JP4478967B2 - 図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置に関し、更に詳細には、図柄組合わせゲームを展開する遊技機の正面側に開設した可視表示部分の図柄停止ラインに図柄を停止表示すると共に、この可視表示部分に臨んだ図柄を裏側から照明する照明手段を備えた図柄可変表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図柄組合わせ式遊技機として実施に供されているパチンコ機やスロットマシン等では、遊技中に発生する毎回の始動および停止を含む変動制御条件に基づいて図柄組合わせゲームを展開し、特別遊技状態に係る権利とされる組合わせ入賞条件を成立表示することのできる手段として、例えば「ドラム形式」や「ベルト形式」と称されている図柄可変表示装置が採用されている。このうち、例えば図柄ドラム形式の図柄可変表示装置は、対象の遊技機によってサイズや変動制御条件等に差異があるものの、その形態および構成等は基本的に共通であって、合成樹脂成形された平プーリ形のドラム回転体の外周面に数字や図形マーク等の図柄を形成配置した図柄ドラムと、この図柄ドラムを回転・停止させるステッピングモータ等の回転駆動手段と、停止表示される各図柄用の位置決め検出手段と、各図柄を照明表示する照明手段等を、駆動回路や検出回路および照明回路を形成したプリント基板を兼用する駆動基盤に組付けてなる図柄表示ユニットを、1つの収容ケース体内に複数基(一般的には左列、中列、右列の3基)を横並び状態に収容セットして構成されている。
【0003】
このような図柄可変表示装置は、毎回の図柄組合わせゲームに係る変動制御態様に基づいて各列毎の図柄ドラムが設定順に変動開始されて停止され、図柄停止ライン(入賞成立ライン)上に停止表示された各列の図柄に対する個々の検出手段の図柄検出情報により、予め設定された組合わせ図柄(当り図柄ともいう)との対比検出がなされて「当り」または「外れ」が判定制御される。また前記照明手段は、遊技盤の可視表示部分(図柄透視窓)における図柄停止ラインに停止表示された各列図柄により所定の図柄組合わせ条件が成立する可能性がある場合(所謂「リーチ」状態)や実際に成立した場合(所謂「大当たり」)に、遊技者に対してこれを効果的に照明表示するためのもので、例えば前記「リーチ」時には点滅表示、「大当たり」時には連続点灯表示として夫々の図柄組合わせに対する表示効果を高め得るように設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図柄可変表示装置における各図柄表示ユニットの照明手段は、前述したように、「リーチ」および「大当たり」等の発生時に当該図柄を強調するように照明報知する機能と、これと同時に図柄可視表示部分の全体を均一的に照明する機能とを具備することで、ゲームに対する趣向性を高めて遊技者に高い感動や強い印象を与えるためのものである。しかるに従来の照明手段では、図柄停止ラインに停止した図柄を照明するための照射ランプと、可視表示部分を全体的に照明するための照明ランプ(主にLEDランプ)とを必要としたため、図柄ドラムの内側の限られた空間スペースにこれら複数のランプを設置するには制約があった。このため、各ランプを適切な位置でかつ適切な向きに設置し得ないことが多く、このような場合には高い照明効果が得られなくなるから、遊技者に高い感動や強い印象を与え得ない不都合があった。また多数のランプを使用するため、部品点数の増加に伴って製造コストが嵩む欠点も指摘されていた。
【0005】
一方前記図柄ドラムにおいては、図柄を配設したリム部は前記照明手段におけるランプの照射光を透過させ得るとしても、該リム部自体は照射光を単に透過させるだけであって照射光を拡散させる機能を有していない。従って、内側から照射された図柄の色彩や色調変化が乏しく、照明効果の低いものとなっていた。また、回転ドラム内側に多数のランプを設置するため、この設置部位にランプの後ろ側へ向けて照射した照射光を図柄ドラムのリム裏面側へ反射させる反射板を設けることができず、後方側への照射光を可視表示部分の照明に利用できない課題も内在していた。
