JP4473424B2 - ナースコールシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチームナーシングに対応可能なナースコールシステムに係り、特にチームナーシングの機能を損なわずに、呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯の設定および制御を、ナースコール親機にて行うことができるナースコールシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、チームナーシングに対応可能なナースコールシステムとして、図2の回路ブロック図に示す構成のナースコールシステムが提案されている。
【0003】
同図に示すナースコールシステムにおいて、病室番号が101号室、102号室、・・・に予め割り当てられた病室内の各病床に設置される子機101a〜105a、101b〜105b、・・・には、当該病床の患者がナースセンター内の看護婦および(または)巡回中の看護婦に対して呼出しが必要とされる場合に押下する呼出ボタン、ここではチーム番号が第1〜第4チームに予め割り当てられた第1〜第4チーム呼出ボタン111a〜114a、111b〜114b、・・・、および各チーム共通として予め割り当てられたチーム共通呼出ボタン115a、115b、・・・がそれぞれ備えられている。また、子機101a〜105a、101b〜105b、・・・の第1〜第4チーム呼出ボタン111a〜114a、111b〜114b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン115a、115b、・・・には、病室(101号室、102号室、・・・)毎に設置される集合廊下灯120a、120b、・・・の呼出検出回路121a〜125a、121b〜125b、・・・をそれぞれ介してCPU(以下、廊下灯CPUと称す)126a、126b、・・・が接続されており、この廊下灯CPU126a、126b、・・・には、データ送受信回路127a、127b、・・・、幹線L101a、L101b、・・・をそれぞれ介して制御機130のデータ送受信回路131が接続されている。
【0004】
制御機130のデータ送受信回路131には、メモリ133に接続されたCPU(以下、制御機CPUと称す)132と、幹線L102を介してナースセンター内に設置されるナースコール親機140のデータ送受信路141と、幹線L103を介して方向表示制御機160のデータ送受信回路161と、幹線L104を介してハンディナース主装置190のデータ送受信回路191とがそれぞれ接続されている。
【0005】
ナースコール親機140のデータ送受信回路141には、CPU(以下、親機CPUと称す)142が接続されており、この親機CPU142には、子機選局ボタン143a、143b、・・・、子機表示LED144a、144b、・・・、第1〜第4チーム選択ボタン145a〜145d、設定ボタン146、登録ボタン147、確認ボタン148、取消ボタン149がそれぞれ接続されており、上述のボタンおよびLEDは、親機CPU142の制御により動作状態に対応して点灯、点滅、消灯するものである。
【0006】
方向表示制御機160のデータ送受信回路161には、CPU(以下、方向表示制御機CPUと称す)162が接続されており、この方向表示制御機CPU162には、左・上・下・右の各方向を設定するジャンパー線164a〜164dを備えた方向表示灯設定器163a〜163dと、コレクタに電源Vccが、エミッタに他端が基準電位点に接続されたリレー166a〜166dの一端がそれぞれ接続されたNPN型トランジスタ(以下、トランジスタと称す)165a〜165dのベースとがそれぞれ接続されている。また、方向表示制御機160には、上述のリレー166a〜166dの駆動/非駆動に連動して閉成/開成されるリレースイッチ167a〜167dが備えられており、このリレースイッチ167a〜167dの切換接点には電源Vccが、メイク接点には他端が基準電位点に接続された複数の方向表示灯、ここでは左・上・下・右の各方向の方向表示灯150a〜150dの一端がそれぞれ接続されている。
【0007】
ハンディナース主装置190のデータ送受信回路191には、CPU(以下、主装置CPUと称す)192が接続されており、この主装置CPU192には、データ送受信回路193、幹線L105を介してチーム毎に指定された巡回中の看護婦により携帯される複数のハンディナース子機170a〜170dをそれぞれ無線制御(呼出通報制御、通話制御等)するハンディナース基地局180が接続されている。
【0008】
