JP4467622B2 - 出力回路 - Google Patents

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Description

この発明は出力回路に関し、特に、半導体記憶装置に用いられるデータ出力回路の改良に関する。
図86は、一般的なダイナミック型半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示すブロック図である。図86を参照して、ダイナミック型半導体記憶装置は、ダイナミック型メモリセルMCが行および列のマトリクス状に配列されたメモリセルアレイ900を含む。メモリセルアレイ900においては、メモリセルの各行に対応してワード線WLが配設される。メモリセルMCの各列に対応してビット線対BLおよびZBLが配置される。メモリセルMCは、1本のワード線WLと、1対のビット線BLおよびZBLの交点に対応して配置される。図86においては、1本のワード線WLと、1対のビット線BLおよびZBLを代表的に示す。ビット線BLと相補ビット線ZBL上には互いに相補なデータが現われる。
ダイナミック型半導体記憶装置はさらに、外部から与えられるアドレス信号Adに従って内部ロウアドレス信号RAおよび内部コラムアドレス信号CAを発生するアドレスバッファ902と、アドレスバッファ902からの内部ロウアドレス信号RAをデコードし、メモリセルアレイ900において対応のワード線を選択するロウデコーダ904と、アドレスバッファ902からの内部コラムアドレス信号CAをデコードし、メモリセルアレイ900における対応の列(ビット線対)を選択する信号を発生するコラムデコーダ906を含む。
アドレスバッファ902は、内部ロウアドレスストローブ信号ZRASに応答して活性化され、与えられたアドレス信号Adをラッチして内部ロウアドレス信号RAを発生するロウラッチ905と、内部コラムアドレスストローブ信号ZCASに応答して与えられたアドレス信号Adをラッチして内部コラムアドレス信号CAを発生するコラムラッチ907を含む。
アドレスバッファ902へは、ロウアドレス信号とコラムアドレス信号とが時分割多重化して与えられる。内部ロウアドレスストローブ信号ZRASは、外部ロウアドレスストローブ信号/RASを受けるRASバッファ910から発生される。内部コラムアドレスストローブ信号ZCASは、内部ロウアドレスストローブ信号ZRASの活性化に応答して活性化され、外部コラムアドレスストローブ信号/CASを取込むCASバッファ912から発生される。
ダイナミック型半導体記憶装置はさらに、メモリセルアレイ900において選択されたワード線に接続されるメモリセルのデータを検知し増幅するセンスアンプ914と、コラムデコーダ906からの列選択信号に応答して、メモリセルアレイ900における対応の列(ビット線対)を内部データバス915へ接続するIOゲート916を含む。センスアンプ914は、内部ロウアドレスストローブ信号ZRASに応答して所定のタイミングでセンスアンプ活性化信号(明確には示さず)を発生するクロック制御回路918によりその動作が制御される。このクロック制御回路918は、またロウデコーダ904の活性/非活性化をも制御する。
半導体記憶装置はさらに、コラムラッチ907からの内部コラムアドレス信号CAの変化を検出し、該検出時にアドレス変化検出信号φATDを発生するATD回路920と、CASバッファ912からの内部コラムアドレスストローブ信号ZCASと外部からの書込/読出指示信号(ライトイネーブル信号)/WEとアドレス変化検出信号φATDに従ってデータの入出力を決定するタイミング制御信号を発生する入出力制御回路922と、入出力制御回路922からのデータ書込指示信号(明確には示さず)に従って外部データDに従って内部データバス915に内部書込データを伝達する入力回路924と、入出力制御回路922からのデータ出力許可信号に従って内部データバス915上に現われた内部読出データから外部読出データQを生成して出力する出力回路926を含む。
ライトイネーブル信号/WEは、“L”のときにデータ書込を指定し、“H”のときにデータ読出動作を指定する。次に動作について簡単に説明する。
外部ロウアドレスストローブ信号/RASが“L”となり、応じてRASバッファ910からの内部ロウアドレスストローブ信号ZRASが“L”となると、メモリサイクルが始まる。この内部ロウアドレスストローブ信号ZRASの“L”に応答して、アドレスバッファ902に含まれるロウラッチ905が、アドレス信号Adをラッチして内部アドレス信号RAを生成してロウデコーダ904へ与える。クロック制御回路918が、この内部ロウアドレスストローブ信号ZRASに従ってロウデコーダ904へ活性化信号を与える。ロウデコーダ904が内部ロウアドレス信号RAをデコードし、メモリセルアレイ900における対応のワード線を選択する。これにより、選択されたワード線に接続されるメモリセルのデータが対応のビット線BL(またはZBL)に読出される。次いで、クロック制御回路918からのセンスアンプ活性化信号(明確には示さず)に従ってメモリアレイ914が活性化され、ビット線対BLおよびZBL上に現われた電位を差動的に増幅する。
一方、外部コラムアドレスストローブ信号/CASが外部ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がり後“L”となり、“L”の内部ロウアドレスストローブ信号ZRASによりイネーブル状態とされたCASバッファ912から“L”の内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが発生される。この内部コラムアドレスストローブ信号ZCASに応答して、コラムラッチ907が与えられたアドレス信号Adをラッチし、内部コラムアドレス信号CAを発生する。コラムデコーダ906がこの内部コラムアドレス信号CAをデコードし、メモリセルアレイ900における列(ビット線対)を選択する信号を発生する。センスアンプ914により、メモリセルのデータが各ビット線対において検知増幅された後、IOゲート916がコラムデコーダ906からの列選択信号に応答して導通し、対応のビット線対を内部データバス915に接続する。次いで入力回路924または出力回路926を介してデータの書込または読出が行なわれる。
図87は、出力回路926における1ビットのデータ出力部の構成を示す図である。図86に示す半導体記憶装置がたとえば4ビット、8ビットなどのマルチビットデータを入出力する構成の場合、この図87に示す入出力回路が複数個データのビット数に応じて設けられる。
図87を参照して、出力回路926は、内部データバス線915b上に現われたデータZDDを反転するインバータ5と、出力許可信号OEMとインバータ5の出力とを受ける2入力AND回路3と、出力許可信号OEMと内部読出データZDDとを受ける2入力AND回路4と、AND回路3の出力に応答して出力ノード6を電源電位Vccレベルへ駆動する第1の出力駆動トランジスタ1と、AND回路4の出力に応答して出力ノード6を接地電位GNDレベルへと放電する第2の駆動トランジスタ2を含む。駆動トランジスタ1および2は、ともにnチャネルMOSトランジスタで構成される。出力許可信号OEMは、図86に示す入出力制御回路922から内部コラムアドレスストローブ信号ZCASおよびアドレス変化検出信号φATDに従って発生される。次に、この図87に示す出力回路の動作をその動作波形図である図88を参照して説明する。
内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが“L”になると、所定期間経過後、内部データバス線915b上に、選択されたメモリセルが有するデータと論理が反転した信号が伝達される。この内部データバス線915bは、スタンバイ時においては中間電位にプリチャージされている。図88においては、内部データバス線915bに“L”のデータ信号が現われた状態が示される。
出力許可信号OEMが“L”の間、AND回路3および4の出力はともに“L”であり、ドライブトランジスタ1および2はともにオフ状態である。この状態においては、出力ノード6はハイインピーダンス状態(Hi−Z)の状態を維持している。
出力許可信号OEMが“H”となると、AND回路3および4がイネーブル状態とされる。内部データバス線915b上のデータ信号ZDDは“H”であり、インバータ5の出力は“L”となる。したがって、“H”の出力許可信号OEMに従って、AND回路4の出力、すなわちノードN2の電位が“H”となり、第2のドライブトランジスタ2がオン状態となる。出力ノード6が第2のドライブトランジスタ2を介して接地電位レベルGNDレベルにまで放電され、“L”の出力データQが出力される。
データ信号ZDDが“L”の場合、出力許可信号OEMの立上がりに応答して、AND回路3の出力、すなわちノードN1の電位が“H”となり、第1のドライブトランジスタ1がオン状態となる。これにより、出力ノード6が電源電位Vccレベルからトランジスタ1のしきい値電圧だけ低い電圧レベルにまで充電され、出力データQは“H”となる。
データ出力回路において、リンギングの発生を抑制して、安定に高速で出力信号を生成することを図る構成が、特許文献1(特開昭62−38617号公報)、特許文献2(特開平2−32616号公報)、および特許文献3(特開平2−12867号公報)に示されている。
特開昭62−38617号公報 特開平2−32616号公報 特開平2−12867号公報
ドライブトランジスタ1および2は、外部負荷を高速で充放電してデータを高速で出力するためにその電流駆動力が、たとえば数mAと大きくされている。半導体記憶装置は、パッケージに封入される。この場合、図89に示すように、出力ノード6は、ボンディングワイヤを介して出力端子を形成するフレームリードに接続される。図89においては、このボンディングワイヤおよびフレームリードを出力端子930として示す。このようなボンディングワイヤおよびフレームリードには寄生キャパシタンスCのみならず寄生インダクタンスLも存在する。寄生インダクタンスLに電流変化が生じると、次式で表わされる電圧が生じる。
V=−L・di/dt
ここで、di/dtは、インダクタンスLを流れる電流iの時間微分を示す。
ドライブトランジスタ1および2がともにオフ状態のときには、出力ノード6は、ハイインピーダンス状態となっている。このハイインピーダンス状態においては、先の出力データQの電位レベルが保持されている。したがって、“H”の出力データQが出力された後に、“L”のデータQを出力する場合、図90(A)に示すように、出力ノード6は、大きな電流駆動力を有するドライブトランジスタ2を介して放電されるため、この出力ノード6にリンギングが発生する。
また、“L”の出力データQが出力された後に、“H”のデータQを出力する場合、出力ノード6は大きな電流駆動力を有するドライブトランジスタ1を介して充電される。この場合においても、図90(A)に示すように、寄生インダクタンスLに大きな電流変化が生じるため、オーバーシュートが生じる。
また、出力ノード6をハイインピダンス状態に維持する構成と異なり、中間電位に保持する場合においても、出力されるべきデータの論理に従って、中間電位にプリチャージされていた出力ノードが充放電され、このとき大きな電流駆動力を有するドライブトランジスタ1を介してこの充放電が行なわれるため、同様に出力ノードにリンギングが発生する。
このようなオーバーシュートまたはアンダーシュートのようなリンギングが生じた場合、この出力データが安定するまでデータを読出すことができず、アクセス時間が長くなるという問題が生じる。またこのアンダーシュート発生時の振幅が大きい場合、出力ドライブトランジスタ1のゲートとドレイン(出力ノード6に接続されるノード端子)の間に大きな電圧が印加されることになり、トランジスタ1の耐圧特性が劣化するという問題が生じる。これはまたドライブトランジスタ2においても同様である。
上述のようなリンギングの発生を防止するために、図91に示すように、出力ノードの駆動を2段階で行なうことが考えられる。ここで、図91には、出力ノードの放電を2段階で行なう部分の構成を示す。
図91において、出力回路は、出力ノード6と接地電位ノードとの間に並列に設けられるドライブトランジスタ2aおよび2bを含む。ドライブトランジスタ2aおよび2bは、nチャネルMOSトランジスタで構成される。ドライブトランジスタ2aの電流駆動力は、ドライブトランジスタ2bの電流駆動力よりも小さくされる。これは、トランジスタのチャネル長またはチャネル幅を調整することにより実現される。ドライブトランジスタ2aのゲートへは、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDを受けるAND回路4の出力が与えられる。ドライブトランジスタ2bのオン/オフを制御するために、ノードN2上の電位を所定時間遅延させる遅延ステージ7と、この遅延ステージ7の出力とノードN2上の信号電位を受けるAND回路8が設けられる。AND回路8の出力がドライブトランジスタ2bのゲートへ与えられる。遅延ステージ7は、偶数個のインバータ(図91においては4個のインバータ)を備え、与えられた信号を所定時間遅延させる。次にこの図91に示す出力回路の動作をその動作波形図である図92を参照して説明する。
内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが活性状態の“L”となると、列選択動作が開始され、内部データバス線915b上に選択されたメモリセルのデータが伝達される。出力許可信号OEMが“H”となると、ノードN2の電位が“H”となり、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6は緩やかに放電される。このときまだ遅延ステージ7の出力はローレベルであり、ノードN3の電位は“L”であり、ドライブトランジスタ2bはオフ状態にある。
所定時間が経過し、遅延ステージ7の出力が“H”となると、AND回路8の出力が“H”となり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。これにより、出力ノード6は高速で放電される。ドライブトランジスタ2bがオン状態となるときには、出力ノード6の電位が十分に低下しており、これにより出力ノード6を高速で放電してもリンギングはほとんど生じない。RLC回路における減衰振動が生じるときの最大振幅は、その急速放電が行なわれるときの電圧値に比例するためである。
また、ダイナミック型半導体記憶装置において、スタティックコラムモードという動作モードが知られている。このスタティックコラムモードは、図93にその動作波形図を示すように、行アドレス信号Xにより指定された1行のメモリセルに対し、アドレス信号のみを入力することによりランダムにデータを入出力する動作モードである。
すなわち、図93に示すように、ロウアドレスストローブ信号ZRASをまず“L”に立下げ、ロウアドレス信号を取込み、ワード線を選択する。この選択されたワード線に接続されるメモリセルのデータをセンスアンプで検知増幅しかつラッチする。このとき、コラムアドレス信号Yを非同期的に入力して所定時間保持すると、対応する列アドレスのデータが出力される。このスタティックコラムモードにおいては、コラムアドレスストローブ信号ZCASはコラムアドレスラッチ指示の機能はなく出力イネーブルの機能を備え、“L”に保持される。このスタティックコラムモードでは、コラムアドレスストローブ信号/CASをトグルしてコラムアドレス信号を取込む必要がなく、高速でデータを出力することができる。
しかしながらこのようなスタティックコラムモードの場合、図93に示すように、出力許可信号OEMは“H”の状態に保持される。このため、ドライブトランジスタ1および2aの一方がオン状態となっており、出力ノード6は、“H”または“L”に保持される。したがって、このスタティックコラムモード動作において、“H”のデータが出力された後“L”のデータが出力される場合、出力ノード6の電位振幅が大きくなり、遅延ステージ7の与える遅延時間が短ければ、リンギングが発生するという問題が生じる。このようなリンギングの発生を防止するために、遅延ステージ7の遅延時間を長くすれば、アクセス時間が長くなり、高速アクセスというスタティックコラムモードの特徴が失われる。
また遅延ステージはインバータにより構成されている。このようなインバータとして、通常CMOSインバータが用いられることが多い。MOSトランジスタは、そのゲート電圧により駆動力が決定される。すなわち、この遅延ステージの構成するインバータの動作電源電圧が高くなればインバータの動作速度が増大し、遅延ステージの遅延時間が短くなる。また、動作温度が高くなれば、MOSトランジスタの動作速度が遅くなる(熱キャリア生成によるしきい値電圧の増大およびチャネル抵抗値の増大などによる)。したがって、動作温度が高くなればこの遅延ステージを構成するインバータの動作速度が遅くなり、遅延ステージの遅延時間が長くなる。このように遅延ステージの遅延時間が異なれば、図91に示すドライブトランジスタ2bのオンタイミングが異なる。この場合、遅延時間が短ければ、出力ノードの電位が十分に低下しないときにドライブトランジスタ2bがオン状態となり、高速で出力ノード6を放電するため、リンギングが発生する。このとき、電源電圧が高くなった場合または低温度時においては、出力ドライブトランジスタの駆動力も大きくなる。したがってリンギングがより発生しやすくなるという問題が生じる。
前述の特許文献1から3においては、出力ノードの電位に応じて出力ノードの駆動力を調整する構成は示されているものの、このような電源電圧および動作温度に応じて、出力回路のトランジスタの動作特性が変化する際の出力ノードの駆動力の調整をどのようにするのかについては、何ら考慮していない。
