JP4471728B2 - 溶融塩中での金属窒化物薄膜形成法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属窒化物層の製造方法及び金属酸窒化物層の製造方法に関する。
金属窒化物は、その優れた特性により、表面保護材料、半導体材料、磁性材料など様々な用途で用いられる。
表面保護材料としては、代表的なものにCr-N、Ti-N等がある。これらの窒化物は、耐食性、耐摩耗性、高硬度性などの特性を持つことから、金型、切削工具、機械部品などの表面コーティングとして用いられている。
また、AlN、GaN等は、電気絶縁性、高熱伝導率、広いバンドギャップ、圧電特性等の性質から近年脚光を浴びており、短波長光源や耐環境デバイス、高温エレクトロニクスへ応用されている。磁性材料としては、Fe-N、Sm-Fe-Nなどが挙げられる。
更に、近年では、タンタル、チタン、亜鉛等の窒化物に更に酸素が加わった金属酸窒化物(オキシナイトライド:TaON、TiON、ZnON等)が、光触媒や電極材料として注目を集めている。
材料表面への金属窒化物被膜形成法は、表面窒化と窒化物コーティングに大別できる。表面窒化は、被処理材の表面から窒素を拡散させていき、被処理材の表面自体を変化させて窒化物被膜を形成させる方法であり、一般的に、被処理材表面の耐食性、耐摩耗性等の向上を目的とする表面改質に用いられる。
一方、窒化物コーティングは、基板となる材料自体は変化させず、表面に基板材料と異なる元素の窒化物を積層させて、窒化物薄膜を形成させる方法である。この方法では、母材となる材料によらず基板表面を改質することが可能であり、基板材料の表面を耐食性、耐摩耗性に優れた窒化物層で被覆するためだけでなく、半導体材料や磁性材料のような機能性窒化物薄膜を形成することができる。
従来の表面窒化法としては、アンモニアガスを用いたガス窒化法があり、最も広く用いられているものは塩浴窒化法である。しかし、塩浴窒化法はシアン系の塩浴を用いるものが一般的であり、浴中にはシアン化物イオン(CN-)が存在する。そのため、有害物質であるシアン化物イオンを処理するためには相当な費用と労力をかけなければならず、排水・排ガスなどの処理コストが増大している(例えば、非特許文献1参照)。
一方、従来の窒化物コーティング法としては、CVD(化学的気相蒸着法)やPVD(物理的気相蒸着法)が挙げられる。CVD法は、密閉された反応容器中に原料ガスとキャリアガスを導入し、高温に加熱した母材と接触させ、目的とする金属窒化物を材料表面に析出させ、被膜を得る方法である。例えば、原料ガスには低温で気化する金属塩化物と窒素を用い、次式:
MeCl4 (g) + 1/2 N2 + 2 H2 → Me-N + 4 HCl
で示される水素還元反応によって窒化物を形成する。
しかし、この反応には1073 K以上の高温を必要とするため、対象となる基板材料が変形するという問題があり、使用できる基板材料が制限される。近年、300〜400℃の低温領域で窒化物を形成する方法(MOCVD法)等が提案されているが、原料ガスの成分元素(C、Cl)が不純物として窒化物中に混入するなどの問題が残されている(例えば、非特許文献2参照)。
PVD法としては、イオンプレーティング法、スパッタリング法、イオン注入法など数多くのプロセスが存在する。これらは、基板温度が室温から300℃程度と低温領域でも窒化物薄膜の形成が可能である。しかし、粒子が高速で基板に衝突するため、均一かつ安定した成膜が難しい、装置内を超高真空に保つ必要があるため装置構成が複雑・高価になるなどの問題がある(例えば、非特許文献3参照)。
また、金属酸窒化物に関しては、例えば、CVD法、スパッタリング法、酸化チタンに窒素をドープする方法、酸化物粉末を出発物質としてアンモニアガス気流中で窒化を行う方法等により作製されており、キャパシタ、トランジスタ、バッファーレイヤー等、半導体産業における新材料として検討されている。
しかし、上記のスパッタリング法等では成膜速度が非常に小さいため、ナノオーダーからサブミクロンオーダー以下の極薄膜形成が主である(例えば、非特許文献4参照)。近年期待される光触媒や電極材料で必要とされる100μm以上の厚膜の作製を考えた場合には、酸化物の窒化により作成した粉末を焼結する方法以外に無いのが現状である。しかし、酸化物を窒化する際の反応温度は700〜900℃と非常に高いことから、低温で、かつダイレクトに厚膜を作製できる方法が望まれている(例えば、非特許文献5参照)。
一方、発明者は、従来法である塩浴窒化法では浴として用いられ得ないナイトライドイオン(N3-)を含有する非シアン系溶融塩を電解質に用いた新しい表面窒化法を提案した(例えば、未公開特許出願1参照)。この方法は、非シアン系溶融塩を電解質に用いる環境調和型の窒化法であり、該電解質中で被処理材を作用極とし、浴と接触する作用極表面でナイトライドイオンを陽極酸化させることにより、生成した窒素原子を被処理材表面から拡散させて、被処理材表面に窒化物層を形成させる。
