JP4472938B2 - 塗装乾燥炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の車体の塗装ライン等に用いられるトンネル式の塗装乾燥炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の塗装ラインに組み込まれる塗装乾燥炉(以下、単に乾燥炉と称す)は、輻射式乾燥炉と対流式乾燥炉とが組み合わされて構成されている。上記輻射式乾燥炉は、乾燥炉内に両側壁に沿って放熱ダクトが設けられ、該放熱ダクトに燃焼装置を通過させて昇温させた空気が導入されている。そして、輻射式乾燥炉は、乾燥炉内が放熱ダクトの放射熱(輻射熱)により昇温されて所要温度(塗料を乾燥させるのに適した温度)に維持されている。また、上記対流式乾燥炉は、乾燥炉内の一側壁に吹出しダクトが配置されると共に他側壁に吸気ダクトが配置され、吸気ダクトから吸い込まれた空気が燃焼装置により加熱されて吹出しダクトから乾燥炉内へ吹出される。そして、対流式乾燥炉は、輻射式乾燥炉と比較して熱効率が高い反面、乾燥炉内の空気が循環されるため、塗膜が未硬化の状態であると塗装面(車体の外観面)に空気中の塵埃が付着して車体に外観不良が生じる虞がある。
【0003】
従って、乾燥炉は、対流式乾燥炉と比較して熱効率が低いが車体の外観品質が確保される輻射式乾燥炉が乾燥炉の入口側に設置されている。そして、乾燥炉の出口側には対流式乾燥炉が設置され、対流式乾燥炉には塗膜が適度(塗装面に塵埃が付着しない程度)に乾燥された車体が搬入される。ところで、自動車の塗装に多く使用されている熱硬化性塗料は、所定温度以上を所定時間だけ保持することで硬化する。従って、乾燥炉は、複雑な形状の車体(塗装面)を均一に昇温させて部位による温度差を最小限に抑制することが必要となる。しかしながら、輻射式乾燥炉においては、放射ダクトと対向するフェンダパネル、ドアパネル等と、その他の部位、特にルーフ、フードパネル等とを比較すると、昇温速度に大きな差があり、車体全体を均一に昇温させるのが困難であった。
【0004】
そこで、車体を均一に昇温させる目的で、天井がアーチ状に形成された乾燥炉が特許文献1に記載されている。天井がアーチ状に形成された場合、乾燥炉は、乾燥炉内の無駄な容積が省かれて当該乾燥炉内の空気を乾燥に向けて効果的に循環させることができる。しかしながら、天井部分は、車体を懸持して塗装ライン上を搬送するハンガーとの干渉を回避させる必要があるため、車体から比較的離れた位置に配置されている。これにより、従来の乾燥炉は、乾燥炉内の乾燥炉幅方向中央に生じる上昇気流がアーチ状に形成された天井に沿って車体から離れた位置で下降され、乾燥用空気が車体の下側部分に効果的に供給することができなかった。特に、従来の乾燥炉は、ロッカーの下面の昇温速度が他の部位と比較して小さくなる傾向があり、車体の下部の昇温速度を高めて車体をより均一に昇温することが必要である。
【0005】
また、従来の乾燥炉は、内壁面が亜鉛めっき鋼鈑で形成されているため、内壁面に塗膜から蒸発した有機溶剤成分等がヤニ状になって付着する。そして、内壁面に付着したヤニ状の汚染物質が塗装面に付着した場合、車体に外観不良を引き起こす原因になるため、乾燥炉内の清掃を定期的に行う必要がある。しかしながら、ヤニ状の汚染物質は乾燥炉の内壁面にこびりついているため、その清掃には多大な時間と労力を要し、維持コストを増大させる要因になっていた。さらに、天井にこびりついたヤニ状の汚染物質を清掃するのは上を向いての作業となるため、作業者への負担が大きく改善が要望されていた。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録第2501427号公報(第3頁左欄18行目〜第4頁左欄9行目、第2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、車体(被乾燥物)が均一に昇温されると共に乾燥炉内の清掃が容易な塗装乾燥炉を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、塗膜を乾燥させるトンネル式の塗装乾燥炉であって、被乾燥物の下方である前記乾燥炉の底部に、所定温度の温水が所定流量で流下する流水パンが設けられる塗装乾燥炉において、該塗装乾燥炉は、輻射式乾燥炉と対流式乾燥炉とを有し、前記輻射式乾燥炉の出口側に前記対流式乾燥炉を接続し、前記輻射式乾燥炉の入口側から出口側へ温水が流下する第1流水パンと、前記対流式乾燥炉の出口側から入口側へ温水が流下する第2流水パンと、前記第1流水パンと前記第2流水パンとが接続され、かつ、前記輻射式乾燥炉と前記対流式乾燥炉との中間位置に配置される回収部と、を備えることを特徴とする