それゆえ、この発明の目的は、リンギングの発生を伴うことなく安定に信号を高速で出力することのできる出力回路を提供することである。
この発明の他の目的は、アクセス時間を増加させることなくデータ信号を安定に出力することのできる半導体記憶装置における出力回路を提供することである。
この発明に係る出力回路は、出力許可信号と入力信号とに応答して第1のノードに入力信号の論理に対応する論理を有する信号を伝達するゲート手段と、ゲート手段の出力に応答して、出力ノードを入力信号の論理に対応する電位レベルへと第1の速度で駆動する第1の駆動素子と、ゲート手段の出力を遅延させる遅延手段と、遅延手段の出力に応答して、出力ノードを前記入力信号の論理に対応する電位レベルへと第1の速度よりも速い速度で駆動する第2の駆動素子と、出力許可信号と入力信号が出力されるべきことを示す出力指示信号とに従って遅延手段の遅延時間を調節する調節手段とを備える。
この発明に係る出力回路においては、遅延手段の遅延時間が出力許可信号と出力指示信号とに従って調節される。この出力許可信号と出力指示信号とのタイミング関係により、無効データが出力ノードに出力されるか否かが判る。したがって、無効出力信号が出力されてから有効出力信号が出力される場合、特に両者の論理が異なる場合であっても最適なタイミングで第2のドライブ素子を活性化することができ、リンギングの発生を確実に防止することができる。
[実施の形態1]
図1はこの発明の第1の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。図1においては、出力ノード6を接地電位レベルへ駆動するための部分を示す。この図1に示す構成と同様の構成を出力ノード6を電源電位Vccレベルに駆動する部分に用いれば出力ノードのオーバシュートを防止できる。
図1において、出力回路926は、出力許可信号OEMと内部データバス線915a上の読出データ信号DDを受ける2入力AND回路10と、出力許可信号OEMと内部データバス線915b上の相補内部読出データ信号ZDDを受けるAND回路11と、AND回路10の出力に応答して出力ノード6を電源電位Vccレベルに駆動する第1のドライブトランジスタ1と、AND回路11の出力に応答して出力ノード6を接地電位レベルへ駆動するドライブトランジスタ2aと、このドライブトランジスタ2aと並列に設けられるドライブトランジスタ2bを含む。ドライブトランジスタ2aの電流駆動力はドライブトランジスタ2bの電流駆動力よりも小さくされる。ドライブトランジスタ1、2aおよび2bは、ともに、nチャネルMOSトランジスタで構成される。ドライブトランジスタ2aおよび2bの電流駆動力の差は、サイズもしくはゲート(チャネル)幅、またはゲート幅とゲート長の比を適当に設定することにより実現される。
出力回路926はさらに、AND回路10の出力、すなわちノードN1の信号電位を遅延させかつその論理を反転する反転遅延回路15と、ノードN1上の信号と遅延回路15の出力とを受ける2入力NOR回路16と、出力許可信号OEMを所定時間遅延させかつその論理を反転する反転遅延回路17と、反転遅延回路17の出力と出力許可信号OEMとを受ける2入力NOR回路18と、列アドレス信号の変化時に発生されるデータ出力指示信号DOTを所定時間遅延させかつその論理を反転する反転遅延回路19と、出力指示信号DOTと反転遅延回路19の出力を受けるNOR回路20と、NOR回路18および20の出力を受ける2入力OR回路21と、NOR回路16の出力とOR回路21の出力とを受ける2入力NAND回路22を含む。
2入力NOR回路16は、ノードN1の電位が“H”から“L”に立下がるときに、反転遅延回路15の有する遅延時間で決定される時間幅を有する正極性のワンショットパルス信号を発生する。
2入力NOR回路18は、出力許可信号OEMの“H”から“L”への変化時に反転遅延回路17が有する遅延時間により決定される時間幅を有する正極性のワンショットのパルス信号を発生する。
2入力NOR回路20は、出力指示信号DOTの“H”から“L”への変化時に遅延回路19が有する遅延時間により決定される時間幅を有するワンショットの正極性のパルス信号を発生する。出力指示信号DOTは、コラムアドレス信号の変化時に所定時間“L”となるワンショットパルスの形態で発生される。
出力回路926はさらに、AND回路11の出力、すなわちノードN2上の信号を所定時間遅延させる遅延回路12と、ノードN2上の信号と遅延回路12の出力とを受ける2入力NAND回路13と、NAND回路13の出力とNAND回路22の出力とを受ける2入力NAND回路14を含む。NAND回路14の出力が“H”のときにドライブトランジスタ2bがオン状態となる。次に図1に示す出力回路の動作をその動作波形図である図2を参照して説明する。
今、選択されたメモリセルがデータ“L”を記憶している場合のデータ読出動作について説明する。内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが活性状態の“L”へ立下がると、内部コラムアドレス信号Y1が発生される。アドレスバッファから内部アドレス信号Y1が発生されると、アドレス変化検出回路から出力されるアドレス変化検出信号φATDがワンショットのパルスの形態で発生される。このアドレス変化検出信号に従って出力指示信号DOTが所定期間“L”となる。この出力指示信号DOTに従って、内部データバス線915aおよび915bは一旦“L”にプリチャージされる。スタンバイ時においては、出力指示信号OEMが“L”にあり、ノードN1およびN2の電位は“L”であり、ドライブトランジスタ1、2aおよび2bはすべてオフ状態にある。
ワンショットの出力指示信号DOTに従ってNOR回路20から反転遅延回路19の有する遅延時間の時間幅を有するパルスが発生されてOR回路21の出力が“H”となる。このときまだノードN1の電位は“L”にあり、ノードN4の電位は“H”にある。出力許可信号OEMは“L”にあり、ノードN5の電位は“H”である。したがってこの出力指示信号DOTが所定期間“L”となっても、NAND回路22の出力(ノードN8の電位)は“H”にあり変化しない。
このときまた、ノードN2の電位は“L”であり、NAND回路13の出力は“H”であり、NAND回路14の出力(ノードN9の電位)は“L”にある。
出力許可信号OEMが活性状態の“H”となると、ノードN1の電位は“L”、ノードN2の電位が“H”となる。これにより、ドライブトランジスタ1はオフ状態を維持する。一方、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6の電位を緩やかに接地電位レベルへと放電する。遅延回路12が有する遅延時間が経過すると、遅延回路12の出力が“H”となり、NAND回路13の出力が“L”となる。これにより、NAND回路14の出力が“H”となり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。ドライブトランジスタ2bが出力ノード6を高速に接地電位レベルへと放電する。
外部のコラムアドレス信号Adが変化すると、応じて出力指示信号DOTが所定期間“L”となる。この動作モードはスタティックコラムモードと呼ばれる。この出力指示信号DOTが“L”となると、出力ノード6に現われているデータは、次のサイクルでは無効とされるデータであることが示される。すなわち、出力指示信号DOTは、そのときに出力ノード6に現われているデータを無効とすべきことを示す信号と言える。この出力指示信号DOTの“L”への移行に応答して、内部データ線915aおよび915bは再びともに接地電位レベルへとプリチャージされる。これにより、ノードN1およびN2の電位がともに“L”となり、ドライブトランジスタ1、2aおよび2bはオフ状態となる。出力指示信号DOTが“L”に立下がった後、所定時間(列アドレス信号に従ってビット線対が選択されてその選択されたデータが内部データバスに読出されるまでに必要とされる時間)が経過すると、内部データバス線915aおよび915bの電位はそれぞれ“H”、および“L”となる。これにより、ドライブトランジスタ1がオン状態とされ、出力ノード6を電源電位Vccレベルにまで充電する。
内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが不活性状態の“H”となると、応じて出力許可信号OEMも“L”となる。これに応答して、NOR回路18からは、ワンショットのパルスが発生される。一方このとき、ノードN1の電位も“H”から“L”に立下がり、ドライブトランジスタ1がオフ状態となる。このノードN1の電位の立下がりに応答して、NOR回路16からは、ノードN4上にワンショットのパルス信号が発生される。反転遅延回路15はたとえば5段のインバータで構成されており、反転遅延回路17は、たとえば3段のインバータ回路で構成されており、反転遅延回路15の有する遅延時間は反転遅延回路17の有する遅延時間よりも長い。したがって、ノードN4の電位が“H”のときにノードN7の電位(OR回路21の出力)が“H”となりNAND回路22からノードN8上には、反転遅延回路17が有する遅延時間で決定される時間幅の“L”のワンショットのパルス信号が発生される。応じてNAND回路14からノードN9上に“H”のワンショットのパルスが発生され、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。これにより、出力ノード6は、電源電位Vccレベルから所定時間接地電位レベルへと放電され、出力ノード6の電位は電源電位Vccと接地電位GNDとの間の中間電位レベルとなる。この出力ノード6の中間電位レベルは、ドライブトランジスタ2bの駆動力、外部負荷および反転遅延回路17の有する遅延時間により決定される。
上述のように、“H”のデータ読出完了後、接地電位レベルへの放電するドライブトランジスタ2bが所定時間オン状態となるため、出力ノード6の電位を中間電位に保持する構成が設けられていない場合でも出力ノード6の電位は中間電位レベルとなる。したがって、次のサイクルに読出されるデータが“H”および“L”のいずれであっても、この出力ノード6は中間電位レベルから駆動されるため、出力振幅は小さく、リンギングが発生することがなく、高速で安定した出力信号Qを得ることができる。この高速で安定した出力信号Qを得ることにより、たとえばスタティックコラムモード時において“H”のデータが出力された後に“L”のデータが出力される場合においても、出力ノード6にリンギングが生じることはなく、安定な出力信号Qを出力することができる。
ここで、図1に示す構成を、ドライブトランジスタ1に対しても設けることにより、図2において破線で示すように、“L”データ読出完了後出力ノード6をプルアップして中間電位レベルに設定することができる。
図3は、“H”および“L”両者のデータ読出に対し制御系を設けた際の出力回路の構成を示す図である。図3において、制御用ブロック40aおよび40b各々は、図1に示す、NOR回路16、18、20と、OR回路21と、NAND回路22と、反転遅延回路15、17、および19を含む。遅延回路12aおよび12bは、図1に示す遅延回路12に対応し、NAND回路13aおよび13bは、図1に示すNAND回路13に対応し、NAND回路14aおよび14bは、図1に示すNAND回路14に対応する。
したがって、図3に示す回路構成を用いれば、図4に示すように、スタティックコラムモード動作時においては、出力指示信号DOTに従って出力ノードが中間電位に駆動され、メモリサイクル完了時においては出力指示信号OEMに従って出力ノード6が中間電位に駆動される。したがって、いずれの場合においても、出力ノード6は、中間電位から“H”または“L”に駆動されるため、リンギングを発生することなく安定した出力信号を生成することができる。
図5は、出力指示信号および出力許可信号発生系の構成を示す図である。この図5に示す制御信号発生系は、図86に示す入出力制御回路に含まれる。
図5を参照して、出力制御信号発生回路は、内部ロウアドレスストローブ信号ZRASに応答して活性化され、アドレス変化検出信号φATDに応答してワンショットの“L”のパルス信号を発生するワンショットパルス発生回路50と、内部コラムアドレスストローブ信号ZCASを所定時間遅延させる遅延回路51と、ワンショットパルス発生回路50からの出力指示信号DOTの立上がりに応答してワンショットのパルス信号を発生するワンショットパルス発生回路52と、内部ライトイネーブル信号ZWEと内部コラムアドレスストローブ信号ZCASとを受け、データ読出動作が指定されたときに“H”の信号を出力するゲート回路57と、ワンショットパルス発生回路52の出力とゲート回路57の出力とを受ける2入力NAND回路55と、遅延回路51からの遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEを反転するインバータ回路54と、インバータ回路54からの“L”の信号に応答してセットされ、NAND回路55からの“L”の信号に応答してリセットされるフリップフロップ56と、フリップフロップ56の出力を反転するインバータ回路58を含む。インバータ回路58から出力指示信号OEMが発生される。
ワンショットパルス発生回路52は、出力指示信号DOTを所定時間遅延させる遅延回路61と、遅延回路61の出力と出力指示信号DOTを受ける2入力AND回路62を含む。遅延回路61は、偶数段のインバータ(図5に示す構成においては2つのインバータ回路)により構成される。
フリップフロップ56は、2つの交差結合されたNAND回路NA1およびNA2を含む。NAND回路NA1は、その一方入力にインバータ回路54の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA2の出力を受ける。NAND回路NA2は、その一方入力にNAND回路55の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA1の出力を受ける。NAND回路NA1の出力がインバータ回路58へ与えられる。
ゲート回路57は、内部コラムアドレスストローブ信号ZCASが“L”であり、ライトイネーブル信号ZWEが“H”のときに、“H”の信号を出力する。このゲート回路57は、用いられるダイナミック型半導体記憶装置が出力イネーブル信号ZOEを利用する構成の場合、この出力イネーブル信号ZOEを反転するインバータで置換えられてもよい。データ読出動作時に“H”の信号を出力する構成が利用されればよい。
制御信号発生系はさらに、ワンショットパルス発生回路50からの出力指示信号DOTを反転するインバータ回路59と、インバータ回路59の出力に応答して、内部データバス線915aおよび915bを接地電位レベルへとプリチャージするプリチャージトランジスタ60aおよび60bを含む。プリチャージトランジスタ60aおよび60bはともにnチャネルMOSトランジスタで構成される。次に図5に示す制御信号発生系の動作をその動作波形図である図6を参照して説明する。
ロウアドレスストローブ信号ZRASが“H”の非活性状態時においては、出力指示信号DOTは“L”にありまたコラムアドレスストローブ信号ZCASは非活性状態の“H”にある。このとき、内部ノードN11およびN12およびN13の電位は“L”、ノードN10、N14およびN15の電位は“H”にある。
ロウアドレスストローブ信号ZRASが“L”と活性化されると、メモリサイクルが始まる。この“L”の内部ロウアドレスストローブ信号ZRASに応答して、ワンショットパルス発生回路50が活性状態とされ、その出力である出力指示信号DOTを“H”に立上げる。この出力指示信号DOTが“H”となってから所定時間経過すると、ワンショットパルス発生回路52から“H”の信号が出力される。コラムアドレス信号が変化すると、これに応答して、アドレス変化検出信号φATDが発生される。スタティックコラム動作モードが可能な半導体記憶装置においては、コラムアドレスストローブ信号は、単に出力イネーブル信号の機能を備えているだけであり、アドレスラッチ指示機能は備えていないことに注目されたい。このアドレス変化検出信号φATDに応答して、出力指示信号DOTが所定期間“L”となる。この出力指示信号DOTが“L”となると、ワンショットパルス発生回路52の出力(ノードN12の出力)が“L”となる。ワンショットパルス発生回路52からは、このワンショットの出力指示信号DOTよりも遅延回路61が与える遅延時間だけパルス幅が長い“L”の信号が出力される。
ワンショットパルス発生回路52からノード12上に“L”の信号が出力されると、NAND回路55は、ノードN13上に“H”の信号を出力する。
次いでコラムアドレスストローブ信号ZCASが“L”となると、遅延回路51から所定時間経過後に“L”となる遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが発生される。この“L”の遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEにより、インバータ回路54からノードN11上に“H”の信号が出力される。
一方、ノードN14の電位は“H”にあり、ノードN13の電位の立上がりに応答してノードN15は“L”となる。ノードN15の電位がノードN13の電位の立上がりに応答して“L”となると、ノードN15の電位は“H”となり、NAND回路NA1からノードN14に“L”の信号が出力される。このノードN14の電位の立下がりに応答して、インバータ回路58からの出力信号、すなわち出力許可信号OEMが“H”となる。