しかし、この方法では、チタンやクロム、タンタルなどの一部の金属に関しては、窒化物層の成長速度は0.1μm/h程度と小さい。また、この方法は、陽極酸化反応を利用しているため、窒化物薄膜の析出を考えた場合には、炭素等のごく限られた元素の窒化物しか扱えなかった(例えば、非特許文献6参照)。
さらに、従来の表面窒化又は窒化物コーティングは、表面窒化又は窒化物コーティングのどちらか一方のみしか実行できない方法であり、同一の処理システムで、表面窒化と窒化物コーティングの両方を行うことができる方法は、これまでには無かった。
以上の背景から、発明者は、クロムをモデルケースとして、アンモニウムイオン(NH4 +)を含有する非シアン系溶融塩を電解質に用い、そのアンモニウムイオンの還元反応を利用したクロムの表面窒化、並びに導電性基板上へのクロム窒化物のコーティングを試みている(例えば、非特許文献7及び8参照)。
しかし、クロムの表面窒化は、クロム表面に存在する酸化物被膜が窒化反応の進行を阻害するために、窒化物層の成長速度は、やはり0.1μm/h程度と小さかった。また、クロム窒化物のコーティングに関しても、ニッケル等の導電性基板表面には酸化物層が存在するため、窒化物コーティングの反応活性点が極端に少なくなっていた結果、窒化物はアイランド状に成長し、緻密かつ均一なコーティング膜を得ることは困難であった。このような酸化物被膜は、大気中に僅かでも曝すことで形成されてしまうため、表面を機械的に研磨するだけでは除去しきれなかった。
N. Krishnaraj, K. J. L. Iyer and S. Sundarsen, Wear, 210 (1997) 237. H. Kashani, M. Heydarzadeh Sohi and H. Kaypour, Mater. Sci. Eng. A, 286 (2000) 324. B. S. Yilbas, M. S. J. Hashmi and S. Z. Shuja, Surf. Coat. Technol., 140 (2001) 244. C. −A. Jong and T. -S. Chin, Mater. Chem. Phys., 74 (2002) 201. J. D. Houmes and H. -C. zur Loye, J. Solid State Chem., 127 (1996) 267. 佐伯哲平、後藤琢也、伊藤靖彦、第28回炭素材料学会年会要旨集、2001年12月7日、p304 仁木藍子、辻村浩行、後藤琢也、伊藤靖彦、第34回溶融塩化学討論会講演要旨集、2002年11月21日、p33 仁木藍子、辻村浩行、後藤琢也、伊藤靖彦、第35回溶融塩化学討論会講演要旨集、2003年11月13日、p99
未公開特許文献1
特願2003−019914
本発明の主な目的は、金属窒化物層の効率の良い形成方法及び金属酸窒化物層の効率の良い形成方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の条件下で溶融塩電解を行うことによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
項1.アンモニウム塩を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
(1)アンモニウム塩が還元されない電位で通電することにより、前記基体表面を溶解させる工程;及び
(2)アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を窒化する工程;
を含む、基体表面に金属窒化物被膜を形成する方法。
項2.アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属酸窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
(1)アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物が還元されない電位で通電することにより、前記基体表面を溶解させる工程;及び
(2)アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を酸窒化する工程;
を含む、基体表面に金属酸窒化物被膜を形成する方法。
項3.アンモニウム塩及び金属窒化物の原料となる金属の塩を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