【0009】
従って、請求項1に記載の発明では、輻射式乾燥炉および対流式乾燥炉の床面に垂れ落とされた汚染物質が第1および第2流水パンを流下する温水により乾燥炉外へ搬送されて乾燥炉内がクリーンに保たれる。また、流水パンに所定温度の温水を所定流量で流下させることで、被乾燥物の下部が効率的に加熱されて被乾燥物全体を均一に昇温させることができる。そして、各乾燥炉の底部を流下した後の温水を回収部で回収し、回収された温水を浄水装置で浄水処理することで水洗工程で再利用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図2に本塗装乾燥炉3(以下、単に乾燥炉3と称す)の概略構成を示す。この図に示されるように、本乾燥炉3は、当該乾燥炉3の入口側(図2における紙面視右側)に本輻射式乾燥炉4が配置され、また乾燥炉3の出口側(図2における紙面視左側)には本対流式乾燥炉5が配置されている。そして、車体1(被乾燥物)は、搬送用ハンガ2で懸持された状態で、乾燥炉4,5内を図2における紙面視左方向へ所定速度で搬送されて、塗膜が乾燥して焼き付けられる構造になっている。図1に示すように、本輻射式乾燥炉4は、乾燥炉幅方向(図1における紙面視左右方向)両側に放熱ダクト6が配置され、該放熱ダクト6の放熱面6aにより乾燥炉4の内壁面のうち側部が形成されている。
【0011】
また、図1に示すように、本輻射式乾燥炉4は、天井7が乾燥炉幅方向(図1における紙面視左右方向)両側に分割された各天井パネルで構成され、各天井パネルが断面が弧状に形成されて天井全体でアーチ状に形成されている。また、各天井パネルは、各下端部が上記放熱ダクト6の上部にヒンジを介して接続され、該ヒンジの回りに回動可能な構造になっている。そして、本輻射式乾燥炉4は、乾燥炉4の内壁面の上部を形成する各天井パネルの内側面7aに弗素樹脂コーティング処理が施され、各天井パネルの内側面7aに付着するヤニ状の汚染物質が各天井パネルにこびりつくのが防止されている。なお、図2に示すように、各放熱ダクト6には熱風供給装置10により熱風が給排(循環)されている。また、図1に示すように、本輻射式乾燥炉4は、天井7の各天井パネルの内側面7aの上端部に、車体搬送方向(図1における紙面視方向)へ延びて断面が略三角形状に形成された返り部8が設けられている。
【0012】
これにより、本輻射式乾燥炉4は、乾燥炉内の乾燥炉幅方向(図1における紙面視左右方向)中央から天井7の各天井パネルに沿って各天井パネルの下端部へ向けて流れる気流が図1に示されるように方向転換され、車体1の側面に沿うように流れて車体1の下部に到達するように返り部8の返り角度θが設定されている。なお、本実施の形態においては、上記返り部8の返り角度θが28〜30度に設定されている。また、本輻射式乾燥炉4は、天井7の各天井パネルに設けられた各返り部8の各返り面8aの下流側端部に集塵フィルタ9が設けられている。これにより、本輻射式乾燥炉4は、各返り部8で方向転換された直後の気流が各集塵フィルタ9を通過して清浄化される構造になっている。また、図3に示すように、上記本対流式乾燥炉5は、乾燥炉幅方向(図3における紙面視左右方向)の一側(図3における紙面視右側)に乾燥炉内に開口された吸気ダクト11が設けられると共に他側(図3における紙面視左側)に乾燥炉内に開口された吹出しダクト12が設けられている。
【0013】
そして、図4に示すように、吸気ダクト11は開口部11aの奥に括れ部11bが形成されている。これにより、本対流式乾燥炉5は、吸気ダクト11の括れ部11bを流れる気流がノズル効果により加速されて開口部11aにおける気圧が大気圧と比較して低くなり、乾燥炉内の空気が吸気ダクト11へ円滑に導かれる構造になっている。また、本対流式乾燥炉5は、乾燥炉5の内壁面の上部を形成する天井13が乾燥炉幅方向(図3における紙面視左右方向)両側に分割された各天井パネルにより形成され、各天井パネルは断面が弧状に形成されて天井全体でアーチ状に形成されている。また、各天井パネルは、各下端部が乾燥炉5の内壁面の側部にヒンジを介して接続され、該ヒンジの回りに回動可能な構造になっている。そして、本対流式乾燥炉5は、吸気ダクト11から吸い込まれた乾燥炉内の空気が熱風供給装置10により所定温度に昇温されて再び吹出しダクト12から乾燥炉内へ吹出されている。
