JP4476743B2 - 光部品支持基板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、光学素子が搭載されるとともに、その光学素子と光ファイバや光導波路との間で光通信を行う配線基板が従来提案されている(例えば、特許文献1,2参照、非特許文献1)。特許文献1,2には、光学素子を実装した外部基板を配線基板上にはんだバンプにて接続してリフローする際のセルフアライメント作用により、外部基板と配線基板とを所定の位置に配置できる、という技術が開示されている。また、非特許文献1には、光学素子を実装したポリイミドテープをドリル加工してガイドピン穴を貫通形成し、そのガイドピン穴に位置合わせ用のガイドピンを支持させ、光ファイバの先端に設けたMTコネクタと光学素子とを前記ガイドピンを基準として位置合わせした光モジュール構造が開示されている。なお、特許文献1,2の位置合わせ構造が、リフロー時のセルフアライメント作用による消極的なものであるとすると、非特許文献1の位置合わせ構造は、ガイドピンの嵌合による積極的なものであるといえる。従って、非特許文献1の位置合わせ構造によれば、光軸合わせの精度を向上しやすくなるものと考えられている。
位置合わせ用ガイド部材がガイドピンである場合において、ガイドピンの端部は、軸線方向に対して垂直な平坦面を有していることがよい。このような平坦面があると、例えば、ガイドピンの端部を画像認識してそこを位置合わせの基準とするような場合に、画像認識を行いやすくなるというメリットがある。ただし、ガイドピン端部の外縁を面取りしておくことが好ましい。そして、この構成であると、光部品の位置合わせ凹部に対してガイドピンを嵌合させやすくすることができる。
本発明の光部品支持基板は、光部品と光結合されるべき光学素子を備えていてもよい。ただし、本発明において光学素子は任意の構成要素である。前記光学素子は樹脂基板の主面上に1つまたは2つ以上搭載される。その搭載方法としては、例えば、ワイヤボンディングやフリップチップボンディング等の手法、異方導電性材料を用いた手法などを採用することができる。発光部を有する光学素子(即ち発光素子)としては、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)、半導体レーザダイオード(Laser Diode ;LD)、面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)等を挙げることができる。これらの発光素子は、入力した電気信号を光信号に変換した後、その光信号を所定部位に向けて発光部から出射する機能を備えている。一方、受光部を有する光学素子(即ち受光素子)としては、例えば、pinフォトダイオード(pin Photo Diode;pin PD)、アバランシェフォトダイオード(APD)等を挙げることができる。これらの受光素子は、光信号を受光部にて入射し、その入射した光信号を電気信号に変換して出力する機能を有している。なお、前記光学素子は発光部及び受光部の両方を有するものであってもよい。前記光学素子に使用する好適な材料としては、例えば、Si、Ge、InGaAs、GaAsP、GaAlAsなどを挙げることができる。このような光学素子(特に発光素子)は、動作回路によって動作される。光学素子及び動作回路は、例えば、樹脂基板に形成された導体を介して電気的に接続される。なお、前記光学素子は、樹脂基板に対して直接的に搭載されていてもよいほか、樹脂基板とは別体の支持体を介して間接的に搭載されていてもよい。
前記光導波路とは、光信号が伝搬する光路となるコア及びそのコアを取り囲むクラッドを有した板状またはフィルム状の部材を指し、例えば、ポリマ材料等からなる有機系の光導波路、石英ガラスや化合物半導体等からなる無機系の光導波路等がある。前記ポリマ材料としては、感光性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを選択することができ、具体的には、フッ素化ポリイミド等のポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、UV硬化性エポキシ樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、重水素化PMMA、重水素フッ素化PMMA等のアクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが好適である。
前記光ファイバコネクタとは、本来的には光ファイバ部同士を接続するための手段であるが、ここでは光ファイバ側と基板側とを接続するための手段として用いられる。なお、かかる光ファイバコネクタは、単心光ファイバコネクタであっても、多心光ファイバコネクタであってもよい。また、光ファイバコネクタは、基板側との接続を図るという本来的な機能に加えて、例えば光を反射して光路を変換する等といった付加的な機能を有していてもよい。
そして上記課題を解決するための別の手段としては、上記の光部品支持基板の製造方法であって、前記スルーホール部を有する樹脂基板を準備する準備工程と、前記スルーホール部に対応する箇所に穴加工を行うことにより、前記樹脂基板に前記ガイド部材支持穴を形成する穴明け工程と、前記ガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材を嵌合支持させるガイド部材取付工程とを含むことを特徴とする光部品支持基板の製造方法がある。
