JP4475868B2 - セフェム化合物及びそれを含有するesbl検出試薬 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は第3世代のセフェム系抗生剤が効かない基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の検出に有用な新規セフェム化合物に関する。詳細には一般式(I)
Figure 0004475868
〔式中、R、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、ニトロ又はシアノを、Rはカルボキシルで置換されていてもよいC−Cアルキル、Rは水素原子又はアミノ、Xは−S−又は−SO−を表わす。ただし、R、Rが同時に水素原子であることはない。〕で示されるESBL産生菌検出に有用なセフェム化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
背景技術
1980年中頃からヨーロッパ、次いで米国でESBLを産生する肺炎桿菌や大腸菌による院内感染が問題視され、最近では我が国に於いてもそれらの菌が徐々に増加する傾向が見られている。
ESBLは、従来型β−ラクタマーゼには安定であった広域の第三世代β−ラクタム剤であるセフォタキシム(CTX)、セフタジジム(CAZ)及びアズトレオナム(AZT)等をも加水分解し、これら薬剤に対する感受性を低下させる。このようなESBLを産生する菌にこれら薬剤を投与し続けることは、治癒が期待できないのみならず、ESBL産生菌の蔓延や、新たな耐性菌の出現に繋がる恐れがある。
よって、適切でしかも迅速な検査法によりESBL産生菌であることを同定し、適正な抗生剤の使用に心がける必要がある。
現在のESBL検出法には1)CTX,CAZ,AZTとクラブラン酸(CVA)存在下及び非存在下でMICを測定する方法、2)CVAとCTX,CAZあるいはAZTの2種類のディスクを置き、その阻止帯を観察するDouble−disk法、3)CAZとCAZ/CVAそれぞれのMICの比をとるEtest法等が挙げられる。
しかし、いずれの場合にもESBL産生菌であることを判定するためには薬剤感受性試験によるMIC測定が必要であり、そのためには菌の培養分離に日数を要し、迅速な判定ができないのが現状である。その為、起炎菌培養以外に特別な操作や機器を必要とせず、かつ、検出にMIC測定期間より短くて済む方法が望まれている。
ペニシリナーゼ(PCase)やセファロスポリナーゼ(CEPase)等の従来型β−ラクタマーゼの迅速検出法としては、基質のβ−ラクタム環分解に伴う(1)pH変化をpH指示薬の色の変化としてとらえるアシドメトリー法、(2)ヨード澱粉反応による色の変化を指標とするヨードメトリー法、(3)共役系の変化を直接可視部領域の吸収変化としてとらえるクロモジェニック法、(4)共役系の変化を紫外部領域の吸収変化としてとらえるUV法が挙げられるが、感度の点及び測定に特別な機器を必要としない点では、クロモジェニック法が最も利用しやすいと言われている。実際に、ニトロセフィン(特公昭56−18197、USP3830700、GB1408391)を基質としてクロモジェニック法を用いた製品が市販されているが、すべてのβ−ラクタマーゼに反応することからESBL産生菌に対する選択的応用等は望むべくもなかった。
発明の開示
このような状況を鑑み、本発明者らはESBLを迅速に検出するためにESBLにのみ選択的に分解されるβ−ラクタム化合物の合成に鋭意努力した結果、一般式(I)に示される新規β−ラクタム化合物にクロモジェニック法にて可視光下で検出可能な基質となる望ましい特性を見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の化合物は前記一般式(I)で示されるが、この式中の各記号の定義に使用する語句の意味と例を以下に説明する。
「C−C」とは限定がなければ炭素数1〜6個を有する基を意味する。
「C−Cアルキル」としてはメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明の化合物(I)はβ−ラクタム環が分解した際に共役系の変化を伴って可視部領域の吸収変化を生じるように、R又はRの置換基の少なくとも一方が電子吸引基であるニトロ又はシアノであることが必要である。従って、R及びRが同時に水素原子であることはない。
本発明の化合物としては、例えば以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,6−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジシアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)−2−(チアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸−1−オキシド
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジシアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(2,6−ジシアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(2−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,6−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジシアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−4−(4−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−4−(2−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−カルボキシメトキシイミノ−2−(チアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
