JP4472388B2 - 電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法 - Google Patents

電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法 Download PDF

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本発明は、電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法に関する。
従来、電気錫めっき鋼板のリフロー処理の方法として、図7に示すように、入側と出側に配置した1対の通電ロール80、81及び複数の支持ロール82で構成された通板経路83に電気錫めっき鋼板84を通板しながら所定温度まで加熱した後に下流側に配置し水85を貯留しているクエンチタンク86に導入してクエンチを行う直接抵抗加熱(電気抵抗加熱)法、図8に示すように、複数の支持ロール82で構成された通板経路87の上流側に誘導加熱装置88、89を配置して電気錫めっき鋼板84を通板しながら所定温度まで加熱した後に下流側に配置し水85を貯留しているクエンチタンク86に導入してクエンチを行う誘導加熱法、図9に示すように、入側と出側に配置した1対の通電ロール80、81及び複数の支持ロール82で構成された通板経路90に電気錫めっき鋼板84を通板して加熱しながら上流側に配置した誘導加熱装置91で所定温度まで加熱した後に下流側に配置し水85を貯留しているクエンチタンク86に導入してクエンチを行う及び直接抵抗加熱と誘導加熱との併用加熱法が知られている。
そして、電気錫めっき鋼板のリフロー処理は、例えば、直接抵抗加熱法の場合では図10に示すように、ある搬送速度で初期温度T0 (例えば40℃)の電気錫めっき鋼板84を搬送しながら鋼板を直接加熱し、クエンチタンク86の入口から上流側に距離Lの位置で表面の電気錫めっき層の温度を錫の融点(232℃)温度に到達させ、更に電気錫めっき鋼板84が距離L搬送される間に温度T1 (例えば265℃)まで加熱しクエンチタンク86に導入してクエンチしていた。ここで、電気錫めっき鋼板84の搬送速度が変動して、例えば、搬送速度が大きくなると、電気錫めっき層の温度が融点に到達する位置はクエンチタンク86の入口に接近した距離K(<L)の位置となる。このため、電気錫めっき鋼板84が距離Kを搬送される間に更に加熱されて到達する温度T2 は温度T1 より低くなる。従って、搬送速度が変動した場合、薄目付電気錫めっきの場合には表面光沢に変化が生じるという問題が発生していた。
そこで、搬送速度が変化しても薄目付の電気錫めっき鋼板84で表面光沢、色調に変化が生じないように、リフロー処理を行うに際し、溶融した電気錫めっき層の最高到達温度を一定に制御すると共に、例えば、図11に示すように、搬送速度の変化に応じて誘導加熱装置91の位置をクエンチタンク86の入口に対して進退させて、電気錫めっき層が溶融してからクエンチされるまでの時間を一定に制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−228790号公報
一方、電気錫めっき鋼板84における表面光沢の不良を調査した結果、表面光沢の不良は、電気錫めっき層中における錫単層(表面側)の厚みと鉄−錫合金層(鋼板との境界側)の厚みの関係で発生することが判明した。すなわち、電気錫めっきが薄目付の場合では、厚目付のときと同じ厚みの合金層を形成すると表面光沢の不良が発生することになり、電気錫めっき鋼板84のリフロー処理においては、電気錫めっき層中の鉄−錫合金層の厚みを電気錫めっきの目付量に応じて精度よく調整することが重要となる。
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、鉄−錫合金層の量(すなわち合金層の厚み)を一定値に制御する方法であり、この方法では電気錫めっき層中の鉄−錫合金層の厚みを電気錫めっきの目付量に応じて調整することはできない。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、電気錫めっき鋼板のリフロー処理時に錫と鋼板との境界部にできる合金層の厚みを、薄目付時においても合金層の影響により光沢不良を起こすことがないよう、精度よく制御することが可能な電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法は、電気錫めっき鋼板を直接抵抗加熱すると共に誘導加熱処理を行ない、更に、前記電気錫めっき鋼板のクエンチ処理を行うリフロー処理において、前記誘導加熱処理を行う誘導加熱装置と前記クエンチ処理を行う水槽との距離を変えることによって、錫と鋼板との境界にできる合金層の厚みを変える電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法であって、
前記誘導加熱装置と前記水槽との距離を、前記電気錫めっき鋼板の錫めっき層が溶融した後、前記水槽にてクエンチングされるまでの時間と前記合金層の厚みとの相関式をもとにして、電気錫めっきの目付量に応じて決定される合金層の厚みが得られる時間を演算し、この時間と前記電気錫めっき鋼板の搬送速度から算出する
錫と鋼板との境界にできる合金層の厚さは、錫めっき層が溶融した後水中にクエンチされるまでの時間の影響を受ける。このため、合金層の厚みを厚くする場合には、錫めっき層の溶融開始位置を水槽より遠方に移動させる。また、合金層の厚みを薄くする場合には、錫めっき層の溶融開始位置を水槽側に近づける。