ガイド部材取付工程では、前記ガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材を嵌合支持させる。これにより、位置合わせ用ガイド部材の少なくとも一部が、樹脂基板の主面側にて突出した状態となる。そして、ガイド部材取付工程の後、前記位置合わせ用ガイド部材を光部品の位置合わせ凹部に対して嵌合させるようにする。その結果、前記光部品及び前記光学素子の光軸合わせを行いつつ、併せて前記光部品を前記樹脂基板に支持固定させることができる。
図1に示されるように、本実施形態の光導波路付き光部品支持基板110は、VCSEL14(光学素子)、フォトダイオード17(光学素子)、樹脂基板111(基板)、ガイドピン44(位置合わせ用ガイド部材)等によって構成されている。
図1に示されるように、本実施形態で使用される樹脂基板111は、上面12(主面)及び下面13を有する平面視略矩形状の板部材であって、コア基板112(コア部)の両面の表層にビルドアップ層113,114を有するいわゆるビルドアップ配線基板である。前記コア部112は、基材であるガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた構造を有している。なお、エポキシ樹脂の代わりに、例えばポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等を含浸させたものを使用してもよい。
下面側表層にあるビルドアップ層114は、樹脂絶縁層131,133と金属導体層132,134とによって構成されている。コア基板112のコア下面に形成された1層めの樹脂絶縁層131は、その厚さが約30μmであって、例えば連続多孔質PTFEにエポキシ樹脂を含浸させた樹脂−樹脂複合材料からなる。1層めの樹脂絶縁層131の表面上には、銅めっきからなる金属導体層132がパターン形成されている。また、1層めの樹脂絶縁層131上には、同様の材料からなる厚さ約30μmの2層めの樹脂絶縁層133が形成されている。2層めの樹脂絶縁層133の表面上には、銅めっきからなる金属導体層134がパターン形成されている。
図1に示されるように、樹脂基板111の上面12側には、フィルム状の光導波路31(光部品)が配置されている。この光導波路31を構成する基材32は、コア33及びそれを上下から取り囲むクラッド34を有している。実質的にコア33は光信号が伝搬する光路となる。本実施形態の場合、コア33及びクラッド34は、屈折率等の異なる透明なポリマ材料、具体的には屈折率等の異なるPMMA(ポリメチルメタクリレート)により形成されている。光路となるコア33の本数は発光部15の数と同じく4つであって、それらは直線的にかつ平行に延びるように形成されている。
光導波路31における所定の箇所には、光導波路31の上面にて開口するV字溝35が形成されている。このV字溝35の先端はコア33のある深さにまで及んでいる。V字溝35の内面は樹脂基板111の上面12に対して約45°の角度を持つ傾斜面となっていて、その傾斜面には光を全反射可能な金属からなる薄膜37が蒸着されている。その結果、光を90°の角度で反射する光路変換用ミラーが構成されている。光導波路31の四隅には円形状の位置合わせ穴36が貫通形成されている。これらの位置合わせ穴36は、ガイドピン44の大きさに対応して直径約0.7mmに設定されている。そして、光導波路31の有する各位置合わせ穴36には、樹脂基板111側にて突出する各ガイドピン44が嵌合されている。その結果、樹脂基板111の上面12上にて、光導波路31が位置合わせされた状態で固定されている。ここで「位置合わせされた状態で固定」とは、具体的には、VCSEL14の各発光部15の光軸と光導波路31の各コア33の光軸とが合い、かつ、フォトダイオード17の各受光部18の光軸と光導波路31の各コア33の光軸とが合った状態で、光導波路31が樹脂基板111上に支持固定されていることをいう。
VCSEL14は、樹脂基板111側からの電力供給により、動作可能な状態となる。樹脂基板111上の動作回路用ICからVCSEL14に電気信号が出力されると、VCSEL14は入力した電気信号を光信号(レーザ光)に変換した後、その光信号を上方に向けて、発光部15から出射する。光導波路31の下面から入射した光信号は、光路変換ミラーにおいて進行方向を90°変更し、受光側に向かってコア33内を進行する。その後、光信号は、光路変換ミラーにおいて進行方向を90°変更し、下方に位置するフォトダイオード17に向かって進行する。そして、受光部18に入射した光信号は電気信号に変換されるとともに、受信用ICにより増幅される。
まず、樹脂基板111を従来周知の手法により作製し、準備しておく。
以下、めっき部中央孔146にガイドピン44の一端側を嵌合支持させる(ガイド部材取付工程)。その結果、ガイドピン44の一部が樹脂基板111の上面12から突出した状態となる。この後、図示しない部品マウント装置を用いてVCSEL14等の部品をマウントしてリフローを行うことにより、各部品を樹脂基板111上にはんだ付けする(搭載工程)。さらに、樹脂基板111の上面12から突出する各ガイドピン44を、光導波路31における各位置合わせ穴36に対して嵌合させる(支持固定工程)。その結果、光導波路31とVCSEL14との光軸合わせ、光導波路31とフォトダイオード17との光軸合わせを行いつつ、併せて光導波路31を樹脂基板111に支持固定させることができる。
[第2実施形態]
