JP2019048417A - 黒色蒸着フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加飾フィルムや転写フィルム、撚糸、装飾粉等の様々な用途に用いられる黒色蒸着フィルムであって、経時や加熱によって変色しない経時安定性を有し、隠蔽性と低反射性に優れた黒色を示す優れた黒色蒸着フィルムを提供すること。【解決手段】 基材上に、少なくとも蒸着層を備えた蒸着フィルムであって、前記蒸着層が、アルミニウムとその酸化物との組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜であって、且つアルミニウム以外の添加金属を含有することで、低反射性と隠蔽性に優れた黒色を示し、且つその色調が経時で変化しない安定性を有した黒色蒸着膜とすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、黒色蒸着フィルムに関し、具体的には色調が経時変化しない、安定性と隠蔽性、低反射性に優れた黒色蒸着フィルムに関する。
従来、携帯電話等のポータブル情報機器や映像機器等の各種家電製品、自動車内装用部品など様々な用途において、その製品に高級感を付与したり、隠蔽性を高めたり等の目的で、黒色の意匠を施すことが行われている。
成形品の表面に黒色の意匠を施す手段としては、黒色顔料を含んだ黒色塗料を用いて塗装を行なう方法がある。また、塗装法の代替として、透明フィルム表面に黒色の塗膜が形成された黒色フィルムを用い、成形品に一体化する方法も行われている。しかしながら、黒色塗料の塗膜層あるいは黒色フィルムからなる黒色層を透明フィルムに設けた加飾用フィルムは、黒色層の膜厚が非常に厚いため、黒色層の有無による段差が大きく、この段差が問題となる。つまり、部分的に黒色塗膜層や黒色フィルムなどの黒色層を設ける意匠の用途においては、段差による手触り感の低下の問題のほかに、例えば、ポータブル情報機器の液晶画面の透明窓部の周囲に、黒色層の窓枠部として部分的に設けて使用した場合、黒色層の有無による段差のために、液晶画面と加飾用フィルムとを貼り合わせる粘着剤に気泡が混入し、画面の表示性能が低下するという課題があり、また、粘着剤の厚みを十分に厚くしなければ、段差による気泡の解消が困難であるという課題がある。また、このような黒色装飾用フィルムは、スリットすることによりスリット糸や撚糸として用いることもできるが、上記のように膜厚が厚いと風合いが損なわれるため、基材となるフィルムだけではなく黒色層も薄くする必要がある。しかし黒色層を薄くすると求める黒色が得られず、問題となっていた。
そこで、特許文献1には、高分子フィルム上にアルミニウム蒸着膜よりなる黒色層を備えた装飾用蒸着フィルムおよびその製造方法が記載されている。この黒色層は、フィルムにアルミニウムを蒸着する際に表面近傍に酸素ガスを流入することによってアルミニウム蒸着膜を黒色にしたものであり、極めて薄い厚さでも光沢のある黒色膜が得られ、各種製品の外観に高級感と隠蔽性のある黒色の意匠を施すことができる。
特開2015−071807号
しかし、特許文献1に記載された装飾用蒸着フィルムでは、経時で色調が金系色に変化してしまうという問題があった。製造直後では高度な黒色を呈していても、時間が経つにつれ低反射性が損なわれて金属反射を示し、黒色が緑を帯びた金系色となってしまう。そのため、高度な黒の色調や低反射性を求められる黒色フィルムの用途において問題となっていた。
本願発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、経時安定性を有し、隠蔽性と低反射性に優れた黒色蒸着フィルムを提供することである。
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、基材上に、少なくとも蒸着層を備えた蒸着フィルムであって、前記蒸着層は、アルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜であって、且つアルミニウム以外の添加金属を含有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項2に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記添加金属がスズであること、を特徴とする。
本願発明の請求項3に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項4に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項5に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項6に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記蒸着層のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10wt%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項7に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項8に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記蒸着層のどちらか一方の面あるいは両面にさらに透明樹脂層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項9に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、90℃で250時間の熱処理を行った前後での色差ΔEが3.2以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記基材と前記蒸着層との間に離型層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項12に記載の転写フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムを用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の黒色撚糸に関する発明は、請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムがスリットされてなるものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項14に記載の黒色粉に関する発明は、