JP4469453B2 - 現像装置および画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像装置に関するものであり、例えば電子写真方式の複写機やプリンタなどに適用される現像装置およびこれを備えた画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、電子写真装置や静電記録装置等の画像記録装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体(被帯電体)を所要の極性・電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0003】
コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、ワイヤ電極等の放電電極とこの放電電極を囲むシールド電極とを備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定の電位に帯電させるものである。
【0004】
近年は、中・低速機種の画像記録装置にあっては、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、また実用化されている。
【0005】
接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0006】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。以下、それぞれについて説明する。
【0007】
(1)放電帯電機構
接触帯電部材と被帯電体との隙間に生じる放電現象による放電生成物で被帯電体表面が帯電する機構である。
【0008】
放電帯電系は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0009】
(2)直接注入帯電機構
接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されることで被帯電体表面が帯電する機構である。直接帯電あるいは注入帯電と称される。
【0010】
より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。
【0011】
この直接帯電系はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。しかし、直接帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで、接触帯電部をより密に構成し、また被帯電体との速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触する構成をとる必要がある。
【0012】
以下に、各種接触帯電部材による帯電機構と特徴について記述する。
【0013】
A)ローラ帯電
接触帯電装置においては、接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0014】
このローラ帯電における帯電機構は、上述の(1)放電帯電機構が支配的である。
【0015】
帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。
【0016】
帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記す)に対して一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、感光体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。
【0017】
従って、直接帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ上のムラや感光体の付着物による帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電では、その帯電機構は放電帯電機構が支配的となる。
【0018】
図11は接触帯電における帯電効率例を表わしたグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイアスを、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位を表わすものである。
【0019】
ローラ帯電の場合の帯電特性は、図中Aで表わされる。
【0020】
図示のように、ローラ帯電の場合には、およそ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。したがって、−500Vに帯電する場合は−1000Vの直接電圧を印加するか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的である。
【0021】
より具体的に説明すると、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始再圧Vthと定義する。
【0022】
つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方法を「DC帯電方式」と称する。
【0023】
しかし、DC帯電においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0024】
このため、更なる帯電の均一化を図るために、特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。
【0025】
これは、ACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0026】
ところが、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光体への放電現象を用いているため、先に述べたように接触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0027】
また、帯電均一化のためにAC帯電を行なった場合には、さらなるオゾンの発生や、AC電圧の電界による接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生、更に放電による感光体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0028】
B)ファーブラシ帯電
ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0029】
このファーブラシ帯電における帯電機構も、上述の(1)放電帯電機構が支配的である。
【0030】
ファーブラシ帯電器は、固定タイプとロールタイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて形成するものである。
【0031】
繊維密度としては100本/mm2程度のものが比較的容易に得られるが、直接帯電により十分均一な帯電を行うには、それでも接触性は不十分であり、直接帯電により十分均一な帯電を行うには、感光体に対し機械構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要があり、現実的ではない。
【0032】
このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の帯電特性は図11中Bに示される特性をとる。従って、ファーブラシ帯電の場合も、固定タイプ,ロールタイプのどちらも、多くは高い帯電バイアスを印加して放電現象を用いて帯電を行っている。
【0033】
C)磁気ブラシ帯電
磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0034】
この磁気ブラシ帯電の場合は、その帯電機構は上述の(2)直接帯電機構が支配的である。
【0035】
磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速度差を設けることで、均一に直接帯電を可能にする。
