JP4474850B2 - 光ビーム走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンデム型フルカラー画像形成装置に用いられ、単一の偏向器により複数の光ビームを偏向し、複数の感光体を走査する光ビーム走査装置に関する。更に詳しくは、複数光ビームの挙動の差により発生するカラーレジストレーションずれを抑制した光ビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式のカラープリンタやカラー複写機が広く使用されている。そして、高速でフルカラー画像を出力するために、帯電、露光、現像、転写機能を備えた画像形成部を4色分並列に配置し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成を1パスで行うタンデム方式の画像形成装置が開発されている。
【0003】
タンデム方式のカラー画像形成装置は、4つの画像形成部を並列に備えるため装置が大型化する傾向があるので、一般オフィスにも設置可能とするために、小型化、低コスト化の工夫が重ねられている。
【0004】
画像形成部のうち、光ビーム走査装置に関する改良として、従来は画像形成部の数(色数)だけ設けられていた光ビーム走査装置を単一化するものが提案されている。
【0005】
図18は、特許文献1に記載の光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。4つの感光体820A〜Dに対し単一の筐体(ハウジング)1000から4本光ビームLA、LB、LC、LDを射出し露光するものである。単一の筐体内に単一の偏向器811を備え、単一の反射面で同時に4本の光ビームを偏向し、一組の結像レンズ830、840を通過したのち、平面ミラー758、755、752で逐次光路を分割し、光ビームを4つの感光体へ導いている。偏向器と結像レンズを共用することで低コスト化を図り、平面ミラーによる光路折り返しを巧みに行うことで感光体幅とほぼ等しい装置寸法まで小型化している。
【0006】
図19は、特許文献2に記載の光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。単一の偏向器で偏向した光ビームを共通の第1レンズ1020を通過させたのち、個別に設けられた折り返しミラー1030A〜Dにより光路分割し、個別に設けられた第2レンズ1040A〜Dをそれぞれ通過させて感光体1120A〜Dを走査することで、1回の折り返しで小型化を実現している。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−33720号公報
【特許文献2】
特開2002−144633号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1で開示された図18に示した光ビーム走査装置の場合、4つの感光体に至る光路レイアウトが夫々異なるため、カラーレジストレーション(以下、カラーレジ)の維持が難しいという問題がある。
【0009】
フルカラー画像形成過程でカラーレジずれが生じると画質が劣化するため、一般オフィス用途で150μm以下、グラフィカルな用途では100μm以下のカラーレジずれに抑制することが必要である。この精度は、調整直後のみならず、次のカラーレジストレーションの調整が行われるまでの間、維持しなければならない。維持性が悪いと頻繁に調整サイクルに入ることになり、タンデム方式の本来の特徴である高生産性を阻害し、装置の価値を損なうため、カラーレジの維持性は重要な課題である。
【0010】
図18に示した光ビーム走査装置の場合、4本の光ビームの折り返し回数は、LA:1回、LB:3回、LC:3回、LD:3回であり、同一回数ではない。また、LBとLCは、折り返し回数は同じだが、折り返し角度が異なる。LBとLCも折り返し回数は同じだが、光路上の折り返し位置が大きく異なる。
【0011】
このように光路を折り返す条件が異なると、組立、調整精度の影響(誤差感度)が異なり、カラーレジの高精度調整が難しい。また、光路上の折り返し位置が異なると光学的有効エリア寸法が異なり、必要なミラー長さが異なる。
【0012】
また、ミラーの折り返し角度や長さが異なると、偏向器を駆動するモータの振動や光ビーム走査装置の外部から伝達される振動に対する共振特性(固有値)や光ビームの揺動感度が異なるので、複数の光ビームがばらばらの挙動を示し、高画質を維持することが難しくなる。
【0013】
さらに、光ビームLDは高速回転する偏向器の上部を通過するため、偏向器から発生する熱による光ビームの揺らぎ、筐体の変形等の影響が光ビームLAとは大きく異なり、カラーレジを維持することが困難である。
【0014】
画像形成当初の偏向器の回転立ち上げ時には、偏向器の制御IC表面において急激な温度上昇が発生して筐体が変形し、光ビーム走査装置内の光路が変動する。この光路変動が、レジ補正(目視及びMCレジコン)をしている最中に発生すると、適正な補正が困難となる。
【0015】
画像形成を止めずにカラーレジを調整する、所謂リアルタイムレジコンを行えば、維持性の問題はキャンセルできるが、センサー、制御回路、調整装置等が高価になり、小型、低コストと相反することになる。
【0016】
また、図19に示した光ビーム走査装置の場合、感光体の配置に制約が加わってしまう。また光ビーム走査装置の占有部分が大きくなり、画像形成装置の小型化が容易でないという問題がある。
【0017】
