JP4471277B2 - 塗布具用チップの製造方法 - Google Patents

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本発明は、水性ボールペン等に使用する塗布具用チップの製造方法に関するものである。
従来より、先端にボールを有し、前記ボールを押しつけて、ボールに付着した塗布液を塗布対象に塗布する塗布具が知られている。そして、この塗布具の例としては、塗布液にインキを用いたボールペンがある。さらに、インキとしては、染料、顔料等の色材を水を主溶媒とした水性インキがあり、このインキを内蔵した水性ボールペンが知られている。また、インキとして、ゲル化した水性ゲルインキも用いられている。なお、水性ゲルインキ等を用いたボールペンには、吐出量が多いものがある。
ボールペンに採用されるボールペンチップは、チップ本体の中に筆記用ボールが回転可能に保持されたものである。そして、ボールペンの使用時には、インキ収納部内のインキを筆記用ボールに導き、筆記用ボールの回転に応じてインキを紙等に付着させることができる。
図23は、従来技術のボールペンチップ120の先端部分の断面図である。
従来技術のボールペンチップ120は、ボールペンチップ本体100とボール102によって構成されている。先端の構造は図23に示されており、ボールペンチップ本体100の外形は先端側が円錐状をしている。ボール102はボールハウス103内に挿入され、さらにボール102はボールペンチップ本体100の先端部101で挟持されている。
図23に示されるように、ボールペンチップ本体100の内部の構造は、先端側に凹状のボールハウス103があり、後端側に中心孔110が設けられている。また、ボールハウス103には円錐内面状の座面105が設けられている。ボールペンチップ本体100には、座面105側につながる放射状の溝107が設けられている。この溝107は、ボールペンの使用時に、塗布液の排出をスムーズにするものであり、塗布液は中心孔110側から溝107を介して、先端部101側に流れる。したがって、ボールペンの使用時にボール102が座面105側に押しつけられても塗布液の流路が確保され、塗布液をスムーズに塗布することができる。
また、ボールペンチップ120を製造する方法は以下のように行われている。まず、図20に示されるように、ボールペンチップ本体100の内部及び外部を所定の形状に切削して、内部にボールハウス103、中心孔110、溝107を形成する。そして、図21に示されるように、ボールハウス103にボール102を収納する。さらに、図22に示されるように、複数のかしめ工具114で先端部101をボール102側に変形させるようにかしめる。
さらに、座打ちが行われる。座打ちは、ボール102を座面105側に押し下げる(叩く)加工である。座打ちを行うことにより、図23に示されるように、座面105となる部分の表面がボール102の形状に合わせて凹変する。そして、座打ちを行うと、筆記の際に、ボール102は軸方向に移動可能となり、ボールペンチップ本体100の先端部101とボール102との間に隙間S1が形成される。隙間S1は、ボール102とチップ本体100の開口部との間に形成されるものであり、座打ちを大きくすることにより隙間S1が大きくなるので、塗布液を多く塗布する場合には都合がよい。
そして、ボールペンチップ120を用いたボールペンを用いて筆記(塗布)する場合には、ボール102を紙などの筆記対象に押しつけて、この状態でボールペンを移動し、ボール102を回転させることにより内部の塗布液を筆記対象に塗布する。
上記のような座打ちを行ったボールペンチップ120では、ボール102が軸方向に移動可能であるので、筆記時には、ボール102が筆記対象によって押されて軸の後端側に移動する。そのため、ボールペンを用いて筆記対象に筆記する場合に、ボールペンチップ本体100の先端部101が内部のボール102に対して相対的に前へ移動する。その結果、ボールペンを傾斜して筆記する場合などには、ボールペンチップ120の先端部101が筆記対象に接触しやすく、ボールペンチップ120の先端部101が筆記対象に接触すると、引っ掛かってスムーズな筆記ができないという問題があった。
ボールペンを傾斜した状態で筆記した場合に、ボールペンチップ本体100の先端部101が筆記対象と接触し難くするには、ボールペンチップ本体100の先端部101の厚みを薄くすることが望ましい。
そして、先端部101の厚みを薄くすると、ボールペンを傾斜した状態で筆記しても先端部101が筆記対象に接触し難くなるが、その反面、先端部101のかしめ工程での加工が難しく、また、かしめによって不必要なところまで変形させるおそれがあった。そこで、先端部101の厚みが薄い場合であっても、かしめ加工後の形状がばらつくことなく、安定した形状となる製造方法が望まれていた。
特に、ボール102の外径が小さい場合には、先端部101の厚みをより薄くしなければ、傾斜して塗布する場合に、先端部101が塗布対象に接触しやすい。そのため、ボール102の外径が小さいものほど先端部101の厚みが薄くなって、先端部101の加工が難しい。
また、座打ちを行ったボールペンチップ120では、前記したように、ボールペンを使用する際にボール102が軸の後端側に移動する。このとき、ボール102の該後端側への移動量が同じであっても、ボールペンチップ本体100の先端部101の内側面K(図23)の傾きが大きいほど、ボール102との隙間S1が大きくなる。したがって、塗布液の吐出量を多くする場合には、先端部101の内側面Kの傾きを大きくする方が好ましい。そして、先端部101の内側面Kの傾きを大きくするためには、図22に示すように、傾斜部114aの傾きを大きいかしめ工具114を用いて、先端部101のかしめによる変形部分の傾斜角度を大きくする必要がある。しかし、この場合、かしめ工程の際に変形する変形の程度が大きくなるので、かしめ工具114が接触しない部分も変形するおそれがあった。
そこで、先端部101の加工性が安定し、製造しやすい塗布具用チップの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の製造方法によって製造される塗布具用チップは、先端側が開口状であるボールハウスを備えた塗布具用チップ本体と、ボールハウス内で保持されたボールとを有している。そして、本発明の製造方法では、外部加工工程と、内部加工工程と、ボール収納工程と、先端変形工程と、周状削り工程とを有している。