請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムから基材を剥離した黒色積層体が粉砕されたものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項15に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、基材を連続走行させるとともに、アルミニウムと添加金属との混合物よりなる蒸発源を乾式成膜法によって付着堆積させることにより、前記基材の表面に蒸着層を形成するものであり、前記蒸着層の形成時において、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層をアルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜とし、傾斜膜中に添加金属を含有した蒸着層とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記添加金属がスズであること、を特徴とする。
本願発明の請求項17に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の開始に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項18に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の終了に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項19に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の開始および終了に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項20に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項19の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着源のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10wt%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項21に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項20の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項22に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項21の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層を形成する工程の前および/または後に、透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項23に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項22の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記基材の前記蒸着層側表面に離型層を形成する離型層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項24に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項23の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を形成する接着層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項25に記載の黒色蒸着層転写体の製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項24の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムにおいて、前記蒸着層側最表面を被転写体に貼り合わせた後、前記基材を剥離し、黒色積層体を被転写体上に転写する転写工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項26に記載の黒色撚糸の製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項22の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムをスリットするスリット工程を行った後、得られたスリットフィルムを撚り合わせる撚糸工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項27に記載の黒色粉の製造方法に関する発明は、請求項15ないし請求項23の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムから基材を剥離し黒色積層体を得る基材剥離工程と、前記黒色積層体を粉砕してなる粉砕工程と、からなること、を特徴とする。
本願発明に係る黒色蒸着フィルムであれば、従来の黒色蒸着フィルムでは、経時や熱処理により金系色などの他の色調に変色してしまう問題があったが、本願発明に係る黒色蒸着フィルムであれば、蒸着層を形成するアルミニウムと該酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜(以下、単に傾斜膜と記す)に添加金属を含有させることにより、経時や加熱により変色することがなく、色差ΔEが3.2以下となるような、より安定した低反射で隠蔽性の高い優れた黒色蒸着フィルムとすることができる。特に添加金属をスズとすればその効果をより発揮することができる。また、透明樹脂層や離型層、接着層など目的に応じて様々な層を設けることで新たな特性を付与することもできる。そして、本願発明にかかる黒色蒸着フィルムは、蒸着層を主として構成するアルミニウムの傾斜膜において、酸化物組成比の高い面側からの外観が低反射で隠蔽性の高い黒色となる。よって、成膜時に酸素導入の位置を選択し、傾斜の方向を調整することで、基材側、蒸着層表面側、あるいはその両方のいずれにおいても、高品質な黒色を呈する黒色蒸着フィルムを得ることができる。よって本願発明に係る黒色蒸着フィルムは、極めて薄い厚さで安定性に優れ、且つ低反射と隠蔽性に優れた黒色を呈すため、装飾用フィルムや転写用フィルム、成形用フィルム、スリット糸、黒色顔料など様々な用途に有用である。
