JP4475787B2 - Zn−Al−Mg合金めっき鋼管及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、溶接部に溶融金属脆化割れがなく、耐食性に優れたZn−Al−Mg合金めっき鋼管及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融めっき鋼板は、優れた耐食性を活用し、腐食雰囲気に曝される屋根材,構造材,配管,部品等に使用されている。なかでも、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板に比較して格段に優れた耐食性を示す。
溶融めっき鋼板の用途展開に応じて、機械的強度の大きな溶接鋼管用素材としても使用されている。たとえば、特許第2881273号明細書では、所定幅に裁断した鋼帯又は鋼板の幅方向両端部近傍にある溶融めっき層を切削除去した後で幅方向両端部を溶接する方法を紹介している。この方法によるとき、溶接鋼管製造後に溶融めっきする方法に比較して生産性が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
溶接に先立って溶接部近傍の溶融めっき層を除去することにより、溶接欠陥や液体金属脆化が防止される。しかし、溶融めっき層が除去された溶接部は、下地鋼が露出しているため母材部に比較して耐食性が劣る。耐食性の低下は溶接部に溶融めっき層と同種材料からなる溶射層等を形成することにより防止できるものの、溶接前の溶融めっき層除去及び溶接後の溶射層形成と余分な工程を必要とするため、製造にかかる負荷が大きくなる。
【0004】
鋼帯又は鋼板をオープンパイプ形状に成形するときの加工条件や溶接入熱の制御によって、溶接欠陥や液体金属脆化の発生をある程度防止できる。実際、溶融亜鉛めっき鋼板を素材とする溶接鋼管では、溶接部近傍の溶融めっき層を除去することなく造管する方法も一部で採用されている。しかし、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を素材とする溶接鋼管では、通常の溶融Znめっき鋼板から溶接鋼管を製造する場合と液体金属脆化に起因する割れが異なる挙動を示す。割れ発生傾向は、造管速度が大きくなるほど顕著に現れる。割れが発生すると、割れ部を介して地肌が露出するため耐食性が低下することは勿論、後工程での加工にも耐えなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通常の溶融亜鉛めっき層とZn−Al−Mg合金めっき層とで溶接時の挙動が異なることに割れ発生の原因があるとの新規な知見をベースに完成されたものであり、割れが生じやすい溶接熱影響部への応力集中を緩和することにより、溶融金属脆化割れがなくZn−Al−Mg合金めっき本来の高耐食性を活用した溶接鋼管を提供することを目的とする。
【0006】
本発明のZn−Al−Mg合金めっき鋼管は、その目的を達成するため、Mg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%を含むZn−Al−Mg合金めっき層が形成された溶融めっき鋼板をオープンパイプ状に成形して幅方向両端部をアプセット状態で溶接することにより製造された溶接鋼管であり、鋼管円周から外方向に突出した溶接部のメタルフロー角度(α)とMg含有量(%Mg)との間に式(1)又は(2)の関係を成立させていることを特徴とする。
%Mg≦3質量%のとき α≦−8.6×%Mg+75.9 ・・・・(1)
%Mg>3質量%のとき α≦2.9×%Mg+41.2 ・・・・(2)
【0007】
Zn−Al−Mg合金めっき層は、更にTi:0.002〜0.1質量%及びB:0.001〜0.045質量%を、及び/又はSi:0.005〜2.0質量%を含むことができる。