内部コラムアドレスストローブ信号ZCAS(ZCASE)が“L”にあり、ノードN15の電位が“H”にある間、ノードN14の電位は“H”に固定される。すなわち出力許可信号OEMは“H”となる。
内部遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが“L”の状態において、出力指示信号DOTが“L”となり、ノードN13の電位が“H”となっても、ノードN14の電位は“L”であり、ノードN15の電位は変化しない。すなわち、遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが“L”の間、出力指示信号DOTが発生されても、出力許可信号OEMは“H”の状態を維持する。
一方、出力指示信号DOTが“L”となると、インバータ回路59の出力が“H”となり、プリチャージトランジスタ60aおよび60bがともにオン状態となり、内部データバス線915aおよび915bを所定時間接地電位レベルへと放電する。これにより、スタティックコラムモード時およびノーマルモード時において、新しくデータが読出されるべきときに、内部データバス線915aおよび915bを一旦所定電位の接地電位レベルのプリチャージ状態とすることができる。
この内部データバス線915aおよび915bの接地電位レベルへのプリチャージ動作は、データ読出時においてのみ実行する場合には、ゲート回路57の出力が“H”のときに、インバータ回路59が動作可能状態とされるように構成されればよい。この構成は、ゲート回路57の出力と出力指示信号DOTをAND回路で受け、このAND回路出力をプリチャージトランジスタ60aおよび60bへ与えるようにすれば容易に実現される。
上述の制御回路の構成により、“H”および“L”のデータのいずれが読出されても、次に新しくデータが読出されるべきときには、出力ノード6は、中間電位レベルに確実にプリチャージすることができる。
なお、図1に示す遅延回路15、17、19および12ならびに図5に示す遅延回路61のインバータ回路の段数は、図示の段数に限定されず、適当な遅延時間を与える段数に設定されればよい。
[変形例1]
図7は、この第1の実施の形態の出力回路の変形例を示す図である。図7に示す構成においては、NAND回路22の出力に応答して導通し、出力ノード6を所定期間基準電位VREFへ駆動するnチャネルMOSトランジスタ62が設けられる。駆動力の大きなドライブトランジスタ2bへは、NAND回路13の出力がインバータ63を介して与えられる。この構成においては、出力ノード6の放電時においては、まずドライブトランジスタ2aが動作して緩やかに出力ノード6を放電し、次いで所定時間経過後ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を急速に接地電位レベルへと放電する。1つの読出動作が完了したとき、または、スタティックコラムモードにおいて“H”の出力信号が出力された後、次いで“L”の出力信号が出力される場合において、トランジスタ62がNAND回路22の出力に応答して導通し、出力ノード6を基準電位VREFへドライブする。この基準電位VREFとして、たとえばダイナミック型半導体記憶装置において用いられているVcc/2の電位レベルが利用されれば、出力ノード6を中間電位Vcc/2へ確実に駆動することができ、“H”データ読出時および“L”データ読出時において、リンギングを何ら生じさせることなく、そのデータ確定タイミングを同一とすることができ、高速アクセスを実現することができる(アクセス時間が、“H”データおよび“L”データ読出時の長い方のデータ確定時間により決定されるためである)。
[変形例2]
図8は、第1の実施の形態のさらに他の変形例を示す図である。図8においては、ノードN2の電位の立下がりに応答して所定期間“H”となる信号を発生するために、遅延回路15bおよびNOR回路16bが設けられる。遅延回路15bは、ノードN1の電位の立下がりに応答してワンショットのパルスを発生するための反転遅延回路15aと同様の構成を備える。NOR回路16aおよび16bの出力はOR回路64へ与えられる。OR回路64の出力はNAND回路22へ与えられる。
図8に示す構成によれば、ノードN1およびN2の電位の立下がり時ワンショットのパルス信号を発生して、プリチャージトランジスタ62を所定期間オン状態とすることができる。したがって、出力ノード6に現われるデータ信号が“H”および“L”いずれの場合であっても、1つのデータ読出サイクル完了時または新しくデータが読出されるべきときには、プリチャージトランジスタ62をオン状態として、出力ノード6を中間電位VREFにプリチャージすることが可能となる。
以上のように、この第1の実施の形態に従えば、出力ノードをデータ信号読出動作完了時または次に新しくデータが読出されるべきときに中間電位にドライブするように構成している。このため、新しく信号を出力する場合、“H”および“L”いずれのデータ信号を出力する場合においても、出力ノード6は中間電位から対応の論理レベルの電位へ駆動されることになり、出力ノードの電位振幅を小さくすることができ、リンギングの発生を防止することができ、安定に高速でデータ信号を出力することができる。このときまた出力ノードが中間電位に保持されているため、“H”および“L”のレベルの電位確定までに要する時間を短くすることができ、高速アクセスが可能となる。
さらに、中間電位から“H”または“L”の電位レベルへ出力ノードを駆動しているため、データ信号出力時における消費電流を低減することができる。
[実施の形態2]
図9は、この発明の第2の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。図9においては、出力ノード6を接地電位レベルへ放電するための回路構成が示される。
図9を参照して、出力回路は、内部読出データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力許可信号OEMおよびインバータ回路5の出力を受けるAND回路3と、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDを受けるAND回路4を含む。内部読出データ信号ZDDは、データDDと論理が反対のデータ信号である。
出力回路はさらに、AND回路4の出力、すなわちノードN2上の信号を所定時間遅延する遅延回路12と、ノードN2上の信号と遅延回路12の出力を受けるNAND回路13と、NAND回路13の出力を受けるインバータ回路64と、出力ノード6上の信号電位に応答して、このインバータ64の“H”駆動力を調節するpチャネルMOSトランジスタ67を含む。インバータ回路64は、互いに相補接続されたpチャネルMOSトランジスタ66およびnチャネルMOSトランジスタ65を含む。トランジスタ67は、pチャネルMOSトランジスタ66と電源電位Vccを供給する電源電位ノードとの間に設けられ、かつそのゲートに出力ノード6上の信号を受ける。
出力回路はさらに、AND回路3の出力に応答して、出力ノード6を電源電位Vccレベルに充電するためのnチャネルMOSトランジスタ1と、AND回路4の出力に応答して、出力ノード6の電位は比較的緩やかに放電するためのnチャネルMOSトランジスタ(ドライブトランジスタ)2aと、インバータ回路64の出力に応答して、出力ノード6の電位を接地電位レベルへ放電するnチャネルMOSトランジスタ(ドライブトランジスタ)2bを含む。トランジスタ2aの電流駆動力は、トランジスタ2bの電流駆動力よりも小さくされている。次に図9に示す出力回路の動作をその動作波形図である図10を参照して説明する。
まず内部読出データ信号ZDDが“H”となる場合の動作について説明する。出力許可信号OEMが“L”のとき、AND回路3および4の出力がともに“L”になり、ドライブトランジスタ1、2aおよび2bはすべてオフ状態にある。
出力許可信号OEMが“H”に立上がると、AND回路4の出力が“H”となる。これにより、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6を比較的緩やかに放電する。この出力ノード6上の信号電位はトランジスタ67のゲートへ与えられている。トランジスタ67は、そのゲート電位が低下するにつれで、その駆動力が大きくなる(コンダクタンスが大きくなる)。所定時間が経過すると、NAND回路13の出力(ノードN3上の信号電位)が“L”となる。このノードN3上の信号電位の立下がりに応答して、インバータ回路64の出力が“H”となる。このインバータ64が出力する“H”の信号の電位レベルは、出力ノード6の電位レベルにより変化する。トランジスタ67がインバータ回路64のpチャネルMOSトランジスタ66へ伝達する電圧は、Vcc−V(6)−Vthである。ここで、V(6)は、出力ノード6の電位を示し、VthはpチャネルMOSトランジスタ67のしきい値電圧の絶対値を示す。したがって、出力ノード6の電位低下に伴って、インバータ回路64が出力する“H”の電位レベルが上昇し、ドライブトランジスタ2bがより強くオン状態となり、高速で出力ノード6の電位を接地電位レベルへと放電する。すなわち、インバータ回路64の出力の“H”の電位レベルが出力ノード6の電位低下に伴って上昇し、応じてドライブトランジスタ2bが強くオン状態となり、出力ノード6の電位が十分に低下したときに、ドライブトランジスタ2bはより速く出力ノード6を接地電位レベルへと放電する。これにより、リンギングが生じない電位レベルに出力ノード6の電位が到達したときに、ドライブトランジスタ2bが高速に接地電位レベルへと出力ノード6を放電するため、リンギングが生じず、安定に出力信号を発生することができる。
このpチャネルMOSトランジスタ67は、ノーマリオン状態のトランジスタが用いられており、その抵抗値(コンダクタンス)が出力ノード6の電位低下に伴って大きくなる抵抗素子として考えられてもよい。この場合、インバータ64の出力が“H”となるとき、この出力電位の立上がりが出力ノード6の電位の立下がりに応じて速くなり、ドライブトランジスタ2bが、電位出力ノード6の電位の立下がりに応じて強くオン状態となる。
図10に示す動作波形図においては、出力ノード6が接地電位レベルへ放電され、かつ出力許可信号OEMが“L”となったときには、ドライブトランジスタ1、2aおよび2bがすべてオフ状態となった状態の動作波形が示される。しかしながら、この出力ノード6は、第1の実施の形態のように、中間電位レベルに保持される構成と組合せて用いられてもよい。図10においては、このときの出力ノード6の電位変化をQ′として示す。この出力ノード6を中間電位レベルに保持する場合には、この電位低下に伴って放電力を強くすることにより、以下のような利点が得られる。
図11に、出力許可信号OEMが活性状態となってから、有効な読出データが伝達された際の動作波形を示す。この図11において、出力ノード6が、中間電位にプリチャージされている状態が示される。出力許可信号OEMが“L”のときには、出力ノード6は中間電位にプリチャージされている。出力許可信号OEMが“H”に立上がり、このときに内部読出データ信号ZDDが“L”であるとすると、ノードN1の電位が“H”に立上がり、出力ノード6の電位が上昇し、出力データQ′は“H”となる。所定時間経過後に、有効データが現われ、内部読出データ信号ZDDが“H”となると、ノードN2の電位が“H”に立上がり、またノードN1の電位は“L”に立下がる。これにより、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6を接地電位レベルへと緩やかに放電し、出力信号Q′の電位が徐々に低下する。
次いで、所定時間経過後、ノードN3(NAND回路13の出力)が“L”となると、インバータ回路64の出力が緩やかに立上がる。このインバータ回路64の出力の立上がり速度は、出力ノード6の電位により決定される。したがって、出力信号Q′の電位が高い場合には、インバータ回路64の出力は緩やかに立上がり、出力信号Q′の電位が十分低くなると、インバータ回路60の出力が急速に電源電位Vccレベルにまで立上がる。ドライブトランジスタ2bの駆動力は、出力ノード6の電位、すなわち出力信号Q′の電位が十分に低下したときに大きくされ、高速で出力ノード6を接地電位レベルへと放電する。これにより、無効データが出力され、次いで有効データが出力される動作時において、この有効データと無効データの論理が異なる場合においても、ドライブトランジスタ2bの、電流駆動力を出力ノード6の電位レベルに応じて調節することにより、安定にリンギングを発生することなく出力信号を発生することができる。
この出力ノード6に、無効データが現われる動作モードについては後に詳細に説明する。
図12は、出力ノードを“H”レベルに駆動する部分の構成を示す図である。図12において、出力ノード6を電源電位Vccレベルにドライブ(充電)するために、ノードN1上の信号電位に応答して導通するnチャネルMOSトランジスタからなるドライブトランジスタ1aが設けられかつドライブトランジスタ1aに並列にドライブトランジスタ1bが設けられる。
出力回路の制御部はさらにノードN1上の信号電位を所定時間遅延させる遅延回路12aと、ノードN1上の信号と遅延回路12aの出力とを受けるNAND回路13aと、NAND回路13aの出力をゲートに受けるpチャネルMOSトランジスタ71およびnチャネルMOSトランジスタ73と、トランジスタ71および73の間に設けられるpチャネルMOSトランジスタ72と、出力ノード6の上の信号をゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ75と、トランジスタ75と電源電位供給ノードとの間に設けられるpチャネルMOSトランジスタ74を含む。トランジスタ74のゲートは、トランジスタ72および73の接続点およびドライブトランジスタ1bのゲートに接続される。トランジスタ72のゲートは、トランジスタ74および75の接続点に接続される。次にこの図12に示す回路の動作をその動作波形図である図13を参照して説明する。
今、内部読出データ信号ZDDは“L”であるとする。出力許可信号OEMが“L”の場合には、ノードN1およびN2の電位はともに“L”であり、ドライブトランジスタ1aおよび2はともにオフ状態にある。ノードN1の電位が“L”であるため、NAND回路13aの出力は“H”であり、ドライブトランジスタ1bへは、トランジスタ73がオン状態であるため、“L”の信号が与えれらる。したがって、ドライブトランジスタ1bもオフ状態にある。
出力許可信号OEMが“H”に立上がると、ノードN1の電位が“H”に立上がり、ドライブトランジスタ1aがオン状態となる。ドライブトランジスタ1aの電流駆動力は比較的小さくされており、出力ノード6の電位を緩やかに上昇させる。所定時間が経過すると、NAND回路13aの出力(ノードN3aの出力電位)が“L”となり、トランジスタ73がオフ状態、トランジスタ71がオン状態となる。出力ノード6の電位はトランジスタ75のゲートへ与えられている。出力ノード6の電位レベルが中間電位レベルのときには、このトランジスタ75の電流駆動力は小さく(コンダクタンスが小さく)、トランジスタ74の電流駆動力の方が大きく、このためトランジスタ72のゲート電位は比較的高く、トランジスタ72のコンダクタンスは小さい。
したがって、この状態では、ドライブトランジスタ1bの電位は緩やかに上昇し、ドライブトランジスタ1bはその電流駆動力が制限されて比較的緩やかに出力ノード6を充電する。出力ノード6の電位が十分に上昇すると、ドライブトランジスタ75の電流駆動力が大きくなり、応じてトランジスタ72の電位が十分低くなり、トランジスタ72の電流駆動力が大きくなり、トランジスタ1bの電位が高速で上昇し、その電流駆動力が大きくされて高速で出力ノード6を充電する。このとき、またトランジスタ74の電流駆動力がトランジスタ1bのゲート電位の上昇に伴って小さくされており、トランジスタ72のゲート電位が出力ノード6の電位上昇に伴って高速に放電され、トランジスタ72が十分強いオン状態となり、応じてドライブトランジスタ1bの電流駆動力が高速で大きくされる。
これにより、出力ノード6の電位がリンギングが発生しない電位レベルに上昇したときに、その電位が高速に上昇し、リンギングの発生を伴うことなく、安定に出力信号を発生することができる。図13においては、また出力ノード6が中間電位に充電されている場合の動作波形を出力信号Q′として併せて示している。
以上のように、この第2の実施の形態による出力回路の構成に従えば出力ノードの電位レベルに応じて出力ノードの駆動力を調節しているため、出力ノードの電位がリンギングが発生しない電位レベルに到達したときにその出力ノードの電位が高速に変化させられており、リンギングが発生することのない安定な出力信号を生成することができる。
[実施の形態3]
スタティックコラムモード機能付のダイナミック型半導体記憶装置においては、列選択動作は列アドレス信号の変化に応じて発生されるアドレス変化検出信号φATDに従って実行される。コラムアドレスストローブ信号ZCASは、データ出力タイミングを決定するために利用されるだけである。したがって、この場合ロウアドレスストローブ信号ZRASが活性状態となってからコラムアドレスストローブ信号ZCASが活性状態となるまでに要する時間すなわちRAS−CAS遅延時間TRCDと、列アドレス信号Adが変化してからコラムアドレスストローブ信号ZCASが変化するまでに要する時間列アドレス−CAS遅延時間TASCの関係に応じて出力ノードに、無効データが生じる場合がある。まずこの実施の形態3を説明する前に、無効データが出る場合、および無効データが出ない場合の動作について図5に示す制御信号発生回路を参照して説明する。
