JP4467969B2 - 洗浄剤組成物用被覆粒子及び洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、外観の優れた粒子が得られる着色漂白活性化剤造粒物の製造方法として、色素をバインダーと混合して粒子状とする方法が記載されている。
下記特許文献2には、蛍光剤をアニオン活性剤の酸型前駆体に混合する技術が記載されている。
下記特許文献3には、染料を疎水性ポリマーで被覆してなる着色漂白組成物が記載されている。
下記特許文献4には、蛍光剤と層状シリケートの凝集物をゼオライトで被覆してなる洗剤添加物が記載されている。
この様な、色素や蛍光剤の作用は、洗浄剤組成物中の色素や蛍光剤の分布に偏りがあったりする場合に顕著になる。
第1の発明は、色素及び/又は蛍光剤を含有する核粒子の表面上に、水溶性高分子からなる第1の層と水難溶性化合物からなる第2の層とが混在して各々設けられ、水溶性高分子の含有量が0.1〜10質量%、水難溶性化合物の含有量が0.5〜10質量%であることを特徴とする洗浄剤組成物用被覆粒子である。
第2の発明は、色素及び/又は蛍光剤を含有する核粒子と水溶性高分子0.1〜10質量%とを混合した後、加熱溶融した水難溶性化合物0.5〜10質量%を添加し、前記水難溶性化合物の融点以上の温度で混合して、核粒子を水溶性高分子および水難溶性化合物で被覆してなる洗浄剤組成物用被覆粒子である。
第3の発明は、前記核粒子が色素及び/又は蛍光剤以外の無機化合物を含有する洗浄剤組成物用被覆粒子である。
第4の発明は、前記水難溶性化合物が40〜160℃の融点を有する洗浄剤組成物用被覆粒子である。
第5の発明は、前記被覆粒子を含有する洗浄剤組成物である。
・色素
本発明において、色素は顔料も含む概念である。例えば、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に配合されているものの中から、任意に選択して用いることができる。
具体的には、例えばカルボニウム染料、アントラキノン染料、アゾ染料等の染料;蛍光顔料水分散体;トリアリールメタン色素、合成タール色素およびそのアルミニウムレーキ、天然色素などを例示できる。これらは1種又は2種以上混合して使用可能である。
本発明において、蛍光剤は、例えば、従来、衣料用等の洗浄剤組成物に配合されているものの中から、任意に選択して用いることができ、ビフェニル型と、アミノスチルベン型のいずれも使用可能である。
具体的には、ビフェニル系蛍光増白剤であるチノパールCBS−X(製品名)、スチルベン系蛍光増白剤であるホワイテックスSAエキストラコンク(製品名)、カヤホールMAコンク(製品名)、ケミホアTB(製品名)、BRT−10(製品名)、チノパールAMS−GX(製品名)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上混合して使用可能である。
色素及び/又は蛍光剤を含有する核粒子とは、例えば、色素及び/又は蛍光剤を、他の材料とともに混合、成形した粒子;あるいは色素及び/又は蛍光剤を、核粒子本体(核粒子中の色素及び/又は蛍光剤以外の材料からなる粒子)に担持、あるいは吸収等させたものである。
当該核粒子中の色素の配合量は、例えば10-6〜5質量%、好ましくは10-5〜3質量%、より好ましくは10-4〜2質量%である。
当該核粒子中の蛍光剤の配合量は、例えば10-6〜5質量%、好ましくは10-5〜3質量%、より好ましくは10-4〜2質量%である。
なお、核粒子には、後述する洗浄剤組成物の材料を任意に配合することも可能である。
造粒の方法は、例えば捏和・押出法、攪拌造粒法、転動造粒法等、後述する洗浄剤組成物粒子を製造する公知の方法を適用することができる。
あるいは、後述する有機化合物や、無機化合物(好ましくは無機化合物)の粒子自体が粒子状であり、色素及び/又は蛍光剤の水溶液や分散液等を噴霧等して担持あるいは吸収させること等ができる場合には、これらの材料単独から成る粒子に、担持あるいは吸収等の操作を行って、核粒子本体を得ることもできる。
また、界面活性剤粒子(一般には、界面活性剤と無機化合物を配合して、バインダー存在下に造粒した造粒物)に、色素及び/又は蛍光剤を配合したり、担持、吸収等させることも好適である。
当該材料は、特に制限はなく、色素及び/又は蛍光剤を安定に含有させることができるのであれば特に限定されない。また、1種又は2種以上選択して用いることができる。
各種無機化合物、有機化合物、あるいは、洗浄剤組成物に用いられる界面活性剤粒子に用いられる材料(界面活性剤、無機化合物等)等、洗浄剤組成物に配合され得る材料を適宜選択可能である。
中でも、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ性無機塩や硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等の中性無機塩、多孔質シリカ、アルミノ珪酸塩、ベントナイトが最も好ましい。
界面活性剤含有粒子に用いられる無機化合物としては、上記例示したもの等が適宜使用可能である。
嵩密度が小さ過ぎても大き過ぎても、洗浄剤組成物中における分布の偏りが生じやすくなるおそれがある。例えば必要に応じて界面活性剤含有粒子と混合して使用する際に、分級しやすくなるためである。
また、核粒子の平均粒径は、好ましくは100〜1500μm、より好ましくは200〜1000μm、さらに好ましくは300〜700μmである。
平均粒径が100μm未満になると、比表面積が大き過ぎ、粒子同士が凝集しやすくなって溶解性が低下する可能性があり、一方、1500μmを超えると粒子そのものの分散・溶解性が劣化する場合がある。
核粒子中の水分は、貯蔵中の固化(ケーキング)を防止する観点から、8質量%以下が好ましく、さらに7質量%以下、特に6質量%以下が好ましい。なお、水分量はJISK3362−1998に規定された加熱減量法により測定することができる。
