JP4479964B2 - 固体撮像素子およびその駆動方法、電子情報機器 - Google Patents

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本発明は、複数の駆動モードで駆動される固体撮像素子およびその駆動方法、これを用いたカメラ付き携帯電話装置や、デジタルスチルカメラおよびデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラなどの電子情報機器に関する。
従来より、固体撮像装置では、受光部で光電変換された電荷を、VCCD(垂直転送電荷結合素子)に読み出して、垂直方向に電荷転送している。
図14は、従来のVCCDを構成する転送ゲートの駆動タイミング図、図15は、図14の駆動タイミングパルスφV(φVクロック)を各転送ゲートに入力したとき、垂直転送部で最も転送効率が悪くなる転送ゲートの電圧波形と取扱い電荷量Eとの関係を示す図、図16は、従来のVCCDの信号電荷の転送動作を示すポテンシャル図である。
図14〜図16に示すように、φVクロックがH(ハイレベル)のときに、転送ゲート下にポテンシャル井戸(ポテンシャルのくぼみ)が形成され、また、φVクロックがL(ローレベル)のときに、転送ゲート下にポテンシャル障壁を形成して、これを駆動タイミングパルスφV1〜φV4まで順に切り替えることによって、水平転送部へ信号電荷を転送している。水平転送部へ運ばれた信号電荷は、垂直転送部と同様に水平転送部の転送ゲートを駆動させて出力部へ運ばれる。水平転送部は、垂直転送部で列方向に転送されてきた横一列分の各パケットを行方向に転送するため、
水平転送期間 > 垂直転送期間
の関係が成り立つ。
図17は、従来のVCCDによる電荷転送効率の周波数依存性を示す図である。
図17に示すように、転送ゲートを高速で駆動させるほど、電荷転送効率の特性が劣化する。この場合のVCCDの最大取り扱い電荷量は、転送ゲートのうち、最も周波数依存性の弱いもの(φV3)で制限されるため、このVCCDを高速駆動させる際に大きな課題となっていた。ここで、図15で駆動タイミングパルスφV3が立ち下がり始め、これが立ち下がりきらないうちに(バリアができないうちに)、駆動タイミングパルスφV2がt7で立ち上がってポテンシャル井戸ができると、電荷量が減ってしまい、この場合の取り扱い電荷量Eが最大取り扱い電荷量Emaxである。この波形なまりが生じる原因は、図18に示す3層(R1〜R3)の各転送ゲートの縦断面図に示すように、2層目(R2)の転送ゲートの容量成分Cが最も大きく、これに印加される駆動タイミングパルスφV3が最もなまるためである。これについて図15、図19および図20を参照して説明する。
図15に示すように、取扱い電荷量Eは各転送ゲートが順次ポテンシャル井戸を形成する枚数によって増減するものの、VCCDの最大取扱い電荷量Emaxは、取扱い電荷量Eのワースト値で決まる。
図19は、図15の駆動タイミングパルスφVの重なり時間と最大取扱い電荷量Emaxとの関係を示す図である。
図19に示すように、t1〜t8までのφVクロック重なり時間を、所定時間Tsに設定すると、VCCDの最大取扱い電荷量Emaxは最も周波数依存性の弱い転送ゲートの駆動タイミングパルスφV3の周波数特性で制限されて、図15に示すように50%近くまで落ち込む。
図20は、周波数依存性の弱い転送ゲートが要因となってVCCDの最大取扱い電荷量Emaxが低下する現象を示したポテンシャル図である。
図20の時間t6a、t6b、t7a、t7b、t8aは、図15の各時間に対応している。上記最大取扱い電荷量Emaxが低下する現象は、垂直転送時、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11のポテンシャル障壁21が形成される前に、これに隣接する一つ前の転送ゲート12のポテンシャル障壁22が下がり始めるために起こるもので、全転送ゲート中、一番高いポテンシャル障壁の高さ20が、通常の転送ゲートにL(ローレベル)が印加されたときの高さ23に満たないために、取扱い電荷量24が減るというものである。
これを解決するため第1の従来技術として特許文献1が提案されている。特許文献1では、駆動タイミングパルスφV(転送ゲートパルス)の切り替え期間を均等にせず、ポテンシャル井戸を形成する枚数が少なくなる時に、各転送ゲートに印加される駆動タイミングパルスφVの立ち上がり期間を長くとる方法が提案されている。
第2の従来技術として、特許文献2には、時定数が大きい転送ゲートに印加される駆動タイミングパルスφVの立ち上がり時間を、他の期間よりも長くとり、波形遅延による影響を解消する方法が提案されている。
特開平11−355663号公報 特開2002−262183号公報
しかしながら、上記従来の特許文献1および特許文献2では、以下に示すような問題がある。
即ち、VCCDの転送効率や最大取り扱い電荷量を決定するのは、各転送ゲートの時定数だけではなく、実際は、VCCD転送部のポテンシャル深さや、フリンジング電界の勾配、各ゲート間の誘導など様々な要因が関連しており、波形鈍りの少ない転送ゲートでも転送効率が悪くなることがある。VCCDの転送効率は、これら全ての要因を含めた周波数依存性から判断するのが望ましく、転送ゲートの時定数のみを考慮した特許文献1および特許文献2では、VCCDの転送効率を効率的に向上させ難いという問題がある。