【0036】
図7の帯電特性グラフ中Cにあるように、印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能になる。
【0037】
しかしながら、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落して感光体に付着する等他の弊害もある。
【0038】
特開平6−3921号公報等には感光体表面にあるトラップ準位または電荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して直接注入帯電を行なう方法が提案されている。
【0039】
これによれば、放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しないので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、オゾンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0040】
次に、これまで説明した帯電部材に関連するその他の構成等について説明する。
【0041】
D)トナーリサイクルシステム(クリーナレスシステム)
転写方式の画像記録装置においては、転写後の感光体(像担持体)に残存する転写残りの現像剤(トナー)はクリーナ(クリーニング装置)によって感光体面から除去されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが望ましい。
【0042】
そこで、クリーナをなくし、転写後の感光体上の転写残トナーを、現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去して、現像装置に回収・再用する装置構成にしたトナーリサイクルシステム(またはトナーリサイクルプロセス)の画像記録装置も出現している。
【0043】
現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に残留したトナーを次工程以降の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。
【0044】
この方法によれば、転写残トナーは現像装置に回収されて次工程以後に再用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。また、クリーナレスであることにより、スペース面での利点も大きく、画像記録装置を大幅に小型化できるようになる。
【0045】
トナーリサイクルシステムは上記のように転写残トナーを専用のクリーナによって感光体面から除去するのではなく、帯電手段部を経由させて現像装置に至らせて再度現像プロセスにて利用するものであるため、感光体の帯電手段として接触帯電を用いた場合においては感光体と接触帯電部材との接触部に絶縁性であるトナーが介在した状態で如何にして感光体を帯電するかが課題になっている。
【0046】
上記したローラ帯電やファーブラシ帯電においては、感光体上の転写残トナーを拡散し非パターン化するとともに、大きなバイアスを印加し放電による帯電を用いることが多い。
【0047】
一方、磁気ブラシ帯電においては、接触帯電部材として粉体を用いるためその粉体である導電性磁性粒子の磁気ブラシ部が感光体に柔軟に接触し感光体を帯電できる利点があるが、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子の脱落による弊害が大きい。
【0048】
E)接触帯電部材に対する粉末塗布
接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行なうために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末を塗布する構成が特公平7−99442号公報に開示されているが、接触帯電部材が被帯電体に従動回転であり、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電機構は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯電機構を主としている。
【0049】
特に、より安定した帯電均一性を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合や、クリーナレスの画像記録装置を長期に使用した場合において、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやすい。
【0050】
このような背景から、帯電促進粒子を用いた帯電装置を発明し、本出願人は特開平10−307454に開示している。これは、帯電部材と被帯電体との間に帯電促進粒子と称する1012Ω・cm以下の導電粒子を介して直接注入帯電を行うものである。
【0051】
導電粒子の役割の一つは帯電部材と被帯電体表面の摩擦力の低減にある。前述した帯電ローラなど被帯電体との摩擦力の大きな帯電部材は帯電部材と被帯電体の周速差を設けることができず十分な接触機会を得ることができなかった。
【0052】
しかしながら、導電粒子を介在させることにより、前述した帯電ローラと被帯電体の摩擦力を下げ、周速差を持たせることが可能になる。第二に、導電粒子は帯電部材の凹凸を埋め被帯電体に対する接触性を向上させる。
【0053】
導電粒子は帯電動作とともに被帯電体に付着し帯電部材に存在する導電粒子量は減少し、いずれはなくなっていく。したがって、導電粒子は何らかの方法で帯電器周辺に供給することが必要となる。
【0054】
その方法として、帯電部材に導電粒子を塗布供給する方法、感光体ドラムに塗布して導電粒子に供給する方法などがあるが、中でも、上記クリーナレスシステムとの適合を考慮して、導電粒子を現像剤の一部として混合する方法がある。
【0055】
この方法では、現像行程を通してトナーとともに導電粒子を感光体ドラム上に現像し、感光体から帯電部材に導電粒子を供給することにより、ドラムクリーナを排除しトナーの循環と導電粒子の供給を行える利点を持つ。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0057】
上記クリーナレスシステムを採用した場合には、クリーナを装備せずにトナーをリサイクルするために、記録紙の粉紙などの異物が現像器に混入し、画像不良を生じるという問題がある。
【0058】
このような紙粉は、画像記録を行うとともに現像器内に混入し、画像濃度の低下や、更に中間調濃度の画像記録において、その均一性に問題が生じる。
【0059】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、長期使用によっても安定した現像性能を維持することのできる品質性に優れた現像装置および画像記録装置を提供することにある。
【0060】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、現像剤を磁気吸着する磁界発生部材を内包し回転可能な円筒状部材から構成され、現像剤を担持しながら現像部位に搬送して現像を行なう現像剤担持体と、第1開口部に前記現像剤担持体を具備する現像室と、第2開口部を介して前記現像室に連通するよう設けられ現像剤を前記現像室に補給するための現像剤室と、を有する現像剤容器と、前記第2開口部よりも前記現像剤担持体回転方向下流側であって前記現像部位よりも前記現像剤担持体回転方向上流側に設けられ、前記現像剤担持体上に担持される現像剤の層厚を規制する規制ブレードと、を備えた現像装置において、前記第2開口部は、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤の通過し得る領域内に配置され、前記現像室内の前記現像剤担持体を囲む領域における、前記現像部位よりも前記現像剤担持体回転方向下流側であって前記第2開口部よりも前記現像剤担持体回転方向上流側となる領域において、前記円筒状部材の円筒軸から前記第2開口部までの距離よりも、前記円筒軸から現像室内壁までの距離が大きくなるようにして、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤の通過し得る領域外に空間領域を確保することで、前記第1開口部から侵入した異物を蓄積する異物蓄積用領域が形成され、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤に混入した異物を分離して、前記異物蓄積用領域に送り込む分離機構を備えることを特徴とする。
