JP4471289B2 - 車両用シート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シートクッションにシートバックをリクライニング可能に連結し、この連結した部位を覆う連結部カバーを備えるとともにシートベルトを備えた車両用シート構造に関する。
車両は、シートに着座した乗員を拘束するためにシートベルトを備える。シートベルトは、タングをバックルに差し込むことにより、ウエビングで乗員をシートに拘束するものである。
このシートベルトは、例えば、巻取り装置にウエビングの一端を取り付けるとともに車体に他端を取り付け、このウエビングにタングを取り付け、このタングを着脱可能なバックルをシートクッションに取り付けたものである。
すなわち、車体のピラー内に巻取り装置が設けられ、この巻取り装置にウエビングの一端を取り付ける。このウエビングをアッパーアンカーを通して下方に延ばし、ウエビングの他端をシートクッション近傍の車体にロアアンカーを介して固定する。
ウエビングにはタングがスライド自在に取り付けられている。そして、タングが着脱可能なバックルをシートクッションに取り付ける。
このバックルをシートクッション上に載せたままにしておくと、バックルが邪魔になる虞がある。
バックルが邪魔にならないようにするために、シートの表皮を窪ませて凹部を形成したり、シートに収納ボックスを設けたりする車両用シート構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−180436号公報
特許文献1の車両用シート構造によれば、シートに凹部を形成したり、シートに収納ボックスを設けることで、凹部や収納ボックスにバックルを収納して邪魔にならないようにすることが可能である。
しかし、シートの表皮を窪ませて凹部を設けるためには、凹部の底部や側壁を表皮で形成して、表皮をボックス状に縫い合わせる必要がある。
このため、シートの構造が複雑になり、そのことがコストを抑える妨げになっていた。
一方、シートに収納ボックスを設けた場合、乗員の身体が収納ボックスに当たり、そのことが座り心地を良好に確保する妨げになっていた。
本発明は、コストを抑え、さらに乗員の座り心地を良好に確保することができる車両用シート構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、シートクッションにシートバックをリクライニング可能に連結し、この連結した部位を覆う連結部カバーを備え、シートクッションに着座した乗員を拘束するシートベルトを備えた車両用シート構造において、前記連結部カバーに、シートクッションの側部を覆う装飾プレートを取り付け、シートクッションの側部のうち、前記連結部カバーの前部に隣接する部位を、装飾プレートから所定間隔をおいて凹ませた段部とし、この段部と装飾プレートとで、前記シートベルトのバックルを収納する収納ポケットを形成したことを特徴とする。
連結部カバーに装飾プレートを取り付け、シートクッションの側部のうち、連結部カバーの前部に隣接する部位を装飾プレートから所定間隔をおいて凹ませた段部とした。
この凹ませた段部と装飾プレートとで収納ポケットを形成し、収納ポケットにバックルを収納する。
このように、装飾プレートを利用して収納ポケットを形成することで、シートクッションのみで収納ポケットを形成する必要はない。
これにより、シートクッションに、簡単な形状の段部を設けるだけで収納ポケットを形成することができる。
さらに、装飾用プレートはシートクッションの側縁に位置する。通常、乗員がシートに着座した際に、乗員の身体は側縁から離れた内側に位置する。
これにより、乗員の身体が装飾用プレートに当たらないようにすることができる。
請求項1に係る発明では、シートクッションに、簡単な形状の段部を設けるだけで収納ポケットを形成することを可能として、コストを抑えることができるという利点がある。
さらに、請求項1に係る発明では、乗員の身体が装飾用プレートに当たらないようにすることで、乗員の座り心地を良好に確保することができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。
図1は本発明に係る車両用シート構造を示す斜視図である。
車両10は、車室12内に第1〜第3列のシート(第2列目のシート14のみを図示する)を備える。
第2列目のシート14は、一例として、右側に配置されたセカンドシート本体16と、セカンドシート本体16の左側に配置された車両用シート構造(補助シート)20とを備えたベンチシートである。
車両用シート構造20は、乗員が着座するシートクッション22を備え、シートクッション22の後部22aにリクライニング機構(図示せず)を介してスイング移動可能にシートバック24を備え、シートクッション22に着座した乗員を拘束するシートベルト26を備える。
