JP4477475B2 - ルアーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、表面に虹色の干渉縞が出現する構成のルアー及びその製造方法に関する。
従来より、ルアーフィッシングで使用するルアーには、形状あるいは機能に応じて複数種に分類されている。例えば、サジのような形をしたスプーン型、小魚に似せたプラグ型(ミノー型)、軸に回転翼とオモリが付いたスピナー型、棒のような形状のジグ型、水中で振動するように構成されたバイブレーション型、音を発生するラトル型等がある。これらルアーは何れも、水中でキラキラと輝いたり揺れたりして対象魚の好奇心を刺激し、ルアーをエサ(小魚)と見せかけて食いつかせることを目的に構成されている。
ルアーを小魚のように見せかける構造的特徴のひとつに、その基体の表面を小魚のように輝かせることにある。そのため、従来のルアーには、光を虹模様に反射する塗料で印刷したり(下記特許文献1参照)、シールやホログラムシートを基体表面に施したり(下記特許文献2参照)、透明な基体内部に回折格子を埋め込んだり(下記特許文献3参照)、反射体を収容したもの(下記特許文献4参照)等がある。
特開2003−38065号公報 特開2000−125702号公報 特開2000−217467号公報 特開平10−191839号公報
しかしながら、上記特許文献1,2のように、基体表面に塗料を施したり、シールやホログラムシートを貼り付けて基体表面に虹色の反射面を構成する方法では、これら反射面が平面的なものであるため光の反射方向が限られてしまい、魚へのアピールという点では必ずしも満足できるものではない。また、使用中に塗膜やシールが剥がれるなど、基体との密着性も不十分であるという問題がある。
また、上記特許文献3,4の構成では、ルアー内部に微細かつ多数の回折格子あるいは多数の反射板を設けることによって、広角度範囲に亘って反射光を発生させるようにしているが、いずれも構造が複雑で、ルアー製作プロセスが煩雑となり、製造コストも高くなるという問題を有している。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、基体表面に広い角度範囲で虹色模様を出現させることができ、低コストで製造することができるルアー及びその製造方法を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のルアーは、表層が反射層である基体と、この基体の表面に不均一な膜厚で形成された透明被膜層とを備えている。
このように構成されたルアーに白色光(太陽光)が入射すると、透明被膜層の表面で反射する光と、透明被膜層を透過し基体表面の反射層で反射する光との間で干渉が生じる。透明被膜層の膜厚は不均一に形成されているので、光の干渉(強め合い)が生じる位置は入射光の波長成分によって異なり、結果的に、ルアー表面に赤、緑、青等の虹色の干渉光が出現することになる。
この透明被膜層の膜厚の不均一性は、透明被膜層の膜厚を規則的に変化させた場合は勿論、透明被膜層の膜厚を不規則に変化させた場合も含まれる。このとき、透明被膜層は基体表面に連続的に形成されていてもよいし、不連続となるように点在して形成されていてもよい。また、透明被膜層の膜厚は、虹色の干渉光を出現させることができる膜厚である必要があり、可視光波長が含まれるように、例えば0.1μm〜1μmの範囲内に分布形成するのが好ましい。
透明被膜層を構成する材料としては、具体的に、ポリイミド、ポリ尿素、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート等の有機化合物薄膜、あるいは、石英、ガラス、ジルコニア、酸化チタン、酸化ニオブ、サファイア等の金属酸化物等が挙げられる。
これらの材料でなる不均一な膜厚の透明被膜層は、真空装置を用いた蒸着重合法や物理的蒸着法(PVD法)、化学的気相成長法(CVD法)等によって容易に薄膜化でき、かつ大量に製造できるので、低コスト化を実現できる。また、基体表面との密着性にも優れるので、ルアーの高品質化にも貢献できる。
すなわち、本発明のルアーの製造方法は、真空槽内で、表層が反射層である基体を開口部を有する容器の内部に収容し、上記開口部を介して容器の内部に蒸着材料を供給することにより、基体の表面に不均一な膜厚の透明被覆層を形成するようにしている。