次にタンデム型光ビーム走査装置の部品実装についての問題点を説明する。単一の筐体と偏向器とを有し、4本光ビームを走査するタンデム用光ビーム走査装置は、一般的に、走査光学系を限られた範囲内に収め、所定位置に配される感光体に当該光ビームを走査するため、多数のミラーが存在する。したがって、光学系を構成するこれら光学部品を固定する保持部材(主に弾性部材)も多数必要となり、コスト(部品、組立て費)高の一因となっている。
【0018】
一方、低価格カラー機ではカラーレジ補正を簡易化し、補正に関する部品(センサー等)を削除し、コストを下げるという手段もとられている。このような構成では、工場出荷時(工場調整時)のカラーレジ状態(4本の光ビームの走査位置状態)を、所定の精度内に維持することが要求されるが、一般的な光学部品の保持部材、特にばね部材は、製造ばらつきも有り、出荷後の輸送振動衝撃等に対し、出荷調整時のカラーレジを維持することが困難な場合がある。
【0019】
本発明は、上記事情を鑑み、複数光路の同一性を上げ、カラーレジの安定性を高めた光ビーム走査装置を提供することを第一の目的とする。また、複数光路の同一性を確保した状態で、光路レイアウトの自由度を高め、感光体ピッチ等の画像形成装置構成に柔軟に対応して小型化可能な光ビーム走査装置を提供することを第二の目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の光ビーム走査装置は、単一の筐体内に単一の偏向器を備え、光源から射出された複数の光ビームを前記偏向器により偏向し、偏向された複数の光ビームを光ビーム毎に別々の平面ミラーで別々の光路へ導く光路分割を行って複数の感光体へそれぞれ導く光ビーム走査装置において、前記偏向器で偏向された複数の光ビームの各光路上に配置される、前記平面ミラーと、副走査方向にパワーを有するシリンドリカルミラーと、の配置順を全て同一にして、前記平面ミラー及び前記シリンドリカルミラーで導かれて前記複数の感光体へ至る光路上でそれぞれ2回以上の同一回数で光ビームを反射する構造にし、かつ、対応する反射角度を各光ビームでほぼ同一にし、前記偏向器の回転軸を含む副走査断面内で、光路分割された光ビームの隣接する光路が互いに平行かつ等間隔であるとともに、前記偏向器の回転軸を含む副走査断面内で、光路分割を行う前記平面ミラーの反射面法線と、前記複数の感光体の回転軸を連ねた直線と、が略平行であることを特徴としている。
【0021】
ここで、複数の光ビームの光路分割を行うとは、一束となっている複数の光ビームを光ビーム毎に別々の光路へ導くことを意味している。また、対応する反射角度を各光ビームでほぼ同一にした、とは、複数の光ビームの光路を分割するために各光ビームに与えた平行状態より僅かに発散させるための角度差(隣接する光ビーム間で1〜2°程度)を除けば、各光ビームで、対応する反射角度が同一である、ということを意味している。
【0022】
このように、請求項1に記載の発明では、2回以上の光路折り返しにより小型化を実現し、光路分割された複数の光ビームの光路構成を同一条件とすることで、複数ビームの誤差感度を同じくし、カラーレジずれを抑制することができる。
【0023】
また、平面ミラーにより光路分割することで、特殊な部品を使わず低コスト化できる。また、上記反射条件を満足することにより、一直線上に配列された感光体に対して複数ビームの光路レイアウト同一化が可能となるとともに、感光体ピッチの変更に容易に対応可能となる。
【0024】
請求項2に記載の光ビーム走査装置は、請求項1において、前記偏向器と、光路分割を行う前記平面ミラーと、の間に複数の光ビームを共通に反射する共通平面ミラーを有することを特徴としている。
【0025】
光路分割する前に複数ビームを一括して反射する平面ミラーを配置することで、偏向器と感光体の位置関係を変更可能とし、画像形成装置内での光ビーム走査装置のレイアウト自由度を上げることができる。
【0026】
請求項3に記載の光ビーム走査装置は、請求項1又は2において、光路分割を行う前記平面ミラーと、前記複数の感光体と、の各間に、前記シリンドリカルミラーをそれぞれ配置したことを特徴としている。
【0027】
光路分割を行う平面ミラーの光路上での配置位置が複数ビーム同士で互いに異なることによって、光路分割を行う平面ミラーの誤差感度の違いが生じることがある。請求項3に記載の発明により、このようなことが生じても、下流側に配置した屈折力を有する光学部品の結像特性により、感光体上で縮小し、影響を軽減することができる。
【0028】
シリンドリカルミラーを配置することにより、光路折り返し作用と屈折作用を同時に得られるため光路を単純化でき、カラーレジ維持性に優れるが、入射角度により結像特性が変化する。このため、請求項3に記載の発明のように、複数光ビームの光路を同一にした上でシリンドリカルミラーを配置することにより、複数の光ビームの結像特性を同一にすることができる。
【0029】
請求項4に記載の光ビーム走査装置は、請求項1乃至3のうち何れか1項において、前記光源がマルチスポット光源であり、射出された複数の光ビームが、共通の光学系により副走査方向の主光線間隔を発散状態として前記偏向器に入射することを特徴としている。
【0030】
偏向器から感光体までの光路構成に加えて、光源から偏向器までの光路構成も同一にすることで、ビーム間の挙動差をより抑制し、画質安定性を上げることができる。また、発散状態の光ビームを偏向器に入射することで、光路分離位置での光ビーム間隙を大きくして光路分離を容易にすることができる。
【0031】
なお、異なる感光体へそれぞれ導く各光ビームの光路を交差させないことで、複数の光ビームの光路レイアウトの同一化を容易にできる。
【0032】
