JP4471448B2 - テトラフルオロメタンの精製方法及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテトラフルオロメタン(以下「FC−14」または「CF4」という。)の精製方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
FC−14は、例えば半導体デバイス製造プロセスのエッチングガスまたはクリーニングガスとして使用されるため、高純度品が要求されている。
このFC−14の製造方法に関しては、従来から様々な方法が提案されている。具体的には、例えば、
(1)ジクロロジフルオロメタンを触媒の存在下でフッ化水素と反応させる方法、(2)モノクロロトリフルオロメタンを触媒の存在下でフッ化水素と反応させる方法、
(3)トリフルオロメタンをフッ素ガスと反応させる方法、
(4)炭素をフッ素ガスと反応させる方法、
(5)テトラフルオロエチレンを熱分解する方法、
等が知られている。
【0003】
しかしながら、これらの方法によってFC−14を製造する場合には、反応によって生成するFC−14の中間体や副生成物、あるいは原料由来の不純物等が目的物であるFC−14と共沸混合物や共沸様混合物を形成するため、その分離が極めて困難であるという問題がある。このため、例えば、不純物としてトリフルオロメタン(CHF3)を含有するFC−14をゼオライトや炭素質吸着剤で処理する精製方法(特許第2924660号公報)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、FC−14中の不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するFC−14を精製してこれらの不純物をほとんど含有しない高純度FC−14を得る簡便かつ経済的で工業的に有利な方法はなかった。
本発明は、このような背景の下になされたものであって、FC−14を吸着剤と接触させてこれらの不純物を吸着除去して、高純度FC−14を経済的かつ工業的に有利に得ることができる精製方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、高純度のFC−14を製造する方法において、不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するFC−14を、特定の平均細孔径及びSi/Al比を有するゼオライト及び/または特定の平均細孔径を有する炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)からなる吸着剤と接触させることにより、前記の不純物類を選択的に吸着除去でき、不純物をほとんど含有しない高純度のFC−14を得ることができることを見出し本発明を完成するに至った。本発明は以下の(1)〜(15)に示されるテトラフルオロメタンの精製方法及びその用途である。
【0006】
(1)不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンを、平均細孔径が3.4Å〜11Åであるゼオライト及び/または平均細孔径が3.4Å〜11Åである炭素質吸着剤と接触させることにより、前記不純物を低減させることを特徴とするテトラフルオロメタンの精製方法。
(2)前記不純物を含有するテトラフルオロメタンとゼオライト及び/または炭素質吸着剤とを液相で接触させる上記(1)に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(3)前記ゼオライトのSi/Al比が1.5以下である上記(1)または(2)に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(4)前記ゼオライトがMS−4A、MS−5A、MS−10X及びMS−13Xからなる群から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(5)前記炭素質吸着剤がモレキュラーシービングカーボン4A及び/またはモレキュラーシービングカーボン5Aである上記(1)または(2)に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
【0007】
(6)前記エチレン化合物類がエチレン、フルオロエチレン、ジフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(7)前記エチレン化合物類がエチレン及び/またはテトラフルオロエチレンである上記(6)に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(8)前記炭化水素化合物類がメタン、エタン及びプロパンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である上記(1)〜(5)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(9)前記炭化水素化合物類がメタン及び/またはエタンである上記(8)に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(10)テトラフルオロメタン中に含まれる、エチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び二酸化炭素の総含有量を3ppm以下に低減させる上記(1)〜(9)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
【0008】
(11)不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンが、トリフルオロメタンとフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたテトラフルオロメタンである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(12)不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンが、炭素とフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたテトラフルオロメタンである上記(1)〜(10)のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の方法により精製することにより得られ、純度が99.9997質量%以上であることを特徴とするテトラフルオロメタン製品。