【0006】
更に、前記ステッピングモータや検出手段および照明手段は、前記駆動基盤に直接的に電気的接続されるものではなく、駆動基盤とは別途形成されて該駆動基盤に固定される専用の中継基盤を介して電気的に接続されるようになっている。このため、部品点数が増加すると共に組付作業工数も増えるため、これによる製造コストのアップも無視できないものとなっていた。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、前述した従来の技術に内在している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、照射光に指向性を有するランプを使用する前提で該ランプの設置形態に工夫を凝らすことで、可視表示部分全体の照明と図柄停止ラインに停止した図柄の照射とを同一のランプで対応し得るようにして、照明効果の向上を可能とすると共に部品点数低減や組付け工数低減によるコストダウンを可能とした図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため本発明は、図柄組合わせゲームを展開する遊技機の正面側に開設した可視表示部分の図柄停止ラインに、基盤毎にユニット化された複数列の図柄表示ユニットにおける図柄表示体の図柄を停止表示すると共に、前記図柄表示体の裏側において前記基盤に設置されて可視表示部分に臨んだ図柄を裏側から照明する照明手段を備えた図柄可変表示装置において、
前記図柄表示体は、円筒状に形成されて外周面に図柄が表示されると共に、
前記照明手段は、
前記基盤に対してその配設面に沿い、かつ先端を前記図柄停止ラインに指向させた傾斜姿勢で配設され、先端前方へ集中光を照射すると共に側方へ拡散光を照射する照射ランプと、
前記基盤に固定され、前記照明ランプが取り付けられる設置部を備えたブラケットと、
前記ブラケットに形成されて前記基盤に対して垂直に立設され、前記照射ランプを挟んで前記図柄表示体の可視表示部分に臨む部分とは反対側に位置し、該ランプから後側へ照射された拡散光を前側の可視表示部分へ反射させる反射板とを有し、
前記ブラケットは、前記図柄停止ラインを挟む上下対称位置に前記照明ランプが位置するよう前記設置部が上下に対向的に設けられて、上方の設置部には、先端を該図柄停止ラインに指向させた前下がりの傾斜状態で照射ランプが設置される一方、下方の設置部には、先端を該図柄停止ラインに指向させた前上がりの傾斜状態で照射ランプが設置され、
前記反射板は、前記ブラケットの上下の設置部間に形成されると共に、前記図柄表示体の外周面に沿った円弧状を呈するよう形成されて、
前記図柄停止ラインに停止した前記図柄は、前記照射ランプから先端前方へ照射された集中光により照明されると共に、前記可視表示部分の全面は、該照射ランプから前側へ照射された拡散光と後側へ照射されて前記反射板で前側へ変向された拡散光とにより照明されるよう構成され、
方形枠状に成形された前枠体および該前枠体の後側開口部に整合する後箱体から構成されて内部に収容室が画成された収容ケース部材を備え、該収容ケース部材の収容室に前記複数列の図柄表示ユニットが収容されると共に、
前記収容ケース部材の下壁部には、前記前枠体および後箱体に亘って前記各図柄表示ユニットに対応して各基盤の下端を挿入する逃し口が形成されると共に、該基盤における下壁部の下方にコネクタが装着されて、各図柄表示ユニットのコネクタが収容ケース部材の下側に露出するよう構成され、
前記収容ケース部材の上面および背面に対向するケース部材に前記各図柄表示ユニットを制御する電気制御基板が収納されて、収容ケース部材の上面および背面とケース部材との間に金属板を介在するよう構成されると共に、ケース部材の後下端部に設けたコネクタと、前記各図柄表示ユニットのコネクタとを配線接続するよう構成されたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
