JP4469090B2 - Dac用フィルタ - Google Patents
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Description
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、一般にデジタル・アナログ変換の改良に関し、具体的には、音声信号のためのデジタル・アナログ変換の改良に関する。本発明は、CD(compact disc)プレーヤ、DVDプレーヤ等の装置における音楽再生のための高品質音声に最も有効である。
【0002】
(関連技術の説明)
オーディオ用に使用されている現代のADC(A-to-D converter)およびDAC(D-to-A converter)は、全て、本質的に、入出力サンプルレートより高いサンプルレートで動作している。これらのコンバータはオーバサンプリング・コンバータとして知られている。これらのコンバータはデジタルフィルタを用いて、ADCの場合は出力サンプルレートにデシメーション(decimation)し、DACの場合は入力サンプルレートをインタポレーション(interpolation)している。このような構成を採用する重要な理由は、不要な周波数に起因してA/D変換およびD/A変換の両プロセスに生じる歪みを最小化するためにフィルタを必要とするからであり、実施に際して、同等品質のアナログフィルタよりもデジタルフィルタの方がより安定で、より再生に適しており、かつ、より安価なことである。図1aにADCの簡単な構成図を示し、図1bに、対応するDACの簡単な構成図を示す。
【0003】
オーバサンプリング・デジタル・コンバータにおけるコンバータ自体の実際のサンプリングレートは、入出力サンプルレートよりも何倍も高い。通常、デシメーション・プロセスまたはインタポレーション・プロセスは、最終段のデシメーション・フィルタと、初段のインタポレーション・フィルタを用いて、複数のステージで実行され、通常、2対1の周波数比で実行される。最終段/初段の動作のためのこれらのフィルタは、その遮断周波数がプログラムマテリアル(program material)中の周波数に近いため、オーディオコンバータの音響性能に対して最も有効である。図2aは最終段のデシメーション・フィルタとしてADCに使用される典型的なフィルタの周波数応答を示す。図2bは初段のインタポレーション・フィルタとしてDACに使用される典型的なフィルタの応答を示す。このグラフのY軸はフィルタの振幅応答の大きさをデシベル単位で示し、そのX軸は出力/入力サンプリングレートFsの関数としての周波数を示す。A/DおよびD/Aの両フィルタについて調査しなければならない理由は、出力信号180(図1b)中の複数の歪みの影響を決定する際に、両フィルタがシステムとして機能するからである。
【0004】
グラフ(図2aおよび図2b)の中央部に示す周波数0.5は、ナイキスト周波数であるが、特に重要な意味を有する。サンプリング定理によれば、サンプルデータシステムでは、サンプリング周波数の1/2を超える周波数をサンプルデータストリームによって一意的に表すことができないため、このナイキスト周波数は重要である。ADCの場合、入力信号中のナイキスト周波数を超える周波数であって、デシメーション・フィルタによって除去されない周波数は、エイリアス周波数すなわちエイリアス歪みとして知られるスプリアス周波数として出力に現れる。エイリアス歪みの観点からすると、理想のデシメーション・フィルタとは、0.5Fs未満のすべての周波数を通過させ、周波数0.5Fsを超えるエネルギーを通過させないフィルタである。このようなフィルタは実際には実現不可能であるが、通常、実用的なフィルタは理想応答に近づくよう試行されている。元の信号中のナイキストを超えるすべての残留周波数は、入力90中の周波数fが、出力120中においてFs−fになるような関係で、出力信号120(図1a)中のナイキスト未満の周波数の中に包み込まれる、すなわち、エイリアスされる。
【0005】
エイリアス歪みのメカニズムは、インタポレーション・プロセスにおけるDACにも存在する。入力デジタル信号122(図1b)には、0.5Fsを超える周数数はないものと見做すことができる。インタポレーションの第1ステージは、サンプルレートを2倍にするため、元のサンプルの各々の間にゼロ値サンプルを付加し、次にその結果を、図2bに示すような周波数応答を有するローパスフィルタを通過させるステップからなっている。その結果、値ゼロのサンプルが、周囲のデータからインタポレーションされた値に置換される。
【0006】
歪みは、新しい周波数が元のナイキスト周波数を超えて生成され、かつ、これらの新しい周波数が、元の信号中に存在する周波数に対応することによって生じる。この歪みが有する潜在的な影響を解析するため、デシメーション/インタポレーション・システムの合成周波数応答をグラフ化することが有効である。図2aに示すA/D・デシメーション・フィルタの周波数応答を用いて等価デシメーションを行い、ついで、インタポレーション・フィルタに先立ってゼロ値サンプルを挿入すると、図3aに示す周波数応答が得られる。ナイキスト200未満の各周波数に対して、ナイキストを超える新しい周波数が生成される。これらは、同じ関係、すなわち、f_new=Fs−fの関係を有しており、エイリアス・プロダクト(products)は、A/Dの場合、その対称性から分かるように約ナイキスト200を有している。これらの新しい周波数f_newはサンプリングレートが2倍になっているため、一意的に表される。
【0007】
ここで、図2bに示したインタポレーション・フィルタ応答を縦続したものに付加した場合、図3bに示す合成応答が得られる。0.5を超える周波数は元の信号中には存在していない信号であり、エイリアス歪みプロダクトである。0.5を超える周波数は、2つの一般的なグループ、すなわち、インタポレーション・フィルタのストップバンド(stop band)に対応する周波数220と、デシメーション・フィルタおよびインタポレーション・フィルタのトランジションバンドのビヘイビアに関係付けをした周波数210に該当する。