請求項5に記載の光ビーム走査装置は、請求項4において、前記偏向器を筐体の床面に配設し、偏向された複数の光ビームを床面と対向する筐体開放側に射出するとともに、前記平面ミラーおよび前記シリンドリカルミラーの支持位置を前記床面に連設された互いに対向する両壁面とし、両壁面間距離を床面から筐体開放側に向かって徐々に広げる筐体構造としたことを特徴としている。
【0033】
互いに対向する筐体の両壁面を、床面から開放側に向かって徐々に壁面間距離が広がる階段状構造にすることで、筐体の剛性を向上し、熱や振動による影響を受け難くする。さらに、筐体の床面から開放側に向かって、光学部品の寸法が徐々に長くなるので、光学部品の実装設計がしやすく、組立容易となる。
【0034】
請求項6に記載の光ビーム走査装置は、請求項5において、光路分割されたあとの光ビームの光路を前記偏向器の重力方向上方に配置しないことを特徴としている。
【0035】
走査光学系を、発熱源となる偏向器の上方に配置しないことで、部分的な熱影響による光路変動により生じるカラーレジずれを発生させないようにできる。
【0036】
請求項7に記載の光ビーム走査装置は、請求項5又は6において、光ビームの通過窓を設けた熱遮蔽壁で前記偏向器を区画したことを特徴としている。
【0037】
発熱源になる偏向器を別室に囲い込むことで、熱対流による筐体内の温度分布の不均一化を抑制することができる。
【0038】
請求項8に記載の光ビーム走査装置は、請求項5乃至7のうち何れか1項において、偏向器を載置又は包囲する部分のみ遮熱部材で構成したことを特徴としている。
【0039】
このように構成することで、偏向器から発生する熱影響を光学部品(特にプラスチック製の光学部品)に与えることが無いとともに、偏向器周辺部(IC部)の急激な温度上昇を、光学箱の他の部分に伝えないようにできるので、光ビームの光路変動を小さくでき、適宜カラーレジ補正作業を実施することができる。特に、偏向器の駆動回路上のIC表面温度が著しく上昇する場合は、IC表面近傍の筐体部、又は偏向器と筐体との接触部にのみ、遮熱部材を設けてもよい。
【0040】
請求項9に記載の光ビーム走査装置は、請求項8において、前記遮熱部材が硬質発泡材からなることを特徴としている。
【0041】
遮熱部材を硬質発泡材とすることで、十分な遮熱効果と共に、遮音効果も付加され、高速回転用偏向器の騒音の防止にもなる。
【0042】
請求項10に記載の光ビーム走査装置は、請求項1乃至9のうち何れか1項において、光路分割後の各光路上に光ビームのアライメント調整機構を備えたことを特徴としている。
【0043】
BOW、SKEW、倍率、左右倍率差などの調整機構を、光路上の光学部品に設けることで、カラーレジ調整が可能となる。
【0044】
請求項11に記載の光ビーム走査装置は、請求項10において、前記アライメント調整機構は、光路上の最終段に配設された平面ミラーと、該平面ミラーを予め一定量湾曲させた状態でミラー背面の中央付近を押圧する偏心カムと、を備え、該偏心カムを回転させることで該平面ミラーの湾曲量を変化させ、光ビームの走査線湾曲を調整することを特徴としている。
【0045】
この調整機構は、カラーレジのうちBOWに関する具体的な調整機構である。ミラー背面中央に押圧した偏心カムを回転させることで、平面ミラーの湾曲量を調整するとともに、自由状態では振動の腹となる平面ミラーの中央部を直接支持することで、ミラー振動によるバンディングを抑制し、カラーレジ調整性とディフェクト抑制とを両立させることができる。
【0046】
請求項12に記載の光ビーム走査装置は、請求項5乃至11のうち何れか1項において、複数の光学部品を同時に前記筐体に固定支持する固定部材を備えていることを特徴としている。
【0047】
本発明に係る光ビーム走査装置の構成(光路同一、同一長さの光学部品が、ほぼ同一面上に載置される構成)においては、少なくとも同一平面にある光学部品は、単一の保持部材で容易に保持することができる。従って、通常、1の光学部品に2以上設けていた保持部材を、請求項13に記載の発明により大幅に削減することができ、低コストに繋がる。
【0048】
請求項13に記載の光ビーム走査装置は、請求項12において、前記固定部材が硬質発泡材からなることを特徴としている。
【0049】
当該固定部材を硬質発泡材とすることで、容易に、成型により所望の形状にすることが可能となり、更に、振動吸収性能にも優れることより、輸送振動衝撃による光学部品のずれによる光ビームの光路変動も抑制できる。また、当該硬質発泡材を筐体開放部側に設け、光学部品を保持すると共に、カバー部材を設けてカバー部材との間に光学部品を挟むようにすることにより、カバー部材と筐体との隙間の密閉度が向上し、偏向器の高速回転による騒音、ビビリ音の減少に効果があり、また、周辺からの装置内部へのゴミ等の流入も防止できる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げ、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様の構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る光ビーム走査装置100の構成を示す側面断面図である。筐体10の床面には、偏向器11が配置されている。偏向器11は、モータ1とポリゴンミラー2から構成され、モータ1はオイル動圧軸受を備え、ポリゴンミラー2は内接円直径φ19でその周囲に12面の反射面を備えている。
【0052】
