70a,70bを用いる場合、磁界発生部70a,70bの回転によって目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを変更できる範囲は約±90°になる。磁界発生部70a,70bを用いる場合、回転台12(図1参照)を周方向に回転させ、磁界発生部70a,70bを移動させることによって、目標位置Pにおける磁界の向きのX−Y平面に対する傾きを±180°変更できることはいうまでもない。
また、上述の実施形態では、1つの永久磁石によって磁界発生部を構成する場合について説明したが、この発明はこれに限定されず、たとえば図18に示す磁界発生部80a,80bを用いてもよい。磁界発生部80aは、矢印B1方向に磁化された永久磁石82aと矢印B2方向に磁化された永久磁石84aとを、それぞれの磁極が一方主面86a側から露出しかつそれぞれの磁極が一方主面86aにおいて離間するように保持部材88aに埋設することによって構成される。保持部材88aが磁性体であると永久磁石82a,84aと保持部材88aとによって閉磁路が形成されてしまうので、保持部材88aは非磁性体であることが好ましい。磁界発生部80bは、磁界発生部80aと同様に構成されるので、ここでは符号「a」を「b」に読み替えることで重複する説明は省略する。
このような磁界発生部80a,80bでは、一方主面86a,86bの異極を離間させることができ、目標位置Pにほとんど作用しない異極間近傍の永久磁石を省くことができる。このように磁石量を抑えることができるので、磁界発生部80a,80bの重量を軽くでき、ひいては磁界発生装置の重量を軽くできる。
また、永久磁石82a,84aを板状(たとえば円板状)の保持部材の一方主面に固定してもよい。この場合、保持部材の材質として磁性体を用いることによって、非磁性体を用いる場合と比べて目標位置の磁界強度を大きくできる。
さらに、図19に示すようないわゆるハルバッハ型の磁界発生部90a,90bを用いてもよい。磁界発生部90aは、複数(ここでは2つ)の第1永久磁石92aと複数(ここでは3つ)の第2永久磁石94aとを含み、第1永久磁石92aと第2永久磁石94aとを周方向に交互に配置し連結することによって構成される。図20(a)および(b)をも参照して、2つの第1永久磁石92aのうち、一方は矢印B1方向に磁化され、他方は矢印B2方向に磁化される。したがって、磁界発生部90aの一方主面96aにはN極とS極とが1つずつ形成される。また、3つの第2永久磁石94aはそれぞれ、第1永久磁石92aとの対向面に、第1永久磁石92aの一方主面96a側の磁極と同極が形成されるように周方向の時計回り方向(矢印A9方向)または周方向の反時計回り方向(矢印A10方向)に磁化される。磁界発生部90bは、磁界発生部90aと同様に構成されるので、ここでは符号「a」を「b」に読み替えることで重複する説明は省略する。
磁界発生部90aでは、第2永久磁石94aを挟んで隣り合う2つの第1永久磁石92aにおいて、一方の第1永久磁石92aの一方主面96a側のN極に磁束を集中させ、該N極からの磁束を他方の第1永久磁石92aの一方主面96a側のS極に効率よく収束させることができる。磁界発生部90bについても同様である。したがって、このような磁界発生部90a,90bを用いることによって、目標位置Pに効率的に磁束を作用させることができ、目標位置Pの磁界強度を大きくできる。
また、一方主面にのみ磁極が形成されるいわゆる極異方性永久磁石によって一対の磁界発生部を構成してもよい。極異方性永久磁石を用いた磁界発生部では一方主面から出る磁束が多く、目標位置における磁界強度を大きくできる。
なお、磁界発生部の一方主面に形成される磁極の数は、2つに限定されず、任意に設定できる。
また、磁界発生部に用いられる永久磁石が大型で1つの永久磁石片で構成することが困難な場合は、複数の永久磁石片(磁石ブロック)を組み合わせることによって一体構成された永久磁石を用いてもよい。
さらに、磁界発生部の磁界発生源として、永久磁石に代えて電磁石等を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、1つの磁界発生ユニット11を用いる場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば図21に示す磁界発生装置10aのように複数の磁界発生ユニット11を用いてもよい。
図21に示すように、磁界発生装置10aでは、共通の空間Iに磁界を発生させることができるように、2つの磁界発生ユニット11が上下に対向配置される。磁界発生装置10aでは、空間I内に設定される目標位置Pにおいて2つの磁界発生ユニット11によってそれぞれ発生される磁界の向きが一致するように、2つの磁界発生ユニット11の動作が制御される。
このような磁界発生装置10aによれば、2つの磁界発生ユニット11が共通の空間Iに磁界を発生させることによって、目標位置Pの磁界強度を大きくできる。
また、空間Iを挟んで2つの磁界発生ユニット11を配置することによって、それぞれが発生させた磁界によって目標位置Pおよびその近傍の磁界強度が補完され、磁界の向きの変更に伴う目標位置Pおよびその近傍の磁界強度の変化を抑制できる。言い換えれば、磁界の向きの変更に伴う目標位置Pおよびその近傍の磁気勾配を小さくできる。
なお、複数の磁界発生ユニットの数およびそれらの配置態様は任意に設定でき、たとえば3つの磁界発生ユニットをコ字状に配置してもよい。
この発明の一実施形態の磁界発生装置を示す斜視図である。 図1の磁界発生装置の平面図である。 磁界発生部のW−W(図1)断面図解図である。 一方主面の異極間が隣り合っている状態を示す一対の磁界発生部の斜視図解図である。 図4の状態から一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に90°回転させた状態を示す斜視図解図である。 図5の状態から一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に90°回転させた状態を示す斜視図解図である。 図6の状態から一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に90°回転させた状態を示す斜視図解図である。 図4の状態から一対の磁界発生部をそれぞれ所定円に沿って同方向に同距離で移動させた状態を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部の回転角度と目標位置における磁界の向きのX−Y平面に対する傾きとの関係を示すグラフである。 一対の磁界発生部の中心位置から目標位置までの距離と目標位置の磁界強度との関係を示すグラフである。 