【0008】
対象バンドを超える余分な信号であり、また、40kHzを超えるサンプリングレートを有するCDまたはその他任意のシステムにおいて非可聴信号であるので、多くの場合、これらのエイリアス歪みによるプロダクトは重要でないと考えられている。確かに、インタポレーション・フィルタの後段の全オーディオシステムが真に線形である場合はその通りであるが、実際には厳密な線形ではない。DACと、小信号増幅器と、電力増幅器と、拡声器は非線形であり、人間の聴覚ですら非線形である。
【0009】
図3bでは、許容可能レベルの拒絶帯歪みによるプロダクト220が、インタポレーション・フィルタに対するストップバンドの性能要件を決定している。これらの歪みをデシメーションさせる唯一の方法は、インタポレーション・フィルタのストップバンド除去性能を改善することである。
【0010】
210で示すトランジションバンド歪みは、周波数範囲が限定されているが、その振幅は遥かに大きく、これらの歪みはシステムの出力において聴取上の実際的な問題を引き起こす可能性がある。一例として、音楽で用いるシンバルは振幅の大きい高周波成分を発生するが、その衝撃音を考えてみることにする。ナイキストの直ぐ下側の各成分に対して、対応する成分がナイキストの上側の鏡像周波数部分に存在し、元の周波数とエイリアス周波数の対が、それぞれ、システムの後の部分で非線形に遭遇すると、差成分を生成することになる。このようなフィルタを有するCDシステムの場合、これらの差成分の周波数範囲は、人間の聴覚が極めて敏感であり、かつ、差成分を生成した信号によって良好にマスクされない、0から5kHzまでの範囲に存在している。これらの差成分がシンバルの音を「汚く」しているが、これはデジタルシステムの場合、よくあることである。
【0011】
トランジションバンド歪み210は、主として、インタポレーション・フィルタのトランジションバンドのビヘイビアによるものである。システム設計において、概してこの位置で使用されるフィルタのタイプは、ハーフバンド(half band)・フィルタと呼ばれている。図2bから分かるように、ハーフバンド・フィルタは、ナイキストで6dB低下し、0.5を超える周波数で相当な応答を有している。ハーフバンド・フィルタは、コンピュータでインプリメントするのが非常に経済的であり、良好な時間ドメイン・ビヘイビアを有しているため、ほとんどのシステムで使用されている。ハーフバンド・フィルタは位相応答が線形の対称FIR(finite impulse response)フィルタであり、中央部を除く偶数次数(even order)の係数が正確にゼロであるため、乗算を行う必要がない。オーディオ用に設計された商用DACのほとんどすべてが、この種のフィルタを使用している。
【0012】
ハーフバンド・インタポレーション・フィルタに関連する問題を解決するための従来技術によるアプローチは、米国特許第5,479,168号および第5,808,574号と、関連資料とによりカバーされている。性能の観点から最適である解決法は、低周波で減衰させることから開始するインタポレーション・フィルタを使用することであり、したがって、インタポレーション・フィルタはハーフバンド・フィルタではない。トランジションバンド・エイリアス成分210の振幅を劇的に減衰させ、かつ、ADCに使用されるデシメーション・フィルタと相補するフィルタを使用することにより、良好な時間ドメイン・インパルス応答を維持することができる。また、ストップバンド性能を任意の所望レベルに制御することも可能である。このアプローチには、多くの商用アプリケーションにおいて、2つ不都合な点がある。
【0013】
第1の不都合な点はコストである。複雑さの点では、商用アプリケーションに適する非ハーフバンド・フィルタは、対応する慣用のハーフバンド・フィルタのゆうに2倍を超えるのが通常である。このため、ハードウェアをインプリメントする際に、シリコン面積に直接影響し、従って、コストに影響する。
【0014】
第2の不都合な点は、より良好なインタポレーション・フィルタの出力サンプルレートが入力のFsの2倍であり、したがって、フィルタの後段のDACは、より高いサンプリングレートを容認することができなければならないことである。現代の装置に使用されているほとんどのコンバータは、実際にフィルタとDACの組み合せたものであるので、より高いサンプルレートを容認することができない。
【0015】
(発明の概要)
簡単にいうと、一般的に、本発明は、DACに普通に使用されているハーフバンド・インタポレーション・フィルタのトランジションバンド・ビヘイビアによって生じるある種のエイリアス歪みを除去する、デジタル符号化信号を処理する方法およびシステムを提供する。また、本発明は、DACと共に使用するための、エイリアス歪みをデシメーションするフィルタを設計する方法を提供する。
【0016】
第1の態様では、本発明はアナログ信号を処理する方法を含む。この方法は、ADCを用いてアナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、関係付けをした周波数応答を有するデジタル・デシメーション・フィルタを用いて前記デジタル信号をフィルタリングするステップと、前記ステップの後に、関係付けをした周波数応答を有するデジタル・インタポレーション・フィルタにより前記デジタル信号をフィルタリングするステップとを備えている。本発明によれば、前記アナログ信号を処理する方法は、デジタル・インタポレーション・フィルタによりデジタル信号をフィルタリングする前に、デジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答のトランジションバンド部分を突き止めるステップと、トランジションバンド部分に一般的に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させるステップとをさらに備えている。