照明手段は、前方へ集中光を照射すると共に側方へ拡散光を照射する照射ランプを有し、この照射ランプを基盤に対してその配設面に沿い、かつ先端を図柄停止ラインに指向させた傾斜状態で配設すると共に、該照射ランプの後側に反射板を設けた。これにより当該照射ランプが発光制御された際には、先端前方へ照射された集中光が図柄停止ラインに停止した図柄に向けて照射されると共に、側方へ照射された拡散光が図柄可視部分の全面を均一的に照明するようになり、単一の照射ランプにより高い照明効果が得られると共に遊技者に高い感動や強い印象を与え得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置につき、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。ここで本実施例では、図柄組み合わせ式遊技機としてパチンコ球を遊技媒体として使用するパチンコ機を例示すると共に、図柄可変表示装置として該パチンコ機に実施されるドラム形式の図柄可変表示装置を例示する。なお、本発明が対象とする図柄可変表示装置は、ドラム形式の図柄可変表示装置に限定されるものではなく、ベルト形式の図柄可変表示装置等も含まれると共に、遊技機もパチンコ機に限らずアレンジボール機やスロットマシン等も対象とされる。
【0011】
(パチンコ機)
そこで、先ず本実施例に係るパチンコ機につき、図1および図3を参照しながら要約説明する。このパチンコ機Pは、その基本的な構成として、固定用の外郭枠とされる外枠Aの開口前面側に、開閉用の搭載枠とされる前枠Bが、連結支持手段および施錠手段等を利用して着脱および開閉可能に組付けられている。そして、この前枠Bの前面側には、遊技機共通用の構成部材である横開き式のガラス扉Dを組付けた窓枠Cと、このガラス扉Dの下部において窓枠Cに対して着脱および開閉可能に組付けられる開閉セット盤の前側にセットされた上球皿Eと、下段に位置する下球皿Fおよび打球発射装置G等が組付けられ、また後面側に機構セット盤Jが装備されている。また、前枠B裏側の収容枠体の正面内部に、所要の遊技領域を構成した遊技盤Hが着脱交換可能にセットされている。一方、貸し球の払出し制御に必要とされる球貸しシステム(カード式)は、パチンコ機Pの側方(外枠Aの隣接部位)に設置されて各電子制御部と接続されている。
【0012】
(遊技盤)
前記遊技盤Hは、図2に示すように、略円形状に湾曲形成したレール10により囲まれた遊技領域11の前側において、縦央やや下部に配設されてセーフ球をスイッチで検出し得る始動入賞具12と、この始動入賞具12の直上方に配置されて後述する本実施例の図柄可変表示装置Mのレンズ部23が整合する可視表示部分14を形成した大型装飾部品13と、風車とも称されて遊技球用の流下方向を任意に変向する案内車15と、始動入賞具12の直下方に設置された電動式の大型入賞装置16と、遊技状態に応じて照射パターンが変更制御される電飾装置17等を備えている。なお大型装飾部品13の上部には、前記始動入賞具12で入賞検出されたセーフ球の有効保留数(最高4個まで)を表示する保留ランプ19が配設されている。また図2中の符号18は、アウト口を示す。
【0013】
(図柄可変表示装置)
次に、前記遊技盤Hの裏側に設置される本実施例に係る図柄可変表示装置Mについて説明する。本実施例の図柄可変表示装置Mは、前記始動入賞具12からの始動入力条件により、該装置Mの背面側に設置された電気制御基板30から発生される制御出力に基づいて、各図柄ドラム37を設定時間に亘って回転させた後に停止する形式のものである。すなわち、この図柄可変表示装置Mは、図4に示すように、装置前側に配設される透視部材20と、この透視部材20の裏側に整合して組付けられる収容ケース部材21と、この収容ケース部材21内に横並び状態で収容セットされる3基の図柄表示ユニットN,N,N等と、収容ケース部材21の背面側に配設される電気制御基板30等から構成されている。
【0014】
(透視部材)
