JP4186077B2 - 洗剤組成物及びその製造方法 - Google Patents
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[1].(A)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を60〜95質量%含有する粒子
3〜20質量%
(B)珪酸塩を5.5〜25質量%含有し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を実質的に含有しない粒子
珪酸塩として5質量%以上15質量%未満
(C)高分子化合物ビルダー及び/又はリン酸塩ビルダー
0.1〜40質量%
を含有する洗剤組成物であって、(C)成分が上記(B)粒子中に配合されると共に、上記(A)粒子及び(B)粒子と別に配合されてなる洗剤組成物。
[2].(A)粒子の平均粒径が300〜1,200μmであって、その粒子表面がアルミノ珪酸塩及び炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上の水不溶性無機粉体でコーティングされていることを特徴とする[1]記載の洗剤組成物。
[3].(B)粒子の平均粒径が300〜1,200μmであって、珪酸塩がNa2O・2SiO2、2Na2O・5SiO2、Na2O・3SiO2、Na2O・4SiO2、オルソ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上である[1]又は[2]記載の洗剤組成物。
[4].(C)成分の高分子化合物ビルダーが、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、多価カルボン酸重合体及び多価カルボン酸共重合体から選ばれる1種又は2種以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[5].(C)成分の高分子化合物ビルダー含有量が0.8〜10質量%である[1]〜[4]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[6].(C)成分のリン酸塩ビルダーが、トリポリリン酸塩及び/又はピロリン酸塩である[1]〜[5]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[7].(C)成分のリン酸塩ビルダー含有量が5〜30質量%である[1]〜[6]のいずれかに記載の洗剤組成物。
[8].(A)粒子、(B)粒子、(C)成分及びその他成分を乾式混合することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の洗剤組成物の製造方法。
(1)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩と無機粉体とを水に溶解させて、水分35〜70質量%程度のスラリーを調製し、これを噴霧乾燥して乾燥粉を得る方法、
(2)水分20〜30質量%のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩ペーストと無機粉体とを直接混合して粒子を得る方法、
(3)α−スルホ脂肪酸アルキルエステルとアルカリ性無機粉体を直接混合して中和を行う乾式中和法がある。この中でも、水分を含まないため中和物使用の場合と比較して高濃度顆粒化が可能となる点から、(3)の乾式中和法が好ましい。
(A)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(以下、MES)を含有する粒子(以下、MES粒子)の調製
下記製法により表1に示す組成のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩粒子を得た。粒子の粒度分布測定はJIS篩法に基づき、平均粒径は下記方法に基づいて行った。
各サンプル及びその混合物について、目開き1,700μm、1,400μm、1,180μm、1,000μm、710μm、500μm、300μm、250μm、及び180μmの9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1,700μmの篩の上から100g/回のサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。
受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式により平均粒子径(重量50%)を求めた。
(スルホン化工程)
図1に示した反応槽1でスルホン化を行った。
装置は、200L容量、ジャケット冷却、撹拌機3付きのSUS316L製であって、循環ライン7によって反応温度をコントロールするようになっているものを用いた。まず、原料脂肪酸メチルエステル80kgを反応槽1に仕込み、良く撹拌しながら着色抑制剤として微粉硫酸ナトリウムを脂肪酸メチルエステルに対して5%添加した。さらに撹拌を続けながら、反応温度80℃、循環ライン7における循環量を80L/minで、窒素ガスで8容量%に希釈したSO3ガス(スルホン化ガス)102m3(原料メチルエステルに対して1.2倍モル)を、ガス導入管5のリングスパージャーから1時間かけて等速で吹き込んだ。さらに80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
エステル化反応槽10として、ジャケット付3段撹拌槽式のものを用いた。また、低級アルコールとして、メタノールを4.5kg/hr(時間)で供給し、スルホン化物に対して4質量%になるように制御してエステル化を行った。エステル化の反応速度は80℃、時間は30分であった。
