JP4471701B2 - 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械 - Google Patents

主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械 Download PDF

Info

Publication number
JP4471701B2
JP4471701B2 JP2004099331A JP2004099331A JP4471701B2 JP 4471701 B2 JP4471701 B2 JP 4471701B2 JP 2004099331 A JP2004099331 A JP 2004099331A JP 2004099331 A JP2004099331 A JP 2004099331A JP 4471701 B2 JP4471701 B2 JP 4471701B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool
spindle
main shaft
tapered
shank portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004099331A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005279875A (ja
Inventor
治幸 白石
英雄 小松原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makino Milling Machine Co Ltd
Original Assignee
Makino Milling Machine Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makino Milling Machine Co Ltd filed Critical Makino Milling Machine Co Ltd
Priority to JP2004099331A priority Critical patent/JP4471701B2/ja
Publication of JP2005279875A publication Critical patent/JP2005279875A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4471701B2 publication Critical patent/JP4471701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Control Of Machine Tools (AREA)
  • Jigs For Machine Tools (AREA)
  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Numerical Control (AREA)

Description

本発明は、工具のフランジ端面と主軸の前端面及び工具のテーパシャンクの外周面と主軸のテーパ穴の内周面とがそれぞれ、密着して工具を主軸に装着する2面拘束工具用の主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械に関する。
マシニングセンタのような工作機械の主軸装置では、様々なサイズの切刃を有した工具を主軸に装着できるようにするために、所定の規格のテーパシャンク部を備えた工具ホルダに様々な種類及びサイズの切刃部を取り付け、この工具ホルダのテーパシャンク部を主軸の前端面に設けられた工具装着用のテーパ状の穴(以下、テーパ穴と記載する)に挿入するようにしている。そして、主軸のドローバでテーパシャンク部を主軸後方側へ引っ張ることによって、心合わせを行いつつ、工具ホルダを介して工具を主軸に装着している。
このような工具ホルダには、主軸に装着したときにテーパシャンク部のテーパ状外周面のみが主軸のテーパ穴のテーパ状内周面と密着する1面拘束タイプと、主軸に装着したときにテーパシャンク部のテーパ状外周面が主軸のテーパ穴のテーパ状内周面と密着すると共にフランジ部の内端面(すなわち主軸側のフランジ端面)が主軸の前端面と密着する2面拘束タイプとがある。
