JP2006160914A - 手洗い洗濯用洗剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 手洗いでの洗濯の際に、作業者に冷涼感を与えることができ、且つ良好な洗浄力を示す洗剤を提供する。
【解決手段】 特定の界面活性剤等を含有するスラリーを調製する工程、該工程(A−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース洗剤粒子群[(A−a)成分]を調製する工程、l−メントール等を含有する液状物[(A−b)成分]を調製する工程、(A−a)成分100質量部と(A−b)成分5〜20質量部とを混合する工程、及び該工程で得られる混合物に流動助剤を添加して表面改質を行う工程を含む製造方法により得られる、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、手洗い洗濯用洗剤及びその製造方法に関する。
衣料用洗浄剤には、原料基剤の臭気のマスキング、使用上の嗜好性の向上、製品のイメージアップ等の目的で香料が配合される。また、洗濯後の衣料に好ましい香りをつける効果もある。衣料用洗浄剤に配合される香料には、単一香料を複数混合した調合香料が用いられるのが一般的であり、合成香料、天然香料が多数知られている。
一方、香料となる成分を賦香以外の目的で使用することも行われている。例えば、殺ダニを目的としてl−メントール等のテルペン類の有効量を洗濯工程で添加することが提案されている(特許文献1)。
特開平2−251669号公報
夏場などの高温時に、洗濯を手洗いで行うのは負担の大きい作業である。その場合、作業者に冷涼感を与える成分を洗剤に配合すれば、負担感の低減につながるが、そのような成分を高密度の粉末洗剤に多量に且つ安定に配合することは困難である。本発明の課題は、こうした条件での手洗い洗濯の際に、作業者に冷涼感を与えることができ、また良好な洗浄力を示す高密度の洗剤を提供することである。
本発明は、
工程(A−I):陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤、水溶性ポリマー並びに水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
工程(A−II):工程(A−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース洗剤粒子群[(A−a)成分]を調製する工程、
工程(A−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(A−b)成分]を調製する工程、
工程(A−IV):(A−a)成分100質量部と(A−b)成分5〜20質量部とを混合する工程、及び
工程(A−V):工程(A−IV)で得られる混合物に流動助剤[(A−c)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含む製造方法により得られる、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤〔以下、洗剤(A)という〕に関する。
また、本発明は、
工程(B−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
工程(B−II):工程(B−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(B−a)成分]を調製する工程、
工程(B−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(B−b)成分]を調製する工程、
工程(B−IV):(B−a)成分100質量部と、(B−b)成分5〜60質量部と、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(B−c)成分]10〜60質量部とを混合し、(B−c)成分を乾式中和する工程、及び
工程(B−V):工程(B−IV)で得られる混合物に流動助剤[(B−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含む製造方法により得られる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤〔以下、洗剤(B)という〕に関する。
また、本発明は、上記工程(B−I)、(B−II)、(B−III)、(B−IV)及び(B−V)を含む、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤の製造方法であって、工程(B−IV)において、(B−b)成分を(B−a)成分に添加して得られる混合物に(B−c)成分を添加して乾式中和する、手洗い洗濯用洗剤の製造方法に関する。
また、本発明は、
工程(C−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
工程(C−II):工程(C−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(C−a)成分]を調製する工程、
工程(C−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(C−b)成分]を調製する工程、
工程(C−IV):非イオン界面活性剤100質量部、非石鹸性アニオン界面活性剤10〜200質量部、水溶性ポリマー1〜50質量部、石鹸0〜50質量部を含有する界面活性剤混合液[(C−c)成分]を調製する工程、
工程(C−V):100質量部の(C−a)成分に、5〜60質量部の(C−b)成分と10〜60質量部の(C−c)成分とを担持する工程、及び
工程(C−VI):工程(C−V)で得られる混合物に流動助剤[(C−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
を含む製造方法により得られる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤〔以下、洗剤(C)という〕に関する。
また、本発明は、上記工程(C−I)、(C−II)、(C−III)、(C−IV)、(C−V)及び(C−VI)を含む、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤の製造方法であって、工程(C−V)において、(C−b)成分を(C−a)成分に添加して得られる混合物に(C−c)成分を担持させる、手洗い洗濯用洗剤の製造方法に関する。
本発明によれば、手洗いでの洗濯の際に、作業者に冷涼感を与えることができ、また洗浄力も良好な手洗い洗濯用洗剤が得られる。本発明では、嵩密度を低下させずに冷涼感を付与する成分を多量に洗剤に配合できる。
<洗剤(A)>
洗剤(A)を得るための工程(A−I)では、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤〔以下、これらをまとめて界面活性剤(A)という場合もある〕、水溶性ポリマー並びに水溶性無機塩を含有するスラリーが調製される。
