JP4471940B2 - 流路遮断弁 - Google Patents
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Description
例えば、特開2003−236006号公報に開示のものは、弁体をバネの付勢力によって閉弁させる構成のものや、熱膨張部材の膨張エネルギーにより弁体を閉弁させる構成のものが開示されている。
前者のものでは、通常、前記バネは、ハンダ製のストッパによって圧縮状態に維持されており、火災時の熱によってハンダが溶けてストッパとして機能しなくなった時点で、前記バネの弾性復帰力によって、弁体を閉弁方向に付勢するように構成されているものである。又、後者の発明では、火災時の熱によって熱膨張部材が膨張し、弁体を閉弁方向に圧接させて流路を遮断する構成である(特許文献1)。
又、弁体をバネの付勢力によって閉弁させるものでは、前記バネは、弁体と弁体を受ける弁体受け部との間に圧縮状態で取り付けられ、ハンダ製のストッパによって弁体を弁体受け部に結合させることにより、バネの圧縮状態を維持している。
前記弁シートに連設され且つ開弁時に前記弁体が自重により着座する弁体受け部と、
前記弁体を前記弁シートに圧接させた閉弁状態に付勢するコイルバネと、
前記コイルバネを取り外し自在に収納し且つ圧縮状態に保持すると共に一部又は全部が設定温度で溶解又は変形する樹脂製のバネケースとからなり、
前記バネケースは、前記弁体と前記弁体受け部との間に介装されると共に、筒体の両端から鍔部が内方又は外方へ張り出した形状に構成され、前記鍔部間に前記コイルバネを圧縮状態で介装させた状態にて、前記弁体から前記弁体受け部側へ延長させた弁軸に外嵌または内挿され、
前記バネケースが溶解又は変形することによって、前記コイルバネは前記圧縮状態から解放されて前記付勢状態に復元する』ことである。
上記技術的手段は次のように作用する。
弁体は、弁体受け部と弁シートとの間に位置し、さらに、コイルバネを圧縮状態で保持したバネケースが、弁体と弁体受け部との間に介装される。常温では、コイルバネの復元力はバネケースで阻止されているので、バネの復元力を阻止するためのハンダ等によるストッパ構造を弁体や弁体受け部に設ける必要がなく、弁体及び構成部品の組み立て並びに分解は容易に行うことができる。
このバネケースを、弁軸に外嵌又は内挿すると、弁軸がガイドとなって、コイルバネ及びバネケースの取り付け状態が安定する。
請求項1に係る発明によれば、常温では、コイルバネの復元力は、バネケースで阻止されているので、バネの復元力を阻止するためのハンダ等によるストッパ構造を弁体受け部や弁体に設ける必要がない。又、コイルバネとバネケースが一つのユニットを構成しているので、流路遮断弁の組み立て作業が容易であると共に、メンテナンス時の分解、手直し、修理も容易に行うことができる。
バネケースの一部又は全部が溶解又は変形する温度は使用する樹脂の特性によって調整できるので、流路遮断弁の取付条件に応じたバネケースを提供することができる。
本発明の実施の形態の流路遮断弁は、図1に示すように、ガスメータ(M)のメータ本体(20)の上流側であるガス導入口部(24)とガス流入管(21)との接続部に設けられているもので、ガス流入管(21)の下流端(25)がガス導入口部(24)に差し込まれ、袋ナット(26)で接合されている。
ケーシング(1)は、図2に示すように、上端近傍の内周面に弁シート(10)が設けられている筒体(1a)と、筒体(1a)から、図では下方へ略U字状に延長させた枠片(1b)と、枠片(1b)の下面の弁体受け部(12)の中心から下方へネジ接続されている軸受筒(1c)とからなり、軸受筒(1c)に、弁体(11)の弁軸(11b)を進退自在に挿入することにより、ケーシング(1)の弁シート(10)と弁体受け部(12)との間に弁体(11)を位置させる構成とする。
ケーシング(1)内に具備させる弁体(11)は、前記弁軸(11b)の上端から、閉弁時に弁シート(10)に圧接する弁部(11a)が傘状に張り出しており、弁軸(11b)を軸受筒(1c)に対して最進出状態に進出させたとき、前記弁部(11a)の外周域が、図3に示すように、筒体(1a)内に設けられている弁シート(10)に圧接されて閉弁されるように各部の寸法関係は設定されている。
弁体(11)を弁シート(10)に圧接する方向に付勢するコイルバネ(5)は、圧縮させた状態で、樹脂製のバネケース(16)内に収納されている。