請求項記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法は、請求項1記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法において、単色放射温度計による前記誘導加熱装置出側の前記鋼板の温度を、目付量、表面粗度、及び溶融状況の係数で補正して真正温度を算出し、前記単色放射温度計で測定した箇所の真正温度が目標温度になるように、前記誘導加熱装置の投入電力をフィードバック制御する。
請求項1及び2記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法は、電気錫めっきの目付量に応じて合金層の厚みの調整を行うことができ、電気錫めっき鋼板の表面光沢の不良発生を防止することが可能になる。
特に、請求項記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法においては、誘導加熱装置と水槽の距離を、錫めっき層が溶融した後水槽にてクエンチングされるまでの時間と、合金層の厚みとの相関式をもとにして算出するので、作業者の経験に頼らず合金層の厚みを正確に、安定して制御することが可能になると共に、製品の歩留りを向上させることが可能になる。例えば、単位面積当たりの重量で評価した合金層の厚みの変動幅を目標値±0.1g/m2の範囲に制御することが可能になり、電気錫めっきの目付量が1.1g/m2以下の薄目付の電気錫めっき鋼板における表面光沢の不良発生を解消することができる。
請求項記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法においては、単色放射温度計による誘導加熱装置出側の鋼板の温度を、目付量、表面粗度、及び溶融状況の係数で補正して真正温度を算出し、単色放射温度計で測定した箇所の真正温度が目標温度になるように、誘導加熱装置の投入電力をフィードバック制御するので、安価な装置構成で高精度の温度制御を実施することが可能になった。このため、高品質の製品を安価に製造することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法を適用したリフロー処理設備の説明図、図2は同電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法による電気錫めっき鋼板の板温線図、図3は同電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法における合金層厚みと錫めっき層が溶融してからクエンチされるまでの時間との関係を示す説明図、図4は電気錫めっきの目付量と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図、図5は電気錫めっき層の表面粗度と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図、図6は電気錫めっき層の溶融状況と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法を適用したリフロー処理設備10は、入側に設けられ搬送されてきた電気錫めっき鋼板11を受け入れる第1の通電ロール12と、出側に設けられ第1の通電ロール12と対になる第2の通電ロール13と、電気錫めっき鋼板11の搬送方向を順次変える複数の支持ロール14で構成される支持ロール群15を有している。更に、リフロー処理設備10は、第2の通電ロール13の上流側に配置され進入する電気錫めっき鋼板11をクエンチ処理するための水16を貯留する水槽17と、水槽17の上流側で水槽17に対して進退可能に設けられ電気錫めっき鋼板11を誘導加熱する誘導加熱装置18と、リフロー処理を制御する制御手段25を有している。なお、水槽17内には進入した電気錫めっき鋼板11の搬送方向を変えるシンクロール19が設けられている。
誘導加熱装置18は、搬送される電気錫めっき鋼板11を加熱する、例えば加熱コイルを備えた加熱部20と、加熱部20を水槽17に対して進退させ加熱部20の出口と水槽17との間の距離を変化させる移動機構21を有する。また、リフロー処理を制御する制御手段25は、投入する電力量の調整を行う電源部22の駆動用制御信号を出力する投入電力制御部23と、移動機構21の駆動用制御信号を出力する移動量制御部24を備える。
ここで、移動機構21は、例えば、搬送される電気錫めっき鋼板11の搬送方向に平行に配置されたガイドレール26と、ガイドレール26上を移動し加熱部20を積載する台車27を有している。
このような構成とすることにより、図2に示すように、搬送中の電気錫めっき鋼板11において第1及び第2の通電ロール12、13で支持される領域に電流を流すことができ、第1の通電ロール12から第2の通電ロール13まで移動する間に電気錫めっき鋼板11を直接抵抗加熱して電気錫めっき鋼板11の板温を徐々に上げることができる。また、加熱部20を通過する間に誘導加熱により、電気錫めっき鋼板11の温度を錫の融点(232℃)以上の温度まで短時間で容易に上げることができる。