前記透視部材20では、図2および図4に示すように、全体が透明な合成樹脂製の一体成形品であって、前記遊技盤Hの前面側に装着した前記大型装飾部品13の裏側に当接する枠体部22と、この枠体部22の中央部分に形成されて前記装飾部品13の可視表示部分14に整合するレンズ部23とから構成されている。前記レンズ部23は、3列の前記図柄ドラム37の外径および配設幅を前提として前向きの凸円弧形に膨出成形されており、水平の1ラインが図柄停止ラインT(図2)として設定されることを前提として、その前面中央に各図柄ドラム37の1コマ分の有効図柄を表示するための表示窓面24が形成されている。なお枠体部32の両端部に一体成形された膨出部には、前記遊技盤Hの裏面に装着されたセーフ球案内部材33に係着される施錠具34,34が回動可能に配設されており(図3)、これら施錠具34を前記セーフ球案内部材33に回動係着することにより、本実施例の図柄可変表示装置Mが取着されるようになっている。
【0015】
(収容ケース部材)
前記収容ケース部材21は、図4に示す如く、方形枠状に成形されて前記透視部材20の枠体部22裏側に整合する前枠体25と、この前枠体25の後側開口部に整合して内部に収容した各図柄表示ユニットNの後ろ側を被覆する後箱体26とから構成されている。そして、前枠体25と後箱体26とを前後に整合させることで、3基の図柄表示ユニットN,N,Nを収容セットするための収容室27が内部に画成されると共に、下壁部に各ユニットNの駆動基盤35におけるコネクター設置部用の逃し口28が開口形成されている(図4および図5参照)。また後箱体26の内部には、各図柄表示ユニットN,N,Nの駆動基盤35を位置決め固定するための溝部29が形成されている。また後箱体26の背面には、前記各図柄表示ユニットNを制御するための電気制御基板30がケース部材31に収納されて設置され、該後箱体26とケース部材31との間に金属板32が介在している。なお前枠体25は、前記透視部材20における枠体部22の裏側に形成された段部22aに前側開口部を整合するようになっており、これにより収容ケース部材21と透視部材20との互いの位置決めが図られるようになっている。
【0016】
(図柄表示ユニット)
収容ケース部材21の収容室27内に収容される3基の図柄表示ユニットNは、基本的構成が全く同一のものである。すなわち各図柄表示ユニットNは、図6および図7に示すように、プリント基板を兼用する長方矩形状の1枚の駆動基盤35と、この駆動基盤35の表面側の中央部にビス着されたステッピングモータ(回転駆動手段)36で回転制御される図柄ドラム37とから構成されている。このような図柄表示ユニットNは、前記収容ケース部材21の収容室27内において、当該駆動基盤35を位置決め用の前記溝部29に保持したもとで、横並びで等間隔に整列保持されている。そして、収容ケース部材21の収容室27にセットされた各図柄表示ユニットNは、図柄ドラム37の外周前部が駆動基盤35の前縁より突出して収容ケース部材21の前開口部から透視部材20のレンズ部23裏面に臨んでおり、また駆動基盤35の下端に装着されたコネクタ38が逃し口28から下側へ露出され、前記電気制御基板30に対してワイヤーハーネス39を介して接続されるようになっている。
【0017】
前記各列の図柄表示ユニットNでは、前記駆動基盤35の表面側に前記ステッピングモータ36およびコネクタ38の他に、図柄停止ラインTに停止した図柄を内側から照明する照明具(照明手段)40が前記基盤35の前部所定位置に取着されると共に、図柄ドラム37の各図柄の位置を検出する1個の光電センサ形式の検出具(検出手段)41が該基盤35の後部所定位置に取着されている。また駆動基盤35の裏面側には、前記ステッピングモータ36用の駆動回路と、前記照明具40用の照明回路と、前記検出具41用の検出回路が形成されている。
【0018】
(図柄ドラム)
前記図柄ドラム37は、その素地体が図7に示すように円筒プーリ状に成形され、例えば無色透明で光透過性を有するポリカーボネート樹脂等を材質とし、前記照明具40からの照射光を好適に透過させ得る。そして、一定平滑幅に形成されたリム部43の一方側端に、中心部に向けて延在した合計4本のスポーク44と、各スポーク44の先端中央にボス部45が一体成形されており、またリム部43の内側の所要位置に前記検出具41により検出されて図柄の基準指標位置となるL字形の1個のインデックス46が突設されている。また前記リム部43の外周面には、各種の図柄(図示せず)が熱転写方式で絵付け配置されると共に、また前記インデックス46には前記検出具41に対する遮光面が形成される。更に前記リム部43の裏面には、該リム部43の幅方向に延在する多数の凸部47が全周に亘って形成されており、照明具40からの照射光を好適に拡散させて照明効果の向上を図り得るようになっている。
