JP4437849B2 - 基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の鑑別方法 - Google Patents
基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)産生菌の鑑別方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は基質拡張型β−ラクタマーゼ(Extended Spectrum Beta-Lactamase、ESBL)産生菌の鑑別方法およびそれに用いる鑑別用ディスクおよび鑑別用液体希釈培地に関する。
【0002】
なお、本発明では次の略語を使用することがある。
【略語表】
ESBL:基質拡張型β−ラクタマーゼ
CPDX:セフポドキシム
CAZ:セフタジジム
CTX:セフォタキシム
AZT:アズトレオナム
CTRX:セフトリアキソン
CVA:クラブラン酸
AMPC:アモキシシリン
SBT:スルバクタム
TAZ:タゾバクタム
CAMHB:陽イオン調整ミューラー・ヒントン液体培地 (Cation Adjusted Mueller Hinton Broth)
NCCLS:米国臨床検査標準委員会 (National Commitee for Clinical Laboratory Standards)
MIC:最小発育阻止濃度
【0003】
【従来の技術】
β−ラクタマーゼは、β−ラクタム系抗菌薬を加水分解して不活化する酵素で、従来のβ−ラクタマーゼは第一、第二世代のβ−ラクタム剤を分解し、不活化していた。そこでこの酵素に対抗するために第三世代の薬剤が開発され使用されてきたが、最近これらの薬剤を分解する酵素を持った耐性菌が出現している。このように第一、第二世代のβ−ラクタム剤に対するβ−ラクタマーゼを持った菌が突然変異を起こし、その菌が産生する分解可能な基質の種類を広げた酵素を基質拡張型β−ラクタマーゼ(ESBL)と呼び、その菌がESBL産生菌と呼ばれている。
1980年代中頃から欧米を中心にCTXやCAZ等に耐性を示すESBL産生菌として肺炎桿菌や大腸菌が分離されるようになり臨床上の問題となっている。最近は日本においてもESBL産生菌が分離され、特に院内感染の原因菌として問題視されている。
ESBLは、尿、喀痰、便などの臨床材料から分離されているが、その産生するESBLは、欧米ではTEM型やSHV型の酵素が主であるが、日本ではToho型が多く、またKIT型やMEN型も見られる。[1][2][3][4][5]。
【0004】
このESBL産生菌の検出法としては種々の報告があるが、標準化された方法は無く、ESBL産生菌の確認に関しては未だ混乱した状態にあり、わずかにNCCLSが示した暫定的検出案が実用可能な方法として示されているにすぎない。
NCCLSは、1999年1月に1年間の試用期間を定めて、ディスク法および微量液体希釈法による、暫定的な検出法、確認法のガイドライン(M100-S9)を公表した。[6][7]。
【0005】
このNCCLSのディスク法暫定案[6]は、スクリーニング試験法と確認試験法に分かれている。
スクリーニング試験はディスク拡散標準法に準拠して行われる。
それぞれ、CPDX 10μg、CAZ 30μg、AZT 30μg、CTX 30μg、CTRX 30μgを含有するディスクを用いて、試験菌を35℃16−18時間ミューラーヒントン寒天培地上で好気培養し、形成される阻止円の直径を測定し、これらのディスクの阻止円径がどれか一つでも下記の基準以下の場合に「ESBL産生を疑う」とされている。
基準:CPDX ≦22mm
CAZ ≦22mm
AZT ≦27mm
CTX ≦27mm
CTRX ≦25mm
【0006】
確認試験もディスク拡散標準法に準拠して行われる。
CAZディスク(30μg)とCAZ/CVAディスク(30μg/10μg)との組合わせ、および、CTXディスク(30μg)とCTX/CVAディスク(30μg/10μg)との組合わせを用い、スクリーニングでESBLが疑われた試験菌を35℃16−18時間ミューラーヒントン寒天培地上で好気培養し、形成される阻止円の直径を測定し、どちらかの組合せにおいてCVA添加ディスクの阻止円径が無添加ディスクより5mm以上大きいものをESBLとしている。つまり、例えばCAZディスクの阻止円が16mmで、CAZ/CVAディスク阻止円が21mmのとき、その菌はESBLと判定される。
【0007】
同様にNCCLSの微量液体希釈法(MIC法)暫定案[7]は、スクリーニング試験法と確認試験法に分かれている。