そして、第1の通電ロール12と第2の通電ロール13の間に流す電流、電気錫めっき鋼板11の電気抵抗から、第1の通電ロール12を通過した電気錫めっき鋼板11の温度を第1の通電ロール12からの距離の関数で表すことができる。また、加熱部20の加熱特性から、加熱部20で加熱される電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達する位置と、加熱部20を通過したときの電気錫めっき鋼板11の温度が判る。このため、加熱部20を通過し(直接抵抗加熱と誘導加熱を併用した際の)水槽17に進入するまでの間の任意の位置での電気錫めっき鋼板11の温度と、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離Lが求まる。
ここで、加熱部20がガイドレール26上を移動できる範囲には限界が存在するので、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離Lは、加熱部20が最も水槽17に接近した場合に決まる下限距離L1 と、加熱部20が最も水槽20から離れた場合に決まる上限距離L2 との間で調整することができる。
従って、錫と鋼板との境界にできる合金層の厚さは、錫めっき層が溶融した後水中にクエンチされるまでの時間の影響を受けるので、合金層の厚みを厚くする場合には移動機構21により加熱部20を水槽17より遠方に移動させ、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離Lを長くする。一方、合金層の厚みを薄くする場合には、移動機構21により加熱部20を水槽17に接近させ、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離Lを短くする。
投入電力制御部23は、第1の通電ロール12と第2の通電ロール13の間に所定の電流を流すと共に、単色放射温度計28による加熱部20の出側の電気錫めっき鋼板11の温度を、電気錫めっきの目付量、電気錫めっきの表面粗度、及び電気錫めっきの溶融状況の各係数で補正して真正温度を算出し、単色放射温度計28で測定した箇所の電気錫めっき鋼板11の真正温度が目標温度になるように電源部22の投入電力をフィードバック制御する機能を備えている。
移動量制御部24は、電気錫めっき鋼板11の錫めっき層が溶融してから水槽17にてクエンチングされるまでの時間(合金層形成時間)と合金層の厚みとの相関式に基づいて電気錫めっきの目付量に応じて決定される合金層の厚み(目標合金層厚み)が得られる時間を演算し、この時間と電気錫めっき鋼板11の搬送速度から加熱部20の出口と水槽17との間の距離を算出して移動機構21に移動信号を出力する機能を備えている。
ここで、投入電力制御部23及び移動量制御部24は、上記の各機能を実現するプログラムをコンピュータに搭載することで構成できる。また、電気錫めっきの目付量、電気錫めっきの表面粗度、目標合金層厚み、及び電気錫めっき鋼板11の搬送速度は、例えば、製造管理用コンピュータ29から投入電力制御部23及び移動量制御部24に入力されるようにすることができる。
このような構成とすることにより、目標合金層厚みが指定されると、この目標合金層厚みが形成するために必要な合金層形成時間を移動量制御部24で演算することができる。そして、電気錫めっき鋼板11は一定の搬送速度で移動しているので、この合金層形成時間が確保されるような電気錫めっき鋼板11の移動距離、すなわち、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離を移動量制御部24で算出することができ、その結果を移動機構21に移動信号として出力して、加熱部20を移動することができる。
また、投入電力制御部23では単色放射温度計28で測定した電気錫めっき鋼板11の温度から真正温度を算出することができる。一方、直接抵抗加熱と誘導加熱の条件から、水槽17に進入するまでの間の任意の位置での電気錫めっき鋼板11の温度が推定できる。従って、推定される温度を目標温度として、投入電力制御部23で算出された真正温度が目標温度になるように電源部22の投入電力をフィードバック制御することができる。これによって、単色放射温度計28を使用して水槽17に進入する際の電気錫めっき鋼板11の温度を精度よく制御することができる。
次に、本発明の一実施の形態に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法について説明する。
先ず、電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでの時間(Δt)と合金層の厚み(単位面積当たりの重量(例えば、g/m2 )で評価した合金層の厚み)との相関をオンラインテスト等にて事前に求める。
すなわち、電気錫めっき鋼板11の搬送速度、直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件をそれぞれ設定し、加熱部20の位置を変えることにより電気錫めっき鋼板11の温度が錫の融点に到達してから水槽17内に進入するまでに移動する距離Lを変化させてクエンチ処理する。次いで、このとき得られた合金層の厚みを求める。更に、電気錫めっき鋼板11の搬送速度から距離L移動するのに必要な時間Δtを求め、時間Δtと合金層の厚みの間の定量的な関係を表す相関式を求める。なお、このような相関式を種々の直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件の場合について求める。そして、得られた相関式をそのときの直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件と共に移動量制御部24に入力する。これによって、所定の合金層の厚み(例えば、目標合金層厚み)を形成するのに必要な時間Δtを求めることができる。図3に、時間Δtと合金層の厚みの間の定量的な関係の一例を示す。