外部加工工程は塗布具用チップ本体の外側の形状を略円錐状に加工するものであり、内部加工工程は塗布具用チップ本体の内側にボールハウスを形成するものであり、ボール収納工程はボールハウスにボールを収納するものであり、先端変形工程は塗布具用チップ本体の先端部をボール側に変形させるものである。そして、本発明の製造方法の周状削り工程は、外部加工工程の後、塗布具用チップ本体の先端付近の外側を周状に削ることで円錐台側面である第1の面と、前記第1の面とは異なる円錐台側面又は円柱側面であって前記第1の面よりも先端側に位置する第2の面とを形成するものであり、先端変形工程は、傾斜部を有する加工具を前記塗布具用チップ本体の軸方向に、前記傾斜部が前記第1の面の先端側の縁または後端側の縁に接触するまで押しつけることにより、前記第2の面の全部又は一部を前記傾斜部に沿うようにボール側に変形させることを特徴としている。
本発明によれば、塗布具用チップ本体の外側の先端付近を周状に削る周状削り工程を有し、前記先端変形工程において、前記周状に削った部分をボール側に変形させるので、削った部分が変形しやすくなり、変形を行う場所だけを変形させることが容易となり、製造時の加工が安定する。
また、前記周状削り工程では、円錐台の側面状である第1の面と、前記第1の面とは異なる円錐台の側面状又は円柱側面状であって先端側に位置する第2の面とを形成するように加工するものであり、前記先端変形工程において塗布具用チップの軸を通る断面における前記第1の面と前記第2の面となす角度を大きくするように加工する。ここで、円錐台とは、円錐形の先端部分がない形状であって、軸方向に平行な断面が台形であるものであり、台形回転体状である。
この製造方法によれば、周状に削る作業が容易であり、先端変形工程での加工も容易である。
また、前記先端変形工程において傾斜部を有する加工具を塗布具用チップ本体の軸方向に、前記傾斜部が前記第1の面に接触するまで押しつけることにより、前記第2の面の全部又は一部を前記傾斜部に沿うように変形させるように加工するようにしてもよい。ここで、「傾斜部が第1の面に接触するまで押しつける」とは、傾斜部の一部が第1の面の一部に接触するまで押しつければよいということを意味するものであり、第1の面の全部に接触するまで押しつけなくてもよい。
この製造方法によれば、第1の面が位置決めのための基準として機能し、かしめ加工具を第1の面に接触させるように押しつけることで位置決めが容易となり、加工が安定する。
また、前記先端変形工程において塗布具用チップの軸を通る断面における前記第1の面と前記第2の面となす角度が170°〜190°となるように加工してもよく、好ましくは、180°となるように加工して、第1の面と第2の面による面がほぼ同一面状となるように加工しても良い。
ここで、「塗布具用チップの軸を通る断面における第1の面と第2の面となす角度」は周状に削った側の角度であり、塗布具用チップの外側の角度である。
この製造方法によれば、第2の面の全域にかしめ加工具を押しつけて位置決めができるので、位置決めが容易となり、加工が安定する。
また、前記先端変形工程において、当該工程により形成される塗布具用チップ本体の先端部の外側の表面であるかしめ表面部は円錐台の側面状であり、前記第1の面の後端側の縁が、前記かしめ表面部の仮想面上となるように加工してもよい。
この製造方法によれば、かしめ治具を押しつけて先端変形工程の加工を行う場合に第1の面の後端側の縁を当てることにより、位置決めが容易となり、安定して製造することができる。
周状削り工程において、第1の面の形状を外側に向かって突出する曲面状に加工し、第1の面の後端側の縁を連続面としてもよい。かかる場合には、後端側の縁が引っ掛かることが無く、筆記感を悪くすることがない。
また、塗布具用チップ本体の先端側の内側を、ボールハウス内部の内径よりも大きい内径とするように加工する縁部拡径工程を有してもよい。
この製造方法によれば、塗布具用チップ本体の先端側の内側を、ボールハウス内部の内径よりも大きい内径とするように加工する縁部拡径工程を有するので、先端のかしめ加工の際の先端部の傾きを大きくすることができ、先端のかしめ後のボールハウス内部の空間をより大きくすることができる。
また、前記縁部拡径工程においては、姿バイトを用いて加工してもよく、かかる場合には、縁部拡径工程による加工を容易に行うことができる。
また、前記ボールハウスの後端側に軸方向に伸びる溝を形成する溝加工工程を有してもよい。この製造方法によれば、より多くの塗布液を流出させることができる。
また、前記ボールを先端側から押圧して、前記ボールハウスの後端側を変形させる座面変形工程を有するものでもよい。この製造方法によれば、ボールが軸方向に移動可能となり、塗布具の使用時に、先端部の隙間を大きくして、より多くの塗布液を流出させることができる。
さらに、内部加工工程において、先端側に突出している座面側加工面を形成するように加工し、座面変形工程において、前記座面側加工面を変形させて座面を形成することもできる。この方法によれば、座面変形工程による座面の形成を小さい力で行うことができる。
また、内部加工工程において、座面側加工面の内側を先端側に突出させるように加工することができる。この方法によれば、押圧変形表面部を形成する加工を行いやすい。
さらに、内部加工工程において、座面側加工面の形状は頂点を先端側とする円錐台の側面の形状に加工することができ、かかる場合には、内部加工工程での加工を行いやすい。
また、上記の方法により製造された塗布具用チップや、当該塗布具用チップを用いた塗布具を用いることができる。そして、ボールは先端側に付勢されていてもよい。さらに、前記塗布具の塗布液として水性インキ又は水性ゲルインキを用いたボールペンとしてもよい。
本発明の塗布具用チップの製造方法では、先端部101の加工性が安定し、製造しやすい。