スクリーニング試験は微量液体希釈法標準法に準拠して行われる。
それぞれ、CPDX 1μg/ml、CAZ 1μg/ml、AZT 1μg/ml、CTX 1μg/ml、CTRX 1μg/mlを含有するCAMHBに、試験菌を接種し、35℃16−20時間好気培養し、これらの薬剤のどれか一つでも試験菌が発育した場合に「ESBL産生を疑う」とされている。つまり、いずれかの薬剤で2μg/ml以上のMICを示した場合にESBL産生が疑われる。
【0008】
確認試験も微量液体希釈法標準法に準拠して行われる。
CAMHBを基礎培地に用い、CAZを0.25−128μg/ml含有する希釈系列とCAZ/CVAを0.25/4−128/4μg/ml含有する希釈系列との組合せ、および、CTXを0.25−64μg/ml含有する希釈系列とCTX/CVAを0.25/4−64/4μg/ml含有する希釈系列との組合せを用い、スクリーニングでESBLが疑われた試験菌を接種し、35℃16−20時間好気培養し、試験菌の最小発育阻止濃度(MIC)を求め、どちらかの組合せにおいて薬剤単独のMICと合剤のMICが3管(8倍)以上差が出たものをESBLとしている。つまり、例えばCAZのMICが8μg/mlで、CAZ/CVA合剤のMICが1μg/mlのとき、その菌はESBLと判定される。
【0009】
しかしこのNCCLS法は未だ暫定案であって、確定された標準法ではなく、また一般の病院や検査室ではCVAの入手に問題があり、容易に実施できる試験方法ではない。
さらに、欧米と日本のESBLの発現型の違い/頻度によるものと思われるが、日本型のESBLではCAZ/CVA、CTX/CVAを用いる確認試験では鑑別できないものが多数見られることが確認されている。[8]。
また[4]や[5]には、市販のAMPC/CVAディスクを利用したダブルディスク法やその他の鑑別方法が記載されているが、それらはNCCLS法に準拠しておらず、また実験手技や判定に熟練を要する方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、手技や判定に熟練を要せず、NCCLS法と同様の操作で容易にかつ正確にESBL産生菌を確認できる鑑別方法、およびそれに用いる鑑別用ディスクおよび鑑別用液体培地を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において本発明者らは鋭意努力の結果、β−ラクタマーゼの基質としてCPDXを用い、CPDXとβ−ラクタマーゼ阻害剤を組み合わせると容易にESBLが確認できることを見いだし、本発明を完成した。
【0012】
本発明は、
(1)CPDX含有ディスクとCPDX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクとの組合せ、を用いるESBL産生菌鑑別法
(2)CPDX含有ディスクとCPDX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクとの組合せ、および、以下の(1)(2)の群より選択される1以上の組合せを用いるESBL産生菌鑑別法
(1)CAZ含有ディスクとCAZ/β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクとの組合せ、
(2)CTX含有ディスクとCTX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有ディスクとの組合せ
(3)β−ラクタマーゼ阻害剤がCVAである(1)(2)記載のESBL産生菌鑑別法
(4)1ディスク当たりの薬剤量がそれぞれCPDX 5−15μg、CAZ 20−40μg、CTX 20−40μg、のディスクと、
それぞれにβ−ラクタマーゼ阻害剤としてCVA 5−20μgを添加したディスクとの組合せを用いる(1)−(3)記載のESBL産生菌鑑別法
(5)直径6.35mmの円形濾紙製のディスクを用いるESBL産生菌の鑑別法において、試験菌を接種したミューラーヒントン寒天培地平板上に、CPDX 10μgを含有する単剤ディスクと、CPDX 10μgおよびCVA 10μgを含有する合剤ディスクとを載せ、35℃で16−18時間好気培養し、形成される阻止円の直径を測定し、合剤ディスクの阻止円が単剤ディスクの阻止円より5mm以上大きいとき、その菌をESBL産生菌と判定する、ESBL産生菌の鑑別法
(6)CPDXおよびβ−ラクタマーゼ阻害剤を含有するディスク