続いて、目付量、表面粗度、錫の溶融状態による単色放射温度計28で測定した電気錫めっき鋼板11の温度の補正係数をオンラインテスト等にて事前に求める。
先ず、種々の目付量に調整した電気錫めっき鋼板11を加熱し、各電気錫めっき鋼板11の温度を、例えば熱電対を用いて測定すると共に単色放射温度計28で測定する。そして、熱電対で得られた温度を真正温度として、単色放射温度計28の温度が真正温度に一致するように補正係数ε1 (以下、目付量補正係数という)をそれぞれ算出する。そして、目付量x1 と目付量補正係数ε1 の間の定量的な関係を表す第1の相関式(例えば、目付量x1 をパラメータとした多項式で目付量補正係数ε1 を表す)を求める。そして、得られた相関式を投入電力制御部23に入力する。図4に、目付量補正係数ε1 と目付量x1 の間の定量的な関係の一例を示す。
これによって、目付量x1 が判明していると、単色放射温度計28で測定して得られた温度から電気錫めっき鋼板11の真正温度を求めることができる。
また、種々の表面粗度に調整した電気錫めっき鋼板11を加熱し、各電気錫めっき鋼板11の温度を、例えば熱電対を用いて測定すると共に単色放射温度計28で測定する。そして、熱電対で得られた温度を真正温度として、単色放射温度計28の温度が真正温度に一致するように補正係数ε2 (以下、表面粗度補正係数という)をそれぞれ算出する。そして、表面粗度x2 と表面粗度補正係数ε2 の間の定量的な関係を表す第2の相関式(例えば、表面粗度x2 をパラメータとした多項式で表面粗度補正係数ε2 を表す)を求める。そして、得られた相関式を投入電力制御部23に入力する。図5に、表面粗度補正係数ε2 と表面粗度x2 の間の定量的な関係の一例を示す。
これによって、表面粗度x2 が判明していると、単色放射温度計28で測定して得られた温度から電気錫めっき鋼板11の真正温度を求めることができる。
更に、電気錫めっき鋼板11を加熱し、電気錫めっき鋼板11の温度を錫の融点(232℃)を中心に上下に約10℃の範囲の種々の温度に調整する。そして、電気錫めっき鋼板11の温度を、例えば熱電対を用いて測定すると共に単色放射温度計28で測定し、熱電対で得られた温度を真正温度として、単色放射温度計の温度(以下、単色放射温度計温度x3 という)が真正温度に一致するように補正係数ε3 (以下、溶融状態補正係数という)をそれぞれ算出する。次いで、単色放射温度計温度x3 と溶融状態補正係数ε3 の間の定量的な関係を表す第3の相関式(例えば、単色放射温度計温度x3 をパラメータとした多項式で溶融状態補正係数ε3 を表す)を求める。そして、得られた相関式を投入電力制御部23に入力する。図6に、溶融状態補正係数ε3 と単色放射温度計温度x3 の間の定量的な関係の一例を示す。
これによって、単色放射温度計温度x3 から電気錫めっき鋼板11の真正温度を求めることができる。
以上のように、第1〜第3の相関式を投入電力制御部23に入力しておくと、単色放射温度計28で搬送中の電気錫めっき鋼板11の温度を測定して単色放射温度計温度x3 を求めると、製造管理用コンピュータ29から入力される電気錫めっきの目付量x1 、電気錫めっきの表面粗度x2 に基づいて目付量補正係数ε1 、表面粗度補正係数ε2 、及び溶融状態補正係数ε3 をそれぞれ決定することができる。そして、投入電力制御部23では電気錫めっき鋼板11の真正温度Yを次式で算出することができる。
Y=ε1 ×ε2 ×ε3 ×x3
続いて、電気錫めっき鋼板11のリフロー処理方法について具体的に説明する。
製造管理用コンピュータ29の指示でリフロー処理する電気錫めっき鋼板11が、リフロー処理設備10に通板されてくる。このとき、製造管理用コンピュータ29から制御手段25の移動量制御部24に電気錫めっき鋼板11の搬送速度、直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件、及び目標合金層厚みのデータが入力される。また、製造管理用コンピュータ29から投入電力制御部23に対して、直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件、電気錫めっきの目付量x1 、及び電気錫めっきの表面粗度x2 が入力される。
そこで、移動量制御部24では、合金層厚みとそれを形成するのに必要な時間Δtとの間の相関式に基づいて、目標合金層厚みを形成するのに必要な時間Δtを算出する。そして、電気錫めっき鋼板11の搬送速度に基づいて時間Δtが確保されるように、加熱部20の位置を算出し、加熱部20がその位置に配置されるように移動機構21に対して移動信号を出力する。これによって、加熱部20はガイドレール26上を移動し指定された位置で停止する。
また、投入電力制御部23では直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件に基づいて電源部22を駆動させて、第1の通電ロール12と第2の通電ロール13の間に所定の電流を流し電気錫めっき鋼板11の直接抵抗加熱を開始すると共に、加熱部20により電気錫めっき鋼板11の誘導加熱を開始する。
これによって、電気錫めっき鋼板11の温度を錫の融点以上の温度に加熱して、錫めっき層が溶融してから時間Δt後に水槽17にてクエンチングされるようにすることができる。これによって、合金層の厚みが目標合金層厚みとなった電気錫めっき鋼板11を製造することができる。