黒色蒸着フィルムを製造するための蒸着装置の概略構成図である。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
本願発明に係る黒色蒸着フィルムに関して、第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムは、基材の表面に、少なくとも、アルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜を主とし、且つ添加金属を含有する蒸着層を積層してなる構成を有する。
以下、順番に説明をする。
本発明の黒色蒸着フィルムの基材としては、用途に合わせて適宜選択すればよく、中でも可視光に対して透明な高分子フィルムを用いることが好ましい。高分子フィルムは可撓性に優れ様々な用途に用いることができ、またロールトゥロールでの成膜が可能である為、コストを低減することができる。また、透明なフィルムを用いることによって、得られる黒色蒸着フィルムに光沢性や表面保護性などを付与することができる。
このような高分子フィルムに用いる高分子樹脂の種類としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が挙げられる。これらのうち、耐熱性、機械的強度に優れ、安価でかつ透明性と柔軟性も兼ね備えている等の観点から、特にPETフィルムが好ましい。
本実施の形態に係る基材の厚みは特段制限するものではなく、用途や加工方法に合わせて適宜選択すれば良い。例えば、平板として用いるのであればある程度の剛性を有する範囲の厚みである必要があり、スリット糸として用いるのであればあまり厚くなりすぎると糸としての風合いが損なわれるため薄いフィルムであることが好ましい。よって考えられる厚みとしては、4μm以上250μm以下であることが好ましい。
本実施の形態においては50μmのPETフィルムを用いることとする。
上記で述べた基材は、必要に応じて表面処理を行っても良い。このような表面処理としては例えば、プラズマ処理、グロー放電処理、コロナ処理、共重合ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等の易接着層やアンカー層、後述する離型層などを設けるコーティング処理など、従来公知のものが考えられる。
次に蒸着層について説明する。
本実施の形態に係る蒸着層は、アルミニウムとその酸化物との組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜を主としてなる層であり、膜中にアルミニウム以外の添加金属を含有していることを特徴としている。この傾斜膜における酸化物組成比の高い面側からの外観が低反射で隠蔽性の高い黒色となるため、蒸着層の表面側または基材側のどちらか一方あるいは両方において黒色を呈す。この黒色を呈す面を、以下「黒色面」とする。
従来の黒色蒸着フィルムは、蒸着源としてアルミニウムを用い、基材近傍に酸素ガスを流入させ傾斜膜とすることで、基材上に黒色の蒸着層を形成していた。しかし、このような黒色蒸着層は、経時で色調が金系色に変化するという問題があった。
本願発明者が鋭意検討を行った結果、金属アルミニウム層と酸化アルミニウム層とを積層したものは入射光が減衰しきれず反射してしまい、金系色となることが判明した。このことから、従来の傾斜膜は表面酸化や蒸着膜内部の金属と酸化物の組成が経時で偏ることによって酸化物組成比率が変化して傾斜膜から積層状態に近い膜組成となり、色調が変化したものと推測される。
そこで、蒸着源としてのアルミニウムに添加金属を混合して、基材近傍に酸素ガスを導入しながら成膜し、蒸着層を、アルミニウムの傾斜膜を主とした添加金属を含有する層とすることで、傾斜膜を安定化させて、経時や加熱による色調変化を抑制できることを見出した。
ここで、本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムにおける色調変化とは、色差ΔEで表現することができる。ΔEの計算式は下記式1に表される。一般にΔEが3.2以下であれば、人間の知覚できる範囲では同じ色と判断される。よって本実施の形態においては、ΔEが3.2以下となるものを「色調変化がない」ものとした。
(式1)
ΔE=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ただし、L、a、bはそれぞれL表色系の色調を示し、初期の色調(L , a , b )、経時変化後の色調(L , a , b )だった場合
ΔL=L −L
Δa=a −a
Δb=b −b
である。
この添加金属としては、従来公知の金属元素から適宜選択すればよく、例えばケイ素、インジウム、チタン、マグネシウムなどが挙げられるが、なかでもスズを用いることが好ましい。スズは成膜の際に酸化被膜を形成せず、蒸気圧がアルミニウムと類似していることから、容易に良好な黒色膜を得ることができる。また、スズはアルミニウムに対して相溶性が低く、傾斜膜の組成比が変動しようとする動きを阻害すると考えられ、経時で色調が変化するのを防ぐ効果がより優れており、好ましい。
さらにスズ酸化物は安定であるため、蒸着層の表面にスズ酸化物が存在すると、蒸着層の酸化を抑制するため、酸化物比率の変動を微少なものとし、色調変化を抑制すると考えられより好ましい。
本実施の形態においてはスズを用いることとする。
蒸着層中における添加金属の割合は、特性を鑑みて黒色を阻害せず蒸着層の安定性を得るために必要な量を適宜調整すれば良い。例えば、スズの含有率は10wt%以上である事が好ましく、より好ましくは15wt%以上50wt%以下である。10wt%未満ではスズの含有率が少ないために、傾斜膜の組成比が変動しようとする動きを阻害する効果が得られない。50wt%より多く混合するとスズの比率が高くなり、成膜する際に突沸が起こりやすく、良質な膜を得ることが困難である。
本実施の形態においては20wt%のスズであるとする。
蒸着層の厚みは、目的、用途に応じて適宜選択すれば良いが、100nm以上であることが好ましい。100nm以上であれば十分な黒色の蒸着膜が得られるためである。
本実施の形態においては200nm積層するものとする。
蒸着層の形成方法としては、従来公知の乾式成膜法を用いればよい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸着法や、化学蒸着法などが挙げられる。中でも真空蒸着法は高速成膜可能であるため好ましい。これらの製法を用いて膜厚方向に酸化物の組成比が連続的に変化した傾斜膜を形成するのであるが、その手段は従来公知の製造方法を適宜選択すれば良い。例えば、ロールトゥロールの真空蒸着法で形成する場合、蒸着層形成時に基材近傍に酸素ガスを流入することで、酸素ガスを基材近傍に拡散させて傾斜膜とする。このような方法を用いると簡便に傾斜膜を形成することができ、且つ黒色面の選択も酸素ガスの導入場所の選択により簡便に制御できるため好ましい。