(7)β−ラクタマーゼ阻害剤がCVAである(6)記載のディスク
(8)1ディスク当たり、CPDX 5−15μgおよびクラブラン酸CVA 5−20μgを含有する(7)記載のディスク、である。
【0013】
つまり、本発明はCPDX単剤を含有するディスクと、CPDXおよびβ−ラクタマーゼ阻害剤の2薬剤を合わせて含有するディスクを組み合わせて用いることを特徴とするESBL産生菌鑑別法であり、それに用いるディスクである。本法に使用可能なβ−ラクタマーゼ阻害剤としてはCVA、SBT、TAZがあるが、その中でも本発明にはCVAが好ましい。またCVAはリチウム塩等の金属塩の形態で差し支えない。
また本法にNCCLS法に記載のCAZとCAZ/CVAディスクおよびCTXとCTX/CVAディスクとの組み合わせを加えて行うとさらに感度が向上する。
本発明に使用するディスクの材質は特に規定されない。各薬剤が含浸可能でかつ乾燥可能なもので、さらに使用時に各薬剤が培地中に放出される材質であれば種々の物質が使用可能である。またその形状および大きさも特に規定されない。それぞれの材質、形状、大きさに応じて、それぞれの判定基準を設定すれば良いのである。
もし、判定基準をNCCLSと同様に設定するのであれば、材質は通常のKBディスクに用いるペーパー濾紙が適しており、その形状・大きさは直径6.35mmの円形が好ましい。
本発明のCPDX/CVAディスクは製造方法に工夫を加えることにより安定化され、通常のKBディスクと同様に市場に流通可能である。
【0014】
また本発明は、
(9)CPDX含有液体培地とCPDX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有液体培地との組合せ、を用いるESBL産生菌鑑別法
(10)CPDX含有液体培地とCPDX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有液体培地との組合せ、および、以下の(1)(2)の群より選択される1以上の組合せを用いるESBL産生菌鑑別法
(1)CAZ含有液体培地とCAZ/β−ラクタマーゼ阻害剤含有液体培地との組合せ、
(2)CTX含有液体培地とCTX/β−ラクタマーゼ阻害剤含有液体培地との組合せ
(11)β−ラクタマーゼ阻害剤がCVAである(9)(10)記載のESBL産生菌鑑別法
(12)CPDX 0.25−128μg/ml、CAZ 0.25−128μg/ml、CTX 0.25−128μg/ml、をそれぞれ含有する液体培地と、
それぞれにβ−ラクタマーゼ阻害剤としてCVA 2−10μg/mlを添加した液体培地との組合せを用いる(9)−(11)記載のESBL産生菌鑑別法
(13)薬剤を含有させたCAMHBの希釈系列を用いる微量液体希釈法によるESBL産生菌の鑑別法において、CPDX 0.25−128μg/mlを含有する単剤液体培地と、CPDX/CVA 0.25/4−128/4μg/mlを含有する合剤液体培地とに、試験菌を接種し、35℃で16−20時間好気培養し、試験菌のMICを測定し、合剤液体培地のMICが単剤液体培地のMICより8倍以上小さいとき、その菌をESBL産生菌と判定する、ESBL産生菌の鑑別法
(14)CPDXおよびβ−ラクタマーゼ阻害剤を含有する液体培地
(15)β−ラクタマーゼ阻害剤がCVAである(14)記載の液体培地
(16)CPDX0.25−128μg/mlおよびCVA2−10μg/mlを含有する(15)記載の液体培地、でもある。
【0015】
つまり、本発明はCPDX単剤を含有する液体培地と、CPDXおよびβ−ラクタマーゼ阻害剤の2薬剤を合わせて含有する液体培地とを組み合わせて用いることを特徴とするESBL産生菌鑑別法であり、それに用いる液体培地でもある。本法に使用可能なβ−ラクタマーゼ阻害剤としてはCVA、SBT、TAZがあるが、その中でも本発明にはCVAが好ましい。またCVAはリチウム塩等の金属塩の形態で差し支えない。
また本法にNCCLS法に記載のCAZとCAZ/CVA液体培地およびCTXとCTX/CVA液体培地との組み合わせを加えて行うとさらに感度が向上する。
本発明に使用する液体培地は、試験菌の生育が阻害や促進されない液体培地で希釈系列の作成が容易なものであれば特に限定されない。それぞれの条件に応じて、それぞれの判定基準を設定すれば良いのである。
もし、MICを測定し、判定基準をNCCLSと同様に設定するのであれば、NCCLSと同様に、CAMHBが本発明には好ましい。
【0016】
