JP4477714B2 - 簡易操作顕微装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステージ操作の容易な顕微装置、特に顕微装置のステージ操作において、被測定物画像を観察しながらステージをコントロール可能な顕微装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被測定物の微小な部位を拡大観察できると共に様々な分析や測定、解析が行いうる顕微鏡は、鉱物や生体を扱う学術や研究分野のみならず高分子材料や無機材料、電気、電子材料などの産業分野でも用いられるなど非常に広範囲で利用されている。
【0003】
現在におけるこのような顕微鏡はステージ上に被測定物が載置され、被測定物の観察部位の観察像はその画像がビデオカメラなどで取り込まれ、ディスプレイ上に表示されるのが一般的である。
【0004】
そして、被測定物の観察部位を移動する際には、様々な方法が採られていた。いくつか例を挙げると、ステージ上に位置座標を設定しておき、その位置座標を数値入力することでその座標を中心とする被測定物の観察像を表示する方法があった。さらに前後、左右、上下方向の移動ボタンが備えられ、ボタン操作によって、所望の位置の観察像を表示させるものもあった。
また便利なものとしてはジョイスティックなどがあり、移動方向がレバーを倒した方向で、移動速度はレバーを倒した大きさで設定されるものなどもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、座標入力による方法では未観察部分の座標を入力しながら観察していくことは非常に煩雑な作業であり、また時間のかかる作業となってしまっていた。さらに移動ボタンによる方法では比較的縦または横方向のみの移動は容易であるが、斜め方向は移動させるのが非常に難しいものであった。また観察倍率が高いときなどには観察範囲が非常に広くなり、観察画像を見ながらの直感的な操作ができず、思うようにステージ移動ができないなどの問題が存在した。
【0006】
また、ジョイスティックは、使いやすいマン−マシンインターフェースであるが、観察画像を見ながらの微妙な操作にはレバー操作とステージの動きとの連動が人間の感覚的に捕らえるのが難しく、ある程度の慣れが必要とされると言う問題もあった。
【0007】
本発明は前記課題に鑑み為されたものであり、その目的はジョイスティック的な直感的操作のできる特徴を残しつつ、扱いやすく、簡単に操作し得る顕微装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明にかかる顕微装置は、被測定物を載置するステージを備えた顕微鏡を含む顕微装置において、前記ステージを駆動する駆動機構と、前記駆動機構の動作を制御する制御手段と、前記顕微鏡の画像データを読み込む画像読み込み手段と、前記画像読み込み手段により読み込まれた画像を表示する表示手段と、前記ステージの動作を観察者が指示するためのステージ動作指示手段とが備えられており、前記ステージ動作指示手段は、表示手段に表示されたステージの移動方向と移動スピードを一括して設定可能なコントローラ・イメージと、ステージの移動方向と移動スピードを設定するための外部入力手段からなることを特徴とする。
また本発明において、該コントローラ・イメージが表示手段上に表示された被測定物画像上に重ねて表示されていることが好適である。
【0009】
また本発明において、コントローラ・イメージは、少なくともX−Y方向用コントローラ・イメージを備えており、X−Y方向用コントローラ・イメージは、同心円の的状イメージとポインタからなり、ステージが停止している状態では前記的状イメージの中心にポインタが存在し、ステージの駆動設定は、ステージを駆動させたい方向に該外部入力手段によってポインタを的状イメージ上で移動させることで、移動スピードは前記ポインタと的状イメージの中心からの距離の大きさに比例するように設定され、前記設定は制御手段に伝えられ、制御手段に伝えられた設定に基づいて駆動手段を駆動することでステージをコントロールすることが好適である。
また本発明において、コントローラ・イメージは、少なくともZ軸方向用コントローラ・イメージを備えており、Z軸方向用コントローラ・イメージは、直線状イメージとポインタからなり、ステージが停止している状態では前記直線状イメージの中心にポインタが存在し、ステージの駆動設定は、ステージを駆動させたい方向に該外部入力手段によってポインタを直線状イメージ上で移動させることで、移動スピードは前記ポインタと直線状イメージの中心からの距離の大きさに比例するように設定され、前記設定は制御手段に伝えられ、制御手段に伝えられた設定に基づいて駆動手段を駆動することでステージをコントロールすることが好適である。
【0010】
また本発明において、該駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、該外部入力手段によって任意の位置座標を指定入力すると、前記入力座標を中心とした被測定物画像を表示手段上に表示するように制御手段が駆動手段を駆動させることで表示手段に指定座標位置の被測定物画像を表示することが可能なことが好適である。
また本発明において、該駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、該外部入力手段によって表示手段に表示中の被測定物画像との相対位置座標を指定入力すると、入力座標から移動方向と距離が計算され、前記計算結果に基づいて制御手段が駆動手段を駆動させることでステージをコントロールし、表示手段に指定座標位置を中心とする被測定物画像を表示することが可能なことが好適である。
【0011】