【0019】
このように構成された図柄ドラム37は、3本のビス48を利用して前記ボス部45を前記ステッピングモータ36の回転軸に固定した回転体49に同軸的に固着され、該モータ36の回転に追従して回転するようになる。そして、図柄ドラム37の回転中においては、前記検出具41がリム部43に設けたインデックス46で遮光された時点で検出(ON)状態とされて、モータ36および図柄ドラム37の1回転(360°)を検出するように設定されている。但し、ステッピングモータ36は一例として200パルス単位で1回転し、図柄ドラム37の外周面に10個の図柄が形成されている場合は、20パルス単位で1図柄分の角度36°を変動して停止するよう設定される。なお、図7の符号50は駆動回路に直結したコネクタで、ステッピングモータ36から延出したワイヤーハーネス(図示せず)が接続されるようになっている。
【0020】
(照明具)
前記照明具40は、図柄停止ラインTに停止した図柄ドラム37の図柄を内側から照射すると共に可視表示部分14の全面を照明するためのもので、前記駆動基盤35の前縁部にビス固定されるブラケット53と、このブラケット53に設置される2個の照射ランプ52,52とから構成されている。前記ブラケット53は、光を反射し易い白色合成樹脂の一体成形品であり、前記各照射ランプ52を嵌着し得るフック54および係合口55からなる設置部56を上下に対向的に設けると共に、基盤35に対して垂直に立設して円弧状を呈する反射板57が、前記設置部56,56間において、該設置部56に設置した照射ランプ52を挟んで図柄ドラム37の可視表示部分14に臨む部分とは反対側に形成してある。また、前記各照射ランプ52は球頭円筒形をなし、先端前方へは集中光を照射すると共に側方へは拡散光を照射する前方指向性を具有するタイプのものが実施され、前記各設置部56,56に設置した際には、前記駆動基盤35に対してその配設面に沿い、かつ先端を前記透視部材20の表示窓面24(図柄停止ラインT)を指向させた傾斜姿勢に配設されている。すなわち、図柄停止ラインTに一致する水平基準線X−Xを挟んだ上下対称位置において、上方の照射ランプ52は先端を該図柄停止ラインTを指向させた前下がりの傾斜状態に設置され、下方の照射ランプ52は先端を該図柄停止ラインTを指向させた前上がりの傾斜状態に設置され、夫々の照射ランプ52,52は「横八の字」状に配置されている。そして各照射ランプ52の端子は、前記駆動基盤35の裏面に形成された照明回路に直結されている。
【0021】
従って、前記電気制御基板30により両照射ランプ52,52が発光制御された際には、図8に示すように、夫々のランプ52から先端前方へ照射された集中光により図柄停止ラインTに停止した図柄を集中的に照明し、当該図柄をレンズ部23および可視表示部分14を介してパチンコ機Pの前面へ鮮明に表示するようになる。また、両照射ランプ52の発光制御により該ランプ52から側方へ照射された拡散光に関しては、前側(レンズ部23側)へ向けて照射された拡散光はレンズ部23(可視表示部分14)に臨んだ図柄ドラム37の裏側の広い領域を直接的に照明すると共に、後側へ向けて照射された拡散光は前記反射板57で前側へ反射した後にレンズ部23(可視表示部分14)に臨んだ図柄ドラム37の裏側の広い領域を間接的に照明するようになる。すなわち、照射ランプ52の後側に設けた反射板57により、各照射ランプ52から側方へ照射された全ての拡散光は、最終的にはレンズ部23(可視表示部分14)に臨んだ図柄ドラム37の裏側を全面的に照明するようになる。しかも、図柄ドラム37におけるリム部43の裏面には、前述したように複数の凸部47が形成されているので、前記各照射ランプ52から照射された集中光および拡散光はこれら凸部47で更に拡散されてレンズ部23へ到達するようになり、可視表示部分14の全面が均一かつ鮮明に照明されるようになる。なお、図柄ドラム37に形成された各図柄を発光インクまたは蛍光インクで印刷すれば、前記照射ランプ52から照射される紫外線により好適に発光照明される。