以上述べたように、本発明のルアーによれば、表層が反射層である基体の表面に不均一な膜厚の透明被膜層を形成したので、入射白色光の干渉現象により広い角度範囲に亘って虹模様を出現させることができ、これにより、対象魚へのアピール効果を高め、釣果向上に貢献できる。
また、本発明のルアーの製造方法によれば、上記構成のルアーを真空薄膜形成法によって製造するようにしているので、生産性および耐久性に優れ、低コストかつ高品質のルアーを製造することができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態によるルアー10の概略構成を示しており、Aは平面図、BはAにおける[B]−[B]線断面図である。
本実施の形態のルアー10は、表面が反射層である基体11と、この基体11の表面に不均一な膜厚で形成された透明被膜層12とで構成されている。透明被膜層12は、基体11の表面保護膜として機能すると同時に、ルアー10表面に虹色の干渉光を出現させる光学膜としての機能を有している。
基体11は、板状の金属部材(例えばステンレス)でなり、表層が金属面特有の光沢を有し、光の反射層とされている。基体11の形状は特に限定されず、図示するように単純な平面的な幾何学的形状のもののほか、小魚に似せたより複雑で立体的な形状のものや、回転軸などの機構部品を備えたものであってもよい。基体11は中実形状だけでなく、中空形状でもよい。
また、基体11の構成材料は金属製に限らず、例えばプラスチック製等とし、その表層に金属コーティングを施して反射膜を形成したものでもよい。反射層は金属層に限らず、一定の光沢を有するプラスチック等の平滑面であってもよい。基体11の表面は平面的なものに限定されず、例えば、曲面形状としたり、鱗片状に微細加工を施したり、凹凸を付ける等してもよい。
なお、基体11の長手方向の両端近傍位置には貫通孔11a,11bがそれぞれ穿設されており、それぞれ、釣糸や釣針(何れも図示略)の取付孔とされている。貫通孔1a,11bの形成位置は、釣糸や釣針の取付位置に応じて適宜設定される。
一方、透明被膜層12は、ポリイミド膜で構成されている。なお、これ以外にも、ポリ尿素、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート等の有機化合物や、石英やガラス(SiO2)、ジルコニア(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、サファイア(Al2O3)等の金属酸化物等が適用可能であり、仕様等に応じて選定される。特に、透明被膜層12に酸化チタン等を用いた場合、抗菌性が付与され、ルアー保管衛生上、有益である。また、透明被膜層12は単層膜に限らず、2種以上の多層膜構造(積層体)であってもよい。
透明被膜層12は、基体11の表面全域を被覆する連続膜として形成されているが、基体11を挟むように、基体11の表面側及び裏面側にそれぞれ形成するだけでもよい。また、基体11の一表面側にのみ透明被膜層12を形成するだけでもよい。
本実施の形態では、透明被膜層12の膜厚分布勾配をほぼ一様に形成し、各色の干渉光をほぼ等ピッチで出現させるようにしているが、これに限らない。つまり、透明被膜層12の膜厚分布勾配を不規則的に設定したり、下地である基体11の表層に凹凸加工等を施したものにおいては、より複合的でリアル感のある虹色の干渉模様を出現させることができるようになる。
透明被膜層12の膜厚は、ルアー10表面に虹色の干渉光を出現させることができる膜厚である必要があり、より具体的には、透明被膜層12の膜厚は、その屈折率等も考慮して、以下説明するように大凡0.1μm以上1μm以下の範囲内に分布形成されている。
一般に、光が膜に入射したとき、膜上面からの反射と膜を通過して膜下面から反射してきた光との光路差により干渉が生じるが、干渉による光の強弱は、次式で表される。
光が強め合う条件:2nd=(2m+1)λ/2
光が弱め合う条件:2nd=λ
ここで、nは膜の屈折率、dは膜厚、λは入射光波長、mは任意の整数である。
図2は、膜の屈折率n=1.5及び1.8の場合の干渉波長と膜厚の関係を上記式より算出してグラフ化したものである。また、図3A,Bは、屈折率n=1.5及び1.8の場合の、代表的干渉色(青、緑、黄、赤)の強く発現する膜厚を計算で求めた表である。ここで、屈折率1.5の膜としてSiO2、屈折率1.8の膜としてポリイミドが挙げられる。屈折率nが1.5の場合も1.8の場合も、m=4とm=5とでは、同膜厚に対して色の重なりが大きくなり、くすんだ色となることが示唆される。このことから、膜厚dとして、1μm程度までが、干渉色を際立たせることになる。