溶接部のメタルフロー角度は、溶接時のアプセット量及び入熱により制御できる。メタルフロー角度は、鋼管円周から溶接部が立ち上がる部分に生じたメタルフローの角度をいい、溶接部の組織観察で容易に判別できる。一般的な傾向としては、アプセット量を下げて溶接入熱を高くするとメタルフロー角が小さくなり、溶融金属脆化割れの発生が抑えられる。
【0008】
【作用】
本発明者等は、Zn−Al−Mg合金めっき鋼管の溶接部に生じた割れ発生状況を種々調査検討した結果、割れ発生メカニズムを次のように推察した。
製品鋼管に見合った幅に裁断された鋼帯又は鋼板をオープンパイプ形状に成形し、幅方向両端部を溶接する際、酸化物等の異物を溶接部から押し出して溶接強度を上げるため加熱された幅方向両端部にアプセットが加えられる。そのため、溶接直後にアプセットから解放されると、弾性復元に起因する引張り応力が溶接部に加わる。しかも、溶接熱影響部は、溶接熱による加熱冷却で再結晶化している部分でもある。
【0009】
他方、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板を溶接すると、溶接熱で溶融したZn−Al−Mg合金はZn(融点420℃)に比較して液相線温度が低く、比較的長時間にわたって溶融状態を維持する。因みに、Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金の凝固終了温度は335℃である。Zn−Al−Mg合金中のAl分が下地Feと早期に反応しAl−Fe合金層となって消費されるに従って液相のAl濃度が低下し、最終的にはZn−Mg二元系になるが、Znの420℃と比較するとZn−3質量%Mgでも凝固終了温度が360℃と遥かに低い。
【0010】
粗粒化した熱影響部が溶融金属に長時間曝されると、溶融金属が結晶粒界に侵入し、溶融金属脆化を引き起こす。しかも、引張り応力が溶接部に加わっているので、溶融金属の侵入が促進される。このような溶融金属脆化は、通常の溶融Znめっき鋼板や溶融Zn−Alめっき鋼板では割れに至らないが、凝固終了温度の低いZn−Mg二元系液相が長時間存在するZn−Al−Mg合金めっき鋼板では比較的高い頻度で検出される。実際、割れが発生した溶接部を成分分析すると、Zn−Mgの存在が検証される。
【0011】
そこで、融点の低いZn−Al−Mg又はZn−Mgが長時間溶接部に存在することが溶融金属脆化割れの原因であるとの前提に立って、粗粒化した溶接熱影響部に液相のZn−Mgが浸透しても割れに至らないように応力集中を緩和することを検討した。
アプセット溶接した溶接鋼管の溶接部は、高温加熱された鋼帯又は鋼板の幅方向両端部が互いに押し付けられ、塑性流動によって融合することにより形成される。そのため、溶接部の金属組織を観察すると、溶接中心線に向かったメタルフローが検出される(図1a)。メタルフローの観察には、たとえばピクリン酸3g及びドデシルベンゼンスルホン酸4gを蒸留水100mlに添加して加熱溶解し,24時間放置した後で濾過し、70℃に加温した濾液が使用される。
メタルフローは、鋼管円周方向から溶接中心線に向けてメタルフロー角度αで立ち上がっている。なお、本件明細書では、溶接鋼管の外周面からt/4(t:肉厚)の深さ部分で鋼管円周方向からメタルフローが立ち上がっている角度αをメタルフロー角度として表す。
【0012】
割れcは、鋼管円周から溶接部が立ち上がるルート部分に発生しやすい。ルート部分は、溶接熱によって結晶粒が粗大化した熱影響部でもある。割れcが発生した溶接部を観察すると、大きな角度β(>α)でメタルフローが立ち上がっていることが判った(図1b)。このことは、大きなメタルフロー角度βでは、Zn−Mgの侵入で脆化した熱影響部に加わる引張り応力がルート部に集中し、割れとなったものと考えられる。他方、小さなメタルフロー角度αでは比較的広範囲のルート部に応力が分散され、割れには至らなかったことを意味する。
【0013】