このように構成されたナースコールシステムにおいて、呼出した病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者を受け容れる複数のハンディナース子機170a〜170dを、患者を受け持つチーム単位毎で設定する、即ち、チームナーシングの設定を行う、ここでは101号室内の子機101aが設置された病床の患者からの呼出しを、ハンディナース子機170aのみに通報させるよう設定するためには、先ずナースセンター内の看護婦がナースコール親機140の設定ボタン146を押下、例えば1回押下する。この操作を検出して待受状態から設定状態(以下、チームナーシング設定状態と称す)に移行された親機CPU142は、設定ボタン146を点灯させる。これを確認後、101号室内の子機101aに該当した子機選局ボタン143aを押下すると、この操作を検出した親機CPU142の制御により、101号室内の子機101aに該当した子機表示LED144aが点灯されるとともに第1〜第4チーム選択ボタン145a〜145dが全て点滅される。
【0009】
ここで、101号室内の子機101aが設置された病床の患者からの呼出しを通報させる当該ハンディナース子機を、ハンディナース子機170aに設定するためには、第1チームに該当したナースコール親機140の第1チーム選択ボタン145aを押下する。この操作を検出した親機CPU142は、点滅されている第1〜第4チーム選択ボタン145a〜145dのうち、第1チーム選択ボタン145aのみ点滅状態を保持させ、他のチーム選択ボタン145b〜145dについては消灯させるとともに登録ボタン147を点滅させる。これを確認後、登録ボタン147を押下すると、この操作を検出した親機CPU142は、101号室内の子機101aが設置された病床の患者から呼出された際の呼出元情報にハンディナース子機170aのみを呼出す登録情報(以下、チームナーシング登録情報と称す)を加えた呼出通報登録情報(以下、呼出通報登録情報データと称す)S101をデータ送受信回路141に送出し、この呼出通報登録情報データS101は、データ送受信回路141、幹線L102、制御機130のデータ送受信回路131、制御機CPU132を介してメモリ133に記憶されるとともに、親機CPU142の制御により、第1チーム選択ボタン145a、登録ボタン147が点灯され、かつ所定の時間、例えば2秒後には、点灯中の全てのボタン、LEDが消灯され、チームナーシング設定状態の当該親機CPUは待受状態に復旧する。
【0010】
尚、上述と同様な操作により、101号室内の子機102a〜105aが設置された病床の患者、102号室、・・・の子機101b〜105b、・・・が設置された病床の患者からの呼出しを通報させる当該ハンディナース子機を、チーム単位毎に設定することができる(詳述せず)。また、チームナーシングの設定内容を確認する操作、および取消す操作についての説明は省略する。
【0011】
次に、上述のようにチームナーシングが設定されている際、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者、ここでは101号室内の子機101aが設置された病床の患者がナースセンター内の看護婦および(または)ハンディナース子機170aを携帯した巡回中の看護婦に対して呼出しが必要とされ、第1チーム呼出ボタン111aを押下すると、この操作を検出した集合廊下灯120aの呼出検出回路121aから廊下灯CPU126aに(呼出元の)子機情報が送出される。廊下灯CPU126aは、呼出検出回路121aからの子機情報に101号室の病室情報を加えた呼出データS102をデータ送受信回路127aに送出し、この呼出データS102は、データ送受信回路127a、幹線L101a、制御機130のデータ送受信回路131を介して制御機CPU132に伝送される。
【0012】
制御機130の制御機CPU132は、集合廊下灯120aからの呼出データS102をなす病室情報、子機情報と、メモリ133に予め記憶されている呼出通報登録情報データS101をなす呼出元情報、チームナーシング登録情報とを照合し、病室情報、子機情報を含む呼出通報データS103aをデータ送受信回路131、幹線L102、ナースコール親機140のデータ送受信回路141を介して親機CPU142に、病室情報を含む呼出通報データS103bをデータ送受信回路131、幹線L103、方向表示制御機160のデータ送受信回路161を介して方向表示制御機CPU162に、病室情報、子機情報、およびチームナーシング登録情報を含む呼出通報データS103cをデータ送受信回路131、幹線L104、ハンディナース主装置190のデータ送受信回路191を介して主装置CPU192にそれぞれ送出する。
【0013】
ナースコール親機140の親機CPU142は、制御機130からの呼出通報データS103aをなす病室情報、子機情報をもとに、101号室内の子機101aが設置された病床の患者からの呼出しを検出し、この呼出しをナースセンター内の看護婦に通報するために、101号室内の子機101aに該当した子機表示LED144aを点滅させるとともに図示しない呼出通報機能を能動とし呼出音を鳴動させる。