以下さらに本発明の具体的実施例について説明する。図1(a)は、本発明の実施形態におけるボールペンチップを用いた芯の断面図である。図1(b)は図1(a)に示した芯を用いたボールペンの正面図である。図2は、本発明の実施形態におけるボールペンチップの断面図である。図3は、図2のボールペンチップの先端付近の断面図である。図4は、図2のボールペンチップの先端部分を拡大した断面図である。図5は、本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。図6は、図5のAの部分を拡大した図である。図7は、本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。図8は、図7のBの部分を拡大した図である。図9は、本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。図10は、図9のCの部分を拡大した図である。図11は、本発明のボールペンチップの先端部分の断面図である。
本発明の第1の実施形態のボールペンチップ(塗布具用チップ)1を用いた芯7は図1(a)に示されている。そして、芯7の先端にボールペンチップ1が、取り付けられている。また、図1(b)に示されるように、ボールペンチップ1は、水性ゲルインキであるインキ5を内部に有するインキ筒(塗布液収納部)6と接合されている。そして、芯7は、図1(b)に示されるように、ボールペン18の軸筒19の内部に装着されて使用される。
このボールペン18は、ボールペンチップ1の先端に有するボール10を押圧しながら移動させることによってボール10が回転し、塗布液として用いられているインキ5がボールペンチップ1の内部を通って、ボール10に適当量付着しながら流出し、筆記することができる。
ボールペンチップ1は、図2に示されるように、ボールペンチップ本体(塗布具用チップ本体)11、ボール10及びボール付勢部材12からなる。
ボールペンチップ本体11は、先端側の外形が略円錐形状であり、後端側の外形が略円柱形状であり、外観全体はロケットのような形状である。そして、ボールペンチップ本体1の先端側には円錐部25を有し、後端側には円筒部26を有している。また、円筒部26の後端側は、やや外径が縮径しているインキ筒結合段部26aを有して、インキ筒結合段部26aはインキ筒6との接続に用いられる。ボールペンチップ本体11の内側にはボールハウス15、中心孔16及びバック孔17が設けられてこれらが連通し、インキ5の一連の流路となっている。さらに、バック孔17の後端側には、後端側開口28を有している。
図4に示されるように、ボールハウス15は、円筒内部の形状をした側壁である円筒壁41と、円筒壁41の後端側に位置する座面45及び接続面71を有している。接続面71は、円筒壁41と座面45を接続する面である。座面45は、後述するように、ボール10を先端側から後端側に向けて押圧する座打ちにより形成される。接続面71の形状は、円錐台の側面の内側の形状である。
さらに、図3、図4に示されるように、ボールペンチップ本体11の中心孔16の周りには、放射状に配置された、いわゆる矢溝と呼ばれる溝47が設けられている。溝47は、本実施形態では3カ所設けられている。そして、溝47はボールハウス15側とつながっており、インキ5は中心孔16から溝47に入って、さらに、溝47のボールハウス15側の出口部61を通過して、ボールハウス15側に流出することができる。
図2に示されるように、ボール付勢部材12はコイル状のばねである付勢力発生部22と棒状部23が設けられている。そして、棒状部23の先端23aがボール10に接触している。
ボール付勢部材12はボールペンチップ本体11の内部に設けられている。そして、ボール付勢部材12が圧縮状態となっており、ボール付勢部材12によって先端側に向かってボール10を付勢している。このため、ボールペン18が使用されない場合には前記付勢によりインキ5の外部の流出を防止し、ボールペン18を使用する際には、筆記圧によりボール10が後端に移動して、インキ5の流出が可能となる。
ボール10は球状である。そして、ボール10はボールペンチップ本体11のボールハウス15に回転可能に保持されている。すなわち、ボール10の後端側は座面45により、側面側は円筒壁41により、先端側は内側に変形した先端部43により、ボール10が保持されている。先端部43は、後述するように、ボール10の挿入後にボールペンチップ本体11の先端を内側に向かって変形するようにかしめられる。
次に、ボールペンチップ1の製造方法について図5〜図10を用いて説明する。
まず、ボールペンチップ本体11を、円柱状であるステンレスなどの金属材料を用いて形成する。なお、この円柱状の材料の材質は切削が可能である金属材料が用いられ、快削用ステンレス(例えばDSR6F(大同特殊鋼製))、快削洋白、真ちゅうなどを使用する。そして、後述する外部加工工程、周状削り工程、内部加工工程、溝加工工程では、前記円柱材料の外側と内側とを切削して加工する。加工されるとボールペンチップ本体11の先端付近は図5に示された状態となる。
ボールペンチップ本体11の外側の加工は以下の通りである。
ボールペンチップ本体11の先端側に仮想的な頂点がある円錐面状の円錐部25を設け、また、図2に示される円筒部26やインキ筒結合段部26aなどの他の部分についても上記したような形状とする(外部加工工程)。
そして、前記外部加工工程の加工を行った後、ボールペンチップ本体11の円錐部25の先端付近の外側の一部を削り取り、周状削り部55を形成する(周状削り工程)。周状削り部55は、全周に形成されて周状となっている。
図5に示されるように、周状削り部55を形成することにより、ボールペンチップ本体11の表面には第1の面56と第2の面57が形成される。
第1の面56の形状は頂点が先端側である円錐台側面状であり、円錐部25よりも傾斜が緩やかな面である。また、第2の面57は、第1の面56の先端側に位置しており、第2の面57の形状は円柱の側面状である。したがって、第2の面57付近のボールペンチップ本体11の先端部付近の形状は円筒状となり、全周において、ほぼ同じ幅の厚みとなる。
このボールペンチップ本体11の先端の厚みは、周状削り部55を形成したことにより、薄くなる。図5に示されるように、第2の面57付近の厚みT1は、35μm〜45μmである。かかる範囲であれば、加工がしやすい。また、第2の面57の長さは、ボール10の外径や、ボール10とボールハウス15との隙間などのより、所定の長さとする。