またさらに本発明の液体培地は、その希釈系列を96穴プレート等の適当な容器に分注し、生培地として供給されても良いし、凍結保存や乾燥保存が可能であるので、凍結状態・乾燥状態で供給されても良い。
【0017】
【作用】
本発明ではCPDXディスクとCPDX/CVAディスクとを組み合わせて用いるだけで、ESBLの検出が高率で可能であるがさらに、NCCLS法に記載のCAZディスクとCAZ/CVAディスクとの組合せ、およびCTXディスクとCTX/CVAディスクとの組合せとともに試験を行うとさらに検出率が増加する。
またディスク法のみならず、微量液体希釈法によるMIC測定にも応用可能であり、CPDX液体培地とCPDX/CVA液体培地の組合せにより、さらにCAZとCAZ/CVA、CTXとCTX/CVAとの組み合わせを併せて行うことにより、ESBLを高率で検出できる。
ESBLのような耐性菌の出現はそれぞれの地域で使用される薬剤の種類に左右されるものであるので、ヨーロッパ、米国、日本とでは汎用される抗菌薬の種類が異なり、ESBLについてもβ−ラクタマーゼが作用する基質となる薬剤の種類はそれぞれの国により異なっているものと推定される。従っていわゆる日本型のESBLの検出にはCPDX/CVAが適しているものと推定される。
【0018】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記実施例は単に説明のためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0019】
実施例1 CVA含有ディスクの作成
NCCLSガイドライン[6]に従い、ビーチャム社より購入したCVAを精製水に溶解し、1000μg/mlの溶液を作成した。
栄研化学(株)製直径6.35mmのKBディスクCPDX(10μg含有)、CAZ(30μg含有)、CTX(30μg含有)にそれぞれ上記CVA溶液10μl(10μg含有)を滴下し、50℃で20分間乾燥し、CPDX/CVAディスク(10/10μg含有)、CAZ/CVAディスク(30/10μg含有)、CTX/CVA(30/10μg含有)ディスクを作成した。
本ディスクは冷所保存(2−10℃)で1年間使用可能であった。
【0020】
実施例2 ESBL産生菌の阻止円直径の測定
ESBL産生菌であることが確認されている大腸菌2株、肺炎桿菌2株、およびESBLではない大腸菌2株、肺炎桿菌2株を用いて、実施例1で作成したディスクを用いて、阻止円の直径を測定した。
純培養した試験菌の集落を釣菌し、トリプトソイブイヨンに懸濁させMcFarland濁度が0.5になるまで培養したものを綿棒を用いてミューラーヒントン寒天培地表面に均一に接種した。その上にCPDXディスクとCPDX/CVAディスク、CAZディスクとCAZ/CVAディスク、CTXディスクとCTX/CVAディスクを載せ、35℃で18時間好気培養し、それぞれの阻止円直径をシャーレの裏からmm単位で正確に測定した。結果を表1(ESBL産生菌)、表2(非ESBL産生菌)に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
各菌の阻止円直径は表1および表2に示すとおりであった。
表1(ESBL産生菌)において、各菌はCTXディスクとCTX/CVAディスクとの組合せにおいて、その阻止円径の差が5mm以上であるので、全てESBLと判定された。CAZディスクとCAZ/CVAディスクとの組合せにおいては、E.coli 4119株および K.pneumoniae 4135株は、その阻止円径の差が5mm以上であるので、ESBLと判定されたが、E.coli 4138株および K.pneumoniae 4120株はその差が5mm未満であるのでESBLとは判定されなかった。
CPDXディスクとCPDX/CVAディスクとの組合せにおいては、各菌ともその阻止円径の差は5mm以上であった。
表2(非ESBL産生菌)において、各菌はCAZディスクとCAZ/CVAディスクとの組合せおよびCTXディスクとCTX/CVAディスクとの組合せにおいて、その阻止円径の差が5mm未満であるので、すべてESBLとは判定されなかった。
CPDXディスクとCPDX/CVAディスクとの組合せにおいても、各菌ともその阻止円径の差は5mm未満であった。
従って、NCCLS法と同様に、本発明におけるCPDXディスクとCPDX/CVAディスクとの阻止円直径の差が5mm以上の時、試験菌をESBL産生菌と判定することにした。
【0024】
実施例3 ESBL産生菌および非産生菌の確認