また、上記垂直転送部の駆動タイミングパルスφVの切り替え期間は、撮像信号を出力する水平転送のブランキング期間によって決まってくるため、この有限の値を、垂直転送部の駆動タイミングパルスφVの切り替え期間として各転送ゲートで分配しなくてはならない。固体撮像素子を高速駆動した場合、特許文献1および特許文献2では、駆動タイミングパルスφVの切り替え期間に余裕がなくなり、VCCDの転送効率の向上が実現できないという問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、固体撮像素子の垂直転送駆動において、複数の転送ゲートの電荷転送特性が異なっていても、安定した良好な転送効率を得ることができる固体撮像素子およびその駆動方法、これを用いたカメラ付き携帯電話装置や、デジタルスチルカメラおよびデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラなどの電子情報機器を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子は、複数の受光画素部で光電変換された各信号電荷を一方向に電荷転送する一方向転送部の複数の一方向転送ゲートと、該一方向転送部から電荷転送されてきた信号電荷を他方向に電荷転送する他方向転送部の複数の他方向転送ゲートとに各駆動タイミングパルスを出力制御することにより電荷転送制御を行う制御部を有する固体撮像素子において、該制御部は、該他方向転送のブランキング期間中に、該複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、周波数が高いときに当該他の一方向転送ゲートに比べて電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、該一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の該他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像素子における制御部は、前記駆動タイミングパルスの重なり時間を設定する重なり時間設定部と、該重なり時間設定部で該重なり時間が設定された駆動タイミングパルスの駆動タイミングを生成する駆動タイミング生成部と、該駆動タイミング生成部で生成された駆動タイミングで該駆動タイミングパルスを出力する駆動信号出力部とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における制御部は、前記他方向転送のブランキング期間の最後に、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における制御部は、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段以外の一方向転送ゲートであって、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートを、前記一方向転送の所定の繰返し周期毎の最終段とする。また、この制御部は、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに出力する駆動タイミングパルスを、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段に印加する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における制御部は、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうち、ポテンシャル障壁を形成する一方向転送ゲートが最小で1枚となるように電荷転送制御を行う。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における制御部は、前記駆動タイミングパルスの切り替え期間の配分を前記転送ゲートの転送効率の周波数依存性から求めて、前記他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該一方向転送ゲートに、該他の一方向転送ゲートに比べて多くの転送期間を配分する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子において、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうちその最終段を構成するポリシリコン層と、その転送先の前記他方向転送部の他方向転送ゲートを構成するポリシリコン層とが、異なるポリシリコン層のオーバーラップ部による隣接構造をとるように、該一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの所定の繰り返し周期と異なる一または複数の一方向転送ゲートの特別な配置パターンを該一方向転送部と該他方向転送部間に配置させて、該隣接構造をとる各ポリシリコン層を、任意のポリシリコン層で形成する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における一方向転送部の複数の一方向転送ゲートが2層以上のポリシリコン層からなり、異なるポリシリコン層の2枚以上の配置パターンにて該一方向転送部の最終段が形成されており、前記制御部は、該一方向転送部の最終段に、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに入力される駆動タイミングパルスを印加する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子において、前記同一の駆動タイミングで印加された2枚以上の一方向転送ゲート下に、転送方向に有利なように電界の勾配付けを行っている。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における複数の受光画素部は複数列でそれぞれアレイ状に配置され、各受光画素部は入射光をそれぞれ光電変換して各信号電荷をそれぞれ生成する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における他方向転送部から転送されて来た信号電荷を撮像信号として出力する信号出力部を更に有する。
さらに、本発明の固体撮像素子において、前記一方向は垂直方向であり、前記他方向は水平方向である。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子において、前記他方向転送のブランキング期間は一方向転送期間であり、一方向転送のブランキング期間は他方向転送期間であって、該一方向転送期間と該他方向転送期間を交互に設けて1パケット毎の電荷転送が繰り返し行われている。