(1)前記金属塩が還元されない電位であって、アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面の活性化を行う工程;及び
(2)前記金属塩及びアンモニウム塩の両方が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を金属窒化物でコーティングする工程;
を含む、前記基体表面に金属窒化物被膜を形成する方法。
項4.アンモニウム塩、金属窒化物の原料となる金属の塩及び酸素原子を有する化合物を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属酸窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
(1)前記金属塩が還元されない電位であって、アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面の活性化を行う工程;及び
(2)前記金属塩及びアンモニウム塩の両方が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を金属酸窒化物でコーティングする工程;
を含む、基体表面に金属酸窒化物被膜を形成する方法。
本発明において、金属窒化物被膜又は金属酸窒化物被膜を形成する方法としては、溶融塩電解を利用した表面窒化及び窒化物コーティングの2つの方法がある。
(1)表面窒化
溶融塩電解を利用した表面窒化を行う場合は、電解質として、窒素源としてのアンモニウム塩(NH4X;XはF、Cl、Br又はI)を電解浴中に添加する。この浴中では次式:
NH4X → NH4 ++ X-
に従い、NH4 +とX-にイオン化すると考えられる。浴中に存在するアンモニウムイオンは、次式:
xA + NH4 + + e- → AxN + 2H2
に示すように、作用極である金属成分Aを含む電極(基体)を陰分極させることにより、電極上で還元され、金属成分Aを含む窒化物被膜(窒化物層)を形成する。
(1−1)電解浴
本発明において、電解浴としては、一般に溶融塩電解において使用する電解浴が使用できる。例えば、アルカリ土類金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を溶融した溶融塩を電解浴の溶媒として使用するのが好ましい。
これらの中でも、本発明で使用するアルカリ土類金属のハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、融点が300℃以下のものが好ましい。このような低融点化合物の溶融塩を電解浴として用いることにより、例えば、200〜350℃程度の比較的低温領域で行うことができるので、基体と窒化物層、基体と金属窒化物層、基体と酸窒化物層または基体と金属酸窒化物層との熱膨張係数の違いによって起こる窒化物層等の基体からの剥離を大幅に抑制することができる。また、高温に弱い基体を使用することもできるので、応用の幅が広くなる。
このようなアルカリ金属ハロゲン化物としては、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、CsCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、CsI等が使用でき、アルカリ土類金属ハロゲン化物としては、MgF2、CaF2、SrF2、BaF2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、BaCl2、MgBr2、CaBr2、SrBr2、BaBr2、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2等が使用できる。
上記化合物は、単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらの化合物の組み合わせ、組み合わせる化合物の数、混合比等も限定されず、基体の種類、アンモニウム塩の濃度、被膜の成分となる金属の種類等に応じて適宜選択することができる。
本発明において好ましい電解浴としては、LiCl及びKClを溶融させたもの(LiCl:KCl=50 mol%〜70 mol%程度:30 mol%〜50 mol%程度、好ましくは57 mol%〜60 mol%程度:40 mol%〜43 mol%程度)、NaCl及びKClを溶融させたもの(NaCl:KCl=40 mol%〜60 mol%程度:40mol%〜60mol%程度、好ましくは48 mol%〜 52 mol%程度:48 mol%〜52 mol%程度)、LiCl、KCl及びCsClを溶融させたもの(LiCl:KCl:CsCl=50 mol%〜65 mol%程度:5 mol%〜20 mol%程度:25 mol%〜45 mol%程度、好ましくは58 mol%〜61 mol%程度:11 mol%〜12 mol%程度:28 mol%〜31 mol%程度)、LiBr、KBr及びCsBrを溶融させたもの(LiBr:KBr:CsBr=50 mol%〜65 mol%程度:10 mol%〜25 mol% 程度:20 mol%〜30 mol%程度、好ましくは55 mol%〜57 mol%程度:18mol%〜20 mol%程度: 24 mol%〜26 mol%程度)が挙げられる。