まず図5、および図14を参照して、無効データが出ない場合の動作について説明する。
ロウアドレスストローブ信号ZRASが活性化され“L”となると、メモリサイクルが始まり、そのときに与えられたアドレス信号Adがロウアドレス信号Xとして取込まれ、行選択動作が実行される。この状態においては、図5に示す制御回路は初期状態にあり、出力許可信号OEMは“L”にある。
ロウアドレスストローブ信号ZRASが活性化されて“L”となると、ワンショットパルス発生回路50がイネーブルされ、その出力が“H”となる。この列アドレス変化検出信号φATDは、コラムアドレスバッファ907が、スタティックコラムモード時においては、ロウアドレスストローブ信号ZRASに応答してイネーブル状態とされるため、行アドレス信号Xの変化時点においては、コラムバッファ907出力は変化しないため、ワンショットのアドレス変化検出信号φATDは発生されない(図60参照)。またはこれに代えてパルス変化検出回路(ATD回路)920が、ロウアドレスストローブ信号ZRASが“L”のときに動作可能状態とされるように構成されてもよい。
ロウアドレスホールド時間が経過すると、次いで、アドレス信号Adが変化し、コラムアドレス信号Yが発生される。このアドレス信号Adの変化に応答して、アドレス変化検出信号φATDが活性状態とされ、ワンショットパルス発生回路50から発生される出力指示信号DOTが所定期間“L”となる。この出力指示信号DOTの“L”の移行に応答して、ワンショットパルス発生回路52からノードN12へ、この出力指示信号DOTよりも“L”の期間が長い“L”のパルス信号が与えられる。このノードN12上に与えられる“L”のワンショットのパルス信号のパルス幅は、遅延回路61が与える遅延時間分出力指示信号DOTが“L”の期間よりも長い。
ノードN12の電位が“L”となると、NAND回路55からノード13上に“H”の信号が出力される。
データ読出時においては、ゲート回路57の出力は“H”にある。
初期状態においては、ノードN14の電位は“H”にあり、このノードN13の電位が“H”となると、ノードN15の電位が“L”となる。これにより、ノードN14の電位は確実に“H”レベルに設定される。この状態においては、出力指示信号OEMがまだ“L”の不活性にある。
アドレス−CAS遅延時間TASCが十分長い場合には出力指示信号DOTが“H”となっても、まだ遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEは“H”にある。この状態においては、まだノードN14の電位は“H”にある。したがって、出力指示信号DOTが“H”になると、ノードN13の電位が“L”に立下がり、応じてノードN15の電位が“H”に立上がる。
次いで、アドレス−CAS遅延時間TACDが経過すると、コラムアドレスストローブ信号ZCASが活性化され、“L”となり、応じて遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが“L”となる。この遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが“L”となると、インバータ回路54からノードN11上に“H”の信号が出力される。ノードN15の電位が“H”であるため、ノードN11の電位の立上がりに応答して、ノードN14の電位が“L”となり、出力指示信号OEMが“H”となる。
出力許可信号OEMが“H”となると、既に、有効データZDDが現われており、このデータ信号ZDDに従って、ノードN1の電位は“L”、ノードN2の電位が“H”となる。ノードN2の電位が“H”となると、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力Qが緩やかに低下し、次いでドライブトランジスタ2bがオン状態となり、高速でこの出力Qの電位を低下させる。
上述のように、時間TASCが十分長ければ、無効データは出力されず、出力信号Qはたとえば中間電位レベルから接地電位レベルまたは電源電位レベルへとリンギングを生じさせることなく安定に変化することができる。
図15に、無効データが出力する場合の動作波形を示す。以下、この無効データ出力の動作について図15および図5を参照して説明する。
ロウアドレスストローブ信号ZRASが活性化されて“L”となる。このロウアドレスストローブ信号ZRASの活性化に応答して、出力指示信号DOTが“H”となる。この内部ロウアドレスストローブ信号ZRASの活性化に応答して、そのときに与えられていたアドレスAdがロウアドレス信号(Xアドレス)として取込まれ、このXアドレスに対応する行が選択される。
アドレス信号Adが変化すると、アドレス変化検出信号φATDが発生される。このアドレス変化検出信号φATDに従って、ワンショットパルス発生回路50から、所定時間経過後に、“L”のワンショットのパルス信号である出力指示信号DOTが発生される。
列アドレス信号発生後、すぐにコラムアドレスストローブ信号ZCASが“L”に立下がる。すなわちアドレス−CAS遅延時間TASCが極めて短い状態を考える。このとき、出力指示信号DOTが“L”となる前に、先に遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEが“L”となる。これに応答して、ノードN11の電位が“H”となり、ノードN15の電位が“H”であるため、NAND回路NA1の出力(ノードN14の電位)が“L”となり、出力許可信号OEMが“H”となる。出力指示信号DOTが“L”となってから、所定時間経過後に有効データが出力され、内部読出データZDDが“H”に立上がる。したがって、出力許可信号OEMが“H”のときには、無効データが現われており、この“L”の無効データ信号ZDDに従って出力信号Qの電位が上昇する。次いで、有効データが現われ、“H”の内部読出信号ZDDに従って出力信号Qが低下する。
したがって、このように、無効データとして“H”のデータが出力された後に有効データとして“L”のデータが出力される場合には、出力信号Qが中間電位に設定されていた場合でも、その電位振幅が大きくなり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となったとき、出力ノード6の電位は十分低下しておらず、出力信号Qにリンギングが発生する状態が生じることが考えられる。そこで、以下にこのような無効データが出力される場合においても、リンギングが発生することのない構成について説明する。なお、以下の説明においては、出力信号Qは中間電位にプリチャージされている状態を前提として説明する。また出力信号Qの“L”への駆動部に対してのみ説明するが、これは出力信号Qが“H”に立上がる場合の経路についても同様の構成を設けることができる。
図16は、この発明の第3の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。図16においては、出力ノード6に、“L”のデータ信号を出力する際のリンギングの発生を防止するための構成を示す。同様の構成がノードN1(AND回路3の出力)に対して設けられれば、“H”のデータ出力時におけるリンギングの発生を防止するための構成を実現することができる。
図16を参照して、出力回路は、基本構成として、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDを受けるAND回路4と、内部読出データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、インバータ回路5の出力と出力許可信号OEMを受けるAND回路3と、AND回路3の出力に応答して出力ノード6を電源電位Vccレベルに充電するドライブトランジスタ1と、AND回路4の出力に応答して、出力ノード6を接地電位レベルへ緩やかに放電する電流駆動力の小さなドライブトランジスタ2aと、ドライブトランジスタ2aと並列に設けられ、出力ノード6をドライブトランジスタ2aよりも大きな電流駆動力で放電するドライブトランジスタ2bを含む。
ドライブトランジスタ2bの動作を制御するための制御系は、出力指示信号DOTを反転するインバータ回路81と、ノードN2の信号(AND回路4の出力)とインバータ回路81の出力を受けるNAND回路82と、NAND回路82の出力とノードN2上の信号とを受けるフリップフロップ84とを含む。このフリップフロップ84は交差結合されたNAND回路NA3およびNA4を含む。NAND回路NA3はその一方入力がNAND回路82の出力を受け、その他方入力がNAND回路NA4の出力を受ける。NAND回路NA4は、その一方入力にNAND回路NA3の出力を受け、その他方入力にノードN2上の信号を受ける。このフリップフロップ84は、ノードN2に有効データが現われているか否かを判別する機能を備える。
制御系は、さらに、フリップフロップ84に含まれるNAND回路NA3の出力(ノードN25上の信号)を受けるインバータ回路85と、インバータ回路85の出力とAND回路83の出力を受けるNAND回路86と、インバータ回路85の出力を所定時間遅延する遅延回路87と、NAND回路86の出力を遅延する遅延回路88と、遅延回路87および88の出力を受けるNAND回路89と、ノードN2上の信号とNAND回路89の出力を受けるAND回路90を含む。AND回路90の出力はドライブトランジスタ2bのゲートへ与えられる。
遅延回路87の遅延時間T1は遅延回路88の遅延時間T2よりも長く設定される。次に図16に示す出力回路の動作をその動作波形図である図17を参照して説明する。
まず図17(A)を参照して、無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。ここで、無効データ信号は“L”のデータ信号ZDDであり、有効データ信号は“H”のデータ信号ZDDであると仮定する。
無効データ信号が出力される場合、まず出力指示信号OEMが“H”となり、その後出力指示信号DOTが活性状態の“L”となる。出力許可信号OEMが“H”に立上がると、ノードN2の電位は無効データ信号ZDDに従って“L”にある。この状態では、ドライブトランジスタ1がオン状態となり、ドライブトランジスタ2aはオフ状態であり、出力ノード6はドライブトランジスタ1を介して充電されてその電位が上昇する。この状態で、出力指示信号DOTが“L”に立下がると、インバータ81からノードN23に“H”の信号が出力される。出力指示信号DOTが“L”のときに、有効データが現われ、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がる。これにより、ノードN2の電位が“H”に立上がり、ドライブトランジスタ2aがオン状態、ドライブトランジスタ1がオフ状態となり、出力ノード6は緩やかに放電される。
ノードN2の電位が“H”に立上がると、ノードN23の電位が“H”であるため、NAND回路82からノードN24へ“L”の信号が出力される。ノードN24の電位が“L”となると、フリップフロップ84がセットされ、そのノードN25の電位が“H”となる(ノードN26の電位は“H”にある)。ノードN25が“H”に立上がると、フリップフロップ84に含まれるNAND回路NA4は、その両入力に“H”の信号を受けるため、ノードN26の電位が“L”となり、ノードN25の電位が“H”に固定される。
ノードN25の電位が“H”に立上がると、ノードN27の電位が“L”となる。ノードN27の電位が“H”のとき、AND回路83の出力は、出力指示信号DOTが“L”であり、“L”となる。したがって、NAND回路86の出力は“H”に固定される。
遅延回路87が有する遅延時間T1が経過すると、NAND回路89は、遅延回路87から“L”の信号を受け、ノードN30に“H”の信号を出力する。このときノードN2の電位は“H”であり、AND回路90はノードN31上に“H”の信号を出力し、ドライブトランジスタ2bをオン状態とする。これにより出力ノード6はドライブトランジスタ2bを介して高速で放電される。
上述のように、無効データが存在する場合には、出力指示信号DOTの変化よりも先に出力許可信号OEMが活性状態となる。この場合には、遅延時間の長い遅延回路87により、出力ドライブトランジスタ2bのオン移行タイミングが決定される。これにより出力ノード6の電位が十分低下した後に出力ノード6はドライブトランジスタ2bを介して高速で放電される。論理の異なる無効データおよび有効データが出力される場合であってもリンギングの発生を安定に確実に防止することができる。
次に図17(B)を参照して無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。
無効データが出力されない場合には、出力許可信号OEMは、出力指示信号DOTが発生された後に“H”となる。図5の回路構成から明らかなように、出力指示信号DOTが“H”のときに、遅延コラムアドレスストローブ信号ZCASEに従って、出力許可信号OEMが発生される。
この状態においては、出力許可信号OEMが“H”に立上がったとき、既に有効な“H”の読出データ信号ZDDが出力されており、ノードN2の電位は出力許可信号OEMの電位の立上がりに応答して“H”となる。ノードN2の電位が“H”に立上がると、出力指示信号DOTは既に“H”に復帰しており、AND回路83は、ノードN28に“H”の信号を出力する。一方、フリップフロップ84においては、ノードN26は、初期状態において“H”に設定されており、ノードN25は初期状態において“L”に設定されている。したがって、ノードN2の電位が“L”のときに、出力指示信号DOTが“L”となっても、このフリップフロップ84のラッチ状態は変化しない。同様に、ノードN2の電位が“L”から“H”に立上がっても、NAND回路82の出力は“H”であり(インバータ回路81の出力は既に“L”に立下がっている)、フリップフロップ84のラッチ状態は変化しない。したがって、ノードN27の電位は“H”に固定される。
この状態においては、ノードN2の電位が“H”に立上がり、応じてノードN28の電位が“H”に立上がると、ノードN29の電位がNAND回路86により“L”に立下がる。遅延回路88が有する遅延時間T2の経過後、NAND回路89は、ノードN30に“H”の信号を出力する。これにより、AND回路90がノードN31上に“H”の信号を出力し、ドライブトランジスタ2bをオン状態とする。
無効データが出力されない場合は、アドレスアクセス時間TASCが比較的長い場合である。この場合、無効データ信号は出力されないため、出力許可信号OEMが活性化されると、出力ノード6はドライブトランジスタ2aにより緩やかに放電され、その電位が低下する。このとき遅延回路88が与える遅延時間T2の経過後、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を高速で接地電位レベルまで放電する。このとき、無効データは出力されていないため、出力ノード6の電位が十分に低下してから駆動力の大きいドライブトランジスタ2bが活性化されており、したがって、リンギングが生じることなく安定な出力信号が得られる。
なお、この図17に示す動作波形図において、内部読出データ信号ZDDは、“L”の状態にスタンバイ時に設定されている。これは第1の実施の形態の場合と同様に、出力ノードを中間電位に保持する場合に内部データ線915aおよび915bをともに接地電位レベルにプリチャージする構成が利用されている。
ドライブトランジスタ2aおよび2bの電流駆動力は、ドライブトランジスタ2aおよび2bのサイズ、すなわちゲート幅Wとゲート長Lの比を異ならせることにより実現することができる。ドライブトランジスタ2aおよび2bのβ(W/Lに比例する定数)を異ならせればよい。
またドライブトランジスタ2aおよび2bは特にその電流駆動力を異ならせる必要はない。ドライブトランジスタ2bがオン状態のとき、ドライブトランジスタ2aもオン状態となっているため、2つのトランジスタを介して出力ノード6が放電されるため、等価的に出力ノード6の放電能力が大きくされており、このドライブトランジスタ2aおよび2bの電流駆動力が同じであっても同様の効果を得ることができる。
また出力ノード6を放電するトランジスタが3以上の複数個設けられており、出力ノード6の放電が複数段階にわたって実現されるものであっても上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。この構成は、図16に示す構成において、AND回路90の出力にさらに遅延回路を設け、この遅延回路出力に応答して導通するトランジスタを出力ノード6と接地電位との間に余分に設けることにより容易に実現することができる。
また図16に示す遅延回路87および88は、遅延回路87の遅延時間が遅延回路87の遅延時間よりも短いという条件を満足する限りインバータの段数は任意であり、またインバータと異なる遅延素子が用いられてもよい(たとえばRC遅延素子)。
[変形例1]
図18は、図16に示す出力回路の変更例の要部の構成および動作を示す図である。図18(A)において、出力制御部には、図16に示す遅延回路87および88は設けられない。NAND回路89は、図16に示すNAND回路86およびインバータ回路85からの信号を受ける。NAND回路89の出力は図16に示すAND回路90へ与えられる。