なお、虹色の干渉模様は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色を常に出現させる必要はなく、これらのうち少なくとも1色あるいは2色以上の混合色が、広角度範囲にわたって認識できるものであれば足り、複数の干渉色が同時に出現し、かつ見る角度によって出現色が変幻可能な形態が特に好ましい。
以上のように構成される本実施の形態のルアー10は、図示しないルアーロッドのリールから繰り出されて水中に投げ入れられる。そして、水中を沈んでいく際、入射する太陽光を反射してキラキラと輝き、魚の好奇心を刺激する。また、リトリーブ(糸を巻き取る操作)の際、ルアー10は水圧を受けて様々な動きをし、あたかも生きた小魚(エサ)のように見せかける。
そこで、本実施の形態のルアー10は、表層が反射層である基体11の表面に透明被膜層12が不均一な膜厚で連続形成されているので、水中でルアー10の表面に入射した太陽光(白色光)は、透明被膜層12の表面で反射する光と、透明被膜層12を透過し基体11表面の反射層で反射する光との間で干渉現象を起こし、透明被膜層12の膜厚で定まる光路差に対応して分光した各波長領域の形成色を出現させる。これにより、ルアー10の表面に虹色模様が露呈し、魚へのアピール効果が高められ、釣果の向上に貢献できる。
ここで、図4は、基体11の表面に透明被膜層12(ポリイミド、屈折率1.8)を例えば100nm、125nm、150nmの厚さで形成した場合の入射光波長の反射率分布を示している。図示の例からも明らかなように、透明被膜層12の膜厚に応じて各色の干渉光の反射率強度が異なるため、ルアー10の表面領域によって各干渉色が鮮明に引き出されることがわかる。
次に、以上のように構成されるルアー10の製造方法について、図5を参照して説明する。図5は、対象物に対して真空蒸着重合法により高分子薄膜からなる透明被膜層12を被覆するための蒸着重合装置13の概略構成図である。
蒸着重合装置13の真空槽14には、それぞれ図示しないガス導入バルブを介してモノマーガスを導入する一対の第1ガス導入口15及び第2ガス導入口16と、図示しない真空排気手段(油拡散ポンプ等の真空ポンプ)に接続される排気バルブを介して真空槽14の排気動作を行うための真空排気口17とが設けられている。
真空槽14の内部には、蒸着重合対象物としてルアーの基体11が配置されている。基体11は、真空槽14内に設置された保持治具18に懸吊されているとともに、一端側にのみ開口部19Aを有する筒状の容器19(図6A)の内部に収納されている。保持治具18は、基体11を複数個同時に保持できる構成となっている。なお、容器19は、明示せずとも保持治具18に対し適当な部材を介して保持されているものとする。
また、蒸着重合装置13には、真空槽14の内部の温度を制御できる図示しない温度制御手段が設置されており、蒸着重合反応に必要な熱を供給できるように構成されている。そして、蒸着重合対象物たる基体11の表面は、上述した温度制御手段により加熱された真空槽14の内壁からの輻射熱で全体が均等に加熱されるようになっている。
以上のように構成される本実施の形態の蒸着重合装置13においては、真空槽14の内部に基体11を配置しこれを円筒状の容器19の内部に収容する。そして、真空排気口17を介して真空槽14の内部を10-2Paに減圧し、この圧力状態を保ちながら温度制御手段により真空槽14の内部を200℃に加熱する。
その後、あらかじめ200℃に加熱した気体状態のピロメリト酸二無水物(PMDA)を第1ガス導入口15から真空槽14へ導入すると同時に、あらかじめ187℃に加熱した気体状態の4,4−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を第2ガス導入口16から真空槽14へ導入する。この状態で、基体11の表面で蒸着重合反応を進行させ、基体11の表面全体にポリイミド製の透明被膜層12を不均一な膜厚で被覆する。
ここで、基体11の表面全体に透明被膜層12を不均一な膜厚で被覆する方法として、本実施の形態では、図6Aに示したように、一端側にのみ開口部19Aを有する容器19の内部に基体11を収容させ、開口19Aを介して容器19の内部に蒸着材料であるモノマーガスを供給することにより、基体11の表面にその開口部19Aに近い側の端部から遠い側の端部にわたって膜厚が漸次小となる透明被膜層12を形成するようにしている。このような方法により、図1Bに示した形態のルアー10が製造される。