【0061】
従って、異物蓄積用領域に異物を蓄積できるので、現像室内の現像剤の品質を維持できる。
【0067】
これにより、混入された異物は、分離機構によって積極的に分離されるため、一層、現像剤の品質を維持できる。
【0068】
前記分離機構は、前記現像剤担持体内であって、前記異物蓄積用領域側に隣接して配置された同極性の磁極を有するとよい。
【0069】
これにより、磁力の変化に基づいて現像剤の保持力を変化させることで、現像剤中の異物を積極的に効率良く分離できる。
【0070】
前記分離機構は、前記現像剤担持体に対向して配置された磁性ブレードを有するとよい。
【0071】
これにより、不均衡な磁界を発生させることで、現像剤を穂立たせて、現像剤中の異物を積極的に効率良く分離できる。
【0072】
前記分離機構は、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤を攪拌する攪拌部材を有するとよい。
【0073】
これにより、現像剤を攪拌することで、現像剤中の異物を積極的に効率良く分離できる。
【0074】
前記現像剤担持体に担持された現像剤によって現像される被現像体上の異物を掻き落として、前記異物蓄積用領域に送り込む掻き落とし部材を備えるとよい。
【0075】
これにより、被現像体上の異物を積極的に取り除くことができる。
【0076】
また、本発明の画像記録装置にあっては、
像担持体と、
該像担持体の表面を一様に帯電する帯電装置と、
その表面が一様に帯電された像担持体上に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
該露光装置によって形成された潜像を現像化する、上記の現像装置と、
該現像装置によって現像化された画像を、被記録体上に転写する転写装置と、該転写装置によって転写された未定着画像を被記録体上に定着する定着装置と、を備えたことを特徴とする。
【0077】
これにより、長期使用によっても安定した画像記録を可能とする画像記録装置が実現する。
【0078】
前記転写装置によって転写されることなく像担持体上に残留された現像剤を、再び前記現像装置に回収するクリーナレス構造をなすとよい。
【0079】
前記帯電装置は、前記像担持体の表面に対して速度差を持って接触する帯電部材を有し、
該帯電部材と像担持体との接触部には、その比抵抗が1012Ω・cm以下である導電粒子を介在させると共に、
前記現像装置内に、前記導電粒子と現像剤からなる混合剤を蓄えるとよい。
【0080】
これにより、帯電部材と像担持体との接触部に導電粒子を介在させたことで、安定した帯電が可能となると共に、現像装置内に、導電粒子を蓄えたことで、導電粒子を上記接触部に供給できるため、長期にわたり安定した帯電が可能となる。
【0081】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0082】
(第1の実施の形態)
図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る現像装置および画像記録装置について説明する。
【0083】
図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置の概略構成図であり、図2は本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【0084】
本実施の形態においては、画像記録装置の一例として、転写式電子写真プロセスを利用し、直接注入帯電方式を採用し、また、トナーリサイクルプロセス(クリーナレスシステム)を採用したレーザプリンタ(記録装置)を例にして説明する。
【0085】
(1)プリンタの全体的概略構成
図中、1は被現像体となる像担持体であり、本実施の形態ではφ24mmの回転ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下感光ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計方向に周速度50mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
【0086】
帯電装置を構成する帯電ローラ2は感光ドラム1に所定の押圧力をもって接触させて当接した接触帯電部材としての導電性弾性ローラである。この帯電ローラ2は感光ドラム1との間で接触部nを形成している。
【0087】
この帯電ローラ2はその外周面に導電性を有する導電粒子m(帯電を目的とした導電性粒子)を保持(担持)しており、感光ドラム1と帯電ローラ2との帯電接触部nに導電粒子mが介在している。
【0088】
帯電ローラ2は感光ドラム1の回転方向と逆方向(カウンター)で回転駆動され、帯電接触部nにおいて感光ドラム1面に対して速度差を持って接触する。また、プリンタの画像記録時には、帯電ローラ2に帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電バイアスが印加される。
【0089】
これにより、回転する感光ドラム1の周面が直接注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。本実施の形態では印加電源S1による印加バイアスをDC電圧−700Vとした。
【0090】
なお、上記の帯電ローラ2、導電粒子m、直接注入帯電については、別項で詳述する。
【0091】
4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等を含むレーザビームスキャナ(露光装置)であり、このレーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列ディジタル画像信号に対応して強度変調されたレーザ光を出力し、このレーザ光で回転する感光ドラム1の一様帯電面を走査露光Lする。
【0092】
この走査露光Lにより回転する感光ドラム1の表面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0093】
5は現像装置であり、回転する感光ドラム1の表面の静電潜像はこの現像装置5により現像部位aにてトナー画像として現像される。
【0094】
この現像装置5内には、現像剤tに導電粒子mを添加した混合剤tmが備えられており、さらに、この混合剤tmは現像剤容器5e内の現像室(room1)内の現像前混合剤tm1と現像剤室としてのトナー室(room2)内に蓄えられた補給用混合剤tm2からなり、印字を繰り返すとともにトナー室内の補給用混合剤tm2が現像室内に補給される。なお、この現像器5については別項で詳述する。
【0095】
6は転写装置を構成する接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光ドラム1に所定の圧力で圧接させて転写ニップ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0096】
本実施の形態で使用される転写ローラ6は、芯金6aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×108Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金6aに印加して転写を行なった。転写ニップ部bに導入された転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側に回転する感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0097】