(1−2)イオン源(溶質)
表面窒化を行う際のイオン源としては、NH4X(XはF、Cl、Br又はI)を使用する。電解浴中に添加するNH4Xの量は限定されず、目的とする窒化物や作製条件に応じて適宜選択することができる。例えば、電解浴中に含まれる全陰イオンに対して0.01〜30 mol%程度、好ましくは0.1〜3 mol%程度添加すればよい。
(1−3)電極
(イ)陰極
本発明において、陰極は、窒化物被膜を形成する対象となる基体を使用する。基体の材質としては、溶融塩電解を行う温度で電流が流れる程度の導電性を有していれば限定されない。基体の形状や大きさ等も限定されず、使用する電解浴、基体の使用目的等に応じて適宜選択することができる。
一般的に、金属は大気中の酸素により酸化されやすく、本発明では、表面にそのような酸化物被膜(例えば、数〜数十原子層程度の酸化物層)を有している基体を好適に使用することができる。また、酸化物被膜だけではなく、水酸化物、塩化物等の不純物を表面に有する基体に対しても好適に使用することができる。圧延等の機械加工が施された材料の表面にはミクロンオーダーの厚い酸化物層が形成されている場合が多く、そのような場合には、あらかじめ機械研磨等により除去することにより、好適に使用することができる。
なお、表面窒化を行う場合には、基体は金属成分Aを有する必要がある。A成分を有しない基体を使用する場合には、A成分を有する膜を予め基体の表面に作製しておけばよい。このときの方法は限定されず、溶融塩電解、電解めっき、無電解めっき、物理的蒸着法等種々の方法から適宜選択することができる。
A(又はA成分)としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アクチノイド、希土類等が使用できる。
アクチノイドとしては、アクチニウム(Ac)、トリウム(Th)、ウラン(U)、ネプツニウム(Np)、プルトニウム(Pu)、アメリシウム(Am)、キュリウム(Cm)、バークリウム(Bk)、カリホルニウム(Cf)、アインスタイニウム(Es)、フェルミウム(Fm)、メンデレビウム(Md)、ノーベリウム(No)、ローレンシウム(Lr)が挙げられる。
希土類としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等が例示できる。
これらの金属の中でも、例えば、酸化されやすく、酸化された場合には特に金属窒化物被膜が形成されにくくなるので、本発明においては、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Co、Zn、Al、Ga、In、Sn等の金属を使用することが好ましい。
上記金属化合物は、単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(ロ)陽極
本発明において、表面窒化を行う場合、陽極としては、長寿命・高耐久性の観点から、黒鉛、グラッシーカーボン、フェライト・電子伝導性セラミックス等を使用することができる。
(1−4)電解(溶融塩電解)
(イ)前処理
本発明において表面窒化を行う場合、前処理を行う。この前処理を行うことにより、基体表面を溶解させることができ、基体表面に存在する酸化物、塩化物、水酸化物等の不純物又は不純物を含む被膜を除去することができ、窒化物被膜又は酸窒化物被膜が形成する速度が飛躍的に大きくなるからである。
前処理を行う条件としては、アンモニウム塩が還元しない電位において通電を行うのがよい。アンモニウム塩が還元すると、基体表面の不純物が除去されないうちに表面窒化が始まり、結果として表面窒化の効率が悪くなるからである。
また、陰極電流密度が0.1〜1A/cm2程度の場合、処理時間を1〜60秒程度とすればよい。好ましくは、0.05〜0.2A/cm2程度の場合、処理時間を5〜10秒程度とすればよい。
(ロ)窒化物被膜の形成
表面窒化を行う場合には、A成分を含む基体を陰極とし、陽極に対し負の電位に保つ。電解電位は、アンモニウムイオンの還元反応が進行する電位領域、すなわち電解浴のカソード限界の電位に対して0.5 V〜2.0 V程度の範囲とすればよい。陰極電流密度は、1〜100mAcm-2程度とすればよい。通電時間は限定されず、使用する基体の種類、目的とする窒化物被膜の厚さ等に応じて適宜選択することができる。