・7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸−1−オキシド
なお、一般式(I)の化合物はその構造中3位にビニル基を有することから、下記シス異性体(i)及びトランス異性体(ii)が存在し、各異性体とその混合物はいずれも本発明の化合物に含まれる。
Figure 0004475868
また、7位のイミノ基は、下記シン異性体(iii)及びアンチ異性体(iv)が存在し、各異性体とその混合物は本発明の化合物に含まれるが、シン異性体が好ましい。
Figure 0004475868
(式中、Rは前記定義に同じ)
又、本発明の化合物は薬学的に許容される塩としてアルカリ塩、有機アンモニウム塩又は酸付加塩の形体をとってもよい。適当なアルカリ塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩又はアンモニウム塩が挙げられ、適当な酸付加塩としては、無機酸塩では例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等、有機酸塩では例えば酢酸塩、シュウ酸塩、プロピオン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、サリチル酸塩等が用いられる。
本発明の化合物は以下に示す方法により製造することができる。
本発明の化合物(I)は、合成中間体(7)の保護基を溶媒中、塩酸、塩化アルミニウム、ギ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などの脱保護剤の存在下で除去することにより得られる。溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン又はそれらの混合溶媒を使用できる。反応は、(7)の化合物1モルに対して1〜200倍モルの上記酸を用いて、氷冷下から室温の範囲で1〜6時間行う。ただし、トリフルオロ酢酸を用いる場合は反応促進や副反応を抑えるためにアニソール、チオアニソール又はフェノール等の存在下で反応させることが望ましい。
このようにして得られる本発明の化合物は、必要に応じて通常の手段、例えば抽出、濃縮、中和、ろ過、再結晶、カラムクロマトグラフィー等で分離精製することができる。
合成中間体(7)は下記反応式1の方法で得ることができる。すなわち一般式(3)の7−アミノ−3−クロロメチルセフェム化合物と一般式(4)の2−アミノチアゾールカルボン酸とをジクロロメタン、DMF、THF等の溶媒中ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−カルボニルジイミダゾールなどの縮合剤存在下、−20〜+40℃の温度で1〜24時間反応させることによって一般式(5)の化合物を得る。次いで、一般式(5)の化合物を溶媒中ヨウ化ナトリウムとトリフェニルホスフィンと1〜6時間反応させた後、塩基存在下で一般式(6)のアルデヒドと反応させることにより化合物(7)を得ることができる。
溶媒としては、アセトン、ジクロロメタン、ジクロロメタン−水混合溶媒、DMF、THF、ベンゼン、酢酸エチル等を使用できる。塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムメトキシド等の無機塩基の他に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)や1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)等の有機塩基も使用できる。反応式1
Figure 0004475868
(式中、R、R、R及びXは前記定義に同じ)
[試験例]
次に、一般式(I)で表される本発明の化合物のβ−ラクタマーゼ類に対する反応性を示して検出薬としての有用性を説明する。なお、試験例に示す被験化合物番号は後記実施例の化合物番号に対応する。又、比較化合物としてはβ−ラクタマーゼの非特異的な検出薬であるニトロセフィン[化合物A:3−(2,4−ジニトロスチリル)−7−(2−チエニルアセトアミド)−3−セフェム−4−カルボン酸]を用いた。
試験例1)
被験化合物をジメチルスルホキシドに溶解して直径8mmの濾紙ディスクに含浸させて風乾し、1ディスク当たり5μg又は25μg含有するように調製した。これらのディスクに蒸留水で1U/mlの濃度に調製したβ−ラクタマーゼ類の溶液を50μl滴下し、10分間放置した後の色調変化を調べて、β−ラクタマーゼ類に対する各被験化合物の反応性を下記表1に示した。
Figure 0004475868
PCaseはB.cereusより分離した酵素(シグマ社製:PCase Type I)であり、又CEPaseはE.cloacaeより分離した酵素(シグマ社製:CEPase Type IV)である。
上記表1の結果から明らかなように、本発明の化合物は従来型β−ラクタマーゼであるPCaseやCEPaseに対しては反応せずに、ESBLに対して短時間で反応して淡黄色が黄橙色から赤色に変化したことから、従来型β−ラクタマーゼの検出試薬である比較化合物では不可能であったESBLの選択的な検出に有用であることが判明した。
また、本発明の化合物(I)は、PCase、CEPase又はESBLを産生する菌体を用いた場合にも同様の結果が得られており、ESBL産生菌検出試薬としての応用が期待される。
本発明の化合物(I)をESBL産生菌検出試薬として用いる場合、検出用サンプルとしては、分離培養した菌体のみならず、咳痰の菌増殖培養物でも十分に利用可能である。
ESBL検出薬として、本発明の化合物を用いる場合、ESBLの存在を迅速に検出するための方法としては、本発明の化合物をN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒に溶解して濾紙、デキストラン等の白色又は淡色の吸収性セルロースに含浸させたディスクとし、これに培養菌液を5〜10μl滴下して10分後あるいは長くとも30分後の色調変化を観察することで、ESBLの存在の有無が容易に判別できる。この場合、反応前の本発明の色が淡黄色であることから赤色又は橙色等の濃い色に変化することがより好ましい。