本発明の固体撮像素子の駆動方法は、アレイ状に配置され、入射光をそれぞれ光電変換して各信号電荷を生成する受光画素部から読み出された信号電荷を、複数の一方向転送ゲートにて一方向に電荷転送し、該一方向に電荷転送された信号電荷を複数の他方向転送ゲートにて他方向に電荷転送する固体撮像素子の駆動方法において、該他方向転送のブランキング期間中に、該複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、周波数が高いときに当該他の一方向転送ゲートに比べて電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、該一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の該他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行うものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の固体撮像素子の駆動方法において、前記他方向転送のブランキング期間の最後に、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の駆動方法において、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段以外の一方向転送ゲートであって、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートを、前記一方向転送の所定の繰返し周期毎の最終段とする。また、この場合に、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに出力する駆動タイミングパルスを、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段にも印加する。
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の駆動方法において、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうち、ポテンシャル障壁を形成する一方向転送ゲートが最小で1枚となるように電荷転送制御を行う。
本発明の電子情報機は、本発明の上記固体撮像素子を用いて画像を撮像するものであり、そのことにより本発明の目的が達成される。
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
本発明においては、アレイ状に配置された受光画素に入射された光を光電変換して信号電荷を生成し、各受光画素部から読み出された各信号電荷を、制御部により、一方向転送部の複数の一方向転送ゲートを用いて一方向(垂直方向)に電荷転送し、一方向転送部から転送されて来た信号電荷を他方向(水平方向)に電荷転送するように電荷転送制御を行う。この場合に、他方向転送のブランキング期間(一方向駆動期間)中に、複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、この一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行う。例えば、他方向転送のブランキング期間の最後に、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる。即ち、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い一方向転送ゲートに出力する駆動タイミングパルスを、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段に印加する。
この駆動タイミングパルスは、1回の他方向転送(水平転送)のブランキング期間中に1パケットの信号電荷を一方向転送(垂直転送)するものとし、このとき、最も周波数依存性の弱い転送ゲートへの電圧波形が立ち下がる回数が2回未満である駆動タイミングにおいて有効である。
一方向転送部(垂直転送部)の最終段は、直接またはFIT部や画素加算部を介して他方向転送部(水平転送部)へ接続されているが、いずれも、最も周波数依存性の弱い転送ゲートに繋がる転送ゲートが最終段となるように、通常の転送ゲートの配置パターンと異なる隣接構造を一方向転送部と他方向転送部間に差し挟んで、一方向転送部(垂直転送部)の最終段とする。
本発明では、一方向転送部(垂直転送部)において、最も周波数依存性の弱い転送ゲートに繋がる転送ゲートを垂直転送部の最終段に配置し、この転送ゲートの立ち下がりで水平転送部(または画素加算部)に信号電荷を転送する駆動タイミングを生成することで、垂直転送のブランキング期間(水平転送期間)をも利用して、この最終段の転送ゲートのポテンシャル障壁を高め、次のパケットの転送時、最も周波数依存性の弱い転送ゲートのポテンシャル障壁が十分に上がりきった後に、隣接する転送ゲートのポテンシャル障壁が下がり、従来のようにVCCDの最大取り扱い電荷量が低下する現象を軽減することが可能となる。
さらに、固体撮像素子を高速駆動させた場合、垂直転送部のタイミングパルス切り替え期間は短くなり、各転送ゲートを駆動させる期間を切り詰めなければならない。本発明では、垂直転送部のタイミングパルス切り替え期間よりも十分長い水平転送期間をも利用して、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを駆動させることができるため、CCDの高速化にも有効である。
以上により、本発明によれば、固体撮像素子の一方向転送駆動期間(他方向転送のブランキング期間)において、複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、この一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行うため、複数の一方向転送ゲートの電荷転送特性が異なっていても、一方向転送部の最大取扱い電荷量を低下させることなく転送効率を向上させて、安定した良好な転送効率を得ることができる。
以下に、本発明の固体撮像素子およびその駆動方法の実施形態1〜43および比較例1,2について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の固体撮像素子の実施形態1を示す概略構成図である。