水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対して好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.2g以上、さらに好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する高分子化合物である。水と任意の比率で混和する水溶性高分子化合物が多数存在し、これらも本発明の効果上では好ましいので、溶解度の上限値を設定する技術的意義は乏しい。
このような水溶性高分子化合物としては天然高分子化合物、半合成高分子化合物及び合成高分子化合物のいずれも好適に用いることができる。
例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル酸系高分子化合物、多糖類、ポリエステル系高分子化合物、タンパク・ポリアミノ酸系高分子化合物、ビニル系高分子化合物、ポリエーテル系高分子化合物、ポリアミド系高分子化合物、ポリウレタン又はこれらの誘導体等が用いられる。
これらの中でも好ましくはセルロース系高分子化合物、アルギン酸塩であり、より好ましくは、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ヒドロキシエチルセルロースである。
上記水溶性高分子化合物は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水溶性高分子化合物は、その重量平均分子量が5、000〜100、000が好ましく、より好ましくは10、000〜80、000であることが望ましい。
本発明において、水難溶性化合物とは、20℃における水への溶解度が2g/100g未満、好ましくは1g/100g未満、特に好ましくは0.1g/100g未満の化合物である。
そして、200℃以下、好ましくは0〜160℃、より好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃、さらに好ましくは30℃〜60℃の融点を有する有機化合物が、被覆操作が容易であるため好ましい。
その作用は以下の様に推測される。すなわち、洗濯時に水に投入され、水と接触したときに、水難溶性物質が、はじめに撥水性を有すると、被覆粒子の表面のうち、水溶性高分子化合物によって被覆された部分からは水が徐々に侵入してくるが、水難溶性化合物によって被覆されている部分からは、水難溶性の作用だけの場合よりもより水が侵入しにくいため、被覆粒子がよりゆっくりと徐々に溶解する。これにより、色素や蛍光剤の濃度が局所的に高くなって引き起こされる染着や蛍光ムラを、より抑制できるものと考えられる。
HLBが5以下、好ましくは3以下の高級アルコール又は脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物としては、炭素数16〜22のアルコール又は脂肪酸の1〜3モルエチレンオキサイド付加体が好ましい。好ましい脂肪酸エステルは、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等のメチルエステル又はエチルエステルである。好ましいアシルグリセライドは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等のモノ又はジ又はトリグリセライドである。好ましいパラフィンは、炭素数12〜40のものである。
水難溶性化合物としてはこれらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の洗浄剤組成物用被覆粒子は、前記核粒子を、水溶性高分子化合物と、水難溶性化合物によって被覆したものである。ここで、被覆とは、核粒子の表面に、少なくとも水溶性高分子化合物によって形成された第1の被覆層と、水難溶性化合物によって形成された第2の被覆層が存在していることをいう。
第1の被覆層と第2の被覆層は、それぞれ粒子の表面の一部に存在していてもよい。しかし、粒子表面全体において、第1の被覆層と第2の被覆層の一方あるいは両方が存在していることが好ましい。
また、水溶性高分子化合物からなる第1の層と、水難溶性化合物からなる第2の層とが積層された2層以上が、粒子表面に形成されていてもよいし、これらの化合物がランダムに混在して、例えばパッチワーク状の1層以上の被覆層を形成していてもよい。
また、特にこれらの化合物によって形成される被覆層は、水溶性高分子化合物と、水難溶性化合物がパッチワークの様にまだらな状態で形成された一層からなることが好ましい。これにより、良好な効果が得られるのは、水溶性高分子化合物と水難溶性化合物の相乗作用が得られやすくなるからであると推測される。
水溶性高分子化合物と水難溶性化合物の被覆の順番は特に限定するものではないが、染着、蛍光ムラ抑制、溶解性の向上の点から、水溶性高分子化合物にて先に被覆する操作を行うことが好ましい。また、これらの操作を任意の回数繰り返してもよい。
被覆層の構造は、上記各工程で添加する水溶性高分子化合物や水難溶性化合物の量等を調整することにより、変化させることができる。
被覆粒子の嵩密度や平均粒子径は特に限定するものではないが、例えば嵩密度は0.3〜1.2g/mL、好ましくは、0.5〜1.2g/mL、特に、0.6〜1.1g/mLの高嵩密度であることが好ましい。
また、粒子径は、平均粒子径が200〜1500μm、好ましくは250〜1200μm、特に、300〜1000μmとすると好適である。
洗浄剤組成物は、上記被覆粒子を配合することができるものであれば、その形態は特に限定されない。例えばタブレット状等、シート状、粒状等の固体状のものが好適である。そして、中でも粒状であることが好ましい。タブレット状、シート状のものは、例えば上記被覆粒子をバインダー等とともに混合し、公知の方法で成形することにより得ることができる。