(14)上記(13)に記載のテトラフルオロメタン製品を含有するエッチングガス。
(15)上記(13)に記載のテトラフルオロメタン製品を含有するクリーニングガス。
【0009】
すなわち、本発明は、「不純物としてエチレン化合物類、炭化水素類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するFC−14を、平均細孔径が3.4Å〜11Åであるゼオライト及び/または炭素質吸着剤と接触させることにより、前記不純物を低減させることを特徴とするテトラフルオロメタンの精製方法」、「前記の方法により精製することにより得られ、純度が99.9997質量%以上であることを特徴とするテトラフルオロメタン製品」及び「前記テトラフルオロメタン製品を含有するエッチングガス及びクリーニングガス」である。
【0010】
【発明の実施の形態】
FC−14の製造方法としては、例えば、トリフルオロメタンをフッ素ガスと反応させる方法、炭素をフッ素ガスと反応させる方法、あるいはテトラフルオロエチレンを熱分解する方法、等が知られている。これらの方法を用いる場合、得られるFC−14中には、原料中の不純物により、例えば有機微量不純物、微量酸素や微量水分等によって、不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素が含まれる。
【0011】
エチレン化合物類としては、エチレン(CH2=CH2)、モノフルオロエチレン(CH2=CHF)、ジフルオルエチレン(CH2=CF2)、テロラフルオロエチレン(CF2=CF2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。
炭化水素化合物類としては、メタン(CH4)、エタン(C2H6)、プロパン(C3H8)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。
【0012】
目的物であるFC−14とこれらの不純物の大気圧下における沸点を表1に示す。
【表1】
【0013】
目的物であるFC−14とこれらの不純物は共沸様混合物を形成したり、あるいは表1から明らかなように沸点が近い、等の理由により蒸留操作では極めて分離困難な物質である。このため、通常の蒸留操作ではこれらの不純物を極力少なくするために、蒸留塔の段数を増やしたり、蒸留塔の本数を多くするなどの対策がとられるが、不経済となる上、これらの不純物をほとんど含有しない高純度FC−14を製造することは極めて困難であった。
【0014】
本発明においては、FC−14中のこれらの不純物類を選択的に吸着除去するため、平均細孔径が3.4Å〜11Åであるゼオライト及び/または平均細孔径が3.4Å〜11Åである炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)を吸着剤として使用する。平均細孔径の測定方法としては、Arガスを用いるガス吸着法が挙げられる。
より好ましい吸着剤としては、(1)平均細孔径が3.4Å〜11Åであり、Si/Al比が1.5以下であるゼオライト、(2)平均細孔径が3.4Å〜11Åである炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)、(3)平均細孔径が3.4Å〜11ÅでSi/Al比が1.5以下であるゼオライトに平均細孔径が3.4Å〜11Åの炭素質吸着剤を添加してなる吸着剤である。ここで、Si/Al比は原子比を表している。
【0015】
これらの吸着剤を用いて除去可能なFC−14中の不純物類として、具体的には、例えば不飽和化合物類として、エチレン、モノフルオロエチレン、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンが挙げられ、炭化水素化合物類として、メタン、エタン、プロパンが挙げられる。また含酸素化合物として一酸化炭素、二酸化炭素が挙げられる。これらの不純物類は、好ましくはエチレン、テトラフルオロエチレン、メタン、エタン、一酸化炭素または二酸化炭素であり、さらに好ましくはエチレンまたはエタンである。
【0016】
目的物であるFC−14とこれらの不純物との分子径の差は小さく、分子径の差のみによってFC−14中の不純物類を選択的に吸着除去することは難しい。そこで、本発明は吸着剤の極性や細孔径などを考慮し、前記不純物類を選択的に吸着除去できる吸着剤として次の3種類の吸着剤を用いる。
【0017】
第1の吸着剤は、平均細孔径が3.4Å〜11Åのゼオライトで、好ましくはSi/Al比が1.5以下のゼオライトである。具体的には、例えばMS−4Aが挙げられ、MS−4Aは3.5Å程度の平均細孔径を有し、Si/Al比が1.0である。このゼオライトを用いて吸着操作を行うことで、不純物のエチレン、テトラフルオロエチレン、メタン、エタン、一酸化炭素及び二酸化炭素等の含有量を低減できる。ゼオライトの種類によっては、不純物の含有量を5ppm以下に低減することができ、高純度FC−14を得ることができる。
【0018】
Si/Al比が1.5以下であっても平均細孔径が3.4Å未満、例えば3.2Å程度の細孔径を有するゼオライトは、不純物含有量の低減は認められなかった。
Si/Al比が1.5以下であっても平均細孔径が11Åを超えるゼオライトも不純物含有量の低減は認められなかった。
また、平均細孔径が3.4Å〜11Åであっても、Si/Al比が1.5を超えるゼオライトも不純物含有量の低減は認められなかった。
【0019】
第2の吸着剤は、平均細孔径が3.4Å〜11Åの炭素質吸着剤(モレキュラーシービングカーボン)である。例えば4Å程度の平均細孔径を有する炭素質吸着剤は、前記ゼオライトと同様、前記不純物の含有量を5ppm以下に低減することができ、高純度FC−14を得ることができる。
しかし、平均細孔径が11Åを超える炭素質吸着剤では不純物の低減は認められず、例えば、一般に使用されている強い吸着能を有する35Å程度の平均細孔径を有する活性炭は不純物の低減がほとんど認められなかった。
【0020】
第3の吸着剤は、平均細孔径が3.4Å〜11ÅでSi/Al比が1.5以下のゼオライト(第1の吸着剤)に平均細孔径が3.4Å〜11Åの炭素質吸着剤(第2の吸着剤)を添加(混合)してなる吸着剤である。この吸着剤の種類によっては、不純物の含有量を3ppm以下に低減することができ、さらに高純度のFC−14を得ることができる。これはゼオライトが特に一酸化炭素、二酸化炭素等の吸着能力に優れ、一方、炭素質吸着剤は特に不飽和化合物等の吸着能力に優れ、両吸着剤を混合使用する効果が出るためと考えられる。
【0021】