水溶性ポリマーとしては、有機系のポリマー、無機系のポリマーが挙げられる。例えば有機系ポリマーには、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類、ポリエチレングリコール等があり、また無機系ポリマーには、非晶質の珪酸塩等がある。中でもカルボン酸ポリマーが好ましく、なかでもポリアクリル酸及びその塩、マレイン酸とアクリル酸のコポリマー及びその塩が特に優れている。これら水溶性ポリマーの重量平均分子量は、1千〜10万、更に2千〜8万が好ましく、5千〜5万が特に好ましい。
水溶性無機塩としては、ソーダ灰等の炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、食塩、珪酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩等の無機ビルダーが挙げられる。特に製造適性・洗浄性の点で、ソーダ灰等の炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、食塩、珪酸塩、トリポリリン酸塩が好ましい。
硫酸基又はスルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのアルコキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等が挙げられる。本発明では、アルキル鎖の炭素数が10〜14の、より好ましくは12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。これらの塩としては、アルカリ金属塩やアミン塩(例えばアルカノールアミン塩)が好ましく、特にナトリウム塩及び/又はカリウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、HLB値(グリフィン法で算出)が10.5〜15.0、更に11.0〜14.5のものが好ましい。特に、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルコールにエチレンオキシド(以下EO)やプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを4〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
これらの成分と水とからスラリーが調製されるが、前記該スラリー中の各成分の比率は、最終的な洗剤中の組成を考慮して適宜決定すればよい。
洗剤(A)を得るための工程(A−II)は、工程(A−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース洗剤粒子群[(A−a)成分]を調製する工程である。
噴霧乾燥は、公知の方法、例えば向流式噴霧乾燥装置等により行うことができる。(A−a)成分は、平均粒径が150〜700μm、嵩密度が500g/L以上、粒子強度が100〜1000kgf/cm2であることが好ましい。これらの物性は、スラリー組成や噴霧乾燥条件等を調整することで制御できる。ここで、本発明の粒子強度は下記のように測定されたものである(以下同様)。
内径3cm×高さ8cmの円柱状の容器に試料20gを入れ、30回タッピング(筒井理化学器械(株)製、TVP1型タッピング式密充填カサ密度測定器、タッピング条件:周期36回/分、60mmの高さから自由落下)を行い、そのときの試料高さ(初期試料高さ)を測定する。その後、加圧試験機にて容器内に保持した試料の上端面全体を10mm/minの速度で加圧し、荷重−変位曲線の測定を行い、変位率が5%以下での直線部における傾きに初期試料高さをかけ、加圧面積で除した値を粒子強度とする。
洗剤(A)を得るための工程(A−III)は、l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(A−b)成分]を調製する工程である。このような液状物には、l−メントールの溶融物、l−メントンの溶融物、l−メントール及び/又はl−メントンと他の液体成分との混合物(l−メントール及び/又はl−メントンを含有する精油を含む)、l−メントール及び/又はl−メントンの溶融物と他の液体成分との混合物等が挙げられる。他の液体成分としては、洗剤に用いられる公知の液状洗剤成分が挙げられる。
液状洗剤成分の融点は、製造時のハンドリング性の点から、70℃以下であり、更に65℃以下、特に60℃以下が好ましい。かかる液状洗剤成分としては、(A−i)炭素数12〜14のアルキル基を有し、EO平均付加モル数が6〜10のポリオキシアルキルエーテル、(A−ii)重量平均分子量2000以上のポリエチレングリコール、及び(A−iii)脂肪酸から選ばれる一種以上が好ましい。脂肪酸としては、炭素数12〜18であれば特に限定しない。常温で固体である脂肪酸を用いる方が、洗剤のシミだしの点で好ましい。具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が挙げられ、それぞれ必要に応じて混合したものを使用しても良い。l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物の割合は、該化合物と他の成分、特に液状洗剤成分との混合物中、5〜90質量%、更に10〜50質量%が好ましい。
洗剤(A)を得るための工程(A−IV)は、(A−a)成分100質量部と(A−b)成分5〜20質量部とを混合する工程である。
洗剤(A)を得るための工程(A−V)は、工程(A−IV)で得られる混合物に流動助剤[(A−c)成分]を添加して表面改質を行う工程である。
(A−c)成分としては、、平均粒子径が0.1〜10μmの無機粉体微粒子、好ましくは水不溶性の無機粉体微粒子が挙げられる。(A−c)成分は、攪拌造粒の終了直前に入れたり、圧密成形体を粉砕造粒する際に存在させたりして洗剤粒子の表面を被覆することができる。(A−c)成分は、被覆効果の面から最終洗剤中に1〜10質量%となる量を添加するのが好適である。また、(A−c)成分を洗剤粒子の表面被覆以外の目的で、例えば造粒性のコントロールを目的とした噴霧乾燥粒子流動性改善、粘着性改善等に使用することは可能である。このような目的に使用する(A−c)成分の量は、表面被覆を目的として使用する(A−c)成分の量には含めない。(A−c)成分を添加する場合は、添加量全量を一度に添加しても良いし、複数回に分けて徐々に添加しても良い。複数の種類の無機粉体微粒子を混合して用いたり、別々に添加することも可能である。また造粒後の洗剤粒子と平均粒子径が0.1〜10μmの(A−c)成分をロータリーキルンやVブレンダーなどの洗剤粒子に直接的な機械力のかかりにくい混合装置に投入して混合することによっても、洗剤粒子の表面を(A−c)成分で被覆することができる。この場合、(A−c)成分の好適量は最終洗剤中に0.5〜8質量%が好ましい。かかる(A−c)成分のうち、無機粉体微粒子としては、アルミノ珪酸塩、二酸化珪素、無定形シリカ誘導体、炭酸ナトリウム(デンス灰)、ベントナイト、クレイ、タルク、珪酸カルシウム、結晶性シリケート等のシリケート化合物が挙げられ、金属石鹸又はそれらの粉砕物も使用できる。
