JP4476900B2 - フォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法 - Google Patents
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Description
フォトニック・バンドギャップ型ファイバは、クラッドに周期構造を形成することで光をファイバ内側に閉じ込めるファイバである。
このダブルクラッドファイバ5は、第一クラッド6の面積を小さくして励起光密度を高くし、また、励起光の入射効率を高めるために高NA(Numerical Aperture、開口数)である必要がある。第一クラッド6の周囲に空孔を配置することで大きなNAをもつ構造とし、光増幅器やファイバレーザの高出力化を目的とした開発が進められている。
さらに、ここで例示していない構造、特性を有するフォトニッククリスタルファイバは数多くあり、その特性に応じて、空孔位置、空孔サイズ、空孔位置が決められている。空孔が比較的少ないホールアシスト型ホーリーファイバの場合は、キャピラリを束ねて線引きする方法以外に、母材に孔を開けて作製することも可能であるが、空孔数が多い構造になると、キャピラリを束ねて紡糸することでファイバを製造する方法が一般的である。
このようにキャピラリを束ねてフォトニッククリスタルファイバを製造する方法としては、特許文献1〜6に開示されている。
官寧,他"低曲げ損失用ホールアシスト型ホーリーファイバ"、信学技報、OFT2004−7(2004) 二口和督、他"エアホール型Yb添加ダブルクラッドファイバ"、2003年 電子情報通信学会総合大会、C−3−88
しかし、このような外周の横断面形状が六角形のキャピラリ9を作製することは、通常の円管状(外周の横断面形状が円形)のキャピラリに比べて、さらに加工作業が必要であるため、最終的にプリフォーム製造コストが高くなるという問題がある。
しかし、特許文献2に記載された従来技術にあっては、特許文献1の方法と同様に、内壁の横断面形状が六角形をなしているサポート管を作製することが、通常の円管状(内壁の横断面形状が円形)をなしているサポート管の作製に比べ、さらに加工作業が必要であるため、最終的に製造コストが高くなるという問題がある。
水酸基の存在は、波長1.38μmの波長の光を吸収することから、光ファイバとして伝送損失の劣化を招き望ましくない。特許文献3記載の方法は、線引き加工時の水酸基の形成を抑制するには有効と思われるが、本発明者らが検討したところ、線引き工程で長手方向に空孔径が変化してしまい、安定した構造のフォトニッククリスタルファイバが製造できない可能性があった。これは、線引きが進むにつれて、両端封止したキャピラリ15内部の圧力が徐々に変化してしまうことが原因と考えられる。また、両端封止後の線引き工程では、封止したときの圧力が維持されているので、線引き工程中に空孔径の調整を行うことができず、歩留まりが悪くなる問題がある。
さらに、線引き工程でキャピラリ15の一部が変形してしまうという現象も生じた。これは、キャピラリ15の両端を封止する際に、それぞれのキャピラリ15で僅かながら内圧に差が生じてしまい、その結果、線引き工程において空孔サイズにばらつきが生じたためと考えられる。これを防止するには封止時に正確な内圧の管理が必要であり、安定してフォトニッククリスタルファイバの生産を行う上で問題がある。
しかし、このような圧力調整は、圧力制御部につなげる部分のプリフォーム加工が複雑になり、また圧力制御系も複雑であることからファイバの作製コストが高くなってしまうという問題がある。
このようなプリフォーム23を作製する際に、第一クラッド25のNAを高く保つためには、キャピラリ26内の孔径を膨らませ、キャピラリ26間の隙間を潰す必要がある。そのため紡糸工程では、キャピラリ26内の圧力を高く、キャピラリ26間の隙間の圧力を低く調整する必要がある。このようなプリフォーム23を作製する場合、従来のキャピラリ外周形状やサポート管内壁形状を加工することは難しく、たとえ作製できたとしても非常に高コストなフォトニッククリスタルファイバになってしまう。
また、紡糸工程で一度にそれぞれの圧力を制御しようとすると非常に複雑な制御系となってしまう。
(1)キャピラリの片端を封止する工程、
(2)片端を封止した複数本の前記キャピラリ及び1本又は複数本の中実棒をサポート管に詰め込む工程、