なお、図6Bに示すように、基体11を収容する容器19が両端に開口部19A,19Bを有する場合、基体11の表面に成膜される透明被膜層12が、開口19A,19Bに近い領域ほど厚く、中央部にいくほど薄く形成されたルアー10’を製造できるようになる。このような形態の膜厚不均一性をもたせたルアー10’も、本発明の適用範囲内とされる。
なお、基体11の表面に形成される透明被膜層12は、その膜厚が0.1μm〜1μmの範囲内に分布形成されるようにしているが、その膜厚監視法としては公知の技術が適用可能であり、例えば、水晶振動子法を用いた膜厚モニタを設置したり、成膜時間で膜厚コントロールを行うことができる。
以上のように、本実施の形態のルアー製造方法によれば、真空蒸着重合法によって基体11の表面に膜厚が不均一な透明被膜層12を形成するようにしているので、基体11と透明被膜層12の優れた密着性が得られ、耐久性の高い高品質なルアー10を得ることができる。また、真空薄膜形成手段によってルアー10を製造するようにしているので、薄膜状の透明被膜層を容易に形成でき、大量生産が可能であるので、表面に虹色の干渉模様が出現するルアー10を低コストで製造することができる。
ここで、図6Bの実施形態における実製作例を以下に示す。
長さ35mm、幅7mmのステンレス基体11を用いて蒸着重合法によりポリイミド被覆層を形成することによりルアー10’を製作した。両端開口の筒(容器19)に基体を収容し、基体と筒内面との隙間を2mm程度、筒端面から20mmの位置に基体端部がくるように基体を保持して圧力0.67Paにて成膜を行ったところ、ルアーの長手方向に概ね6色が明瞭に認識できるような虹色干渉色の発現を得た。明瞭に認識される色は、ルアー端部から順に紫、青、緑、黄色、ピンク、緑であり、各色の幅は概ね3mmから7mmであった。ポリイミド被膜層の膜厚は連続的に変化しているので、各色の境界は淡い虹色となっている。
また、基体と容器内面の隙間を20mm程度とした場合、ルアー長手方向に2色にわたる干渉色が発現することが確認された。これにより、ルアーと筒内面との隙間を様々に変えることで、多種多様な虹色模様のルアーを製造することができる。
なお、蒸着重合法においては、成膜時の圧力を0.1〜100Paの範囲で変えることにより、基体表面へのモノマーガス供給濃度分布も変えることが可能であるので、圧力の調整によって透明被覆層の膜厚不均一性を変えることも可能である。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明の第2の実施の形態について図7から図9を参照して説明する。
本実施の形態のルアー20は、図8及び図9Bに示すように、表面が反射層である基体21と、この基体21の表面に不均一な膜厚で点在して形成された透明被膜層22とで構成されている。基体21及び透明被膜層22は、それぞれ、上述の第1の実施の形態における基体11及び透明被膜層12にそれぞれ対応している。
本実施の形態において、透明被膜層22は、基体11の表面の複数箇所に点在して形成されている。各透明被膜層22は、図8に示したように小山状で、膜厚が不均一とされている。なお、この場合においても、上述の第1の実施の形態と同様、膜厚が0.1μm〜1μmの範囲内となるように形成されている。
このような構成のルアー20によれば、光の干渉現象により基体21の表面に局所的に虹模様を出現させることができるようになり、見る角度によってその虹模様を変幻させ、魚により高いアピール効果をもたらすことができる。また、透明被膜層22の分布密度、膜厚勾配等を適宜調整すれば、よりリアル感を高められる。
以上の構成のルアー20は、例えば図7に概略的に示すスパッタ装置23によって製造することができる。図示の例において、真空槽24には、スパッタカソード25と、反応ガス供給口26と、真空排気口27とが設けられている。
図の例では、スパッタカソード25として、マグネトロンスパッタカソードを示している。本実施の形態の透明被膜層22は金属酸化物、例えば酸化チタンで形成されており、これに対応してターゲット25Tはチタン、反応ガス供給口26からはアルゴンガス及び酸素ガスが導入されるようになっている。ターゲット25Tはメタルボンディングあるいはクランプ機構によりバッキングプレート25Pに固定され、バッキングプレート25Pの裏面側には磁石25Mが配置されている。25Aはターゲット25に供給される電力の供給源であり、直流電源、工業周波数13.56MHzの高周波電源に代表される交流電源のいずれでも実施可能である。