光ビーム走査装置100では、図示せぬ入射光学系から、副走査方向に一直線状に並び、主光線が発散する状態で、4本の光ビームLA、LB、LC、LDがポリゴンミラー2の反射面に入射する。ポリゴンミラー2により反射された光ビームは、fθレンズ3A、3Bを透過し、平面ミラー4により一括して反射される。平面ミラー4で反射された光ビームは、副走査方向のビーム間隙が徐々に広がり、光路分割用の平面ミラー5A〜Dによりそれぞれ1本ずつ選択的に反射される。
【0053】
平面ミラー5Aで反射された光ビームは、副走査方向に屈折力を有するシリンドリカルミラー6Aにより反射されたのち、平面ミラー7Aにより反射され、筐体10の開放側に射出されて、感光体8Aを照射する。
【0054】
平面ミラー5Aで反射されずに進んだ光ビームのうち、最も床面側に近い光ビームLBは、平面ミラー5Bで反射され、シリンドリカルミラー6B、平面ミラー7Bを経て、感光体8Bを照射する。同様にして、光ビームLC、LDもそれぞれ感光体8C、8Dを照射する。
【0055】
このように4本の光ビームは、4枚の平面ミラー5A、5B、5C、5Dでそれぞれ一本づつ反射されて、1群で進んできた光ビームが4つの感光体へ至る光ビームに光路分割される。
【0056】
シリンドリカルミラー6における折り返し角度、シリンドリカルミラー6から最終の折り返しミラー7までの光路長、折り返しミラー7における折り返し角度、折り返しミラー7から感光体8までの光路長は、4本の光ビームでほぼ同一になっている。また、光路分割を行う平面ミラー5の折り返し角度も4本の光ビームでほぼ同一となっている。さらに、ポリゴンミラー2から、共通の光路折り返しを行う平面ミラー4までの光路は4本の光ビームに共通である。したがって、偏向された4本の光ビームの光路は、光学部品の配置順が同一で、折り返し角度がほぼ同一となっている。ここで、ほぼ同一とは、光路分割するために4本の光ビームに与えた、平行状態より僅かに発散させるための角度差(隣接する光ビーム間で1〜2°程度)を除けば同一角度ということを意味している。このように、平面ミラー4から平面ミラー5までの距離と、平面ミラー5からシリンドリカルミラー6までの距離の光路長分割比を除けば、偏向された4本の光ビームの光路はほぼ同じ構成を取っているため、組立誤差、調整誤差、熱や振動による光路変動誤差に対する誤差感度が共通となり、4本の光ビームの挙動が揃い、カラーレジずれを抑制することができる。
【0057】
図2は、光路分割後の光路構成が同一で、且つ光路長が同一となるための条件を説明するための模式図である。尚、図2では、光路長の関係を説明する便宜上、光路分割に必要な光ビーム間の角度差を0°にしてある。
【0058】
ここで、光路分割を行う平面ミラー5の反射面法線21と、図2の紙面内で4つの感光体8A〜Dの軸を連ねた直線20と、が略並行である。この理由を説明する。
【0059】
感光体8Aに至る光ビームLAの光路をE−G−I−K−M、感光体8Dに至る光ビームLDの光路をE−F−H−J−Lとすると、シリンドリカルミラー6以降の光路構成を4本の光ビームで同一にするには、光路長EGと光路長EFとが等しくなることが必要である。この場合、入射角と反射角は等しくなければならないから、平面ミラー5Aの反射面法線は二等辺三角形EFGの底辺FGに平行となる。また、光路分割後の光路レイアウトは4本で同一であるから、FGは上記の直線20に平行である。すなわち、平面ミラー(光路分割ミラー)5の反射面法線21と感光体8A〜Dの回転軸を連ねた直線20とが平行であることが、複数光ビームの光路構成と光路長とを同時に同一とするための条件である。
【0060】
また、光路E−G−I−K−Mは、光ビームが必ず上方に向かう光路折り返しを行い、光ビームが交差しないようにする。これは、同一光路構成の4本の光ビームを近接してレイアウト可能とするためである。光路同士を交差させないことで、図2に示すように感光体ピッチを詰めた4つの感光体8A〜Dへそれぞれ向かう4本の光ビームLA、LB、LC、LDを相互に干渉させずに光ビームの光路をレイアウトできる。
【0061】
以下、図1及び図2を参照して、4本の光ビームを一括して反射する平面ミラー4と、光路分割を行う平面ミラー5との配置により、感光体位置および感光体ピッチが調整可能となり、画像形成装置の光路レイアウト自由度が高められる理由を説明する。
【0062】
まず、平面ミラー4を偏向器11から遠ざける方向に移動させると、平面ミラー5以降の光路は、平面ミラー4の移動量の略2倍だけ、偏向器11から遠ざかる方向に移動する。このように、4本光ビームを一括して反射する平面ミラー4を移動することで、偏向器11と感光体8との相対的な位置関係を調整できる。
【0063】
次に、平面ミラー5を一定量移動させると、感光体照射位置は回転軸を連ねた直線上を平面ミラー5の移動量の略2倍移動する。これにより光路構成を同一としたまま、感光体ピッチを伸縮したり、単一の感光体のみ非等間隔に配置するなどの調節が可能である。
【0064】
次に、カラーレジ維持性を向上するための偏向器への入射光学系構成について説明する。
【0065】
図3は、偏向器への入射光学系の構成を示した図である。(A)は副走査断面を、(B)は主走査断面を示した図である。
【0066】
まず副走査方向の結像関係について説明する。光源29は、4つの発光点30A、30B、30C、30Dを1チップ上に備えたマルチスポットレーザである。4つの発光点は、副走査対応方向の一直線上に配列されている。発光点30から射出したレーザビームは、コリメータレンズ31により平行な光ビームとされ、コリメータレンズ31の焦点位置に向かって進む。4本の光ビームが交差するコリメータレンズ31の焦点位置には、光束幅を規制するためのアパーチャ32が配置されている。コリメータレンズ31の焦点位置を通過した光ビームは、凹球面レンズ33、副走査方向にパワーを有する凸シリンドリカルレンズ34、主走査方向にパワーを有する凸シリンドリカルレンズ35を通過したのち、主光線が緩やかに発散する4本の光ビームとして、ポリゴンミラー2の反射面に入射する。
