JP4474788B2 - ダブルデッキエレベータのかご間隔調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも2台のかご室を上下に連結して昇降路内を走行移動するダブルデッキエレベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建物の大規模化、高層化が進み、その輸送力を向上させるために、ダブルデッキエレベータが提案されている。このダブルデッキエレベータは、図2に示すように一つの昇降路1内を通常連結した2台のかご室2,3を同時昇降させるもので、そのかご間隔を適切に定めれば、異なる階床に同時にサービスできるため、大幅に輸送力を増加させることができるものである。
【0003】
図3に示すように、例えば上かご2をかご枠10に対し移動自在に設け、図2に示すような階床間距離が異なる場合にも対応できるようにすれば良い。
【0004】
ここで、11は例えば油圧ジャッキからなる駆動装置で、上かご2をかご枠10に沿って上下方向に移動自在に構成し、上下かごの間隔を調整するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなかご間隔調整装置では、十分な長さのプランジャ寸法を持つ油圧ジャッキを設置するスペースが上下方向に必要で、かご枠10自体がかなり大型になってしまう。又、上かごの自重およびこれに積載される荷重に打ち勝つだけのパワーや強度が不可欠であるなどの多くの問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、強度上の制約が少なく、省エネや省スペースの要件も簡単に達成できるかご間隔調整装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、昇降路内を昇降するかご枠内に上かごと下かごとを備え、一側が前記上かごに連結され他側が前記下かごに連結された一対の索状体により、前記両かごの間隔を調整自在に構成したダブルデッキエレベータにおいて、駆動軸が垂直方向に配置された駆動装置を設け、前記駆動軸に設けられた回転体には前記索状体の一方が巻き掛けられるとともに、前記一方の索状体による前記回転体に作用する水平方向の力を打ち消す方向に前記索状体の他方を前記回転体に巻き掛けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、薄型駆動装置を利用するとともに、この駆動装置の駆動軸には上かごと下かごとのアンバランスによるねじりトルクのみが作用し、かご質量による荷重は相殺されるように構成するものである。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図面を用いて説明する。
図1は本発明に係るかご間隔調整装置全体を示す斜視図、図4は図1の部分拡大図、図5は薄型駆動装置の一例を示す拡大斜視図である。
【0010】
図中、図2および図3と同一符号のものは同一のものを示すが、20はかご枠10に水平状態で設置された本発明に係る薄型駆動装置で、例えばディスク型の電気モータ21とシーブ22が一体に構成され、駆動軸23が垂直方向に配置されている。
【0011】
31,32,33,34はかご枠10に回動自在に設けられたシーブ、41は一端が下かご3、他端が上かご2に取付けられたロープで、途中はシーブ31、薄型駆動装置20のシーブ22、シーブ32を介してつるべ状に連結され、42は一端が上かご2、他端が下かご3に取付けられたロープで、途中はシーブ33、駆動装置20のシーブ22、シーブ34を介してつるべ状に連結され、ちょうど上かご2と下かご3とのアンバランス負荷が薄型駆動装置20のシーブ22に対し、それぞれ逆向きに働いてシーブ22が恰も静止する如くに巻き掛けられている。したがって、駆動軸23には引張り荷重が作用することなく、電気モータ21によるトルク負荷のみが加わる構造になっている。又、当然ながら、ロープ41と42はお互いに干渉しないようにローピングされている。
【0012】
この駆動装置において、図4の矢印方向に回転されれば、ロープ41,42により上かご2が上昇、下かご3が下降してかご間隔が開く一方、反矢印方向に回転すればロープ41,42により今度は上かご2が下降、下かご3が上昇してかご間隔を狭める調整が自在にできるものである。
【0013】
以上の説明では、上かごと下かごとをロープ41,42で連結している例について述べているが、これはチェーンのような索状体であってもよく、シーブ31,32,33,34についても歯車のような回転体であってももちろんかまわない。
【0014】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、駆動装置を水平状態に配置し、上かごと下かごとを結ぶ索状体を二本用意して駆動軸への引張り荷重を打ち消すように配設しているため、駆動装置には余分な負荷が全く掛からず上下かごが移動する際に不可欠なトルクのみで済むので、軸径や軸受けサイズが小さくでき小型で設置スペースの小さなかご間隔調整装置を簡単に得ることができる。又、本発明に係る駆動装置に厚みの薄い薄型駆動装置を利用すれば、かご間隔に必要な寸法を最小のかご枠寸法で構成できるダブルデッキエレベータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るかご間隔調整装置全体を示す斜視図である。
【図2】通常のダブルデッキエレベータの全体図である。
【図3】従来のかご間隔調整装置を示す正面図である。
【図4】図1の部分拡大図である。
【図5】薄型駆動装置の一例を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 昇降路
2 上かご
3 下かご
10 かご枠
20 薄型駆動装置
21 電気モータ
22 駆動装置20のシーブ
23 駆動軸
31,32,33,34 シーブ
41,42 ロープ
Claims (3)
- 昇降路内を昇降するかご枠内に上かごと下かごとを備え、一側が前記上かごに連結され他側が前記下かごに連結された一対の索状体により、前記両かごの間隔を調整自在に構成したダブルデッキエレベータにおいて、
駆動軸が垂直方向に配置された駆動装置を設け、前記駆動軸に設けられた回転体には前記索状体の一方が巻き掛けられるとともに、前記一方の索状体による前記回転体に作用する水平方向の力を打ち消す方向に前記索状体の他方を前記回転体に巻き掛けたことを特徴とするダブルデッキエレベータのかご間隔調整装置。 - 前記駆動装置は、駆動軸方向の寸法が小さい薄型駆動装置であることを特徴とする請求項1に記載のダブルデッキエレベータのかご間隔調整装置。
- 前記索状体はロープ、前記回転体はシーブであることを特徴とする請求項1又は2に記載のダブルデッキエレベータのかご間隔調整装置。
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