また、蒸着源であるアルミニウムと添加金属の状態は限定されるものではなく、一般に蒸着源として用いられる単体の固体を混合した混合物や、合金状態など考えられるが、混合物であることが好ましい。混合物であれば蒸着層中の割合を調整することが容易であり、アルミニウムと相溶性の低い金属であっても用いることができる。蒸着源における添加金属の含有率は、アルミニウムに対して10wt%以上であることが好ましい。このような混合比であれば、蒸着層中の添加金属の含有量が10wt%以上となるので好ましい。
上記の傾斜膜の製造方法について、図1を用いてより詳細に説明する。
図1における加熱源39から生じる電子ビーム40によって蒸着源容器37内に設置した金属混合物である蒸着源38を加熱し、蒸着原子41が蒸着ドラム32に沿って走行するPETフィルム29に付着し、蒸着層を形成する。このとき、ガスノズルより酸素ガスを蒸着原子41の初期入射部分44および/または後期入射部分45付近に導入すると、酸素ガス導入部分を中心に拡散するため、蒸着ドラム32付近の酸素ガス濃度は、走行するにつれ連続的に変化する。すなわち、蒸着層において膜厚方向に酸化物の組成比が連続的に変化することとなり、アルミニウムと該酸化物の組成比率が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜が形成される。
酸素ガスの流入量は、得られる膜が黒色を呈し、またアルミニウムと該酸化物の組成比が傾斜膜となるよう適宜選択すれば良いが、成膜中の酸素雰囲気の圧力として、真空度が1.0×10−2Pa〜5.0×10−2Paの範囲になるように流入することが望ましい。この範囲内であれば特に良好な黒色を呈するため好ましい。圧力が1.0×10−2Pa未満では、酸化反応が抑制され、良好な黒色が得られない。また、圧力が5.0×10−2Paより大きいと、蒸着膜に透明な層が形成され好ましくない。
黒色面を基材側とするには、蒸着層を形成する蒸着の開始に際して、基材の表面近傍に酸素ガスを流入すればよい。すなわち、図1でのガスノズル42を使用し、酸素ガス46を初期入射部分44に導入する。こうすることで、蒸着層の基材側で酸化物の組成比が最も高く、膜厚方向に蒸着表面側に向かって酸化物の組成比が連続的に減少していく傾斜膜となり、基材側からの観察では黒色に見え、蒸着層表面側からの観察では酸化物の組成比が低いために金属光沢を持った銀色に見える。したがって、外観に黒色の意匠を施す用途としては、基材側から観察される製品に適している。また、黒色面側の最表面が高分子フィルムであるため、耐久性と光沢性に優れ、且つ色味も青みを帯びた意匠性の高い黒色蒸着フィルムとすることができる。
黒色面を蒸着層の表面側とするには、蒸着層を形成する蒸着の終了に際して、基材の表面近傍に酸素ガスを流入すればよい。すなわち、図1でのガスノズル43を使用し、酸素ガス47を後期入射部分45に導入する。こうすることで、蒸着層の表面部において最も酸化物の組成比が高く、膜厚方向に基材側に向かって酸化物の組成比が連続的に減少していく傾斜膜となり、基材側からの観察では酸化物の組成比が低いために金属光沢を持った銀色に見え、蒸着層表面側からの観察では黒色に見える。したがって、外観に黒色の意匠を施す用途としては、蒸着層側から観察される製品に適する。
黒色面を蒸着層の基材側および表面側の両方とするには、蒸着層を形成する蒸着の開始および終了に際して、基材の表面近傍に酸素ガスを流入すればよい。すなわち、図1でのガスノズル42と43の両方を使用し、酸素ガス46および47を初期入射部分44および後期入射部分45に導入する。こうすることで、蒸着層の基材側および表面側の両方において最も酸化物の組成比が高く、膜厚方向に蒸着膜中心部に向かって酸化物の組成比が連続的に減少する傾斜膜とすることができる。この黒色蒸着フィルムは、基材側からの観察または蒸着層側からの観察のどちらでも黒色に見える。したがって、外観に黒色の意匠を施す用途としては限定されず、基材側または蒸着層側のどちらから観察される製品でもよい。
本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムは、本願発明に係る黒色低反射性を損なわない範囲において、必要に応じて様々な層を形成しても良い。
例えば、蒸着層のどちらか一方の表面あるいは両面にさらに透明樹脂層を設けても良い。このような層があることによって、蒸着層の耐久性を高めることができる。また、黒色面側に設けることで、光沢性にも優れた黒色蒸着フィルムとすることができる。設ける透明樹脂層の種類としては、目的や用途に応じて適宜選択すれば良い。例えば、耐久性を高める用途であれば、一般にハードコート樹脂として用いられるアクリル樹脂やエポキシ樹脂などを蒸着層との密着性などを鑑みて適宜選択すれば良い。
本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムは、基材上に形成された蒸着層を主とする黒色積層体を任意の被転写体に転写して黒色蒸着層転写体を形成するための転写フィルムとして用いることができる。このとき、基材と蒸着層との間に離型層を設けることが好ましい。離型層を設けることにより、蒸着層から基材を剥離して任意の被転写体に蒸着層を主とする黒色積層体を転写することが容易となる。このとき、離型層と蒸着層との間に、透明樹脂層を設けることによって、転写後の最表面に透明樹脂が被覆された状態となるため、耐擦傷性や光沢性を向上させることができる。離型層が蒸着面表面に残るものを選択すれば、離型層が保護層となり、透明樹脂層を設けなくとも同様の効果を得ることができる。また、転写を行うと面が逆転するため、観察面が黒色面となるよう蒸着層における傾斜の向きを適宜調整すれば良い。
接着層を設けることにより、本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムを対象の部材に貼り合わせる加飾フィルムとすることができる。このとき、接着層を設ける面は、観察面が黒色面となるよう適宜調整すれば良い。また、上述した黒色蒸着層転写体を形成する際に、黒色蒸着フィルムの被転写体と貼り合わせる面に接着層を設けることで、黒色積層体と被転写体との密着力を向上させることができる。