ボールペンチップ本体11の内側の加工は以下の通りである。
先端側からドリル等で軸方向に削り取り、ボールハウス15及び中心孔16を形成する(内部加工工程)。加工後におけるボールハウス15及び中心孔16の軸方向の垂直な断面は円形である。また、ボールハウス15の先端側は開口状である。また、ボールハウス15には円筒壁41が形成され、円筒壁41と中心孔16をつなぐように座面側加工面48が形成される。また、図2に示されるバック孔17は後端側から削って形成する。
なお、ボールペンチップ本体11の円錐部25の先端付近の外側の一部を削り取り、周状削り部55を形成する周状削り工程と、ボールハウス15の形成を行う内部加工工程とは、別工程で行っても良く、同時に行っても良い。周状削り工程と内部加工工程とを同時に削って加工を行う場合には、中心を同一としながら加工を行うことが容易となるので、第2の面57付近の厚みを薄くする加工を行う場合に加工が行いやすい。
また、溝47を形成する(溝加工工程)。溝47は、中心孔16とつながり、中心孔16の壁面を外側に向かって削ることにより形成される。図3に示されるように、溝47は、間隔が同じとなるように3カ所設けられている。また、図4に示されるように、溝47の外側の壁47aの面と、前記ボールハウス15の円筒壁41の面とはほぼ同一面である。
次に、ボールハウス15にボール10を収納する(ボール収納工程)。さらに、図7、図9などに示されるように、ボールペンチップ本体11の先端をボール10側に変形させて先端部43を変形させる(先端変形工程)。この工程は、図7、図9に示されるように、傾斜部44aを有するかしめ工具44を用いて行われる。具体的には、ボール10を座面側加工面48に接触させている状態で、かしめ工具44の傾斜部44aをボールペンチップ本体11の先端に接触させ、かしめ工具44を軸方向に押しつけて行われる。なお、かしめ工具44を用いて加工する場合、従来技術の説明で用いた図21、図22に示されるように、複数のかしめ工具が用いられるが、本発明の実施形態の説明で用いる図においては、1カ所のみを示して他を省略する。
そして、先端変形工程により先端部43を変形させて、先端部43の内側面Kを傾斜させる。先端変形工程では、先端部43をかしめ工具44によってボール10側に押さえるようにしてボールペンチップ本体11の先端を変形させる。このとき、先端部43の内側面Kの先をボール10に接触するまで押さえるので、先端変形工程の加工直後の状態は、先端部43の内側面Kの先とボール10との間にはほとんど隙間がない状態である。そのため、この状態ではボール10は軸方向にほとんど移動しない。
ボールペンチップ本体11の先端付近を拡大した図6、図8、図10を用いて先端変形工程について詳しく説明する。
先端変形工程の加工前のボールペンチップ本体11の状態は、図6、図8に示されており、特に、図8では、かしめ工具44を完全に押しつけた位置との関係を示している。そして、本実施形態では、ボールペンチップ1の軸を通る断面における、かしめ工具44の傾斜部44aの傾斜と、第1の面56の傾斜がほぼ等しい。すなわち、図9に示されるように、ボールペンチップ1の軸に対する傾斜部44aの傾きα(図8)と、ボールペンチップ1の軸に対する第1の面56の傾きβ(図6)とは同じである。
そのため、かしめ工具44を押しつけると、図10に示されるように、ボールペンチップ本体11の先端付近がボール10側に変形し先端部43が変形する。このとき、第2の面57の全体が傾斜部44aに沿うように変形して、ボールペンチップ1の軸を通る断面における第1の面56と第2の面57となす角度が大きくなるように変形する。
そして、傾斜部44aが第1の面56に接触する位置まで移動すると、第1の面56と第2の面57とがほぼ同一面となる。すなわち、ボールペンチップ1の軸を通る断面における第1の面56と第2の面57となす角度はほぼ180°となって、第1の面56と第2の面57とは円錐台の側面の同一面状となり、先端変形工程が完了する。なお、この第1の面56と第2の面57となす角度は、170〜190°の範囲であっても良く、また、第1の面56が曲面であってもよい。
次に、ボール10を先端側から押圧する「座打ち」により、球内面状に変形させて座面45を形成する。具体的には、図9に示される状態から、ボール10を先端側から押しつけて、ボール10の後端側で接触している座面側加工面48の一部を変形させて座面45を形成させて、図4に示されるような状態に加工する。
ボール10の硬さは1500〜2000Hvであり、ボールハウス15の硬さは200〜280Hvであり、ボール10の方がボールハウス15よりも硬い材料が用いられているので、ボールハウス15の座面側加工面48がボール10の形状に合う形となるように変形する。そのため、座面45の形状は全体がボール10の曲面に合わせた形状となる。そして、ボールペンチップ1は、図4に示されるような状態となって完成する。
本実施形態のボールペンチップ1では、座打ちが行われるので、図4に示されるように、ボール10は軸方向に長さLだけ移動することが可能である。また、図4に示されるように、ボール10が後端側に移動した状態では、ボール10とボールペンチップ本体11の先端部43との間には隙間S1が形成される。そして、ボールペン18を筆記する場合などには、ボール10が座面45側に押されるので隙間S1が形成された状態となる。
そして、図2に示すように、ボール付勢部材12を取り付けてボール10先端側に付勢し、図1(a)に示すように、インキ筒6を取り付け、インキ5を充填して、芯7が完成する。さらに、図1(b)に示されるように、芯7を軸筒19に入れることにより、ボールペン1が完成する。なお、芯7のインキ筒6内の後端にはインキフォロア8を設けられている。
このインキフォロア8は、不揮発性又は難揮発性有機液状物をゲル化したもので構成されるものを用いることができる。さらに、前記不揮発性又は難揮発性有機液状物として、シリコーンオイル、鉱物油及びポリブテンの群から選ばれる1種又は2種以上の有機液状物を用いることができる。このような成分のインキフォロア8は、インキの吐出量が大きい場合にも、安定的に追随させることができる。