前記のゼオライト及び炭素質吸着剤は、1種類のみを単独で使用することができるが、2種類以上を任意の割合で組み合わせて使用することもできる。また第3の吸着剤の場合、ゼオライトと炭素質吸着剤の混合比は、不純物類の濃度に応じて変化させることができる。
【0022】
FC−14中に含有する不純物として、エチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以下であり、さらに好ましくは0.05質量%以下である。
また、目的とするFC−14中に前記以外の不純物、例えばパーフルオロ化合物であるFC−116(CF3CF3)やFC−218(C3F8)等が混入する場合は、前記吸着剤を用いた処理工程の前後のどちらかで蒸留操作を行えばパ−フルオロ化合物は分離除去できる。
【0023】
本発明のFC−14の精製方法において、不純物を含有するFC−14を吸着剤に接触させる方法は特に限定されず、例えば気相で接触させる方法、気液で接触させる方法、あるいは液相で接触させる方法のいずれの方法も可能であるが、液相で接触させる方法が効率がよく好ましい。
液相で接触させる方法には、回分式や連続式など公知の方法を用いることができるが、工業的には、例えば固定床式吸着塔を2基設け、一方が飽和吸着に達すればこれを切り換え再生する方法が一般的である。
【0024】
また、不純物を含有するFC−14を吸着剤に接触させる際の処理温度、処理量及び処理圧力は特に限定されないが、処理温度は低温が好ましく、−50℃〜50℃の範囲の温度がよい。また処理圧力は、液相の場合は液相に保持できればよく、気相の場合は特に限定されない。
【0025】
以上説明したように、本発明の精製方法を用いれば、FC−14中に含まれるエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を効果的に吸着除去することができ、高純度のFC−14を得ることができる。また得られるFC−14の純度は99.9997質量%以上であり、純度が99.9997質量%以上であるFC−14製品の分析方法としては、(1)ガスクロマトグラフィ−(GC)のTCD法、FID法(いずれもプレカット法を含む)、ECD法、(2)ガスクロマトグラフィ−質量分析計(GC−MS)等の分析機器を用いることができる。
【0026】
また、高純度のFC−14は、半導体デバイス製造工程の中のエッチング工程におけるエッチングガスとして用いることができる。また、半導体デバイス製造工程の中のクリーニング工程におけるクリーニングガスとしても用いることができる。LSIやTFTなどの半導体デバイスの製造プロセスでは、CVD法、スパッタリング法あるいは蒸着法などを用いて薄膜や厚膜を形成し、回路パターンを形成するためにエッチングを行う。また、薄膜や厚膜を形成する装置においては、装置内壁、冶具等に堆積した不要な堆積物を除去するためのクリーニングが行われる。これは不要な堆積物が生成するとパーティクル発生の原因となるためであり、良質な膜を製造するために随時除去する必要がある。
【0027】
ここで、FC−14を用いるエッチング方法は、プラズマエッチング、マイクロ波エッチング等の各種ドライエッチング条件で行うことができ、FC−14とHe、N2、Arなどの不活性ガスあるいはHCl、O2、H2などのガスと適切な割合で混合して使用してもよい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[FC−14の原料例1]
炭素とフッ素ガスを希釈ガスの存在下で反応させ、未反応フッ素ガスを除去し、FC−14に富む生成ガスを公知の方法で分別蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、表2に示す組成を有するFC−14を得た。
【0029】
【表2】
【0030】
[FC−14の原料例2]
ジフルオロメタン(CH2F2)とフッ素ガスを希釈ガスの存在下で反応させ、反応ガスをアルカリ洗浄塔に導入し、生成したフッ化水素および少量の未反応フッ素ガスを除去した。FC−14に富む生成ガスを公知の方法で分別蒸留により精製し、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、表3に示す組成を有するFC−14を得た。
【0031】
【表3】
【0032】
(実施例1)
容積200mlのステンレス製シリンダーにゼオライト[モレキュラーシーブス4A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径3.5Å、Si/Al比=1)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−14を約70g充填し、温度を−20℃に保ちながら時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】
表4の結果から明らかなように、平均細孔径が3.5ÅでSi/Al比が1のゼオライトを吸着剤として用いることにより、FC−14中の不純物類を低減でき、その含有量を10ppm以下にすることができる。
【0035】
(実施例2)
容積200mlのステンレス製シリンダーにゼオライト[モレキュラーシーブス13X(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径10Å、Si/Al比=1.23)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌しながら約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表5に示した。
【0036】
【表5】
【0037】
表5の結果から明らかなように、平均細孔径が10ÅでSi/Al比が1.23のゼオライトを吸着剤として用いることにより、FC−14中の不純物類を低減でき、その含有量を10ppm以下にすることができる。
【0038】
(実施例3)
容積200mlのステンレス製シリンダーに炭素質吸着剤[モレキュラーシービングカーボン、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径4Å]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表6に示した。
【0039】
【表6】
表6の結果から明らかなように、平均細孔径が4Åの炭素質吸着剤[モレキュラーシービングカーボン]を吸着剤として用いることにより、FC−14中の不純物類を低減でき、その含有量を10ppm以下にすることができる。
【0040】