ところで、加工の際に主軸を高速で回転させると、主軸には遠心力が作用し、主軸先端がラッパ状に拡がって主軸前端面の外周側が内周側より後方に移動し、その結果テーパ穴が僅かに拡径することが分かっている。テーパ穴が拡径すると、テーパ穴の内周面とテーパシャンク部の外周面との間に隙間が生じることになるが、1面拘束タイプの工具ホルダを使用している場合には、工具ホルダのフランジ部と主軸の前端面との間が離れているので、ドローバによってテーパシャンク部がさらに主軸後方に引き込まれ、テーパ穴の内周面とテーパシャンク部の外周面とは再び密着する。この場合、実質的な工具長が変化し加工精度に影響を与える問題を生じるので、この問題を解消するために、例えば、主軸の回転速度に応じて工具ホルダが主軸内に引き込まれる量を予測して工具長を補正し、加工精度の向上を図る方法が提案されている(特許文献1を参照)。
一方、2面拘束タイプの工具ホルダでは、図4(a)に示されている状態からテーパ穴55が拡径すると、図4(b)に示されているように主軸53の前端部の外周側が内周側よりも後方に移動して、主軸53の前端面57のテーパ穴55の縁部が工具ホルダ59のフランジ端面59aと接触した状態となり、テーパシャンク部59cをテーパ穴55内に引き込むことができない。したがって、テーパ穴55の内周面とテーパシャンク部59cの外周面との間に隙間が生じる。この結果、テーパ穴55内でテーパシャンク部59cが移動し得るようになり、加工精度の低下を招く。この問題を解消するために、例えば、テーパシャンク部を中空にすると共にテーパシャンク部の基端部(主軸側端部)に中空部内に傾斜して半径方向に延びるリブを設け、ドローバでこのリブを主軸後方に引くことにより、リブを立ち上げさせてテーパシャンク部を拡径させ、テーパシャンク部の外周面をテーパ穴の内周面に接触させる工具ホルダが提案されている(特許文献2を参照)。
特公平8−7614号公報 特開平9−248728号公報
2面拘束タイプの工具ホルダを使用する場合、主軸の高速回転時にテーパ穴内におけるテーパシャンク部のがたつきを防止するために、特許文献2のように工具ホルダのテーパシャンク部に特別なリブを形成すると、工具ホルダが規格から外れてしまうという問題が生じる。また、既存の工具ホルダを全てリブ付きの特殊な工具ホルダに置換しなければならず、不経済である。
本発明は前述の問題点を解消するためになされたものであり、本発明の目的は、2面拘束工具を使用する際に高速で主軸を回転したときに主軸のテーパ穴の内周面と工具ホルダのテーパシャンク部の外周面との間に生じる隙間をなくし、テーパ穴内におけるテーパシャンク部のがたつきを防止することにある。本発明の他の目的は、主軸の回転速度に適合させた工具長の補正を行い、加工精度の良い工作機械を得ることである。
前述の目的を達成するため、主軸ハウジングに回転可能に支持され、前端面に工具装着用のテーパ穴が開口した主軸と、前記テーパ穴に挿入された工具を後方に引き込んで工具を前記主軸に装着する工具装着手段とを備え、工具のフランジ端面と前記主軸の前端面とを当接させかつ工具のテーパシャンク部の外周面と前記テーパ穴の内周面とを密着させて工具を前記主軸に装着させる主軸装置であって、前記主軸の前端面は、静止した前記主軸に工具を装着したとき工具のフランジ端面に当接する環状平面である第1の面と、前記第1の面と前記テーパ穴との間に環状に形成され、前記主軸が静止しているときは工具のフランジ端面と当接しない逃げ面である第2の面とを含んで形成され、前記主軸の回転速度が増加して遠心力により前記テーパ穴が拡径したとき、工具のテーパシャンク部が前記主軸の後方へ引き込まれ、工具のフランジ端面が前記第2の面と当接し、かつ工具のテーパシャンク部の外周面が前記テーパ穴の内周面と密着するようにした主軸装置が提供される。なお、工具とは、工具ホルダに切刃部を取り付けたもの又は切刃部と工具ホルダとを一体的に形成したものを指す。
主軸前端面のテーパ穴周りに逃げ面が設けられていない場合には、主軸が高速で回転して主軸前端部が遠心力でラッパ状に拡がると、主軸前端面とテーパ穴内周面との境界部が主軸前端面の外周側よりも前に位置して工具のフランジ端面と接触することになる。これに対して、本願発明では、主軸の前端面におけるテーパ穴周りに逃げ面が形成され、主軸の回転速度が増加して主軸前端部がラッパ状に拡がったときに逃げ面が工具のフランジ端面に当接するようになっているので、逃げ面がないと仮定した場合の主軸前端面とテーパ穴内周面との境界から逃げ面までの距離に相当する分だけ、フランジ端面が主軸後方へ移動できるようになる。したがって、テーパシャンク部がテーパ穴内にさらに引き込まれ、テーパシャンク部の外周面とテーパ穴の内周面との間の隙間がなくなる。この逃げ面の逃がし量は、テーパシャンク部がテーパ穴内に引き込まれ、テーパシャンク部の外周面とテーパ穴の内周面との間の隙間を少なくともなくすことができる量である。