図18(A)において、NAND回路89は、電源電位供給ノードと出力ノード894との間に設けられ、そのゲートにNAND回路86からの出力信号Aを受けるpチャネルMOSトランジスタ890と、電源電位供給ノードと出力ノード894との間に設けられ、そのゲートにインバータ回路85からの出力信号Bを受けるpチャネルMOSトランジスタ891を含む。トランジスタ890の電流駆動力はトランジスタ891の電流駆動力よりも大きくされる。NAND回路89は、さらに、NAND回路86からの出力信号Aをゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ892と、インバータ回路85からの出力信号Bをゲートに受けるnチャネルMOSトランジスタ893を含む。トランジスタ892および893は、出力ノード894と接地電位ノードとの間に直列に接続される。出力ノード894上の信号は、次段のAND回路90へ与えられる。トランジスタ892および893の電流駆動力は同一に設定されていればよい。次にこの図18(A)に示すNAND回路の動作をその動作波形図である図18(B)を参照して説明する。
NAND回路86からの出力信号Aが“L”にあれば、pチャネルMOSトランジスタ890がオン状態となる。これにより出力ノード894の電位はトランジスタ890により比較的大きい駆動力で充電され、比較的高速で“H”へ立上がる。
一方、インバータ回路85からの出力信号Pが“L”となると、pチャネルMOSトランジスタ891がオン状態となり、出力ノード894は、このトランジスタ891を介して比較的緩やかに充電される。この出力ノード894上の信号は次段のAND回路90へ与えられる。出力ノード894上の信号電位が次段のAND回路90の入力論理しきい値を超えると、AND回路90からは“H”の信号が出力される。したがって、図18(B)に示すように、このトランジスタ890および891の電流駆動力を適当な値に設定することにより、AND回路90の出力が“H”に立上がるのに要する時間を、図16に示す遅延回路87および88が与える遅延時間と同一時間に設定することができる。
[変形例2]
図19は、第3の実施の形態の第2の変形例の出力回路の制御部の構成を示す図である。図19におい、制御部は、出力許可信号DOTおよび出力指示信号OEMを受けるゲート回路91および92と、ゲート回路91の出力の立上がりに応答してセットされるフリップフロップ93と、ゲート回路92の出力の立上がりに応答してセットされるフリップフロップ94と、ノードN2上の信号を所定時間遅延させる遅延回路95と、遅延回路95の出力とフリップフロップ93の出力とを受けるAND回路96と、フリップフロップ94のQ出力と遅延回路95の出力とを受けるAND回路97と、ノードN2上の信号とADN回路96の出力を受けるAND回路98と、ノードN2上の信号とAND回路97の出力とを受けるAND回路99と、AND回路98の出力に応答して出力ノード6を接地電位レベルへと放電するドライブトランジスタ2baと、AND回路99の出力に応答して出力ノード6を接地電位レベルへ放電するドライブトランジスタ2bbを含む。
ゲート回路91は、信号DOTおよびOEMがともに“L”のときに“H”の信号を出力する。出力許可信号OEMが“L”のときに出力指示信号DOTが“L”となる場合は、図17(B)に示すように、無効データが出力されない場合である。このときには、ゲート回路91は“H”の信号を出力してフリップフロップ93をセットし、このフリップフロップ93のQ出力から“H”の信号を出力させる。
ゲート回路92は、出力許可信号OEMが“H”のときに出力指示信号DOTが“L”となると“H”の信号を出力する。出力許可信号OEMが“H”のときに出力指示信号DOTが“L”となるのは、無効データ信号が出力される場合である。このときは、ゲート回路92が“H”の信号を出力し、フリップフロップ94をセットし、このフリップフロップ94のQ出力が“H”の信号を出力させる。
次に動作について簡単に説明する。出力ノードN2上の電位が“H”となると、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6を緩やかに放電する。所定時間が経過すると、遅延回路95の出力が“H”となる。無効データが出力される可能性のある場合、ゲート回路92によりフリップフロップ94がセットされており、そのQ出力から“H”の信号を出力する。無効データが出力される可能性のない場合には、ゲート回路91によりフリップフロップ93がセットされてそのQ出力から“H”の信号を出力する。
遅延回路95の出力が“H”となると、AND回路96および97の一方の出力が“H”となる。応じてAND回路98および99の一方の出力が“H”となる。
ドライブトランジスタ2baの電流駆動力はドライブトランジスタ2bbの電流駆動力よりも大きくされている。したがって、無効データが出力されない場合には、フリップフロップ93、AND回路96および98により、ドライブトランジスタ2baがオン状態とされ、この出力ノード6の電位を高速で放電する。無効データが出力されない場合、出力ノード6の電位振幅は、既にドライブトランジスタ2aにより放電されており、大きな駆動力でこの出力ノード6を放電してもリンギングは生じることはなく、安定に出力信号を生成することができる。
無効データが出力される可能性のある場合、フリップフロップ94、AND回路97および99を介してドライブトランジスタ2bbがオン状態となる。この無効データ信号が出力される可能性のある場合、出力ノード6の電位は十分に立下がっていないことが考えられる。したがってこのとき、出力ノード6は、比較的小さな駆動力を有するドライブトランジスタ2bbにより緩やかに放電される。このとき、ドライブトランジスタ2aおよび2bbがともにオン状態となるため、ドライブトランジスタ1個で出力ノード6を駆動する場合よりも高速で放電される。これにより、リンギングが生じることなく安定に出力信号を生成することができる。
スタティックコラム動作モード時においては、信号OEMが“H”のときに、出力指示信号DOTが“L”となる。先に無効データが出力される可能性がある場合、フリップフロップ93がセットされており、このスタティックコラム動作モード時には続けてセット状態とされる。フリップフロップ93および94は出力許可信号OEMの立下がりに応答してリセットされている。スタティックコラムモード時においては、フリップフロップ93および94がともにセット状態とされ、ドライブトランジスタ2baおよび2bbがともにオン状態となることが考えられる。しかしながら、スタティックコラムモード時において、先に第1の実施の形態において示したように、データ信号の出力完了後出力ノード6は中間電位に一旦設定されており、ドライブトランジスタ2a、2baおよび2bbがすべてオン状態となっても、リンギングが発生する可能性はない。
このとき、フリップフロップ93および94は、アドレス変化検出信号φATDによってもリセットされるように構成されてもよい。この場合、出力信号OEMの反転信号とアドレス変化検出信号φATDとの論理和をとり、その論理和出力をフリップフロップ93および94のリセット入力へ与えればよい。このように列アドレス変化検出信号φATDに従ってフリップフロップ93および94をリセットする場合、スタティックコラムモード動作時においては、フリップフロップ94がセットされ、ドライブトランジスタ2aおよび2bbにより出力ノード6の放電が実行される。
出力ノード6は中間電位から接地電位レベルへと放電されるため、2つのドライブトランジスタ2aおよび2bbのみで出力ノード6をドライブしても、十分高速で出力ノード6を接地電位レベルへと放電することができる。
また、図19に示す構成において、AND回路96が遅延回路95の出力信号とNAND回路86の出力信号とを受け、また、AND回路97が遅延回路95の出力信号とインバータ85(図16参照)の出力信号を受けるように構成されても、同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
図20は、この実施の形態3の出力回路の第3の変形例を示す図である。図20においては、図16に示すNAND回路89と遅延回路87aおよび88の部分の構成を示す。図20において、遅延回路87aは、インバータ85からノードN27へ与えられた信号を遅延するための遅延回路87aと、ノードN29(NAND回路86出力)を所定時間遅延させる遅延回路88を含む。遅延回路87aは、3段の縦続接続されたインバータ回路871〜873と、遅延回路88の出力を一方入力に受け、インバータ回路873の出力を他方入力に受けるゲート回路874を含む。ゲート回路874は、インバータ回路873の出力が“L”であり、遅延回路88の出力が“H”のときに“H”の信号を出力する。この遅延回路87aおよび88の出力はNAND回路89へ与えられる。NAND回路89の出力はAND回路90へ与えられる。AND回路90は、ノードN2上の電位が“H”にあり、かつNAND回路89の出力が“H”のときに、ドライブトランジスタ2bをオン状態とする。
図21は、図20に示すNAND回路89の構成を示す図である。図21において、NAND回路89は、ノードN40上の信号電位をゲートに受けるpチャネルMOSトランジスタ89aおよび89cと、ノードN41上の信号電位をゲートに受けるpチャネルMOSトランジスタ89bおよびnチャネルMOSトランジスタ89dを含む。トランジスタ89aおよび89bは、電源電位ノードと出力ノードN30との間に互いに並列に設けられる。トランジスタ89cおよび89dは、出力ノードN30と接地電位との間に直列に接続される。トランジスタ89aおよび89bは同一サイズとされてもよく、また、トランジスタ89bのサイズ(チャネル幅)はトランジスタ89aのそれよりも大きくされてもよい。次にこの図20および図21に示す回路の動作をその動作波形図である図22を参照して説明する。
無効出力が存在する場合、ノードN29の電位レベルは“H”であり、応じてノードN41上の信号電位も“H”にある。この場合、遅延回路87aに含まれるゲート回路874はインバータ回路として機能する。したがって、ノードN27上の信号電位が“L”となると、所定時間経過後にノードN40の電位が“L”となる。このとき、図21に示すように、NAND回路89においては、pチャネルMOSトランジスタ89aのみがオン状態とされており、出力ノードN30は、このトランジスタ89aのみを介して充電される。このため、ノードN30の電位上昇が比較的緩やかとなる。ノードN30の電位レベルがAND回路90の入力論理しきい値を超えると、ノードN2の電位は“H”にあるため、AND回路90の出力が“H”となる(ノードN31の電位)。
一方、無効出力が存在しない場合には、ノードN27上の電位は“H”であり、このときゲート回路874はバッファ回路として機能する。ノードN29の電位が“L”となると、遅延回路88により、所定時間経過後のノードN41上の電位が“L”となり、ゲート回路874の出力が“L”となる。NAND回路89においては、pチャネルMOSトランジスタ89aおよび89bがともにオン状態となり、出力ノードN30は、この2つのトランジスタ89aおよび89bにより充電され、その電位が上昇する。ノードN30の電位がAND回路90の入力論理しきい値を超えると、AND回路90はノードN31上に“H”の信号を出力する。
このノードN30上の信号電位の立上がりが、無効出力がある場合には、比較的緩やかであり、無効出力がない場合には比較的速くなる。これにより、ノードN31上の信号電位の立上がり時間を異ならせることができ、出力ドライブトランジスタ2bのオンタイミングを無効出力がある場合と無効出力がない場合とで異ならせることができる。このとき、AND回路90の入出力応答特性が比較的なだらかなものであれば、ノードN31上の信号電位の立上がりもノードN30のそれに類似するものとなり、出力ドライブトランジスタ2bは、無効出力がある場合には、その駆動力が徐々に増大し、無効出力がない場合にはその駆動力は急速に増加する。これにより、リンギングの発生が生じる可能性のない場合には、出力ノード6を高速で放電することができる。
[実施の形態4]
図23は、第4の実施の形態の出力回路の制御部の構成を示す図である。図23においても、出力信号Qを接地電位レベルへ放電するための回路構成が示される。
図23において、出力回路は、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDを受けるインバータ回路5の出力とを受けるAND回路3と、内部読出データ信号ZDDと出力許可信号OEMを受けるAND回路4と、AND回路3の出力に応答して導通して、出力ノード6を電源電位Vccレベルに充電するドライブトランジスタ1と、AND回路4の出力に応答して出力ノード6を接地電位レベルへと放電するドライブトランジスタ2aと、ドライブトランジスタ2aと並列に設けられ、制御回路100からの制御信号に応答して、出力ノード6を接地電位レベルへと放電するドライブトランジスタ2bを含む。
制御回路100は、ノードN2上の信号(AND回路4の出力)の論理を反転するインバータ回路81と、ノードN2上の信号電位とインバータ回路81の出力を受けるAND回路101と、出力指示信号DOTの論理を反転するインバータ回路102と、AND回路101の出力とインバータ回路102の出力を受けるNAND回路103と、AND回路101の出力と出力指示信号DOTを受けるNAND回路104と、NAND回路103の出力とノードN2上の信号を受けるラッチ回路105と、NAND回路104の出力とノードN2上の信号とを受けるラッチ回路106を含む。
ラッチ回路105は、NAND回路103の出力を一方入力に受けるNAND回路NA5と、ノードN2上の信号を一方入力に受けるNAND回路NA6を含む。NAND回路NA6の出力はNAND回路NA5の他方入力へ与えられる。NAND回路NA5の出力はNAND回路NA6の他方入力へ与えられる。ラッチ回路106も、交差結合されたNAND回路NA7およびNA8を含む。NAND回路NA7は、その一方入力にNAND回路104の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA8の出力を受ける。NAND回路NA8は、その一方入力にノードN2上の信号を受け、その他方入力にNAND回路NA7の出力を受ける。
出力制御回路100は、さらにフリップフロップ105のNAND回路NA5の出力(ノードN46上の信号)を所定時間遅延させかつその論理を反転させる遅延段107と、フリップフロップ106のNAND回路NA7の出力を所定時間遅延させかつその論理を反転させる遅延回路108と、遅延回路107および108の出力を受けるNAND回路89と、ノードN2上の信号とNAND回路89の出力を受けるAND回路90を含む。AND回路90の出力はドライブトランジスタ2bのゲートへ与えられる。
遅延回路107の遅延時間は遅延回路108の遅延時間よりも長く設定される。次に図23に示す回路の動作をその動作波形図である図24を参照して説明する。
まず図24(A)を参照して、無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。この場合においても無効データ信号が“L”であり、有効データ信号が“H”の状態が示される。初期状態においては、出力許可信号OEMは“L”にあり、出力指示信号DOTは“H”にある。出力許可信号OEMが“H”に立上がっても、そのとき内部読出データ信号ZDDは“L”にあり、ノードN2の電位は“L”にある。
この状態において、出力指示信号DOTが“L”に立下がると、インバータ回路102により、ノードN43の電位が“H”となり、NAND回路103はこの間インバータとして機能する。NAND回路104の出力は、AND回路101の出力が“L”であり、“H”の状態を維持する。
有効データ信号ZDDが内部データバス線915bに与えられると、応じてノードN2の電位が“H”に立上がる。これにより、インバータ回路81の出力が“L”となるが、このインバータ回路81の有する遅延時間により、AND回路101からは、インバータ回路81が与える遅延時間の時間幅を有する“H”のパルス信号が発生される。
このAND回路101からのワンショットのパルス信号に応答して、NAND回路103からはノードN45上に、ワンショットの“L”のパルス信号が発生される。これにより、ラッチ回路105において、NAND回路NA5の出力が“H”となり、ノードN46の電位は“H”にセットされる。
ノードN44上にワンショットの“H”のパルス信号が発生されても、この間出力指示信号DOTが“L”であり、ラッチ回路106のラッチ状態は変化しない(NAND回路104の出力は“H”を維持する)。すなわち、ノードN49(ラッチ回路106のNAND回路NA7の出力)は“L”に固定される。遅延回路108の出力は“H”であり、NAND回路89がインバータ回路として機能する。
遅延回路107が有する遅延時間が経過すると、遅延回路107から“L”の信号が出力されてNAND回路89の出力が“H”となる。次いで、ノードN2の電位が“H”であるため、AND回路90の出力(ノードN31上の信号電位)が“H”となり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。
すなわち、無効データ信号が出力される場合には、ドライブトランジスタ2aがオン状態となってから遅延回路107が有する遅延時間T1が経過した後にドライブトランジスタ2bがオン状態となる。これにより、無効データ信号と有効データ信号の論理が異なる場合、出力ノード6の電位が十分低下してリンギングが発生しないレベルに到達したときにドライブトランジスタ2bがオン状態とされる。