【0022】
(検出具)
前記検出具41は、前述したように、図柄ドラム37に設けた前記インデックス46の検出時毎に図柄原点位置を確認検出するためのもので、凹形の本体部60の対向位置に発光部と受光部を有する。そして図7に示すように、前記本体部60の裏側を前記駆動基盤35の表面側に直接的に密着した状態で該駆動基盤35に固定され、前記発光部および受光部から延出された端子(図示せず)を、駆動基盤35の裏面側に形成した検出回路に直結している。ちなみに前記検出具41の設置部位(検出位置)は、前記図柄ドラム37の図柄が前記レンズ部23の図柄停止ラインTに停止表示される前提において、ステッピングモータ36の回転中心を通る前記水平基準線X−Xの後側、すなわちステップ角180度に設定されている。
【0023】
【本実施例の作用】
次に、前述のように構成された本実施例に係る図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置の作用につき説明する。
【0024】
本実施例の図柄可変表示装置Mを構成する各列の図柄表示ユニットNでは、プリント基板を兼用する前記駆動基盤35の表面所要位置に、ステッピングモータ36、照明具40および検出具41を直接的にビス固定する。そしてステッピングモータ36は、ワイヤーハーネスを前記コネクタ50に接続するだけで駆動回路との電気的な接続が簡単になされ、検出具41は本体部60の駆動基盤35への設置と同時に端子と検出回路との電気的な接続がなされ、照明具40における各照射ランプ52はブラケット53の駆動基盤35への設置と同時に端子と照明回路との電気的な接続がなされる。なお、検出具41の端子および照射ランプ52の端子は、対応の回路に対してはんだ付けすることが望ましい。一方前記図柄ドラム37は、前記ステッピングモータ36の回転体49に対してボス部45をビス固定することにより、前記検出具41および照明具40をリム部43の内側に収納した状態で配設され、これにより夫々の図柄表示ユニットNはコンパクトに構成される。
【0025】
このようにして組立てられた3基の図柄表示ユニットNは、夫々の駆動基盤35を前記収容ケース部材21における後箱体26の溝部29に嵌合させて固定することにより、該収容ケース部材21の収容室27内に横並び状態に収納される(図5)。そして、3基の図柄表示ユニットNを収容した収容ケース部材21と前記透視部材20とを前後に組付けると共に、該収容ケース部材21の背面側に電気制御基板30を収容したケース部材31とを金属板32を介して固定することで、本実施例に係る図柄可変表示装置Mが形成される。このようにしてユニット化された図柄可変表示装置Mは、前記遊技盤Hの遊技領域11に前側から取着された大型装飾部品13の裏側に対して該遊技盤Hの後側から整合させ、この状態で前記施錠具34,34をセーフ球案内部材33に回動係着して該球案内部材33に固定することにより、前記透視部材20のレンズ部23を該装飾部品13の可視表示部分14へ整合した状態に設置される(図4)。これにより遊技盤Hの前側では、前記大型装飾部品13の可視表示部分14に臨んだレンズ部23を介し、前記3基の図柄表示ユニットNにおける各図柄ドラム37の図柄が、3列横並び状態に透視表示される。
【0026】
そして、本実施例の図柄可変表示装置Mを実施したパチンコ機Pは、ゲーム中に発射された遊技球が前記始動入賞具12で入賞検出されたことによる始動入力に基づいて図柄組合わせゲームを展開するようになっており、該図柄可変表示装置Mでの当たり図柄の停止表示結果による「大当たり」発生時には、前記大型入賞装置16の入球口を開成した特別遊技条件を現出するようになっている。
【0027】
ここで、図柄可変表示装置Mの各図柄表示ユニットNでは、図柄変動停止制御における「リーチ」発生時および「大当たり」発生時の各時点および各条件時に対応して、前記電気制御基板30による前記照明具40の各照射ランプ52に対する点滅および点灯等を含む所要の発光制御が実行され、夫々の図柄に対する好適な照明がなされる。すなわち、照明具40の各照射ランプ52,52が発光制御された際には、夫々のランプ52から先端前方へ照射された集中光が前記表示窓面24に向けて照射され、図柄停止ラインTに停止した図柄が表示窓面24に鮮明に浮かび上がるようになる。