PCR法による耐性遺伝子の検出でESBL産生菌もしくは非産生菌であることが確認されているEscherichia coli 19株(内ESBL産生菌13株)、Klebsiella pneumoniae 23株(内ESBL産生菌18株)を試験菌として用い、実施例2と同様に培養し、各阻止円の直径を測定し、CVA含有ディスク阻止円径が無添加ディスクより5mm以上大きい菌をESBLと判定した。結果を表3に示す。
表3においてtypeの欄にESBLsの記載のある菌はPCR法にてESBL産生菌であることが確認されている菌である。また各薬剤の欄でESBLの記載のある菌は、阻止円直径の差よりESBLと判定された菌である。
【0025】
【表3】
【0026】
上表において、感度とは(ESBLと正しく判定された菌数)/(全ESBL産生菌数)を表し、特異性とは(非ESBLと正しく判定された菌数)/(全非ESBL産生菌数)を表し、一致率とは(ESBL・非ESBLを正しく判定された菌数)/(全検体数)を表している。言い換えれば、感度はESBLがESBLとして判定される確率をいい、特異性はESBLでないものがESBLでないと判定される確率をいい、一致率はそれぞれが正しく判定される確率を表す。つまりCPDXで言えば、感度は29/31=94%となり、特異性は11/11=100%となり、一致率は40/42=95%となる。
【0027】
上表に示すようにCPDXディスクとCPDX/CVAディスクとの組合せで94%の感度が得られた。さらにCAZディスクとCAZ/CVAディスク、CTXディスクとCTX/CVAディスクとの組合せの結果を加えるとE.coli 4173株もESBLと判定されるので感度は97%に増加する。
NCCLS法に従って、CAZディスクとCAZ/CVAディスク、CTXディスクとCTX/CVAディスクとの組合せのみで判定すると感度は65%に留まり、NCCLS法では問題があることが解る。
【0028】
実施例4 患者検体の判定
ESBL産生菌感染が疑われる患者5名の糞便検体より、大腸菌を分離し、実施例2と同様に操作し、それぞれの阻止円直径を測定し、判定を行った。結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
検体1−4はESBL産生菌と判定された。検体4はNCCLS法ではESBLとは判定されず、本法によりESBLが判明した。
【0030】
実施例5 微量液体希釈法(MIC測定)によるESBL産生菌および非産生菌の確認
実施例3で使用したESBL産生菌もしくは非産生菌であることが確認されているEscherichia coli 19株(内ESBL産生菌13株)、Klebsiella pneumoniae 23株(内ESBL産生菌18株)を試験菌として用い、CPDX 0.25−128μg/mlを含有するCAMHB液体培地(希釈系列)とCPDX/CVA 0.25/4−128/4μg/mlを含有するCAMHB液体培地(希釈系列)の組合せと、CAZ 0.25−128μg/mlとCAZX/CVA 0.25/4−128/4μg/mlの組合せ、CTX 0.25−128μg/mlとCTX/CVA 0.25/4−128/4μg/mlの組合せを用い、NCCLSガイドラインに従い、微量液体希釈法で試験菌を培養し、MICを測定した。
2倍希釈で作成した各薬剤濃度のCAMHB液体培地を96穴のマイクロタイタープレートに100μlずつ分注した。純培養した試験菌の集落を釣菌し、トリプトソイブイヨンに懸濁させMcFarland濁度が0.5になるまで培養したものを希釈し、培地1mlあたりの菌数が約104個になるように各穴に接種し、35℃で18時間好気培養したのち、それぞれの最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。合剤のMICが単剤のMICより3管(8倍)以上離れているものをESBLと判定した。結果を表5に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
実施例3と同様の結果が得られ、本発明は微量液体希釈法でも高い感度、一致率を示した。またCPDXの結果にCAZおよびCTXの結果を加えると、実施例3と同様に、E.coli 4173株もESBLと判定されるので感度は97%に増加する。
NCCLS法の組合せのみで判定すると感度は65%に留まる。
【0033】
【発明の効果】
NCCLSのディスクを用いる方法では、試験を行う度にCVA溶液を作製し、CAZとCTXのディスクに所定の濃度を添加する必要があり、操作が煩雑である。また、溶解したCVAは安定性が悪く、十分な管理を行わなければ判定結果に影響を及ぼす。