【0014】
方向表示制御機160の方向表示制御機CPU162は、制御機130からの呼出通報データS103bをなす病室情報をもとに、呼出元に該当した方向表示灯設定器163aを制御する。ここで、方向表示灯設定器163aのジャンパー線164aが予め左方向に設定されていると、方向表示制御機CPU162の制御により左方向に該当したトランジスタ165aのみがオンされ、これに連動してリレー166aが駆動しリレースイッチ167aが閉成される。また、リレースイッチ167aの閉成により、左方向表示灯150aが点灯し呼出した101号室の方向が表示される。
【0015】
ハンディナース主装置190の主装置CPU192は、制御機130からの呼出通報データS103cを、データ送受信回路193、幹線L105を介してハンディナース基地局180に送出し、ハンディナース基地局180は、呼出通報データS103cをなすチームナーシング登録情報をもとに、複数のハンディナース子機170a〜170dのうち、ハンディナース子機170aにのみ呼出通報データS103cを無線伝送させる。
【0016】
ハンディナース子機170aは、ハンディナース基地局180からの呼出通報データS103cをなす病室情報、子機情報をもとに、101号室内の子機101aが設置された病床の患者からの呼出しを検出し、この呼出しを巡回中の看護婦に通報するために、図示しない呼出通報機能を能動とし呼出音を鳴動させるとともにモニタに呼出元情報を表示させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のナースコールシステムにおいて、呼出した病室(101号室、102号室、・・・)の方向を表示する複数の方向表示灯150a〜150dの設定および制御には、高価とされる方向表示制御機160が必要とされ施工コストが増大する難点があった。また、方向表示制御機160の方向表示灯設定器163a〜163dに備えられるジャンパー線164a〜164dは、施工業者により病室毎の設定が必要とされ、方向表示制御機160の設置場所に起因して非常に煩わしい作業となる難点があった。
【0018】
本発明は、上述の難点を解消するためになされたもので、チームナーシングの機能を損なわずに、呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯の設定および制御を、ナースコール親機にて行うことにより、方向表示制御機を不要としたナースコールシステムを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明によるナースコールシステムは、病室内の各病床に設置され呼出ボタンを備えた子機と、病室毎に設置され呼出ボタンの呼出しを検出する集合廊下灯と、呼出しが制御機を介して通報されるナースコール親機と、ナースコール親機に接続され呼出しに応じて呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯とを有するナースコールシステムであって、ナースコール親機には、複数の方向表示灯の点灯設定を行うCPUと、設定に移行するために押下される設定ボタンと、子機をそれぞれ選局するために押下される子機選局ボタンと、押下された子機選局ボタンに応じて点灯する子機表示LEDおよび複数の方向表示灯に対応して設置され点滅する方向表示ボタンと、子機からの呼出前における方向表示ボタンの押下を検出したCPUにより予め設定される方向表示灯を点滅させるための登録情報に、子機からの呼出前に押下された子機選局ボタンに該当する呼出元の子機の呼出元情報を加え、呼出通報登録情報として送信するデータ送信回路とを備え、制御機には、送信されてきた呼出通報登録情報を受信するデータ受信回路と、呼出通報登録情報を子機から呼出されたとき該当する方向表示灯を点灯させるように記憶するメモリとを備えたことを特徴としている。
【0020】
このようなナースコールシステムによれば、巡回中の看護婦が携帯する複数のハンディナース子機のうち、病室内の当該病床の患者が押下する子機の呼出ボタンからの呼出しを受け容れる当該ハンディナース子機をチーム単位毎で設定および制御するチームナーシングの機能を損なわずに、呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯を、子機の呼出ボタンからの呼出しが集合廊下灯、制御機を介して通報されるナースセンター内のナースコール親機にて設定および制御できる。