(実施例4)
容積200mlのステンレス製シリンダーにゼオライト[モレキュラーシーブス4A(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径3.5Å、Si/Al比=1)]を15gと炭素質吸着剤[モレキュラーシービングカーボン、武田薬品工業株式会社製:平均細孔径4Å]を15g混合充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFCー14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表7に示した。
【0041】
【表7】
【0042】
更に微量不純物の含有量を求めるため、微量分析方法としてガスクロマトグラフィ−のTCD法、FID法(プレカット法を含む)、ECD法、ガスクロマトグラフィ−質量分析計(GC/MS)等の分析機器を用いて、純度の算出を行った結果を表8に示す。
【0043】
【表8】
表8の結果から明らかなように、得られたFC−14の純度は99.9997質量%以上である。
【0044】
(比較例1)
容積200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[モレキュラーシーブスXH−9(ユニオン昭和株式会社製:平均細孔径3.2Å、Si/Al比=1)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表9に示した。
【0045】
【表9】
表9の結果から明らかなように、Si/Al比が1であっても、平均細孔径が3.4Å未満のゼオライトでは不純物類の低減はほとんど認められなかった。
【0046】
(比較例2)
容積200mlのステンレス製シリンダーに、ゼオライト[H−ZSM−5(エヌ・イ−ケムキャット株式会社製:平均細孔径6Å、Si/Al比=75)]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例1のFC−14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表10に示した。
【0047】
【表10】
表10の結果から明らかなように、平均細孔径が6Åであっても、Si/Al比が1.5を超えるゼオライトでは不純物類の低減はほとんど認められなかった。
【0048】
(比較例3)
容積200mlのステンレス製シリンダーに、炭素質吸着剤[活性炭:粒状白サギKL、武田薬品工業株式会社製、平均細孔径35Å]を20g充填し、真空乾燥後、シリンダーを冷却しながら原料例2のFC−14を約70g充填し、室温(約18℃)で時々攪拌し、約8時間後、液相部をガスクロマトグラフィ−で分析した。分析結果は表11に示した。
【0049】
【表11】
表11の結果から明らかなように、平均細孔径が11Åを超える炭素質吸着剤では不純物類の低減は認められなかった。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、従来非常に困難であったテトラフルオロメタン中の不純物、特にエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンを、平均細孔径が3.4Å〜11Åであるゼオライト及び/または平均細孔径が3.4Å〜11Åである炭素質吸着剤と接触させることにより、前記不純物を低減させることができる。また、精製された高純度のテトラフルオロメタンはエッチングガスあるいはクリーニングガスとして用いることができる。
Claims (11)
- 不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンを、平均細孔径が3.4Å〜11Å、Si/Al比が1.5以下であるゼオライト及び/または平均細孔径が3.4Å〜11Åである炭素質吸着剤と接触させることにより、前記不純物を低減させることを特徴とするテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記不純物を含有するテトラフルオロメタンとゼオライト及び/または前記炭素質吸着剤とを液相で接触させる請求項1に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記ゼオライトがMS−4A、MS−5A、MS−10X及びMS−13Xからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記炭素質吸着剤がモレキュラーシービングカーボン4A及び/またはモレキュラーシービングカーボン5Aである請求項1または2に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記エチレン化合物類がエチレン、フルオロエチレン、ジフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記エチレン化合物類がエチレン及び/またはテトラフルオロエチレンである請求項5に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記炭化水素化合物類がメタン、エタン及びプロパンからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 前記炭化水素化合物類がメタン及び/またはエタンである請求項7に記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- テトラフルオロメタン中に含まれる、エチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び二酸化炭素の総含有量を3ppm以下に低減させる請求項1〜8のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンが、トリフルオロメタンとフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたテトラフルオロメタンである請求項1〜9のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
- 不純物としてエチレン化合物類、炭化水素化合物類、一酸化炭素及び/または二酸化炭素を含有するテトラフルオロメタンが、炭素とフッ素ガスを反応させる直接フッ素化法により製造されたテトラフルオロメタンである請求項1〜9のいずれかに記載のテトラフルオロメタンの精製方法。
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