本発明の化合物の特長は、β−ラクタム環の分解に伴って短時間で発色することであり、UV−VISスペクトロフォトメーター等の光学測定機器を必要としないで判定できることから、ESBLの簡易型迅速検出試薬として利用できる。
また、検出試薬の濃度や検出用サンプルの培養時間を標準化することで定量的な測定も可能である。
発明を実施するための最良の形態
次に、本発明の実施例を示して更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物1)の製造
(1)7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル940mg(0.97mmol)をアセトン10mlに溶かし、ヨウ化ナトリウム145.4mg(0.97mmol)及びトリフェニルホスフィン254.4mg(0.97mmol)を加え室温で1時間撹拌した。減圧下アセトンを半量まで濃縮し、ジクロロメタン10ml、水10ml、2,4−ジニトロベンズアルデヒド760.9mg(3.88mmol)及び炭酸水素ナトリウム244.4mg(2.91mmol)を加え室温で終夜撹拌した。ジクロロメタン層をとり、さらに水層をジクロロメタン20mlで抽出して先のジクロロメタン層と合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過したろ液にワコーゲルC−200 10gを加え減圧下溶媒を留去して吸着させ、ワコーゲルC−200を充填したドライカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)400mlで不純物を除き、次いでヘキサン−酢酸エチル(1:1)で目的物を流出させた。減圧下溶媒を留去した残渣をヘキサン−エーテル(1:1)で結晶化させ7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルを橙色粉末として730mg(収率67.7%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−体であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
1.36(3H,s),1.37(3H,s),1.41(9H,s),2.92(1H,d,J=18.3Hz),3.27(1H,d,J=18.3Hz),5.04(1H,d,J=5.0Hz),6.05(1H,dd,J=8.6Hz,5.0Hz),6.70(1H,s),6.80(1H,d,J=13.0Hz),6.84(1H,d,J=13.0Hz),6.89(1H,br),6.93(1H,s),7.2−7.4(25H,m),7.47(1H,d,J=8.6Hz),8.19(1H,d,J=8.6Hz),8.29(1H,dd,J=8.6Hz,2.3Hz),8.85(1H,d,J=2.3Hz)
(2)得られた化合物500mg(0.45mmol)とアニソール1ml(9.0mmol)の混合物に氷水冷却下トリフルオロ酢酸5.2ml(67.5mmol)を滴下し、その温度で2.5時間撹拌した。イソプロピルエーテル50mlを加え生じた沈殿物を濾取しイソプロピルエーテルで洗浄し乾燥すると題記化合物が黄色粉末として160mg(収率46.7%)得られた。
NMRスペクトルは、この試料がE−体であることを示した。
1H−NMR(DMSO−d)δ:
1.48(3H,s),1.49(3H,s),3.75(1H,d,J=17.5Hz),4.09(1H,d,J=17.5Hz),5.30(1H,d,J=5.0Hz),5.90(1H,dd,J=8.2Hz,5.0Hz),6.78(1H,s),7.17(1H,d,J=16.5Hz),7.60(1H,d,J=16.5Hz),7.70(2H,d,J=8.7Hz),8.23(2H,d,J=8.7Hz),9.52(1H,d,J=8.2Hz)
実施例2) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物2)の製造
(1)7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル775mg(0.8mmol)、ヨウ化ナトリウム120mg(0.8mmol)、トリフェニルホスフィン210mg(0.8mmol)及び、4−ニトロベンズアルデヒド483mg(3.2mmol)、炭酸水素ナトリウム200mg(2.4mmol)から実施例1)(1)と同様の操作により7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルを黄色粉末として568mg得た(収率66%)。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約3:1)であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
(Z−体)
1.43(9H,s),1.61(3H,s),1.63(3H,s),3.11(1H,d,J=18.3Hz),3.32(1H,d,J=18.3Hz),5.08(1H,d,J=5.1Hz),6.09(1H,dd,J=8.7Hz,5.1Hz),6.58(1H,d,J=12.2Hz),6.65(1H,d,J=12.2Hz),6.73(1H,s),6.88(1H,br),6.92(1H,s),7.2−7.5(27H,m),8.14(1H,d,J=8.6Hz),8.27(1H,d,J=8.7Hz)
(E−体)