また本発明において、該駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、該表示手段には、X−Y座標系の平面を表す座標系イメージが表示され、前記座標系イメージには、表示手段に表示中の被測定物画像の座標範囲が示されていると共に、表示手段に被測定物画像としてすでに表示された座標範囲が自動で記録されるオートマッピング機能を備えたことが好適である。
また本発明において、該顕微装置には観察中の被測定物のスペクトルデータを採取するをスペクトルデータ採取手段が備えられており、該座標系イメージ上の任意の位置に目印を付けることによって、目印の付けられた座標に対応する被測定物位置のスペクトルデータを自動採取することが好適である。
【0012】
また本発明において、該顕微装置には観察中の被測定物のスペクトルデータを採取するをスペクトルデータ採取手段が備えられており、被測定物の任意の位置でスペクトルデータを採取すると、スペクトルデータを採取した位置の座標に対応する該座標系イメージ上の位置に目印を付けることが好適である。
また本発明において、該座標系イメージ上に付けられる目印が複数付けられている場合、スペクトルデータ採取後に、任意の目印を選択すると、その目印が付けられた位置に対応する座標の被測定物画像またはスペクトルデータ、あるいは被測定物画像とスペクトルデータの両方を表示手段上に表示することが好適である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態である顕微装置の概要図を示す。
同図に示す顕微装置2は、被測定物を載置するステージ4を備えた顕微鏡6を含む顕微装置2において、前記ステージ4を駆動する駆動機構8と、前記駆動機構8の動作を制御する制御手段10と、前記顕微鏡6の画像データを読み込む画像読み込み手段12と、前記画像読み込み手段12により読み込まれた画像を表示する表示手段14と、前記ステージ4の動作を観察者が指示するためのステージ動作指示手段とが備えられている。
そして前記ステージ動作指示手段は、表示手段に表示されたステージの移動方向と移動スピードを一括して設定可能なコントローラ・イメージ16と、ステージの移動方向と移動スピードを設定するための外部入力手段18で構成されている。
【0014】
図1に示した一実施形態における顕微装置2は、顕微鏡6とパーソナルコンピュータが組み合わせて構成されており、パーソナルコンピュータのCPU20によって統括制御されているから外部入力手段としてはキーボード22、マウス24などを使用することが可能である。
なお、外部入力手段としては、コンピュータに適用できる機器を接続することによって、前記以外の入力手段を用いることも可能である。例を挙げれば、タッチパネルやタッチペンなどであっても良い。
【0015】
このような構成によって、被測定物画像はTVコントローラ26を通して画像読み込み手段12によって取り込まれ、その情報をビデオインターフェイス28に送ることによって表示手段14に被測定物画像が表示され、さらにCPUにその情報が送られることで、ハードディスク30やメモリ32に重要な情報が保存され、記憶しておくことができる。
【0016】
また観察者は表示手段に表示された被測定物画像を観察し、他の観察部位を表示手段上に表示させたいと所望する場合には、外部入力手段を用いてコントローラ・イメージを操作することによって、ステージの移動方向と移動スピードが設定され、その設定が制御手段に伝えられ、制御手段が駆動手段を駆動させることで顕微鏡6のステージ4を駆動させ、表示手段上に所望する被測定物の観察部位を表示させることが可能である。
【0017】
図2(a)に表示画面上に表示された被測定物の画像とコントローラ・イメージの表示例を示す。
同図に示すように、観察画像表示ウィンドウ26には被測定物の被測定物画像28が表示されている。また、コントローラ・イメージ16はZ軸方向用コントローラ・イメージとX−Y方向用コントローラ・イメージからなっている。本発明の顕微装置において特徴的なことは、このコントローラ・イメージによって、ステージをコントロールすることができることである。
このようにコントローラ・イメージによってステージの駆動が可能であるため、本発明はステージの操作が非常に簡便である。
【0018】
さらに本実施形態において特徴的なことは、ステージの移動方向と移動スピードを設定するためのコントローラ・イメージが表示手段上に表示された被測定物画像上に重ねて表示する事ができることである。
図2(b)に表示画面上に表示された被測定物の画像とその上に重ねて表示されたコントローラ・イメージの表示例を示す。
【0019】
同図に示す観察画像表示ウィンドウ26には被測定物の被測定物画像28が表示されており、本実施形態においてもコントローラ・イメージ16は観察画像表示用ウィンドウ26外に表示されたZ軸方向用コントローラ・イメージと観察画像表示ウィンドウ26内に表示されたX−Y方向用コントローラ・イメージからなっている。そしてX−Y方向用コントローラ・イメージは観察画像表示ウインドウ26に表示された被測定物画像28と重ねて表示されている。
【0020】
本発明はこのように被測定物画像と重ねて表示することにより、コントローラ・イメージを操作するために被測定物画像から目を離す必要がない上、ステージの移動に伴う観察画像の動きが表示手段上に表示され、ステージの移動方向を確認しながら作業を行うことができるなどの利点を有する。
【0021】
本実施形態のX−Y方向用コントローラ・イメージは、的状イメージ30上で、ポインタ32を移動させることによってステージの移動方向とステージの移動速度を設定することが可能である。その設定方法は至って簡単であり、移動方向は表示画面上に表示されたマウスポインタ34をコントローラ・イメージのポインタ32に合わせてドラッグし、ステージを移動させたい方向にポインタ32を移動させることで、ステージの移動方向が設定される。また移動スピードは的状イメージ30の中心からの距離で設定され、本実施形態においては、中心からの距離が大きく離れるほど移動スピードを早く設定することが可能である。
【0022】