本発明の洗剤(A)は、水溶性ポリマーを0.1〜10質量%、更に0.5〜5質量%、水溶性無機塩を5〜60質量%、更に10〜50質量%、界面活性剤(A)を5〜50質量%、更に10〜40質量%、l−メントール及び/又はl−メントンを5〜30質量%、更に5〜20質量%、(A−c)成分を2〜50質量%、更に5〜40質量%含有することが好ましい。
また、本発明の洗剤(A)には、一般的なその他の洗剤ビルダーを配合することができる。ビルダーとしては、ソーダ灰等の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、珪酸塩、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩、オルソリン酸塩等の無機ビルダーの他に、クエン酸塩、オキシジコハク酸塩、ニトリロトリ酢酸塩等の有機ビルダーが挙げられる。また、EDTA等の有機キレート剤等を添加することができる。また、酵素を配合することもでき、具体的にはプロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等が挙げられ、一般に市販されている造粒物を用いることができる。更に、粉末物性を高めるために重量平均分子量5000〜150000のポリエチレングリコールや色移り防止のためにポリビニルピロリドンを添加してもよい。その他の微量成分としては、通常の香料、シリカやシリコーンのような抑泡剤、ビフェニル型蛍光増白剤もしくはスチルベン型蛍光増白剤又はそれらを併用した蛍光増白剤、ケーキング防止剤、すすぎ助剤を配合できる。
また、本発明の洗剤(A)には、漂白剤組成物を添加することができる。漂白剤組成物は、過炭酸ソーダ、過ほう酸ソーダ、好ましくは過炭酸ソーダ及び種々の漂白活性化剤等で構成され、通常は、洗剤にドライブレンドされる。
<洗剤(B)>
洗剤(B)を得るための工程(B−I)では、水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーが調製される。これら、水溶性ポリマー、水溶性無機塩は、洗剤(A)で挙げたものが使用できる。
また、洗剤(B)を得るための工程(B−II)は、工程(B−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(B−a)成分]を調製する工程であり、噴霧乾燥も洗剤(A)を得るための工程(A−II)と同様に行うことができる。ここで、本発明でいう「実質的に界面活性剤を含まない」とは、界面活性剤を全く含まない場合の他、界面活性剤の存在量が極めて微量であり、無視できる程度の量である場合を包含する。具体的には、ベース顆粒群のうち、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
(B−a)成分は、平均粒径が80〜400μm、嵩密度が350g/L以上、水銀ポロシメータ(PORE SIZER 9320(株)島津製作所製)による細孔容積が0.2ml/g以上、粒子強度が100〜1000kgf/cm2であること好ましい。50kgf/cm2以上であることが好ましく、更には100kgf/cm2以上、特に200kgf/cm2以上が最も好ましい。また溶解性の点で5000kgf/cm2以下であることが好ましく、3000kgf/cm2以下が特に好ましい。
なお、細孔容積は以下の方法で求められたものである。
*細孔容積の求め方
界面活性剤担持用顆粒群の細孔容積の測定は、島津製作所(株)製、「SHIMADZU製ポアサイザ9320」を用い、その取扱説明書に基づいて以下のように行う。即ち、界面活性剤担持用顆粒群をセルに入れ、圧入する水銀を低圧部〔0〜0.098MPa(0〜14.2psia)〕と高圧部〔0.098〜206.8MPa(14.2〜30000psia)〕に分け測定する。前後2個ずつのデータの移動平均をとって測定データの平滑化を行い、0.01〜4μmの範囲におけるモード径及び0.01〜4μmの細孔容積を求める。
また、洗剤(B)を得るための工程(B−III)は、l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(B−b)成分]を調製する工程であり、洗剤(A)を得るための工程(A−III)と同様に行うことができる。
洗剤(B)を得るための工程(B−IV)は、(B−a)成分100質量部と、(B−b)成分5〜60質量部と、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(B−c)成分]10〜60質量部とを混合し、(B−c)成分を乾式中和する工程である。この乾式中和は下記のように行われる。乾式中和時の混合物の温度は、(B−c)成分が中和されることによる増粘を抑制するため、温度が高い方が好ましく、60℃以上が特に好ましい。また、(B−b)成分の熱安定性及び省エネルギーの点から95℃以下が特に好ましい。中和時の温度調整はジャケット等により行うことができ、ジャケットを備えた構造が好ましい。中和時間は(B−c)成分添加終了後2分〜10分程度が好ましく、3分〜8分程度が更に好ましい。
好ましい混合装置としては、以下のものが挙げられる。回分式で行う場合は、下記(1)〜(3)のものが好ましい。(1)混合槽で内部に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサー。例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等がある。(2)半円筒型の固定された容器内でスパイラルを形成したリボン状の羽根が回転することにより混合を行う形式のミキサー、例えばリボンミキサー(ホソカワミクロン(株)製、不二パウダル(株)製)がある。(3)コニカル状の容器に沿ってスクリューが容器の壁と平行の軸を中心として自転しながら公転することにより混合を行う形式のミキサー、例えばナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)がある。上記の混合機の中で特に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサーでレディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)等がある。
また、上記の混合機の連続型の装置を用いて各成分((B−a)/(B−b)/(B−c)成分)を混合させてもよい。また、上記以外の混合機の連続型の装置として、以下の(1)〜(3)のものが用いられる。ただし、(B−a)成分が崩壊しない程度に主軸回転数等の混合条件を選択する必要がある。(1)粉体投入口を備えた竪型シリンダーと混合ブレードを備えたメインシャフトより成り、メインシャフトは上部軸受によって支えられ、排出側がフリーとなっている構造の連続ミキサー、例えばフレキソミックス型((株)パウレック製)がある。(2)攪拌ピンを有した円盤の上部に原料を投入し、この円盤を回転させ、剪断作用により混合を行う形式の連続ミキサー、(3)横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽根を取り付けて粉末の混合を行う形式のミキサーでタービュライザー(ホソカワミクロン(株)製)等がある。