ついで、エステル化反応槽10から抜き出したスルホン化物を、中和ライン17に117kg/hrで連続的に供給した。中和方式は、特開2001−64248号公報記載の中和方式を採用し、プレミキサー14と中和ミキサー15との間に、35質量%の水酸化ナトリウム水溶液を46.6kg/hrの速度で定量的にフィードし、連続的に中和するようにした。そして、予めスルホン化物をプレミキサー14で予備中和物と完全に混合した後、水酸化ナトリウム水溶液と混合して中和物とするようにした。ループを循環する予備中和物の量は、スルホン化物と、添加するアルカリ水溶液との合計の20倍量とした。また、中和温度はループ回路の熱交換器16中の水温を調節することにより、70℃に制御した。中和物の滞留時間は20分であった。なお、図1には示されていないが、循環ループの中にpH制御システムを設置し、水酸化ナトリウム水溶液の供給速度を調節するフォードバックコントローラーにより、水酸化ナトリウム水溶液の供給速度(供給量)を制御した。循環ループの管内圧力は4kg/cm2であった。得られた中和物のpHは6.5であった。
ついで、この中和物を漂白剤混合ライン21に164kg/hrの供給速度で供給した。漂白剤混合ライン21は熱交換器20を有する循環ライン22を備えた循環ループ方式とした。そして、35%過酸化水素水を6.6kg/hr(AI:α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩)に対して純分で1.0%)で供給し、循環ライン22からの漂白混合済み中和物(予備漂白物)と十分に混合した。ループ循環量は、予備漂白物に新たに加えられる中和物の15倍量であり、循環ループ管内圧力は4kg/cm2であった。また、循環ループの温度は、熱交換器20によって80℃に調節し、循環ループの滞留時間は10分であった。ついで、流通管方式の漂白ライン23に導入して漂白を進行させた。なお、漂白ライン23はジャケット付き二重管で、温度、圧力調節が可能なものであった。漂白剤混合物の流れはピストンフローで、圧力4kg/cm2、温度80℃に調節し、滞留時間は180分であった。
ついで、上記漂白工程後の組成物を漂白タンク25に移送し、60〜90℃に保ちながら3〜24時間で熟成し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペーストとした。
(濃縮工程)
上述で得られたα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有ペーストを回転数1,060rpm、羽根先端速度約11m/secで回転している真空薄膜蒸発機エクセバ(伝熱面:0.5m2、内径:205mm、伝熱面と羽根先端とのクリアランス:2〜4mm、神鋼パンテック(株)製)に50〜90kg/hrで導入し、内壁加熱温度120〜140℃、真空度0.007〜0.014MPaにて濃縮を行い、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩含有粒子を得た。得られた粒子の温度は70〜90℃であった。
上記(3)で調製した粒子に、表1の粒子A2及びA3については、引き続きドラム式混合機に導入して表1に示す量のA型ゼオライトをコーティングした。
(B)珪酸塩を含有し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を実質的に含有しない粒子(以下、珪酸塩含有MES非含有粒子)調製
表2に記載した成分を固型分60%、温度約70℃の洗剤水性スラリーに調製した。原料の添加順序は特に限定しなかった。最終成分を添加した後、70℃で約2時間スラリー混合し、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度260℃で水分約6%となるように乾燥して噴霧乾燥粉を得た。
(A)MES粒子、(B)珪酸塩含有MES非含有粒子、(C)成分及び任意成分を乾式(粉体)混合した後、洗剤組成物全体をゼオライトコートし、最後に香料を噴霧して表3,4に示す組成の洗剤組成物を得た。得られた洗剤組成物の保存安定性、固化抑制を下記方法で評価した。結果を表3,4に併記する。
参考例1と同組成になるように、MES粒子A1をB1粒子用のスラリーに添加して70℃で2時間撹拌後、噴霧乾燥した。実施例と同様に評価を行った。
保存安定性
保存方法:500g充填用のポリエチレン製のガセット容器に洗剤組成物500gを入れ、45℃・16時間・相対湿度85%、25℃・8時間・相対湿度65%を1サイクル(1日)とし、1ケ月保存して保存安定性試験試料とした。
下記HPLCの測定条件で、保存後に生成したdi−Na量(ピーク面積)と、洗剤組成物中のMESを強制的(高温・アルカリ条件)に加水分解させたときのdi−Na量(ピーク面積)を測定した。得られたdi−Na量(ピーク面積)から、di−Na生成率%(洗剤組成物中のMESを強制的に100%加水分解させたときのdi−Na量に対する、上記保存後に生成したdi−Na量の比率(質量%))を算出した。
(HPLC測定条件)
カラム:ジーエルサイエンス(株)(GL Science)製
NUCLEOSIL 100−5SB(カラム内径4.6mm、カラム長さ150mm)
RI検出器:GL Science製、504型により分析を行った(使用溶媒:過塩素酸ナトリウム0.7%、メタノール/イオン交換水=80/20(体積比)、カラム温度:40℃)
上記保存後の洗剤組成物を4#(目開き4mm)の篩の上に取り出し、篩の上に残った洗剤の質量(A)g、篩を通過した洗剤の質量(B)gを測定し、固化率(%)を下記式に基づいて算出した。
固化率(%)=[A/(A+B)]×100(%)