図1において、本実施形態1の固体撮像素子10は、行列状(またはマトリクス状)に複数配置され、入射光を信号電荷に光電変換する受光画素部としてのフォトダイオード1と、この各フォトダイオード1に蓄積された信号電荷を読み出して列方向(垂直方向)に電荷転送する一方向転送部としての垂直転送部2と、この垂直転送部2からの信号電荷を行方向(水平方向)に電荷転送する他方向転送部としての水平転送部3と、水平転送部3から電荷転送されて来た信号電荷を増幅して撮像信号として出力する信号出力部としての撮像信号増幅器4と、垂直転送部2および水平転送部3の各転送ゲートに転送ゲートパルス(駆動タイミングパルス)を出力制御する電荷転送制御を行う制御部5とを備えている。なお、ここでは、これらの垂直転送部2による垂直転送と水平転送部3による水平転送とは、1パケットの信号電荷転送を交互に行っている。また、6は垂直余剰電荷掃き出しドレイン、7は水平余剰電荷掃き出しドレインである。
フォトダイオード1上には、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが配置されている。
垂直転送部2には、信号電荷を一方向(垂直方向)に転送するための3層で複数の転送ゲートが順次並べられて互いに順次ラップ部を有しつつ転送方向に設置されている。本実施形態1では、駆動タイミングパルスφV1、φV2、φV3、φV4の4相ゲートで1パケットの信号電荷を転送するものとする。
制御部5は、各転送ゲートの駆動タイミングパルス出力を含む回路全体の制御を行っている。この制御部5の中には、図2のt1〜t8間で垂直転送部2の複数の転送ゲートを駆動する駆動タイミングパルス(φVクロック)の重なり時間を設定する重なり時間設定部としてのタイミングパルス生成回路51と、タイミングパルス生成回路51で設定された重なり時間を持つφVクロックの駆動タイミングを生成する駆動タイミング生成部としての駆動信号作成回路52と、駆動信号作成回路52で生成された駆動タイミングでφVクロック(駆動タイミングパルス)を出力する駆動信号出力部としての駆動信号出力回路53とを有している。
図2は、図1の制御部5からの駆動タイミングパルスφV1’〜φV4’のうち、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11に印加される駆動タイミングパルスφV3’を垂直転送の最終段に印加した場合の、垂直転送部2で最も転送効率が悪くなる部分の波形と取扱い電荷量Eとの関係を示した図である。
図2に示すように、この駆動タイミングパルスφV1’〜φV4’では、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11の駆動タイミングパルスφV3’の立下りを垂直期間の最後に位置させて、その駆動タイミングパルスφV3’の立下りの後に、水平転送期間Htを利用して、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11がポテンシャル障壁を形成する時間を十分にとるようにしている。この場合、垂直方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の該他方向のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行うこのため、最大取扱い電荷量Emaxが従来のように低下するのを大幅に抑制することができる。
図3は、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11を垂直転送部2の最終段に設け、水平転送期間Htを利用して周波数依存性の最も弱い転送ゲートのポテンシャル障壁を立ち上げるときのポテンシャル図である。
図3に示すように、時間t8c,t8d,t9c,t9d,t10cは、図2の各時間に対応している。垂直転送時、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11を垂直転送部2の最終段に設置すると、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11が最後にポテンシャル障壁を立ち上げて信号電荷を水平転送部13に転送することになる。このとき、これに隣接する一つ前の転送ゲート12には、L(ローレベル)が印加されたままなので、全転送ゲート中、一番高いポテンシャル障壁の高さ20は、通常の転送ゲートにL(ローレベル)が印加された時の高さ23を保つことができる。よって、一番高いポテンシャル障壁20の高さが低くなって取扱い電荷量24が目減りする現象を回避できる。
このように、制御部5は、水平転送のブランキング期間(垂直転送期間)の最後に、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い転送ゲート11への駆動タイミングパルスφV3’の電圧波形を立ち下がらせている。また、制御部5は、垂直転送部2の複数の垂直転送ゲートの最終段以外の垂直転送ゲート11であって、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い垂直転送ゲート11を、その垂直転送の所定の繰返し周期(φV4’、φV1’〜φV3’)毎の最終段とし、また、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い垂直転送ゲート11に出力する駆動タイミングパルスφV3’を、垂直転送部2の複数の一方向転送ゲートの最終段にも印加する。
図4は、図3の最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を構成するポリシリコン層と、垂直転送部2の最終段を形成するポリシリコン層が異なる場合の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図であり、図5は、図4のA−A’線断面図と、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。