この状態が第1番目の閉弁状態となり、メータ本体(20)の上流側は、ガス流入管(21)の下流端(25)で遮断され、ガスメータ(M)を経由して屋内側へガスが流出するのを阻止することができる。
この実施の形態では、バネケース(16)を、筒体の上下両開放端から環状鍔部(16a)(16b)を外方へ張り出させた構成とし、鍔部(16a)(16b)間にコイルバネ(5)を圧縮させた状態でバネケース(16)に外嵌させると共に、前記筒体内に、熱膨張部材(51)を充填させている。この状態で、弁軸(11b)内に内挿させる。このバネケース(16)も、火災等の熱により溶解する樹脂製とし、バネケース(16)が熱で溶解すると、コイルバネ(5)は圧縮状態から解放され、弁体(11)を圧接方向へ付勢し、第1番目の閉弁状態となる。さらに温度が上昇すると、熱膨張部材(51)が熱膨張し、図6に示す第2番目の閉弁状態となる。
尚、上記各実施の形態のバネケース(16)の上方開放部に設ける鍔部(16a)は、水平に延長させているが、図9に示すように、鍔部(16a)の内側端を下方へ傾斜させることにより、コイルバネ(50)の保持性が向上して、保管中にバネが外れることがない。
この実施の形態のバネケース(16)は、上側筒部(61)と下側筒部(62)とに分割可能となっており、上側筒部(61)の下端から外方に向かって部分的に突出させた係止片(16c)を、下側筒部(62)の上端近傍に貫通させている係止孔(63)に差し込んで両者を結合させる構成である。
このものでは、下側筒部(62)の下端の鍔部(16b)に、コイルバネ(5)を載置し、コイルバネ(5)の上端に鍔部(16a)が当接するように上側筒部(61)を被せ、コイルバネ(5)を圧縮させながら上側筒部(61)を押し下げて、係止片(16c)を係止孔(63)に差し込むと、コイルバネ(5)の付勢力によって、係止片(16c)が係止孔(63)の上端に係止した状態で両者は結合されることとなる。このものでは、バネケース(16)内へのコイルバネ(5)の挿入が容易であり、又、メンテナンス時のコイルバネ(5)の交換等も容易に行える。
尚、この実施の形態のバネケース(16)では、上側筒部(61)と下側筒部(62)の少なくともどちらか一方が熱溶解する樹脂製であればよく、さらには、又、上側筒部(61)の下端部又は下側筒部(62)の上端部が部分的に樹脂製であっても良い。
(11)・・・・・・弁体
(12)・・・・・・弁体受け部
(16)・・・・・・バネケース
(5) ・・・・・・コイルバネ
(51)・・・・・・熱膨張部材
Claims (3)
- 異常過熱時に弁体を閉弁させてガス流路を遮断させる流路遮断弁において、
ガス流路を構成する配管内に設けられ且つ閉弁時に前記弁体が圧接する弁シートと、
前記弁シートに連設され且つ開弁時に前記弁体が自重により着座する弁体受け部と、
前記弁体を前記弁シートに圧接させた閉弁状態に付勢するコイルバネと、
前記コイルバネを取り外し自在に収納し且つ圧縮状態に保持すると共に一部又は全部が設定温度で溶解又は変形する樹脂製のバネケースとからなり、
前記バネケースは、前記弁体と前記弁体受け部との間に介装されると共に、筒体の両端から鍔部が内方又は外方へ張り出した形状に構成され、前記鍔部間に前記コイルバネを圧縮状態で介装させた状態にて、前記弁体から前記弁体受け部側へ延長させた弁軸に外嵌または内挿され、
前記バネケースが溶解又は変形することによって、前記コイルバネは前記圧縮状態から解放されて前記付勢状態に復元することを特徴とする流路遮断弁。
- 請求項1に記載の流路遮断弁において、前記バネケースは、上端から上鍔部が内方又は外方に張り出している上側筒部と、下端から下鍔部が前記上鍔部と同方向に張り出している下側筒部とから構成され、前記上側筒部と前記下側筒部は、ネジ接続又は相互に係合することにより結合されていることを特徴とする流路遮断弁。
- 請求項1又は2に記載の流路遮断弁において、前記弁体受け部に設けた軸受筒内に、前記弁体から前記弁体受け部側へ延長させた弁軸を内挿し、前記弁軸内には前記バネケースの溶解又は変形温度よりも高い所定温度で膨張して前記弁体を前記閉弁位置に付勢する熱膨張部材を充填させたことを特徴とする流路遮断弁。
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