また、NCプログラムの指令により工具とワークとを相対移動させてワークの加工を行う工作機械において、上記主軸装置と、主軸の回転速度と前記主軸のテーパ穴が拡径して工具が前記主軸の後方へ引き込まれる量との関係をテーブル又は関数で記憶し、指令された主軸回転速度に対応する工具の前記主軸の後方へ引き込まれる量を前記テーブルから読み取り又は前記関数で演算して求め、前記求めた引き込まれる量を用いて工具とワークとの相対移動を補正する制御装置とを具備する工作機械が提供される。
上記主軸装置では、主軸前端面においてテーパ穴周りに逃げ面が設けられていることにより、工具が主軸後方に引き込まれるので、実質的な工具長を変化させる。そこで、主軸の回転速度と工具の引き込まれる量との関係を記憶したテーブル又は関数により、実際に指令された主軸回転速度に対応した工具の引き込まれる量を求め、その求めた引き込まれる量を用いて工具とワークとの相対移動を補正する。これにより、加工精度をさらに向上させることができる。
以上説明したように本発明によれば、主軸の前端面におけるテーパ穴周りに逃げ面を形成し、主軸前端部がラッパ状に拡がったときに逃げ面が工具のフランジ端面に当接するようにしているので、逃げ面がない場合よりもフランジ端面がさらに主軸後方へ移動できるようになる。したがって、テーパシャンク部がテーパ穴内にさらに引き込まれ、テーパシャンク部の外周面とテーパ穴の内周面との間の隙間がなくなる。このようにして、工具のテーパシャンク部の外周面とテーパ穴の内周面との間の隙間を除去することにより、テーパ穴内における工具のテーパシャンク部のがたつきを抑え、加工精度を向上させる。
また、本発明の主軸装置を備える工作機械によれば、上述した逃げ面の形成によって生じたテーパ穴への工具の引き込まれる量の変化を反映させて工具先端位置を補正することができるので、加工精度をさらに向上させることができる。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態について説明する。図1は2面拘束工具を主軸に装着した本発明の主軸装置の主軸前端面付近の拡大断面図であり、(a)は主軸が静止している状態、(b)は主軸が高速で回転している状態を示しており、図2は本発明の主軸装置の要部断面図である。
最初に、図1及び図2を参照して、本発明の主軸装置11の構造について説明する。主軸装置11は、主軸ハウジング13と、軸受等により主軸ハウジング13に回転可能に支持された主軸15とを備えており、主軸15の前端面23には工具25を装着するためのテーパ穴17が形成されている。このテーパ穴17の底部からは、主軸15の回転軸線21に沿って後方へ向けて中心孔19がさらに延びている。この中心孔19の内部には、後述するように、主軸15に工具25を着脱可能に装着するための機構が設けられている。
図1及び図2に示されている工具25は、2面拘束タイプのものであり、切刃部27と、切刃部27を保持する工具ホルダ29とからなる。工具ホルダ29は、主軸15のテーパ穴17に装着されたときに主軸15の前端面23に当接するフランジ端面29aを有したフランジ部29bと、フランジ部29bから切刃部27と反対側に延びるテーパシャンク部29cとを備える。フランジ部29bはテーパシャンク部29cよりも半径方向に大きく、フランジ部29cとテーパシャンク部29cとの外周面の段差により形成される肩部がフランジ端面29aとなる。テーパシャンク部29cは、主軸15のテーパ穴17の内周面と相似形のテーパ状外周面を有し、フランジ端面29aと主軸15の前端面23とが当接するまで主軸15のテーパ穴17に挿入されたときに、その外周面がテーパ穴17の内周面と密着するようになっている。また、テーパシャンク部29cはその内部が中空となっており、テーパシャンク部29cの主軸側縁部には、半径方向内側に突出している隆起部が形成されている。テーパシャンク部29cの外径は、テーパ穴17の内径より若干大きく形成されており、テーパシャンク部29を主軸の後方へ引き込む作用によって、テーパシャンク部29cは縮径されてテーパ穴の内周面と密着している。