図3に設定例をいくつか示す。ステージを観察像に対して右方向にゆっくりと移動させたい場合は、同図(a)に示すようにポインタ32を的状イメージの右方向に中心からの距離が近いところに移動させることで設定される。
またステージを観察像に対して下方向に速く移動させたい場合は、同図(b)に示すようにポインタ32を的状イメージの下方向に中心からの距離が遠いところに移動させることで設定される。
さらに縦方向、横方向のみならず、図(c)、(d)に示すような斜め方向に移動させることも可能である。
【0023】
そしてステージを停止させたいときは、マウスのドラッグをはずすと、コントローラ・イメージのポインタ32は的状イメージ30の中心に自動で戻り、ステージは停止するように設定されている。
このコントローラ・イメージによる設定は、ポインタ32を的状イメージ上で動かすことにより即座に制御手段に伝えられ、制御手段は伝えられた設定に基づいて駆動手段を駆動させ、ステージを移動させるのである。
【0024】
このような構成によって、観察者は被測定物画像を観察しながら、ステージを移動させることが可能である。さらにコントローラ・イメージによる、直感的なステージ駆動が実現できるため、観察者が顕微装置を操作するのに熟練を必要としない。
【0025】
なお、本実施形態においてはポインタ32をドラッグしたまま、的状イメージ30上からはずれてしまった場合には、ポインタ32は自動で的状イメージの中心部分に戻されるように安全設計されている。さらにコントローラ・イメージを被測定物画像と重ねて表示させる場合に、被測定物画像が見難いときなどには、コントローラ・イメージを半透明状、あるいはその表示濃度をさらに薄くするよう調整可能に構成されている。また被測定物画像のみを観察し、ステージを動かす必要がない場合などにはコントローラ・イメージを完全に消してしまったり、消したコントローラ・イメージを再び被測定物画像に重ねて表示することもできるように設定されている。
【0026】
続いてZ軸方向用コントローラ・イメージを再び図2を参照にしつつ説明する。Z軸方向用コントローラ・イメージは、直線状イメージ36とポインタ38からなりZ軸方向用コントローラ・イメージのポインタ38は、直線状イメージ36上を一次元方向のみ移動可能である点以外はX−Y方向用コントローラ・イメージと同様の操作方法によってステージ操作の設定を行うことが可能である。
【0027】
つまり、スーテジを駆動させたい方向に該外部入力手段によってポインタを直線状イメージ上で移動させることでステージの移動方向が設定され、移動スピードは直線状イメージの中心からの距離によって設定されるのである。
また、ステージ移動の停止方法や直線状イメージ36上からポインタ38がはずれてしまった場合にはポインタ38が自動で直線状イメージ36の中心に戻る設計もX−Y方向用コントローラ・イメージと同じである。
【0028】
なお図2(b)に記載した本実施形態においてはZ軸方向用コントローラ・イメージを観察画像表示用ウィンドウ26外に配置したが、Z軸方向用コントローラ・イメージをX−Y軸方向用コントローラ・イメージと同様に、観察画像表示用ウィンドウ26内に配置し、被測定物画像と重ねて表示してもいっこうに差し支えない。
【0029】
本発明においては、駆動手段8によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、外部入力手段18によって任意の位置座標を指定入力すると入力座標を中心とした被測定物画像を観察画像表示ウィンドウ26に表示するように制御手段が駆動手段を駆動させることで表示手段に指定座標位置の被測定物画像を表示することが可能となっている。
これは一度観察した場所を再び表示させたい場合などに、コントローラ・イメージによってステージを移動させ、被測定物の特定位置画像を見つけだすよりも簡単に表示することを可能にするものである。
【0030】
図2(b)を参照にしつつ説明すると、任意の座標X、Y、Zをそれぞれ座標入力欄40、42、44に入力するとその座標を中心とした被測定物画像が観察画像表示用ウィンドウ26に表示される構成となっている。
このため観察者は、被測定物画像を観察し、特徴のある場所を発見した際には、座標表示欄46、48、50で座標を確認し、記録しておくことで、再びその位置の被測定物画像を表示させることができるのである。
【0031】
なお本実施形態においては、通常の状態では表示中の被測定物画像の座標範囲が座標表示欄46、48、50に表示されるようになっており、特徴のある特定部位を発見した場合、マウスポインタ34をその部位にあわせてクリックすると、座標表示欄46、48、50にクリックした部位の位置座標が表示されるようになっている。そしてその部位を記憶しておきたい場合には、メモリ32に一時記憶しておくこと、もしくはハードディスク30に書き込み記憶しておくことも可能であり、観察者が特徴ある部位の位置座標を忘れてしまっても記憶装置から読み出すことが可能となっている。
【0032】
さらに本発明においては表示中の被測定物画像の位置座標から相対位置座標を指定入力することによって、目標とする位置座標の被測定物画像を表示することもできる。
これによって例えば特異な性質を示す部位が、あるサイクルで現れることがわかった場合、表示中の特異な性質を示す座標位置から次の特異な性質を示す座標位置をいちいち絶対座標に変換しなくとも、そのまま入力することによって目的の部位を表示することが可能となる。
【0033】
本実施形態においては、任意の相対座標X、Y、Zをそれぞれ座標入力欄40、42、44に入力すると入力座標から移動方向と距離が計算され、その計算結果に基づいて制御手段が駆動手段を駆動させることでステージをコントロールし、目的の座標を中心とした被測定物画像が観察画像表示用ウィンドウ26に表示される構成となっている。
【0034】