7は熱定着方式等の定着装置であり、転写ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の転写を受けた転写材Pは回転する感光ドラム1の面から分離されて、この定着装置7に導入され、トナー画像の定着を受けて画像形成物(プリントコピー)として装置外へ排出される。
【0098】
本実施の形態におけるプリンタはクリーナレスであり、転写材Pに対するトナー画像転写後の回転する感光ドラム1面に残留された転写残トナーは、専用のクリーナ(クリーニング装置)で除去されることなく、感光ドラム1の回転にともない帯電接触部nを経由して現像部位aに至り、現像装置4において現像同時クリーニングにて回収・再利用される。
【0099】
(2)帯電ローラ2
本実施の形態に係るにおける接触帯電部材としての帯電ローラ2は芯金2a上にゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成することにより作成される。
【0100】
ここで、中抵抗層2bは、樹脂(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金2aの上にローラ状に形成した。その後、必要に応じて表面を研磨して直径12mm、長手長さ200mmの導電性弾性ローラである帯電ローラ2を作成した。
【0101】
この帯電ローラ2のローラ抵抗を測定したところ100kΩであった。ローラ抵抗は、帯電ローラ2の芯金2aに総圧1kgの加重がかかるよう外径30mmのアルミドラムに帯電ローラ2を圧着した状態で、芯金2aとアルミドラムとの間に100Vを印加し、計測した。
【0102】
ここで、接触帯電部材である帯電ローラ2は電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電体との間に十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。
【0103】
一方では、被帯電体にピンホールなどの耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合には、十分な帯電性と対リーク性を得るには104〜107Ωの抵抗が望ましい。
【0104】
帯電ローラ2の表面は、導電粒子mを保持できるようにミクロな凹凸があるものが望ましい。
【0105】
また、帯電ローラ2の硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電接触部nを確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好ましい範囲である。
【0106】
帯電ローラ2の材質としては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためのカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、また、これらを発泡させたものがあげられる。
【0107】
また、特に導電性物質を分散せずにイオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0108】
帯電ローラ2は被帯電体としての感光ドラム1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設しており、本実施の形態では幅数mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0109】
また、本実施の形態では、この帯電ローラ2を帯電接触部nにおいて、帯電ローラ表面と感光体表面とが互いに逆方向に等速で移動するように、およそ80rpmで矢印の時計方向に回転駆動させた。即ち、接触帯電部材としての帯電ローラ2の表面は被帯電体としての感光ドラム1の面に対して速度差を持たせるようにした。
【0110】
(3)現像装置5
本実施の形態に係る現像装置5は、現像剤tとして一成分磁性トナー(ネガトナー)を用いた反転現像器である。現像装置内には磁性体である現像剤(トナー)tと導電粒子mの混合剤tmを備えている。
【0111】
5aは磁界発生部材としてのマグネットロール5bを内包させた、現像剤担持体としての非磁性回転現像スリーブで、円筒状部材で構成されており、現像容器5e内に備える現像前混合剤tm1内のトナーtは回転現像スリーブ5a上を搬送される過程において、規制ブレード5cで層厚規制及び電荷付与を受ける。
【0112】
回転される現像スリーブ5aにコートされたトナーtは現像スリーブ5aの回転により、感光ドラム1と現像スリーブ5aの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬送される。また、現像スリーブ5aには現像バイアス印加電源S2より現像バイアス電圧が印加される。
【0113】
なお、本実施の形態においては、現像バイアス電圧を、DC電圧−500VにAC電圧=ピーク間電圧1600V、周波数1.8kHz、矩形波の重畳電圧とした。
【0114】
これにより、感光ドラム1側の静電潜像がトナーtにより反転現像される。
【0115】
印字とともに現像容器内の現像剤前混合剤tm1の量は減少するが、その減少時に応じてホッパー容器からスクリュー5dを回転させることによりホッパー内の混合剤tm2を現像容器内に供給することで、現像容器内の現像前混合剤tm1の量をある一定範囲内に調整する。
【0116】
そして、本発明の実施の形態では、現像スリーブ5aの下方に、紙粉等の異物を蓄積するための空間領域となる異物蓄積用領域(以下、紙粉捕集領域と称する)を設けている。
【0117】
これについて、特に、図2を参照して詳しく説明する。
【0118】
図に示すように、現像室(room1)と現像剤室としてのトナー室(room2)は、開口部Wを介して設けられている。
【0119】
ここで、円筒状の現像スリーブ中心から開口部Wまでの間の距離をDr、スリーブ中心から現像室(room1)の内壁間距離の最大値をErとする。Erはスリーブの重力方向の下方位置にある内壁との関係について定義する距離である。
【0120】
そして、これらの距離がDr<Erであるとき、現像室(room1)には、紙粉捕集領域Eが存在し、この紙粉捕集領域Eに、紙粉などの混入物(異物)を蓄積することが可能となる。これは、現像スリーブ5a上を搬送される現像剤は、ほぼ上記距離Dr内に収まるため、その範囲外においては、現像剤の搬送に必要のない空間領域となり、この領域を確保することによって、そこに異物を蓄積しても問題がないからである。
【0121】
ただし、開口部Wはマグネットロール5bにより生じる磁気拘束範囲Dの中に存在する必要がある。もし、この範囲D内になければ、現像剤がマグネットロール5bによって磁気吸着されずに紙粉捕集領域Eに落下してしまうことがあるからである。
【0122】
トナー室の現像剤tm2は、磁気拘束範囲D内に設けた開口部Wから現像室に供給される。その結果、現像剤は磁気拘束範囲D内に溜まり、下方に設けた磁気拘束範囲D外には現像剤が存在しない領域(紙粉捕集領域E)が生じる。この領域において、紙粉等の異物は現像剤から遊離して、下方から順に蓄積する。
【0123】
ここで、磁気拘束範囲Dは、マグネットローラの磁極構成により、この距離は変化する。ここでは、この範囲Dは、現像剤を、マグネットローラを内包するスリーブに十分付着させたときの、付着限界の半径で定義する。
【0124】
特に、開口部Wの角度方向についての半径から求める。本実施の形態では、およそ16mmであった。
【0125】
次に、現像剤としてのトナー、および導電粒子について説明する。
【0126】
a)トナーt:現像剤である一成分磁性トナーtは、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し混練、粉砕、分級の各行程を経て作成し、さらに導電粒子mや流動化剤などを外添剤として添加して作成されたものである。なお、本実施の形態におけるトナーの平均粒径(D4)は7μmであった。
【0127】
b)導電粒子m:本実施の形態では、導電粒子として、比抵抗が106Ω・cm、平均粒径3μmの導電性酸化亜鉛を用いた。そして、導電粒子mとしての酸化亜鉛分を、分級後のトナーt100重量部に対して1重量部添加し混合機により均一に分散させて現像装置内に収容させた。
【0128】