(3)前記キャピラリの封止部側に配置されたサポート管の一端側に真空排気装置に接続されたコネクタを接続して前記サポート管内を排気すると共に、前記サポート管の他端側に差圧調整用ガスの供給装置に接続されたコネクタを接続して前記サポート管内に前記差圧調整用ガスを供給しつつ、前記キャピラリの封止されていない片端の近傍部をヒータで前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管が軟化変形する温度まで加熱して、前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管との間の隙間が潰された一体化領域を形成し、前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管との間の隙間を連通する空間Iと、前記キャピラリの内部空間と連通する空間IIとに分ける工程、
(4)前記空間Iを減圧し、前記空間IIをほぼ大気圧となるように制御する工程、
(5)前記ヒータによる加熱により生じるヒートゾーンを前記キャピラリの封止部側に向けて緩やかに移動させ、長手方向全長にわたり一体化を行って母材とする工程、
を含むことを特徴とするフォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法を提供する。
また、キャピラリを両端封止するときのように、母材の設計、大きさによって圧力を調整する必要がなく、各種形状の母材であっても、簡単に作製することができる。
また、母材の段階で、母材を一体化することによって、紡糸時に空孔内の圧力制御だけ行えばよく、複雑な紡糸加圧系を作らなくてよい。
また、一体化中は、最終的に2つの圧力を制御しているが、前記工程(5)によって母材の上部下部で空間を分けることができるので、石英管を2重にするなどの複雑な構成をとらずに一体化加工ができる。
そして本発明によれば、母材製造時の歩留まりをほぼ100%とすることができ、また素線化時の歩留まりも高率となり、空孔径が母材の長手方向にわたり安定したフォトニッククリスタルファイバを効率よく製造することができる。
図9は本発明によるフォトニッククリスタルファイバ(以下、ファイバと記す。)の製造方法におけるサポート管内の圧力制御を説明する概略図である。
図10〜図13は本製造方法の主な工程を順に示す構成図である。
図14及び図15は本発明により製造される母材の実施例1を示し、図14はサポート管にキャピラリを詰めた一体化前の母材の断面図、図15は一体化後の母材の断面図である。
図16及び図17は本発明により製造される母材の実施例2を示し、図16はサポート管にキャピラリを詰めた一体化前の母材の断面図、図17は一体化後の母材の断面図である。
図18及び図19は本発明により製造される母材の実施例3を示し、図18はサポート管にキャピラリを詰めた一体化前の母材の断面図、図19は一体化後の母材の断面図である。
図20及び図21は本発明により製造される母材の実施例4を示し、図20はサポート管にキャピラリを詰めた一体化前の母材の断面図、図21は一体化後の母材の断面図である。
図22及び図23は本発明により製造される母材の実施例5を示し、図22はサポート管にキャピラリを詰めた一体化前の母材の断面図、図23は一体化後の母材の断面図である。
これらの図中、符号40はキャピラリ、41はサポート管、42は中実棒、43と44は隙間、45は片端封止部、46は上部コネクタ、46Aは排気口、47は下部コネクタ、47Aはガス供給口、48はヒータ、49は差圧調整用ガス、50は一体化領域、51及び51A〜51Eは母材、52,54及び55は空孔、53は薄肉キャピラリ、56は六角形の空孔、60はコア領域である。
図16及び図17に示す実施例2の母材51Bは、中心部にコア領域60を有し、その両側にやや孔径の大きな空孔54が配置され、それを多数の空孔52によって多層に包囲した構造になっている。
図18及び図19に示す実施例3の母材51Cは、中心部に大きなコア領域60を有し、その周囲に一列の断面が略四角形状の空孔55が配置された構造になっている。
図20及び図21に示す実施例4の母材51Dは、中心部に大きなコア領域60を有し、それを多数の空孔52によって多層に包囲した構造になっている。
図20及び図21に示す実施例5の母材51Eは、中心部に六角形のコア領域60を有し、それを多数の六角形の空孔56によって多層に包囲した構造になっている。
本実施形態の製造方法は、
(1)石英製のキャピラリ40の片端を封止する工程、
(2)片端を封止した複数本のキャピラリ40及び中実棒42を石英製のサポート管41に詰め込んで、一体化前の母材とする工程、