・ガイドピン44の本数や形状等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて任意に変更することが可能である。
・精密穴加工のみによって十分高精度な穴が形成できるのであれば、仕上げ加工を省略しても構わない。
・上記実施形態では、光伝送機能及び光反射機能を有する光部品として光導波路31を用いていたが、その代わりに光ファイバコネクタ等の光伝送機能を有する光部品を用いて構成してもよい。さらには、光導波路31に代えて、マイクロレンズアレイ等の集光機能を有する光部品を用いるようにしてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想の一部を以下に列挙する。
14…光学素子としてのVCSEL
15…発光部
17…光学素子としてのフォトダイオード
18…受光部
31…光部品としての光導波路
36…位置合わせ凹部
44…位置合わせ用ガイド部材としてのガイドピン
110,210…光部品付き光部品支持基板としての光導波路付き光部品支持基板
111…樹脂基板
112…コア部
113,114…ビルドアップ層
115,155…スルーホール部
116,156…貫通穴
117,157…めっきとしてのスルーホールめっき部
118…充填剤
126…ガイド部材支持穴としてのめっき部中央孔
121 ,131,133…樹脂絶縁層
122,132,134…金属導体層
216…ガイド部材支持穴
Claims (7)
- 主面を有する樹脂基板と、
前記樹脂基板を貫通するように設けられた貫通穴と、前記貫通穴の内壁面に形成されためっき部とを有するスルーホール部と、
前記樹脂基板の前記主面側にてその一部が突出し、光伝送機能、集光機能及び光反射機能のうちの少なくとも1つを有する光部品の有する位置合わせ凹部に対して嵌合可能な位置合わせ用ガイド部材と
を備え、
前記主面にて開口するガイド部材支持穴が、前記スルーホール部のある箇所に対応して形成されるとともに前記めっき部の内周面の一部を削り取ることにより形成されためっき部中央孔であり、そのガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材が嵌合されて支持されている
ことを特徴とする光部品支持基板。 - 主面を有する樹脂基板と、
前記樹脂基板を貫通するように設けられた貫通穴と、前記貫通穴の内壁面に形成されためっき部と、前記めっき部内に充填された充填剤とを有するスルーホール部と、
前記樹脂基板の前記主面側にてその一部が突出し、光伝送機能、集光機能及び光反射機能のうちの少なくとも1つを有する光部品の有する位置合わせ凹部に対して嵌合可能な位置合わせ用ガイド部材と
を備え、
前記主面にて開口するガイド部材支持穴が、前記スルーホール部のある箇所に対応して形成されるとともに前記充填剤の中心部を削り取ることにより形成され、そのガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材が嵌合されて支持されている
ことを特徴とする光部品支持基板。 - 前記樹脂基板は、樹脂絶縁層と金属導体層とを交互に積層してなるビルドアップ層をコア部の表層に有するビルドアップ配線基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の光部品支持基板。
- 前記ガイド部材支持穴は穴径の精度が±0.001mm以内の精密加工穴であり、前記位置合わせ用ガイド部材は前記精密加工穴に嵌着されたガイドピンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光部品支持基板。
- 前記樹脂基板の主面側には、発光部及び受光部のうちの少なくとも一方を有し、前記光部品と光結合されるべき光学素子が搭載されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光部品支持基板。
- 前記貫通穴の直径は0.75mm〜0.85mmであり、前記貫通穴の内周面における前記めっき部の厚さは10μm〜50μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光部品支持基板。
- 主面を有する樹脂基板と、
前記樹脂基板に設けられたスルーホール部と、
前記樹脂基板の前記主面側にてその一部が突出し、光伝送機能、集光機能及び光反射機能のうちの少なくとも1つを有する光部品の有する位置合わせ凹部に対して嵌合可能な位置合わせ用ガイド部材と
を備え、
前記主面にて開口するガイド部材支持穴が前記スルーホール部のある箇所に対応して形成され、そのガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材が嵌合されて支持されている
ことを特徴とする光部品支持基板の製造方法であって、
樹脂基板に対するドリル加工により貫通穴を形成した後、その貫通穴の内周面に対してめっきを施すことにより、前記スルーホール部を有する樹脂基板を準備する準備工程と、
前記スルーホール部に対応する箇所に精密ドリル加工による穴加工を行って前記めっきの内周面を削り取ることにより、前記貫通穴よりも小径の前記ガイド部材支持穴を前記樹脂基板に形成する穴明け工程と、
前記ガイド部材支持穴に前記位置合わせ用ガイド部材を嵌合支持させるガイド部材取付工程と
を含むことを特徴とする光部品支持基板の製造方法。
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