メタルフロー角度αと割れ発生の有無との関係を調査した結果、図2に示されるように割れ発生に至らない限界メタルフロー角度はめっき層のMg濃度で変動する。そこで、限界メタルフロー角度及びMg含有量と割れの有無との関係を求めたところ、Mg含有量との関係で前掲の式(1)又は(2)を満足するメタルフロー角度αを維持するとき、低融点のZn−Mgが比較的長時間にわたり溶接部に存在するZn−Al−Mg合金めっき鋼管であっても割れのない健全な溶接部をもつ溶接鋼管が製造されることが確認された。
【0014】
メタルフロー角度αは、アプセット量及び溶接入熱により制御できる。K=Ep×Ip/(LS×t)〔Ep:プレート電圧(V),Ip:プレート電流(kA),LS:造管速度(m/分),t:肉厚(mm)〕で定義されるヒート係数Kが入熱のパラメータとして使用されるが、ヒート係数Kに対するアプセット量US(mm)の比US/Kとメタルフロー角度αとの関係をとると、たとえば本発明者等が検討に用いた造管機ではα=34.57×US/K+18.62の一次函数で近似される関係が両者の間に成立している(図3)。メタルフロー角度αと比US/Kとの関係は造管機によって多少の差があるものの、何れの造管機でも類似の関係が成立しており、関係式に従って比US/Kによりメタルフロー角度αを制御できる。すなわち、大入熱量で溶接する場合にはアプセット量USを若干大きく設定しても、α=34.57×US/K+18.62で算出されるメタルフロー角度αが小さく、割れの発生に至らない。他方、入熱量の少ない溶接では、ヒート係数Kとの関係で小さなアプセット量USを設定することにより、α=34.57×US/K+18.62で算出されるメタルフロー角度αを小さくし、割れの発生を抑制する。
【0015】
【実施の形態】
溶接鋼管用の素材としては、普通鋼,高張力鋼等のめっき原板にZn−Al−Mg合金めっき層を設けた溶融めっき鋼板が使用される。めっき原板には、溶融金属脆化を防止できるように割れ感受性を下げた成分系や、結晶粒を微細化した鋼板,たとえばHV260以下に硬さを下げた鋼板等がある。
常法に従った溶融めっき法でめっき原板の表面にZn−Al−Mg合金めっき層が形成されるが、Zn−Al−Mg合金めっき層は、Mg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%を含む組成に調整される。めっき層に含まれるMgは,めっき層最表層にMgを含むZn系腐食生成物を形成し、屋外等の一般腐食環境下でめっき層の腐食速度を抑える効果を奏する。このような作用は、0.05質量%以上のMg含有量でみられ、Mg:10質量%で飽和する。
【0016】
Zn,Mgがめっき層から溶出してMg含有Zn系腐食生成物を形成するが、Alは、めっき層からほとんど溶出することなく、当初のめっき層であった部分にZn−Al系腐食生成物を形成する。Zn−Al系腐食生成物は、極めて固着性が強く、上層にあるMg含有Zn系腐食生成物が腐食過程で消失しても、環境遮断機能のあるバリアとなって下地めっき層の腐食を抑制する。Zn−Al系腐食生成物の一部は、環境中のSOxを取り込み、より強固な保護皮膜としても作用する。この点、Alを含まないZn−Mg系のめっき層では、Mg含有Zn系腐食生成物が消失すると、下地に固着性の強い腐食生成物がないため、めっき層の腐食が急速に進行する。このように固着性が強く下地に対するバリアとして働くZn−Al系腐食生成物を形成するためには、4質量%のAl含有量が必要である。しかし、22質量%を超える過剰量のAlが含まれると、Zn−Al系腐食生成物による効果が飽和するばかりでなく、めっき層の加工性も低下する。
【0017】
Zn−Al−Mg合金めっき層は、任意成分としてTi,B,Siを含むことができる。
Ti及びBを添加すると、表面外観に悪影響を及ぼすZn11Mg2相の生成が抑制され、めっき層中に晶出するZn−Mg系金属間化合物を実質的にZn2Mgのみにできる。具体的には、0.002質量%以上のTiを含ませると、Zn11Mg2相の生成が効果的に抑制される。しかし、0.1質量%を超える過剰量のTiが含まれると、めっき層中にTi−Al系析出物が成長してめっき層に凹凸が生じ、外観が劣化しやすい。Zn11Mg2相の生成は、0.001質量%以上のBを含ませることによっても抑制される。B含有の場合でも、0.045質量%を超える過剰量ではTi−B系,Al−B系析出物がめっき層中に析出し、同様に外観劣化の原因となる凹凸のあるめっき層が生じやすくなる。