また、(B−a)成分以外の粉体原料を混合する場合の添加時期は、(B−b)、(B−c)成分を添加する前に混合装置に仕込まれているのが好ましい。また、粉体原料を配合した場合の混合条件は、中和時の混合条件と同条件であるのが好ましい。
工程(B−IV)では、(B−a)成分を実質的に崩壊させない条件にて乾式中和を行うことが好ましい。ここで、本発明でいう「実質的に崩壊させない条件」とは、混合物中の(B−a)成分の70%以上がその形態を維持している状態をいう。また、工程(B−IV)では、(B−b)成分を(B−a)成分に添加して得られる混合物に(B−c)成分を添加して乾式中和することが、(B−c)成分の導入量を増加でき、更に増加しても粒子成長度を抑制できる点で好ましい。
工程(B−IV)では、(B−a)成分中にアルカリ成分が十分に含まれる場合は非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体と混合することで、該前駆体を中和できるが、更に、アルカリ成分を別途添加してもよい。
洗剤(B)を得るための工程(B−V)は、工程(B−IV)で得られる混合物に流動助剤[(B−d)成分]を添加して表面改質を行う工程であり、洗剤(A)を得るための工程(A−V)と同様に行うことができる。(B−d)成分も(A−c)成分と同じものを使用できる。
本発明の洗剤(B)は、水溶性ポリマーを0.1〜10質量%、更に0.5〜5質量%、水溶性無機塩を5〜60質量%、更に10〜50質量%、l−メントール及び/又はl−メントンを5〜30質量%、更に5〜20質量%、(B−c)成分を、酸型換算で5〜50質量%、更に10〜40質量%、(B−d)成分を2〜50質量%、更に5〜40質量%含有することが好ましい。
また、本発明の洗剤(B)は、洗剤(A)と同様、その他の洗剤ビルダー等の成分を含有することができる。
<洗剤(C)>
洗剤(C)を得るための工程(C−I)、工程(C−II)、及び工程(C−III)は、それぞれ、洗剤(B)を得るための工程(B−I)、工程(B−II)、及び工程(B−III)と同様に行うことができる。工程(C−II)で得られる(C−a)成分は、平均粒径が150〜500μm、嵩密度が400g/L以上、水銀ポロシメータによる細孔容積が0.2ml/g以上、粒子強度が50kgf/cm2以上、5000kgf/cm2以下であることが好ましい。
洗剤(C)を得るための工程(C−IV)は、非イオン界面活性剤100質量部、非石鹸性陰イオン界面活性剤10〜200質量部、水溶性ポリマー1〜50質量部、石鹸0〜50質量部を含有する界面活性剤混合液[(C−c)成分]を調製する工程である。工程(C−IV)で用いられる非イオン界面活性剤、非石鹸性陰イオン界面活性剤、水溶性ポリマーは、それぞれ、洗剤(A)を得るために用いるものを使用することができる。石鹸としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン等が好ましく、特に洗剤組成物の粒子強度向上や耐ケーキング性向上の点から、ナトリウム、カリウム塩が好ましい。
洗剤(C)を得るための工程(C−V)は、100質量部の(C−a)成分に、5〜60質量部の(C−b)成分と10〜60質量部の(C−c)成分とを担持する工程である。これらの成分を混合する方法としては、回分式でも連続式でも良い。回分式で混合を行う場合、予め(C−a)成分を混合機に仕込んだ後、(C−b)成分及び(C−c)成分を液体状態で添加することが好ましい。(C−b)成分と(C−c)成分は、それぞれ独立して供給してする場合、(C−b)成分及び(C−c)成分の添加温度は、流動点より10℃以上、更には20℃以上高い温度で添加することが好ましい。また、(C−b)成分及び(C−c)成分を予備混合したものを供給しても良い。この場合、(C−b)成分及び(C−c)成分のいずれか流動点の高いほうの成分を基準に添加温度を決めればよい。この場合も、高いほうの流動点より10℃以上、更には20℃以上高い温度で添加することが好ましい。このような条件で混合することで、(C−a)成分に(C−b)成分と(C−c)成分を担持できる。工程(C−V)では、(C−a)成分を実質的に崩壊させない条件にて各成分の混合を行うことが好ましい。また、工程(C−V)では、各成分が独立して供給される場合には、(C−b)成分を(C−a)成分に添加して得られる混合物に(C−c)成分を担持させることが、(C−c)成分の導入量を増加できる点で好ましい。
本発明の洗剤(C)は、水溶性ポリマーを0.1〜10質量%、更に0.5〜5質量%、水溶性無機塩を5〜60質量%、更に10〜50質量%、l−メントール及び/又はl−メントンを5〜30質量%、更に5〜20質量%、非イオン界面活性剤を1〜30質量%、更に5〜20質量%、非石鹸性アニオン界面活性剤を1〜40質量%、更に5〜30質量%、石鹸を0〜10質量%、更に0.5〜5質量%、(C−d)成分を2〜50質量%、更に5〜40質量%含有することが好ましい。
また、本発明の洗剤(C)は、洗剤(A)、(B)と同様、その他の洗剤ビルダー等の成分を含有することができる。
上記洗剤(A)、(B)、(C)は、何れも、嵩密度が500g/L以上、好ましくは600〜1000g/Lである。また、本発明の洗剤(B)、(C)は、何れも、粒子成長度が1.6以下、好ましくは1.4以下である。ここで、本発明の粒子成長度とは、洗剤粒子の単核性を表す指標として、下式で定義される。本発明における単核性洗剤粒子群は、粒子成長度としては1.6以下、好ましくは1.4以下である。
粒子成長度=(最終の洗剤粒子群の平均粒径)/(ベース顆粒の平均粒径)
最終の洗剤粒子群とは、工程(B−V)又は工程(C−VI)を経て得られる洗剤粒子群をいう。
かかる単核性洗剤粒子は粒子間の凝集が抑制されているため、所望の粒径範囲外の粒子(凝集粒子)が生成することなく、高収率で所望の洗剤が得られるという利点を有する。また、嵩密度は、JIS K 3362:1998により規定された方法で測定されたものである。
また、上記本発明の洗剤(A)、(B)、(C)は、何れも、溶解性の点で、JIS Z 8801の標準篩を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる質量分率から求める平均粒径が100〜700μmであることが好ましく、150〜600μmがより好ましく、200〜500μmが更に好ましい。
本発明の洗剤(A)、(B)、(C)は、何れも手洗い洗濯用であり、例えば、洗濯を浴比(水/洗濯物質量比)が15〜2の条件下で行う際に好適に用いられる。
以下の実施例及び比較例で使用した原料を以下に示す。
・炭酸ナトリウム:「デンス灰」、セントラル硝子(株)製
・炭酸水素ナトリウム:東ソー(株)製
・l−メントール:純度98%、和光純薬工業(株)製
・LAS酸前駆体:「ネオペレックスFS」、花王(株)製
・LAS−Na:「ネオペレックスFS」のナトリウム塩、花王(株)製
・チノパールCBS−X:蛍光増白剤、Ciba Specialty Chemicals社製
・4A型ゼオライト:東ソー(株)製
・ノニオン(1):アルキル基の炭素数12〜16、エチレンオキシド平均付加モル数6.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル
・ノニオン(2):アルキル基が炭素数12と14の混合(炭素数12/炭素数14=80/20、質量比)、エチレンオキシド平均付加モル数6.0のポリオキシエチレンアルキルエーテル
・結晶性ケイ酸ナトリウム:プリフィード N(Tokuyama Siltech(株)製)
・非晶質アルミノケイ酸塩:トヨエスタ、東ソー(株)製
・ポリエチレングリコール:「PEG13000」、三井化学(株)製
・亜硫酸ナトリウム:三井東圧(株)製
・パルミチン酸:ルナックP−95、花王(株)製
・トリポリリン酸ナトリウム:下関三井化学(株)製
・硫酸ナトリウム:四国化成(株)製
・ポリアクリル酸ナトリウム:平均分子量10000、花王(株)製
・アクリル酸/マレイン酸コポリマー:Acusol 479N、Rohm&Haas社製
比較例A−1
<噴霧乾燥粒子の調製>
下記の手順にて噴霧乾燥粒子を作製した。
水209.7kgを、攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が60℃に達した後に、50質量%のLAS−Na水溶液397.2kg、ノニオン(1)6.4kg、トリポリリン酸ナトリウム115.3kg、炭酸ナトリウム29.4kg、硫酸ナトリウム5.8kg、チノパールCBS−X0.5kg、カルボキシメチルセルロース3.5kg、40質量%のアクリル酸/マレイン酸コポリマー水溶液2.6kg、40質量%の2号珪酸ソーダ水溶液224.2kg、60質量%のポリエチレングリコール水溶液(MW=13000)5.3kgの順に添加し、ラインミルにて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は60℃であった。また、このスラリー中の水分は55質量%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が205℃で供給され、塔頂より95℃で排出され、噴霧乾燥粒子を得た。
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られた噴霧乾燥粒子2.78kgに4A型ゼオライト0.04kgを添加し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で1分間攪拌を行った。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。更に炭酸水素ナトリウム0.18kg、4A型ゼオライト0.35kgを投入し、同じ撹拌条件で、3分間撹拌した。
続いて4A型ゼオライト0.17kg、酵素・香料0.04kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、嵩密度760g/Lの洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表1に示す。この得られた洗剤粒子群の物性を基準とする。
比較例A−2
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記 比較例A−1の手順によって得られた噴霧乾燥粒子2.64kgに4A型ゼオライト0.04kgを添加し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で1分間攪拌を行った。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。更に炭酸水素ナトリウム0.17kg、4A型ゼオライト0.34kgを投入し、同じ撹拌条件で、3分間撹拌した。
続いて4A型ゼオライト0.16kg、予め200μm以下に粉砕しておいたl−メントール0.18kg、酵素・香料0.04kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表1に示す。得られた洗剤は、粉感がモサモサしていて流動性が測定できなかった。また、嵩密度も大幅に低下した。
実施例A−1
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記比較例A−1の手順によって得られた噴霧乾燥粒子2.64kgに4A型ゼオライト0.04kgを添加し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で1分間攪拌を行った。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。更に炭酸水素ナトリウム0.17kg、予め60℃で溶融しておいたl−メントール液0.18kg、4A型ゼオライト0.34kgを投入し、同じ撹拌条件で、3分間撹拌した。
続いて4A型ゼオライト0.16kg、酵素・香料0.04kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表1に示す。得られた洗剤は、流動性が良好で、嵩密度も向上した。
実施例A−2
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記比較例A−1の手順によって得られた噴霧乾燥粒子2.50kgに4A型ゼオライト0.03kgを添加し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で1分間攪拌を行った。尚、ジャケットに80℃の温水を10L /分で流した。更に炭酸水素ナトリウム0.16kg、予め60℃でポリエチレングリコールに溶融させておいたポリエチレングリコール/l−メントール(1/1、質量比)溶液0.36kg、4A型ゼオライト0.31kgを投入し、同じ撹拌条件で、3分間撹拌した。
続いて4A型ゼオライト0.15kg、酵素・香料0.04kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表1に示す。得られた洗剤は、流動性が良好で、嵩密度も向上した。
比較例B−1
<ベース顆粒群の調製>
下記の手順にてベース顆粒群を作製した。
水515.5kgを、攪拌翼を有した1m3の混合槽に加え、水温が60℃に達した後に、40質量%の2号珪酸ソーダ水溶液50.0kg、硫酸ナトリウム180.0kg、トリポリリン酸ナトリウム100.0kgの順で添加した。ジャケットを60℃に設定した。10分攪拌後、40質量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液50.0kgと炭酸ナトリウム150.0kgを添加し、10分攪拌後、塩化ナトリウム20kgと50質量%のLAS−Na水溶液0.5kgを添加した後、ラインミルにて循環粉砕しつつ60分間攪拌して均質なスラリーを得た。このスラリーの最終温度は60℃であった。また、このスラリー中の水分は54質量%であった。
このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力40kg/cm2で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が235℃で供給され、塔頂より106℃で排出され、噴霧乾燥粒子が得られた。