ここで、加熱部20と水槽17の間に温度測定点を設定しその位置を通過する電気錫めっき鋼板11の温度を単色放射温度計28で測定して単色放射温度計温度x3 を求めると、製造管理用コンピュータ29から入力された電気錫めっきの目付量x1 、電気錫めっきの表面粗度x2 に基づいて目付量補正係数ε1 、表面粗度補正係数ε2 、及び溶融状態補正係数ε3 をそれぞれ決定することができ、温度測定点における電気錫めっき鋼板11の真正温度Yを求めることができる。
一方、直接抵抗加熱と誘導加熱の条件から、加熱部20と水槽17の間に温度測定点における電気錫めっき鋼板11の温度を推定することができる。従って、温度測定点で推定される温度を目標温度として、投入電力制御部23で算出された真正温度Yがこの目標温度になるように電源部22の投入電力をフィードバック制御する。これによって、単色放射温度計28を使用して水槽17に進入する際の電気錫めっき鋼板11の温度を精度よく制御することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、目付量補正係数ε1 、表面粗度補正係数ε2 、及び溶融状態補正係数ε3 を求める際に、電気錫めっき鋼板の真正温度を熱電対で測定して求めたが、トレース温度計を使用して電気錫めっき鋼板の真正温度を求めてもよい。
また、電気錫めっき鋼板の搬送速度、目標合金層厚み、直接抵抗加熱条件と誘導加熱条件、電気錫めっきの目付量x1 、及び電気錫めっきの表面粗度x2 は製造管理用コンピュータから入力されるようにしたが、誘導加熱装置の制御手段に直接入力するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法を適用したリフロー処理設備の説明図である。 同電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法による電気錫めっき鋼板の板温線図である。 同電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法における合金層厚みと錫めっき層が溶融してからクエンチされるまでの時間との関係を示す説明図である。 電気錫めっきの目付量と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図である。 電気錫めっき層の表面粗度と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図である。 電気錫めっき層の溶融状況と単色放射温度計で測定した温度を補正する係数の関係を示す説明図である。 従来例に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備の説明図である。 従来例に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備の説明図である。 従来例に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備の説明図である。 従来例に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備における電気錫めっき鋼板の板温線図である。 従来例に係る電気錫めっき鋼板のリフロー処理設備の説明図である。
符号の説明
10:リフロー処理設備、11:電気錫めっき鋼板、12:第1の通電ロール、13:第2の通電ロール、14:支持ロール、15:支持ロール群、16:水、17:水槽、18:誘導加熱装置、19:シンクロール、20:加熱部、21:移動機構、22:電源部、23:投入電力制御部、24:移動量制御部、25:制御手段、26:ガイドレール、27:台車、28:単色放射温度計、29:製造管理用コンピュータ

Claims (2)

  1. 電気錫めっき鋼板を直接抵抗加熱すると共に誘導加熱処理を行ない、更に、前記電気錫めっき鋼板のクエンチ処理を行うリフロー処理において、前記誘導加熱処理を行う誘導加熱装置と前記クエンチ処理を行う水槽との距離を変えることによって、錫と鋼板との境界にできる合金層の厚みを変える電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法であって、
    前記誘導加熱装置と前記水槽との距離を、前記電気錫めっき鋼板の錫めっき層が溶融した後、前記水槽にてクエンチングされるまでの時間と前記合金層の厚みとの相関式をもとにして、電気錫めっきの目付量に応じて決定される合金層の厚みが得られる時間を演算し、この時間と前記電気錫めっき鋼板の搬送速度から算出することを特徴とする電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法。
  2. 請求項1記載の電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法において、単色放射温度計による前記誘導加熱装置出側の前記鋼板の温度を、目付量、表面粗度、及び溶融状況の係数で補正して真正温度を算出し、前記単色放射温度計で測定した箇所の真正温度が目標温度になるように、前記誘導加熱装置の投入電力をフィードバック制御することを特徴とする電気錫めっき鋼板のリフロー処理方法。
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