【0028】
また、両照射ランプ52の発光制御により該ランプ52から側方へ照射された拡散光に関しては、前述したように、前側(可視表示部分14側)へ向けて照射された拡散光はレンズ部23に臨んだ図柄ドラム37の裏側の広い領域を直接的に照明すると共に、後側(反射板側57側)へ向けて照射された拡散光は該反射板57で前側へ反射された後に可視表示部分14に臨んだ図柄ドラム37の裏側の広い領域を間接的に照明するようになる。すなわち、照射ランプ52の後側に設けた反射板57により、各照射ランプ52から照射された全ての拡散光は、最終的には可視表示部分14に臨んだ図柄ドラム37の裏側を全面的に照明するようになる。
【0029】
しかも、図柄ドラム37におけるリム部43の裏面に形成した複数の凸部47により、前記各照射ランプ52から照射された集中光および拡散光は、更に拡散されてレンズ部23へ到達するようになり、可視表示部分14の全面が均一的に明るく照明されるようになる。
【0030】
このように本実施例の図柄可変表示装置Mを実施したパチンコ機では、「リーチ」発生時または「大当たり」発生時に、可視表示部分14の全体が均一的に明るく照明されると共に、図柄停止ラインT(表示窓面24)に停止した図柄が更に強調されて鮮明に浮かび上がるようになり、当該パチンコ機Pでパチンコゲームを行なう遊技者に高い感動や強い印象等を好適に与え得る。しかも、このような照明制御は、前方指向性を有する僅か2個の照射ランプ52,52の配設構造を工夫したことにより実行されるものであるから、部品点数削減や組付け工数の低減等によるコストダウンを図りつつも高い照明効果が得られる。
【0031】
更に本実施例の図柄可変表示装置Mでは、各図柄表示ユニットNを構成するステッピングモータ36や検出具41および照明具40の各照射ランプ52を、駆動基盤35の駆動回路、検出回路、照明回路に夫々直結するようにしたから、従来実施されていた専用の中継基盤を不要とし、これによる部品点数の低減でコストダウンが可能となる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係る図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置では、先端前方へ集中光を照射すると共に側方へ拡散光を照射する照射ランプを、基盤に対してその配設面に沿い、かつ先端を図柄停止ラインに指向させた傾斜状態で配設すると共に、該照射ランプを挟んで図柄表示体の可視表示部分に臨む部分とは反対側に反射板を設けた。これにより当該照射ランプが発光制御された際には、先端前方へ照射された集中光が図柄停止ラインに停止した図柄に向けて照射されるから、該図柄を図柄可視部分に鮮明に浮かび上がらせ得ると共に、側方へ照射された拡散光が図柄可視部分の全面を均一的に照明し得るようになり、高い照明効果が得られると共に遊技者に高い感動や強い印象を与え得る利点がある。しかも、単一の照射ランプで図柄の照明と図柄可視部分全体の照明との両方に対応させることが可能となるから、部品点数削減によるコストダウンを図り得る利点もある。
【0033】
更に本発明に係る図柄可変表示装置では、各図柄表示ユニット構成する回転駆動手段や検出手段等を、基盤に形成した対応の駆動回路や検出回路に直結するようにした。従って、従来実施されていた専用の中継基盤が不要となり、これによる部品点数削減で更なるコストダウンが可能となる等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係る図柄可変表示装置を実施したパチンコ機の概略正面図である。
【図2】図1に示すパチンコ機に装着される遊技盤の正面図である。
【図3】実施例に係る図柄可変表示装置が装着されるパチンコ機の全体を示す背面図である。
【図4】遊技盤の裏側に取着した図柄可変表示装置を概略的に示す縦断側面図である。
【図5】収容ケース部材の収納室内に横並び状態で収納された3基の図柄表示ユニットを、一部破断した状態で示す正面図である。