次に図24(B)を参照して、無効データが出力されない場合の動作について説明する。この状態においては、まず出力指示信号DOTが所定期間“L”となる。この出力指示信号DOTに応答して、インバータ回路102の出力は、所定期間“H”となる。しかしながら、このときノードN2の電位は“L”であり、AND回路101の出力は“L”である。したがって、NAND回路103および104の出力は、“H”を維持する。
この出力指示信号DOTが“L”の期間において、有効データが内部データバス線915b上に伝達され、内部データ信号ZDDが“H”となる。出力指示信号DOTが“H”となってから、出力許可信号OEMが“H”となり、ノードN2の電位が“H”となる。
ノードN2の電位の立上がりに応答して、AND回路101からノードN44上に、ワンショットの“H”のパルス信号が発生される。このとき、出力指示信号DOTは既に“H”に復帰しており、インバータ回路102の出力は“L”である。したがって、NAND回路103の出力は“H”を維持する。
一方、NAND回路104は、このAND回路101からのワンショットの“H”のパルス信号に応答して、“L”のパルス信号を発生する。これにより、ラッチ回路106のNAND回路NA7の出力が“L”から“H”に立上がる。このNAND回路NA7の出力(ノードN49上の信号電位)の“H”への移行に応答して、NAND回路NA8の出力が“L”に立下がり、ノードN49の電位は“L”にラッチされる。
遅延回路108が有する遅延時間T2が経過した後、この遅延回路108の出力が“H”に立上がる。
ノードN46の電位が“L”であり、遅延回路107の出力は“H”である。したがって、NAND回路89の出力が、この遅延回路108の出力に応答して“H”に立上がり、続いてAND回路90の出力が“H”に立上がる。ドライブトランジスタ2bがAND回路90の出力に応答して導通し、出力ノード6を接地電位レベルへと放電する。
上述のように、無効データ信号が出力されない場合には、遅延回路108が有する遅延時間が経過した後に、ドライブトランジスタ2bがオン状態とされている。遅延回路108の有する遅延時間は遅延回路107が有する遅延時間よりも短い。このため、無効データ信号が出力されない場合には、より速いタイミングでドライブトランジスタ2bをオン状態とさせることができる。
上述のように無効データ信号の発生の有無に従って、ドライブトランジスタ2bのオンタイミングを調節することにより、確実にリンギングの発生を防止することができる。
この図23に示す構成においても、先の実施の形態1と同様様々な修正を行なうことができる。以下に述べる変形例においても、先の実施の形態において説明したものと同様、出力ノード6の電位をプルアップのための回路構成がさらに利用される、また遅延回路のインバータの段数は適当に設定される、などの修正を行なうことができる。
[変形例1]
図25は、第4の実施の形態の第1の変形例を示す図である。図25においても、出力ノード6の放電時におけるリンギングの発生を防止するための回路構成が示される。図25において、制御回路100は、ノードN2上の信号電位を反転するインバータ回路110と、ノードN2上の信号とインバータ回路110の出力を受けるAND回路111と、出力指示信号DOTを受けるインバータ回路112と、AND回路111の出力とインバータ回路112の出力とを受けるNAND回路113と、NAND回路113の出力を所定時間T1遅延させる遅延回路114と、AND回路111の出力と出力指示信号DOTを受けるNAND回路114と、NAND回路118aの出力を所定時間T2(T2<T1)遅延させる遅延回路118bと、遅延回路118aおよび118bの出力を受けるNAND回路115と、NAND回路115の出力を反転するインバータ回路116と、インバータ回路116の出力とノードN2上の信号とを受けるラッチ回路117を含む。
ラッチ回路117は、交差結合されたNAND回路NA9およびNA10を含む。NAND回路NA10からドライブトランジスタ2bを駆動するための信号が出力される。NAND回路NA9は、その一方入力にノードN2上の信号電位を受け、NAND回路NA10は、その一方入力にインバータ回路116の出力を受ける。NAND回路NA9およびNA10の出力と他方入力とは交差結合される。次にこの図25に示す回路の動作をその動作波形図である図26を参照して説明する。
まず図26(A)を参照して、無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。まず出力指示信号OEMが“H”に立上がる。この状態においては、読出データ信号ZDDは、“L”にあり、無効データ信号である。この状態では、ノードN2の電位は“L”であり、AND回路111の出力も“L”にあり、NAND回路113および114の出力は“H”にある。NAND回路115は、遅延回路118aおよび118bの出力に従って、“L”の信号を出力しており、インバータ回路116は“H”の信号を出力している。ノードN2の信号電位は“L”であり、ラッチ回路117において、NAND回路NA9の出力は“H”にあり、NAND回路NA10の出力は“L”にある。
出力指示信号DOTが所定期間“L”となると、応じてインバータ回路112の出力が“H”となる。この出力指示信号DOTの“L”の期間において、有効データが読出され、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がり、応じてノードN2の電位が“H”に立上がる。ノードN2の電位の立上がりに応答して、AND回路111およびインバータ回路110からなるワンショットパルス信号発生回路により、ノードN74上にワンショットの“H”のパルス信号が発生される。NAND回路113は、インバータ回路112を介して“H”の信号を一方入力に受けており、したがってAND回路111の出力の立上がりに応答して、“L”の信号をノードN75上に伝達する。
一方、NAND回路114は、出力指示信号DOTが“L”にあるため、このAND回路111からのワンショットのパルス信号に応答せず、“H”の信号を出力する。
遅延回路118aが有する遅延時間T1が経過した後、この遅延回路118aの出力が“L”となり、NAND回路115の出力が“H”となる(遅延回路115の出力が“H”)。このNAND回路115の出力に従って、インバータ回路116からノードN77上にワンショットの“L”の信号が出力される。これにより、NAND回路NA10が“H”の信号を出力し、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。
インバータ回路116の出力が“H”に復帰しても、NAND回路NA9は、先のワンショットのパルス信号に応答してNAND回路NA10から発生された“H”の信号に応答して“L”の信号を出力している。したがって、インバータ回路116の出力が“H”に復帰しても、NAND回路NA10の出力は“H”を維持する。
ノードN2の電位が“L”となると、ラッチ回路117において、NAND回路NA9の出力が“H”となり、NAND回路NA10はその両入力に“H”の信号を受けるため、“L”の信号を受ける。これにより、ドライブトランジスタ2bがオフ状態となる。
上述のように、無効データ信号が出力される場合には、遅延時間が長い遅延回路114により、ドライブトランジスタ2bがオンするタイミングが決定される。
次に図26(B)を参照して、無効データが出力されない場合の出力ノード6の放電動作について説明する。
まず出力指示信号DOTが“L”となりインバータ回路112の出力が“H”となる。このとき、まだノードN2の信号電位は“L”であり、AND回路111の出力は“L”であり、NAND回路114の出力はこの出力指示信号DOTの変化とは無関係に“H”を維持する。この状態においては、遅延回路118aおよび118bの出力はともに“H”であり、NAND回路115の出力は“L”、インバータ回路116の出力が“H”にあり、NAND回路NA10の出力は“L”である。
有効データ信号が内部データバス線915b上に与えられ、内部データ信号ZDDが“H”に立上がる。この後出力許可信号OEMが“H”となり、ノードN2の電位が“H”となる。このノードN2の信号電位の立上がりに応答して、AND回路111からワンショットの“H”のパルス信号が発生される。このとき、出力指示信号DOTは“H”にあり、インバータ回路112の出力は“L”である。したがって、NAND回路113の出力は変化せず、“H”の状態にあり、一方、NAND回路114からノードN76上にワンショットの“L”の信号が出力される。遅延回路118bが有する遅延時間T2が経過した後、この遅延回路118bの出力が“L”となり、NAND回路115の出力が“H”となる。応じて、インバータ回路116の出力が“L”となり、NAND回路NA10がノードN78上に“H”の信号を出力する。ノードN78上の“H”の信号に応答してドライブトランジスタ2bがオン状態となる。
無効データ信号が出力されない場合には、したがって遅延回路118bが有する遅延時間により、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるタイミングが決定される。無効データ信号が出力されない場合、ドライブトランジスタ2bがオン状態となっても、出力ノードの電位は十分低く、リンギングが生じることはなく、安定に“L”の信号を出力することができる。
この図25に示す変形例においても、種々の修正を加えることができる。
[変形例2]
図27は第4の実施の形態の第2の変形例の出力回路制御部の構成を示す図であるる図27において、出力制御回路100は、内部読出データ信号ZDDと、インバータ回路5の出力と出力許可信号OEMを受けるNAND回路121と、出力許可信号OEMとNAND回路121の出力を受けるラッチ回路122を含む。ラッチ回路122は、NAND回路NA11およびNA12を含む。NAND回路NA11は、その一方入力に出力許可信号OEMを受け、その他方入力にNAND回路NA12の出力を受ける。NAND回路NA12は、その一方入力にNAND回路121の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA11の出力を受ける。
出力制御回路100は、さらに、ラッチ回路122のNAND回路NA12の出力を受けるインバータ回路124と、ノードN2上の信号を所定時間遅延する遅延回路123と、インバータ回路124の出力と遅延回路123の出力を受けるNAND回路126と、インバータ回路124の出力を所定時間T4遅延する遅延回路125と、NAND回路126の出力と遅延回路125の出力を受けるNAND回路89と、NAND回路89の出力とノードN2上の信号を受けるAND90を含む。AND回路90からドライブトランジスタ2bのゲートへドライブ制御信号が与えられる。次に、図27に示す出力制御部の動作についてその動作波形図である図28を参照して説明する。この図27に示す出力制御回路においては、出力指示信号DOTは用いられていない。
まず図28(A)を参照して、無効出力が存在する場合の動作について説明する。無効データ信号が出力される場合には、内部読出データ信号ZDDの変化よりもさきに出力許可信号OEMが“H”に立上がる。出力許可信号OEMT“H”となった状態で、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がると、ノードN2の電位がAND回路4を介して“H”に立上がる。
一方、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がっても、インバータ回路5の有する遅延時間により、インバータ回路5の出力は“H”レベルにある。したがって、NAND回路121はその3入力がすべて“H”となり、インバータ回路5が有する遅延時間の間“L”となる信号を出力する。
NAND回路121からノードN82に“L”の信号が出力されると、ラッチ回路122に含まれるNAND回路NA12の出力が“H”となる。このNAND回路NA12からノードN84上に与えられた“H”の信号により、NAND回路NA11の出力が“L”となる。このラッチ回路122の出力ノードN84の“H”の状態は、出力許可信号OEMが“H”の間保持される。
ノードN84上の電位が“H”に立上がると、インバータ回路124により、ノードN85の電位が“L”となる。遅延回路123の出力は、このインバータ回路124の出力が“L”に立下がる前は、“L”にある。遅延回路123の出力がノードN2の電位立上がりに応答して“H”となる場合には、既にノードN85の電位は“H”となっている。したがって、NAND回路126の出力は“H”に固定される。
ノードN85上の“L”が遅延回路125を介してNAND回路89の一方入力へ伝達されると、NAND回路89からノードN30上に“H”の信号が出力される。これに応答して、AND回路90からノードN31上に“H”の信号が出力され、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。すなわち、無効データ信号が出力される場合には、遅延回路125が有する遅延時間T4により決定されるタイミングでドライブトランジスタ2bがオン状態となる。この遅延回路125の有する遅延時間は、遅延回路123が有する遅延時間T3よりも長く設定されている。したがって、出力ノード6の電位が十分低下した後にドライブトランジスタ2bがオン状態となり、リンギングの発生を効果的に防止することができる。
次に図28(B)を参照して、無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。無効データ信号が出力されない場合には、内部読出データZDDが“H”に立上がり、有効状態となってから、出力許可信号OEMが“H”となる。出力許可信号OEMが“H”となったとき、インバータ回路5の出力は既に“L”となっており、NAND回路121の出力は“H”にある。また、内部読出データ信号ZDDが“L”から“H”に変化しても、その場合には、出力許可信号OEMが“L”にある。したがって、NAND回路121からは“H”の信号が常時出力される。
出力許可信号OEMが“H”となると、ノードN2の電位が“H”に立上がる。ラッチ回路122は、NAND回路121の出力が“H”であり、出力許可信号OEMが“L”のときには、NAND回路NA11が“L”の信号を出力しており、NAND回路NA12からは“H”の信号が出力される。このため、NAND回路NA11は、出力許可信号OEMが“H”に立上がっても、ノードN84の電位が“L”にあり、NAND回路NA11の出力は“H”固定である。すなわち、ノードN84の電位は“L”に固定され、ノードN85の電位は“H”に固定される。
ノードN2の電位が“L”から“H”に立上がり、遅延回路123が有する遅延時間T3が経過した後、遅延回路123の出力が“H”となり、NAND回路126の出力が“L”となる。遅延回路125の出力は“H”に固定されているが、このNAND回路126からノードN86に伝達された“L”の信号に応答して、NAND回路89の出力が“H”に立上がり、応じてAND回路90の出力が“H”に立上がる。すなわち、無効データ信号が出力されない場合には、遅延回路123が有する遅延時間T3により、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるタイミングが決定される。有効データ信号が出力されてから比較的短い期間でドライブトランジスタ2bがオン状態となるが、この場合には、出力ノード6はたとえば中間電位から放電されており、その電位レベルが十分に低下しており、ドライブトランジスタ2bがオン状態となっても、何らリンギングは生じず、安定な出力信号が得られる。
この図27に示す第2の変形例の出力制御回路の構成においても、第1の変形例と同様、出力信号をプルアップするための構成が用いられてもよく、また他の同様の修正が行なわれてもよい。
[変形例3]
図29は、第4の実施の形態の第3の変形例の構成を示す図である。図29においても、出力ノード6を接地電位レベルへ放電するための出力制御回路の構成が示される。
図29において、出力制御回路100は、出力許可信号OEMと、内部読出データ信号ZDDと、インバータ回路5の出力を受けるNAND回路130と、ノードN2上の信号電位を所定時間遅延する遅延回路131と、出力許可信号OEMとNAND回路130の出力を受けるラッチ回路132を含む。ラッチ回路132は、交差結合されたNAND回路NA13およびNA14を含む。NAND回路NA13はその一方入力に出力許可信号OEMを受け、その他方入力にNAND回路N14の出力を受ける。NAND回路NA14は、その一方入力にNAND回路130の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA13の出力を受ける。
出力制御回路100は、さらに、遅延回路131の出力とラッチ回路132に含まれるNAND回路NA14の出力とを受けるNAND回路134と、ラッチ回路132からノードN95へ出力される信号を受けるインバータ回路133と、インバータ回路133の出力と遅延回路131の出力を受けるNAND回路135と、NAND回路134の出力を所定時間T1遅延する遅延回路136と、NAND回路135の出力を所定時間T2遅延させる遅延回路137と、遅延回路136および137の出力を受けるNAND回路139と、NAND回路89の出力とノードN2上の信号電位とを受けるAND回路90を含む。AND回路90からドライブトランジスタ2bのゲートへ信号が与えられる。次に図29に示す出力制御回路の動作をその動作波形図である図30を参照して説明する。