一般的に、転送ゲートを構成する層は、2層以上のポリシリコン層(ここでは例えば3層)を順次オーバーラップさせて順次並べた隣接構造となっており、図4および図5では、白色で示す1層目の転送ゲート25、波線部で示す2層目の転送ゲート26、縦線部で示す3層目の転送ゲート27の3層のポリシリコン層から垂直転送部2が構成されている。駆動タイミングパルスφV3’が印加される最も周波数依存性の弱い転送ゲート11は、垂直転送部2の繰り返しパターンでは、主に2層目(波線部)の転送ゲート26で構成されている。垂直転送部2の最終段と水平転送部3が、オーバーラップして隣接構造を取れるよう、垂直転送部2の最終段の転送ゲート11を任意のポリシリコン層から形成する。ここでは、垂直転送部2の最終段とオーバーラップする水平転送部3の転送ゲート31を、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を構成する2層目の転送ゲート26で形成する。この垂直転送部2の最終段の転送ゲート11を、水平転送部3の転送ゲート26と隣接できるように、1層目の転送ゲート25で形成する。そして、通常の転送ゲートの繰り返し転送ゲートパターンと異なる特別パターン29を間に差し挟むことで、転送先(水平転送部3の転送ゲート26)に隣接する垂直転送部2の最終段の転送ゲート11を1層目のゲート25で構成することが可能となる。
(実施形態2)
上記実施形態1では各転送ゲートを3層で構成したが、本実施形態2では各転送ゲートを2層で構成する場合である。
図6は、各転送ゲートを構成する層が2層のとき、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを構成するポリシリコン層および、垂直転送部2の最終段を形成するポリシリコン層が異なる場合(実施形態2)の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図であり、図7は、図6のB−B’線断面図および、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。
図6および図7では、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11が2層目(波線部)の転送ゲート26で作られており、最終段では1層目の転送ゲート25で作らなければならない。各転送ゲートを構成するポリシリコン層が最大で2層の場合、層の順番を並べ替えて最終段の層を変更することはできないが、2層目と1層目を共に駆動タイミングパルスφV3’の出力端に接続した、通常(従来)と異なる特別パターン30を間に差し挟むと、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を最終段として1層目の転送ゲート25で作ることができる。最終段に位置する特別パターン30には、電荷を転送しやすいように注入で電界の勾配付けを行うことも有効である。なお、これは3層以上のポリシリコン層から形成された転送ゲートでも効果がある。
このように、垂直転送部2の複数の転送ゲートが2層のポリシリコン層からなり、異なるポリシリコン層の2枚の配置パターンで垂直転送部2の最終段が形成され、制御部5は、この最終段に同一の駆動タイミングで駆動タイミングパルスを印加する。また、同一の駆動タイミングで印加された2枚の転送ゲート下に、転送方向に有利なように電界の勾配付けを行っている。
(比較例1)
上記実施形態1と比較するための比較例1について説明する。
図8は、従来の比較例1の各転送ゲートを模式的に示す上面図であり、図9は、図8のA−A’線断面図および、時間t8aの時のポテンシャル図である。
一般的に、各転送ゲートを構成する層は、2層以上(ここでは3層)のポリシリコン層を順次オーバーラップさせて並べた隣接構造となっており、図8および図9では、1層目の転送ゲート25、2層目の転送ゲート26、3層目の転送ゲート27の、3層のポリシリコン層から垂直転送部2が構成されている。駆動タイミングパルスφV3が印加される最も周波数依存性の弱い転送ゲート11は、垂直転送部2の繰り返し転送ゲートの配置パターンでは、2層目(波線部)の転送ゲート26で構成されている。
一方、本発明(実施形態1,2)では、水平転送部3へ信号電荷を転送する垂直転送部2の最終段の転送ゲートを、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11で構成しなければならない。
ところが、図8および図9の比較例1の転送ゲートパターンでは、最終段とオーバーラップする水平部転送ゲート31が、駆動タイミングパルスφV3が印加される最も周波数依存性の弱い転送ゲート11と同じ2層目の転送ゲート26で構成されているため、最終段で互いに隣接構造をとることができない。これを回避するために、上記実施形態1や次に示す実施形態3がある。
(実施形態3)
図10は、垂直転送部2の最終段とオーバーラップする水平部転送ゲート31を、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを構成するポリシリコン層と異なる層で形成した場合(実施形態3)の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図であり、図11は、図10のA−A’線断面図および、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。
図10および図11では、水平部転送部3の転送ゲート31を、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を構成するポリシリコン層と異なる層から形成した場合に、垂直転送部2の最終段の転送ゲート11(最も周波数依存性の弱い2層目の転送ゲート26)と隣接
が可能となる。
(比較例2)
上記実施形態2(図6および図7)と比較するための比較例2について説明する。
図12は、従来の比較例2の各転送ゲートを模式的に示す上面図であり、図13は、図12のB−B’線断面図および、時間t8aの時のポテンシャル図である。