このような前処理及び窒化物被膜の形成を含む電解(溶融塩電解)の工程は、得られる基体の酸化又は過度の酸化を防ぐためにも、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、なかでも、窒素、アルゴンが好ましい。
(2)窒化物コーティング
溶融塩電解を利用した窒化物コーティングを行う場合は、電解質として、例えば、被覆する金属窒化物(AxNy)の金属源としての金属ハロゲン化物(AYz)と、窒素源としてのアンモニウム塩(NH4X)とをそれぞれ電解浴中に添加する。この浴中でAYz とNH4Xは、それぞれ以下の式:
AYz → Az+ + zY-
NH4X → NH4 ++ X-
に従ってイオン化すると考えられる。
ここで、導電性の基体を作用極として陰分極させると、次式:
xAz+ + yNH4 + + (xz + y) e- → AxNy + 2yH2
で示すように、添加した金属の電析反応とアンモニウムイオンの還元反応が基体上で同時に起こり、目的の金属窒化物を基体上に被覆させることが可能である。
本発明において、窒化物コーティングは、基体の成分である金属と異なる成分の金属窒化物被膜を形成する場合に有用である。基体と同じ元素の金属窒化物被膜を形成する場合には、上述した表面窒化を行えばよい。
(2−1)電解浴
本発明における窒化物コーティングを行う場合の電解浴としては、一般に溶融塩電解において使用する電解浴が使用できる。上記表面窒化において使用する電解浴と同様の電解浴が使用できる。
(2−2)イオン源(溶質)
窒化物コーティングを行う際のイオン源としては、NH4Xと金属窒化物被膜の成分(原料)となる金属成分Aを含む化合物、好ましくは、AX2、AX3(Xは、F、Cl、Br又はIである。)等のAのハロゲン化物、Aとハロゲンとを含む化合物等を添加する。
電解浴中に添加するNH4Xの量は、上記表面窒化を行う場合と同様に限定されず、目的とする窒化物や作製条件に応じて適宜選択することができる。例えば、電解浴中に含まれる全陰イオンに対して0.01〜30mol%程度、好ましくは0.1〜3 mol%程度添加すればよい。
A(又はA成分)としては、上記表面窒化の場合と同様の成分を使用することができる。この金属化合物は、単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。電解浴中に添加する金属化合物の量は限定されず、目的とする合金や作製条件に応じて適宜選択することができる。例えば、電解浴中に含まれる全陰イオンに対して0.01〜10 mol%程度、好ましくは0.1〜3 mol%程度添加すればよい。2種以上の金属化合物を使用する場合は、各々の添加量が上記の範囲であればよい。
(2−3)電極
(イ)陰極
本発明において、陰極は、窒化物被膜を形成する対象となる基体を使用する。基体の材質としては、溶融塩電解を行う温度で電流が流れる程度の導電性を有していれば限定されない。基体の形状や大きさ等も限定されず、使用する電解浴、基体の使用目的等に応じて適宜選択することができる。
(ロ)陽極
本発明において窒化物コーティングを行う場合、陽極としては、金属成分Aが含まれるものであれば限定されず、例えば、金属成分Aからなる電極又は金属成分Aを含む合金、化合物等からなる電極を使用することができる。また、上述の表面窒化を行う際に使用する黒鉛、グラッシーカーボン、フェライト・電子伝導性セラミックス等も使用できる。
A成分を含む陽極を用いることにより、陰極で消費されるA成分を含むイオンを連続的に供給することができ、さらに、電解中に発生するハロゲンガスを抑制することができるので、本発明においてはより好ましい。
(2−4)電解(溶融塩電解)
(イ)前処理
窒化物コーティングを行う場合、前処理により基体表面を活性化する。この活性化は、例えば、金属窒化物被膜の原料となる金属イオンが還元されない電位であって、アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより行うことができる。
アンモニウムイオンを基体表面で還元させることにより、基体表面が活性化され、窒化物コーティングの効率が飛躍的に高くなる。基体表面が活性化されるとは、電気化学的な金属窒化物又は金属酸窒化物の生成反応が起こる反応点が増加することを意味する。
なお、アンモニウム塩も金属イオンも還元されない条件で通電すれば、基体中の金属がイオンとなって溶出し、この金属イオンが窒化物コーティングを行う際の不純物となるため好ましくない。
前処理を行う場合、陰極電流密度を0.001〜0.1A/cm2程度とする場合、処理時間を1〜60秒程度とすればよい。好ましくは、陰極電流密度を0.01〜0.05A/cm2程度とする場合は、処理時間を5〜20秒程度とすればよい。