・MES:α−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩
パーム油をメタノールでエステル交換して得られた脂肪酸メチルエステル(C16/C18比率=45/55)を、前述のMESペーストの調製方法に従ってスルホン化して得た。純分約66%
α−スルホ脂肪酸アルキルエステルナトリウム純分約66%
・珪酸ナトリウム:JIS1号珪酸ナトリウム(日本化学工業(株)製)、純分約44%(固形分)
・アクリル酸マレイン酸共重合体:アクリル酸−マレイン酸共重合体のナトリウム塩、商品名ソカランCP7(BASF社製)、純分約40%(固形分)
・LAS−Na:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩
日石洗剤(株)製のアルケンL(純分約96%)の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を48%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和することにより調製したものを使用
・石けん:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18(ステアリン):0.7%、C18(オレイン):56.8%、C18(リノール):1.2%、分子量:289)、純分67%
・AOS−Na:α−オレフィンスルホン酸ナトリウム塩
炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、純分55%
なお、上記に記載したものについては、表中には純分換算した配合量を示す。
・A型ゼオライト:(水澤化学(株)製、シルトンB)粉末中に水分を約20%含有
・トリポリリン酸塩:三井化学(株)製、商品名:トリポリ燐酸ソーダ
(ライオン(株)製、純分55%の水性スラリー)
・炭酸ナトリウム:旭硝子(株)製、粒灰
・炭酸カルシウム:日東粉化工業(株)製
・硫酸ナトリウム:四国化成工業(株)製、中性無水芒硝K
・蛍光剤CBS:チノパールCBS−X(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・蛍光剤AMS:チノパールAMS−GX(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
・酵素:ノボザイム社製、サビナーゼ12T
・香料:特開2002−146399号公報記載の香料組成物A
2 原料液相
3 撹拌機
4 スルホン化ガス導入口
5 ガス導入管
6 排ガス口
8 送りポンプ
7 スルホン化外部循環ライン
9 スルホン化外部循環熱交換器
10 エステル化反応槽
11 エステル化バッファタンク
12 エステル化酸供給ポンプ
13 中和リサイクルポンプ
14 中和プレミキサー
15 中和ミキサー
16 中和熱交換器
17 中和ライン
18 漂白ミキサー
19 漂白リサイクルポンプ
20 漂白熱交換器
21 漂白剤混合ライン
22 漂白循環ライン
23 漂白ライン
24 真空脱泡器
25 漂白タンク
Claims (8)
- (A)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を60〜95質量%含有する粒子
3〜20質量%
(B)珪酸塩を5.5〜25質量%含有し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を実質的に含有しない粒子
珪酸塩として5質量%以上15質量%未満
(C)高分子化合物ビルダー及び/又はリン酸塩ビルダー
0.1〜40質量%
を含有する洗剤組成物であって、(C)成分が上記(B)粒子中に配合されると共に、上記(A)粒子及び(B)粒子と別に配合されてなる洗剤組成物。 - (A)粒子の平均粒径が300〜1,200μmであって、その粒子表面がアルミノ珪酸塩及び炭酸カルシウムから選ばれる1種又は2種以上の水不溶性無機粉体でコーティングされていることを特徴とする請求項1記載の洗剤組成物。
- (B)粒子の平均粒径が300〜1,200μmであって、珪酸塩がNa2O・2SiO2、2Na2O・5SiO2、Na2O・3SiO2、Na2O・4SiO2、オルソ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウム及びメタ珪酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の洗剤組成物。
- (C)成分の高分子化合物ビルダーが、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、多価カルボン酸重合体及び多価カルボン酸共重合体から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の洗剤組成物。
- (C)成分の高分子化合物ビルダー含有量が0.8〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項記載の洗剤組成物。
- (C)成分のリン酸塩ビルダーが、トリポリリン酸塩及び/又はピロリン酸塩である請求項1〜5のいずれか1項記載の洗剤組成物。
- (C)成分のリン酸塩ビルダー含有量が5〜30質量%である請求項1〜6のいずれか1項記載の洗剤組成物。
- (A)粒子、(B)粒子、(C)成分及びその他成分を乾式混合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の洗剤組成物の製造方法。
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