ボールペン18を用いて筆記する場合には、ボール10を紙などの筆記対象に押しつけた状態でボールペン18を移動するが、筆記対象に押しつけられたボール10は座面45側に移動した状態でボール10が回転する。そして、インキ5は、中心孔16から溝47を経て、ボールハウス15を経て、隙間S1から外部に流出し、筆記対象に付着する。
本実施形態のボールペンチップの製造方法では、ボールペンチップ本体11に周状削り部55が設けられているので、先端部43を変形させる際に、変形させる位置がずれにくく、安定した加工を行うことができる。
そして、周状削り部55付近のボールペンチップ本体11の厚みは他の部分よりも薄いので、先端変形工程での加工の際には、周状削り部55付近は他の部分よりも変形させやすい。そのため、先端部43を大きく変形させる場合や、全体の厚みが薄いために変形させる位置がずれやすい場合にも、先端変形工程の加工を容易に行うことができる。
特に、本実施形態のボールペンチップ1では、先端部43の長さが短く、先端部43の内側面Kの傾斜する角度を大きくし、インキ5の流出性を良くしているので、本実施形態による方法を用いることにより安定して加工することができる。
このことを、図11、図12を用いて説明する。
図11には、本実施形態のボールペンチップ1の隙間S1付近の状態が示されている。そして、先端部43の径方向の距離Xに対して、軸方向の長さYが小さく、先端部43の内側面Kがボールペンチップ1の軸に対してより傾斜している。
図12は、従来技術のボールペンチップ120の隙間S1付近を拡大した図である。そして、従来技術のボールペンチップ120は、図示していないが、傾斜部44aの傾斜角度が同じであるかしめ工具44を用いて加工される。しかしながら、従来技術のボールペンチップ120には、図11に示される本実施形態のボールペンチップ1には設けられる周状削り部55がなく、先端部43の変形部分が大きくなる。この結果、従来技術のボールペンチップ120では、内側面Kの傾斜角度が小さくなり、内側面Kの先端部43の径方向の距離Xに対して軸方向の長さYが大きくなる。そのため、ボール10の移動長さLが同じ場合に、隙間S1が小さく、また、ボールハウス15内の空間が小さくなって、使用時のインキ5の流出性が悪くなる。
一方、本実施形態のボールペンチップ1では、内側面Kの傾斜が大きく、隙間S1を大きくすることができ、また、ボールハウス15内の空間66が大きいので、使用時のインキ5の流出性が良い。また、先端変形工程の加工を、上記した方法を用いることにより、安定して加工することができる。
さらに、本実施形態のボールペンチップ1では、ボール10の移動長さLが小さくても隙間S1を大きくすることができるので、図4に示されるように、使用時のインキ5の流れを、ボールハウス15の側壁面41とボール10が最も接近する隙間S2により規制することもできる。この場合には、精度よく加工できるボール10の径と側壁面41の径により定まる隙間S2により流量の調節を行うことができるので、吐出量の製品間のばらつきを軽減することができる。
また、本実施形態では、先端変形工程により先端部43を形成する際、かしめ工具44の移動量のばらつきを低減することができる。すなわち、かしめ工具44の傾斜部44aが第1の面56に接触する位置までかしめ工具44を押しつけて、かしめ加工を行うことができるので、傾斜部44aが第1の面56に接触する位置で止めることができる。
次に、変形例を説明する。図13は、本発明のボールペンチップの製造方法の第2の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。図14は、本発明のボールペンチップの製造方法の第3の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。図15は、本発明のボールペンチップの製造方法の第4の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。
図13〜図15には、上記した実施形態のボールペンチップ本体11とは異なるボールペンチップ本体70、71、72が示されている。
そして、ボールペンチップ本体70、71を用いる第2及び第3の実施形態ボールペンチップの製造方法では、上記した実施形態と比較して、かしめ工具44の傾斜部44aの傾きαと、周状削り部55の第1の面56の傾きβとの角度を変えて、ボールペンチップ1を製造するものである。また、ボールペンチップ本体72を用いるボールペンチップの製造方法では、上記した実施形態と比較して、縁部拡径工程によって内側削り部79を形成してボールペンチップ1を製造するものである。なお、第2〜第4の実施形態に用いるボールペンチップ本体70、71、72の先端部43以外の形状については、ボールペンチップ本体11と同様の形状である。
以下、個別に詳細に説明する。
第2の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法は、図13(a)に示されるボールペンチップ本体70を用いて製造される。図13(b)、図13(c)に示されるように、先端部43を変形させる先端変形工程において使用するかしめ加工具44の傾斜部44aは、ボールペンチップ本体70の周状削り部55の第1の面56と傾きが異なっている。そして、ボールペンチップ1の軸に対する、傾斜部44aの傾斜が、第1の面56の傾斜よりも大きい。すなわち、ボールペンチップ1の軸に対する傾斜部44aの傾きαは、ボールペンチップ1の軸に対する第1の面56の傾きβより大きい。
そして、第2の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法により、先端変形工程により先端部43を変形させると、図13(c)に示されるように、傾斜部44aが第1の面56の先端側の縁80に接触し、第2の面57が傾斜部44aに沿うような形状に変形して、先端部43が変形する。
このとき、第2の面57の傾斜は、第1の面56の傾斜よりも大きい。そして、ボールペンチップ1の軸を通る断面における第1の面56と第2の面57となす角度は180°以上である。