なお、本実施形態においては入力座標が絶対座標による指定であるか相対座標による指定であるかを区別するために、チェック欄52、54を設けている。観察者が座標入力によりにステージを駆動させる場合、相対座標による指定であるか、絶対座標による指定であるかもチェック欄に記入することによって両者を混同することなく処理することが可能である。
このように本発明の顕微装置は通常であるとある程度の熟練を要する作業であるステージの操作を非常に簡単に行うことが可能になる。
【0035】
しかしステージ操作が簡単であっても高倍率で観察中の被測定物の中から観察目的部位を簡単に見つけだせるとは限らない。顕微鏡で観察を行っているとき、低倍率で観察を行っている場合には比較的視野も狭く、被測定物の観察目的部位を見つけだすこともそう困難なことではないが、高倍率で観察を行っているときには、視野が非常に広くなり、被測定物の観察目的部位をなかなか見つけられないと言った事例がたびたび起こる。
【0036】
このような事態を回避するため本発明における顕微装置は、駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に設定された座標範囲をイメージ化し、その座標範囲の中で表示手段に表示中の被測定物画像の座標範囲を示して座標系中における現在の観察位置を観察者に知らせると共に、表示手段に被測定物画像としてすでに表示された座標範囲を自動で記録して行くことにより、観察者が何度も同じ位置を観察することを防止することができる構成となっている。
【0037】
図4に表示画面に表示されたマップの表示例を示す。
同図に示すマップ56は、X−Y座標系の平面を表すグレーに塗りつぶされた方形の座標系イメージ58が表示されている。この座標系イメージ58上には、表示手段上に表示中の被測定物画像の位置座標に対応する場所に、現在位置表示カーソル60が点滅表示されている。現在位置表示カーソル60の大きさは、表示手段に表示中の被測定物画像が占有する座標範囲に対応しているから、観察倍率によって変化する。この現在位置表示カーソル60によって、観察者は自分が現在観察可能領域全体のどの部分を観察しているのかを一目で確認することができる。
また一度観察画像表示ウィンドウ26に被測定物画像が表示された座標範囲に対応する部分は、観察済み領域62としてやはり座標系イメージ58上に記録されていくように構成されている。
【0038】
このような構成によって、ステージを駆動させて表示手段に表示させる被測定物の観察位置が変更されても、現在観察中の場所は全体の中のどこなのかがたちどころに確認でき、また一度観察した場所が記録されているから観察目的部位を探す際に何度も同じ位置を観察してうろうろと迷うことも防止できる。
【0039】
なお、ここで言うX−Y座標系の平面全体を表す座標系イメージは、座標系全体を視覚的に捕らえることが可能である程度のイメージでよく、その目的を果たすことのできる簡単なイメージでよい。このため被測定物画像を張り合わせて全体の被測定画像を表示するような被測定物像イメージマップを意味する物ではない。
【0040】
近年、顕微装置を用いた被測定物の観察は、顕微鏡による拡大画像の観察だけでなく特徴的な部位のスペクトルを採取、解析を行い、被測定物をより詳しく分析することが一般的である。
図1に示すように、本発明の一実施形態である顕微装置においても被測定物の特定部位からスペクトルを採取し、そのデータを取り込むことが可能なスペクトルデータ採取手段64と、スペクトルデータ採取手段64により採取されたデータを整理し、解析可能なスペクトルデータ解析手段66が備えられている。そして、これらのスペクトルデータ採取手段64、スペクトルデータ解析手段66により採取されたスペクトルデータはCPU20によって、ハードディスク30などの記憶手段に記憶されるのである。
【0041】
本発明において特徴的なことは、表示手段に表示されている被測定物の拡大画像を観察していて、観察者がスペクトルデータを採取したいと思う部位、あるいはスペクトルを採取した部位が一目でわかるように、前記座標系イメージ58上に目印68がつけられる点である。
この結果、観察者はマップ56を見て一目で被測定物のどの部位からスペクトルデータを採取するのか、あるいはしたのかを知ることができる。
【0042】
本発明の装置においては、スペクトルデータを採取するための装置の動作方法は2つあり、1つは、被測定物の観察画像を観察していき、スペクトルデータを採取したい場合には、どの部位のスペクトルデータを採取するのかという位置座標情報と、スペクトルを採取する際に使用するアパーチャの設定情報を入力しておき、一通り採取部位を決定してから自動で指定した部位のスペクトル採取を行う方法であり、もう一つは、観察しながら所望の部位のスペクトルを採取していく方法である。
【0043】
第一の方法では、スペクトル採取部位の位置座標情報と、アパーチャの設定情報を装置に入力すると、前記マップ上で対応位置座標の場所にフラッグ型の印が付けられる。そして、観察者が一通りスペクトル採取希望位置の情報を入力し、スペクトル採取を開始させると、目印の付けられた座標における被測定物位置のスペクトルデータを自動採取していくのである。このため観察者は、あらかじめスペクトルデータを採取する位置を入力するだけで、スペクトルデータを採取中には装置についている必要がないため、スペクトル測定のために拘束される時間が少なくなる。
【0044】
第二の方法では、スペクトル採取部位の位置座標情報と、アパーチャの設定情報を装置に入力し、その場でスペクトルデータを採取させると前記マップ上でスペクトルデータを採取した位置座標に対応する場所にフラッグ型の印が付けられるのである。
【0045】
そして、スペクトルデータを採取した位置座標情報と、それに対応するマップ上に付けられた印、及びその位置座標において採取されたスペクトルデータは、関連づけられてハードディスク30に記憶されており、スペクトルデータ採取後に、任意の目印にマウスカーソルなどをあわせてクリックして選択すると、その目印が付けられた位置に対応する座標の被測定物画像またはスペクトルデータ、あるいは被測定物画像とスペクトルデータの両方を表示手段上に表示するのである。