1.41(9H,s),1.60(6H,s),3.64(1H,d,J=17.5Hz),3.77(1H,d,J=17.5Hz),5.14(1H,d,J=5.1Hz),6.04(1H,dd,J=8.7Hz,5.1Hz),6.74(1H,d,J=16.3Hz),6.75(1H,s),6.73(1H,s),6.88(1H,br),6.92(1H,s),7.2−7.5(27H,m),8.14(1H,d,J=8.6Hz),8.27(1H,d,J=8.7Hz)
(2)得られた化合物400mg(0.38mmol)、アニソール1ml(9.0mmol)及びトリフルオロ酢酸5mlを用いて実施例1)(2)と同様の方法で題記化合物を黄色粉末として175mg(収率65%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約3:1)であることを示した。
1H−NMR(DMSO−d)δ:
(Z−体)
1.43(3H,s),1.47(3H,s),3.16(1H,d,J=17.5Hz),3.59(1H,d,J=17.5Hz),5.31(1H,d,J=5.0Hz),5.86(1H,dd,J=8.1Hz,5.0Hz),6.66(1H,d,J=12.2Hz),6.72(1H,d,J=12.2Hz),6.77(1H,s),7.52(2H,d,J=8.7Hz),8.16(2H,d,J=8.7Hz),9.45(1H,d,J=8.1Hz)
(E−体)
1.48(3H,s),1.49(3H,s),3.75(1H,d,J=17.5Hz),4.09(1H,d,J=17.5Hz),5.30(1H,d,J=5.0Hz),5.90(1H,dd,J=8.2Hz,5.0Hz),6.78(1H,s),7.17(1H,d,J=16.5Hz),7.60(1H,d,J=16.5Hz),7.70(2H,d,J=8.7Hz),8.23(2H,d,J=8.7Hz),9.52(1H,d,J=8.2Hz)
実施例3) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物3)の製造
(1)7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル775mg(0.8mmol)、ヨウ化ナトリウム120mg(0.8mmol)、トリフェニルホスフィン210mg(0.8mmol)、4−シアノベンズアルデヒド428mg(3.2mmol)及び炭酸水素ナトリウム200mg(2.4mmol)から実施例1)(1)と同様の方法により7−[2−(1−メチル−1−tert−ブトキシカルボニルエトキシイミノ)−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(4−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルをクリーム色粉末として464mg(収率55%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約1:1)であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
(Z−体)
1.43(9H,s),1.60(6H,s),3.10(1H,d,J=18.1Hz),3.30(1H,d,J=18.1Hz),5.08(1H,d,J=5.0Hz),6.0−6.1(1H,m),6.57(2H,d×2,J=12.2Hz),6.73(1H,s),6.89(1H,br),6.92(1H,s),7.2−7.6(29H,m),8.18(1H,d,J=8.7Hz)
(E−体)
1.41(9H,s),1.61(6H,s),3.63(1H,d,J=17.5Hz),3.75(1H,d,J=17.5Hz),5.14(1H,d,J=5.0Hz),6.0−6.1(1H,m),6.75(1H,s),6.89(1H,br),7.07(1H,s),7.2−7.6(31H,m),8.25(1H,d,J=8.7Hz)
(2)この化合物398mg(0.38mmol)、アニソール1ml(9.0mmol)及びトリフルオロ酢酸5ml(67.5mmol)を用いて実施例1)(2)と同様の方法で題記化合物をクリーム色粉末として154mg(収率58%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(1:1)であることを示した。
実施例4) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物4)の製造
(1)7−[2−メトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル395mg(0.47mmol)、ヨウ化ナトリウム70mg(0.47mmol)、トリフェニルホスフィン123mg(0.47mmol)、4−ニトロベンズアルデヒド284mg(1.88mmol)及び炭酸水素ナトリウム120mg(1.4mmol)から実施例1)(1)と同様の方法により7−[2−メトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルを黄色粉末として242mg(収率55%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約2:1)であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
(Z−体)
3.12(1H,d,J=18.3Hz),3.35(1H,d,J=18.3Hz),4.07(3H,s),5.09(1H,d,J=4.9Hz),5.9−6.0(1H,m),6.62(2H,d×2,J=12.0Hz),6.74(1H,s),6.79(1H,d,J=8.9Hz),6.93(1H,s),7.02(1H,br),7.2−7.5(27H,m),8.16(2H,d,J=8.9Hz)
(E−体)
3.66(1H,d,J=17.5Hz),3.79(1H,d,J=17.5Hz),4.09(3H,s),5.15(1H,d,J=5.0Hz),5.9−6.0(1H,m),6.75(1H,d,J=16.3Hz),6.76(1H,s),6.88(1H,d,J=8.6Hz),7.09(1H,s),7.2−7.5(27H,m),7.53(1H,d,J=16.3Hz),8.10(1H,d,J=8.9Hz)