第3の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法は、図14(a)に示されるボールペンチップ本体71を用いて製造される。そして、図14(b)、図14(c)に示されるように、先端部43を変形させる先端変形工程において使用するかしめ加工具44の傾斜部44aは、ボールペンチップ本体70の周状削り部55の第1の面56と傾きが異なっている。そして、ボールペンチップ1の軸に対する傾斜部44aの傾斜が、第1の面56の傾斜よりも小さい。すなわち、ボールペンチップ1の軸に対する傾斜部44aの傾きαは、ボールペンチップ1の軸に対する第1の面56の傾きβより小さい。
そして、第3の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法により、先端変形工程により先端部43を変形させると、図14(c)に示されるように、傾斜面44aが第1の面56の後端側の縁75に接触し、第2の面57が傾斜部44aに沿うような形状に先端部43が変形する。
このとき、第2の面57の一部が傾斜部44aに沿うような形状に変形してかしめ表面部を形成する。また、先端部43の外形形状は円錐台の側面状であり、第1の面56の後端側の縁75がこのかしめ表面部の仮想面上に位置している。
そして、先端変形工程において、かしめ加工具44の傾斜部44aに第1の面56の後端側の縁75に接触することにより、かしめ加工具44の位置決めを行うことができる。
第4の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法は、図15(a)に示されるボールペンチップ本体72を用いて製造される。ボールペンチップ本体72は、第1の実施形態におけるボールペンチップ本体11と同様に加工し、さらに、縁部拡径工程により内側削り部79を設けてボールペンチップ本体72の先端側の内径をボールハウス15側の内径よりも大きい内径としている。縁部拡径工程は、半月バイトなどの姿バイトやその他の切削工具により、削ることにより形成することができる。
この縁部拡径工程を、上記したボールハウス15を形成する内部加工工程と同時に行ってもよい。具体的な方法として、ボールペンチップ1内部を加工する加工ツールの先を円筒壁41の内径に合わせ、根元側を内側削り部79の内径に合わせたものを用い、これによって削ることによって加工される。この方法を採用することにより、2つの工程を同時に行うことができるので、工程の簡略化を図ることができる。さらに、縁部拡径工程により形成した内側削り部79の中心軸と、内部加工工程により形成した円筒壁41の中心軸とを合わせることが容易となり、精密な加工を行うことができる。
そして、ボールペンチップ本体72を用いて、第1の実施形態の先端変形工程と同様にかしめ加工具44を用いて先端部43を変形させる。
なお、図15(b)、図15(c)に示されるように、ボールペンチップ本体72のボールペンチップ1の軸に対する傾斜部44aの傾きαは、ボールペンチップ1の軸に対する第1の面56の傾きβと同じとしている。
第4の実施形態におけるボールペンチップ1の製造方法により、先端部43を変形する先端変形工程により加工すると、図15(c)に示されるように、第2の面57が傾斜部44aに沿うような形状に変形して、先端部43が変形する。
先端変形工程を行う前の状態では、図15(b)に示されるように、内側削り部79によって、先端部43とボール10との距離をより大きくすることができる。したがって、図15(c)に示されるように、先端変形工程により先端部43を変形させる場合に、先端部43の内側面Kの傾斜をより大きくすることができる。
上記した実施形態の周状削り部55により形成される第1の面56及び第2の面57は、円錐台の側面又は円柱側面であり、ボールペンチップ1の軸を含む断面形状は、直線状であったが、先端変形工程において、周状に削った部分をボール側に変形させることができればどのような形状でも良く、ボールペンチップ1の軸を含む断面形状が曲線状であってもよい。
また、第5の実施形態のボールペンチップ製造方法は、図16、図17に示されるように、ボールペンチップ本体85を用いてボールペンチップ84を製造するものである。
図16は、本発明の第5の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。図17は、本発明の第5の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。
ボールペンチップ本体85には、上記した実施形態のボールペンチップ本体11、70、71、72とは異なる座面側加工面48を内部加工工程によって形成されるものである。そして、図16に示されるように、座面側加工面48の形状は頂点を塗布具用チップの先端側とする円錐台の側面の形状である。また、座面側加工面48の内側端部48a側が突出している。なお、ボールペンチップ本体85の座面側加工面48以外の形状については、上記した実施形態のボールペンチップ本体11と同様であり、周状削り部55を有している。
そして、上記した実施形態と同様に、ボール10をボールハウス15に入れて、先端部43を変形させ、さらに、ボール10を押圧して座面45を形成して、図17に示されるような状態とする。
座面側加工面48の内側端部48a側が突出しているボールペンチップ本体85を用いて、ボールペンチップ84を製造するので、座面変形工程を小さい力で行うことができる。
また、図18、図19に示されるボールペンチップ本体74を用いることができる(第6の実施形態)。図18は、本発明の第6の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。図19は、本発明の第6の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。
上記した、第1〜第5の実施形態のボールペンチップ本体11、70、71、72、85では、周状削り部55の第1の面56の形状は円錐台の側面状であり、図14(b)などに示されるように第1の面56の後端側の縁75の部分で角が立っている。そのため、第1〜第5の実施形態のボールペンチップ1を用いて筆記する場合に、後端側の縁75が筆記対象に引っ掛かり、筆記感を悪くするおそれがある。