まず図30(A)を参照して無効出力がある場合の動作について説明する。この場合、まず内部読出データ信号ZDDが“L”のときに出力許可信号OEMが“H”に立上がる。この状態において、NAND回路130の出力(ノードN92上の信号電位)は“H”にある。
有効データ信号が伝達され、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がると、ノードN2の電位が“H”に立上がる。このときまた、インバータ回路5の有する遅延時間により、NAND回路130は、ワンショットの“L”の信号を出力する。これにより、ラッチ回路132において、NAND回路NA14の出力が“H”に立上がり、NAND回路NA13はその両入力の信号がともに“H”となり、ノードN94の電位が“L”に立下がる。このラッチ回路132のラッチ状態は、出力許可信号OEMが“H”の期間維持される。
ノードN2の電位が“H”に立上がってから、遅延回路131の有する遅延時間が経過した後、ノードN93の電位が“H”に立上がる。ノードN95の電位は“H”にあり、NAND回路134からノードN97上に“L”の信号が出力される。
一方、NAND回路135は、ノードN96の電位がインバータ回路133により“L”に設定されているため、“H”の状態を維持する。したがって、遅延回路137の出力も変化せず、“H”の状態を維持する。
遅延回路136が有する遅延時間T1が経過した後、この遅延回路136の出力が“L”となり、NAND回路89からノードN30に“H”の信号が出力される。これにより、AND回路90の出力が“H”となる(ノードN2の電位は既に“H”にある)。このノードN31上の“H”の信号に応答して、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を高速で放電する。
次に図30(B)を参照して、無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。この場合には、内部読出データ信号ZDDが“H”となってから、出力許可信号OEMが“H”となる。したがって、NAND回路130の出力は“H”に固定され、ラッチ回路130により、その初期状態を維持する。初期状態においてラッチ回路132は、出力許可信号OEMが“L”にあるため、NAND回路NA14はノードN95に“L”の信号を出力している。したがって、インバータ回路133からはノードN96上に“H”の信号が常時出力される。
ノードN92の電位が“H”に立上がってから、遅延回路131が有する遅延時間が経過した後、ノードN93の電位が“H”に立上がる。ノードN95の電位は“L”にあり、ノードN96の電位は“H”にある。したがって、ノードN93の電位が“H”に立上がると、NAND回路135からノードN98へ“L”の信号が出力される。遅延回路137が有する遅延時間T2が経過すると、遅延回路137の出力が“H”に立上がる。これにより、NAND回路89からノードN30に“H”の信号が出力され、またノードN31上にAND回路90により“H”の信号が出力され、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。
すなわち、無効データ信号が出力される可能性のある場合には、遅延回路131および136が有する遅延時間により、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるタイミングが決定される。無効データ信号が出力されない場合には、遅延回路131と遅延回路137の有する遅延時間により、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるタイミングが決定される。これにより、無効データ信号の出力の有無に応じて、最適なタイミングでドライブトランジスタ2bをオン状態とすることができ、リンギングの発生を伴うことなく安定に出力信号を出力することができる。
この図29に示す出力制御回路においても、第1の変形例と同様種々の修正を加えることができる。
[変形例4]
図31は、この第4の実施の形態の出力制御回路の第4の変更例を示す図である。図31において、出力制御回路100は、ノードN2上の信号電位の立上がりに応答して、ワンショットの“H”のパルス信号を発生するためのインバータ回路110およびAND回路111と、出力指示信号DOTとAND回路111の出力を受けるNAND回路141と、ノードN2上の信号とNAND回路141の出力を受けるラッチ回路142を含む。ラッチ回路142は、NAND回路NA15およびNA16を含む。NAND回路NA15は、その一方入力にNAND回路141の出力を受け、その他方入力にNAND回路NA16の出力信号を受ける。NAND回路NA16は、その一方入力にノードN2の上の信号電位を受け、その他方入力にNAND回路NA15の出力を受ける。
出力制御回路100は、さらに、ラッチ回路142のNAND回路NA15の出力を受ける遅延回路143と、ノードN2上の信号を受ける遅延回路146と、遅延回路146および143の出力を受けるAND回路144と、ノードN2上の信号を反転するインバータ147と、インバータ147の出力とNOR回路145を含む。NOR回路145から、ノードN31を介してドライブトランジスタ2bのゲートにドライブ制御信号が与えられる。
遅延回路143および146は、与えられた信号を所定時間遅延するとともにその論理を反転する。インバータ回路147もまた遅延回路としての機能を備える。
次にこの図31に示す出力制御回路の動作をその動作波形図である図32を参照して説明する。
まず図32(A)を参照して無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。
まず出力許可信号OEMが“H”に立上がる。この状態においては、ノードN2の電位は内部読出データ信号ZDDが“L”であり、変化せず、“L”にある。
出力許可信号DOTが“L”に立下がると、所定時間経過後に“H”の有効データ信号が内部読出データ線915b上に伝達される。この“H”の内部読出データ信号ZDDに従って、ノードN2の電位は“H”に立上がる。このノードN2の電位の立上がりに応答して、AND回路111からは、ワンショットの“H”の信号が出力される。AND回路111が出力するワンショットパルス信号のパルス幅はインバータ回路110が有する遅延時間により決定される。
このワンショットパルス信号がAND回路111から発生されたとき、まだ出力指示信号DOTは“L”にあり、NAND回路141の出力は“H”に固定される。ラッチ回路142においては、初期状態において、ノードN2が“L”にあり、NAND回路NA16からは“H”の信号が出力されており、またNAND回路NA15からは、“L”の信号を出力している。したがって、ノードN2の電位が“H”に立上がっても、NAND回路NA16からノードN106に与えられる信号は“H”にあり、変化しない。すなわち、ラッチ回路142のラッチ状態は何ら変化せず、ノードN105の電位は“L”に固定される。
ノードN2の電位が“H”に立上がると、インバータ147が有する遅延時間が経過した後、インバータ回路147からノードN107へ“L”の信号が出力される。AND回路144は、遅延回路143から“H”の信号を受けている。したがって、ノードN2の電位が“H”に立上がってから、遅延回路146が有する遅延時間が経過した後、ノードN108の電位が“L”となり、AND回路144の出力が“L”となる。NOR回路145は、その両入力に“L”の信号を受け、ノードN31の電位を上昇させる。このとき後に説明するが、NOR回路145とAND回路144は複合ゲートを構成しており、その出力部は、1つのpチャネルMOSトランジスタのみがオン状態となる。これにより、ノードN31の電位は緩やかに上昇し、ドライブトランジスタ2bの駆動力は徐々に大きくされる。これにより出力ノード6の電位低下は緩やかにされる。これにより、無効信号が出力される場合においても、ドライブトランジスタ2bの駆動力が大きくされるのは、十分時間が経過してからであり、リンギングを発生させることなく安定に“L”の信号を出力することができる。
次に図31(B)を参照して無効データが出力されない場合の動作について説明する。
まず出力指示信号DOTが発生される。この出力指示信号DOTに応答して有効データ信号ZDDが“H”に立上がる。この状態において、ノードN2の電位は“L”にある。
出力指示信号DOTが“H”に立上がってから、出力許可信号OEMが“H”に立上がり、ノードN2の電位が“H”に立上がる。ノードN2の電位が“H”に立上がると、AND回路111は、インバータ回路110の遅延機能により、“H”のワンショットのパルス信号を発生する。AND回路111からの“H”のワンショットパルス信号に応答して、NAND回路141からノードN104へワンショットの“L”のパルス信号が発生される(信号DOTは既に“H”にある)。このノードN104上の“L”の信号に応答して、ラッチ回路142のNAND回路NA15の出力が“H”に立上がる。NAND回路NA15からノードN105へ与えられた“H”の信号により、NAND回路NA16がノードN106に“L”の信号を出力する。この状態は、ノードN2の電位が“H”の間保持される。
一方、ノードN2の電位の立上がりに応答して、インバータ回路147の出力が“L”となり、NOR回路145の出力が徐々に立上がる。次いで、遅延回路146の出力がノードN2上の信号の立上がりに応答して遅延時間が経過後“L”に立下がりAND回路144の出力が“L”となる。また遅延回路143の出力が“L”に立下がる。これによりAND回路144およびNOR回路145からな複合ゲートにおいては、少なくとも2つのpチャネルMOSトランジスタがオン状態となり、無効データ信号が出力される場合と異なり、大きな駆動力でノードN31の電位を上昇させ、ドライブトランジスタ2bは、有効データ信号がノードN2に現われてから比較的速いタイミングでオン状態となり、強い駆動力で出力ノード6を放電する。これにより、高速で出力ノード6の電位が立下がる。
上述のように、ドライブトランジスタ2bのゲートの電位を制御するゲートを複合ゲートで構成し、この複合ゲートのトランジスタのうちのオンとなる充電トランジスタの数を無効データ出力の有無に従って異ならせることにより、最適なタイミングで出力ノード6を接地電位レベルへと放電することができる。
図33は、図31に示すAND回路とNOR回路の複合ゲートの具体的構成を示す図である。図33を参照して、AND回路144およびNOR回路145は、電源電位供給ノードと出力ノードN31との間に互いに直列に接続されかつそれぞれのゲートがノードN107およびN109に接続されるpチャネルMOSトランジスタ151および152と、電源電位供給ノードとノードN31との間に直列に接続され、それぞれのゲートがノードN107およびN108に接続されるpチャネルMOSトランジスタ153および154と、出力ノードN31と接地電位ノードとの間に接続され、そのゲートがノードN107に接続されるnチャネルMOSトランジスタ155と、ノードN31と接地電位ノードとの間に直列に接続され、そのゲートにノードN108およびN109の電位を受けるnチャネルMOSトランジスタ156および157を含む。
この図33に示す複合ゲートの構成においては、ノードN107の電位が“L”のとき、NOR回路145はインバータ回路として機能する。このノードN107の電位が“L”のとき、図33において、トランジスタ151および153がオン状態、トランジスタ155がオフ状態となる。ノードN108の電位が“L”のときには、トランジスタ154がオン状態となる。したがって、無効データ信号が出力される可能性のある場合には、出力ノードN31は、トランジスタ153および154を介してのみ充電される。このときトランジスタ156がオフ状態にあり、放電経路は存在せず、ノードN31の電位は緩やかに上昇する。
一方、ノードN108およびN109の電位がともに“L”のとき、ノードN107の電位は“L”であるため、トランジスタ151および152を介してノードN31が充電されかつさらにトランジスタ153および154を介してノードN31が充電される。このとき放電用のトランジスタ155、156および157はすべてオフ状態にあるため、ノードN31は比較的高速で充電され、その電位が高速に立上がる。
ノードN107の電位が“H”となると、トランジスタ155がオン状態となり、ノードN31は、このトランジスタ155を介して放電され、その電位が“L”となる。このときトランジスタ151および153はオフ状態である。
上述の図33に示すような複合ゲートを用いることにより、ドライブトランジスタ2bのゲートすなわちノードN31の電位の上昇速度を無効データ信号の出力の有無したがって切換えることができ、最適なタイミングでドライブトランジスタ2bの駆動力を大きくすることができる。
図33に示す複合ゲートの構成において、pチャネルMOSトランジスタ151および153は共用され、1つのpチャネルMOSトランジスタで構成されてもよい。この図31に示す出力制御回路においても、先の実施の形態と同様種々の修正を付け加えることができる。
[変形例5]
図34は、第4の実施の形態の第5の変形例である出力回路の構成を示す図である。図34において、出力回路は、出力許可信号OEMを所定時間T5遅延させる遅延回路161と、内部読出データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、遅延回路161の出力とインバータ回路5の出力とを受けるAND回路3と、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDとを受けるAND回路4と、AND回路3の出力に応答して導通し、出力ノード6を電源電位Vccレベルに充電するnチャネルMOSトランジスタからなるドライブトランジスタ1と、AND回路4の出力に応答して導通し、出力ノード6を接地電位レベルへと放電するnチャネルMOSトランジスタからなるドライブトランジスタ2aを含む。
出力回路はさらに、AND回路4の出力を所定時間T6遅延させる遅延回路160と、ノードN2の信号(AND回路4の出力)と遅延回路160の出力を受けるAND回路90を含む。AND回路90の出力は、ドライブトランジスタ2bのゲートへ与えられる。ドライブトランジスタ2bの電流駆動力はドライブトランジスタ2aの電流駆動力よりも大きくされている。次にこの図34に示す出力回路の動作をその動作波形図である図35および図36を参照して説明する。
まず図35(A)を参照して、無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。無効データ信号が出力されない場合、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がってから出力許可信号“H”に立上がる。この出力許可信号OEMの立上がりに応答して、AND回路4は、ノードN2に“H”の信号を出力する。このノードN2の電位の立上がりに応答してドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6の電位を接地電位レベルへと緩やかに放電する。
次いで遅延回路160が有する遅延時間T6が経過した後、遅延回路160の出力が“H”となり、AND回路90の出力が“H”となる。これにより、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6の電位を高速で接地電位レベルへと放電する。ドライブトランジスタ2bがオン状態となるとき、出力ノード6の電位は十分に低くなっており、このドライブトランジスタ2bにより高速で出力ノード6の電位を放電してもリンギングが生じることなく安定に出力信号を得ることができる。
ここで、ノードN1は出力許可信号OEMが“H”に立上がっても、内部読出データ信号ZDDがそのとき既に“H”にあるため、常時“L”の電位を保持し、ドライブトランジスタ1は、オフ状態にある。
次に図35(B)を参照して、無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。無効データ信号が出力される場合、出力許可信号OEMが“H”に立上がる。このときまだ内部読出データ信号ZDDは“L”にある。したがってインバータ回路5の出力は“H”にある。出力許可信号OEMが“H”に立上がってから、遅延回路161が有する遅延時間T5が経過した後、AND回路3の出力(ノードN1の電位)が“H”に立上がり、ドライブトランジスタ1がオン状態となり、出力ノード6を充電する。
次いで、有効データ信号が伝達され、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がると、インバータ回路5の出力が“L”となる。これにより、AND回路3の出力(ノードN1電位)が“L”となり、ドライブトランジスタ1がオフ状態となる。一方、この内部読出データ信号ZDDの“H”への変化に応答して、AND回路4の出力(ノードN2の電位)が“H”に立上がり、ドライブトランジスタ2aがオン状態となる。これにより、出力ノード6の電位が緩やかに接地電位レベルへと放電される。
次いで、遅延回路160が有する遅延時間T6が経過した後、遅延回路160の出力が“H”に立上がり、またAND回路90の出力が“H”に立上がる。これにより、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6の電位を高速で接地電位レベルへと放電する。