導電粒子mの材料としては、他の金属酸化物などの導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が使用可能である。
【0129】
また、粒子を介して電荷の授受を行うために、所定の粒子抵抗を必要とするので、粒子の比抵抗としては1012Ω・cm以下が必要であり、好ましくは1010Ω・cm以下が望ましい。
【0130】
抵抗測定は、錠剤法により測定して正規化して求めた。即ち、底面積2.26cm2の円筒内におよそ顆粒にする前の導電粒子試料を0.5g入れて、上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0131】
粒径は良好な帯電均一性を得るために50μm以下が望ましい。本実施の形態において、粒子が凝集体を構成している場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として定義した。
【0132】
粒径の測定には、電子顕微鏡による観察から100個以上抽出し、水平方向最大限長を持って体積粒径分布を算出しその50%平均粒径を持って決定した。
【0133】
導電粒子は一次粒子の状態で存在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在することもなんら問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体として導電粒子としての機能が実現できれば、その形態は重要でない。
【0134】
導電粒子は、特に感光体の帯電に用いる場合に潜像露光の妨げにならないように、白色または透明に近いことが望ましい。さらに、導電粒子が感光体上から記録材Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記録では無色あるいは白色のものが望ましい。
【0135】
また、画像露光時に粒子による光散乱を防止するためにもその粒径は構成画素サイズ以下であることが望ましい。粒径の下限値としては粒子として安定に得られるものとして10nmが限界と考えられる。
【0136】
(4)導電粒子存在量
像担持体としての感光ドラム1と接触帯電部材としての帯電ローラ2との接触部における導電粒子の介在量は、少なすぎると、この粒子による潤滑効果が十分に得られず、帯電ローラと感光体との摩擦が大きくて帯電ローラ2を感光ドラム1に速度差を持って回転駆動させることが困難である。
【0137】
つまり、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると帯電ローラ2や感光ドラム1の表面が削れてしまう。更にこの粒子による接触機会増加の効果が得られないこともあり十分な帯電性能が得られない。
【0138】
一方、介在量が多過ぎると、導電粒子の帯電ローラ2からの脱落が著しく増加し、作像上に悪影響が出る。
【0139】
本実施の形態では、転写後の感光体上に導電粒子供給手段により導電粒子を一旦ドラムに供給し、ドラム上の導電粒子を帯電ローラがかき取ることで帯電部材上に導電粒子を供給する。
【0140】
従って、帯電部材上の導電粒子は、導電粒子供給手段となる塗布ローラ上の粒子量、また、塗布ローラと感光ドラム間のバイアス条件により適正な値にコントロールされる。
【0141】
実験によると、帯電部材と感光体の間の介在量は103個/mm2以上が望ましい。103個/mm2より低いと、十分な潤滑効果と接触機会増加の効果が得られず帯電性能の低下が生じる。
【0142】
より望ましくは103〜5×105個/mm2の介在量が好ましい。5×105個/mm2を越えると、この粒子の感光体へ脱落が著しく増加し、粒子自体の光透過性を問わず、感光体への露光量不足が生じる。そして、5×105個/mm2以下では脱落する粒子量も低く抑えられ、悪影響を改善できる。
【0143】
一方、導電粒子供給手段を通過後の感光体上には102〜105個/mm2の導電粒子を塗布するようにした。より好ましくは103〜104個/mm2の導電粒子を供給することが望ましい。
【0144】
また、帯電後の感光体上に脱落した粒子存在量を測ると102〜105個/mm2であったことから、作像上弊害がない存在量としては105個/mm2以下であることが望まれる。
【0145】
この介在量及び感光体上の存在量の測定方法について述べる。この介在量は帯電ローラと感光体の接触面部を直接測ることが望ましいが、帯電ローラに接触する前に感光体上に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触する帯電ローラに剥ぎ取られることから、本実施の形態では接触面部に到達する直前の帯電ローラ表面の粒子量をもって介在量とした。
【0146】
具体的には、帯電バイアスを印加しない状態で感光体及び帯電ローラの回転を停止し、感光体及び帯電ローラの表面をビデオマイクロスコープ(OLYMPUS製OVM1000N)及びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR−3100)で撮影した。
【0147】
帯電ローラについては、帯電ローラを感光体に当接するのと同じ条件でスライドガラスに当接し、スライドガラスの背面からビデオマイクロスコープにてこの接触面を1000倍の対物レンズで撮影した。得られたデジタル画像から個々の粒子を領域分離するため、ある閾値を持って2値化処理し、粒子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフトを用いて計測した。
【0148】
また、感光体上の存在量についても感光体上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影し同様の処理を行い計測した。
【0149】
(5)直接注入帯電
現像装置5に収容されたトナーと導電粒子の混合剤tmは感光ドラム1の静電潜像のトナー現像時にトナーとともに適当量が感光ドラム1に移行する。
【0150】
感光ドラム1上のトナー画像は転写ニップ部bにおいて転写バイアスの影響で転写材P側に引かれて積極的に移行するが、感光ドラム1上の導電粒子mは導電性であることで転写材P側には積極的に移行するが、感光ドラム1上に実質的に付着保持されて残留する。
【0151】
また、感光ドラム1面に実質的に付着保持される導電粒子mの存在によりトナー画像の感光ドラム1側から転写材P側への転写効率が向上する効果が得られる。
【0152】
そして、トナーリサイクルプロセスの画像記録装置は、クリーナを用いないため、転写後の感光ドラム1面に残存する転写残トナー及び上記の残存導電粒子は感光ドラム1と接触帯電部材である帯電ローラ2の帯電接触部nに感光ドラム1の回転で、そのまま持ち運ばれて帯電ローラ2に付着混入する。
【0153】
従って、感光ドラム1と帯電ローラ2との接触部nにこの導電粒子mが存在した状態で感光ドラム1の接触帯電が行われる。なお、印字初期においては帯電ローラ表面に導電粒子が供給されず帯電が行えないので帯電ローラ表面にはあらかじめ導電粒子を塗布しておくことを可とする。
【0154】
この導電粒子mの存在により帯電ローラ2にトナーが付着混入した場合でも、帯電ローラ2の感光ドラム1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材が帯電ローラのような簡易な部材であり、しかも帯電ローラの転写残トナーによる汚染にかかわらず、帯電ローラ2による感光ドラム1への直接注入帯電を行わせることができる。
【0155】
つまり、帯電ローラ2が導電粒子mを介して密に感光体に接触して、帯電ローラ2と感光ドラム1の接触部に存在する導電粒子mが感光ドラム1表面を隙間なく摺擦することで、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電は導電粒子mの存在により放電現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、一般的に用いられているローラ帯電などでは得られなかった高い帯電効率が得られ、帯電ローラ2に印加した電圧とほぼ同等の電位を感光体に与えることができる。
【0156】