第6の実施形態のボールペンチップ本体74では、周状削り部55の第1の面56の形状が、外側に向かって突出する曲面状である。そして、第1の面56の後端側の縁75には角がなく、第1の面56の後端側の縁75はなめらかにつながって、連続面となっている。したがって、ボールペンチップ本体74により製造されたボールペンチップ1を用いて筆記する場合に、引っ掛かることはなく、筆記感を悪くするおそれがない。
また、上記した実施形態は、溝加工工程、座面変形工程及び縁部拡径工程を有するものであったが、これらの全部又は一部の工程を有さない製造方法であってもよい。
上記した実施形態の水性インキ及び水性ゲルインキであるインキ5として、吐出量を多くすることが適しているインキ5を用いることが好ましい。一例として、以下のようなインキ5を用いることが用いることができる。
1)立体造膜成分としての粘着性合成樹脂エマルション及び水を少なくとも含んでいるインキ。
2)前記インキにおいて、前記粘着性合成樹脂エマルションがインキ全量に対して少なくとも30重量%含まれているインキ。
3)前記インキにおいて、粘度が5mPa・s以上、100mPa・s未満(ELD型粘度計、1°34′コーンローター、10rpm、20℃)のインキ。
4)前記インキにおいて、粘着性合成樹脂エマルションの樹脂粒子が複数の粒度分布を持つ樹脂粒子群で構成されるインキ。
5)前記インキにおいて、粘着性合成樹脂エマルションは最低造膜温度(MFT)25℃以下の合成樹脂エマルションであるインキ。
6)前記インキにおいて、最低造膜温度(MFT)が5℃以下の粘着性合成樹脂エマルションと、最低造膜温度(MFT)が50℃以上の粘着性合成樹脂エマルションとが含まれているインキ。
7)前記インキにおいて、着色剤を有するインキ。
8)前記着色剤として金属を含む顔料が含まれ、かつさらに増粘剤が含まれているインキ。
9)前記インキにおいて、粘着性合成樹脂エマルションがアクリル系合成樹脂エマルション及びスチレン系合成樹脂エマルションの群から少なくとも選ばれたインキ。
10)前記インキにおいて、前記樹脂エマルションの造膜樹脂を可塑化する性質を持つ物質である造膜助剤を含むインキ。
11)前記インキにおいて、香料を含むインキ。
上記した実施形態のインキ5として、水性インキや、油性インキや修正液などその他の塗布液を用いることができる。
また、このボールペン18を用いて筆記する場合のインキの吐出量Zを、少なくとも100mg/10mとすることができる。
さらに、ボール10の外径D(mm)、筆記によって形成された筆跡の厚みH(μm)ラ103、筆記の際のインキの吐出量Z(mg/10m)の関係が、以下の1)〜3)の1又は2以上が成立するボールペン18も採用することができる。なお、インキの吐出量Z(mg/10m)は、10m筆記したときの吐出量(mg)を示すものである。
1)ボール径D(mm)に対して、筆記によって形成された筆跡の厚みH(μm)ラ103の比であるH/Dが15以上であるボールペン。
2)ボール径D(mm)に対する前記ペン先からの前記水性インキ組成物の吐出量Z(mg/10m)の比であるZ/Dが125以上であるボールペン。
3)ボール径D(mm)に対して、筆記によって形成された筆跡の厚みH(μm)ラ103の比であるH/Dが15以上であり、ボール径D(mm)に対する吐出量Z(mg/10m)の比であるZ/Dが125以上であるボールペン。
上記の範囲のボールペン18は、インキの成分、粘度等及びボール径等を調整して製造することができる。
また、本発明の第1の実施形態では、ボール付勢部材12が設けられているが、ボール付勢部材12を設けなくともよい。
なお、本出願には、特願2003−149512号、特願2003−149491号及び特願2003−149640号それぞれの日本国出願に記載の発明内容が全て含まれる。
以上説明したように、塗布具のチップの製造方法に用いることができ、製造時の加工性が安定し、製造しやすい。
(a)は、本発明の実施形態におけるボールペンチップを用いた芯の断面図である。(b)は図1(a)に示した芯を用いたボールペンの正面図である。 本発明の実施形態におけるボールペンチップの断面図である。 図2のボールペンチップの先端付近の断面図である。 図2のボールペンチップの先端部分を拡大した断面図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 図5のAの部分を拡大した図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 図7のBの部分を拡大した図である。 本発明の第1の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 図9のCの部分を拡大した図である。 本発明のボールペンチップの先端部分の断面図である。 従来技術のボールペンチップの先端部分の断面図である。 本発明のボールペンチップの製造方法の第2の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。 本発明のボールペンチップの製造方法の第3の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。 本発明のボールペンチップの製造方法の第4の実施形態における加工段階での先端部分の拡大断面図であり、(a)及び(b)は、かしめ加工前の断面図、(c)は、かしめ加工後の断面図である。 本発明の第5の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 本発明の第5の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 本発明の第6の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 本発明の第6の実施形態の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 従来技術の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 従来技術の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 従来技術の製造方法におけるボールペンチップの加工段階での先端部分の断面図である。 従来技術のボールペンチップの先端部分の断面図である。