テーパ穴17に対する工具ホルダ29の着脱は主軸15に設けられた工具装着機構により行う。図2に示されている実施形態では、主軸15の回転軸線21方向に進退可能なドローバー31が主軸15の中心孔19内に設けられており、ドローバー31の先端外側にはコレット33が装着されている。テーパ穴17に工具25のテーパシャンク部29cを挿入するとき、ドローバー31の先端及びコレット33を中空のテーパシャンク部29c内に挿入し、その後、ドローバー31を主軸15の回転軸線21に沿って後方に引っ張ることにより、ドローバー31のテーパ状頭部でコレット33を拡げてテーパシャンク部29c内側の隆起部にコレット33の外周面に形成された隆起部を係合させる。そして、さらにドローバー31を主軸15の後方に向かって引っ張ることにより、テーパシャンク部29cをテーパ穴17内に引き込み、主軸15と工具25の心合わせを行いつつ工具25を主軸15に固定する。このような主軸15の工具装着機構は周知のものであるので、ここではこれ以上詳細には説明しない。図2に示されている実施形態では、ドローバー31及びコレット33を用いた工具装着機構が示されているが、他の工具装着機構を用いることも可能であることはもちろんである。
主軸15の前端面23は、図1に示されているように、主軸が静止しているときに主軸15の回転軸線21に対して略垂直に延びている環状の平面である第1の面23aと、第1の面23aの内側に位置する環状の第2の面23bとを含んでいる。第1の面23aは、静止した主軸15に工具25を装着するときに工具25のフランジ部29bのフランジ端面29a(主軸側端面)が当接する平面である一方、第2の面23bは、テーパ穴周りに形成され且つ第1の面23aに対して主軸15の後方に向かって傾斜した円錐面状の逃げ面である。すなわち、第2の面23bは、その外周が第1の面23aと連続的に接続していると共にその内周がテーパ穴17の内周面と連続的に接続しており、静止した主軸15に工具25を装着したときに工具25のフランジ端面29aが第2の面23bには当接しないようになっている。
なお、第1の面23aに対する第2の面23bの傾斜角(以下、逃がし角αと記載する)は、実機を用いた試験やコンピュータによる解析に基づいて、主軸15が予め定められた回転速度で回転して主軸15に作用する遠心力で主軸15の前端部がラッパ状に拡がったときに、第2の面23bが工具25のフランジ端面29aと平行になるように定められる(図1(a)を参照)。例えば、主軸15を15000回転毎分で回転させて加工するときに第2の面23bが工具25のフランジ端面29aと平行にするためには、逃がし角αは0.5〜2°とすることが好ましい。また、逃がし量Lは、主軸15の前端面23のうちの第2の面23b(すなわち逃げ面)と工具25のフランジ端面29aとが当接したときに工具25のテーパシャンク部29cの外周面がテーパ穴17の内周面と密着するように定められる(図1(b)を参照)。ここで、逃がし量Lとは、前端面23の第1の面23aの延長面とテーパ穴17の内周面の延長面との交線から前端面23の第2の面23bとテーパ穴17の内周面との交線までの距離をいうものとする(図1(a)を参照)。
このように逃がし角α及び逃がし量Lを定めることにより、主軸15が高速で回転して遠心力で主軸15の前端部がラッパ状に拡がったときでも、主軸15の前端面23のうちの第2の面23bと工具25のフランジ端面29aとが当接すると共に主軸15のテーパ穴17の内周面と工具25のテーパシャンク部29cの外周面とが密着して2面拘束を確保でき、工具25のテーパシャンク部29cが主軸15の回転中にテーパ穴17内で動くことが防止されるので、高精度の加工を実現することが可能となる。
次に、図1及び図2に示されている主軸装置11の動作について説明する。
最初に、主軸15の前端面23に形成したテーパ穴17内に工具25のテーパシャンク部29cを挿入する。このとき、ドローバー31及びその先端外側に装着されたコレット33をテーパシャンク部29cの内部に挿入する。次に、ドローバー31を主軸15の回転軸線21方向後方に引っ張る。すると、ドローバー31のテーパ状頭部によりコレット33が拡げられてテーパシャンク部29cの内側の隆起部に係合し、テーパシャンク部29cの外周面がテーパ穴の内周面に密着するまでテーパシャンク部29cがテーパ穴17内に引き込まれ、主軸15に工具25が固定される。このとき、工具25のフランジ端面29aは主軸15の前端面23の第1の面23aと当接する。