【0017】
本発明の方法によれば、インタポレーション・フィルタによりフィルタリングする前に、本方法で、デジタル信号を減衰させることにより、インタポレーション・フィルタリング・プロセス自体を変更することなく、予め分かっているD/A変換プロセスに関係付けをしたトランジションバンド・エイリアス歪みが実質的に除去される。
【0018】
本発明の詳細な態様では、前記アナログ信号を処理する方法にはさらに、トランジションバンド部分に一般的に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させる前記ステップの前に、デジタル信号に対する追加信号処理を行うステップが含まれている。他の詳細態様では、前記アナログ信号を処理する方法に、デジタル・デシメーション・フィルタを用いてデジタル信号をフィルタリングする前記ステップの後に、デジタル信号に対するデータ圧縮を行うステップと、さらに、その後、トランジションバンド部分に一般的に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させる前記ステップの前に、デジタル信号をデータ伸長するステップが含まれている。
【0019】
第2の態様では、本発明はアナログ信号を処理するためのシステムに関する。本システムはアナログ信号に応答し、アナログ信号をデジタル信号に変換するADCを備えている。また、本システムは関係付けをした周波数応答を有するデジタル・デシメーション・フィルタを備えている。デジタル・デシメーション・フィルタはデジタル信号に応答してデジタル・デシメーション信号を生成する。また、本システムは関係付けをした周波数応答を有するデジタル・インタポレーション・フィルタを備えている。本発明によれば、本システムはデジタル・デシメーション信号に応答してエイリアス・コレクション信号を生成するエイリアス・コレクション・フィルタをさらに備えている。エイリアス・コレクション・フィルタはデジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せ範囲内に存在している歪み部分に一般的に対応する周波数範囲でデジタル・デシメーション信号を減衰させる周波数応答を有している。デジタル・インタポレーション・フィルタは、前記エイリアス・コレクション信号に応答してインタポレーション・デジタル信号を生成する。
【0020】
本発明の詳細な態様では、前記デジタル・デシメーション・フィルタは、一連の個別デジタル・デシメーション・フィルタを備えており、周波数応答の歪み部分は、一連のデシメーション・フィルタの最終段のデジタル・デシメーション・フィルタの周波数応答と、前記デジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答範囲内に存在している。他の詳細態様では、前記デジタル・インタポレーション・フィルタは、一連の個別デジタル・インタポレーション・フィルタを備えており、周波数応答の歪み部分は、一連のインタポレーション・フィルタの初段のデジタル・インタポレーション・フィルタの周波数応答と、前記デジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答範囲内に存在している。さらに他の詳細態様では、本システムは、前記エイリアス・コレクション信号に応答して処理済エイリアス・コレクション信号を供給する信号プロセッサをさらに備えている。さらに他の詳細態様では、本システムは前記デジタル・デシメーション信号に応答して信号に対するデータ圧縮を行うデータ圧縮器と、前記圧縮デジタル・デシメーション信号に応答して信号に対するデータ伸長を行うデータ伸長器とをさらに備えている。
【0021】
第3の態様では、本発明はアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理する方法に関する。前記デジタル信号は関係付けをした周波数応答を有するデジタル・デシメーション・フィルタを用いて変換される。本方法には、関係付けをした周波数応答を有するデジタル・インタポレーション・フィルタにより前記デジタル信号をフィルタリングするステップが含まれている。本発明によれば、デジタル信号を処理する本方法には、デジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答の歪みバンド部分を突き止めるステップと、前記突き止められた歪みバンド部分に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させるステップとがさらに含まれている。この減衰ステップは、デジタル・インタポレーション・フィルタによりデジタル信号をフィルタリングする前記ステップの前に実行される。
【0022】
本発明の詳細な態様では、複数の信号処理特性のうちの少なくとも1つがデジタル信号中に符号化され、デジタル信号を処理する前記方法には、前記信号処理特性をデジタル信号から復号化するステップがさらに含まれている。この復号化ステップは、歪みバンド部分に一般的に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させる前記ステップの前に実行される。前記信号処理特性はデジタル信号によって運ばれる隠れ符号に基づいて複数の信号処理特性から選択される。
【0023】