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記手順によって得られたベース顆粒群2.4kgと炭酸ナトリウム0.6kgと炭酸水素ナトリウム0.15kgを投入し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、50℃に調温したノニオン(2)0.3kgと60質量%のポリエチレングリコール水溶液0.03kgを予め混合しておいたものと、30℃の水0.09kgと、50℃に調温したLAS酸前駆体1.35kgを同時に1分間で投入し、その後6分間攪拌混合して乾式中和反応を行った。
続いて4A型ゼオライト1.5kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、嵩密度748g/Lの洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表2に示す。この得られた洗剤粒子群の物性を基準とする。
比較例B−2
<洗剤粒子群の調製>
上記比較例B−1の手順により乾式中和まで行ったのち、続いて、予め200μm以下に粉砕しておいたl−メントール0.33kgと4A型ゼオライト1.5kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表2に示す。得られた洗剤粒子群は、流動性が測定できず、また比較例B−1と比べ、嵩密度も大幅に低下した。
実施例B−1
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記比較例B−1によって得られたベース顆粒群2.4kgと炭酸ナトリウム0.6kgと炭酸水素ナトリウム0.15kgを投入し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、予め60℃で溶融させておいたl−メントール液0.33kgを添加し、次いで50℃に調温したノニオン(2)0.3kgと60質量%のポリエチレングリコール水溶液0.03kgを予め混合しておいたものと、30℃の水0.09kgと、50℃に調温したLAS酸前駆体1.35kgを同時に1分間で投入し、その後6分間攪拌混合して乾式中和反応を行った。
続いて4A型ゼオライト1.5kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は比較例B−2に比べ、かなり良好な流動性であり、また高い嵩密度を有する粒子群であった。
実施例B−2
<洗剤粒子群の調製>
レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記比較例B−1によって得られたベース顆粒群2.4kgと炭酸ナトリウム0.6kgと炭酸水素ナトリウム0.15kgを投入し、チョッパーを停止した状態で、主軸を70r.p.m.(フルード数0.82)で攪拌を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、60℃に調温したノニオン(2)0.29kgと60質量%のポリエチレングリコール(MW=13000)水溶液0.034kgと、l−メントール0.34kgを予め混合しておいた混合液と、30℃の水0.09kgと、50℃に調温したLAS酸前駆体1.35kgを同時に1分間で投入し、その後6分間攪拌混合して乾式中和反応を行った。
続いて4A型ゼオライト1.5kgを添加した後、主軸150r.p.m.(フルード数3.8)、チョッパー3600r.p.m.(フルード数870)で1分間表面改質を行い、洗剤粒子群を得た。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表2に示す。
得られた洗剤粒子群は比較例B−2に比べ、かなり良好な流動性であり、また高い嵩密度を有する粒子群であった。
比較例C−1
<ベース顆粒群の調製>
下記の手順にてベース顆粒群を作製した。撹拌翼を有した1m3の混合槽に水430kgを加え、水温を50℃に調節し、硫酸ナトリウム120kg、炭酸ナトリウム120kg、亜硫酸ナトリウム5kg、チノパールCBS−X2.5kg、塩化ナトリウム22.5kg、40質量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液75kgを添加した。更に15分間50℃に撹拌した後に、4A型ゼオライト175kgを添加し、更に30分間50℃にて撹拌して均質なスラリーを得た。
このスラリーをポンプで噴霧乾燥塔に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧力25kg/cm2で噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは、塔下部より温度が226℃で供給され、塔頂より106℃で排出された。続いて、塔下より得られたベース顆粒群を水分量5質量%となるまで流動層において100℃の熱風で乾燥した。(得られたベース顆粒群の嵩密度は560g/L、平均粒径は260μmであった。)
<洗剤粒子群の調製>
上記手順で得られたベース顆粒群に対して、表3に示した比率となるように界面活性剤混合液を添加して担時させることにより、洗剤粒子群を得た。すなわち、80℃でノニオン(2)10質量%に対して、ポリエチレングリコール1.2質量%、パルミチン酸ナトリウム0.7質量%に相当するパルミチン酸、及びLAS−Na12質量%に相当するLAS酸前駆体及び中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、含水界面活性剤混合液を作製した。次にレディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記ベース顆粒群50質量%を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。尚、ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記含水界面活性剤混合液を2分間で投入し、その後4分間撹拌を行った後、結晶性ケイ酸ナトリウム10質量%、非晶質アルミノケイ酸塩3質量%及び4A型ゼオライト8質量%を添加して2分間の表面被覆操作を行った。更に、4A型ゼオライト1質量%及び酵素・香料1質量%を添加することによって、嵩密度740g/Lの洗剤粒子群を得た。なお、上記質量%は、最終洗剤中の比率である。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表3に示す。この洗剤粒子群の物性を基準とする。
比較例C−2
<洗剤粒子群の調製>