代表的な材料としては、以下の様なものを挙げることができる。
・界面活性剤(アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)、
・無機ビルダーとして、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩など、
・有機ビルダーとして、クエン酸塩、コハク酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸とマレイン酸の共重合体又はその塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸塩、ポリアセタールカルボキシレート、アスパラギン酸二酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、メチルグリシン二酢酸塩などのアミノカルボン酸塩など、
・アルカリビルダーとして、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、アミン類等、
・吸油性担体として、非晶質シリカ、非晶質珪酸カルシウム、非晶質アルミノ珪酸塩など
・漂白剤及び漂白活性化剤として、過炭酸塩、過硼酸塩、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラアセチルエチレンジアミンなど、
・帯電防止剤として、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤など、
・表面改質剤として、微粉炭酸カルシウム、微粉ゼオライト、ポリエチレングリコール、タルク、顆粒ゼオライトなど、
・再汚染防止剤として、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエステルとポリエチレングリコールの共重合体等のソイルリリースポリマー、ポリビニルピロリドンなど、
・増量剤として、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど、
・風合い向上剤として、ベントナイトなどの粘土鉱物、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどのシリコーンなど、
・油ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸、金属石鹸など、
・香料類、
・凝集抑制剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、重炭酸カリウム、塩化バリウムの2水塩、リン酸2水素カリウム、リン酸水素カリウム、塩化カルシウムの6水塩、塩化マグネシウムの6水塩、尿素、L−アスコルビン酸など、
・酵素として、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ等の加水分解酵素、酸化酵素、還元酵素など。
より具体的には、例えば粒状の洗浄剤組成物を製造する場合、例えば以下のような方法により製造することができる。
・スプレー乾燥
まず、任意の成分のうち、アニオン界面活性剤等の耐熱性の高い成分を用いて、洗剤水性スラリーを調製する。この洗剤水性スラリーを、200〜300℃程度の温度でスプレー乾燥し、乾燥粉を得る。アニオン界面活性剤成分等は例えば水に溶解して溶液とし、これを他の材料とともにスプレー乾燥時に配合する。
・捏和→破砕造粒
得られた乾燥粉を、任意の成分のうち、ノニオン界面活性剤等のある程度の耐熱性を有する成分や水と共に、好ましくは20〜70℃程度に保温したニーダー等に入れて捏和物を得る。その後、この捏和物を押出して1〜2cm角程度のサイコロ状に細断し、任意にコーティング剤を添加して、破砕造粒する。
・粉体混合
これに、任意の成分のうち、耐熱性の低い酵素の造粒物等の粒状の成分を混合することにより、粒状洗浄剤組成物を得る。
また、粒状等の固体状の洗浄剤組成物には、洗濯時に水に投入すると速やかに溶解する、溶解性も求められるが、本発明においては、溶解性を両立することができる。
染着や蛍光ムラが抑制できる理由は定かではないが、洗濯時に洗浄剤組成物を水に投入したときに、すなわち水と接触したときに、被覆粒子の表面のうち、水溶性高分子化合物によって被覆された部分からは水が徐々に侵入してくるが、水難溶性化合物によって被覆されている部分からは水が侵入しにくいため、被覆粒子が徐々に溶解する。これにより、色素や蛍光剤の濃度が局所的に高くなって引き起こされる染着や蛍光ムラを抑制できるものと考えられる。
また、溶解性を両立できる理由は以下の様に推測される。すなわち、上述の様に徐々に溶解することにより、例えば低水温で洗濯したときに被覆粒子の表面だけが溶解し、洗剤粒子等と凝集して、塊となり、溶解しにくくなるのを防ぐことができ、その結果、必要な溶解性が得られるものと推測される。
また、保存安定性向上の効果も得られる。これは、主に水難溶性物質の作用により、保存中の湿気の影響等を防ぐことができるためであると推測される。
<調製例1:界面活性剤粒子群の調製方法1>