本発明の合剤ディスクは薬剤の安定性が改良され、乾燥状態であれば冷所で1年間使用可能であるので、要時調製の煩雑さが無く、安定した成績が得られる。また本発明の液体培地は、96穴プレート等の適当な容器に分注し、生培地として供給されても良いし、凍結保存や乾燥保存が可能であるので、凍結状態・乾燥状態で供給されても良い。その結果、面倒な要時調製が不要となる。
【0034】
耐性菌、特にESBLのような耐性菌の出現はそれぞれの地域で使用される薬剤の種類に左右される。医療保険制度などの関連でヨーロッパ、米国、日本とでは汎用される抗菌薬の種類が異なり、ESBLについてもβ−ラクタマーゼが作用する基質となる薬剤の種類はそれぞれの国により異なっている。NCCLSのESBLの確認法では基質としてCAZとCTXを用いているが、これは米国での薬剤の使用状況を基本に作成されているためと考えられ、いわゆる日本型のESBLの実状に適合していない。日本国内では投与量等の関係上これら2薬剤よりもCPDXの使用頻度が高いため、ESBLの検査を目的とした基質としてはCPDXを用いる方が、より確実にESBLの鑑別が可能になる。
ESBL産生菌感染症は治療しうる抗菌薬が存在する。従って、的確な診断と適切な抗菌薬の選択を行えば、MRSAやVREと異なり、治療が比較的容易である。本発明により、ESBL産生菌の存在が容易に確認でき、より効果的な治療や耐性菌の蔓延を防ぐことができる。
【0035】
【参考文献】
[1]医学の歩み、185(5)、313、1998
[2]臨床と微生物、26(2)、103、1999
[3]臨床と微生物、26(2)、121、1999
[4]臨床と微生物、26(2)、147、1999
[5]Medical Technology、27(4)、353、1999
[6]NCCLS Document、19(1)、36、1999
[7]NCCLS Document、19(1)、75、1999
[8]内部データ、第47回日本化学療法学会総会(1999年6月11−12日、東京)において発表予定
Claims (16)
- セフポドキシム単剤含有ディスクとセフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクとの組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクによる阻止円がセフポドキシム単剤含有ディスクによる阻止円より大きいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法
- セフポドキシム単剤含有ディスクとセフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクとの組合せ、及び、以下の(1)(2)の群より選択される1以上の組合せを用いる請求項1に記載のESBL産生菌鑑別法
(1)セフタジジム単剤含有ディスクとセフタジジム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクとの組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフタジジム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクによる阻止円がセフタジジム単剤含有ディスクによる阻止円より大きいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法
(2)セフォタキシム単剤含有ディスクとセフォタキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクとの組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフォタキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有ディスクによる阻止円がセフォタキシム単剤含有ディスクによる阻止円より大きいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法 - β−ラクタマーゼ阻害剤がクラブラン酸である請求項1又は2記載のESBL産生菌鑑別法
- 1ディスク当たりの薬剤量がそれぞれ
セフポドキシム 5−15μg、
セフタジジム 20−40μg、
セフォタキシム 20−40μg、のディスクと、