これにより、複数の方向表示灯を設定および制御するための方向表示制御機が不要となり施工コストが抑制されるとともに、施工業者による作業の簡易化も図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるナースコールシステムを適用した好ましい形態の一実施例について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるナースコールシステムの構成を示す回路ブロック図であり、従来例と同様に病室番号が101号室、102号室、・・・に予め割り当てられた病室内の各病床に設置され、当該病床の患者がナースセンター内の看護婦および(または)巡回中の看護婦に対して呼出しが必要とされる場合に押下する呼出ボタン、ここではチーム番号が第1〜第4チームに予め割り当てられている第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、および各チーム共通として予め割り当てられているチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・が備えられた子機1a〜5a、1b〜5b、・・・と、病室(101号室、102号室、・・・)毎に設置され、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・の第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・からの呼出しを検出する集合廊下灯20a、20b、・・・と、当該ナースコールシステムを制御(システム制御)する制御機30と、ナースセンター内に設置され、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・の第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・からの呼出しが制御機30を介して通報(呼出通報)されるナースコール親機40と、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・の第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・からの呼出しに応じて、ナースコール親機40の制御により呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯、ここでは左・上・下・右の各方向を表示する方向表示灯60a〜60dと、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・の第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・からの呼出しが通報(呼出通報)されるとともに通話機能を備え、チーム毎に指定された巡回中の看護婦により携帯される複数のハンディナース子機70a〜70dと、複数のハンディナース子機70a〜70dをそれぞれ無線制御(呼出通報制御、通話制御等)するハンディナース基地局80と、ハンディナース基地局80を制御するハンディナース主装置90とで構成されている。尚、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・には、当該病床の患者が看護婦との通話を成立させる通話機能(図示、詳述せず)も備えられている。
【0023】
集合廊下灯20a、20b、・・・はそれぞれ同様な構成であり、子機1a〜5a、1b〜5bの第1〜第4チーム呼出ボタン11a〜14a、11b〜14b、・・・、およびチーム共通呼出ボタン15a、15b、・・・の押下をそれぞれ検出する呼出検出回路21a〜25a、21b〜25b、・・・と、当該集合廊下灯を制御するCPU(以下、廊下灯CPUと称す)26a、26b、・・・と、幹線L1a、L1b、・・・をそれぞれ介して後述する制御機30のデータ送受信回路31との間の信号伝送路を形成し諸データ(後述)を送受信するデータ送受信回路27a、27b、・・・とが備えられている。尚、集合廊下灯20a、20b、・・・には、呼出表示機能、通話制御機能(図示、詳述せず)も備えられている。
【0024】
制御機30には、幹線L1a、L1b、・・・をそれぞれ介して集合廊下灯20a、20b、・・・のデータ送受信回路27a、27b、・・・、幹線L2を介して後述するナースコール親機40のデータ送受信回路41、および幹線L3を介して後述するハンディナース主装置90のデータ送受信回路91との間の信号伝送路をそれぞれ形成し諸データ(後述)を送受信するデータ送受信回路31と、当該制御機を制御するCPU(以下、制御機CPUと称す)32と、制御機CPU32に接続され、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者からの呼出しを受け容れる複数のハンディナース子機70a〜70dをチーム単位毎に設定するための呼出通報登録情報、呼出した病室の方向を表示する左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dを点灯させるための呼出通報登録情報がそれぞれ記憶されるメモリ33とが備えられている。
【0025】