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤粒子群A−1を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Na(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム)とノニオン界面活性剤を除く界面活性剤、及びポリエチレングリコール(PEG#6000)を添加し、10分間撹拌した。続いてポリマー(アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa塩又はポリアクリル酸Na塩)と蛍光剤とを添加し、さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライト(ゼオライトA)の一部(2.0%相当量(対各粒子、以下同じ)の捏和時添加用のA型ゼオライト、3.2%相当量の粉砕助剤用A型ゼオライト、1.5%相当量の表面被覆用のA型ゼオライトを除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウムを添加した。そして、さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した。次いで、前記スラリーを向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒径320μm、嵩密度0.30g/mL、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
上述の乾燥粒子と、該混合濃縮物、2.0%相当量のA型ゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除く残りのノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備した2軸式押出機(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出し成型しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm、直径が10mm程度のペレット状界面活性剤含有成形物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粉末A型ゼオライト(平均粒径180μm)を3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したナイフカッター式破砕造粒機(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕した(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4700rpm)。最後に水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で1.5%相当量の微粉A型ゼオライトを加え、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して、界面活性剤粒子群A−1(平均粒径550μm、嵩密度0.84g/mL)を得た。
界面活性剤粒子群A−1の調製方法と同様にして、界面活性剤粒子群A−2(平均粒径、嵩密度は表1に記載)を得た。
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤粒子群A−3を調製した。下記表1に示す組成のうち、ノニオン界面活性剤、2.0%相当量の捏和時添加用のA型ゼオライト、3.2%相当量の粉砕助剤用A型ゼオライト、1.5%相当量の表面被覆用のA型ゼオライト、色素及び香料を除く成分を水に溶解もしくは分散させた水分38%のスラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度300℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒径330μm、嵩密度0.30g/mL、水分3%の噴霧乾燥粒子を得た。この乾燥粒子と共に、2.0%相当量のA型ゼオライト、0.5%相当量の噴霧添加用を除くノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/h、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。
この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備した2軸式押出機(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出し成型しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)、長さ5〜30mm、直径が10mm程度のペレット状界面活性剤含有成形物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物を調製例2−1:界面活性剤粒子群の調製方法1と同様な方法で粉砕、次いで表面改質して、界面活性剤粒子群A−3(平均粒径540μm、嵩密度0.77g/mL)を得た。
界面活性剤粒子群A−3の調製方法と同様にして、界面活性剤粒子群A−4(平均粒径、嵩密度は表1に記載)を得た。
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤粒子群A−5を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を50℃に調整した。これに硫酸ナトリウム、蛍光剤を添加し、10分間撹拌した。続いて、炭酸ナトリウムを添加した後にアクリル酸/マレイン酸共重合体のナトリウム塩を添加し、さらに10分間撹拌した後、塩化ナトリウム及び粉末A型ゼオライトの一部を添加した。さらに、30分間撹拌して噴霧乾燥用スラリーを調製した。
得られた噴霧乾燥用スラリーの温度は50℃であった。このスラリーを、圧力噴霧ノズルを具備した向流式噴霧乾燥装置で噴霧乾燥を行い、水分3%、嵩密度が0.50g/mL、平均粒径が250μmの噴霧乾燥粒子を得た。
