JP4475714B2 - 消火栓用ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は消火栓用のホースに関するものであって、断面円形を保持したままで消火栓に収容し、必要な長さだけ引き出して通水することが可能な保形ホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来消火栓用のホースとしては、筒状織布の内面にゴム又は軟質プラスチックのライニングを施した、消防用ホースタイプのホースが使用されていた。しかしながらこのタイプのホースは、扁平に折り畳んだ状態で収容されているため、一旦ホース全体を消火栓ボックスから引き出し、真っ直ぐに延ばさなければ通水できないという欠点があり、緊急時に使用に慣れない者が使用することは極めて困難なものであった。
【0003】
そこで近年、非通水時にも断面が円形に保持された保形性のホースをコイル状に巻回して収容した消火栓が使用されるようになっている。かかる消火栓は、ホースを消火栓ボックスから必要な長さだけ引き出して通水することが可能であり、緊急時に容易に使用することができる。
【0004】
ところでこの種の消火栓においては、ホースを回転リールに巻くと、複雑な回転継手が必要となると共に、回転リールの回転を許容するためには収容するホースの長さの割に大型の消火栓ボックスが必要となる。
【0005】
そこで図3に示すように、消火栓ボックス1内にホース2をコイル状に巻いた状態で収容し、そのホース2の外端を給水源3に接続し、そのホースの内端にノズル4を結合し、使用時にはホース2をコイルの内端から引き出すような構造とすることが行われている。
【0006】
ところがこのように、コイル状に巻いたホースをその内端から引き出すと、引き出されたホースに捩れが加わり、その捩れが戻ろうとする力が生じて消火作業に支障を来たすことがある。
【0007】
これを解決する手段として、実開昭61−169950号公報に示されるようにホースの所要箇所により戻しをつけたり、実開平4−111362号公報に示されるようにノズルに回転自在な把持部を取り付けたり、また実開平4−36457号公報に示されるように、ホースを消火栓ボックスに『8』の字形に収納したりすることが行われているが、より戻しや回転自在なノズルはコスト高となり、また『8』の字形に収納するためには収納スペースが大きくなり、消火栓ボックスが不必要に大型のものとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
而してこの種の消火栓用ホースにおいては、ホース自体が捩れを吸収しやすいものであることが好ましい。すなわち消火栓ボックスから引き出したときにホースが捩れても、その捩れが戻ろうとする力が小さく、捩れたままで支障なく消火活動を行なえるものであることが好ましい。
【0009】
このように捩れを吸収しやすいホースとして、実願昭63−35177号のマイクロフィルムには、合成樹脂製のワイヤをコイル状に巻き、このワイヤを芯として綿布をホース形に織り、ホース形の内面にゴム張りを施工して形成したものが記載されているが、かかる構造は保形性を有するホースとして汎用されている基本的形態であり、この形態により直ちに捩じれを吸収しやすいホースとすることはできず、先の問題点は解決されない。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、上記基本的形態のホースにおいて、消火栓ボックスから引き出したときの捩れを吸収しやすく、捩れたままで支障なく取り扱うことのできるホースの具体的構造を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
而して本発明は、ホースをコイル状に巻回し、そのホースの外端を給水源に接続し、内端にノズルを接続した状態で消火栓ボックスに収容し、使用時には内端から引き出すようにした消火栓用ホースにおいて、よこ糸に繊維糸と鋼線とを交互に使用し、当該よこ糸と繊維糸のたて糸とを平織り組織で筒状に織成し、その内面にゴム又は合成樹脂の内張を施してなるものであって、そのホースの内径が26.0〜33.5mmであり、前記鋼線の抗張力が1000N〜2100Nであり、当該鋼線の打ち込みピッチが18〜26/10cmであり、たて糸に1600〜3300dtexの糸を2本引き揃えて、8〜11本/cm使用してなり、前記ホースが、そのホースを構成するよこ糸が描く螺旋が緩む方向に、60〜120°/m捩じれた状態で安定していることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の消火栓用ホースの基本的形態は、図1及び図2に示すように、よこ糸として繊維糸5と鋼線6とを交互に使用し、当該よこ糸5,6と繊維糸のたて糸7とを平織り組織で筒状に織成し、その内面にゴム又は合成樹脂の内張り8を施してなるものである。