一対の磁界発生部の中心位置から目標位置までの距離と平均磁界強度との関係、および一対の磁界発生部の中心位置から目標位置までの距離と磁界強度のばらつき量との関係示すグラフである。 一対の磁界発生部の他の例を示す斜視図解図である。 図12の一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向にそれぞれ90°回転させた状態を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部のその他の例を示す斜視図解図である。 図14の一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向にそれぞれ90°回転させた状態を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部のその他の例を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部のその他の例を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部のその他の例を示す斜視図解図である。 一対の磁界発生部のその他の例を示す斜視図解図である。 図19の磁界発生部を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。 磁界発生装置の他の例を示す側面図である。
符号の説明
10,10a 磁界発生装置
11 磁界発生ユニット
12 回転台
14a,14b,40a,40b,50a,50b,60a,60b,70a,70b,80a,80b,90a,90b 磁界発生部
16a,16b,42a,42b,52a,52b,62a,62b,72a,72b,86a,86b,96a,96b 一方主面
18a,18b 他方主面
20a,20b バックヨーク
22 駆動部
28,32 モータ
34 シリンダ
82a,82b,84a,84b 永久磁石
88a,88b 保持部材
92a,92b 第1永久磁石
94a,94b 第2永久磁石
P 目標位置
I 空間

Claims (15)

  1. それぞれ複数の磁極が形成される一方主面を有し前記一方主面の磁極が対称となるように並べて配置される一対の磁界発生部と、前記一対の磁界発生部をそれぞれ回転させる第1駆動手段と、前記一対の磁界発生部をそれぞれ移動させる第2駆動手段とを含む磁界発生装置において、前記一対の磁界発生部によって発生される磁界のうち前記一方主面に対向する所定平面上の目標位置における磁界を前記第1駆動手段および前記第2駆動手段によって制御するための磁界制御方法であって、
    前記第1駆動手段が前記一対の磁界発生部をそれぞれ周方向の逆方向に同角度で回転させることによって、前記目標位置における磁界の向きの前記所定平面に対する傾きを変更する工程、および
    前記第2駆動手段が前記一対の磁界発生部をそれぞれ前記所定平面に平行な所定円に沿って同方向に同距離で移動させることによって、前記目標位置における磁界の向きを前記所定平面上で変更する工程を備える、磁界制御方法。
  2. 前記磁界発生装置は、前記一対の磁界発生部を軸方向に移動させる第3駆動手段をさらに含み、
    前記第3駆動手段が前記一対の磁界発生部を軸方向に移動させて前記一対の磁界発生部と前記目標位置との距離を変更することによって、前記目標位置における磁界の向きを維持したまま前記目標位置の磁界強度を変更する工程をさらに含む、請求項1に記載の磁界制御方法。
  3. 磁界を発生させる磁界発生ユニットを備え、
    前記磁界発生ユニットは、それぞれ複数の磁極が形成される一方主面を有し前記一方主面の磁極が対称となるように並べて配置される一対の磁界発生部と、前記一対の磁界発生部をそれぞれ回転させる第1駆動手段と、前記一対の磁界発生部をそれぞれ所定平面に平行な所定円に沿って同方向に同距離で移動させる第2駆動手段とを含む、磁界発生装置。
  4. 前記磁界発生ユニットは、前記一対の磁界発生部を軸方向に移動させる第3駆動手段をさらに含む、請求項3に記載の磁界発生装置。
  5. 前記磁界発生ユニットは、前記一対の磁界発生部の他方主面にそれぞれ設けられる磁性体をさらに含む、請求項3または4に記載の磁界発生装置。
  6. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ永久磁石を含む、請求項3から5のいずれかに記載の磁界発生装置。
  7. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ1つの前記永久磁石によって構成される、請求項6に記載の磁界発生装置。
  8. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ、異極間近傍の径方向の寸法が他の箇所の径方向の寸法よりも大きくなるように外形および内形の少なくともいずれか一方が楕円形である環状に形成される、請求項7に記載の磁界発生装置。
  9. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ、異極間近傍の厚みが他の箇所の厚みよりも大きくなるように形成される、請求項7に記載の磁界発生装置。
  10. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ、前記一方主面側からみて外形が扇形状に形成される、請求項7に記載の磁界発生装置。
  11. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ、複数の前記永久磁石と前記複数の永久磁石を保持する保持部材とを含む、請求項6に記載の磁界発生装置。
  12. 前記一対の磁界発生部はそれぞれ、前記一方主面側に磁極が形成される複数の第1永久磁石と、少なくとも前記複数の第1永久磁石の間に配置される第2永久磁石とを含み、
    前記第2永久磁石を挟んで隣り合う2つの前記第1永久磁石は前記一方主面側に異極が形成され、
    前記第2永久磁石は前記第1永久磁石に対向する面に前記第1永久磁石の前記一方主面側の磁極と同極が形成される、請求項6に記載の磁界発生装置。
  13. 前記一対の磁界発生部の前記一方主面にはそれぞれ、2つの磁極が形成される、請求項3から12のいずれかに記載の磁界発生装置。
  14. 共通の空間に磁界を発生させる複数の前記磁界発生ユニットを含む、請求項3から13のいずれかに記載の磁界発生装置。
  15. 前記共通の空間を挟んで配置される2つの前記磁界発生ユニットを含む、請求項14に記載の磁界発生装置。
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