これとは別に、ノニオン界面活性剤、PEG#6000、アニオン界面活性剤を、80℃の温度条件で混合して、含水量10%の界面活性剤組成物を調製した。LAS−Naは水酸化ナトリウム水溶液で中和した溶液状で使用した。
次いで、得られた噴霧乾燥粒子を、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、ジャケットには80℃の温水を10L/分の流量で流しながら、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。そこに上記で調製した界面活性剤組成物を2分間かけて投入し、その後に5分間撹拌した後、層状珪酸塩(SKS−6、平均粒径5μm)及び粉末A型ゼオライトの一部(10%相当量)を投入して2分間撹拌することによって、界面活性剤粒子を得た。
得られた界面活性剤粒子と、粉末A型ゼオライトの一部(2%相当量)をVブレンダーで混合し、界面活性剤粒子群A−5(平均粒径300μm、嵩密度0.75g/mL)を得た。
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤粒子群A−6を調製した。下記表1に示す組成のうち、界面活性剤、表面被覆に用いる5.0%相当量のP型ゼオライト、色素、香料を除くすべての原料(温度25℃)を鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、主軸200rpm、チョッパー200rpmの撹拌を開始した。撹拌開始後30秒後に界面活性剤混合物(ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤を予め60℃に加熱して均一混合したもの)及び水(温度60℃)を2分で添加して、ジャケット温度30℃の条件で撹拌造粒を平均粒径400μmになるまで継続した。最後に5.0%相当量のP型ゼオライトを添加して30秒撹拌して表面改質し、香料を噴霧して(b)界面活性剤粒子群A−6(平均粒径400μm、嵩密度0.80g/mL)を得た。
以下の手順で界面活性剤粒子群A−7を調製した。界面活性剤粒子を均一に着色するために界面活性剤粒子群A−1の組成、調製方法と同様にして、連続ニーダーにて捏和する際に、色素Aを1.5%となるよう、用いるノニオン界面活性剤Bに分散してニーダーに投入し、以後の工程もA−1と同様にして、着色された界面活性剤粒子A−7を(平均粒径550μm、嵩密度0.85g/mL)得た。
<調製例6:着色被覆粒子の調製方法1>
下記表2に示す組成に従って、以下の手順で着色被覆粒子群B−1を調製した。界面活性剤粒子群または無機粒子を、鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M20型)に投入(充填率50容積%)し、ジャケットには60℃の温水を10L/分の流量で流しながら、主軸(150rpm)とチョッパー(0rpm)の撹拌を開始した。そこに色素および/または蛍光剤の20%水分散液を2分間かけて所定量投入し、表面を着色する。次いで水溶性高分子溶液、脂肪酸の順にそれぞれ2分間かけて所定量投入し、1分間混合攪拌し表面を被覆して、得られた造粒物を篩にかけ、100〜2000μmの粒子を着色界面活性剤粒子として得た。
着色界面活性剤粒子群B−1の調製方法と同様にして、着色界面活性剤粒子群B−2〜B−14,C−1〜C−8(平均粒径、嵩密度は表2〜表5に記載)を得た。
着色被覆粒子B−1〜B−17、C−1〜C−5と界面活性剤粒子A−1〜A−6とを、当該表6〜9に示した組成にしたがってそれぞれ粉体混合して洗浄剤組成物D−1〜D−17、E−1〜E−5を得た。
上記の様にして製造した洗浄剤組成物について、下記の評価を行い、結果を表6〜9に示した。
直径13cm丸型容器に、試験布として7cm×7cmのポリエステルを敷き、10℃の水道水50mLに浸し、洗浄剤組成物を10g乗せる。10℃恒温下で1時間放置後、試験布を取りだし、1分間流水すすぎをおこない、風乾後、下記の評価基準で目視判定した。
評価基準:○→染着は認められない 、△→うっすらと染着が見られるが着用に支障はない、 ×→染着が認められる ××→明らかに染着が認められる
○、△のみ合格とした。
直径13cm丸型容器に、試験布として7cm×7cmの油化協布を敷き、10℃の水道水50mLに浸し、洗浄剤組成物15g乗せる。10℃恒温下で1時間放置後、試験布を取りだし、1分間流水すすぎをおこない、風乾後、下記の評価基準で目視判定した。
評価基準:○→蛍光ムラは認められない 、△→うっすらと蛍光ムラが見られるが着用に支障はない、 ×→蛍光ムラが認められる ××→明らかに蛍光ムラが認められる
○、△のみ合格とした。
直径9cmシャーレに洗浄剤組成物60gとり、組成物の外観を10人のパネラーの目視判定による評価を行った。
評価基準:各人の評点 5→非常に好ましい、4→やや好ましい、3→どちらとも言えない、2→やや好ましくない、1→非常に好ましくない
10人の合計点による評価 ◎→40点以上、○→35〜40点、△→25〜35点、×→25点以下
◎のみ合格とした。
(界面活性剤)
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製ライポンLH−200(LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。表1中の配合量は、LAS−Naとしての質量%を示す。
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製)
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
・AS−Na:炭素数10〜18のアルキル基を持つアルキル硫酸ナトリウム塩(三洋化成工業(株)製サンデットLNM)