【0067】
次に主走査方向の結像関係について説明する。4つの発光点30A〜Dは、すべて光学系の光軸上に配置されている。発光点30から射出した光ビームは、コリメータレンズ31により平行な光ビームとされたあと、アパーチャ32により光束幅を規制され、凹球面レンズ33、副走査方向にパワーを有する凸シリンドリカルレンズ34、主走査方向にパワーを有する凸シリンドリカルレンズ35を通過して平行な光ビームとなってポリゴンミラー2の反射面に入射する。図3(B)の構成では、ポリゴンミラー反射面の面幅よりも入射する光ビーム幅のほうが大きくなっている。この場合、ポリゴンミラーの回転にともない、場所を変えながら入射ビームを部分的に反射するオーバーフィルド方式の光学系を構成できるので、ポリゴンミラーを小径(内接円直径φ19)で多面(12面)にすることが可能となり、偏向器11の負荷を軽減し、カラーレジずれの悪化要因となる振動や発熱を抑制することができる。
【0068】
このように、入射光学系は、同一チップ上の光源29から射出した4本の光ビームを、共通の光学部品でポリゴンミラー2の反射面へ導くので、4本の光ビームの振る舞いが揃い、カラーレジの維持が容易になる。
【0069】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る光ビーム走査装置110の構成を示す側面断面図である。第1実施形態との違いは、平面ミラー40、42を配置して、偏向器11から光路分割を行う平面ミラー5Aまでの光路上で光路を2度折り返していることである。
【0070】
これにより、走査光学系を筐体床面近傍まで下げることができるので、感光体8の位置を下げることができ、画像形成装置全体を小型化できる。また、感光体8の回転軸を連ねた直線20を斜めにした場合であっても、偏向器11の回転軸を重力方向と一致させることができるので、軸受が安定した状態で回転し、偏向器11の信頼性を損なうことがない。さらに、偏向器11の重力方向上方に光学部品を配置していないので、偏向器11から発生する熱によるカラーレジ変動を起こしにくい。
【0071】
ここでカラーレジの調整方法について説明する。カラーレジとして調整すべきものに、リードマージン、サイドマージン、BOW(走査線湾曲)、SKEW(走査線傾き)、倍率、倍率バランス(左右倍率差)がある。このうち、リードマージン、サイドマージンは、画像データの書き出しタイミングを調整して合わせる。光ビーム走査装置内でメカニカル調整を行うものは、BOWとSKEWである。
【0072】
BOWは、光路最終段に設けた平面ミラー7の走査方向湾曲量を調整して補正する。具体的な調整機構は後述する。
【0073】
SKEWは、平面ミラー7の上流に設けたシリンドリカルミラー6を、その母線を傾かせる方向に調整して補正する。一般オフィス用途であれば、必要なときのみ手動で調整するマニュアル調整機構でも良い。また、グラフィカルな出力を頻繁に行う用途の場合、ステッピングモータによりシリンドリカルミラーを傾かせる。
【0074】
倍率は、画像データを伝送する周波数を変更したり(全倍率)、同時に周波数を1ライン内でスイープさせる(左右倍率差)ことで、電気的に補正可能である。メカニカル方式で行う場合、全倍率はミラーの反射面を光軸方向に前後させること、左右倍率差はミラーの片側のみを光軸方向に前後させることで調整可能である。
【0075】
図4に示した装置構成の場合、折返しミラー5、シリンドリカルミラー6、平面ミラー8の何れでも実装可能であるが、カラーレジの維持性を考慮すると、同一の光学部品に2つの調整項目を分担させないことが望ましい。また、図4に示した構成では、光路分割以降の光路構成が4ビームとも同一となっているので、カラーレジ調整の感度も同じであり、同一のアルゴリズムで安定したカラーレジ補正を行える。
【0076】
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態に係る光ビーム走査装置120の構成を示す側面断面図である。光学系の構成は第2実施形態と同じであるが、偏向器11と光学系とを光ビームの通過窓50を介して区画したことが異なる。これにより、偏向器11からの熱の影響を偏向ビームに与えず、カラーレジの維持性をさらに向上できる。
【0077】
図5では、2枚組fθレンズ3のうち偏向器11に近いfθレンズ3Aが区画された偏向器側にあるが、4本の光ビームが共通に使用するため、カラーレジずれには影響しない。ここで、光ビームの通過窓からの熱の放射を抑制するために、通過窓を密閉するウインドウを設けても良い。また、fθレンズ3Aの位置に熱遮蔽壁を設け、fθレンズ3Aにウインドウ機能を併せ持たせても良い。
【0078】
偏向器11の周囲を筐体外部から図示せぬファンにより空気を吹きつけて冷却すれば、偏向器11収容部分の雰囲気温度を上昇させず、偏向器11の信頼性が向上する。偏向器11上部を覆うカバー51を放熱性のよい板金とすれば、さらに確実に冷却可能となる。
【0079】
図6は、第3実施形態に係る光ビーム走査装置130の筐体構造を示す斜視図である。図5に示すように、筐体60の内部の光路は、床面から徐々に離れる方向に折り返されて感光体8へ向かう。また、光路構成の同一化を図っているため、同一寸法の光学部品が同一平面状に配置されることになり、光学部品を支持するために必要な筐体の両側壁面間距離は床面から階層的に広くなるので、図6に示すように、筐体60の両側の壁面を階段状に構成することが可能となる。壁面101は分割ミラー5を、壁面102はシリンドリカルミラー6を、壁面103は平面ミラー7をそれぞれ支持するために必要な壁面間距離に構成され、筐体60の壁面は階段状形状となり筐体60の剛性を向上できる。