本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムにおいては、蒸着層を部分的に設けることもできる。つまり、製品の外観として部分的に黒色を設ける意匠の用途、例えば、ポータブル情報機器の液晶画面の透明窓部の周囲に、黒色の窓枠部として部分的に設けて使用される用途の場合には、基材フィルム上に蒸着層を部分的に形成する。
蒸着層を部分的に形成する方法としては、公知の方法を適宜選択して用いることができる。例えば、蒸着層を全面に形成した後にエッチングして部分的に形成する方法、水または溶剤溶解性の材料をパターン印刷して遮蔽マスクとして用い、蒸着層を形成した後に遮蔽マスクを溶解除去して行なうリフトオフ法による方法等が挙げられる。
以上のような黒色蒸着フィルムを用いて黒色の意匠を加飾する場合、被加飾の製品は特に限定されない。また、被加飾の素材も限定されず、木材、金属、樹脂成形品など何れでもよい。そして、本発明の装飾用蒸着フィルム用いて黒色の意匠を施す加飾の方法としては、上述したような接着層を形成した加飾フィルムを用いて被加飾の素材に貼り付ける方法や、被加飾の素材が樹脂の場合には、射出成形と同時に加飾する成形同時加飾法を用いて加飾樹脂成形品を得る方法がある。
本発明の黒色蒸着フィルムを用いて、樹脂成形品に黒色の意匠を形成する成形同時加飾法は、例えば次のようにして行う。まず、可動型と固定型とからなる成形用金型内に、本発明の黒色蒸着フィルムを基材側が金型キャビティに面するように金型内に配置する。そして、成形用金型を閉じた後、ゲートから成形樹脂を金型内に射出充填させ、樹脂を固化して樹脂成形品を成形するとともに、その表面に黒色蒸着フィルムを接着させる。樹脂成形品を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品を取り出す。以上により、成形同時加飾工程が完了し、樹脂成形品の表面に黒色の意匠を形成した加飾樹脂成形品が得られる。
この他、本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムを細くスリットしたものを撚り合わせることにより、黒色で光沢感のある撚糸とすることもできる。このとき、両面が黒色面である黒色蒸着フィルムを用いれば、撚り合わせたときにどちらの面が出ても黒色となるので好ましい。
また、本実施の形態に係る黒色蒸着フィルムから基材を剥離し、得られた黒色積層体を粉砕することによって、黒色粉とすることもできる。このとき、基材の剥離性を向上させるために、上述した離型層を基材上に設けることが好ましい。また、両面を黒色面とすれば、均一な黒色が得られるため好ましい。このような黒色粉は、黒色と光沢性に優れるため、インクや加飾用途に有用である。
以上述べたような本実施の形態にかかる黒色蒸着フィルムは、経時での変色がなく、低反射で隠蔽性に優れた黒色を呈すことができる。そのため、黒色の意匠が好まれる各種家電製品、自動車内装用部品、化粧品や包装材などのパッケージ、スリット糸、インクなどの顔料、装飾用の金属粉など様々な用途に用いることができる。
本願発明に係る黒色蒸着フィルムに関し、更に実施例を交えて以下説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本願発明の実施例における黒色蒸着フィルムを製造するための蒸着装置の概略構成図である。以下に、図1の蒸着装置の構成の概要とともに、本実施例における黒色蒸着フィルムの製造方法について説明する。
(蒸着装置)
まず本実施例において用いる図1の蒸着装置について説明を行う。
真空槽20は、フィルム走行室21と蒸着室22とが仕切り板23により分離されている。フィルム走行室21は真空弁24、排気管25を経て図示していない真空排気ポンプにより5.0×10−3Pa以下に排気した。蒸着室22も真空弁26、排気管27を経て図示していない真空排気ポンプによりフィルム走行室21と同様に5.0×10−3Pa以下に排気した。
本実施例では、黒色蒸着フィルムの基材となる高分子フィルムとして、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用した。このPETフィルム29を、巻き出し軸28と巻き取り軸36間にセットし、巻き出し軸28から巻き取り軸36に連続して走行させる。巻き出し軸28から巻き出されたPETフィルム29は、フリーロール30、31を経て−20℃に冷却された蒸着ドラム32の外周に沿って、蒸着ドラム32と同期して回転方向Cに走行する。この走行時の蒸着室22を通過する際にPETフィルム29の表面に蒸着膜が形成され、蒸着フィルム33となりフリーロール34、35を経て巻き取り軸36に巻き取られる。
(蒸着方法)
蒸着層の形成は、蒸着ドラム32の下方にセットされた蒸発源容器37内に蒸発源38を入れて、加熱源39からの電子ビーム40を蒸発源38に照射し、蒸発源38を加熱、溶解、蒸発させて蒸発原子41を蒸着ドラム32の外周に沿って蒸着ドラム32と同期して走行するPETフィルム29の表面に差し向け、PETフィルム29の表面に蒸着膜を形成する。
蒸着膜の形成条件として、蒸発原子41のPETフィルム29に対する入射角が、蒸着膜の初期入射部分44で+90°に、蒸着膜の後期入射部分45で−90°になるように装置を構成した。また、蒸着時に蒸着ドラム32の近傍に酸素ガスを流入するために、蒸発原子41の入射角が+90°である初期入射部分44近傍にガスノズル42を、蒸発原子41の入射角が−90°である後期入射部分45近傍にガスノズル43を配置した。
(実施例1)
上記のように構成した図1の蒸着装置を用い、以下のようにして、本実施例1における黒色蒸着フィルムを作成した。
蒸着ドラム32と同期して走行するPETフィルム29の表面に、蒸発源38としてスズを20wt%混合したアルミニウムを用いて蒸着膜を形成するに際して、アルミニウムとスズの蒸発原子41の蒸着中に、ガスノズル43から純度が99%以上の酸素ガス47を後期入射部分45に向けて真空度が1.0×10−2 Pa〜5.0×10−2 Paの範囲になるように流入した。つまり、蒸着膜の形成の終了に際して酸素ガスを流入した。形成した蒸着膜の膜厚は200nmであった。なお、膜厚は、蛍光X線法により確認した。また、蒸着膜中におけるスズの含有率は22wt%であった。蒸着層中におけるスズの含有率はX線光電子分光分析装置(アルバック・ファイ株式会社、PHI5000)によって確認した。以上により、PETフィルム29上にアルミニウムとその酸化物の傾斜膜を主とし、膜中にスズを含有した蒸着層を備え、この蒸着層の表面部において最も酸化物組成比の高いものとした、実施例1における黒色蒸着フィルムを得た。
(実施例2)
蒸着源38におけるスズの含有率が10wt%である以外は、実施例1と同様にして目的とする黒色蒸着フィルムを得た。蒸着膜中におけるスズの含有率は12wt%であった。