【0046】
なお本形態において、前記した印を選択した際に表示される被測定物画像は、記憶されている位置座標情報に基づいてステージを駆動させて表示させたリアルタイムの被測定物画像であるが、これに限られる物ではなく、あらかじめ被測定物画像の情報も位置座標やスペクトルデータなどの情報と共に関連づけて記憶させておき、その画像データを再生させた物であっても良い。
【0047】
また本形態における印は、フラッグ型の印を用いており、スペクトルを採取する位置情報とアパーチャの設定方法が入力され、まだスペクトル採取が行われていない場所は黄色のフラッグが、スペクトルデータがすでに採取された場所は青のフラッグが、スペクトルを採取中の場所には赤のフラッグがそれぞれつけられるように構成されているが、本発明の言う印はこのフラッグのみに限られる物ではなく、また印の色も限定する物ではない。
【0048】
以上、説明したように本発明は、比較的操作の難しい顕微装置を簡単に操作することが可能である。
以下、本発明の顕微装置を赤外分光光度計に適用した実施例を用いてさらに詳しく説明する。
【0049】
【実施例】
本発明を適用した赤外顕微鏡装置の概要図を図5に示す。
同図に示すように赤外顕微装置70は、被測定物を載置するステージ72を備えた赤外顕微鏡74を含む顕微装置であって、前記ステージ72はステップモータ(駆動機構)が備えられており、ステージを駆動することが可能である。モータは制御手段を介してコンピュータ76に接続されており、制御手段とコンピュータはステージの制御状態と観察者が指示したステージの動作情報を双方向で情報を交換している。
【0050】
また顕微鏡74の三眼ファインダ78の上方にはTVカメラコントローラを介してCCDカメラ80(画像読み込み手段)が顕微鏡画像を取り込み可能に接続されており、CCDカメラによって取り込まれた画像情報は、ビデオインターフェースを介して表示手段であるCRT82上に表示されると共にコンピュータ76に送られている。
【0051】
そして、CRT82上にはコンピュータ76によってステージの移動方向と移動スピードを一括して設定するためのコントローラ・イメージ84が表示されており、またコンピュータ76には観察者が情報を入力するための外部入力手段としてマウス86及びキーボード88が接続されている。このような構成をもつ顕微装置70は、観察者がマウス86によってコントローラ・イメージ84を操作することで顕微鏡74のステージ72を操作することが可能である。
【0052】
また本発明の顕微装置70には、被測定物のスペクトル採取を可能にする赤外分光光度計(FTIR)90(スペクトル採取手段)が備えられており、この分光光度計90もコンピュータ76に接続され、その測定結果からコンピュータによりスペクトルを解析することが可能である。
【0053】
以下、PPフィルムを試料として観察する過程を通して、本顕微装置の動作を説明する。本顕微鏡74は赤外の透過測定及び反射測定の両方を行うことができるが本実施例においては透過測定を行うこととした。
まず被測定物となる試料をステージ72上に配置する。
続いて透過測定の場合に必要になることは集光鏡の位置調整である。
【0054】
図6にガセグレイン集光鏡の位置調整において用いられる顕微鏡74の光学系の概要図を示す。同図に示すように赤外分光光度計(FTIR)から顕微鏡内に入射した赤外光92は、ミラー94、凹面鏡96、ミラー98を経てガセグレイン鏡100に至り、ガセグレイン鏡対100、102の間で焦点を結ぶように集光される。ガセグレイン集光鏡対100、102を通過した光は凹面鏡106、レンズ108を経て検出器110に入射され、その強度が検出される。そしてガセグレイン鏡対100、102のちょうど焦点に当たるところに被測定物104が配置されるようになっている。
ところがここに配置される被測定物104の厚さや屈折率によって被測定物104から焦点がずれてしまう場合がある。これを調整するためにガセグレイン鏡の位置調整が必要になってくるのである。
【0055】
従来においてはこのガセグレイン集光鏡の位置調整は、手動で行われていた。しかし本実施例の顕微装置70はこの作業も自動化している。FTIRが動作した状態で赤外光のインターフェログラムは、図7(a)のようになる。インターフェログラムの中心付近に現れるピークはセンターバーストと呼ばれ、FTIRに使われるHe−NeレーザとFTIR内の移動鏡による干渉光の共鳴によってほんの短い時間だけ現れる信号である。すると、このセンターバーストを除外すれば、ほぼDC成分の信号であると見なしても差し支えがなくなる。そこで、顕微鏡74内に照射されてきた図7(a)のようなインターフェログラムを示す赤外光に図6に示したようなチョッパー112等を用いて変調をかけてやると、ガセグレイン鏡対100、102を通過してきた光は凹面鏡106、レンズ108を経て、検出器110によって図7(b)のような信号が検出される。
【0056】
よって、ガセグレイン鏡102を被測定物104にピントを合わせておき、この信号を検出器110によって検出しながら、ガセグレイン鏡100を上下動させて検出される赤外光の検出信号の変調振幅が最大になる位置にガセグレイン鏡100を移動することによって位置調整することが可能である。
【0057】
そこで本実施例の顕微装置70は、ガセグレイン鏡100がモータによって移動可能に構成されており、試料をステージ上に載置した後、アパーチャ114を設定して、被測定物像を観察する際に使用するハーフミラー116、118を光路上からはずして、透過スペクトル測定を行うように光学系を調整した後、ガセグレイン鏡100の自動位置調整を行うように指示を与えると、チョッパー112が光路上にセットされて作動し、赤外光の変調信号を検出器110で測定しながらモータ駆動によってガセグレイン鏡100を赤外光の変調信号の振幅が最大になる位置に移動するのである。
