JP4476590B2 - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータの制御装置に関するものであり、特に、複数台のエレベータの災害時管制運転に関する効率的で信頼性の高いエレベータの制御装置に関するものである。
近年、エレベータを制御する制御装置はマイクロコンピュータの採用により、大量な情報の演算処理と高度な制御を実現することが可能になってきた。一方、通信の発達により複数台のエレベータを管理する群管理装置と各号機を制御する各号機制御装置との間を高速のネットワークで接続することも可能になってきた。
近年のエレベータとしては、地震、火災、停電等の災害が発生した場合に、エレベータ利用者の安全を確保するため、その情報を取り込んで、所定の管制運転を実施することができるようにした幾つかのシステムが提案されている。
このようなシステムとして、各エレベータの制御盤と遠隔監視装置とをそれぞれ接続すると共に、複数台の遠隔監視装置と管制センターとを通信回線を介して接続し、複数台の遠隔監視装置から管制センターに、例えば地震感知器の情報を読み取って送信する際に、優先順位をつけて選択することが提案されている（例えば、特許文献１参照）。また、かごと機械室の間の通信に、光空間伝送を用いて火災信号等の情報をやりとりすることが提案されている（例えば、特許文献２参照）。
特開平１１−３１４８６６号公報（図３） 特開平８−１０４４７４号公報（図１）
しかしながら、上述した従来例では、複数台のエレベータを一群として管理する群管理装置と各エレベータの制御盤との間における災害時管制情報を受け渡しする方法についての事例は記載されていない。また、群管理装置が故障した場合のバックアップの動作についても記載されていない。
この発明は上述した従来例に係る問題点を解消するためになされたもので、群管理装置が故障した場合であっても全号機の各号機制御装置に災害時管制情報を送信することができる信頼性の高いエレベータの制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係るエレベータの制御装置は、複数台のエレベータを一群として管理する群管理装置と、前記群管理装置とネットワークを介して接続され、エレベータの各号機をそれぞれ制御する複数の各号機制御装置とを備えたエレベータの制御装置において、前記各号機制御装置は、マスター号機の各号機制御装置内に感知器や接点から出力される災害時管制情報を入力する災害時管制指令入力手段と、前記マスター号機の各号機制御装置が正常であるか異常であるかに関わらず、前記入力された災害時管制情報を前記マスター号機の各号機制御装置から他号機の各号機制御装置に対して前記ネットワークを介して送信する各号機通信手段とを備えたことを特徴とする。
この発明に係るエレベータの制御装置は、災害時管制情報をマスター号機の各号機制御装置から入力してネットワークを介して全号機に送信するため、群管理装置が故障した場合でもネットワークを介して全号機に送信することができ、信頼性の高いシステムを提供できるという利点を有する。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づき説明する。図１は、本実施の形態に係るエレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。図１に示すように、複数台のエレベータを一群として管理する群管理装置１には、呼びの割り当て等を行う群管理制御手段２と、各号機制御装置（制御盤に対応する）との通信を行う群管理通信手段３とを備えており、ネットワーク５を介して複数の各号機制御装置６と接続されている。
また、複数のエレベータの各号機をそれぞれ制御する各号機制御装置６には、各号機単体の運行制御を行う運行制御手段７と、災害時の各種運転を行う災害時管制実行手段８と、災害時管制情報を入力するための災害時管制指令入力手段１０と、群管理装置１との通信を行う各号機通信手段１１とを備えている。
また、災害時管制指令入力手段１０には、地震が発生したときに動作する地震感知器１２、火災が発生したときに動作する火報接点１３、停電が発生したときに動作する電源識別接点１４、各種災害時管制運転を動作させるためキースイッチ１５からの災害時管制情報が入力されるようになされており、これら災害時管制の接点情報は、通常、エレベータ群管理装置毎に１接点ずつしか供給されないため、本実施の形態ではマスター号機（左側）にのみ入力される構成とする。また、各号機通信手段１１は、各乗場に設置される乗場釦１６との通信を行う演算装置であるホールステーション１７と接続されている。なお、２〜３，８〜９の各手段はすべてマイクロコンビュータ内のソフトウエアによって構成されている。