(ロ)窒化物被膜の形成
本発明において窒化物コーティングを行う場合、設定する電解電位は、アンモニウムイオンの還元反応が進行する電位領域内で、かつ、金属成分Aが単独で析出する電位に対して、+0.2 V〜−0.8 V程度、好ましくは、+0.1〜−0.5程度の範囲とすればよい。陰極電流密度は1〜100mAcm-2程度、好ましくは5〜30 mAcm-2程度とすればよい。
上記の表面窒化においても窒化物コーティングにおいても、電解条件の範囲内で、電解電位、電流密度等の電気化学パラメータを変えることにより、表面窒化物層の組成や結晶構造、膜厚を簡便に制御することが可能である。
このような前処理及び窒化物被膜の形成を含む電解(溶融塩電解)の工程は、得られる基体の酸化又は過度の酸化を防ぐためにも、表面窒化において記載したのと同様に、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(3)酸窒化物被膜の形成
本発明において、酸窒化物(オキシナイトライド)被膜は、上述したような表面窒化によっても窒化物コーティングによっても形成することができる。これらの方法において、電解浴中に酸素原子を有する塩を添加すればよい。
酸素原子を含む化合物としては、本発明において溶融塩電解を行う条件下で安定なイオンを形成し、還元反応を起こすものであれば限定されない。このようなイオンとしては、例えば、酸化物イオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオンを有する化合物が挙げられ、より好ましくは、Li2O、KOH、NaNO3等が使用できる。水も使用することができ、水蒸気の吹き込みを行っても構わない。
また、酸素原子を含む化合物と金属イオンを使用する代わりに、金属の酸化物を溶融塩中に添加することにより、金属酸窒化物の形成を行うこともできる。
酸素原子を含む塩の添加量は特に限定されないが、添加するNH4X濃度の0.5〜2倍程度、好ましくは、0.8〜1.5倍程度になるようにすればよい。また、水を吹き込む場合は、蒸気圧を10-4〜10-1気圧程度、好ましくは10-3〜10-2気圧程度に制御することが望ましい。
得られる金属酸窒化物被膜における窒素原子と酸素原子の比率は、添加する酸素を含む化合物とアンモニウム塩との比、電解電位、電流値等の諸条件によって適宜調節することができる。
(4)その他
本発明により得られた金属窒化物被膜又は金属酸窒化物被膜を有する基体は、自然に冷却した後、例えば、中性付近に保った水で洗浄し、種々の目的に使用することができる。また、長期保存する場合には、ドライフード等の乾燥した場所に保管するのが好ましい。
以下、本発明において使用する溶融塩電解における好ましい態様について、図1を参考にしながら記載する。電気的に絶縁された容器1に、溶融塩電解の電解浴における溶媒となる化合物を添加したるつぼ5をセットし、容器1の外部に設けたヒーター2で加熱し、当該化合物を溶融させる。溶融後、NH4X又はNH4XとA成分を有する化合物とを添加し、陰極3および陽極4を溶融塩の浴中に浸漬し、所定条件で電解を開始する。
本発明の方法によれば、200〜500℃程度の比較的低温でも効率良く(大きな速度で)金属窒化物被膜又は金属酸窒化物被膜を得ることができる。
以下、実施例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1(表面窒化)
LiCl及びKClを共晶組成となるように秤量し(51:49 mol%;合計400g)、粉砕混合した後、アルミナ製ルツボに移し、200℃の真空乾燥器内で一昼夜乾燥した。これをパイレックス(R)製気密容器内で外部ヒーターにより450℃まで加熱し、融解させた。これに、窒素源であるNH4Clを、電解浴中に含まれる全陰イオンに対して1.0 mol%となるように添加した。
図2に例示する装置を使用した。即ち、陰極(21)、陽極(22)、参照極(23)及び熱電対(24)を、パイレックス(R)製またはステンレス製気密絶縁容器(25)にセットした。陰極(21)には、チタン板(99.5%, 20 x 5.0 x 0.5 mm)を用い、陽極(22)にはグラッシーカーボンを用いた。また参照極(23)として、まず上記溶融塩と同組成の混合物に1mol%のAgClを添加し、これを底薄に加工したパイレックス(R)管中に封入したものを準備した。これを電解浴である上記溶融塩中に浸すことで内包する混合塩が融解した後、Ag線を浸漬させて参照電極として用いた。なお、参照極の較正用として、ニッケル線上にリチウム金属を電解により析出させ、電流を切った後に示す再現性の良い電位を用いた。