【0058】
なお本実施例において検出器110で用いられる変調信号の検出方法は、チョッパーによる赤外光の変調が重なったインターフェログラムを取り込み、そのインターフェログラムの最大振幅からチョッパーによる変調の振幅を見積もっている。ただし、インターフェログラムのセンターバースト付近のデータは除外している。
【0059】
また、赤外の変調方法としてはチョッパーを用いたが、ガセグレイン鏡の位置調整中にFTIR内の移動鏡は通常通りに動作している状態であっても、動作を止めている状態、またはセンターバーストから十分離れた位置で微小に往復運動している状態のいずれの状態であっても差し支えない。また、赤外光の変調周波数は、データのサンプリング周波数の1/4以下であることが望ましい。
【0060】
このようにガセグレイン集光鏡の位置調整が終了すると、光学系を図8のように切り替える。図8において、図6と同じものには同じ番号を付している。
同図に示したように、被測定物像を観察する際は、ハーフミラー118を光路中に挿入し、観察用光学系に光を導入する。ガセグレイン鏡102を経た被測定物像は、ハーフミラー118により反射され、ミラー120によりレンズ122に導入され、レンズ122によって平行光に変換される。
平行光に変換された被測定物像はレンズ124によって平面l上に結像され、この結像された被測定物像が接眼レンズ126を通して観察すされるのである。この像を観察するには顕微鏡74が備える三眼ファインダ78を用いても良いし、CCDカメラ80によって取り込まれ、CTR82上に表示された被測定物画像でも観察することが可能である。
【0061】
被測定物の観察をするに当たって、はじめは低倍率で被測定物の全体像を観察した。すると、被測定物の全体の大きさは、本顕微装置のステージ駆動可能範囲に設定されている座標範囲より小さいことがわかった。前述したように本発明の顕微装置は、ステージ駆動可能範囲全体に座標系が設定されている。そして、その座標系がイメージ化されたマップが表示手段に表示されることとなる。現在は低倍率で被測定物像を観察しているため、被測定物の全体像を観察することが可能であるが、高倍率で観察する際には、マップがあるといえども、被測定物からはずれた場所に迷い込み、観察作業を妨げる可能性がある。そのため本実施例においては、このよう被測定物が座標範囲より小さい場合は、被測定物の大きさに合わせた座標系イメージでマップを作成することが可能となっている。
【0062】
図9はCTR82上に表示された被測定物の観察像である。
この被測定物像128の大きさに合わせた座標系イメージを設定するには、まずマウスポインタ130を用いて、被測定物全体が含まれるような範囲132を想定し、その範囲132の対角線134を定めることにより設定される。実際の設定は、観察者がマウスポインタ130をポイント136でクリックして一点を定め、さらにポイント138をクリックすることで二点が定められ、その二点136−138を結ぶ直線134が設定される。二点が入力されると、コンピュータ76はその二点を結ぶ直線134を対角線とする長方形範囲132を計算し、その長方形132を座標系イメージ全体とするのである。つまりこの設定において観察者は最適な二点を入力するだけである。
【0063】
座標系イメージの設定をした後、さらに倍率をあげて被測定物の観察を行った。
なお被測定物の観察部位を変えるためのステージ操作はコントローラ・イメージによって行い、その操作方法は前記した通りである。また本実施例においてもコントローラ・イメージは被測定物画像と重ねて表示されており、観察画像を見ながらにしてステージ操作が可能であることや、絶対座標、および相対座標の入力によりステージ操作が可能であることも同様である。よって、ここでは説明を省略する。
【0064】
高倍率で、座標系イメージに記録されていったマップを参考にしながら観察を進めていくとある部位で被測定物であるPPフィルム上に汚れを発見した。そこでこの汚れのスペクトル測定を行うこととした。
本発明においてスペクトル測定を行う方法は2通りあることは前記したとおりである。本実施例においてもどちらの方法によっても測定することが可能であるが両方の作業に共通して必要なことは、アパーチャの設定の入力と、スペクトル測定位置の入力である。
【0065】
本実施例ではスペクトル測定を行いたいと所望する場所を発見したら、CTR85上に表示された被測定物像上でその部位をマウスポインタによりクリックし、この場所でスペクトル測定するように入力する。
すると顕微装置70のコンピュータ76は、アパーチャの設定を入力するように表示画面上に表示するので、観察者はその指示に従ってアパーチャを設定すればよい。
【0066】
本実施例における顕微装置70はアパーチャを設定する際に被測定物像のどの部位からスペクトルを採取しているのかが視覚的に確かめられる光学配置を適用している。再び図8を参照しつつ、本顕微鏡74の光学配置を説明する。
【0067】
通常、顕微鏡の光学系はスペクトルを採取するための検出器と、被測定物像を観察する接眼レンズ126は別々に配置されており、被測定物からの光をスペクトル採取中は検出器側に、被測定物像観察中は接眼レンズ側にミラー等を用いて導入している。このような構成であると観察者がアパーチャを設定する際、実際に被測定物のどの位置のスペクトルを採取するのか確かめることができない。そのため、アパーチャ114をはさんだ対物鏡102と反対側に照明光源140を設け、アパーチャ設定中は、この光源から光を照射してアパーチャから被測定物方向に光を照射する。そしてこの光を被測定物像と合成することによって、被測定物のどの部位にどのような大きさのアパーチャが設定されているのかを確かめながら設定を行うことができるのである。
【0068】