主軸15を回転させて加工を始めると、主軸15には遠心力が作用する。このため、主軸15を高速で回転させたときには、主軸15の前端部が前端面23よりも後方の位置を中心としてラッパ状に拡がる。なお、主軸15の前端部は、主軸15の前端面23よりも後方の位置を中心として拡がることから、少なくとも後方側に移動し、前方側に移動することはない。このように主軸15の前端部が拡がると、テーパ穴17が拡径して、工具25のテーパシャンク部29cの外周面とテーパ穴17の内周面との間に隙間が生じることになる。
従来の主軸の場合、図4に示されているように、主軸53の前端部が拡がると、主軸53の前端面57の外側が主軸53の前端面57の内側よりも後方に移動し、主軸53の前端面57に位置するテーパ穴55の外縁部が工具ホルダ59のフランジ端面59aに接触する。このため、ドローバーでコレットを介してテーパシャンク部59cを主軸53後方に引っ張っても、工具ホルダ59のテーパシャンク部59cをテーパ穴55内に引き込むことができず、テーパシャンク部59cの外周面とテーパ穴55の内周面との間の隙間を解消することができなかった。この結果、テーパシャンク部59cが加工中にテーパ穴55内でがたつき、加工精度を低下させていた。
ところが、図1及び図2に示されている主軸装置11では、主軸15の前端面23に第2の面23b、すなわち第1の面23aに対して後方に傾斜した逃げ面が形成されているので、その逃がし量Lの分だけ、テーパシャンク部29cをテーパ穴17内に引き込み、第2の面23bを主軸15の前端面23に当接させると共にテーパシャンク部29cの外周面をテーパ穴17の内周面に密着させることができる。このとき、テーパシャンク部29cは薄肉で、ドローバー31の後方への引張り力が大きい(例えば1〜3トン)ので、テーパシャンク部29cは若干縮径してテーパ穴17の内周面に密着する。したがって、主軸15が高速で回転して主軸15の前端部が拡がっても、テーパシャンク部29cがテーパ穴17内でがたつくことはなく、加工精度の向上を図ることができる。
図3は図1及び図2に示されている主軸装置11を備えた工作機械35の全体構成を示すブロック図である。図1及び図2に示されている主軸装置11では、主軸15の前端面に逃げ面を形成することにより、工具25を主軸15の内部に引き込めるようにしている。しかしながら、これにより実質的な工具長を変化させることになる。図3に示されている工作機械35は、このような工具長の変化の補正を行い、加工精度をさらに向上させるためのものである。
工作機械35は、主軸装置11と、主軸装置11を移動させるために複数の送り軸を有した送り装置37と、送り装置37及び主軸装置11の動作を制御する制御装置39とを備える。制御装置39は、主軸装置11の動作を制御する主軸制御手段41と、送り装置37の動作を制御する送り軸制御手段43と、主軸装置11の基準位置と工具先端位置との差を考慮するために使用工具25に対応した工具オフセット量を定める工具オフセット量設定手段45とを有する。主軸制御手段41は、NCプログラム47から主軸15の指令回転速度などの情報を取得し、指令回転速度に基づいて、主軸装置11の主軸15を回転させる。工具オフセット量設定手段45は、NCプログラム47又は工具寸法測定装置(図示せず)などによって工具種類、工具長、工具径などの情報を取得し、主軸15の基準位置と予測される工具先端位置との差である工具オフセット量を求める。そして、送り軸制御手段43は、求められた工具オフセット量を用いて、NCプログラム47によって指定された加工経路や加工形状から実際に主軸15を移動させる経路を決定し、その経路に沿って主軸装置11の主軸15を移動させるように送り装置37の動作を制御する。
主軸15の回転速度が小さい場合には、主軸15に変形が発生しないので、工具長についての補正を要さず、この場合、工具オフセット量設定手段45は、NCプログラム等から得られた工具長に基づいて工具先端位置を予測して、Z軸方向、すなわち主軸15の回転軸線21方向の工具オフセット量を求める。一方、主軸15の回転速度が予め定められた値に達した場合には、主軸15の前端面23の逃げ面がフランジ端面29aに当接し、工具25が主軸15内にさらに引き込まれる。この場合、工具オフセット量設定手段45は、記憶手段49に予め記憶されている主軸15の回転速度と工具25が主軸15内に引き込まれる量の予測値との対応関係に基づいて、工具25が主軸15内にさらに引き込まれる量を求め、その量分だけ工具長を補正してZ軸方向の工具オフセット量を設定する。したがって、主軸15が高速で回転して主軸15の前端部23の逃げ面がフランジ面29aに当接することにより工具25が主軸15内に引き込まれた量が実質的な工具長の変化として反映され、より正確な加工が可能となる。なお、記憶手段49に記憶されている対応関係は、実機を用いた試験やコンピュータによる解析によって求められる。この対応関係は、数表でなるテーブルや関数の形で記憶され、主軸回転速度が指令されたとき、対応する引き込まれる量がテーブルから読み取られたり又は関数で演算されて求められる。