・ノニオン界面活性剤A:ダイヤドール13(三菱化学(株)製)の酸化エチレン平均8モル付加体(純分90%)
・ノニオン界面活性剤B:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
・MA/AA:アクリル酸/マレイン酸コポリマーNa塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・PAS−A:ポリアクリル酸Na塩、アクアリックDL−40(日本触媒(株)製)の純分40%水溶液
・PAS−B:ポリアクリル酸Na塩、Sokalan Pa50(BASF製)(純分40%水溶液)
・PEG#6000:ライオン(株)製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M
・ラウリン酸:日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃
・ミリスチン酸:新日本理化(株)製、ミリスチン酸、融点52℃
・A型ゼオライト:シルトンB(水沢化学(株)製、純分80%)
・P型ゼオライト:DOUCIL A24(イネオスシリカ社製)
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製)
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝(日本化学工業(株)製)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
・塩化ナトリウム:日精のやき塩C(日本製塩(株)製)
・層状珪酸塩:結晶性層状ケイ酸ナトリウム、SKS−6(クラリアントジャパン(株)製)
・香料A:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・香料B:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物B
・香料C:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物C
・香料D:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物D
・色素A:群青(大日精化工業(株)製、Ultramarine Blue)
・色素B:Pigment Green 7(大日精化工業(株)製)
・色素C:アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸を構成モノマーとし、水分散系におけるラジカル乳化重合にて得られる平均粒径0.35μmの球状樹脂粒子に、樹脂分に対して約1%のC.I.BASIC RED−1を重合樹脂懸濁液に加え加熱処理して得られる桃色の蛍光顔料水分散体。
・色素D:C.I.Acid Blue9(カルボニウム染料)
・色素E:C.I.Acid Blue112(アントラキノン染料)
・色素F:C.I.Acid Red27(アゾ染料)
・色素G:C.I.Acid Blue9(カルボニウム染料)/C.I.Acid Yellow17(アゾ染料)=2/1(質量比)の混合物
・蛍光剤A:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)
・蛍光剤B:チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)
・酵素A:カンナーゼ12T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
・酵素B:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)/LIPEX50T(ノボザイムズ製)/ターマミル60T(ノボザイムズ製)/セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)=5/2/1/2(質量比)の混合物
・キュメンスルホン酸ナトリウム:テイカトックスN5040(テイカ(株)製)
・漂白剤粒子:過炭酸ナトリウム(三菱瓦斯化学(株)製、SPC−D、有効酸素量13.2%、平均粒径760μm)
また、実施例に係る洗浄剤組成物について、三菱電機(株)製、全自動洗濯機「MAW−V8TP」に洗剤サンプル40g、衣料3kg(木綿肌着50質量%、ポリエステル/綿混紡ワイシャツ50質量%)、10℃の水道水を10L/分の流量で38Lを注水して、標準コースで洗濯したところ、いずれも速やかに溶解し、洗剤の溶け残りは発生しなかった。
Claims (5)
- 色素及び/又は蛍光剤を含有する核粒子の表面上に、水溶性高分子からなる第1の層と水難溶性化合物からなる第2の層とが混在して各々設けられ、
水溶性高分子の含有量が0.1〜10質量%、水難溶性化合物の含有量が0.5〜10質量%であることを特徴とする洗浄剤組成物用被覆粒子。 - 色素及び/又は蛍光剤を含有する核粒子と水溶性高分子0.1〜10質量%とを混合した後、加熱溶融した水難溶性化合物0.5〜10質量%を添加し、前記水難溶性化合物の融点以上の温度で混合して、核粒子を水溶性高分子および水難溶性化合物で被覆してなることを特徴とする洗浄剤組成物用被覆粒子。
- 核粒子が色素及び/又は蛍光剤以外の無機化合物を含有する、請求項1または2に記載の洗浄剤組成物用被覆粒子。
- 水難溶性化合物が40〜160℃の融点を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の洗浄剤組成物用被覆粒子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の被覆粒子を含有する洗浄剤組成物。
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