(2)この化合物210mg(0.22mmol)、アニソール0.5ml(4.5mmol)及びトリフルオロ酢酸2.5ml(33.8mmol)を用い実施例1)(2)と同様の方法で題記化合物を黄色粉末として100mg(収率70%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約2:1)であることを示した。
1H−NMR(DMSO−d)δ:
(Z−体)
3.18(1H,d,J=17.8Hz),3.57(1H,d,J=17.8Hz),3.87(1H,s),5.28(1H,d,J=4.8Hz),5.82(1H,dd,J=8.2Hz,4.8Hz),6.69(2H,d×2,J=12.0Hz),6.79(1H,s),7.52(2H,d,J=8.7Hz),8.16(2H,d,J=8.7Hz),9.65(1H,d,J=8.2Hz)
(E−体)
3.75(1H,d,J=17.0Hz),4.05(1H,d,J=17.0Hz),3.89(1H,s),5.28(1H,d,J=4.8Hz),5.82(1H,dd,J=8.2Hz,4.8Hz),6.60−6.75(2H,d×2,J=12.0Hz),6.80(1H,s),7.16(1H,d,J=16.3Hz),7.61(1H,d,J=16.3Hz),7.70(2H,d,J=8.7Hz),8.23(2H,d,J=8.7Hz),9.71(1H,d,J=8.2Hz)
実施例5) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物5)の製造
(1)7−[2−tert−ブトキシカルボニルメトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル500mg(0.53mmol)、2,4−ジニトロベンズアルデヒド416mg(2.12mmol)ヨウ化ナトリウム79.4mg(0.53mmol)、トリフェニルホスフィン139mg(0.53mmol)及び炭酸水素ナトリウム133.6mg(1.59mmol)から実施例1)(1)と同様の方法により7−[2−カルボキシメトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルを黄色粉末として350mg(収率61%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−体であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
1.42(9H,s),2.94(1H,d,J=18.1Hz),3.23(1H,d,J=18.1Hz),4.73(2H,s),5.04(1H,d,J=5.0Hz),5.93(1H,dd,J=7.9Hz,5.0Hz),6.77(1H,s),6.82(2H,s),6.92(1H,s),6.99(1H,br),7.2−7.4(25H,m),7.50(1H,d,J=8.7Hz),8.31(1H,dd,J=8.7Hz,2.3Hz),8.56(1H,d,J=7.9Hz),8.85(1H,d,J=2.3Hz)
(2)この化合物238mg(0.22mmol)、アニソール0.5ml(4.5mmol)及びトリフルオロ酢酸2.5ml(33.8mmol)を用い実施例1)(2)と同様の方法で題記化合物を黄色粉末として120mg(収率73%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がE−体であることを示した。
1H−NMR(DMSO−d)δ:
3.75(1H,d,J=17.6Hz),4.00(1H,d,J=17.6Hz),4.63(2H,s),5.30(1H,d,J=4.8Hz),5.90(1H,dd,J=8.1Hz,4.8Hz),6.86(1H,s),7.26(1H,d,J=16.0Hz),7.56(1H,d,J=16.0Hz),8.00(1H,d,J=8.7Hz),8.51(1H,dd,J=8.7Hz,2.3Hz),8.74(1H,d,J=2.3Hz),9.64(1H,d,J=8.1Hz)
実施例6) 7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸(化合物6)の製造
(1)7−[2−tert−ブトキシカルボニルメトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−クロロメチル−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステル470mg(0.5mmol)、ヨウ化ナトリウム75mg(0.5mmol)、トリフェニルホスフィン131mg(0.5mmol)、4−ニトロベンズアルデヒド302mg(2mmol)及び炭酸水素ナトリウム126mg(1.5mmol)から実施例1)(1)と同様の方法により7−[2−カルボキシメトキシイミノ−2−(2−トリチルアミノチアゾール−4−イル)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸ベンズヒドリルエステルを黄色粉末として260mg(収率50%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約2:1)であることを示した。
1H−NMR(CDCl)δ:
(Z−体)
1.44(9H,s),3.12(1H,d,J=18.3Hz),3.29(1H,d,J=18.3Hz),4.76(2H,s),5.09(1H,d,J=5.0Hz),5.98(1H,dd,J=8.3Hz,5.0Hz),6.58(1H,d,J=12.0Hz),6.65(1H,d,J=12.0Hz),6.80(1H,s),6.91(1H,s),7.00(1H,br),7.2−7.5(27H,m),8.15(2H,d,J=8.7Hz),8.66(2H,d,J=8.3Hz)
(E−体)