【図6】図柄表示ユニットの側面図である。
【図7】図5に示す図柄表示ユニットを分解状態で示す斜視図である。
【図8】上下に横八の字状に配設した2個の照射ランプにより、集中光による図柄停止ラインに停止した図柄の照明と拡散光によるレンズ部全体の照明が同時になされる照明態様を示す説明図である。
【符号の説明】
14 可視表示部分
35 駆動基盤
36 回転駆動手段
37 図柄ドラム(図柄表示体)
40 照明手段
41 検出手段
52 照射ランプ
57 反射板
N 図柄表示ユニット
T 図柄停止ライン
53 ブラケット
56 設置部
25 前枠体
26 後箱体
28 逃し口
38 コネクタ
21 収容ケース部材
31 ケース部材
30 電気制御基板
32 金属板
Claims (2)
- 図柄組合わせゲームを展開する遊技機の正面側に開設した可視表示部分の図柄停止ラインに、基盤毎にユニット化された複数列の図柄表示ユニットにおける図柄表示体の図柄を停止表示すると共に、前記図柄表示体の裏側において前記基盤に設置されて可視表示部分に臨んだ図柄を裏側から照明する照明手段を備えた図柄可変表示装置において、
前記図柄表示体は、円筒状に形成されて外周面に図柄が表示されると共に、
前記照明手段は、
前記基盤に対してその配設面に沿い、かつ先端を前記図柄停止ラインに指向させた傾斜姿勢で配設され、先端前方へ集中光を照射すると共に側方へ拡散光を照射する照射ランプと、
前記基盤に固定され、前記照射ランプが取り付けられる設置部を備えたブラケットと、
前記ブラケットに形成されて前記基盤に対して垂直に立設され、前記照射ランプを挟んで前記図柄表示体の可視表示部分に臨む部分とは反対側に位置し、該ランプから後側へ照射された拡散光を前側の可視表示部分へ反射させる反射板とを有し、
前記ブラケットは、前記図柄停止ラインを挟む上下対称位置に前記照射ランプが位置するよう前記設置部が上下に対向的に設けられて、上方の設置部には、先端を該図柄停止ラインに指向させた前下がりの傾斜状態で照射ランプが設置される一方、下方の設置部には、先端を該図柄停止ラインに指向させた前上がりの傾斜状態で照射ランプが設置され、
前記反射板は、前記ブラケットの上下の設置部間に形成されると共に、前記図柄表示体の外周面に沿った円弧状を呈するよう形成されて、
前記図柄停止ラインに停止した前記図柄は、前記照射ランプから先端前方へ照射された集中光により照明されると共に、前記可視表示部分の全面は、該照射ランプから前側へ照射された拡散光と後側へ照射されて前記反射板で前側へ変向された拡散光とにより照明されるよう構成され、
方形枠状に成形された前枠体および該前枠体の後側開口部に整合する後箱体から構成されて内部に収容室が画成された収容ケース部材を備え、該収容ケース部材の収容室に前記複数列の図柄表示ユニットが収容されると共に、
前記収容ケース部材の下壁部には、前記前枠体および後箱体に亘って前記各図柄表示ユニットに対応して各基盤の下端を挿入する逃し口が形成されると共に、該基盤における下壁部の下方にコネクタが装着されて、各図柄表示ユニットのコネクタが収容ケース部材の下側に露出するよう構成され、
前記収容ケース部材の上面および背面に対向するケース部材に前記各図柄表示ユニットを制御する電気制御基板が収納されて、収容ケース部材の上面および背面とケース部材との間に金属板を介在するよう構成されると共に、ケース部材の後下端部に設けたコネクタと、前記各図柄表示ユニットのコネクタとを配線接続するよう構成された
ことを特徴とする図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置。 - 前記図柄表示体は、プリント基板を兼用する前記基盤に取着した回転駆動手段によって回転・停止すると共に、該基盤に取着した検出手段によって前記図柄の位置検出がなされるようになっており、これら回転駆動手段および検出手段は、前記基盤に形成した駆動回路および検出回路に直結されている請求項1に記載の図柄組合わせ式遊技機用の図柄可変表示装置。
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