(実施例3)
蒸着源38におけるスズの含有率が50wt%である以外は、実施例1と同様にして目的とする黒色蒸着フィルムを得た。蒸着膜中におけるスズの含有率は52wt%であった。
(実施例4)
形成した蒸着膜の膜厚が100nmである以外は、実施例1と同様にして目的とする黒色蒸着フィルムを得た。蒸着膜中におけるスズの含有率は22wt%であった。
(比較例1)
蒸着源38をアルミニウム材料のみとした以外は、実施例1と同様にして目的とする黒色蒸着フィルムを得た。蒸着膜中におけるその他金属の含有率は0wt%であった。
(比較例2)
蒸着源38におけるスズの含有率が5wt%である以外は、実施例1と同様にして目的とする黒色蒸着フィルムを得た。蒸着膜中におけるスズの含有率は7wt%であった。
以上の水準で形成した黒色蒸着フィルムについて、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
(促進試験)
以上の水準で形成した黒色蒸着フィルムについて、90℃で250時間加熱することによって促進試験を行った。促進試験前の評価サンプルを「初期」、促進試験後の評価サンプルを「処理後」とする。
(外観)
各水準の初期および処理後の評価サンプルについて、黒色度の指標として黒色面となる蒸着層の表面部側の色調を目視により官能評価した。その結果を表1の「初期」「処理後」における「外観」欄にそれぞれ示す。
(色調変化測定)
各水準の初期および処理後の評価サンプルについて、黒色面となる蒸着層の表面部側におけるL値、a値、b値を測定し、各要素の初期と処理後との差から色差ΔEを算出した。測定は紫外可視分光光度計(島津株式会社製、UV3700)を用いて、光源:ハロゲンランプ、スリット幅:5nm、スキャン速度:中速、測定範囲:300〜800nmの条件で分光反射率を測定して行った。ΔEの算出は、明細書中の式1を用いて行った。その結果を表1の「色差」欄にそれぞれ示す。
(低反射性)
各水準の初期および処理後の評価サンプルについて、色調変化測定と同様の条件で分光反射率を測定し、550nmの波長における反射率で低反射性を評価した。測定結果を表1の「初期」および「処理後」における「反射率」欄に示す。
(隠蔽性)
得られた各水準の処理後の評価サンプルについて、光学濃度(OD)を測定した。測定はカラー透過濃度計(大日本スクリーン製造株式会社製、DM−500)を用いて行った。その結果を表1の「OD」欄に示す。
(表1)
Figure 2019048417
以上の結果より、本願発明に係る黒色蒸着フィルムが従来と比較して色調の経時変化がない良好な黒色を呈することが分かる。
以下詳細に比較する。
比較例1は、添加金属を含有しないアルミニウムのみを用いた傾斜膜であるが、初期は良好な黒色であったが、促進試験を行った後反射率が上昇し、外観も黒色から金系色へと変化した。色差が3.2を大幅に超えたことからも、色調の変化が起こったことが分かる。しかし、添加金属を含有した実施例1ないし実施例3においては全て良好な黒色を示し、且つ色差が3.2以下で色調の変化がなかった。また、反射率も促進試験前とほぼ変わらない低反射を示し、隠蔽性についても良好な値を示している。このことから、添加金属を混合したことにより経時安定性が得られ、且つ添加金属による影響なく、従来と変わらない低反射性と隠蔽性に優れた黒色となることがわかる。
比較例2は実施例1と同様にスズを5wt%含有したものであるが、初期は黒色であったものの促進試験後に紫系色に外観が変化し、色差も大きい。そして反射率も上昇している。一方、実施例1ないし実施例3は添加金属量を10wt%から50wt%の範囲で変化させたものであるが、いずれにおいても良好な黒色を示し、且つ促進試験後においても色調が変化することがなかった。色差についても3.2以下の数値を示している。このことから、添加金属を一定量以上含有することにより、より色調変化を抑制する効果が得られることが分かる。
また、実施例4は実施例1と比較して膜厚を薄くしたものであるが、実施例1と同様に色調変化がなく、良好な外観が得られた。
これらの結果から経時安定性ならびに低反射、隠蔽性に優れた黒色膜とするには、アルミニウムの傾斜膜において添加金属を10wt%以上含有し、膜厚を100nm以上にすることが好ましいと分かる。
以上説明した本願発明に係る黒色蒸着フィルムであれば、色調が経時変化せず低反射で隠蔽性に優れた良好な黒色を呈すため、黒色の意匠や隠蔽性が要求される用途、例えば各種家電製品、自動車内装用部品、化粧品や包装材などのパッケージ、スリット糸、インクなどの顔料、装飾用の金属粉など様々な用途に有用である。
20 真空槽
21 フィルム走行室
22 蒸着室
23 仕切り板
24、26 真空弁
25、27 排気管
28 巻き出し軸
29 PETフィルム
30、31、34、35 フリーロール
32 蒸着ドラム
33 蒸着フィルム
36 巻き取り軸
37 蒸発源容器
38 金属材料
39 加熱源
40 電子ビーム
41蒸発原子
42、43 ガスノズル
44 初期入射部分
45 後期入射部分
46、47 酸素ガス
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、基材上に、少なくとも蒸着層を備えた蒸着フィルムであって、前記蒸着層は、アルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜であって、且つアルミニウム以外の添加金属を含有してな前記添加金属がスズであり、前記蒸着層のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10wt%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記蒸着層のどちらか一方の面あるいは両面にさらに透明樹脂層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、90℃で250時間の熱処理を行った前後での色差ΔEが3.2以下であること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記基材と前記蒸着層との間に離型層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項に記載の黒色蒸着フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムであって、前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を有してなること、を特徴とする。