また、帯電ローラ2に付着・混入した転写残トナーは帯電ローラ2から徐々に感光ドラム1上に吐き出されて感光ドラム1面の移動とともに現像部に至り、現像装置5において現像同時クリーニング(回収)される(トナーリサイクルプロセス)。
【0157】
現像同時クリーニングは前述したように、転写後に感光ドラム1上に残留したトナーを引き続く画像形成行程の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、その潜像の現像時において現像装置のカブリ取りバイアス、即ち現像装置に印加する直流電圧と感光体表面電位感の電位差であるカブリ取り電位差Vbackによって回収するものである。
【0158】
本実施の形態におけるプリンタのように反転現像の場合では、この現像同時クリーニングは、感光体の暗部電位から現像スリーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感光体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなされる。
【0159】
また、帯電ローラ2から導電粒子が脱落しても、画像記録装置が稼働されることで、現像装置の5の現像前混合剤に含有する導電粒子mが現像部aにおいて感光ドラム1面に移行し、この感光ドラム1の回転により転写ニップ部を経て帯電接触部nに持ち運ばれて帯電ローラに逐次補給され続けるため、導電粒子mの存在による良好な帯電性が安定して維持される。
【0160】
かくして、直接注入帯電方式、転写方式、トナーリサイクルプロセスの画像記録装置において、接触帯電部材としての帯電ローラを使って、しかもこの帯電ローラ2の転写残トナーによる汚染にもかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることができ、オゾン生成物による障害帯電不良による障害などのない、簡易な構成低コストで、品質性に優れた画像記録装置を得ることができる。
【0161】
また、帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部nに導電粒子を介在させることにより、この導電粒子mの潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電ローラ2と感光ドラム1との間に容易に効果的に速度差を設けることが可能となる。
【0162】
帯電ローラ2と感光ドラム1との間に速度差を設けることにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の接触部nにおいて導電粒子mが感光ドラム1に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、容易に直接注入帯電を可能にする。
【0163】
速度差を設ける構成として、好ましくは、接触部nに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーを帯電ローラ2に一時的に回収しならすために、帯電ローラ2を回転駆動し、さらに、その回転方向は感光ドラム1表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することが望ましい。
【0164】
即ち、逆方向回転で感光ドラム1上の転写残トナーを一旦引き離し帯電を行うことにより優位に直接注入帯電を行うことができる。
【0165】
(第2の実施の形態)
図3には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、上記第1の実施の形態の構成に加えて、現像剤中に混入した異物(紙粉等)を積極的に分離するための分離機構として、磁界を調整するために同極性の磁極を設けた構成について示している。
【0166】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0167】
図3は本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【0168】
5aはマグネットロール51bを内包した、現像剤担持体としての非磁性回転現像スリーブであり、現像器内の現像剤t+導電粒子mは回転現像スリーブ5a上を搬送される過程において規制ブレード5cで層厚規制及び電荷付与を受ける。
【0169】
マグネットロール51bは、異物蓄積用領域側(重力方向)に、同極性の磁極を隣接して配置した反発極を有するマグネットロールを構成する。
【0170】
これにより、スリーブ上を搬送される現像剤は、反発極により現像剤の保持力が大きく変化するため、現像剤は不連続に搬送されて、現像剤中に混入した紙粉などの異物を積極的に効率良く分離することが可能となる。
【0171】
従って、現像剤の品質が維持される。
【0172】
なお、現像バイアス電圧の条件やトナーt及び導電粒子mの処方については、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0173】
(第3の実施の形態)
図4には、第3の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、上記第1の実施の形態の構成に加えて、現像剤中に混入した異物(紙粉等)を積極的に分離するための分離機構として、磁界を調整するために磁性ブレードを設けた構成について示している。
【0174】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0175】
図4は本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【0176】
5aはマグネットロール52bを内包した、現像剤担持体としての非磁性回転現像スリーブであり、現像器内の現像剤t+導電粒子mは回転現像スリーブ5a上を搬送される過程において規制ブレード5cで層厚規制及び電荷付与を受ける。
【0177】
5fは磁性板による磁気カットブレード(磁気ブレード)であり、マグネット52bのN2極により磁化され、近接部に不均衡な磁界を生じる。その結果、スリーブ上を搬送される現像剤が穂立ち、剤中に含まれる紙粉などの異物を積極的に効率良く分離することが可能となる。
【0178】
従って、現像剤の品質が維持される。
【0179】
なお、現像バイアス電圧の条件やトナーt及び導電粒子mの処方については、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0180】
(第4の実施の形態)
図5には、第4の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、上記第1の実施の形態の構成に加えて、現像剤中に混入した異物(紙粉等)を積極的に分離するための分離機構として、搬送される現像剤を攪拌するための攪拌部材を設けた構成について示している。
【0181】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0182】
図5は本発明の第4の実施の形態に係る現像装置の概略構成図であり、図5(a)は全体の概略構成図を示し、図5(b)は攪拌部材である現像剤撹拌羽の概略構成斜視図を示している。
【0183】
5aはマグネットロール5bを内包した、現像剤担持体としての非磁性回転現像スリーブであり、現像器内の現像剤t+導電粒子mは回転現像スリーブ5a上を搬送される過程において規制ブレード5cで層厚規制及び電荷付与を受ける。
【0184】
5gは非磁性の現像剤撹拌羽であり、スリーブ上の搬送される現像剤をかき乱し、現像剤中に存在する紙粉などの異物を取り除きやすくして、この異物を積極的に効率良く分離することが可能となる。
【0185】
従って、現像剤の品質が維持される。
【0186】
なお、現像バイアス電圧の条件やトナーt及び導電粒子mの処方については、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0187】
(第5の実施の形態)
図6には、第5の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、上記第1の実施の形態の構成に加えて、被現像体(感光ドラム)上の異物を掻き落とすための掻き落とし部材を設けた構成について示している。