1.42(9H,s),3.63(1H,d,J=17.2Hz),3.76(1H,d,J=17.2Hz),4.78(2H,s),5.15(1H,d,J=5.0Hz),5.92(1H,dd,J=8.3Hz,5.0Hz),6.74(1H,d,J=16.3Hz),6.83(1H,s),7.00(1H,br),7.07(1H,s),7.2−7.5(27H,m),7.51(1H,d,J=16.3Hz),8.10(2H,d,J=8.7Hz),8.79(2H,d,J=8.3Hz)
(2)この化合物257mg(0.25mmol)、アニソール0.5ml(4.5mmol)及びトリフルオロ酢酸2.5ml(33.8mmol)を用い実施例1)(2)と同様の方法により題記化合物を黄色粉末として126mg(収率73%)得た。
NMRスペクトルは、この試料がZ−及びE−異性体の混合物(約2:1)であることを示した。
1H−NMR(DMSO−d)δ:
(Z−体)
3.19(1H,d,J=18.0Hz),3.59(1H,d,J=18.0Hz),4.61(1H,s),5.29(1H,d,J=5.0Hz),5.84(1H,dd,J=8.3Hz,5.0Hz),6.60−6.75(2H,d×2,J=12.0Hz),6.83(1H,s),7.51(2H,d,J=8.9Hz),8.16(2H,d,J=8.9Hz),9.57(1H,d,J=8.3Hz)
(E−体)
3.75(1H,d,J=17.2Hz),4.06(1H,d,J=17.2Hz),4.62(1H,s),5.29(1H,d,J=5.0Hz),5.54(1H,dd,J=8.6Hz,5.0Hz),6.85(2H,s),7.16(1H,d,J=16.3Hz),7.61(1H,d,J=16.3Hz),7.70(2H,d,J=8.9Hz),8.23(2H,d,J=8.9Hz),9.62(1H,d,J=8.6Hz)
産業上の利用可能性
本発明のセフェム化合物は、β−ラクタム環の分解に伴って短時間で発色するので、UV−VISスペクトロフォトメーター等の光学測定機器を必要としないでESBLを選択的に検出することができ、よって、ESBLの簡易型迅速検出試薬として利用できる。また、検出試薬の濃度や検出用サンプルの培養時間を標準化することにより、定量的な測定も可能になる。

Claims (9)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004475868
    〔式中、R、Rは同一又は異なってもよく、水素原子、ニトロ又はシアノを、Rはカルボキシルで置換されていてもよいC−Cアルキル、Rは水素原子又はアミノ、Xは−S−又は−SO−を表わす。ただし、R、Rが同時に水素原子であることはない。〕で示されるセフェム化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. Xが−S−である特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  3. がカルボキシルで置換されていてもよいメチル又はカルボキシルで置換されたプロピルである特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  4. がアミノである特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  5. Xが−S−で、Rがカルボキシルで置換されていてもよいメチル又はカルボキシルで置換されたプロピルで、Rがアミノである特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  6. 一般式(I)で表される化合物が、
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸、
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸、
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(4−シアノスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸、
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸、
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸又は
    7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(4−ニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸
    である特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  7. 一般式(I)で表される化合物が、7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−(1−カルボキシ−1−メチルエトキシイミノ)アセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸である特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  8. 一般式(I)で表される化合物が、7−[2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−カルボキシメトキシイミノアセトアミド]−3−(2,4−ジニトロスチリル)−3−セフェム−4−カルボン酸である特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  9. 特許請求の範囲第1〜8項記載の化合物のいずれかを呈色成分として含有する基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)検出試薬。
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