【0014】
これにより、本対流式乾燥炉5は、吹出しダクト12から吹出された空気がアーチ状に形成された天井13に沿って流れて、乾燥炉内に図3における紙面視で反時計回り方向に循環する気流が形成される構造になっている。なお、本対流式乾燥炉5は、各天井パネルの内側面13aに弗素樹脂コーティング処理が施され、各天井パネルの内側面13aに付着するヤニ状の汚染物質が各天井パネルにこびりつくのが防止されている。また、図2及び図5に示すように、本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の底部に車体搬送方向(図2における紙面視左右方向)へ延びる流水パン14が設置されている。そして、上記流水パン14には、温水ボイラにより所定温度(本実施の形態では約60℃)に昇温された水(温水)が所定流量(本実施の形態では毎分6リットル)で供給されている。
【0015】
また、本乾燥炉3は、流水パン14を流れる流水(温水)が、輻射式乾燥炉4の入口側から出口側へ向かう方向(図2における紙面視左方向)へ流下されると共に対流式乾燥炉5の出口側から入口側へ向かう方向(図2における紙面視右方向)へ流下されている。そして、本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の乾燥炉内を流下した後の温水が回収部16で回収され、回収された温水が浄水装置で浄水処理されて水洗工程で再利用される構造になっている。また、図6に示すように、上記流水パン14には底部14aに、アングル材で形成された突起15が当該流水パン14を流下する流水が流れる方向(図6における紙面視右方向)と直交する方向(図6における紙面視方向)に延設されると共に流水が流れる方向へ所定間隔で配置されている。
【0016】
そして、本乾燥炉3は、流水パン14を流下する流水(温水)が上記突起15を通過して流水に酸素が取り込まれることで流水が活性化される。これにより、本乾燥炉3は、回収部16で回収された汚濁水が浄水装置で水と汚染物質とに分離され易くなると共に水洗工程で再利用される水の洗浄能力が向上される構造になっている。なお、本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5から回収される水の流量が確認(目視)することができるように構成されている。
【0017】
次に、本実施の形態の作用を説明する。車体1の塗装ラインにおいては、車体1が搬送用ハンガ2(図1参照)で懸持された状態で、脱脂等の前処理が施された後に水洗処理される。そして、車体1は、水洗処理された後、電着塗装槽に浸漬されて電着塗装される。次に、電着塗装された車体1は、複数の水洗槽に順次浸漬されて付着した余分な電着液が洗い流された後、乾燥炉3の入口側に配置された本輻射式乾燥炉4の乾燥炉内へ搬送される。そして、図1に示すように、本輻射式乾燥炉4は、乾燥炉内の乾燥炉幅方向(図1における紙面視左右方向)中央に生じる上昇気流が乾燥炉幅方向両側へ分岐され、分岐された各気流が天井7の各天井パネルに設けられた各返り部8の各返り面8aに沿って方向転換する。各返り部8により方向転換された各気流は各集塵フィルタ9を通過して乾燥用空気が清浄化される。
【0018】
そして、本輻射式乾燥炉4は、清浄化された乾燥用空気(気流)が車体1(被乾燥物)の側部に沿って流れて車体1の下部に到達する。これにより、本輻射式乾燥炉4は、従来の乾燥炉において乾燥用空気(気流)を循環させるのが困難であった車体1の下部に乾燥用空気を循環させて車体1が均一に昇温される。さらに、本輻射式乾燥炉4は、車体1の下方に流水パン14が設置され、該流水パン14に所定温度(本実施の形態では60℃)の温水が所定流量(本実施の形態では毎分6リットル)で流下されている。これにより、本輻射式乾燥炉4は、車体1の下部がより効果的に昇温されて車体1がより均一に(部位による温度斑がなく)昇温される。また、本輻射式乾燥炉4は、車体1から垂れ落とされた電着液等の汚染物質が流水パン14(第1流水パン)を流下する流水により乾燥炉外へ搬出されて乾燥炉内がクリーンに保つことができる。そして、本輻射式乾燥炉4により適度(塗膜に塵埃が付着しない程度)に乾燥された車体1は、搬送用ハンガ2に懸持された状態で本輻射式乾燥炉4と連結された本対流式乾燥炉5の乾燥炉内へ搬送される。
【0019】