(3)次いで、サポート管41の一方に真空排気装置に接続された上部コネクタ46を接続すると共に、他方に差圧調整用ガス49の供給装置に接続された下部コネクタ47を接続する工程(図10参照)、
(4)次いで、キャピラリ40の封止されていない片端から20mm以上の上部をヒータ48で石英が軟化変形する温度まで加熱する工程、
(5)工程(4)の状態でサポート管41上部(排気口46A)から真空排気装置で管内を排気するとともに、サポート管41下部(ガス供給口47A)から差圧調整用ガス49を管内に供給し、キャピラリ40の一部で母材を一体化し、管内空間をキャピラリ40同士又はキャピラリ40とサポート管41の隙間の空間Iとキャピラリ40の内部空間IIとに分ける工程(図11参照)、
(6)次いで、空間Iを減圧し、空間IIをほぼ大気圧となるように制御する工程(図12参照)、
(7)次いで、ヒートゾーンをキャピラリ40の片端封止部45側に向けて緩やかに移動させ、長手方向全長にわたり一体化を行って母材51を作製する工程(図13参照)、及び
(8)次いで、母材51をその空孔内圧力を制御しながら紡糸し、素線化してファイバを得る工程、を含むことを特徴とする。
次に、サポート管41上部から真空排気装置で管内を排気するとともに、サポート管41下部から差圧調整用ガス49を管内に供給し、キャピラリ40の一部で母材を一体化し、図11に示すように母材の一部に一体化領域50を形成する。この一体化領域50を形成することによって、サポート管41内の空間は、キャピラリ40同士又はキャピラリ40とサポート管41の隙間に連通している空間Iと、キャピラリ40の内部空間IIとに分けられる。
図10に示すような状態を形成すると、キャピラリ40同士又はキャピラリ40とサポート管41との隙間43,44に気体が流れる。逆に、キャピラリ40内部は、片端が封止されているため気体は流れない。この状態では、ベルヌーイの定理により、気体が流れていない部分に対して、気体が流れた部分が減圧状態になる。これを、ガラスが軟化した状態で実施すると、隙間43,44が選択的に潰れ、図11に示すように、加熱部位にはサポート管41、キャピラリ40及び中実棒42が一体化して隙間43,44が無くなった一体化領域50が形成される。図11の状態にしておけば、サポート管41の内部空間は、キャピラリ40同士又はキャピラリ40とサポート管41の隙間43,44と連通している空間Iと、キャピラリ40の内部空間に連通している空間IIとに分けられ、それぞれ空間I、IIを減圧状態又はほぼ大気圧に調整し、母材を加熱しながらヒータ48による加熱部位を長手方向に沿ってトラバースさせると、母材全長が一体化される。
また、キャピラリ40を両端封止するときのように、母材51の設計、大きさによって圧力を調整する必要がなく、各種形状の母材であっても、簡単に作製することができる。
また、母材51の段階で、母材51を一体化することによって、紡糸時に空孔内の圧力制御だけ行えばよく、複雑な紡糸加圧系を作らなくてよい。
また、一体化中は、最終的に2つの圧力を制御しているが、前記工程(5)によって母材の上部下部で空間を分けることができるので、石英管を2重にするなどの複雑な構成をとらずに一体化加工ができる。
そして本実施形態では、前記効果によって母材製造時の歩留まりをほぼ100%とすることができ、また素線化時の歩留まりも高率となり、空孔径が母材の長手方向にわたり安定したファイバを効率よく製造することができる。
以下、実施例により本発明の効果を実証する。
図10に示すように外径2.1mm、内径1.3mm、長さ400mmの石英キャピラリの片端を封止し、封止端が上部になるように配置し、外径32mm、内径25mmのサポート石英管に詰め、図14に示すような断面形状を有する一体化前の母材を作製した。このとき、中心は外径2.1mm、長さ400mmの石英細棒に置換した。
次に、この母材を延伸機にセットし、キャピラリの開口端から40mm上部にヒートゾーン中心が位置するように母材位置を調整し、1850℃で加熱して、下部からArガスを供給しつつ上部から真空ポンプで吸引し、図11に示すように母材の一部を一体化した。
その後、図12に示す空間Iを真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧が−90kPaとなるように調整し、空間IIを大気圧との差圧が±0.02kPaの範囲となるように調整し、図13に示すように1830℃でヒートゾーンを移動させながら外径30mmに延伸し、母材の全長にわたって一体化した。その結果、図15に示すような断面を有する母材を得ることができた。得られた母材の断面を調べたところ、母材の上部、下部でほとんど同じ空孔径であった。