前処理を行った後、作用極の電位をリチウム金属の電位に対して、0.5Vに設定し1時間の定電位電解を行って試料を作成した。図3に電解前後の試料表面の写真を示す。電解後の試料(b)は、電解前(a)と比較すると明らかに黄金色を呈しており、表面にチタン窒化物が形成していることが示唆される。
次に、電解前後の試料に関してXPSによる分析を行った結果を図4に示す。電解後の試料からはN 1sピークが確認できるが、電解前の試料では確認できない。また、N 1sピークの結合エネルギー値は、N≡N結合に帰属される値よりも低エネルギー側にシフトしており、TiNのN 1s結合エネルギー値(396.6 eV)に非常に近い。
また、ピーク面積から窒素濃度を算出したところ約50 %と求められたことから、TiNが形成したことがわかる。Ti 2pのスペクトルについても、電解後の試料では、いずれのピークも高エネルギー側にシフトしていることから、窒素と強く結合していることがわかる。
以上の結果から、本方法によりチタン表面が窒化されていることが確認された。
さらに、50000秒以上のアルゴンエッチング後もN 1s、Ti 2pともに同様のスペクトルが得られたことから、少なくとも5μm以上の窒化物層(窒化物被膜)が存在していることがわかり、従来の溶融塩中でのナイトライドイオンの酸化反応を利用する窒化法に比べ、10倍以上の速度で表面窒化反応が進行したことがわかる。
比較例1
前処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に実験を行った。前処理しなかった場合、窒素のN1sピークの強度に大きなばらつきがあったことから、窒化物層が均一に成長していないことがわかる。
実施例2(クロム窒化物のコーティング)
実施例2においては、図2に示す装置を使用し、陰極にはニッケル板(20 x 5.0 x 0.5 mm)を用意し、対極にはクロム板(99.9%, 30 x 4.0 x 1.5 mm)を用いた。クロムイオン源として二価の塩化クロムCrCl2(99.9%)を0.2 mol%となるよう添加し、続いて窒素源としてNH4Clを、電解浴中に含まれる全陰イオンに対して0.1 mol%となるように添加した。
450℃の溶融LiCl-KClにNH4Clを0.1 mol%とCrCl2を0.2 mol%添加した浴中で、作用極であるニッケル板の前処理として、陰極電流密度0.01A/cm2で10秒間の電解を行い、作用極表面の活性化を行った。
続いて、作用極の電位をリチウム金属の電位に対して1.7 V、1.6 V、1.5 V、1.4 Vで30分間の定電位電解を行い、試料を作成した。電解後の試料表面を、XRDを用いて分析した結果を図5に示す。すべての電位において基板であるニッケルの他に、クロム窒化物であるCrN、およびCr2Nに帰属される回折パターンが確認された。
このことより、電極表面でCr(II)の還元反応とNH4 +の還元反応が同時に起こり、クロム窒化物が形成したことがわかる。また、電解電位が卑であるほど窒素濃度の高い組成の窒化物が形成していることがわかる。以上の結果から、電解電位によってコーティングされるクロム窒化物被膜の組成を制御できることがわかる。
また、得られたクロム窒化物コーティング層の形態についてSEMを用いて観察を行った。電解電位1.5 Vで得られた試料の様子を図6に示す。表面を観察した結果(図6(A))より、ニッケル基板表面は一様にクロム窒化物で覆われており、球状の結晶が集積した形態となっていることがわかる。また、試料の破断面を観察した結果(図6(B))より、形成したコーティング層は非常に緻密であり、またその膜厚はおよそ7μmであることがわかる。
比較例2
前処理を行わなかった以外は、実施例2と同様に実験を行った。得られた金属窒化物被は、アイランド状に成長し、粗な膜しか得られなかった。また、ビッカース硬度でにより得られた基体の高度も、実施例2におけるものよりも非常に低かった。
実施例3〜9(窒化物コーティング及び酸窒化物コーティング)
実施例3〜9においては、図2に示す装置を使用し、電解浴には、共晶組成のLiCl-KCl(51:49 mol%;合計400g)及びLiCl-KCl-CsCl(57.5:13.3:29.2 mol%;合計400g)を、それぞれ450℃、300℃で用いた。前処理は、実施例2と同様に行った。各実施例において使用した電解浴の組成と浴の温度は表1に示す。
陰極(21)にはニッケル基板(20 x 5.0 x 0.5 mm)を用意し、対極にはチタン板(99.9%, 30 x 4.0 x 1.5 mm)、タンタル板(99.9%, 30 x 4.0 x 1.5 mm)、ニオブ板(99.9%, 30 x 4.0 x 1.5 mmを適宜使用した。チタン、タンタル、ニオブの各イオン源として、それぞれ対極にチタン板を使用する場合にはK2TiF6、対極にタンタル板を使用する場合にはK2TaF7、対極にニオブ板を使用する場合にはK2NbF7を0.2 mol%となるよう添加し、続いて窒素源としてNH4Clを0.1 mol%となるように添加した。