本願発明の請求項10に記載の転写フィルムに関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムを用いてなること、を特徴とする。
本願発明の請求項11に記載の黒色撚糸に関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムがスリットされてなるものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項12に記載の黒色粉に関する発明は、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムから基材を剥離した黒色積層体が粉砕されたものであること、を特徴とする。
本願発明の請求項13に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、基材を連続走行させるとともに、アルミニウムと添加金属との混合物よりなる蒸発源を乾式成膜法によって付着堆積させることにより、前記基材の表面に蒸着層を形成するものであり、前記蒸着層の形成時において、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層をアルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜とし、傾斜膜中に添加金属を含有した蒸着層とするものであり前記添加金属がスズであり、前記蒸発源のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10wt%以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項14に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の開始に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項15に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の終了に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の形成の開始および終了に際して、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、を特徴とする。
本願発明の請求項17に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項16の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、を特徴とする。
本願発明の請求項18に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項17の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記蒸着層を形成する工程の前および/または後に、透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項19に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項18の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記基材の前記蒸着層側表面に離型層を形成する離型層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項20に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項19の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法であって、前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を形成する接着層形成工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項21に記載の黒色蒸着層転写体の製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項20の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムにおいて、前記蒸着層側最表面を被転写体に貼り合わせた後、前記基材を剥離し、黒色積層体を被転写体上に転写する転写工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項22に記載の黒色撚糸の製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項18の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムをスリットするスリット工程を行った後、得られたスリットフィルムを撚り合わせる撚糸工程を行うこと、を特徴とする。
本願発明の請求項23に記載の黒色粉の製造方法に関する発明は、請求項13ないし請求項19の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムから基材を剥離し黒色積層体を得る基材剥離工程と、前記黒色積層体を粉砕してなる粉砕工程と、からなること、を特徴とする。

Claims (27)

  1. 基材上に、少なくとも蒸着層を備えた蒸着フィルムであって、
    前記蒸着層は、アルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜であって、
    且つアルミニウム以外の添加金属を含有してなること、
    を特徴とする黒色蒸着フィルム。
  2. 前記添加金属がスズであること、
    を特徴とする、請求項1に記載の黒色蒸着フィルム。
  3. 前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルム。
  4. 前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルム。
  5. 前記アルミニウムと該酸化物との組成比において、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜であること、
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の黒色蒸着フィルム。