図10に示すように外径2.1mm、内径1.3mm、長さ400mmの石英キャピラリの片端を封止し、封止端が上部になるように配置し、外径32mm、内径25mmのサポート石英管に詰め、図16に示すような断面形状を有する一体化前の母材を作製した。このとき、中心は外径2.1mm、長さ400mmの石英細棒に置換し、その両脇の2本を外径2.1mm、内径1.8mm、長さ400mmの片端封止したキャピラリに置換した。この2本のキャピラリも封止端が上部になるように配置した。
次に、この母材を延伸機にセットし、キャピラリの開口端から40mm上部にヒートゾーン中心が位置するように母材位置を調整し、1850℃で加熱して、下部からArガスを供給しつつ上部から真空ポンプで吸引し、図11に示すように母材の一部を一体化した。
その後、図12に示す空間Iを真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧が−90kPaとなるように調整し、空間IIを大気圧との差圧が±0.02kPaの範囲となるように調整し、図13に示すように1830℃でヒートゾーンを移動させながら外径30mmに延伸し、母材の全長にわたって一体化した。その結果、図17に示すような断面を有する母材を得ることができた。得られた母材の断面を調べたところ、母材の上部、下部でほとんど同じ空孔径であった。
図10に示すように外径2.7mm、内径2.3mm、長さ400mmの石英キャピラリの片端を封止し、封止端が上部になるように配置し、外径35mm、内径21mmのサポート石英管に詰め、図18に示すような断面形状を有する一体化前の母材を作製した。このとき、中心には外径15.3mm、長さ400mmの石英棒を詰めた。
次に、この母材を延伸機にセットし、キャピラリの開口端から40mm上部にヒートゾーン中心が位置するように母材位置を調整し、1860℃で加熱して、下部からArガスを供給しつつ上部から真空ポンプで吸引し、図11に示すように母材の一部を一体化した。
その後、図12に示す空間Iを真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧が−90kPaとなるように調整し、空間IIを大気圧との差圧が±0.02kPaの範囲となるように調整し、図13に示すように1840℃でヒートゾーンを移動させながら外径32mmに延伸し、母材の全長にわたって一体化した。その結果、図19に示すような断面を有する母材を得ることができた。得られた母材の断面を調べたところ、母材の上部、下部でほとんど同じ空孔径であった。
図10に示すように外径1.51mm、内径1.35mm、長さ400mmの石英キャピラリの片端を封止し、封止端が上部になるように配置し、外径39mm、内径33mmのサポート石英管に詰め、図20に示すような断面形状を有する一体化前の母材を作製した。このとき、中心には外径6.4mm、内径6.0mm、長さ400mmの石英管を片端封止して配置した。この石英管も封止端が上部になるように配置した。
次に、この母材を延伸機にセットし、キャピラリの開口端から40mm上部にヒートゾーン中心が位置するように母材位置を調整し、1860℃で加熱して、下部からArガスを供給しつつ上部から真空ポンプで吸引し、図11に示すように母材の一部を一体化した。
その後、図12に示す空間Iを真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧が−90kPaとなるように調整し、空間IIを大気圧との差圧が±0.02kPaの範囲となるように調整し、図13に示すように1840℃でヒートゾーンを移動させながら外径20mmに延伸し、母材の全長にわたって一体化した。その結果、図21に示すような断面を有する母材を得ることができた。得られた母材の断面を調べたところ、母材の上部、下部でほとんど同じ空孔径であった。
図10に示すように外径2.1mm、内径1.88mm、長さ500mmの石英キャピラリの片端を封止し、封止端が上部になるように配置し、外径35mm、内径22mmのサポート石英管に詰め、図22に示すような断面形状を有する一体化前の母材を作製した。このとき、中心は外径2.1mm、長さ500mmの石英細棒に置換した。
次に、この母材を延伸機にセットし、キャピラリの開口端から50mm上部にヒートゾーン中心が位置するように母材位置を調整し、1980℃で加熱して、下部からHeガスを供給しつつ上部から真空ポンプで吸引し、図11に示すように母材の一部を一体化した。