符号の説明
1、84 ボールペンチップ(塗布具用チップ)
10 ボール
11、70、71、72、74、85 ボールペンチップ本体(塗布具用チップ本体)
15 ボールハウス
18 ボールペン
43 先端変形部
44 かしめ加工具
44a 傾斜部
47 溝
48 座面側加工面
55 周状削り部
56 第1の面
57 第2の面

Claims (16)

  1. 先端側が開口状であるボールハウスを備えた塗布具用チップ本体と、ボールハウス内で保持されたボールとを有する塗布具用チップの製造方法において、
    塗布具用チップ本体の外側の形状を略円錐状に加工する外部加工工程と、塗布具用チップ本体の内側にボールハウスを形成する内部加工工程と、前記ボールハウスにボールを収納するボール収納工程と、塗布具用チップ本体の先端部をボール側に変形させる先端変形工程を有し、さらに、前記外部加工工程の後、塗布具用チップ本体の先端付近の外側を周状に削る周状削り工程を有し、前記先端変形工程において前記周状に削った部分をボール側に変形させ、
    前記周状削り工程では、円錐台側面である第1の面と、前記第1の面とは異なる円錐台側面又は円柱側面であって前記第1の面よりも先端側に位置する第2の面とを形成するように加工するものであり、前記先端変形工程において塗布具用チップの軸を通る断面における前記第1の面と前記第2の面とがなす角度を大きくするように加工し、
    傾斜部を有する加工具を前記塗布具用チップ本体の軸方向に、前記傾斜部が前記第1の面の先端側の縁または後端側の縁に接触するまで押しつけることにより、前記第2の面の全部又は一部を前記傾斜部に沿うように変形させることを特徴とする塗布具用チップの製造方法。
  2. 先端側が開口状であるボールハウスを備えた塗布具用チップ本体と、ボールハウス内で保持されたボールとを有する塗布具用チップの製造方法において、
    塗布具用チップ本体の外側の形状を略円錐状に加工する外部加工工程と、塗布具用チップ本体の内側にボールハウスを形成する内部加工工程と、前記ボールハウスにボールを収納するボール収納工程と、塗布具用チップ本体の先端部をボール側に変形させる先端変形工程を有し、さらに、前記外部加工工程の後、塗布具用チップ本体の先端付近の外側を周状に削る周状削り工程を有し、前記先端変形工程において前記周状に削った部分をボール側に変形させ、
    前記周状削り工程では、円錐台側面である第1の面と、前記第1の面とは異なる円錐台側面又は円柱側面であって前記第1の面よりも先端側に位置する第2の面とを形成するように加工するものであり、前記先端変形工程において塗布具用チップの軸を通る断面における前記第1の面と前記第2の面とがなす角度を大きくするように加工し、
    前記先端変形工程において傾斜部を有する加工具を塗布具用チップ本体の軸方向に、前記傾斜部が前記第1の面に接触するまで押しつけることにより、前記第2の面の全部又は一部を前記傾斜部に沿うように変形させるように加工することを特徴とする塗布具用チップの製造方法。
  3. 前記先端変形工程において、当該工程により形成される塗布具用チップ本体の先端部の外側の表面であるかしめ表面部は円錐台の側面状であり、前記第1の面の後端側の縁が、前記かしめ表面部の仮想面上となるように加工するものであることを特徴とする請求項2に記載の塗布具用チップの製造方法。
  4. 周状削り工程において、第1の面の形状を外側に向かって突出する曲面状に加工し、第1の面の後端側の縁が連続面となっていることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塗布具用チップの製造方法。
  5. 塗布具用チップ本体の先端側の内側を、ボールハウス内部の内径よりも大きい内径とするように加工する縁部拡径工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塗布具用チップの製造方法。
  6. 前記縁部拡径工程において、姿バイトを用いて加工することを特徴とする請求項に記載の塗布具用チップの製造方法。
  7. 縁部拡径工程は、内部加工工程と同時に行うことを特徴とする請求項又はに記載の塗布具用チップの製造方法。
  8. 前記ボールハウスの後端側に軸方向に伸びる溝を形成する溝加工工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塗布具用チップの製造方法。
  9. 前記ボールを先端側から押圧して、前記ボールハウスの後端側を変形させる座面変形工程を有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塗布具用チップの製造方法。
  10. 内部加工工程において、先端側に突出している座面側加工面を形成するように加工し、座面変形工程において、前記座面側加工面を変形させて座面を形成することを特徴とする請求項に記載の塗布具用チップの製造方法。
  11. 内部加工工程において、座面側加工面の内側を先端側に突出させることを特徴とする請求項10に記載の塗布具用チップの製造方法。
  12. 内部加工工程において、座面側加工面の形状は頂点を先端側とする円錐台の側面の形状に加工することを特徴とする請求項10又は11に記載の塗布具用チップの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の塗布具用チップの製造方法を用いて製造された塗布具用チップ。
  14. 請求項13記載の塗布具用チップを用いたことを特徴とする塗布具。
  15. 塗布液として水性インキ又は水性ゲルインキを用いているボールペンであることを特徴とする請求項14に記載の塗布具。
  16. ボールは先端側に付勢されていることを特徴とする請求項14又は15に記載の塗布具。
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