【0014】
かかる基本的形態は特公昭51−38087号公報に示されたものであって、よこ糸として織り込まれた鋼線6によりホース2が保形性を有すると共に、よこ糸として繊維糸5と鋼線6とを交互に使用することにより、その鋼線6の間隔に融通性が生じ、小さい曲率半径で彎曲させることができる。
【0015】
この種の形態のホース2においては、通常よこ糸にプラスチックの太いモノフィラメント糸が使用されることが多いが、モノフィラメント糸は剛性が低く、ホースを小さい曲率半径で曲げたときにポックリと折れ曲がるキンク現象を生じやすい。そこで本発明においては、モノフィラメント糸に代えてより剛性の高い鋼線6をよこ糸として使用するのである。
【0016】
そしてこの鋼線6としては、抗張力が1000N〜2100Nのものが使用される。抗張力が1000N未満であると、鋼線の剛性が不足し、保形性が不十分でキンク現象を生じやすい。また抗張力が2100Nを超えると、鋼線の剛性が高過ぎてホースの捩れを吸収することができない。
【0017】
一般に前述のような消火栓においては、ボックス1内における給水源3の取り付け位置によって、ホース2を右巻きにしてボックス1に収納する場合と、左巻きに収納する場合とがあり、その巻き方向によってホースを引き出したときにホース2が捩じれる方向が異る。
【0018】
一方ホース2は、一部で捩子式継手が使用されているため、ホースの捩れによって捩子式継手が外れることがないように、加圧時にはホースの先端が右回りとなるよう捩じれることが求められており、そのためホースのよこ糸は、手前から先端に向って左回り螺旋を描くように織り込まれる。このことは本発明のような保形性のホース2においても同様である。
【0019】
かかる構造の保形性ホース2においては、剛直な鋼線6のよこ糸が描く螺旋が緩む方向には比較的容易に捩れるが、その螺旋が締まる方向には捩れにくく、特に鋼線6の剛性が高くなると急速に捩れにくくなる。
【0020】
元来この種の保形性ホース2においては、鋼線6の剛性が高い方が保形性が良好で好ましいのであるが、前述のように消火栓ボックス1の構造によって捩れの方向が不定であるために、螺旋が緩む方向にも締まる方向にも比較的容易に捩れ、消火栓から引き出したときの捩れを容易に吸収できることが必要である。そのために鋼線6の剛性が制約され、前述のように抗張力が1000〜2100Nの範囲内であることが必要とされるのである。
【0021】
また鋼線6の打ち込みピッチは18〜26/10cmであることが必要である。その打ち込みピッチが25/10cmを超えると織り組織の自由度が小さく、捩れを吸収し得る範囲が小さくなる。また18/10cm未満では織り組織の自由度が大き過ぎるので、キンク現象を生じやすくなる。
【0022】
またホース2が捩れる際の鋼線6の自由度を確保するためには、たて糸7としては1600〜3300dtex相当の糸を2本引き揃えた糸条を、8〜11本/cm使用するのがよい。たて糸7の量がこれより多いとホース2が堅くなって捩れを吸収することができず、またたて糸7の使用量が少ないとよこ糸5,6が傷付きやすく、耐圧性能が低下する。
【0023】
また織り組織は平織り組織を使用する。通常ホースを柔軟にするときには2/1の綾織組織を使用することが多い。2/1綾織組織は曲げに対する柔軟性は向上するものの、ホース2の表面のたて糸7が過度に詰まるために捩れに対して抵抗を示し、捩れを吸収することができない。
【0024】
またこのホース2の内径は、26.0〜33.5mmの範囲であることが必要である。内径が26.0mm未満のホースでは、通水量が少ないために消火栓用ホース1として十分な性能を有し得ない。
【0025】
また33.5mmを超える内径のホースでは、十分な保形性を確保するためには鋼線6としてより太くて剛性の高いものを使用せざるを得ず、また耐圧性能を確保するためにはより多くのたて糸を使用する必要があるため、捩れに対する抵抗が増し、捩れを吸収することができない。