【0080】
図7は、光ビーム走査装置130の光学部品実装状態を示す斜視図である。図6、図7に示すように、筐体60の両壁面は階段状に構成され、光学部品にとっては偏向器から遠ざかるに従い有効エリア(光ビームが走査する範囲)が広くなるので、階段状に設けられた基準面71、72に渡して光学部品を支持すれば良い。この構成では、各光学部品の長さは、光学的に必要な部分(有効エリア)に実装上必要な部分を加えた長さとなり、必要かつ十分な長さとなる。このため、光学部品を実装上の理由で不必要に長くすることがなく、低コスト化、長尺部品の振動(共振)によるバンディングの抑制が可能となる。
【0081】
図8は、第3実施形態に係る光ビーム走査装置の筐体構造の変形例を示す斜視図である。筐体310の内部の構造は図6に示した筐体60と同じである。筐体60との違いは、壁面302、303を床面位置まで延長し更に剛性を向上させていることである。
【0082】
図9は、図8に示す筐体310を床面側から見た平面図である。互いに対向する両壁面を三重壁91A、B、92A、B、93A、Bにすることで剛性を更に高めることができる。更に三重壁の壁間をリブ95で結んで格子状とすることで、振動による筐体の揺れ、振動伝播による光学部品の振動、熱による筐体310の変形を抑制する。
【0083】
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態に係る光ビーム走査装置140の構成を示す側面断面図である。光路の構成は、図1に示した第1実施形態の光ビーム走査装置100と同じである。図1との違いは、偏向器11を遮熱材からなる熱遮蔽部108で被ったことである。
【0084】
高速回転により発熱する偏向器11の周囲を熱遮蔽部108(例えば、熱伝導率が非常に小さい硬質発泡材)で囲むことで断熱し、温度変化による光路変動、筐体変形によるカラーレジずれを抑制する。
【0085】
図11は、図10に示した光ビーム走査装置140の変形例を示す側面断面図である。この変形例では、熱伝導率の低い硬質発泡材からなる固定板202を偏向器11と筐体200との間にのみ設けている。本実施形態でも、偏向器11の基板上に載置されるIC表面の熱を筐体200に伝えることを遮断できるので、筐体200の変形を小さくすることができる。
【0086】
[第5実施形態]
図12〜図14は、平面ミラーの湾曲量を変化させるBOW調整機構117を示す説明図である。このBOW調整機構117は、第1実施形態から第4実施形態に示した光ビーム走査装置の平面ミラー7に適用可能である。図12〜図14は、それぞれ、平面ミラー7の反射面111が凹面、平面、凸面になっている状態を示している。平面ミラー7のほぼ中央部の背面は、シャフト115に取り付けられたカム114で押圧されている。
【0087】
シャフト115の端部に設けられたノブ116を回すと、シャフト115に対して偏って取り付けられたカム114が回転し、シャフト115の軸から平面ミラー7の背面までの距離が変化し、基準支点112A、112Bで両端支持された平面ミラー7の湾曲量を変化させることができる。光ビームLは、光路を折り返すために、副走査方向に一定量の角度を持って入射するので、平面ミラー7の湾曲量が変化すると、走査線の湾曲量(BOW)が変化する。この機構を使い、規定の目標値に複数光ビームの湾曲量を調整したり、基準色となる光ビームの走査線湾曲に他の光ビームを合せ込むことでカラーレジを調整する。
【0088】
尚、カム115の回転により平面ミラー7を凹凸両方向に変化させるため、シャフト115の回転中心からカム114の平面ミラー側の端部までの距離が最短となった状態、すなわち図12の状態で、平面ミラー7の反射面111が凹面状態となるように、平面ミラー7の応力状態を設定しておく必要がある。これは、反射面111を支える基準支点112A、112Bに対して、平面ミラー7を挟んで反対側(背面側)で、且つ基準支点112A、112Bが形成するスパンの外側に設けた調整用支点113を突出させることで実現させることができる。
【0089】
さらに、本調整方式により、ミラー湾曲量調整機構の信頼性向上とバンディング抑制効果を両立できることを説明する。
【0090】
平面ミラー、特に感光体近くに配置される平面ミラーは、長尺となりやすく、偏向器を駆動するモータや外部から伝達する振動により共振を起こし、バンディングを発生させやすい。このため、従来は、ミラーを厚くしたり、裏面に錘を貼り付けるなどして共振を回避していた。共振に関しては、伝達される振動の周波数と平面ミラーの固有値がずれていれば良いので、ミラーを薄くしても良いが、低周波側には複数の振動が立っていることが多いため、ミラーを厚くして高周波側にシフトするのが普通である。しかし、このように平面ミラーの厚さを増すと部品コストのアップとなる。さらに、複数の光ビームを発する光ビーム走査装置では、複数光路のすべての平面ミラーにこの方法を適用すると装置全体のコストアップは大幅に大きくなる。
【0091】
一方、平面ミラーを湾曲させて走査線湾曲を調整することは知られているが、平面ミラーが厚いと変形量(調整量)を大きく取れない。調整量を大きくするとミラーが破壊するという信頼性上の問題があるためである。
【0092】