  6. 前記蒸着層のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10%wt以上であること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  7. 前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  8. 前記蒸着層のどちらか一方の面あるいは両面にさらに透明樹脂層を有してなること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  9. 90℃で250時間の熱処理を行った前後での色差ΔEが3.2以下であること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  10. 前記基材と前記蒸着層との間に、離型層を有してなること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  11. 前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を有してなること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルム。
  12. 請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムを用いてなる転写フィルム。
  13. 請求項1ないし請求項9の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムがスリットされてなる黒色撚糸。
  14. 請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムから基材を剥離した黒色積層体が粉砕されたものであること、を特徴とする黒色粉。
  15. 基材を連続走行させるとともに、アルミニウムと添加金属との混合物よりなる蒸発源を乾式成膜法によって付着堆積させることにより、前記基材の表面に蒸着層を形成するものであり、
    前記蒸着層の形成時において、前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層をアルミニウムとその酸化物の組成比が膜厚方向に連続的に変化する傾斜膜とし、傾斜膜中に添加金属を含有した蒸着層とすること、
    を特徴とする黒色蒸着フィルムの製造方法。
  16. 前記添加金属がスズであること、
    を特徴とする、請求項15に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  17. 前記蒸着層の形成の開始に際して、
    前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層表面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、
    を特徴とする、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  18. 前記蒸着層の形成の終了に際して、
    前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層表面において最も酸化物の比率が高く、前記蒸着層の基材側界面へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、
    を特徴とする、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  19. 前記蒸着層の形成の開始および終了に際して、
    前記基材の表面近傍に酸素ガスを流入して、前記蒸着層の表面、および前記蒸着層の基材側界面において最も酸化物の比率が高く、膜中心部へ向けて酸化物の比率が膜厚方向に連続的に減少する傾斜膜とすること、
    を特徴とする、請求項15または請求項16に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  20. 前記蒸着源のアルミニウムに対する添加金属の含有率が、10wt%以上であること、
    を特徴とする、請求項15ないし請求項19の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  21. 前記蒸着層の膜厚が100nm以上であること、
    を特徴とする、請求項15ないし請求項20の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  22. 前記蒸着層を形成する工程の前および/または後に、透明樹脂層を形成する透明樹脂層形成工程を行うこと、
    を特徴とする、請求項15ないし請求項21の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  23. 前記基材の前記蒸着層側表面に離型層を形成する離型層形成工程を行うこと、
    を特徴とする、請求項15ないし請求項22の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  24. 前記基材の蒸着層とは反対側最表面あるいは前記蒸着層の基材とは反対側最表面の何れか一方に、接着層を形成する接着層形成工程を行うこと、
    を特徴とする、請求項15ないし請求項23の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法。
  25. 請求項15ないし請求項24の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムにおいて、
    前記蒸着層側最表面を被転写体に貼り合わせた後、前記基材を剥離し、黒色積層体を被転写体上に転写する転写工程を行うこと、
    を特徴とする、黒色蒸着層転写体の製造方法。
  26. 請求項15ないし請求項22の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムをスリットするスリット工程を行った後、
    得られたスリットフィルムを撚り合わせる撚糸工程を行うこと、
    を特徴とする、黒色撚糸の製造方法。
  27. 請求項15ないし請求項23の何れか1項に記載の黒色蒸着フィルムの製造方法によって得られた黒色蒸着フィルムから基材を剥離し黒色積層体を得る基材剥離工程と、
    前記黒色積層体を粉砕してなる粉砕工程と、からなること
    を特徴とする、黒色粉の製造方法。
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