第4の態様では、本発明は、関係付けをした周波数応答を有するデジタル・デシメーション・フィルタを用いてアナログ信号から変換されたデジタル・デシメーション信号を処理するシステムに関する。本システムは、関係付けをした周波数応答を有するデジタル・インタポレーション・フィルタと、前記デジタル・デシメーション信号に応答してエイリアス・コレクション信号を生成するエイリアス・コレクション・フィルタとを備えている。エイリアス・コレクション・フィルタは、デジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せ範囲内に存在している歪みバンド部分に一般的に対応する周波数範囲でデジタル・デシメーション信号を減衰させる周波数応答を有している。デジタル・インタポレーション・フィルタは、前記エイリアス・コレクション信号に応答してインタポレーション・デジタル信号を生成する。
【0024】
第5の態様では、本発明は、それぞれ関係付けをした周波数応答を有する複数のデジタル・デシメーション・フィルタから選択された1つのデジタル・デシメーション・フィルタを用いてアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理する方法に関する。前記デシメーション・フィルタは、デジタル信号によって運ばれる隠れ符号に基づいて選択される。本方法には、デジタル・インタポレーション・フィルタを用意するステップと、個別に選択可能な複数のエイリアス・コレクション・フィルタを用意するステップが含まれている。各エイリアス・コレクション・フィルタは、複数のデジタル・デシメーション・フィルタのうちの1つのデジタル・デシメーション・フィルタの周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタの周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答範囲内に存在している歪みバンド部分に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させるようになっている。本方法には、隠れ符号に基づいて前記エイリアス・コレクション・フィルタの1つを選択するステップと、前記選択されたエイリアス・コレクション・フィルタによりデジタル信号をフィルタリングするステップと、前記デジタル・インタポレーション・フィルタにより前記デジタル信号をフィルタリングするステップとがさらに含まれている。
【0025】
第6の態様では、本発明は、それぞれ関係付けをした周波数応答を有する複数のデジタル・デシメーション・フィルタから選択された1つを用いてアナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するシステムに関する。デシメーション・フィルタの選択は、デジタル信号によって運ばれる隠れ符号にして伝送される。本システムは、デジタル・インタポレーション・フィルタと、個別に選択可能な複数のエイリアス・コレクション・フィルタとを備えており、エイリアス・コレクション・フィルタは、それぞれ、歪みバンド部分に対応する周波数範囲のデジタル信号を減衰させるようになっている。前記歪みバンド部分は、デジタル・デシメーション・フィルタのうちの1つの周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタの周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答範囲内に存在している。本システムは、前記隠れ符号に応答してエイリアス・コレクション・フィルタの1つを選択するセレクタをさらに備えている。本発明によれば、選択された前記エイリアス・コレクション・フィルタは、デジタル・インタポレーション・フィルタに先立ってデジタル信号に応答する。
【0026】
第7の態様では、本発明は、デジタル・デシメーション・フィルタを有するADCを用いて入力アナログ信号から変換されたデジタル信号を処理するために使用する、エイリアス歪みをデシメーションするフィルタを設計する方法に関する。デジタル信号は、その後、デジタル・インタポレーション・フィルタを備えたADCを用いて出力アナログに変換される。デシメーション・フィルタおよび・インタポレーション・フィルタは、それぞれ、それぞれ関係付けをした周波数応答を有している。前記方法には、a)デジタル・デシメーション・フィルタ周波数応答とデジタル・インタポレーション・フィルタ周波数応答との組み合せによって生じる周波数応答の歪みバンド部分を突き止めるステップと、b)前記歪みバンド部分に一般的に対応する周波数範囲でデジタル信号を減衰させるフィルタであって、第1周波数応答を有する第1減衰フィルタを選択するステップと、c)第1インパルス応答を生成するために、前記デシメーション・フィルタとインタポレーション・フィルタのインパルス応答を畳み込むステップと、d)第2インパルス応答を生成するために、前記デシメーション・フィルタと、減衰フィルタと、インタポレーション・フィルタとのインパルス応答を畳み込むステップが含まれている。
【0027】
エイリアス歪みをデシメーションするフィルタを設計する前記方法には、e)音響的に最も重要な領域における第2インパルス応答の時間分散と、同じ領域における第1インパルス応答の時間分散とを比較するステップと、f)音響的に最も重要な領域における前記第2インパルス応答時間分散の幅が同じ領域における前記第1インパルス応答時間分散の幅を超える場合に、前記第1周波数応答と異なる周波数応答を有する別の減衰フィルタを選択するステップと、g)音響的に最も重要な領域における前記第2インパルス応答時間分散の幅が、同じ領域における前記第1インパルス応答時間分散の幅になるまで、前記ステップdと、ステップeと、ステップfを繰り返すステップとが含まれている。
【0028】
エイリアス歪み軽減フィルタの設計時に、システムの周波数ドメインおよび時間ドメインの両応答を考慮することにより、本発明によって、システムの時間ドメイン応答を大幅に変化させることなく、DACに関係付けをしたエイリアス歪みを除去することができる。
【0029】