真空槽24の内部には、蒸着重合対象物としてルアーの基体21が配置されている。基体21は、真空槽14内に設置された保持治具28に懸吊された円筒状の容器29の内部に収容されている。容器20は、その側周面に複数の開口部29Aが穿設されており、その側周面がターゲット25に対向配置されている。
図7の例のように、保持治具28は、容器29をその軸心のまわりに回転可能に構成することもできる。この場合、真空槽24の外部に設置されたモータ28Aと、容器29に固定された回転軸28Bとを備えている。この場合、基体11は、回転軸28Bの先端に遊動自在に取り付けられたり、真空槽24の内部に別途配置した支持部材を介して、容器29内に保持されるようにする。
上記構成のスパッタ装置23においては、真空槽24の内部に発生したプラズマによってターゲット材料がスパッタされ、飛び出した蒸着材料が反応ガス供給口26から導入される酸素ガスと反応し、容器29の開口部29Aを介して基体21の表面に成膜される。容器29は、基体21に対してパターンマスクとして機能し、図8に示したように、透明被膜層22を基体21表面の所定部位に選択形成させる。これにより、本実施の形態のルアー20が製造される。
なお、容器29を用いる代わりに、図9Aに示したように平面状のマスク31を用いて透明被膜層22を基体21上にパターン成膜させることも可能である。マスク31には、基体21表面の成膜領域に対応する複数の開口部31Aが設けられている。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の第2の実施形態では、スパッタ法によって、金属酸化物でなる透明被膜層22を基体21の表面に成膜させる例について説明したが、スパッタ法に限らず、電子ビーム蒸着法やレーザアブレーション法などの他の物理的蒸着法や、CVD法を採用することも可能である。
また、上述の第1の実施形態で説明した構成のルアー10において、透明被膜層12を金属酸化物層で形成する場合には、蒸着重合法に代えて物理的蒸着法が適用可能である。この場合、容器19は例えばその下端側に開口部を有するものとし、この開口部を蒸発源に対向配置させることにより、透明被膜層の膜厚を基体11の一端側から他端側に亘って膜厚を一様に変化させることができる。そして、基体11と容器19内面との隙間を様々に変えることで、膜厚不均一性を変化させることもできるので、多種多様な虹色模様のルアーを製造することができる。
本発明の第1の実施の形態によるルアー10の概略構成図であり、Aは平面図、Bは側断面図である。 透明被膜層の膜厚と光の波長との関係を示すグラフである。 干渉光の波長と透明被膜層の膜厚との関係を示す表であり、Aは膜の屈折率が1.5、Bは膜の屈折率が1.8の場合をそれぞれ示している。 ルアー基体の表面にポリイミド膜を100nm,125nm,150nmの厚さで形成したときの光学特性を示す図である。 ルアー10の製造方法を説明する蒸着重合装置13の概略構成図である。 基体11を収容する容器19によって透明被膜層12の膜厚を不均一化する方法を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態によるルアー製造装置23の概略構成図である。 ルアー20の断面構造と透明被膜層22の成膜方法を説明する要部断面図である。 透明被膜層22の他の成膜方法とルアー20の平面形態を示す図である。
符号の説明
10 ルアー
11 基体
12 透明被膜層
13 蒸着重合装置
14 真空槽
19 容器
19A 開口部
20 ルアー
21 基体
22 透明被膜層
23 スパッタ装置
24 真空槽
29 容器
29A 開口部
31 マスク
31A 開口部

Claims (2)

  1. 真空槽内に設置され開口部を有する容器の内部に、金属製の基体を収容し
    前記開口部を介して前記容器の内部に2種類のモノマーガスを供給し蒸着重合反応を進行させることで、可視光波長を含む不均一な膜厚分布を有する、膜厚が1μm以下の樹脂製の透明被膜層を前記基体の表面に形成する
    ルアーの製造方法。
  2. 請求項に記載のルアーの製造方法であって、
    前記透明被膜層の膜厚を0.1μm以上1μm以下の範囲に分布形成させるルアーの製造方法。
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