ナースコール親機40には、幹線L2を介して制御機30のデータ送受信回路31との間の信号伝送路を形成し諸データ(後述)を送受信するデータ送受信回路41と、当該ナースコール親機を制御するCPU(以下、親機CPUと称す)42と、子機1a〜5a、1b〜5b、・・・をそれぞれ選局するために押下される子機選局ボタン43a、43b、・・・と、押下された当該子機選局ボタンに対応して点灯するとともに呼出表示のために点滅する子機表示LED44a、44b、・・・と、左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dに対応して設置され点滅する左・上・下・右の各方向の方向表示ボタン45a〜45dと、各チーム(第1〜第4)を選択するために押下される第1〜第4チーム選択ボタン46a〜46dと、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者からの呼出しを受け容れる複数のハンディナース子機70a〜70dをチーム単位毎に設定する、または左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dを病室毎に設定するために押下される設定ボタン47と、複数のハンディナース子機70a〜70dおよび左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dの設定内容を登録する、確認する、取消すためにそれぞれ押下される登録ボタン48、確認ボタン49、取消ボタン50と、左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dに対応して設置され、親機CPU42の制御によりオン/オフされるNPN型トランジスタ(以下、第1のトランジスタと称す)51a〜51d、第1のトランジスタ51a〜51dに連動してオン/オフされリレー53a〜53dを駆動/非駆動させるPNP型トランジスタ(以下、第2のトランジスタと称す)52a〜52d、リレー53a〜53d、リレー53a〜53dの駆動により点灯される左・上・下・右の各方向の方向表示LED54a〜54d、リレー35a〜35dの駆動/非駆動に連動して閉成/開成されるリレースイッチ55a〜55dとが備えられている。また、ベースが親機CPU42に接続された第1のトランジスタ51a〜51dのコレクタには第2のトランジスタ52a〜52dのベースが、エミッタには基準電位点がそれぞれ接続されている。また、エミッタが電源Vccに接続された第2のトランジスタ52a〜52dのコレクタには、他端が基準電位点に接続されたリレー53a〜53dの一端と、抵抗(符号付与せず)を介して他端が基準電位点に接続された左・上・下・右の各方向の方向表示LED54a〜54dの一端とがそれぞれ接続されている。また、切換接点が電源Vccに接続されたリレースイッチ55a〜55dのメイク接点には、他端が基準電位点に接続された左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dの一端がそれぞれ接続されている。さらに、子機選局ボタン43a、43b、・・・、子機表示LED44a、44b、・・・、左・上・下・右の各方向の方向表示ボタン45a〜45d、第1〜第4チーム選択ボタン46a〜46d、設定ボタン47、登録ボタン48、確認ボタン49、取消ボタン50は、親機CPU42にそれぞれ接続され、当該親機CPUの制御により動作状態に対応して点灯、点滅、消灯するものである。尚、ナースコール親機40には、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者からの呼出しを音声(呼出音)の鳴動により通報する呼出通報機能(図示、詳述せず)、看護婦が呼出した当該病床の患者との通話を成立させるための通話機能(図示、詳述せず)も備えられている。
【0026】
ハンディナース主装置90には、幹線L3を介して制御機30のデータ送受信回路31との間の信号伝送路を形成し諸データ(後述)を送受信するデータ送受信回路91と、当該ハンディナース主装置を制御するCPU(以下、主装置CPUと称す)92と、幹線L4を介してハンディナース基地局80との間の信号伝送路を形成し諸データ(後述)を送受信するデータ送受信回路93とが備えられている。
【0027】
このように構成された本発明の一実施例によるナースコールシステムにおいて、以下、その動作について説明する。尚、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者からの呼出しを受け容れる複数のハンディナース子機70a〜70dをチーム単位毎に設定する動作についての説明は、従来例と同様であることから省略し、設定された呼出通報登録情報は、制御機30のメモリ33に予め記憶されているものとする。
【0028】