それぞれにβ−ラクタマーゼ阻害剤としてクラブラン酸 5−20μgを添加したディスクとの組合せを用いる請求項1−3のいずれか1項に記載のESBL産生菌鑑別法 - 直径6.35mmの円形濾紙製のディスクを用いるESBL産生菌の鑑別法において、試験菌を接種したミューラーヒントン寒天培地平板上に、セフポドキシム 10μgを含有する単剤ディスクと、セフポドキシム 10μg及びクラブラン酸 10μgを含有する合剤ディスクとを載せ、35℃で16−18時間好気培養し、形成される阻止円の直径を測定し、合剤ディスクの阻止円が単剤ディスクの阻止円より5mm以上大きいとき、その菌をESBL産生菌と判定する、ESBL産生菌の鑑別法
- 請求項1−5のいずれか1項に記載のESBL鑑別法に用いられるセフポドキシム及びβ−ラクタマーゼ阻害剤を含有するディスク
- β−ラクタマーゼ阻害剤がクラブラン酸である請求項6記載のディスク
- 1ディスク当たり、セフポドキシム 5−15μg及びクラブラン酸 5−20μgを含有する請求項7記載のディスク
- セフポドキシム単剤含有液体培地とセフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地との組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地による最小発育阻止濃度がセフポドキシム単剤含有液体培地による最小発育阻止濃度より小さいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法
- セフポドキシム単剤含有液体培地とセフポドキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地との組合せ、及び、以下の(1)(2)の群より選択される1以上の組合せを用いる請求項9に記載のESBL産生菌鑑別法
(1)セフタジジム単剤含有液体培地とセフタジジム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地との組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフタジジム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地による最小発育阻止濃度がセフタジジム単剤含有液体培地による阻止最小発育阻止濃度より小さいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法
(2)セフォタキシム単剤含有液体培地とセフォタキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地との組合せを用いる薬剤感受性試験において、セフォタキシム/β−ラクタマーゼ阻害剤の合剤含有液体培地による最小発育阻止濃度がセフォタキシム単剤含有液体培地による最小発育阻止濃度より小さいことを判定基準とするESBL産生菌鑑別法 - β−ラクタマーゼ阻害剤がクラブラン酸である請求項9又は10記載のESBL産生菌鑑別法
- セフポドキシム 0.25−128μg/ml、
セフタジジム 0.25−128μg/ml、
セフォタキシム 0.25−128μg/ml、をそれぞれ含有する液体培地と、
それぞれにβ−ラクタマーゼ阻害剤としてクラブラン酸 2−10μg/mlを添加した液体培地との組合せを用いる請求項9−11のいずれか1項に記載のESBL産生菌鑑別法 - 薬剤を含有させた陽イオン調整ミューラー・ヒントン液体培地の希釈系列を用いる微量液体希釈法によるESBL産生菌の鑑別法において、セフポドキシム 0.25−128μg/mlを含有する単剤液体培地と、セフポドキシム/クラブラン酸 0.25/4−128/4μg/mlを含有する合剤液体培地とに、試験菌を接種し、35℃で16−20時間好気培養し、試験菌の最小発育阻止濃度を測定し、合剤液体培地の最小発育阻止濃度が単剤液体培地のそれより8倍以上小さいとき、その菌をESBL産生菌と判定する、ESBL産生菌の鑑別法
- 請求項9−13のいずれか1項に記載したESBL産生菌の鑑別法に用いられるセフポドキシム及びβ−ラクタマーゼ阻害剤を含有する液体培地
- β−ラクタマーゼ阻害剤がクラブラン酸である請求項14記載の液体培地
- セフポドキシム 0.25−128μg/ml及びクラブラン酸 2−10μg/mlを含有する請求項15記載の液体培地
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