【0026】
また本発明においては、ホースは、そのホースを構成するよこ糸が描く螺旋が緩む方向に、60〜120°/m捩じれた状態で安定したものとするべきである。
【0027】
本発明のようによこ糸に鋼線6を使用したホース2においては、螺旋状に配置された鋼線6に、その螺旋が緩む方向に強い力が作用する。そのため筒状織布を織成した状態では鋼線6の力によって捩じれが生じ、その螺旋が緩む方向に一杯にまで捩じれきった状態となる。
従ってこの状態で内張り8を張り付けると、ホース2は鋼線6の螺旋が緩む方向にはもはや捩じれることができず、ホース2の捩じれを吸収することができない。
【0028】
そのため筒状織布には、鋼線6により生じた捩じれを戻す方向への捩じれを付与した状態で内張り8を張り付ける必要がある。この場合通常は、筒状織布を構成するたて糸7が真っ直ぐに延びた状態で内張り8を張り付けてホース2とするのである。
【0029】
しかしながらこのようにすると、螺旋が緩む方向には比較的小さい力で捩じれることができるが、螺旋が締まる方向には、鋼線6の剛性に抗して捩じることとなるため、捩じれに対する抵抗が大きくなり、捩じれを吸収することができない。
【0030】
従って本発明においては、筒状織布をよこ糸の螺旋が緩む方向に60〜120°/m捩じった状態で安定させることにより、ホース2は螺旋が締まる方向にもまた螺旋が緩む方向にも捩じれることが可能となるのである。ホース2の捩じれを安定させるのは、筒状織布の内面に内張り8を張り付け、筒状織布の組織を固定することにより、ホース2を安定させることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、よこ糸として使用される鋼線6が、ホース2に保形性を付与してホース2の円形断面を保持すると共に、その鋼線6の剛性及び打ち込み数が適度であり且つたて糸7により過度に拘束されることがないので、小さい力である程度の範囲で容易に捩れることができる。
【0032】
そのためホース2の先端に取り付けられたノズル4を把持してホース2を消火栓ボックス1から引き出したとき、ホース2はコイルの内端から引き出されるために捩れるが、その捩れはホース2自体に吸収されて捩れが戻ろうとする力が小さく、ホース2が捩れたままでノズル4を把持して放水することができ、消火活動に支障を来たすことはない。
【0033】
【実施例】
たて糸として1100dtexのポリエステル繊維の紡績糸を2本撚合わせた糸条を2本引き揃え、表1に示す本数使用し、またよこ糸として、表1に示す繊維糸と鋼線とを使用して、筒状織布を織成し、これにポリエステル樹脂のライニングを施して、内径33±0.2mmのホースを製作した。
【0034】
【表1】
表に示す結果から判るように、鋼線の抗張力の大きさ及び打込みピッチが、得られるホースの捩れ性及び耐押潰し性に対して大きい影響があり、当該抗張力が1000〜2100Nであり、且つ打込みピッチが18〜26/10cmであることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホースの一部分解斜視図
【図2】 本発明のホースの一部中央縦断面図
【図3】 消火栓の正面図
【符号の説明】
1 消火栓ボックス
2 ホース
3 給水源
4 ノズル
5 繊維糸
6 鋼線
7 たて糸
8 内張り
Claims (1)
- ホース(2)をコイル状に巻回し、そのホース(2)の外端を給水源(3)に接続し、内端にノズル(4)を接続した状態で消火栓ボックス(1)に収容し、使用時には内端から引き出すようにした消火栓用ホース(2)において、よこ糸に繊維糸(5)と鋼線(6)とを交互に使用し、当該よこ糸(5,6)と繊維糸のたて糸(7)とを平織り組織で筒状に織成し、その内面にゴム又は合成樹脂の内張り(8)を施してなるものであって、そのホース(2)の内径が26.0〜33.5mmであり、前記鋼線(6)の抗張力が1000N〜2100Nであり、当該鋼線(6)の打ち込みピッチが18〜26/10cmであり、たて糸(7)に1600〜3300dtexの糸を2本引き揃えて、8〜11本/cm使用してなり、前記ホース(2)が、そのホース(2)を構成するよこ糸(5,6)が描く螺旋が緩む方向に、60〜120°/m捩じれた状態で安定していることを特徴とする、消火栓用ホース
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