【0018】
Al:10質量%以上の組成をもつZn−Al−Mg合金めっき層では、めっき層と下地鋼との界面に局部的にFe−Al金属間化合物が生成しやすくなる。Fe−Al金属間化合物は硬質で脆いことから、めっき鋼板を二次加工する際にめっき層が部分的に剥離することが懸念される。このようなFe−Al金属間化合物の生成は、微量のSiをめっき層に添加することにより抑制される。Fe−Al金属間化合物の生成抑制に及ぼすSiの作用は0.005質量%以上の含有量でもみられるが、2.0質量%を超える過剰量のSiが含まれると、ポットに収容している溶融めっき金属に発生するドロス量が多くなる。
【0019】
Zn−Al−Mg合金めっき層は、その他の成分として、めっき層表面におけるMgの酸化を防止する作用を呈するCa,Sr,Na,ミッシュメタルの1種又は2種以上、耐黒変性に有効なNi,Co,Snの1種又は2種以上、塗装後耐食性に有効なTi,Cu,Cr,Mnの1種又は2種以上を添加してもよい。これら添加成分を含むZn−Al−Mg合金めっき層が形成されためっき鋼板であっても、造管時に前掲式(1)又は(2)を満足するメタルフロー角度αで溶接するとき、割れのない健全な溶接部をもつ溶接鋼管が製造される。
【0020】
溶融めっき鋼帯又は鋼板は、溶接鋼管の目標径に見合った板幅に裁断された後、ロールフォーミング法又はロールレスフォーミング法でオープンパイプ形状に成形される。次いで、高周波誘導加熱,抵抗加熱等で鋼帯又は鋼板の幅方向両端部を加熱し、アプセットすることにより幅方向両端部を溶融溶接する。このとき、ヒート係数K及びアプセット量USを調整することにより、溶接部に生じるメタルフローの角度αを制御する。次いで、矯正ロールにより溶接鋼管の形状を矯正した後、製品寸法に定寸切断される。
【0021】
溶接部の割れ発生は、オープンパイプ形状に成形しためっき鋼帯又は鋼板Mの幅方向両端部を溶接した後、ダブルスクイズロールで溶接鋼管Pの形状を規制することによっても防止できる(図4)。具体的には、フィンパスロール1を通過したオープンパイプ形状のめっき鋼帯又は鋼板Mの幅方向両端部を高周波加熱等で加熱した後、第1スクイズロール2で加圧して幅方向両端部を融合させるが、第1スクイズロール2の下流側に配置した第2スクイズロール3で溶接鋼管Pの形状拘束を更に継続する。通常の造管法では第1スクイズロール2を通過した溶接鋼管Pが弾性復元して縦長に変形し溶接部に引張り応力が加わるが、第2スクイズロール3によって弾性復元が抑えられている。そのため、高温状態の溶接部に引張り応力が加わることがなく、溶融金属脆化に起因する割れの発生が抑制される。
【0022】
オープンパイプ形状への成形に際し、めっき鋼帯又は鋼板Mの幅方向両端部を大きな曲率で曲げておくことも割れ防止に有効である。たとえば、成形初期段階で幅方向両端部を大きな曲率で曲げる塑性変形を施しておくと、弾性変形量がその分だけ少なくなる(図5)。したがって、スクイズロール2を溶接鋼管Pが通過した後でも、弾性復元力で溶接部を開こうとする力、すなわち割れ発生の原因である引張残留応力が低減する。
【0023】
【実施例1】
Zn−Al−Mg合金めっき層が形成された各種溶融めっき鋼板を所定サイズに裁断した後、高周波造管した。使用した溶融めっき鋼板及び溶接条件を表1(本発明例)及び表2(比較例)に示す。製造された溶接鋼管の溶接部を切断し、切断面に生じているメタルフローを観察すると共に割れの有無を調査した。
表1に示すように、ヒート係数K及びアプセット量USを調整してMg含有量との関係でメタルフロー角度αを制御することにより、割れのない健全な溶接部が形成されることが確認される。これに対し、メタルフロー角度αが前掲の式(1)又は(2)を満足しないメタルフロー角度αのある溶接部では、表2に示されるように何れの溶接部にも割れが発生していた。