本発明の詳細な態様では、前記畳み込まれたインパルス応答が対数スケール上にプロットされる。他の詳細態様では、畳み込まれたインパルス応答の音響的に最も重要な領域は、約−80dBを超える領域である。さらに他の詳細態様では、前記第1および第2インパルス応答の、より振幅が大きい領域は、音響的により重要な領域であると考えられる。
【0030】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
図において同一の参照番号は同一または対応する部分を示す。図4は本発明に係るDACシステムを示す。
【0031】
オリジナルのDACの構造は破線140で囲んで示してあり、このタイプの幾つかのチャンネルは、多くの商用アプリケーションでは、単一のIC(integrated circuit)上に集積されている。本発明による付加加されたフィルタ130はオリジナルのコンバータへの入力ストリームに配置してある。ここで、このフィルタ130を「1xFsエイリアス・コレクション・フィルタ(alias correction filter)」という。このエイリアス・コレクション・フィルタ130の入力122と出力135のサンプルレートが同一であることに注意すべきである。これは重要なことである。これが、フィルタ130が1xFsエイリアス・コレクション・フィルタと呼ばれる所以である。
【0032】
このフィルタ130の周波数応答の典型例を図5aに示す。入力信号においてナイキストに極めて近い周波数だけが減衰しているが、これはローパスフィルタによるものである。図5aのフィルタ130に対するプロット結果は、他のプロット結果との関係を明確にするため、ゼロサンプル(zero sample)を挿入してあり、インタポレーション待ち(ready for interpolation)の状態になっている例を示す。フィルタ130は例えば対称FIRフィルタであり、リニアな位相応答を有する。対称FIRフィルタはFsで動作するため、そのビヘイビア(behavior)を特定するのに、最高0.5Fsの周波数応答が必要である。
【0033】
図3bのデシメーション・フィルタとインタポレーション・フィルタを縦続型構成にしたものと、フィルタ130とを縦続型構成にするとき、図5bに示す応答が得られる。図5bで注意すべき点は、図3bのトランジションバンド(transition band)エイリアス応答210が効果的に抑制されており、ハーフバンド(half-band)フィルタに起因するエイリアス歪みが除去されている点である。
【0034】
インタポレーション・フィルタのストップバンド(stop-band)に対応するエイリアス応答220(図3b)は、付加されたエイリアス・コレクション・フィルタ130によっても変化しない。というのは、1xFsで動作するフィルタは、インバンド(in-band)性能を維持している間、このエイリアス応答220の領域を変化させることができないからである。ストップバンドに関係付けをした問題を解決することができる唯一の方法は、より高いサンプルレートのフィルタを使用することである。
【0035】
我々が行なった聴取試験によれば、トランジションバンド・エイリアス歪み210の方が、ストップバンドレンジ220より周波数が高く振幅が小さい歪みよりも、遥かに可聴であった。エイリアス・コレクション・フィルタ130(図4)を導入することにより、当該システムの音響(sound)を劇的に改善することができる。
【0036】
インタポレーション・フィルタのトランジション領域におけるエイリアス歪みプロダクト(product)を抑制するため、既に説明したように、オリジナルシステムの通常応答の頂部における周波数をいくつか除去する必要がある。付加されるエイリアス・コレクション・フィルタ130は、ローパスフィルタである。CD以上のサンプリングレートを有するシステムでは、通常、約20kHzを超える周波数の周波数損失は、通常、サウンドの点では重要でない。ところが、トランジェント・エネルギーを時間軸上に分散しなければならない異なるメカニズムに起因する高周波分解能の損失と思われる現象が存在する。我々はこれをタイムスメア(time smear)と呼んでいる。
【0037】
図3bの縦続型構成による周波数応答を逆フーリエ変換した場合、縦続型構成のシステムの等価インパルス応答が得られる。このことは、聴取者にすれば、個別のフィルタのインパルス応答より遥かに重要である。というのは、このシステムが、信号が実際に通過するフィルタを組み合わせたものであるからである。縦続型構成によるインパルス応答を普通のリニアなスケール上で試験した場合、このインパルス応答は教科書で見られる個別のフィルタの応答に極めて似ている。この正規リニアプロットからは、聴取体験と相互に関係する多くの情報を得ることはできない。
【0038】
しかし、インパルス応答を対数スケール上にプロットした場合、聴取試験と本当に相互関係がある結果であって幾つかの非常に興味ある結果を得ることができる。人間の聴覚は対数的に応答する。図3bに良く似たデシメーション・フィルタとインタポレーション・フィルタを単純に組み合せたものに対するこのようなプロット結果を図6aに示す。図6aにおいて、垂直軸はフルスケールに対する振幅をdBで表してあり、水平軸はサンプルで表してある。このプロットは、単位振幅(0dB)の単一インパルスに対する当該システムの時間的な応答と考えることができる。ここで注意すべき点は、単一インパルス・スパイクに対するシステム応答におけるエネルギーが、時間的に、多くのサンプルに亘って広がっている点である。このプロットが、サンプリング周波数が44.1kHzのCDの例であると仮定した場合、プロットがフルスケールより50dB小さいポイントでの時間的な広がりは約3msである。この約3msという時間は、音の空中伝搬を考えると、大まかに約1mという物理的な長さに相当する。ウッドブロック(wood block)打楽器のように音源が元々小さい場合、広がり時間すなわちタイムスメアは、高周波分解能の損失と思われる方法で、当該システムにより再生されたサウンドを変化させることになる。