呼出した病室(101号室、102号室、・・・)の方向を表示する左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dを、チームナーシングの機能を損なわずに設定する、ここでは101号室内の子機1aが設置された病床の患者からの呼出しの際に101号室の方向を表示する当該方向表示灯を左方向表示灯60aに設定するためには、先ずナースセンター内の看護婦がナースコール親機40の設定ボタン47を所定の時間継続して押下、例えば2秒間継続して押下する。この操作を検出して待受状態から設定状態(以下、方向表示灯設定状態と称す)に移行された親機CPU42は、設定ボタン47を点滅させる。これを確認後、101号室内の子機1aに該当した子機選局ボタン43aを押下すると、この操作を検出した親機CPU42の制御により、101号室内の子機1aに該当した子機表示LED44aが点灯されるとともに左・上・下・右の各方向の方向表示ボタン45a〜45dが全て点滅される。
【0029】
ここで、呼出した101号室の方向を表示させる当該方向表示灯を、左方向表示灯60aに設定するためには、左方向に該当したナースコール親機40の左方向表示ボタン45aを押下する。この操作を検出した親機CPU42は、点滅されている左・上・下・右の各方向の方向表示ボタン45a〜45dのうち、左方向表示ボタン45aのみ点滅状態を保持させ、他の方向の方向表示ボタン45b〜45dについては消灯させるとともに登録ボタン48を点滅させる。これを確認後、登録ボタン48を押下すると、この操作を検出した親機CPU42は、101号室内の子機1aが設置された病床の患者から呼出された際の呼出元情報に左方向表示灯60aのみを点灯させる登録情報(以下、方向表示灯登録情報と称す)を加えた呼出通報登録情報(以下、呼出通報登録情報データと称す)S1をデータ送受信回路41に送出し、この呼出通報登録情報データS1は、データ送受信回路41、幹線L2、制御機30のデータ送受信回路31、制御機CPU32を介してメモリ33に記憶されるとともに、親機CPU42の制御により、左方向表示ボタン45a、登録ボタン48が点灯され、かつ所定の時間、例えば2秒後には、点灯中の全てのボタン、LEDが消灯され、方向表示灯設定状態の当該親機CPUは待受状態に復旧する。
【0030】
尚、上述と同様な設定操作により、他の病室(102号室、・・・)内の当該病床の患者からの呼出しの際に病室の方向を表示する当該方向表示灯を、上・下・右の各方向の方向表示灯60b〜60dにそれぞれ設定することができる(詳述せず)。また、左・上・下・右の各方向の方向表示灯60b〜60dの設定内容を確認する操作、および取消す操作についての説明は省略する。
【0031】
次に、上述のように呼出した病室(101号室、102号室、・・・)の方向を表示する左・上・下・右の各方向の方向表示灯60a〜60dが設定され、かつ従来例のようにチームナーシングが設定されている際、病室(101号室、102号室、・・・)内の当該病床の患者のうち、ここでは101号室内の子機1aが設置された病床の患者がナースセンター内の看護婦および(または)ハンディナース子機70aを携帯した巡回中の看護婦に対して呼出しが必要とされ、第1チーム呼出ボタン11aを押下すると、この操作を検出した集合廊下灯20aの呼出検出回路21aから廊下灯CPU26aに(呼出元の)子機情報が送出される。廊下灯CPU26aは、呼出検出回路21aからの子機情報に101号室の病室情報を加えた呼出データS2をデータ送受信回路27aに送出し、この呼出データS2は、データ送受信回路27a、幹線L1a、制御機30のデータ送受信回路31を介して制御機CPU32に伝送される。
【0032】
制御機30の制御機CPU32は、集合廊下灯20aからの呼出データS2をなす病室情報、子機情報と、メモリ33に予め記憶されている呼出通報登録情報データS1をなす呼出元情報、方向表示灯登録情報、およびチームナーシング設定の際の当該呼出通報登録情報データをなす呼出元情報、チームナーシング登録情報とを照合し、病室情報、子機情報、および方向表示灯登録情報を含む呼出通報データS3aをデータ送受信回路31、幹線L2、ナースコール親機40のデータ送受信回路41を介して親機CPU42に、病室情報、子機情報、およびチームナーシング登録情報を含む呼出通報データS3bをデータ送受信回路31、幹線L3、ハンディナース主装置90のデータ送受信回路91を介して主装置CPU92にそれぞれ送出する。
【0033】