また、実施例6及び9においては、電解浴中にさらにKOHを0.1mol%となるように添加した。
上記の電解浴中で電解を行って得たサンプルの結果を表1に示す。
Figure 0004471728
まず、実施例2〜4については、Ni基板表面はそれぞれ一様にチタン、タンタル又はニオブの窒化物で覆われており、柱状の結晶が集積した緻密な形態となっていることがわかる。また、その膜厚はおよそ7〜9μmであることがわかる。
実施例6については、酸素を含むイオン源としてKOHを添加して電解を行ったところ、やはり柱状の結晶が集積した緻密な膜が形成しており、その主成分はTaONであって、3〜7%程度のTaNが混入していることが分かる。これは、次反応:
Ta(V)+ NH4 + + OH- + 5 e-→ TaON + 5/2H2
のようにOH-イオンがTaイオンやアンモニウムイオンと同時に電極表面で還元されることで、Taの窒化物の形成と同時に酸素も取り込まれていくからであると考えられる。
実施例7〜9では、上記実施例3〜6と同様の処理を300℃の低温で行った(表1)。電解後のNi基板表面はやはり一様に緻密な柱状の結晶に覆われており、チタン、タンタルの窒化物、及びTaONであることが分かる。成膜速度は、現行のスパッタリング法等と比較すると1〜2オーダー程大きいことが分かる。
本発明の実施態様の一例を示す模式図である。 実施例1〜8で使用した電解装置の模式図である。 実施例1で作製した試料表面の写真である。 実施例1で作製した試料のXPS分析結果である。 実施例2で作製した試料表面のXRD分析結果である。 実施例2で作製した試料の表面(A)と破断面(B)のSEM写真である。
符号の説明
1 容器
2 ヒーター
3 陰極
4 陽極
5 るつぼ
21 陰極
22 陽極
23 参照極
24 熱電対
25 パイレックス(R)製気密容器


Claims (4)

  1. アンモニウム塩を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
    (1)アンモニウム塩が還元されない電位で通電することにより、前記基体表面を溶解させる工程;及び
    (2)アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を窒化する工程;
    を含む、基体表面に金属窒化物被膜を形成する方法。
  2. アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属酸窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
    (1)アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物が還元されない電位で通電することにより、前記基体表面を溶解させる工程;及び
    (2)アンモニウム塩及び酸素原子を有する化合物が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を酸窒化する工程;
    を含む、基体表面に金属酸窒化物被膜を形成する方法。
  3. アンモニウム塩及び金属窒化物の原料となる金属の塩を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
    (1)前記金属塩が還元されない電位であって、アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面の活性化を行う工程;及び
    (2)前記金属塩及びアンモニウム塩の両方が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を金属窒化物でコーティングする工程;
    を含む、前記基体表面に金属窒化物被膜を形成する方法。
  4. アンモニウム塩、金属窒化物の原料となる金属の塩及び酸素原子を有する化合物を溶解した溶融塩を電解浴として用い、金属酸窒化物被膜を形成する対象となる基体を陰極に使用する溶融塩電解において、
    (1)前記金属塩が還元されない電位であって、アンモニウム塩が還元される電位で通電することにより、前記基体表面の活性化を行う工程;及び
    (2)前記金属塩及びアンモニウム塩の両方が還元される電位で通電することにより、前記基体表面を金属酸窒化物でコーティングする工程;
    を含む、基体表面に金属酸窒化物被膜を形成する方法。

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