これらの問題を解決するため、本実施形態では、上記のように、予め凹湾曲させた平面ミラー7の背面中央部に偏心カム114を押圧し、偏心カム114に連設したシャフト115を回転させる。この構造では、振動の腹となる長尺ミラーの背面中央部に支持点ができるため、ミラーの振動を抑制できる。これにより、振動抑制目的で平面ミラー7を厚くする必要が無くなり、ミラー破壊を起こさずに調整量を大きくできるのである。さらに、本調整方式を適用する平面ミラー7は、必要かつ十分な長さに抑制されているので、より確実に振動によるバンディングを抑制できる。
【0093】
[第6実施形態]
本実施形態は、第3実施形態に係る光ビーム走査装置に比べ、光学部品を固定することについて更に工夫を加えた実施形態である。
【0094】
図15は、本実施形態で光学部品を固定することを説明する斜視図である。本実施形態は、平面ミラー7A〜Dの四本のミラーを固定部材300で固定している。固定部材300は硬質発泡材により形成されており、固定部材300は、矢印Z方向へ押下されることにより、本実施形態に係る光ビーム走査装置を構成する筐体200の内壁と略嵌合状態になる寸法にて成形されている。
【0095】
固定部材300は、各平面ミラー7の反射面を押圧するように形成された押圧部300A〜Dを一体的に有し、この面にて、ミラー7を筐体200のミラー載置部(図示せず)に固定する。固定部材自体の固定は、筐体200との嵌合のみの力により保持してもいいし、別途ネジ等で固定してもよい。
【0096】
本実施形態により、通常、1の光学部品に2以上設けていた保持部材を大幅に削減することができ、低コスト化を達成できる。また、固定部材300を硬質発泡材とすることで、容易に、成型により所望の形状にすることが可能となり、更に、振動吸収性能にも優れることより、輸送振動衝撃による光学部品のずれによる光ビームの光路変動も抑制できる。
【0097】
[第7実施形態]
本実施形態は、第6実施形態に比べ、図16に示すように、固定部材300を筐体200に取り付けた後、カバー部材400を取り付けた形態である。本実施形態では、カバー部材400で固定部材300を押圧し、カバー部材400を筐体200に対して固定することにより固定部材300を挟持している。
【0098】
これにより、筐体200内のゾーンの密閉度が向上し、偏向器の高速回転による騒音、ビビリ音の減少に大きな効果があり、また、周辺からの装置内部へのゴミ等の流入も防止できる。
【0099】
[第8実施形態]
本実施形態は、第7実施形態に比べ、図17に示すように、固定部材300の上側外周部に短い縁部452を形成した固定部材450を、固定部材300に代えて設けている。固定部材450は硬質発泡材からなる。また、固定部材450の上側に取付けられるカバー部材460の寸法は、縁部452の上側を覆って密閉状態にすることができるように、第7実施形態で説明したカバー部材400よりも若干大きめにされている。
【0100】
このように、固定部材450を断面L字状にすることで、筐体200−固定部材450−カバー部材460のサンドイッチ構造にでき、平面ミラー7等の光学部材が収容されているゾーンの密閉性を更に上げるとともに、騒音防止、防塵の更なる効果を奏することができる。
【0101】
尚、これらの実施形態では、結像特性を有する光学部品としてシリンドリカルミラーについて説明したが、透過型のレンズを複数光路の同一位置に配置しても良い。
【0102】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、単一の筐体内にレイアウトされた複数光ビームの光路構成を同一にすることで、温度変化や振動による各光ビームの挙動を同じくし、カラーレジの維持性に優れた光ビーム走査装置を提供できる。
【0104】
また、光路折り返しの条件を満たすことにとより、複数光路の同一性を維持したまま、光ビーム走査装置の小型化と画像形成装置内での光ビーム走査装置レイアウトの自由度を持つ光ビーム走査装置を提供できる。
【0105】
更に、偏向器から感光体までの光路に加え、光源から偏向器までの光路も同一構成とすることで、よりカラーレジの維持性に優れた光ビーム走査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【図2】 第1実施形態に係る光ビーム走査装置で、光路分割後の光路構成が同一であり、且つ光路長が同一となるための条件を説明するための模式図である。
【図3】 第1実施形態に係る光ビーム走査装置の偏向器への入射光学系の構成を示した図であり、(A)は副走査断面を、(B)は主走査断面を示した図である。
【図4】 第2実施形態に係る光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【図5】 第3実施形態に係る光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【図6】 第3実施形態に係る光ビーム走査装置の筐体構造を示す斜視図である。
【図7】 第3実施形態に係る光ビーム走査装置の光学部品実装状態を示す斜視図である。
【図8】 第3実施形態に係る光ビーム走査装置の筐体構造の変形例を示す斜視図である。
【図9】 図8に示した筐体を床面側から見た平面図である。
【図10】 第4実施形態に係る光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【図11】 図10に示した光ビーム走査装置の変形例を示す側面断面図である。
【図12】 図12(A)及び(B)は、それぞれ、第5実施形態で、平面ミラーの湾曲量を変化させるBOW調整機構の構成を示す側面断面図及び平面図である。