以上、図面に基づいて本発明を説明したが、本発明は図示された実施形態に限定されるものではない。
予め定められた主軸の回転速度は、工作機械で設定する頻度が比較的多い高い回転速度で、例えば15000回転毎分や20000回転毎分である。また工具ホルダ29のフランジ部29b外径が100mmの場合、逃がし量Lは例えば0.15mm、第1の面23aと第2の面23bとの境界線は円形になるが、この円形の直径は例えば約90mmである。このときのテーパ穴17の口元の直径は約75mmである。
主軸の回転速度が予め定められた回転速度より小さくても大きくても、工具ホルダ29のフランジ端面29aは主軸が静止しているときよりも第2の面23bに向って接近し、すなわちテーパシャンク部29cがテーパ穴17に引き込まれる。また、テーパ穴17がラッパ状に拡径すると、厳密にはテーパシャンク部29cのテーパと異なるテーパになるが、テーパシャンク部29cの外径はテーパ穴17の内径より若干大きく作られており、引き込み力によりテーパシャンク部29cはテーパ穴17にならって縮径され、テーパシャンク部29cとテーパ穴17とは密着する。
2面拘束工具を主軸に装着した本発明の主軸装置の主軸前端面付近の拡大断面図であり、(a)は主軸が静止している状態、(b)は主軸が高速で回転している状態を示している。 本発明の主軸装置の要部断面図である。 本発明の主軸装置を備えた工作機械の全体構成を示すブロック図である。 2面拘束工具を主軸に装着した従来の主軸装置の主軸前端面付近の拡大断面図であり、(a)は主軸が静止している状態、(b)は主軸が高速で回転している状態を示している。
符号の説明
11 主軸装置
15 主軸
17 テーパ穴
21 回転軸線
23 前端面
23a 第1の面
23b 第2の面
25 工具
29 工具ホルダ
29a フランジ端面
29b フランジ部
29c テーパシャンク部
35 工作機械
45 工具オフセット量設定手段
49 記憶手段

Claims (2)

  1. 主軸ハウジングに回転可能に支持され、前端面に工具装着用のテーパ穴が開口した主軸と、前記テーパ穴に挿入された工具を後方に引き込んで工具を前記主軸に装着する工具装着手段とを備え、工具のフランジ端面と前記主軸の前端面とを当接させかつ工具のテーパシャンク部の外周面と前記テーパ穴の内周面とを密着させて工具を前記主軸に装着させる主軸装置であって、
    前記主軸の前端面は、静止した前記主軸に工具を装着したとき工具のフランジ端面に当接する環状平面である第1の面と、前記第1の面と前記テーパ穴との間に環状に形成され、前記主軸が静止しているときは工具のフランジ端面と当接しない逃げ面である第2の面とを含んで形成され、
    前記主軸の回転速度が増加して遠心力により前記テーパ穴が拡径したとき、工具のテーパシャンク部が前記主軸の後方へ引き込まれ、工具のフランジ端面が前記第2の面と当接し、かつ工具のテーパシャンク部の外周面が前記テーパ穴の内周面と密着することを特徴とした主軸装置。
  2. NCプログラムの指令により工具とワークとを相対移動させてワークの加工を行う工作機械において、
    請求項1に記載の主軸装置と、
    主軸の回転速度と前記主軸のテーパ穴が拡径して工具が前記主軸の後方へ引き込まれる量との関係をテーブル又は関数で記憶し、指令された主軸回転速度に対応する工具の前記主軸の後方へ引き込まれる量を前記テーブルから読み取り又は前記関数で演算して求め、前記求めた引き込まれる量を用いて工具とワークとの相対移動を補正する制御装置と、
    を具備することを特徴とした工作機械。