【0039】
1xFsエイリアス・コレクション・フィルタ130(図4)を付加することは、当該縦続型構成に別のインパルス応答を付加することになる。このことは、新しいフィルタのインパルス応答を既存の組み合せのインパルス応答で畳み込むことと等価であるので、インパルス応答のトータルの長さが大きくなる。こうなったからといって、音響が悪化するわけではない。音響の点で応答曲線の最も重要な部分は、約−80dB以上の領域である。大きい振幅で時間分散が少なく、極めて小さい振幅で分散が多いフィルタ設計を採用することが可能である。これは、あたかも、エイリアス・コレクション・フィルタが付加されていないシステムより良好な高周波分解能を有することになるようなものである。この特性を有する応答例を図6bに示す。
【0040】
図6bのプロット結果は図6aのデシメーション/インタポレーション・フィルタ対と同一のフィルタ対であって、図5aのエイリアス・コレクション・フィルタと縦続型構成されたもののプロット結果である。ここで注意すべき点は、図6bにおいて−75dBを超えるプロットの幅が図6aの対応する部分より狭くなっている点である。図6bのフィルタを組み合せたものは、ローパスフィルタのために実際には高周波成分が少ないとしても、実際のところ、図6aのフィルタよりも高周波応答が良いように思われるものである。図6bのフィルタを組み合せたものは、トランジション領域からのエイリアス歪みが抑制されているため、歪みが遥かに少ないように思われる。
【0041】
設計結果を周波数ドメインおよび時間ドメインで調べることは、このようなエイリアス・コレクション・フィルタ130(図4)を設計する場合に極めて重要である。というのは、両ドメインで調べることにより、音響結果を付加した設計の態様が示されることになるからである。これら両ドメインで調べることは、互いに相反することが多い。エイリアス歪みのような1つの問題を、別の時間分散を導入することによって解決することは容易である。最終的な選択は聴取試験で解決しなければならないトレードオフとなることが多い。
【0042】
1xFsエイリアス・コレクション・フィルタ130と、ハーフバンド・インタポレーション・フィルタ150およびDAC160との組み合せをインプリメントする方が、より複雑な非ハーフバンド・フィルタによる従来技術へのアプローチより経済的であることが多い。コンシューマユース向けの多くの現代のオーディオコンポーネントにおいては、汎用DSP(digital signal processing)機能と、ハーフバンド・フィルタを用いて集積化されたフィルタ/DACとが存在している。例としては、圧縮オーディオを復号化するDSP機能であって、低音処理(bass management)のような他の機能のためのDSP機能を用いているDVDプレーヤとAVレシーバがある。DSPには、このDSP用のプログラムROM以外、全くハードウェアを変更することなく、エイリアス・コレクション・フィルタをシステムに付加するのに十分な処理パワーが余っていることが多い。本発明によれば、システム設計者は同一の標準的な集積されたフィルタ/DACを使用することができ、品質変換(quality conversion)が良好であってエイリアス歪みを小さくできることになる。
【0043】
エイリアス歪みを軽減するため、DACの入力サンプリング周波数でエイリアス・コレクション・フィルタ130を使用することは、新規なことと思う。トランジションバンド・エイリアス歪み210の性質は、現在の文献においても良く理解されていないように思われ、また、HDCDすなわち上記米国特許を採用した設計を除けば、現在のシステム設計に反映されていない。既に説明した縦続型構成のデシメーション/インタポレーション・フィルタ・システムの周波数領域ビヘイビアと時間ドメインビヘイビアを解析する方法と、インタポレーション・フィルタすなわちエイリアス・コレクション・フィルタの設計においてこの解析方法を用いることは、一義的であると思われる。
【0044】
このような例には、インタポレーション・フィルタ150とDAC160に直接接続したエイリアス・コレクション・フィルタ130という簡単な例が含まれる。同一の基本的な機能を有する、本発明に係る基本構造には、多くの変形が可能である。一変形例を図7に示す。この例では、エイリアス・コレクション・フィルタ130は入力ストリームおける入力122に挿入してあり、信号がインタポレーション・フィルタに入る前に、この信号に対して他のデジタル処理137を行なう。本発明の本質を変化させない限り、他のデジタル処理137として、低音処理(bass management)、空間エフェクト(spacial effect)、トーンコントロールと、リバーブ(reverb)等を含めることができる。エイリアス・コレクションのビヘイビアは、システムの縦続型構成のフィルタに基づいているため、コレクション効果の基本ビヘイビアを変化させない限り、他の処理を連鎖の任意の位置に付加することが可能である。
【0045】
さらに他の例を図8に示す。この例では、高データ記憶密度を実現するため、幾つかの形式のデータ圧縮が用いられている。このようなシステムの例としては、AC3、MPEGオーディオ圧縮等がある。圧縮フォーマットに対する復号化、伸長を担当する再生システムのセクションは、エイリアス・コレクション・フィルタ130の前段に配置しなければならず、このセクションとしては、例えば、復号器/他のプロセッサ125が考えられる。このブロックも、エイリアス・コレクション・フィルタの前段で、他の処理を行うことができる。
【0046】