【図13】 図13(A)及び(B)は、それぞれ、第5実施形態で、平面ミラーの湾曲量を変化させるBOW調整機構の構成を示す側面断面図及び平面図である。
【図14】 図14(A)及び(B)は、それぞれ、第5実施形態で、平面ミラーの湾曲量を変化させるBOW調整機構の構成を示す側面断面図及び平面図である。
【図15】 第6実施形態で光学部品を固定することを説明する斜視図である。
【図16】 第7実施形態で光学部品を固定することを説明する斜視図である。
【図17】 第8実施形態で、光学部品を収容するゾーンの密閉性を高めたことを示す断面図である。
【図18】 特開2001−33720号公報に記載の光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【図19】 特開2002−144633号公報に記載の光ビーム走査装置の構成を示す側面断面図である。
【符号の説明】
4 平面ミラー(共通平面ミラー)
5A〜D 平面ミラー
6A〜D シリンドリカルミラー
7A〜D 平面ミラー(光学部品)
8A〜D 感光体
10 筐体
11 偏向器
21 反射面法線
20 直線
29 光源
40 平面ミラー(共通平面ミラー)
42 平面ミラー(共通平面ミラー)
50 通過窓
60 筐体
100 光ビーム走査装置
101 壁面
102 壁面
103 壁面
108 熱遮蔽部(熱遮蔽壁)
110 光ビーム走査装置
114 カム(偏心カム)
117 BOW調整機構(アライメント調整機構)
120 光ビーム走査装置
130 光ビーム走査装置
140 光ビーム走査装置
200 筐体
202 固定板(遮熱部材)
310 筐体
302 壁面
303 壁面
300 固定部材
450 固定部材
758 平面ミラー
755 平面ミラー
752 平面ミラー
811 偏向器
820A〜D 感光体
1000 筐体
1030A〜D 折り返しミラー
1120A〜D 感光体

Claims (13)

  1. 単一の筐体内に単一の偏向器を備え、光源から射出された複数の光ビームを前記偏向器により偏向し、偏向された複数の光ビームを光ビーム毎に別々の平面ミラーで別々の光路へ導く光路分割を行って複数の感光体へそれぞれ導く光ビーム走査装置において、
    前記偏向器で偏向された複数の光ビームの各光路上に配置される、前記平面ミラーと、副走査方向にパワーを有するシリンドリカルミラーと、の配置順を全て同一にして、前記平面ミラー及び前記シリンドリカルミラーで導かれて前記複数の感光体へ至る光路上でそれぞれ2回以上の同一回数で光ビームを反射する構造にし、かつ、対応する反射角度を各光ビームでほぼ同一にし、
    前記偏向器の回転軸を含む副走査断面内で、光路分割された光ビームの隣接する光路が互いに平行かつ等間隔であるとともに、
    前記偏向器の回転軸を含む副走査断面内で、光路分割を行う前記平面ミラーの反射面法線と、前記複数の感光体の回転軸を連ねた直線と、が略平行であることを特徴とする光ビーム走査装置。
  2. 前記偏向器と、光路分割を行う前記平面ミラーと、の間に複数の光ビームを共通に反射する共通平面ミラーを有することを特徴とする請求項1記載の光ビーム走査装置。
  3. 光路分割を行う前記平面ミラーと、前記複数の感光体と、の各間に、前記シリンドリカルミラーをそれぞれ配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の光ビーム走査装置。
  4. 前記光源がマルチスポット光源であり、射出された複数の光ビームが、共通の光学系により副走査方向の主光線間隔を発散状態として前記偏向器に入射することを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1項記載の光ビーム走査装置。
  5. 前記偏向器を筐体の床面に配設し、偏向された複数の光ビームを床面と対向する筐体開放側に射出するとともに、前記平面ミラーおよび前記シリンドリカルミラーの支持位置を前記床面に連設された互いに対向する両壁面とし、両壁面間距離を床面から筐体開放側に向かって徐々に広げる筐体構造としたことを特徴とする請求項4記載の光ビーム走査装置。
  6. 光路分割されたあとの光ビームの光路を前記偏向器の重力方向上方に配置しないことを特徴とする請求項5記載の光ビーム走査装置。
  7. 光ビームの通過窓を設けた熱遮蔽壁で前記偏向器を区画したことを特徴とする請求項5又は6記載の光ビーム走査装置。
  8. 前記偏向器を載置又は包囲する部分のみ遮熱部材で構成したことを特徴とする請求項5乃至7のうち何れか1項記載の光ビーム走査装置。
  9. 前記遮熱部材が硬質発泡材からなることを特徴とする請求項8記載の光ビーム走査装置。
  10. 光路分割後の各光路上に光ビームのアライメント調整機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか1項記載の光ビーム走査装置。
  11. 前記アライメント調整機構は、光路上の最終段に配設された平面ミラーと、該平面ミラーを予め一定量湾曲させた状態でミラー背面の中央付近を押圧する偏心カムと、を備え、
    該偏心カムを回転させることで該平面ミラーの湾曲量を変化させ、光ビームの走査線湾曲を調整することを特徴とする請求項10記載の光ビーム走査装置。
  12. 複数の光学部品を同時に前記筐体に固定支持する固定部材を備えていることを特徴とする請求項5乃至11のうち何れか1項記載の光ビーム走査装置。
  13. 前記固定部材が硬質発泡材からなることを特徴とする請求項12記載の光ビーム走査装置。
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