次に、本実施の形態の電源系統について図２を参照して説明する。図２に示すように、群管理装置１には、商用電源から群管理電源変圧装置３１を介して所定の電圧に降圧された電源が供給される。また、乗場釦１６やホールステーション１７には、群管理装置用の商用電源から分岐する形式で乗場電源変圧装置３２を介して所定の電圧に降圧された電源が供給される。これらエレベータのバンクに共通な電源は共通の電源ラインから供給される。一方、各号機制御装置６には、商用電源から各号機制御装置電源変圧装置３３を介して所定の電圧に降圧された電源が供給される。また、マスター号機の各号機制御装置６に設置される災害時管制指令入力手段１０、および各号機通信手段１１には、電源変圧装置３３を介した電源とは別に、群管理電源変圧装置３１からの電源も供給される構成となっている。これは、マスター号機の各号機制御装置６の電源が遮断された場合に、災害時管制情報を他号機制御装置に伝送するのを確保する必要があるためであり、図２では、災害時管制指令入力手段１０と各号機通信手段１１に群管理電源変圧装置３１からの電源も供給される構成となっている。
次に、マスター号機となる各号機制御装置６から災害時管制情報を全号機の各号機制御装置に送信する手順について図３に示すフローチャートを参照して説明する。まず、ステップＳＴ４１で例えば地震感知器１２（他に、火報接点１３、電源識別接点１４、キースイッチ１５であっても良い）が動作したか否かを判定する。そして、感知器が動作した場合は、ステップＳＴ４２で感知器からの情報を全号機の各号機制御装置６に送信する。次に、ステップＳＴ４３で全号機の各号機制御装置６で感知器情報を受信する。そして、各号機制御装置６は、ステップＳＴ４４で感知器情報に従って災害時管制運転を実施する。
従って、上記実施の形態によれば、群管理装置１から各号機制御装置６に配線したり、リレーを設ける必要がなくなると共に、群管理装置１が故障した場合であってもネットワーク５を介して全号機の各号機制御装置６に災害時管制情報が送信することができることになり、信頼性の高いシステムを提供できる。
以上のように、この発明によれば、災害時管制情報をマスター号機の各号機制御装置から入力してネットワークを介して他号機の各号機制御装置に送信するようにしたため、群管理装置が故障した場合でもネットワークを介して全号機の各号機制御装置に送信することができ、信頼性の高いシステムを提供できる。
この発明の実施の形態に係るエレベータの制御装置の全体構成を示すブロック図である。 図１の各号機制御装置の電源系統を説明する図である。 図１のマスター号機となる各号機制御装置から災害時管制情報を全号機の各号機制御装置に送信する手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
１ 群管理装置、３ 群管理通信手段、５ ネットワーク、６ 各号機制御装置、８ 災害時管制実行手段、１０ 災害時管制指令入力手段、１１ 各号機通信手段。

Claims (2)

  1. 複数台のエレベータを一群として管理する群管理装置と、
    前記群管理装置とネットワークを介して接続され、エレベータの各号機をそれぞれ制御する複数の各号機制御装置と
    を備えたエレベータの制御装置において、
    前記各号機制御装置は、マスター号機の各号機制御装置内に感知器や接点から出力される災害時管制情報を入力する災害時管制指令入力手段と、前記マスター号機の各号機制御装置が正常であるか異常であるかに関わらず、前記入力された災害時管制情報を前記マスター号機の各号機制御装置から他号機の各号機制御装置に対して前記ネットワークを介して送信する各号機通信手段と
    を備えたことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 請求項１に記載のエレベータの制御装置において、
    商用電源から所定の電圧に降圧した電源を前記群管理装置に供給する群管理電源変圧装置と、
    商用電源から所定の電圧に降圧した電源を前記各号機制御装置に供給する各号機制御装置電源変圧装置と
    を備え、
    前記各号機制御装置は、マスター号機の各号機制御装置内に設置される前記災害時管制指令入力手段、および前記各号機通信手段に供給される電源については、前記マスター号機の各号機制御装置が正常であるか異常であるかに関わらず、前記群管理電源変圧装置を介した電源が供給される電源系統を有する
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
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