シートバック24は、シートクッション22の後部22aにピボット軸28を介してスイング移動自在に設けられている。
すなわち、ピボット軸28は、シートクッション22にシートバック24をリクライニング可能に連結した部位である。
前記リクライニング機構は、シートクッション22の後部22aで、かつ左側部に設けられている。
前記リクライニング機構の操作レバー(図示せず)を操作することで、シートバック24をピボット軸28を軸にして車体前後方向にスイング移動することが可能である。
この車両用シート構造20は、シートクッション22の後部22aで、かつ右側部(側部)22bに連結部カバー30が設けられている。
連結部カバー30は、下部31に車体前方に向けて延ばした延出部32を備え、延出部32をシートクッション22の後部22aで、かつ右側部22bに取り付け、上部34でピボット軸28の右端部を覆う樹脂製のカバーである。
この連結部カバー30は、幅寸法がWに形成されている。
シートベルト26は、シートクッション22側にベルト36を取り付け、このベルト36をシートクッション22と連結部カバー30との間から延ばし、延ばしたベルト36にバックル38を備える。
このバックル38に、タング39を差し込むことにより、シートベルト26で乗員を拘束する。
連結部カバー30は、下部31の表面に凹み部42が形成され、この凹み部42に装飾プレート44の後端部44aがクリップ46,46で取り付けられている。
ピボット軸28を覆う連結部カバー30を、装飾プレート44を固定する部材として兼用する。これにより、装飾プレート44を固定する部材を新たに用意する必要がなく、構成の簡素化が図れる。
装飾プレート44は、例えば、シートクッション22の底部を覆う底部カバー48の右後部48aからシートクッション22の右側部(側部)22bに沿って立ち上げて右側部22bを覆うプレートである。
装飾プレート44の板厚T1は、凹み部42の深さD1(図2参照)と略同一に形成されている。
よって、凹み部42に装飾プレート44を取り付けた状態において、装飾プレート44の表面44bが連結部カバー30の表面30aと面一(図3も参照)になる。
この装飾プレート44は、略台形状に形成したプレートであって、上縁44cを連結部カバー30から車体前方へL1寸法だけ延ばし、前縁44dを上縁44cの前端44eから車体前方に向けて下り勾配で下縁44fまで延ばしたものである。
L1寸法は、バックル38の長さ寸法L2(図2参照)より大きい。
さらに、装飾プレート44は、上縁44cがシートクッション22の表面22cと略面一に形成されている。
図2は本発明に係る車両用シート構造の要部を示す斜視図、図3は図1の3−3線断面図である。
シートクッション22は、右側部22bのうち、装飾プレート44に臨む部位を、装飾プレート44から所定間隔をおいて凹ませて段部52としたものである。
装飾プレート44に臨む部位は、連結部カバー30の前部に隣接する部位である。
段部52は、底部53の深さD2をバックル38の厚さT2より僅かに大きく形成し、底部53の長さL3をバックル38の長さL2より大きく形成し、底部53の前端に前壁54を備える。
この前壁54は、底部53から車体前方に向けて徐々に装飾プレート44の前端44e(図1参照)に近づくように傾斜状に形成されている。
シートクッション22の右側部22bに段部52を形成することで、段部52、装飾プレート44および底部カバー48で収納ポケット56を形成する。この収納ポケット56は、バックル38を収納するものである。
収納ポケット56を、装飾プレート44および底部カバー48を利用して形成することで、シートクッション22のみで収納ポケット56を形成する必要はない。
これにより、シートクッション22に、簡単な形状の段部52を設けるだけで収納ポケット56を形成することが可能になる。
この収納ポケット56は、上部に開口部57が設けられ、段部52の深さD2をバックル38の厚さT2より僅かに大きくすることで、開口部57からバックル38を内部に容易に収納することができる。
また、収納ポケット56を形成する装飾用プレート44はシートクッション22の右側縁(側縁)22bに位置する。
一般に、シートクッション22に乗員が着座した際に、乗員の身体は、シートクッション22の側縁から離れた内側(中央部)に位置する。
よって、収納ポケット56を着座位置から十分に離すことができる。これにより、乗員の身体がバックル38に当たることを防いで、乗員の座り心地を良好に確保することができる。
図4は本発明に係る車両用シート構造を示す側面図である。