80℃でノニオン(2)9.5質量%に対して、ポリエチレングリコール1.1質量%、パルミチン酸ナトリウム0.7質量%に相当するパルミチン酸、及びLAS−Na11.4質量%に相当するLAS酸前駆体及び中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、含水界面活性剤混合液を作製した。次にレディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に、上記比較例C−1の手順によって得られたベース顆粒群47.5質量%を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。尚、ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記含水界面活性剤混合液を2分間で投入し、その後4分間撹拌を行った後、結晶性ケイ酸ナトリウム9.5質量%を添加して1分間の表面被覆操作を行い、予め200μm以下に粉砕しておいたl−メントール粉砕物5質量%、非晶質アルミノケイ酸塩2.8質量%及び4A型ゼオライト6.4質量%を添加して更に2分間の表面被覆操作を行った。更に、4A型ゼオライト0.8質量%及び酵素・香料1質量%を添加することによって、洗剤粒子群を得た。なお、上記質量%は、最終洗剤中の比率である。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表3に示す。得られた洗剤粒子群は、流動性が測定できず、また比較例C−1と比べ、嵩密度も大幅に低下した。
実施例C−1
<洗剤粒子群の調製>
80℃でノニオン(2)9.5質量%に対して、ポリエチレングリコール1.1質量%、パルミチン酸ナトリウム0.7質量%に相当するパルミチン酸、及びLAS−Na11.4質量%に相当するLAS酸前駆体及び中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、含水界面活性剤混合液を作製した。次にレディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に、上記手順によって得られたベース顆粒群47.5質量%を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。尚、ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。そこに、予め溶融しておいた60℃のl−メントール液5質量%を1分間で添加し、その後1分間撹拌を行った。更に上記含水界面活性剤混合液を2分間で投入し、その後4分間撹拌を行った後、結晶性ケイ酸ナトリウム9.5質量%、非晶質アルミノケイ酸塩2.8質量%及び4A型ゼオライト6.4質量%を添加して更に2分間の表面被覆操作を行った。更に、4A型ゼオライト0.8質量%及び酵素・香料1質量%を添加することによって、洗剤粒子群を得た。なお、上記質量%は、最終洗剤中の比率である。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表3に示す。得られた洗剤粒子は、流動性が良好で、嵩密度も向上した。
実施例C−2
<洗剤粒子群の調製>
80℃でノニオン(2)9.5質量%に対して、ポリエチレングリコール1.1質量%、パルミチン酸ナトリウム0.7質量%に相当するパルミチン酸、及びLAS−Na11.4質量%に相当するLAS酸前駆体及び中和剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加することによって、含水界面活性剤混合液を作製した。その界面活性剤混合液に、予め溶融しておいた60℃のl−メントール液5質量%を添加して、界面活性剤/l−メントール混合液を作製した。更に次にレディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に、上記手順によって得られたベース顆粒群47.5質量%を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の撹拌を開始した。尚、ジャケットには80℃の温水を10L/分で流した。上記含水界面活性剤/l−メントール混合液27.7質量%を2分間で投入し、その後4分間撹拌を行った後、結晶性ケイ酸ナトリウム9.5質量%、非晶質アルミノケイ酸塩2.8質量%及び4A型ゼオライト6.4質量%を添加して更に2分間の表面被覆操作を行った。更に、4A型ゼオライト0.8質量%及び酵素・香料1質量%を添加することによって、洗剤粒子群を得た。なお、上記質量%は、最終洗剤中の比率である。得られた洗剤粒子群の組成、物性を表3に示す。得られた洗剤粒子は、流動性が良好で、嵩密度も向上した。
結果を表1〜3に示すが、実施例A−1〜C−2の洗剤では、嵩密度を下げることなくl−メントールを多量に配合できることがわかる。なお、実施例A−1〜C−2の洗剤は、手洗い洗濯での洗浄力に優れ、且つ作業者に冷涼感を与えることができた。なお、洗剤の流動性と嵩密度は以下の方法で評価したものである。
*流動性
洗剤粒子の流動性は、JIS K 3362に規定される嵩密度測定用のホッパーから100mLの粉末が流出されるのに要する時間(秒)で評価した。
*嵩密度
各洗剤の嵩密度X(g/L)を測定し、基準洗剤の嵩密度Y(g/L)との差(Y−X)により、以下のように評価した。
5:嵩密度の差が15g/Lを超える
4:嵩密度の差が0g/L超、15g/L以下
3:嵩密度の差が0
2:嵩密度の差が−0g/L超、−20g/L未満
1:嵩密度の差が−20g/Lを超える
Figure 2006160914
Figure 2006160914
Figure 2006160914

Claims (16)

  1. 工程(A−I):陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる一種以上の界面活性剤、水溶性ポリマー並びに水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(A−II):工程(A−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥してベース洗剤粒子群[(A−a)成分]を調製する工程、
    工程(A−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(A−b)成分]を調製する工程、
    工程(A−IV):(A−a)成分100質量部と(A−b)成分5〜20質量部とを混合する工程、及び
    工程(A−V):工程(A−IV)で得られる混合物に表面改質剤[(A−c)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含む製造方法により得られる、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤。
  2. (A−a)成分の平均粒径が150〜700μm、嵩密度が500g/L以上、粒子強度が100〜1000kgf/cm2である請求項1記載の手洗い洗濯用洗剤。
  3. 工程(A−III)で用いる液状物が、融点が70℃以下である液状洗剤成分を含有する請求項1または2項記載の手洗い洗濯用洗剤。
  4. 融点が70℃以下である液状洗剤成分が、(A−i)炭素数12〜14のアルキル基を有し、EO平均付加モル数が6〜10のポリオキシアルキルエーテル、(A−ii)重量平均分子量2000以上のポリエチレングリコール、及び(A−iii)脂肪酸から選ばれる一種以上である請求項3項記載の手洗い洗濯用洗剤。