そして、本対流式乾燥炉5は、吸気ダクト11から吸い込まれた乾燥炉内の空気が熱風供給装置10で所定温度に昇温されて吹出しダクト12から再び乾燥炉内へ吹出される。これにより、本対流式乾燥炉5は、吹出しダクト12から吹出された乾燥用空気(熱風)が天井13のアーチ形状に沿って流れて、乾燥炉内に図3における紙面視で反時計回り方向へ循環する気流が形成される。これにより、本対流式乾燥炉5は、乾燥用空気が乾燥炉内を搬送される車体1の周囲を循環して車体1が均一に昇温される。さらに、本対流式乾燥炉5は、車体1の下方に流水パン14(第2流水パン)が設置され、該流水パン14に所定温度(本実施の形態では60℃)の温水が所定流量(本実施の形態では毎分6リットル)で流下されている。これにより、本対流式乾燥炉5は、車体1の下部がより効果的に昇温されて車体1がより均一に(部位による温度斑がなく)昇温される。また、本対流式乾燥炉5は、天井13から落下したヤニ状の汚染物質等が流水パン14を流下する流水により乾燥炉外へ搬出されて乾燥炉内がクリーンに保たれる。
【0020】
そして、車体1は、本対流式乾燥炉5の乾燥炉内を通過する過程で所定温度に昇温された状態が所定時間の間保持される。これにより、本対流式乾燥炉5は、車体1に塗装が均一(焼き斑がない状態)に焼き付けられる。一方、各乾燥炉4,5の流水パン14を流下する流水(温水)は流水パン14の底部14aに設置された突起15を通過することで、酸素が取り込まれて活性化される。そして、活性化された温水は回収部16で回収されて浄水装置で浄化処理された後、水洗工程で再利用される。また、本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の各天井7,13を開いて各天井7,13を清掃することで、作業が上を向いて行う清掃作業を廃止することができる。さらに、本乾燥炉3は、各天井7,13の各内側面7a,13aに弗素樹脂コーティング処理が施されているため、各内側面7a,13aにヤニ状の汚染物質がこびりつくことがなく、各内側面7a,13aに付着したヤニ状の汚染物質を容易に取り除くことができる。
【0021】
この実施の形態では以下の効果を奏する。
本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の天井7,13がアーチ状に形成されたので、各乾燥炉内の不要な容量が省かれて熱効率が向上し、各乾燥炉4,5のランニングコストを低減させることができる。さらに、本乾燥炉3は、乾燥用空気がアーチ状に形成された各天井7,13に沿って流れることで、各乾燥炉4,5の乾燥炉内に車体1の乾燥に向けて好適な気流を形成することが可能になる。
本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の各天井7,13が開閉可能であるので、各天井4,5を開いて各天井7,13の清掃を行うことにより、作業者が上を向いた状態での清掃作業を廃止して作業者への負担を軽減することができる。
本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の各天井7,13の各内側面7a,13aに弗素樹脂コーティング処理が施されている。従って、本乾燥炉3は、各天井7,13の各内側面7a,13aにヤニ状の汚染物質等が付着しにくくなり、また付着した場合であっても汚染物質等がこびりつくことがないので容易に取り除くことができ、乾燥炉4,5の清掃時間を大幅に短縮することができると共に乾燥炉4,5の清掃サイクルを延長することが可能になる。
本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の乾燥炉内に流水パン14が設置され、該流水パン14に所定温度(本実施の形態では60℃)の温水が所定流量(本実施の形態では毎分6リットル)で流下されているので、他の部位と比較して昇温速度が小さい車体1の下部が効果的に昇温されて車体1をより均一に昇温させることが可能となる。従って、本乾燥炉3は、車体1に塗膜が均一に(焼き斑なく)焼き付けられて車体1の外観品質を確保することができる。
本乾燥炉3は、車体1から垂れ落ちた電着液や各乾燥炉4,5の天井7,13から落下したヤニ状の汚染物質等が流水パン14を流下する流水(温水)により乾燥炉外へ搬出される。従って、本乾燥炉3は、各乾燥炉4,5の各乾燥炉内がクリーンに保たれて清掃のサイクルタイムを延長させることができる。