連結部カバー30の延出部32は、収納ポケット56の開口部57に臨む上向き面58を備える。上向き面58は、車体前方に向けて下り勾配となる傾斜面である。
この上向き面58は、バックル38の上側面38aがシートクッション22の上面22cや装飾プレート44の上縁44c(図3も参照)と略面一になるようにバックル38を保持する役割を果たす。
すなわち、収納ポケット56に開口部57からバックル38を収納する。バックル38は、横向きに立てた状態で収納される。
この状態で、上向き面58にバックル38の基部下面38bを載せる。これにより、上向き面58でバックル38を保持する。
この状態において、バックル38の上側面38aは、シートクッション22の上面22cや装飾プレート44の上縁44c(図3参照)と略面一になる。
これにより、収納ポケット56に開口部57からバックル38を収納した際に、シートクッション22の表面22cからバックル38を突出させないように配置して外観性を良好に保つことができる。
加えて、万が一、乗員の身体がバックル38に載った場合でも、乗員の座り心地を良好に確保することができる。
図5は本発明に係る車両用シート構造のバックルを収納ポケットから取り出した状態を説明する図である。
シートクッション22は弾性変形可能なクッション材を使用している。シートクッション22の右側部22bに形成した段部52を弾性変形させることが可能である。
よって、バックル38を指で掴んで、収納ポケット56内に差し込む際に、段部52を弾性変形させてバックル38と一緒に指を収納ポケット56内に差し込むことができる。
これにより、収納ポケット56内にバックル38を簡単に収納することができる。同様に、収納ポケット56内からバックル38を簡単に取り出すことができる。
収納ポケット56からバックル38を取り出した後、バックル38にタング39を差し込むことにより、シートベルト26で乗員を拘束する。
ここで、装飾プレート44を利用して収納ポケット56を形成することで、装飾プレート44でシートクッション22の右側部(側部)22bを覆うことができる。
すなわち、装飾プレート44は、シートクッション22の右側部22bを装飾する役割を果たすことも可能であり、外観性の向上を図ることができる。
なお、前記実施の形態では、収納ポケット56をシートクッション22の右側に設けた例について説明したが、これに限らないで、収納ポケット56をシートクッション22の左側に設けることも可能である。
また、前記実施の形態では、シートクッション22にシートバック24をリクライニング可能に連結した部位としてピボット軸28を例示し、ピボット軸28を連結部カバー30で覆う内容について説明したが、その他の例として、リクライニング機構を連結した部位とし、リクライニング機構を連結部カバー30で覆うことも可能である。
さらに、前記実施の形態では、バックル38を載せるための上向き面58を傾斜面とした例について説明したが、これに限らないで、上向き面58を水平面にすることも可能である。
また、前記実施の形態では、車両用シート構造20を第2列目のシート14の補助シートを例に説明したが、これに限らないで、車両用シート構造20を第3列のシートやその他のシートに適用することも可能である。
本発明は、シートクッションにシートバックを連結し、連結した部位を覆う連結部カバーを備えるとともにシートベルトを備えた車両用シート構造への適用に好適である。
本発明に係る車両用シート構造を示す斜視図である。 本発明に係る車両用シート構造の要部を示す斜視図である。 図1の3−3線断面図である。 本発明に係る車両用シート構造を示す側面図である。 本発明に係る車両用シート構造のバックルを収納ポケットから取り出した状態を説明する図である。
符号の説明
20…車両用シート構造、22…シートクッション、22b…シートクッションの右側部(側部)、24…シートバック、26…シートベルト、28…ピボット軸(連結した部位)、30…連結部カバー、38…バックル、44…装飾プレート、52…段部、56…収納ポケット。

Claims (1)

  1. シートクッションにシートバックをリクライニング可能に連結し、この連結した部位を覆う連結部カバーを備え、シートクッションに着座した乗員を拘束するシートベルトを備えた車両用シート構造において、
    前記連結部カバーに、シートクッションの側部を覆う装飾プレートを取り付け、
    シートクッションの側部のうち、前記連結部カバーの前部に隣接する部位を、装飾プレートから所定間隔をおいて凹ませた段部とし、
    この段部と装飾プレートとで、前記シートベルトのバックルを収納する収納ポケットを形成したことを特徴とする車両用シート構造。
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