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例2】
表3の組成をもつZn−Al−Mg合金めっき層が形成された片面当り付着量90g/m2,板厚2.3mmの溶融めっき鋼板を実施例1と同様に造管し、外径127mmの溶接鋼管を製造した。
【0027】
【0028】
得られた各溶接鋼管の溶接部断面を観察し、メタルフロー角度αと割れ発生の有無との関係を調査した。表4の調査結果にみられるように、同じ溶融めっき鋼板から製造された溶接鋼管であっても、メタルフロー角度αの如何によって割れ発生の有無が異なっていた。
【0029】
【0030】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のZn−Al−Mg合金めっき鋼管は、溶接部に生じるメタルフローの角度をMg含有量との関係で規制しているため、溶接部に加わる引張り応力がメタルフロー立上り部に集中せず、比較的広範囲に分散される。そのため、粗粒化した溶接熱影響部が応力負荷状態で凝固終了温度の低いZn−Al−Mg又はZn−Mg液相と比較的長時間接触する過酷な条件下でも、溶融金属脆化に起因する割れが発生することなく、健全な溶接部をもつ溶接鋼管が製造される。得られた溶接鋼管は、Zn−Al−Mg合金めっき本来の高耐食性を活用し、各種分野における構造部材,配管材料等として使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 割れのない溶接部(a)及び割れが発生した溶接部(b)に生じたメタルフロー
【図2】 割れ発生に至らない限界メタルフロー角度がめっき層のMg濃度に応じて変わることを示したグラフ
【図3】 ヒート係数Kに対するアプセット量USの比US/Kがメタルフロー角度αと一次関係にあることを示すグラフ
【図4】 ダブルスクイズロールをもつ造管装置
【図5】 エッジベンドを強化した造管法の説明図
【符号の説明】
α,β:メタルフロー角度 c:溶接部に発生する割れ
Claims (4)
- Mg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%を含むZn−Al−Mg合金めっき層が形成された溶融めっき鋼板をオープンパイプ状に成形して幅方向両端部をアプセット状態で溶接することにより製造された溶接鋼管であり、鋼管円周から外方向に突出した溶接部のメタルフロー角度(α)とMg含有量(%Mg)との間に式(1)又は(2)の関係を成立させていることを特徴とするZn−Al−Mg合金めっき鋼管。
%Mg≦3質量%のとき α≦−8.6×%Mg+75.9 ・・・・(1)
%Mg>3質量%のとき α≦2.9×%Mg+41.2 ・・・・(2) - Zn−Al−Mg合金めっき層が更にTi:0.002〜0.1質量%及びB:0.001〜0.045質量%を含む請求項1記載のZn−Al−Mg合金めっき鋼管。
- Zn−Al−Mg合金めっき層が更にSi:2.0質量%以下を含む請求項1又は2記載のZn−Al−Mg合金めっき鋼管。
- Mg:0.05〜10質量%,Al:4〜22質量%を含むZn−Al−Mg合金めっき層が形成された溶融めっき鋼板をオープンパイプ状に成形して幅方向両端部をアプセット状態で溶接する際、鋼管円周から外方向に突出した溶接部のメタルフロー角度(α)がMg含有量(%)との間で式(1)又は(2)を満足するように、アプセット量及び入熱を制御することを特徴とするZn−Al−Mg合金めっき鋼管の製造方法。
%Mg≦3質量%のとき α≦−8.6×%Mg+75.9 ・・・・(1)
%Mg>3質量%のとき α≦2.9×%Mg+41.2 ・・・・(2)
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