従来の装置においてはアパーチャからの光と、被測定物像を合成するために様々な光学系が取られてきた。しかし従来の装置は2つの光学系を組み合わせて一つの像として結像させていたため、光学調整に手間がかかるものであった。
本実施例においては、光学調整を容易に行える上に光学系を簡易化するために被測定物像の光と、アパーチャからの光を平行光束に変換した後両者を合成する方法を採っている。
【0069】
前記したように被測定物像は、ガセグレイン鏡102を経た後、ハーフミラー118により反射され、ミラー120によりレンズ122に導入され、レンズ122によって平行光に変換される。そして平行光に変換された被測定物像はレンズ124によって平面l上に結像され、この結像された被測定物像は接眼レンズ126を通して観察する。
【0070】
またアパーチャ114を設定する際には検出器110に被測定物からの光を導入するための凹面鏡106を光路外に退避させておき、照明光源140を点灯する。照明光源140からの光はアパーチャ114を通過して、光路中に挿入されたハーフミラー116によって反射され、レンズ142に導入される。そしてレンズ142で平行光に変換され、そのままミラー144、ハーフミラー146によって反射され、レンズ122によって平行光に変換された被測定像の光と合成される。そして、この合成像はレンズ124によって平面l上に結像される。これによって接眼レンズ126を通して観察すると被測定物像とアパーチャ像は合成されて観察されるのである。
【0071】
なお肉眼で観察するときには可視光によって被測定物像が観察されている。このため、照明光源140から照射される光が白色光であると、せっかく合成されたアパーチャ像が被測定物像に紛れてしまいよく観察することができない。そこで従来装置ではアパーチャからの光に色ガラスやフィルターなどを通して着色を行っていた。このため光学構成が複雑化していた。
また照明光源としては主としてハロゲンランプ等を使用していた。このためランプの寿命がくるとランプの交換が必要となり、非常に煩雑な作業を行わなければならなかった。
【0072】
この両者を解決するため本実施例においては、照明光源140として高輝度発光ダイオード(LED)を使用している。高輝度発光ダイオードは赤、あるいは緑などの色の光を発光するため、色ガラスやフィルターによる着色を必要とせず、フィラメントの寿命によるランプ交換も不要になるため、光学系の簡易化とそれに伴うコストダウンが実現できた。
【0073】
アパーチャ照明用光源140は、光源像、つまりランプの像が観察されないように照明光源を配置する位置を配慮することが必要である。光源像が観察される位置に配置してしまうと、被測定物像にランプの像が重なって観察され、観察の妨げとなるからである。
【0074】
以上のように、被測定物の特定部位のスペクトルを測定するために、測定位置、アパーチャの設定条件が設定されると、観察者はその場で測定するか、被測定物の他の部位での測定位置、アパーチャの情報を入力した後まとめて測定するのかを選択して入力することができる。
【0075】
スペクトルの測定には、図10に示したような光学系に切り替えた後行われる。なお図10では、図6、8と同じ部位には同じ番号が付されている。
同図に示すように観察用光学系に被測定物像を導入していたハーフミラー118は光路外に退避させられ、同様にアパーチャ設定時にアパーチャ像を被測定物像と合成するために用いられたハーフミラー116も光路外に退避させられている。またアパーチャ像を映し出すための照明光源140も消灯され、アパーチャ設定時に退避されていた検出器110に光を導入するための凹面鏡106が光路上にセットされる。また、ガセグレイン鏡100の位置調整の際に使用されたチョッパー112も光路外に退避されている。このような光学系を用いることによって、赤外分光光度計90を作動させることによってスペクトルデータが採取され、採取されたデータはコンピュータ76に送られて、解析、整理され、観察者にスペクトル情報を表示することが可能なのである。
【0076】
なおこのとき表示手段に表示されている座標系イメージには、測定位置情報、アパーチャ設定情報の入力が完了された位置、スペクトル測定が行われた位置、スペクトル測定が行われている位置に、それぞれ異なる色のフラッグ型イメージが、前記座標系イメージ上の対応位置に付けられることは前記したとおりである。
【0077】
以上のような手順によって本実施例を用いて、合計3カ所のPPフィルム上の汚れのスペクトルデータを採取した。座標系イメージ上ではスペクトルデータが採取された位置に対応する場所にスペクトルデータ採取済みのフラッグ型目印が付けられていた。
本実施例では、このフラッグ型目印の一つを選択してマウスポインタによってクリックすると、その位置で採取されたスペクトルデータと、被測定物画像を表示するようになっている。
【0078】
図11はフラッグ型目印の一つを選択された際に表示された表示画面を示すものである。
同図に示す表示画面148の左上部分には座標系イメージマップ150が表示されており、イメージマップ中には被測定物のスペクトルが採取された位置に対応した場所に目印152、154、156がそれぞれ表示されている。
【0079】
そして観察画像表示画面には選択された目印154に対応する座標の被測定物画像158が表示されている。本実施例ではスペクトルが採取される際に同時に画像データも取り込まれており、コンピュータのハードディスクに保存されるため、被測定物画像158は、このハードディスクから読み出され表示されているが、スペクトルを採取する際に入力された位置情報に基づいて、ステージを駆動させて実際の観察画像を表示させるようにしても良い。
【0080】
さらに表示画面上方には、目印154に対応する被測定物の座標において測定されたスペクトルデータ160が表示されている。
このように本実施例では、任意の目印が選択されると、その位置に対応する被測定物の被測定物画像とスペクトルデータが表示されるようになっている。
【0081】