図9は上記米国特許に記載のオリジナル技術によるHDCDシステムの例を示す。このシステムにおいてエンコーダで使用されるデシメーション・フィルタは、最大フィデリティ(fidelity)を得るため、プログラムマテリアルの内容に基づいて動的に選択される。エイリアス・コレクション・フィルタ130は、使用されているデシメーション・フィルタとインタポレーション・フィルタ150の両方のフィルタに基づいて最適になるように設計されており、また、デシメーション・フィルタの選択が隠し符号(hidden code)サイドチャンネルを介して再生器(reproducer)に伝送されるため、エイリアス・コレクション・フィルタを動的に選択し、任意の所定時間に、デシメーション・フィルタを最大限に補足することができる。これは、隠し符号情報を回復し、隠し符号に含まれているコマンドを復号化し、制御信号129を用いて複数のエイリアス・コレクション・フィルタからエイリアス・コレクション・フィルタ130を選択する隠し符号/フィルタ選択装置128によって実現される。
【0047】
図10は復号器/他のプロセッサ125が付加された、図9と同様のHDCDシステムの他の例を示しており、この例としては、HDCD振幅復号器がある。振幅復号器の機能も、符号コマンド復号器128および制御信号126を介して隠し符号サイドチャンネルによって制御されている。このシステムでは、振幅の復号化は、符号化の特性を復号化が追従するように、エイリアス・コレクション・フィルタ130の前段で行なわなければならない。
【0048】
前述のエイリアス・コレクション・フィルタ130は、位相特性がリニアの対称FIRフィルタであるが、他のタイプのフィルタを用いて同じ目的を達成することもできる。可能なタイプとしては、最小位相IIR(infinite impulse response)フィルタがある。このタイプのフィルタは、フィルタリンギングの原因となるトランジション事象の後に、フィルタリンギングが発生するという時間ドメイン特性を有している。このことは、たとえバンドエッジ近くの位相変移が他の知覚し得る問題の原因になっても、可聴性の立場からすれば、恐らくより良好な時間ドメインビヘイビアを有することになる。
【0049】
以上の考察において使用したフィルタの例は、サンプリングレートが40kHzないし50kHzのCDプレーヤおよびその他のシステム用に設計されたものである。また、本発明は、最大192kHzのサンプリングレートを許容するDVDオーディオのような高サンプリングレートの高分解能システムに有効である。サンプリングレートが1オクターブすなわち2倍に増加するため、トランジションバンド・エイリアス210の問題は依然として存在している。ハーフバンド・インタポレーション・フィルタは、ほとんどのオーディオシステムの設計用として、依然として標準であり、信号周波数成分すなわちエイリアス周波数成分の対は、システムの下流で非リニアに遭遇すると、依然として可聴周波バンドにおける差周波数の原因になることがある。このことは、フィルタのトランジション領域において、より高いサンプリング周波数におけるオーディオ信号の振幅が小さくなったとしても、同じことが言える。88.2kHzおよび96kHzで聴取試験を行なったが、トランジションバンド・エイリアス成分210がデジタル信号を極めて鮮明な音響にし、その音響は、元の信号と比較すると、あたかも遥かに高レベルの高周波が存在しているかのような音響である。システムにエイリアス・コレクション・フィルタ130を導入することにより、誇張された鮮明さが消失し、その結果、元の信号が極めて自然に再生されたのである。
【0050】
以上、本発明の形態を説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の変更を加えることができることは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1a】 従来技術によるADCの構成図である。
【図1b】 従来技術によるDACの構成図である。
【図2a】 最終段のデシメーション・フィルタとしてADCに使用される典型的なフィルタの周波数応答を示す図である。
【図2b】 初段のインタポレーション・フィルタとしてDACに使用される典型的なハーフバンド・フィルタの周波数応答を示す図である。
【図3a】 図2aに示すA/D・デシメーション・フィルタの周波数応答を使用し、等価デシメーションの実行の後に、インタポレーション・フィルタの前段でゼロ値サンプルを挿入することによって得られる周波数応答を示す図である。
【図3b】 図2bに示すD/Aインタポレーション・フィルタ応答の周波数応答と図3aに示す応答とを縦続させることによって得られる周波数応答を示す図である。
【図4】 DACシステムの前段に位置付けされたエイリアス・コレクション・フィルタを備えた、本発明によるシステムの構成図である。
【図5a】 図4に示すエイリアス・コレクション・フィルタの例示的周波数応答を示す図である。
【図5b】 図5aに示す周波数応答と図3bに示す周波数応答とを縦続させることによって得られる周波数応答を示す図である。
【図6a】 対数スケール上にプロットされた、図3bに示す縦続型構成のフィルタのインパルス応答を示す図である。
【図6b】 対数スケール上にプロットされた、図5bに示す縦続型構成のフィルタのインパルス応答を示す図である。
【図7】 エイリアス・コレクション・フィルタによるフィルタリングとD/A変換との間で他のデジタル信号が処理される、本発明によるシステムの構成図である。
【図8】 エイリアス・コレクション・フィルタによるフィルタリングおよびD/A変換に先立って、データが復号化および/または伸長される、本発明によるシステムの構成図である。
【図9】 エイリアス・コレクション・フィルタが、デジタル信号によって運ばれる隠し符号に基づいて複数のエイリアス・コレクション・フィルタの中から選択される、本発明によるシステムの構成図である。
【図10】