その後、図12に示す空間Iを真空ポンプで減圧し、大気圧との差圧が−98kPaとなるように調整し、空間IIを大気圧との差圧が+1.0kPaとなるように調整し、図13に示すように2000℃でヒートゾーンを移動させながら母材外径30mmに延伸しながら、母材全長にわたって一体化した。その結果、図23に示すような断面を有する母材を得ることができた。得られた母材の断面を調べたところ、延伸後母材長600mmの上部、下部でほとんど同じ空孔径であった。しかも、薄肉のキャピラリを詰めて作製したため、母材の空孔形状は六角形に近く、空孔を加圧して、この母材を紡糸した後も、空孔形状は六角形に近い形であった。
特許文献5の開示に従い、キャピラリの両端を紡糸工程において略大気圧となるよう内圧を調整して母材を作製し、線引きを行った。しかし、紡糸工程において略大気圧になるように調整するためには、ヒートゾーンの熱分布などを考慮する必要があり、調整に手間がかかった。また、紡糸機を変更するたびに、キャピラリ内圧を変更する必要があり、非常に手間がかかった。さらに、紡糸工程にて、空孔の破裂や潰れが起こらないようにするために、予備実験を3〜4回程度行う必要があり、多くの手間と時間を要した。
特許文献6の実施例1,2の開示に従い、ガラス材料として純粋石英を用い、温度条件、圧力条件などを純粋石英に適したものに変更した。しかし、ガラスキャピラリの隙間を減圧加熱している間は、キャピラリ内の空孔は両端封止状態にあるため、両端封止する条件が比較例1と同様に難しく、母材を加熱一体化している間に、空孔内圧力が変化してしまい、空孔径が母材の長手方向に安定しなかった。この母材のある断面は、特許文献6に記載の通り、きれいに隙間がないが、空孔径を長手方向に安定させることができなかった。よって、この母材を紡糸しても、長手方向に特性が変化してしまい、非常に歩留まりが悪かった。
一方、比較例1,2ではともに、母材製造時の歩留まりが40%程度と低く、また素線化時での歩留まりは、空孔の長手方向の安定性も考慮に含めて、10%程度と低率であった。
Claims (4)
- (1)キャピラリの片端を封止する工程、
(2)片端を封止した複数本の前記キャピラリ及び1本又は複数本の中実棒をサポート管に詰め込む工程、
(3)前記キャピラリの封止部側に配置されたサポート管の一端側に真空排気装置に接続されたコネクタを接続して前記サポート管内を排気すると共に、前記サポート管の他端側に差圧調整用ガスの供給装置に接続されたコネクタを接続して前記サポート管内に前記差圧調整用ガスを供給しつつ、前記キャピラリの封止されていない片端の近傍部をヒータで前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管が軟化変形する温度まで加熱して、前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管との間の隙間が潰された一体化領域を形成し、前記キャピラリと前記中実棒と前記サポート管との間の隙間を連通する空間Iと、前記キャピラリの内部空間と連通する空間IIとに分ける工程、
(4)前記空間Iを減圧し、前記空間IIをほぼ大気圧となるように制御する工程、
(5)前記ヒータによる加熱により生じるヒートゾーンを前記キャピラリの封止部側に向けて緩やかに移動させ、長手方向全長にわたり一体化を行って母材とする工程、
を含むことを特徴とするフォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法。 - 前記工程(3)において加熱温度が1700℃〜2100℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のフォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法。
- 前記工程(4)において空間Iの大気圧との差圧を−0.50kPa〜−101kPaの範囲とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法。
- 前記工程(4)において空間IIの大気圧との差圧を−0.50kPa〜+10kPaの範囲とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフォトニッククリスタルファイバ母材の製造方法。
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