上記実施形態2(図6および図7)では、転送ゲートを構成する層が2層のとき、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を構成するポリシリコン層と、垂直転送部2の最終段を形成するポリシリコン層が異なる場合である。最も周波数依存性の弱い転送ゲート11が2層目のゲートで作られており、最終段では1層目のゲートで作らなければならない。よって、転送ゲートを構成するポリシリコン層が最大で2層の場合、層の順番を並べ替えて最終段の層を変更することはできないが、2層目と1層目を共に駆動タイミングパルスφV3’の出力端に接続した、通常と異なる特別パターン30を差し挟むと、最も周波数依存性の弱い転送ゲート11を1層目の転送ゲート25で作ることができる。最終段に位置する特別パターン30には、電荷を転送しやすいように注入で電界の勾配付けを行うことも有効である。
以上により、本実施形態1〜3によれば、垂直CCDの電荷転送時、他の転送ゲートに比べて時定数の大きい、またはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い転送ゲートの駆動タイミングパルスφV3’が最後に立ち下がって、ポテンシャル障壁となるよう駆動することで、次の垂直転送が始まるまで、水平CCDの転送時間をも利用して、他の転送ゲートに比べて時定数の大きい、またはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い転送ゲートのポテンシャル障壁を高めることができる。これにより、他の転送ゲートに比べて時定数の大きい、あるいはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い転送ゲートの障壁が立ち上がりきるまえに、隣接する一つ前の障壁が下がり始めて、垂直CCDの最大取扱い電荷量が低下するという従来の現象を回避することができる。
即ち、一番鈍る駆動タイミングパルスφV3’が印加される転送ゲート11を垂直転送部2の最終段にも設け、垂直転送部2の最終段を構成するポリシリコン層と、転送先の水平転送部3のポリシリコン層を異なる層で形成する全ての固体撮像装置に適用するため、垂直転送部で、複数の転送ゲートで転送特性が異なっていても、安定して良好な転送効率を得ることができる。
なお、上記実施形態1〜3において、VCCDの最大取扱い電荷量の低下をφVクロックの波形鈍りなど、波形の時定数だけではなく、VCCD転送部のポテンシャル深さや、フリンジング電界の勾配、各ゲート間の誘導など様々な要因を考慮した、各転送ゲートの周波数依存性から判断することが望ましい。
よって、図1の制御部5は、他方向転送のブランキング期間の最後に、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い垂直方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる。また、制御部5は、垂直転送部2の複数の垂直転送ゲートの最終段以外の垂直転送ゲート11であって、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い垂直転送ゲート11を、その垂直転送の所定の繰返し周期(φV4’、φV1’〜φV3’)毎の最終段とし、また、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い、周波数依存性の最も弱い垂直転送ゲート11に出力する駆動タイミングパルスφV3’を、垂直転送部2の複数の一方向転送ゲートの最終段にも印加する。
さらに、複数の転送ゲートで転送特性が異なっていても、安定して良好な転送効率を得ることができる本発明の目的を達成するためには、制御部5は、水平転送のブランキング期間中に、複数の垂直転送ゲートのうち、他の垂直転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスφV3’の電圧波形を立ち下がらせた後に、垂直方向に対し反対方向に当該垂直転送ゲートに隣接する垂直転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の水平転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行うようにすればよい。
また、上記実施形態1〜3では、特に説明しなかったが、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを最終段にも設置すると共に、各転送ゲートの周波数依存性の弱い順に、垂直転送部の駆動タイミングパルスの切り替え時間を長く設定すると、転送効率の向上に効果がある。即ち、図1の制御部5は、駆動タイミングパルスの切り替え期間の配分を転送ゲートの転送効率の周波数依存性から求めて、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い、周波数依存性の弱い一方向転送ゲートに、他の一方向転送ゲートに比べて多くの転送期間を配分するように電荷転送制御を行う。
また、本実施形態1〜3では、垂直転送部の最終段から直接水平転送部へと信号電荷を転送する形態について説明したが、その転送先はFIT部や画素加算部を介していても構わない。
また、本実施形態1〜3では、特に説明しなかったが、図1の制御部5は、垂直転送部2の複数の垂直転送ゲートのうち、ポテンシャル障壁を形成する垂直転送ゲートが最小で1枚となるように電荷転送制御を行う場合にも、安定して良好な転送効率を得るのに有効である。
また、本実施形態1〜3では、特に説明しなかったが、本発明の固体撮像素子10およびその駆動方法は、カメラ付き携帯電話装置や、デジタルスチルカメラおよびデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラなどの電子情報機器に用いられて、固体撮像素子10の垂直転送駆動において、複数の転送ゲートで転送特性が異なっていても、安定して良好な転送効率を得ることができる本発明の目的を達成できる。本発明のように、より早い期間で安定して電荷転送ができて撮像信号を読み出せるようになると、画像の駒落ちせず滑らかな動画再生が可能となる。このためにも垂直期間を出来るだけ短くできればよい。従来では駆動タイミングパルスφVの電圧波形が鈍っている分だけ垂直転送期間が長くかかり、また、画素数を多くしてセルサイズを小さくした場合に、駆動タイミングパルスφVの電圧波形が鈍っている分だけ取り扱い電荷量Eも少なくなったが、これらを解消することができて、高性能の電子情報機器を得ることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、複数の駆動モードで駆動される固体撮像素子およびその駆動方法、これを用いたカメラ付き携帯電話装置や、デジタルスチルカメラおよびデジタルビデオカメラなどのデジタルカメラなどの電子情報機器の分野において、垂直転送部で、複数の転送ゲートで転送特性が異なっていても、安定して良好な転送効率を得ることができる。