JP2004099331A 2004-03-30 2004-03-30 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械 Expired - Lifetime JP4471701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099331A JP4471701B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004099331A JP4471701B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005279875A JP2005279875A (ja) 2005-10-13
JP4471701B2 true JP4471701B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=35178796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004099331A Expired - Lifetime JP4471701B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4471701B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5217646B2 (ja) * 2008-06-04 2013-06-19 株式会社ジェイテクト 工具クランプ装置および工具クランプ方法
KR102641256B1 (ko) * 2018-02-08 2024-02-27 주식회사 디엔솔루션즈 공작기계의 축이동 보정장치 및 보정방법
CN118219057B (zh) * 2024-05-23 2024-07-23 森泰英格(成都)数控刀具股份有限公司 一种便携式psc刀具对刀仪及其对刀方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005279875A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5411137B2 (ja) 薄肉部材の切削方法
KR102092968B1 (ko) 회전 절삭공구의 초기 축방향 절삭 깊이 설정방법 및 제어장치
JP2009045680A (ja) 傾斜微細孔加工方法
KR20210129207A (ko) 탭 공구 및 탭 가공방법
JP2008012655A (ja) 穴加工工具
JP4471701B2 (ja) 主軸装置及びその主軸装置を備えた工作機械
JP2009136956A (ja) 旋削加工方法及び旋削条件及び切削経路生成方法
JP2005501746A (ja) 切削工具
JP2003025120A (ja) 穴加工方法および穴加工工具
US6988860B2 (en) Cutting tool and cutting method using the cutting tool
JPH1020911A (ja) 数値制御装置における工具長補正方法、被加工物中心位置検出方法、工具摩耗度合い推定方法および数値制御装置
US11383313B2 (en) Machine tool and gear machining method
US6126365A (en) Boring tool
JP2019000943A (ja) 工作機械、加工方法、および加工プログラム
JP6735266B2 (ja) 工作機械、加工方法、および加工プログラム
JP2012061525A (ja) 座ぐり切削工具
JP2002113607A (ja) 遠心式穴面取工具及び面取方法
JP5826426B1 (ja) タービンロータ加工用旋盤及びタービンロータ加工方法
JP4852955B2 (ja) ボーリングバーおよびその加工方法
JPH0825092B2 (ja) 歯車切削装置の位置検出装置
JP3792209B2 (ja) 数値制御装置における被加工物中心位置検出方法および数値制御装置
JP2019181606A (ja) 工作機械
JP2995278B2 (ja) 工作機械の主軸装置
US20240184266A1 (en) Program creation device
JP2002160103A (ja) 曲面加工方法及び曲面加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100302

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4471701

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4