【0188】
その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0189】
図6は本発明の第5の実施の形態に係る画像記録装置の概略構成図である。
【0190】
感光ドラム1上の紙粉等の異物を効率よく現像器に取り込むために、掻き落とし部材としてのスクレーパー5hを配置した。スクレーパー5hの感光ドラム1に対する配置位置は、感光ドラム1とスリーブ5aとの間の距離と同程度の隙間を有する位置とした。
【0191】
なお、本構成では、300μmとした。これにより、感光ドラム1上に存在する紙粉等の異物も積極的に現像器に回収し、現像器内の現像室room1の下部に設けた異物蓄積用領域に蓄積することができる。
【0192】
なお、現像バイアス電圧の条件やトナーt及び導電粒子mの処方については、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0193】
(第6の実施の形態)
図7には、第6の実施の形態が示されている。本実施の形態においては、上記第1の実施の形態では、現像剤として1成分性現像剤を用いる場合の構成について示したが、本実施の形態では、2成分現像剤を用いる場合の構成について説明する。
【0194】
基本的な構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0195】
図7は本発明の第6の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【0196】
本実施の形態では、2成分現像剤を用いた現像装置を構成する場合について示しており、現像室内には、フェライト粒子による磁性キャリアと、非磁性のトナー及び導電粒子の混合剤が蓄えられており、トナー室内にはトナー及び導電粒子を蓄えている。
【0197】
トナー室の剤は供給用のスクリュー5mにより、断続的に剤を補給する。
【0198】
本実施の形態においても、現像スリーブ5j下方に配した捕集領域は有効であり紙粉等の異物を回収することが可能である。本構成の場合においては、トナー及び導電粒子は非磁性であるが、磁性キャリアとともに摩擦帯電を受けて静電気力および弱い付着力を得ることにより紙粉と分別可能であった。
【0199】
次に、以上説明した各実施の形態に係る現像装置あるいは画像記録装置の効果等を明確にするためのいくつかの比較例について説明する。
【0200】
(比較例1)
比較例1は、図10に示すように、スリーブ中心から開口部までの距離Drと比べ、スリーブ中心から現像室room1の内壁までの距離の最大値Erが同じであり、現像室内に空洞(異物蓄積用領域)を持たない現像器構成をとる。その他は基本的に上記第1の実施の形態の構成に準ずる。
【0201】
(比較例2)
比較例2は、スリーブ中心から開口部までの距離Drと比べ、スリーブ中心から現像室room1の内壁までの距離の最大値Erが同じであり、現像室内に空洞(異物蓄積用領域)を持たない現像器構成をとる。また、マグネットロールは反発極を備える構成とする。その他は基本的に上記第2の実施の形態の構成に準ずる。
【0202】
(比較例3)
本比較例は、スリーブ中心から開口部までの距離Drと比べ、スリーブ中心から現像室room1の内壁までの距離の最大値Erが同じであり、現像室内に空洞(異物蓄積用領域)を持たない現像器構成をとる。また、2成分現像剤を用いる現像装置を構成する。その他は上記第6の実施の形態の構成に準ずる。
【0203】
[評価結果]
図12に示す表図に、各実施の形態及び比較例の評価結果を示すとともに、本実施の形態についての有効性について述べる。
【0204】
a)画像濃度の変動
ベタ黒を記録したときの、ページ内の最低濃度を反射濃度計により測定した。図に各測定値を示す。
【0205】
b)中間調画像の均一性(画像均一性)
600dpiの記録解像度において、図8のごとき2値画像を記録してその均一性を相対的に評価を行った。評価については、以下を基準とした。
【0206】
A:斑点状の濃度ムラがほとんど見られない。(0〜1点/cm2)
B:斑点状の濃度ムラが見える。(2〜3点/cm2)
C:斑点状の濃度ムラが目立って見える。(4〜点/cm2)
c)スリーブ上紙粉存在量
紙粉の残存量について、以下の基準に基づき評価した。
【0207】
A:繊維質の紙粉がほとんど見られない。(0〜1点/cm2)
B:繊維質の紙粉が見える。(2〜3点/cm2)
C:繊維質の紙粉が目立って見える。(4〜点/cm2)
また、評価は印字初期から4000枚(4k)後まで行った。b)とc)については4000枚後の時点で評価を行った。なお、画像パターンの印字率は5%、長手方向の印字率に差がないパターンを用いて印字テストを行った。
【0208】
上記の評価結果に基づいて、本発明の実施の形態についての優位性について述べる。
【0209】
まず、比較例1については、Drに対してErが等しい距離関係にあり、現像室(room1)は現像剤で満たされている。従って、現像ニップから現像剤に混入してくる紙粉などは現像器に取り込まれ、現像性を低下させる。
【0210】
その結果、画像濃度は減少し、画像均一性においても、斑点状に濃度ムラを生じる。また、スリーブ上を観察すると、紙粉の繊維質の混入が認められる。
【0211】
一方、第1の実施の形態においては、Drに対しErが長く、開口部から供給されるトナー量はDr以下に抑えられることになり、紙粉捕集領域Eがスリーブの下方に存在することになる。
【0212】
その結果、スリーブ上に付着した紙粉はスリーブ上を搬送されるとともに、紙粉捕集領域Eに蓄積される。その結果、画像濃度の低下を抑えることができ、画像均一性、スリーブ上の紙粉量の点でも良好な結果を生んでいる。
【0213】
更に、実施例2においては、空洞(紙粉捕集領域E)が存在する下方側の位置に、反発極を配置してスリーブ上を不連続に搬送させ剤中に含まれる紙粉をより効率的に除去できるよう構成した。
【0214】
しかしながら、比較例2においては、同じように反発極を配置しても、スリーブ下方に有効な空間がないため、紙粉を蓄積することができない。その結果、濃度低下や画像均一性の点で劣る結果となる。
【0215】
つまり、本発明の実施の形態においては、DrとErとの関係においてDr<Erになるよう現像器を構成し、スリーブ下方にスペースを設けることが紙粉等の異物を除去するに必須な構成となる。
【0216】
更に、紙粉等の異物を除去するために、紙粉等の異物を分離する分離機構を設けることにより、さらに効率よく紙粉等の異物を取り除くことが可能となる。
【0217】
なお、上述のように、第3の実施の形態では、分離機構として、スリーブ下方の磁極に磁性ブレードを配し、磁気カットを行うことにより現像剤中の紙粉除去を補助する構成をとり、第4の実施の形態では、分離機構として、スリーブ下方に非磁性であるが、現像剤をかき乱し紙粉を現像剤から分離しやすくする補助手段を導入したことによって、良好な結果が得られた。
【0218】
また、第5の実施の形態では、現像器の容器の下方回収部を感光ドラム1に接近させ、感光ドラム上に存在する紙粉を現像器に取り込み除去できるよう構成したことにより、紙粉が感光ドラム上に散在するのを抑える効果があり、結果として、画像の均一性の向上を図ることが可能となった。
【0219】
また、導電粒子は現像剤にトナーとともに混入し、像担持体にトナーとともに現像し転写残として、帯電ロールに供給される。ここで、導電粒子を安定して供給し続けるためには、現像容器は開口部を介して少量ずつ供給する構成が必須となる。このとき、導電粒子を除去することなく、紙粉を効率よく除去する方法として有効である。
【0220】
また、導電粒子は現像剤に対し逆極性の摩擦帯電極性を有するものが望ましく、トナーは静電的力や弱い付着力で引き合っている。メッシュなどによる分離はこの場合望ましくなく、構成自体が複雑になることからコスト的にも不利である。また、第6の実施の形態と比較例3において、2成分現像器を用いる場合も、本発明の構成をとることにより、紙紛の弊害を抑えることが可能となる。
【0221】