本発明の固体撮像装置の実施形態1を示す概略構成図である。 図1の制御部からの駆動タイミングパルスφV1’〜φV4’のうち、周波数依存性の弱い転送ゲートの駆動タイミングパルスφV3’を垂直転送の最終段に印加した場合の、垂直転送部で最も転送効率が悪くなる部分の電圧波形と取扱い電荷量Eとの関係を示した図である。 周波数依存性の弱い転送ゲートを垂直最終段に設け、水平転送期間Htを利用して周波数依存性の弱い転送ゲートのポテンシャル障壁を立ち上げるときのポテンシャル図である。 本発明の実施形態で、通常の転送ゲートの繰り返しパターンと異なる特別パターンを差し挟むことで、最終段の転送ゲートを任意のポリシリコン層から形成した場合(実施形態1)の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図である。 図4のA−A’線断面図および、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。 転送ゲートを構成する層が2層のとき、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを構成するポリシリコン層および、垂直転送部の最終段を形成するポリシリコン層が異なる場合(実施形態2)の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図である。 図6のB−B’線断面図および、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。 従来の比較例1の各転送ゲートを模式的に示す上面図である。 図8のA−A’線断面図および、これに対応した図3の時間t8aの時のポテンシャル図である。 垂直転送部の最終段とオーバーラップする水平部転送ゲートを、最も周波数依存性の弱い転送ゲートを構成するポリシリコン層と異なる層で形成した場合(実施形態3)の各転送ゲートの概略構成例を模式的に示す上面図である。 図10のA−A’線断面図および、これに対応した図3の時間t8dの時のポテンシャル図である。 従来の比較例2の各転送ゲートを模式的に示す上面図である。 図12のB−B’線断面図および、これに対応した図3の時間t8aの時のポテンシャル図である。 従来のVCCDを構成する転送ゲートの駆動タイミング図である。 図14の駆動タイミングパルスφVを各転送ゲートに入力したとき、垂直転送部で最も転送効率が悪くなる部分の波形と取扱い電荷量Eとの関係を示す図である。 従来のVCCDの信号電荷の転送動作を示すポテンシャル図である。 従来のVCCDによる電荷転送効率の周波数依存性を示す図である。 従来の3層(R1〜R3)の各転送ゲートの縦断面図である。 図17の駆動タイミングパルスφVの重なり時間と最大取扱い電荷量Emaxとの関係を示す図である。 周波数依存性の弱い転送ゲートが要因となってVCCDの最大取扱い電荷量Emaxが低下する現象を示したポテンシャル図である。
符号の説明
1 フォトダイオード
2 垂直転送部
3 水平転送部
4 撮像信号増幅部
5 制御部
51 タイミングパルス生成回路
52 駆動信号作成回路
53 駆動信号出力部
10 固体撮像装置
11 最も周波数依存性の弱い転送ゲート
12 最も周波数依存性の弱い転送ゲートに隣接する一つ前の転送ゲート
13 転送先ゲート
20 全転送ゲート中、一番高いポテンシャル障壁の高さ
21 最も周波数依存性の弱い転送ゲートのポテンシャル障壁
22 最も周波数依存性の弱い転送ゲートに隣接する転送ゲートのポテンシャル障壁
23 転送ゲートにLが印加されて最大となるポテンシャル障壁の高さ
24 取扱い電荷量
25 1層目の転送ゲート
26 2層目の転送ゲート
27 3層目の転送ゲート
29 垂直部と転送先との間に差し挟む特別パターン(3層)
30 垂直部と転送先との間に差し挟む特別パターン(2層)
32 特別パターン内での電界方向付け
E 各時間におけるVCCDの取扱い電荷量
Emax VCCDの最大取扱い電荷量
Ht 水平転送期間

Claims (20)

  1. 複数の受光画素部で光電変換された各信号電荷を一方向に電荷転送する一方向転送部の複数の一方向転送ゲートと、該一方向転送部から電荷転送されてきた信号電荷を他方向に電荷転送する他方向転送部の複数の他方向転送ゲートとに各駆動タイミングパルスを出力制御することにより電荷転送制御を行う制御部を有する固体撮像素子において、
    該制御部は、該他方向転送のブランキング期間中に、該複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、周波数が高いときに当該他の一方向転送ゲートに比べて電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、該一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の該他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行う固体撮像素子。
  2. 前記制御部は、前記駆動タイミングパルスの重なり時間を設定する重なり時間設定部と、該重なり時間設定部で該重なり時間が設定された駆動タイミングパルスの駆動タイミングを生成する駆動タイミング生成部と、該駆動タイミング生成部で生成された駆動タイミングで該駆動タイミングパルスを出力する駆動信号出力部とを有する請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 前記制御部は、前記他方向転送のブランキング期間の最後に、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる請求項1に記載の固体撮像素子。