なお本実施例においてはスペクトルデータと被測定物画像の両方を表示させる構成となっているが、スペクトルデータ、あるいは被測定物画像のどちらか一方であっても良い。
【0082】
また、本実施形態においては座標系イメージ150の下に各フラッグの位置座標が表示されており、どのフラッグがどこの位置にあるものかが数値的にも確認することが可能である。この位置情報162は、座標系イメージ上にフラッグが表示されると、表示されるようになっており、必要のない場合は消去することも、消去した情報を再び表示させることもできる。また、位置情報162の隣には、スペクトル採取決定チェック欄164があり、あらかじめスペクトル採取位置を決定しておき、後からまとめて測定する場合、スペクトル採取位置を指定してもいても、このチェック欄164のチェックをはずしておくことでスペクトルの採取を取りやめることができる。
【0083】
以上説明したように、本発明の顕微装置は操作が非常に簡便である。
本実施例を、モニター10名に実際の観察に使用して操作性について評価する調査を行ったところ非常に使いやすいと言う評価を得ることができた。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の顕微装置はステージ操作を簡便にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態である顕微装置の概要図である。
【図2】図2は表示画面上に表示された被測定物の画像とコントローラ・イメージの表示例である。
【図3】図3はコントローラ・イメージの設定例である。
【図4】図4は表示画面に表示されたマップの表示例である。
【図5】図5は本発明を適用した赤外顕微鏡装置の概要図である。
【図6】図6はガセグレイン集光鏡の位置調整において用いられる顕微鏡74の光学系の概要図である。
【図7】図7はFTIRのインターフェログラムと変調をかけられたインターフェログラムである。
【図8】図8は被測定物像観察時において用いられる顕微鏡74の光学系の概要図である。
【図9】図9はCTR82上に表示された被測定物の観察像である。
【図10】図10はスペクトル測定時において用いられる顕微鏡74の光学系の概要図である。
【図11】図11はフラッグ型目印の一つを選択された際に表示された表示画面を示すものである。
【符号の説明】
2 顕微装置
4 ステージ
6 顕微鏡
8 駆動機構
10 制御手段
12 画像読み込み手段
14 表示手段
16 コントローラ・イメージ
18 外部入力手段

Claims (6)

  1. 被測定物を載置するステージを備えた顕微鏡を含む顕微装置において、
    前記ステージを駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構の動作を制御する制御手段と、
    前記顕微鏡の画像データを読み込む画像読み込み手段と、
    前記画像読み込み手段により読み込まれた画像を表示する表示手段と、
    前記ステージの動作を観察者が指示するためのステージ動作指示手段と、が備えられており、
    前記ステージ動作指示手段は、
    X−Y方向調整用の的状イメージとZ軸方向調整用の直線状イメージを有し、表示手段に表示されたステージの移動方向と移動スピードを一括して設定可能なコントローラ・イメージと、
    ステージの移動方向と、的状イメージの中心からの距離の大きさに応じて設定される移動スピードと、を設定するための外部入力手段と、を備え、
    該駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、
    該外部入力手段によって表示手段に表示中の被測定物画像との相対位置座標を指定入力すると、入力座標から移動方向と移動距離が計算され、前記計算結果に基づいて制御手段が駆動手段を駆動させることでステージをコントロールし、表示手段に指定座標位置を中心とする被測定物画像を表示することが可能なことを特徴とする顕微装置。
  2. 請求項記載の装置において、該コントローラ・イメージが表示手段上に表示された被測定物画像上に重ねて表示されていることを特徴とする顕微装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の装置において、該駆動手段によってステージが駆動可能な範囲に座標が設定されており、
    該表示手段には、X−Y座標系の平面を表す座標系イメージが表示され、
    前記座標系イメージには、表示手段に表示中の被測定物画像の座標範囲が示されていると共に、表示手段に被測定物画像としてすでに表示された座標範囲が自動で記録されるオートマッピング機能を備えたことを特徴とする顕微装置。
  4. 請求項記載の装置において、
    該顕微装置には観察中の被測定物のスペクトルデータを採取するスペクトルデータ採取手段が備えられており、
    該座標系イメージ上の任意の位置に目印を付けることによって、目印の付けられた座標に対応する被測定物位置のスペクトルデータを自動採取することを特徴とする顕微装置。
  5. 請求項記載の装置において、
    該顕微装置には観察中の被測定物のスペクトルデータを採取するをスペクトルデータ採取手段が備えられており、
    被測定物の任意の位置でスペクトルデータを採取すると、スペクトルデータを採取した位置の座標に対応する該座標系イメージ上の位置に目印を付けることを特徴とする顕微装置。
  6. 請求項またはのいずれかに記載の装置において、
    該座標系イメージ上に目印が付けられている場合、スペクトルデータ採取後に、任意の目印を選択すると、その目印が付けられた位置に対応する座標の被測定物画像またはスペクトルデータ、あるいは被測定物画像とスペクトルデータの両方を表示手段上に表示することを特徴とする顕微装置。
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