  5. 工程(B−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(B−II):工程(B−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(B−a)成分]を調製する工程、
    工程(B−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(B−b)成分]を調製する工程、
    工程(B−IV):(B−a)成分100質量部と、(B−b)成分5〜60質量部と、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(B−c)成分]10〜60質量部とを混合し、(B−c)成分を乾式中和する工程、及び
    工程(B−V):工程(B−IV)で得られる混合物に表面改質剤[(B−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含む製造方法により得られる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤。
  6. (B−a)成分の平均粒径が80〜400μm、嵩密度が350g/L以上、水銀ポロシメータによる細孔容積分布のモード径が5.0μm以下、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上、粒子強度が50kgf/cm2以上、5000kgf/cm2以下である請求項5記載の手洗い洗濯用洗剤。
  7. 工程(B−IV)において、(B−a)成分を実質的に崩壊させない条件にて乾式中和を行う請求項5又は6記載の手洗い洗濯用洗剤。
  8. 工程(B−III)で用いる液状物が、融点が70℃以下である液状洗剤成分を含有する請求項5〜7の何れか1項記載の手洗い洗濯用洗剤。
  9. 融点が70℃以下である液状洗剤成分が、(B−i)炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキシド平均付加モル数が6〜10のポリオキシアルキルエーテル、(B−ii)重量平均分子量2000以上のポリエチレングリコール、及び(B−iii)脂肪酸から選ばれる一種以上である請求項8記載の手洗い洗濯用洗剤。
  10. 工程(B−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(B−II):工程(B−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(B−a)成分]を調製する工程、
    工程(B−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(B−b)成分]を調製する工程、
    工程(B−IV):(B−a)成分100質量部と、(B−b)成分5〜60質量部と、非石鹸性陰イオン界面活性剤の酸前駆体[(B−c)成分]10〜60質量部とを混合し、(B−c)成分を乾式中和する工程、及び
    工程(B−V):工程(B−IV)で得られる混合物に表面改質剤[(B−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含む、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤の製造方法であって、工程(B−IV)において、(B−b)成分を(B−a)成分に添加して得られる混合物に(B−c)成分を添加して乾式中和する、手洗い洗濯用洗剤の製造方法。
  11. 工程(C−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(C−II):工程(C−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(C−a)成分]を調製する工程、
    工程(C−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(C−b)成分]を調製する工程、
    工程(C−IV):非イオン界面活性剤100質量部、非石鹸性アニオン界面活性剤10〜200質量部、水溶性ポリマー1〜50質量部、石鹸0〜50質量部を含有する界面活性剤混合液[(C−c)成分]を調製する工程、
    工程(C−V):100質量部の(C−a)成分に、5〜60質量部の(C−b)成分と10〜60質量部の(C−c)成分とを担持する工程、及び
    工程(C−VI):工程(C−V)で得られる混合物に表面改質剤[(C−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含む製造方法により得られる、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤。
  12. (C−a)成分の平均粒径が80〜400μm、嵩密度が350g/L以上、水銀ポロシメータによる細孔容積分布のモード径が5.0μm以下、細孔径0.01〜4μmの細孔容積分布が0.2ml/g以上、粒子強度が50kgf/cm2以上、5000kgf/cm2以下である請求項11記載の手洗い洗濯用洗剤。
  13. 工程(C−V)において、(C−a)成分を実質的に崩壊させない条件にて各成分の混合を行う請求項11又は12記載の手洗い洗濯用洗剤。
  14. 工程(C−III)で用いる液状物が、融点が70℃以下である液状洗剤成分を含有する請求項11〜13の何れか1項記載の手洗い洗濯用洗剤。
  15. 融点が70℃以下である液状洗剤成分が、(C−i)炭素数12〜14のアルキル基を有し、エチレンオキシド平均付加モル数が6〜10のポリオキシアルキルエーテル、(C−ii)重量平均分子量2000以上のポリエチレングリコール、及び(C−iii)脂肪酸から選ばれる一種以上である請求項11〜14の何れか1項記載の手洗い洗濯用洗剤。
  16. 工程(C−I):水溶性ポリマー、水溶性無機塩を含有するスラリーを調製する工程、
    工程(C−II):工程(C−I)で得られたスラリーを噴霧乾燥して実質的に界面活性剤を含まないベース顆粒群[(C−a)成分]を調製する工程、
    工程(C−III):l−メントール及びl−メントンから選ばれる化合物を含む液状物[(C−b)成分]を調製する工程、
    工程(C−IV):非イオン界面活性剤100質量部、非石鹸性アニオン界面活性剤10〜200質量部、水溶性ポリマー1〜50質量部、石鹸0〜50質量部を含有する界面活性剤混合液[(C−c)成分]を調製する工程、
    工程(C−V):(C−a)成分100質量部に対して5〜60質量部の(C−b)成分と10〜60質量部の界面活性剤混合液[(C−c)成分]とを担持する工程、及び
    工程(C−VI):工程(C−V)で得られる混合物に表面改質剤[(C−d)成分]を添加して表面改質を行う工程
    を含む、粒子成長度が1.6以下、嵩密度が500g/L以上の手洗い洗濯用洗剤の製造方法であって、工程(C−V)において、(C−b)成分を(C−a)成分に添加して得られる混合物に(C−c)成分を担持させる、手洗い洗濯用洗剤の製造方法。
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