  4. 前記制御部は、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段以外の一方向転送ゲートであって、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートを、前記一方向転送の所定の繰返し周期毎の最終段とする請求項1または3に記載の固体撮像素子。
  5. 前記制御部は、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに出力する駆動タイミングパルスを、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段に印加する請求項4に記載の固体撮像素子。
  6. 前記制御部は、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうち、ポテンシャル障壁を形成する一方向転送ゲートが最小で1枚となるように電荷転送制御を行う請求項1または3に記載の固体撮像素子。
  7. 前記制御部は、前記駆動タイミングパルスの切り替え期間の配分を前記転送ゲートの転送効率の周波数依存性から求めて、前記他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該一方向転送ゲートに、該他の一方向転送ゲートに比べて多くの転送期間を配分する請求項1に記載の固体撮像素子。
  8. 前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうちその最終段を構成するポリシリコン層と、その転送先の前記他方向転送部の他方向転送ゲートを構成するポリシリコン層とが、異なるポリシリコン層のオーバーラップ部による隣接構造をとるように、該一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの所定の繰り返し周期と異なる一または複数の一方向転送ゲートの特別な配置パターンを該一方向転送部と該他方向転送部間に配置させる請求項1に記載の固体撮像素子。
  9. 前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートが2層以上のポリシリコン層からなり、異なるポリシリコン層の2枚以上の配置パターンにて該一方向転送部の最終段が形成されており、前記制御部は、該一方向転送部の最終段に、時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに入力される駆動タイミングパルスを印加する請求項1または8に記載の固体撮像素子。
  10. 前記同一の駆動タイミングで印加された2枚以上の一方向転送ゲート下に、転送方向に有利なように電界の勾配付けが行われている請求項9に記載の固体撮像素子。
  11. 前記複数の受光画素部は複数列でそれぞれアレイ状に配置され、各受光画素部は入射光をそれぞれ光電変換して各信号電荷をそれぞれ生成する請求項1に記載の固体撮像素子。
  12. 前記他方向転送部から転送されて来た信号電荷を撮像信号として出力する信号出力部を更に有する請求項1に記載の固体撮像素子。
  13. 前記一方向は垂直方向であり、前記他方向は水平方向である請求項1に記載の固体撮像素子。
  14. 前記他方向転送のブランキング期間は一方向転送期間であり、一方向転送のブランキング期間は他方向転送期間であって、該一方向転送期間と該他方向転送期間を交互に設けて1パケット毎の電荷転送が繰り返し行われている請求項1または3に記載の固体撮像素子。
  15. アレイ状に配置され、入射光をそれぞれ光電変換して各信号電荷を生成する受光画素部から読み出された信号電荷を、複数の一方向転送ゲートにて一方向に電荷転送し、該一方向に電荷転送された信号電荷を複数の他方向転送ゲートにて他方向に電荷転送する固体撮像素子の駆動方法において、
    該他方向転送のブランキング期間中に、該複数の一方向転送ゲートのうち、他の一方向転送ゲートに比べて時定数の大きいまたはポテンシャルの深い一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスであって、周波数が高いときに当該他の一方向転送ゲートに比べて電荷転送効率の特性劣化が大きくなる当該駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせた後に、該一方向に対し反対方向に当該一方向転送ゲートに隣接する一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形が、次の該他方向転送のブランキング期間まで立ち上がらせないように電荷転送制御を行う固体撮像素子の駆動方法。
  16. 前記他方向転送のブランキング期間の最後に、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートへの駆動タイミングパルスの電圧波形を立ち下がらせる請求項15に記載の固体撮像素子の駆動方法。
  17. 前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段以外の一方向転送ゲートであって、前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートを、前記一方向転送の所定の繰返し周期毎の最終段とする請求項15に記載の固体撮像素子の駆動方法。
  18. 前記時定数の最も大きいまたはポテンシャルの最も深い一方向転送ゲートであって、前記周波数が高いときに前記電荷転送効率の特性劣化が最も大きくなる当該一方向転送ゲートに出力する駆動タイミングパルスを、前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートの最終段にも印加する請求項17に記載の固体撮像素子の駆動方法。
  19. 前記一方向転送部の複数の一方向転送ゲートのうち、ポテンシャル障壁を形成する一方向転送ゲートが最小で1枚となるように電荷転送制御を行う請求項13に記載の固体撮像素子の駆動方法。
  20. 請求項1〜14のいずれかに記載の固体撮像素子を用いて画像を撮像する電子情報機器。
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