以上のように、上記本発明の各実施の形態においては、放電による弊害の生じない注入帯電とクリーナレスにおける経済性を両立するとともに、紙粉等の異物による様々な画像不良を改善することが可能となる。
【0222】
[その他]
上記本発明の各実施の形態において、紙粉捕集領域Eに蓄積した紙粉を、逆流しないように発泡体を配したり、容器形状により弁などを配するなどの構成を加えると、更に好ましい構成となる。
【0223】
また、感光ドラム1の表面に電荷注入層を設けて、感光体表面の抵抗を調節して用いた方が好ましい。
【0224】
この点について、図9を参照して、例えば負極性の感光体を用いた場合について説明する。図9は表面に電荷注入層を設けた感光ドラム1’の層構成の模式図である。
【0225】
即ち、感光ドラム1’は、アルミドラム基体(A1ドラム基体)11上に下引き層12、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラム1に電荷注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したものである。
【0226】
電荷注入層16は、バインダーとしての光硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)としてSnO2超微粒子16a(径が約0.03μm)や重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法により膜形成したものである。
【0227】
また、加えて4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの滑剤も内包させることにより、ドラム表面の表面エネルギーを抑えて、帯電ローラに担持した導電粒子の付着を全般的に抑える効果がある。
【0228】
電荷注入層16として重要な点は、表層の抵抗にある。電荷の直接注入による帯電方式においては、被帯電体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷の授受が行えるようになる。
【0229】
一方、感光体として用いる場合には、静電潜像を一定時間保持する必要があるため、電荷注入層16の比抵抗としては1×109〜1×1014(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0230】
また、本構成のように電荷注入層16を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗範囲に或る場合は同等の効果が得られる。さらに、表層の比抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様の効果が得られる。
【0231】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、現像室内に、外部から侵入した異物を蓄積する異物蓄積用領域を形成したので、現像剤の品質を維持することができ、長期使用によっても安定した現像性能を維持することのできる品質性が向上する。
【0232】
混入した異物を分離する分離機構を備えることによって、現像剤の品質を、より一層維持することができる。
【0233】
被現像体上の異物を掻き落とす掻き落とし部材を備えることで、現像の品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る画像記録装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係る現像装置の概略構成図である。
【図8】評価画像パターン図である。
【図9】表面に電荷注入層を設けた感光体の層構成を示す模式図である。
【図10】比較例1に係る画像記録装置の概略構成図である。
【図11】接触帯電における帯電効率例を表わしたグラフである。
【図12】評価結果を示す表図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体)
2 帯電ローラ
4 レーザビームスキャナ
5 現像装置
5a,5j 現像スリーブ
5b,51b,52b マグネットロール
5c 規制ブレード
5d スクリュー
5e 現像剤容器
5f 磁気カットブレード
5g 現像剤撹拌羽
5h スクレーパー
5i 磁性ブレード
5m スクリュー
6 転写ローラ
7 定着装置
m 導電粒子
t トナー
E 紙粉捕集領域
W 開口部
room1 現像室
room2 現像剤室(トナー室)
Claims (8)
- 現像剤を磁気吸着する磁界発生部材を内包し回転可能な円筒状部材から構成され、現像剤を担持しながら現像部位に搬送して現像を行なう現像剤担持体と、
第1開口部に前記現像剤担持体を具備する現像室と、第2開口部を介して前記現像室に連通するよう設けられ現像剤を前記現像室に補給するための現像剤室と、を有する現像剤容器と、
前記第2開口部よりも前記現像剤担持体回転方向下流側であって前記現像部位よりも前記現像剤担持体回転方向上流側に設けられ、前記現像剤担持体上に担持される現像剤の層厚を規制する規制ブレードと、
を備えた現像装置において、
前記第2開口部は、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤の通過し得る領域内に配置され、
前記現像室内の前記現像剤担持体を囲む領域における、前記現像部位よりも前記現像剤担持体回転方向下流側であって前記第2開口部よりも前記現像剤担持体回転方向上流側となる領域において、前記円筒状部材の円筒軸から前記第2開口部までの距離よりも、前記円筒軸から現像室内壁までの距離が大きくなるようにして、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤の通過し得る領域外に空間領域を確保することで、前記第1開口部から侵入した異物を蓄積する異物蓄積用領域が形成され、
前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤に混入した異物を分離して、前記異物蓄積用領域に送り込む分離機構を備えることを特徴とする現像装置。 - 前記分離機構は、前記現像剤担持体内であって、前記異物蓄積用領域側に隣接して配置された同極性の磁極を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記分離機構は、前記現像剤担持体に対向して配置された磁性ブレードを有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記分離機構は、前記現像剤担持体によって担持されながら搬送される現像剤を攪拌する攪拌部材を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記現像剤担持体に担持された現像剤によって現像される被現像体上の異物を掻き落として、前記異物蓄積用領域に送り込む掻き落とし部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の現像装置。
- 像担持体と、
該像担持体の表面を一様に帯電する帯電装置と、
その表面が一様に帯電された像担持体上に光を照射して潜像を形成する露光装置と、
該露光装置によって形成された潜像を現像化する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の現像装置と、
該現像装置によって現像化された画像を、被記録体上に転写する転写装置と、該転写装置によって転写された未定着画像を被記録体上に定着する定着装置と、を備えたことを特徴とする画像記録装置。 - 前記転写装置によって転写されることなく像担持体上に残留された現像剤を、再び前記現像装置に回収するクリーナレス構造をなすことを特徴とする請求項6に記載の画像記録装置。
- 前記帯電装置は、前記像担持体の表面に対して速度差を持って接触する帯電部材を有し、
該帯電部材と像担持体との接触部には、その比抵抗が1012Ω・cm以下である導電粒子を介在させると共に、
前記現像装置内に、前記導電粒子と現像剤からなる混合剤を蓄えたことを特徴とする請求項7に記載の画像記録装置。
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