他の選択可能な信号処理が、選択可能なエイリアス・コレクション・フィルタによるフィルタリングに先立ち、上記両選択が、デジタル信号によって運ばれる隠し符号に基づいている、本発明によるシステムの構成図である。
Claims (13)
- アナログ信号を処理する方法であって、
ADCを用いて前記アナログ信号をデジタル信号に変換するステップと、
デジタル・デシメーション・フィルタを用いて前記デジタル信号をフィルタリングするステップであって、前記デジタル・デシメーション・フィルタは、前記デジタル信号中のナイキスト周波数を超える周波数の一部を除去するものであるステップと、
エイリアス・コレクション・フィルタを用いて前記デジタル・デシメーション・フィルタによりフィルタリングされた前記デジタル信号を前記ナイキスト周波数付近においてのみ減衰させるステップであって、前記エイリアス・コレクション・フィルタの入力と出力のサンプルレートが同一であるステップと、
ハーフバンド・インタポレーション・フィルタを用いて前記エイリアス・コレクション・フィルタにより減衰された前記デジタル信号をフィルタリングするステップと
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1において、前記減衰させるステップの前に、前記デジタル信号に対する追加信号処理を行うステップをさらに含むことを特徴とする方法。
- 請求項2において、前記追加信号処理は、低音処理と、空間エフェクトと、トーンコントロールと、リバーブ処理とからなる群から選択された少なくとも1つの処理を備えたことを特徴とする方法。
- 請求項1において、
前記デジタル・デシメーション・フィルタを用いて前記デジタル信号をフィルタリングするステップの後に、前記デジタル信号をデータ圧縮するステップと、
その後、前記減衰させるステップの前に、前記デジタル信号をデータ伸長するステップと
をさらに含むことを特徴とする方法。 - アナログ信号を処理するシステムであって、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するADCと、
前記デジタル信号中のナイキスト周波数を超える周波数の一部を除去するデジタル・デシメーション・フィルタと、
前記デジタル・デシメーション・フィルタによりフィルタリングされた前記デジタル信号を前記ナイキスト周波数付近においてのみ減衰させるエイリアス・コレクション・フィルタであって、入力と出力のサンプルレートが同一であるエイリアス・コレクション・フィルタと、
前記デジタル・デシメーション・フィルタ及び前記エイリアス・コレクション・フィルタによりフィルタリングされた前記デジタル信号をインタポレーションするハーフバンド・インタポレーション・フィルタと
を含むことを特徴とするアナログ信号処理システム。 - 請求項5において、デシメーションされ、減衰された前記デジタル信号に応答して、前記デジタル信号を処理する信号プロセッサをさらに備えたことを特徴とするアナログ信号処理システム。
- 請求項6において、前記信号プロセッサは、低音マネージャと、空間エフェクト装置と、トーンコントロール装置と、リバーブ装置とからなる群から選択された少なくとも1つを備えたことを特徴とするアナログ信号処理システム。
- ADCを用いてアナログ信号から変換され、複数のデジタル・デシメーション・フィルタから選択されたデジタル・デシメーション・フィルタを用いてデシメーションされたデジタル信号を処理する方法であって、
前記デジタル信号によって運ばれる隠れ符号に基づいて、個別に選択可能な複数のエイリアス・コレクション・フィルタの1つを選択するステップと、
前記選択されたエイリアス・コレクション・フィルタを用いて前記デジタル信号をナイキスト周波数付近においてのみ減衰させるステップであって、前記選択されたエイリアス・コレクション・フィルタの入力と出力のサンプルレートが同一であるステップと、
ハーフバンド・インタポレーション・フィルタを用いて、デシメーションされ、減衰された前記デジタル信号をフィルタリングするステップと
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項8において、デシメーションされ、減衰された前記デジタル信号に対する追加信号処理を行うステップをさらに含むことを特徴とする方法。
- 請求項9において、前記追加信号処理は、低音コレクションと、空間エフェクトと、トーンコントロールと、リバーブ処理とからなる群から選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
- ADCを用いてアナログ信号から変換され、複数のデジタル・デシメーション・フィルタから選択されたデジタル・デシメーション・フィルタを用いてデシメーションされたデジタル信号を処理するシステムであって、
前記デジタル信号をナイキスト周波数付近においてのみ減衰させる、個別に選択可能な複数のエイリアス・コレクション・フィルタであって、入力と出力のサンプルレートが同一であるエイリアス・コレクション・フィルタと、
前記デジタル信号によって運ばれる隠れ符号に応答して、前記個別に選択可能な複数のエイリアス・コレクション・フィルタの1つを選択するセレクタと、
前記選択されたデジタル・デシメーション・フィルタ及び前記選択されたエイリアス・コレクション・フィルタによりフィルタリングされた前記デジタル信号をインタポレーションするハーフバンド・インタポレーション・フィルタと
を備えることを特徴とするデジタル信号処理システム。 - 請求項11において、デシメーションされ、減衰された前記デジタル信号に応答する信号プロセッサをさらに備えたことを特徴とするシステム。
- 請求項12において、前記信号プロセッサは、低音コレクション装置と、空間エフェクト装置と、リバーブ装置とからなる群から選択された少なくとも1つを備えたことを特徴とするシステム。
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