本乾燥炉3は、流水パン14の底部14aに突起15が設けられたので、流水パン14を流下する流水(温水)が突起15を通過することで当該流水に酸素が取り込まれて流水が活性化される。従って、本乾燥炉3は、回収部16で回収された汚濁水が浄水装置で水と汚濁物質とに分離し易くなり、浄水装置での浄水効率を向上させることができる。また、酸素が取り込まれて活性化された水(温水)を水洗工程で再利用することで、水洗工程で使用される水の洗浄能力を向上させることが可能となる。
本輻射式乾燥炉4は、天井7の各天井パネルの上端部に返り部8が設けられているので、各天井パネルに沿って各天井パネルの上端部から下端部へ向けて流れる気流(乾燥用空気)が各返り部8により方向が転換され、乾燥炉内に天井7の略中央から車体1の両側面を通過して車体1の下部へ向けて流れる気流が形成される。これにより、本輻射式乾燥炉4は、従来の乾燥炉において乾燥用空気(気流)を循環させるのが困難であった車体1の下部に乾燥用空気を循環させて車体1を均一に昇温させることが可能になる。従って、本輻射式乾燥炉4は、塗膜が車体1に均一に(焼き斑なく)焼き付けられて、車体の外観品質を向上させることができる。
本輻射式乾燥炉4は、天井7の各天井パネルに設けられた各返り部8の各返り面8aの下流側端部に集塵フィルタ9が設けられたので、乾燥炉内を循環する全ての乾燥用空気が各集塵フィルタ9を通過して浄化される。従って、本輻射式乾燥炉4は、乾燥炉内を循環する乾燥用空気がクリーンに保たれて、塵埃が塗膜に付着するのを防いで車体1の外観品質を確保することができる。
本対流式乾燥炉5は、吸気ダクト11に括れ部11bが設けられたので、該括れ部11bを流れる気流がノズル効果により加速されて開口部11aにおける気圧が大気圧と比較して低くなり、乾燥炉内の空気が吸気ダクト11へ円滑に導かれる。従って、本対流式乾燥炉5は、吸気ダクト11の吸気効率を向上させて乾燥炉内の乾燥用空気(気流)の循環効率を高めることができる。
【0022】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
輻射式乾燥炉4は、返り部8の返り角度θを調節可能に構成してもよい。この場合、返り部8の返り角度θを車体形状に応じて調節することで、乾燥炉内に車体1を乾燥させるに向けて最適な気流を形成することが可能となる。
輻射式乾燥炉4に用いられる返り部8を対流式乾燥炉5に設けて構成してもよい。この場合、形成したい気流に応じて返り部8の数量、形状並びに設置位置を選定する。また、この場合においても、必要に応じて集塵フィルタ9を設けてもよい。
流水パン14は、例えば輻射式乾燥炉4と対流式乾燥炉5とのいずれか一方のみに設けるだけでもよい。また、流水パン14の形状並びに設置位置、及び水温、流水量等の諸事項は適宜選定すればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、車体(被乾燥物)が均一に昇温されると共に乾燥炉内の清掃が容易な塗装乾燥炉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本輻射式乾燥炉の説明図である。
【図2】 本塗装乾燥炉の概略構成を示す全体図である。
【図3】 本対流式乾燥炉の説明図である。
【図4】 本対流式乾燥炉の説明図で、特に、吸気ダクトの形状を示すための斜視図である。
【図5】 本塗装乾燥炉の説明図で、特に、対流式乾燥炉に設置された流水パンを流下する流水(温水)を示す図である。
【図6】 図5におけるA−A断面を示す図である。
【符号の説明】
1 車体(被乾燥物)、3 塗装乾燥炉、4 輻射式乾燥炉(塗装乾燥炉)、5 対流式乾燥炉(塗装乾燥炉)、7 天井(輻射式乾燥炉側)、7a 内側面(内壁面)、8 返り部、9 集塵フィルタ、13 天井(対流式乾燥炉側)、13a 内側面(内壁面)、14 流水パン、14a 底部(流水パン)、15 突起

Claims (1)

  1. 塗膜を乾燥させるトンネル式の塗装乾燥炉であって、
    被乾燥物の下方である前記乾燥炉の底部に、所定温度の温水が所定流量で流下する流水パンが設けられる塗装乾燥炉において、該塗装乾燥炉は、
    輻射式乾燥炉と対流式乾燥炉とを有し、前記輻射式乾燥炉の出口側に前記対流式乾燥炉を接続し、前記輻射式乾燥炉の入口側から出口側へ温水が流下する第1流水パンと、前記対流式乾燥炉の出口側から入口側へ温水が流下する第2流水パンと、前記第1流水パンと前記第2流水パンとが接続され、かつ、前記輻射式乾燥炉と前記対流式乾燥炉との中間位置に配置される回収部と、を備えることを特徴とする塗装乾燥炉。
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