ナースコール親機40の親機CPU42は、制御機30からの呼出通報データS3aをなす病室情報、子機情報をもとに、101号室内の子機1aが設置された病床の患者からの呼出しを検出し、この呼出しをナースセンター内の看護婦に通報するために、101号室内の子機1aに該当した子機表示LED44aを点滅させるとともに図示しない呼出通報機能を能動とし呼出音を鳴動させ、かつ呼出通報データS3aをなす方向表示灯登録情報に該当した第1のトランジスタ51aのみオンとする。また、第1のトランジスタ51aがオンされることにより第2のトランジスタ52aがオンとなり、これに連動してリレー53aが駆動しリレースイッチ55aが閉成されるとともに、左方向表示LED54aが点灯し呼出した101号室の方向が表示される。さらに、リレースイッチ55aの閉成により、左方向表示灯60aが点灯し呼出した101号室の方向が表示される。これにより、呼出した病室の方向を確認する看護婦の視認性および利便性が向上されることに起因して迅速な対応が可能となる。
【0034】
ハンディナース主装置90の主装置CPU92は、制御機30からの呼出通報データS3bを、データ送受信回路93、幹線L4を介してハンディナース基地局80に送出し、ハンディナース基地局80は、呼出通報データS3bをなすチームナーシング登録情報をもとに、複数のハンディナース子機70a〜70dのうち、ハンディナース子機70aにのみ呼出通報データS3bを無線伝送させる。
【0035】
ハンディナース子機70aは、ハンディナース基地局80からの呼出通報データS3bをなす病室情報、子機情報をもとに、101号室内の子機1aが設置された病床の患者からの呼出しを検出し、この呼出しを巡回中の看護婦に通報するために、図示しない呼出通報機能を能動とし呼出音を鳴動させるとともにモニタに呼出元情報を表示させる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のナースコールシステムによれば、巡回中の看護婦が携帯する複数のハンディナース子機のうち、病室内の当該病床の患者が押下する子機の呼出ボタンからの呼出しを受け容れる当該ハンディナース子機をチーム単位毎で設定および制御するチームナーシングの機能を損なわずに、呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯を、子機の呼出ボタンからの呼出しが集合廊下灯、制御機を介して通報されるナースセンター内のナースコール親機にて設定および制御できる。これにより、複数の方向表示灯を設定および制御するための方向表示制御機が不要となり施工コストが抑制されるとともに、施工業者による作業の簡易化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるナースコールシステムの構成を示す回路ブロック図である。
【図2】 従来のナースコールシステムの構成を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
1a〜5a、1b〜5b、・・・ ……子機
11a〜15a、11b〜15b、・・・ ……呼出ボタン
20a、20b、・・・ ……集合廊下灯
30……制御機
31……データ受信回路(データ送受信回路)
33……メモリ
40……ナースコール親機
41……データ送信回路(データ送受信回路)
42……CPU
43a、43b、・・・ ……子機選局ボタン
44a、44b、・・・ ……子機表示LED
45a〜45d……方向表示ボタン
47……設定ボタン
60a〜60d……複数の方向表示灯

Claims (1)

  1. 病室内の各病床に設置され呼出ボタン(11a〜15a、11b〜15b、・・・)を備えた子機(1a〜5a、1b〜5b、・・・)と、前記病室毎に設置され前記呼出ボタンの呼出しを検出する集合廊下灯(20a、20b、・・・)と、前記呼出しが制御機(30)を介して通報されるナースコール親機(40)と、前記ナースコール親機に接続され前記呼出しに応じて呼出した病室の方向を表示する複数の方向表示灯(60a〜60d)とを有するナースコールシステムであって、
    前記ナースコール親機には、前記複数の方向表示灯の点灯設定を行うCPU(42)と、前記設定に移行するために押下される設定ボタン(47)と、前記子機をそれぞれ選局するために押下される子機選局ボタン(43a、43b、・・・)と、押下された前記子機選局ボタンに応じて点灯する子機表示LED(44a、44b、・・・)および前記複数の方向表示灯に対応して設置され点滅する方向表示ボタン(45a〜45d)と、前記子機からの呼出前における前記方向表示ボタンの押下を検出した前記CPUにより予め設定される前記方向表示灯を点灯させるための登録情報に、前記子機からの呼出前に押下された前記子機選局ボタンに該当する呼出元の前記子機の呼出元情報を加え、呼出通報登録情報として送信するデータ送信回路(41)とを備え、
    前記制御機には、送信されてきた前記呼出通報登録情報を受信するデータ受信回路(31)と、前記呼出通報登録情報を前記子機から呼出されたとき該当する方向表示灯を点灯させるように記憶するメモリ(33)とを備えたことを特徴とするナースコールシステム。
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