この無効データ信号が出力される場合、出力ノード6に無効データ信号が現われる時間は、遅延回路161が有する遅延時間T5だけ短くされる。したがって、無効データ信号が出力ノード6に現われる時間が短くなり、出力ノード6の無効データ信号による電位変化量を小さくすることができる。これにより、ドライブトランジスタ2aがオン状態となって出力ノード6の電位を放電した後、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるとき、出力ノード6の電位は十分に低くされており、リンギングの発生を効果的に防止して、安定な出力信号を得ることができる。
内部読出しデータ信号ZDDが有効状態の“H”となるまでAND回路3からノードN1に“H”の信号が出力されないように遅延回路161の遅延時間T5を設定すれば、無効データ信号が出力されるのを防止することができる。
図34に示す構成の場合、無効データ信号が出力されない場合(図35(A)参照)、出力許可信号OEMが“H”となってからノードN1の電位が“H”になるのに遅延回路161が有する遅延時間T5だけ遅れる。したがって、この場合には、“H”出力のアクセス時間のみが遅れる。アクセス時間が“L”出力時間により決定されており、“H”アクセス時間が“L”アクセス時間よりも短い場合には、アクセス時間の悪化は防止できる。
図34に示す構成においては、出力ノード6を接地電位レベルへ放電する構成が示されている。しかしながら、この図34に示す構成においても、遅延回路151と同様の構成をAND回路4に対しても設け、また遅延回路160およびAND回路90をノードN1に対して設けるとともに、ドライブトランジスタ1に対しそれより駆動力の大きいドライブトランジスタをドライブトランジスタ1と並列に設けることにより、出力ノード6の電位上昇時におけるリンギングの発生を防止することができる。
また図34に示す遅延回路161および160は、インバータの段数が適当な値に設定されればよい。また遅延回路160および161は、インバータとは別の遅延素子で実現されてもよい。
[変形例6]
図36は、第4の実施の形態の第6の変形例である出力回路の構成を示す図である。図36において、出力回路は、内部読出データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力許可信号OEMとインバータ回路5の出力を受けるAND回路3と、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDを受けるAND回路4と、出力許可信号OEMを所定の時間Ta遅延させる遅延回路160aと、AND回路4の出力を所定時間Tb遅延させる遅延回路を含む。遅延回路160aが有する遅延時間Taは、遅延回路160bが有する遅延時間Tbよりも短くされている。遅延回路160aが有する遅延時間Taは、“L”データ読出時における無効データ信号がノードN2に現われるのを防止する時間幅に設定される。この遅延回路160aの遅延時間Taは、したがって、列アドレス信号が変化してからコラムアドレスストローブ信号ZCASが“L”に立下げられるまでに要する時間の仕様値のたとえば最大値に設定される。これにより、無効データ信号がノードN2に伝達されるのを防止することができる。次にこの図36に示す回路の動作について説明する。
まず図37の動作波形図を参照して、“H”のデータ信号Qが出力される場合の動作について説明する。
この場合、内部読出データ信号ZDDは“L”である(スタンバイ時またはデータ読出動作前に内部読出データ信号ZDDが一旦“L”にプリチャージされている)。この状態において、出力許可信号OEMが“H”に立上がると、ANDゲート3はノードN1上に“H”の信号を出力する。ノードN1上の電位の立上がりに応答して、ドライブトランジスタ1aがオン状態となる。ドライブトランジスタ1aの電流駆動力は比較的小さくされている。これにより、出力ノード6はドライブトランジスタ1aを介して緩やかに充電される。
次いで、遅延回路160aが有する遅延時間Taが経過した後、遅延回路160aの出力が“H”に立上がり、AND回路90aの出力が“H”に立上がる。これにより、ドライブトランジスタ1aがオン状態となる。ドライブトランジスタ1bは、その電流駆動力が十分大きくされている。これにより、出力ノード6はドライブトランジスタ1bにより高速で充電され、その電位が急速に立上がる。
次に、図38を参照して、“L”データ出力時における無効データ信号が出力される場合の動作について説明する。この場合、まず出力許可信号OEMが“H”に立上がる。このとき内部読出データ信号ZDDは“L”にあり、インバータ回路5の出力は“H”にある。したがって、この出力許可信号OEMの立上がりに応答して、AND回路3はノードN1に“H”の信号を出力する。ノードN1上の信号電位の立上がりに応答して、電流駆動力の小さいドライブトランジスタ1aがオン状態となり、出力ノード6の電位を緩やかに上昇させる。
次いで有効データ信号が伝達され、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がると、AND回路3の出力が“L”となり、ドライブトランジスタ1aがオフ状態となる。また、この“H”の内部読出データ信号ZDDに応答して、AND回路4がノードN2に“H”の信号を出力し、電流駆動力の小さなドライブトランジスタ2aがオン状態となる。これにより、出力ノード6の上昇した電位が緩やかに接地電位レベルへと放電される。
次いで遅延回路160bの有する遅延時間Tbが経過すると、遅延回路160bの出力が“H”となり(ノードN30b電位)、AND回路90bは、ノードN31bに“H”の信号を出力する。これにより、電流駆動力の大きなドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を高速で接地電位レベルへと放電する。
無効データ信号が出力される場合においても、まず電流駆動力の小さなドライブトランジスタ1aがオン状態となって出力ノード6を充電している。この場合、ドライブトランジスタ1aは電流駆動力が小さいため、その出力ノード6の電位上昇はごくわずかである。したがって、この出力ノード6の電位振幅を十分小さくすることができ、リンギングの発生を効果的に防止することができる。
なお、電流駆動力の大きいドライブトランジスタ1bは、ノードN31aの電位レベルは“L”に固定されるため、オフ状態を維持する。遅延回路160aの出力が“H”となったとき、ノードN1の電位は既に“L”となっているためである。
次に図39を参照して無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。この場合、まず内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がる。これにより、ノードN1の電位は“L”に固定される。
次いで、出力許可信号OEMが“H”に立上がると、AND回路4を介して、ノードN2の電位が“H”に立上がる。所定時間Taが経過すると、遅延回路160aの出力が“H”に立上がる。しかしながらノードN1の電位は“L”にあるため、AND回路90aの出力は“L”であり、ドライブトランジスタ1bは、ドライブトランジスタ1aとともにオフ状態を維持する。
一方、ノードN2の電位の立上がりに応答して、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6を緩やかに放電する。次いで、遅延回路160bの出力が“H”に立上がると、AND回路90bを介してノードN31bの電位が“H”に立上がり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となる。これにより、出力ノード6は高速で接地電位レベルまで放電される。ドライブトランジスタ2bがオン状態となるときには、既にドライブトランジスタ2aにより十分出力ノード6の電位は低くされており、リンギングの発生を伴うことなく安定に出力信号を生成することができる。
なお図36に示す構成において、ドライブトランジスタ1aおよび1bは、その電流駆動力の差はサイズまたはゲート幅、またはゲート幅とゲート長の比を適当に設定することにより実現されてもよい。さらに、ドライブトランジスタ1aへ電源電圧Vccレベルの電圧を印加し、ドライブトランジスタ1bには、この電源電圧Vccを昇圧した電圧がゲートへ与えられるように構成されてもよい。このドライブトランジスタ1aおよび1bのゲート電圧の調節は、サイズの調節と組合せて用いられてもよい。このゲート電圧を異ならせる構成は、出力ノード6を接地電位レベルへ放電するドライブトランジスタ2aおよび2bに対して適用されてもよい。
この図36に示す出力回路の構成において、先の変形例5の場合と同様、出力許可信号OEMを遅延回路を通した後AND回路3へ与える構成が用いられてもよい。この場合、ノードN1の電位が立上がる時間を遅くすることができ、無効データ信号が出力される時間を短くすることができ、出力ノード6の電位振幅をさらに小さくすることができる。
またこの図36に示す構成において、図示のものと同様の回路構成を出力ノード6の電位を上昇させるためのドライブトランジスタに対して設けることにより、無効データ信号が“L”であり、有効データ信号が“H”である場合の出力ノード6の電位振幅の拡大を防止することができ、この場合におけるリンギングの発生を防止することができる。
[変形例7]
図40は、第4の実施の形態の第7の変形例の出力回路の構成を示す図である。図40を参照して、出力回路は、内部読出データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力指示信号DOT、出力許可信号OEM、およびインバータ回路5の出力を受けるAND回路3と、AND回路3の出力に応答して導通し、出力ノード6を電源電位Vccレベルに充電するドライブトランジスタ1と、出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDとを受けるAND回路4と、AND回路4の出力に応答して導通し、出力ノード6を接地電位レベルへ放電する比較的電流駆動力の小さなドライブトランジスタ2aを含む。
出力回路はさらに、AND回路4の出力(ノードN2の電位)を所定時間遅延させる遅延回路160と、遅延回路160の出力とノードN2の信号とを受けるAND回路90を含む。AND回路90の出力は電流駆動力の大きなドライブトランジスタ2bのゲートへ与えられる。次にこの図40に示す出力回路の動作をその動作波形図である図41を参照して説明する。
まず、無効出力データ信号が“H”であり、有効データ信号が“L”の場合の動作について説明する。この場合、出力指示信号DOTが立下がる前に、出力許可信号OEMが“H”に立上がる。内部データバス線915b上の内部読出データ信号ZDDは“L”にあり、インバータ回路5の出力は“H”にある。したがって、この出力許可信号OEMの立上がりに応答して、AND回路3はノードN1上に“H”の信号を出力する。ノードN1上の電位の上昇に伴ってドライブトランジスタ1がオン状態となる。このとき、AND回路4の出力(ノードN2の電位)は“L”であり、ドライブトランジスタ2aおよび2bはオフ状態である。したがって出力ノード6はドライブトランジスタ1を介して充電され、その電位が上昇する。
出力指示信号DOTが“L”に立下がると、ノードN1の電位が“L”に立下がり、ドライブトランジスタ1がオフ状態となる。次いで、この出力指示信号DOTの立下がりに応答して内部データバス線915bに“H”の有効データ信号ZDDが伝達され、インバータ回路5からノードN90に“L”の信号が出力される。これにより、データZDD出力中AND回路3の出力、すなわちノードN1の電位は“L”に固定される。
内部読出データ信号ZDDが“H”になると、AND回路4がノードN2上に“H”の信号を出力し、ドライブトランジスタ2aがオン状態となる。これにより、出力ノード6は緩やかに放電され、その出力ノードの電位が徐々に低下する。
次いで、所定時間が経過すると、遅延回路150の出力が“H”となり、AND回路90がノードN31上に“H”の信号を出力する。これにより、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を高速で接地電位レベルへと放電する。
この図41に示す構成の場合、無効データ信号が出力される場合においても、出力ノード充電用のドライブトランジスタ1がオン状態となる期間は極めて短く、出力ノード6の電位振幅を小さくすることが可能となる。また、出力指示信号DOTが“L”になった後に出力許可信号OEMが“H”になる場合においては、無効データが出力されるのを完全に防止することができる。有効出力データ信号が“H”の場合には、図41において破線で示すように、内部読出データ信号ZDDが“L”に固定される。この場合には、インバータ回路5の出力が“H”にあり、ノードN1の電位は、出力指示信号DOTが“H”に立上がると“H”に立上がる。一方、AND回路4の出力は“L”であり、ドライブトランジスタ2aおよび2bはオフ状態を維持する。したがって、ドライブトランジスタ1を介して出力ノード6が電源電位Vccレベルまで充電される。すなわち、有効出力データ信号が“H”の場合には、出力許可信号OEMの立上がりに応答してドライブトランジスタ1がオン状態となり、次いで出力指示信号DOTの“L”への移行に応答して一旦オフ状態となり、次いで再び出力指示信号DOTが“H”になるとドライブトランジスタ1が再びオン状態となる。
次に、図42を参照して、“L”出力データ読出時における無効データ信号が出力されない場合の動作について説明する。この場合、まず出力指示信号DOTが“L”に立下がる。この状態においては、内部読出データ信号ZDDが“L”になり、インバータ回路5の出力(ノードN90の電位)は“H”にある。出力許可信号OEMは“L”にあるため、ノードN1の電位は“L”にある。
出力指示信号DOTが“L”に立下がってから、所定時間経過後に有効データ信号が内部データバス線915bに伝達され、内部読出データ信号ZDDが“H”に立上がる。これにより、ノードN90の電位が“L”に立下がり、ノードN1の電位がこの内部読出データ信号ZDD読出時の間“L”に固定される。このときまだノードN2の電位は、出力許可信号OEMが“L”であり、“L”にある。出力許可信号OEMが“H”に立上がると、ノードN2の電位がAND回路4を介して“H”に立上がる。これにより、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6が緩やかに接地電位レベルへと放電される。次いで所定時間が経過すると、遅延回路160の出力が“H”となり、AND回路90の出力が“H”となる。これにより、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、出力ノード6を高速で接地電位レベルまで放電する。ドライブトランジスタ2bがオン状態になるときには、出力ノード6の電位が十分に低下しており、リンギングの発生を伴うことなく安定に出力信号を出力することができる。
図40に示す構成において、出力指示信号DOTに代えて、列アドレス信号変化検出信号φATDに応答して発生されかつこの出力指示信号DOTよりも速いタイミングで“L”となるワンショットのパルス信号が用いられてもよい。これは、図5に示すワンショットパルス発生回路50において、適当な遅延回路を用いることにより作成することができる。このような信号を用いれば、図40に示す動作波形図において、出力信号OEMの立上がりに応答して発生されるワンショットのパルス信号のパルス幅をさらに短くすることができ、“H”の無効出力データ信号の出力時間をさらに短くすることができ、出力ノード6の電位振幅をさらに小さくすることができる。
さらに列アドレス変化検出信号φATDに応答し、出力許可信号OEMが“L”から“H”になるよりも速いタイミングで“H”から“L”に変化する信号をAND回路3へ与えるようにすれば、ノードN1における無効データ信号の出現を防止することができる。このような信号としては、図5に示す構成において、ラッチ回路の出力ノードN14の電位の立下がりに応答して、所定期間“L”となるワンショットのパルス信号を発生する回路が利用されればよい。このパルス信号の立上がりは、出力指示信号DOTの立下がりにより決定されればよい。このような信号発生回路としては、図5に示すノードN14の上の信号と出力指示信号DOTとを受けるAND回路を利用することができる。このような構成を利用することにより、ノードN1に無効データ信号が出力されるのを確実に防止することができる。
また図40に示す構成において、出力許可信号OEMを遅延回路を通してAND回路3
へ与えるように構成してもよい。この場合、ノードN1に無効データ信号が出力される時間を短くすることができ、出力ノード6の電位振幅を小さくすることができる。さらにこの遅延回路の遅延時間を適当な値に設定すれば、ノードN1における無効データ信号の発生を防止することができる。
[変形例8]
図43は出力回路の第8の変形例を示す図である。図43に示す構成においては、出力ノード6を放電するための3個のドライブトランジスタ2a、2bおよび2cが設けられる。ドライブトランジスタ2a、2bおよび2cは、それぞれのゲート幅Wが小、中および大と順次異ならされている。すなわち各ドライブトランジスタ2a、2bおよび2cの電流駆動力が異ならされている。ドライブトランジスタ2bのゲートへは、AND回路90aの出力が与えられる。AND回路90aは、ノードN2上の電位と遅延回路160aの出力とを受ける。遅延回路160aはノードN2の電位信号を所定時間遅延させる。この遅延回路160aの出力はまた遅延回路160bによりさらに遅延される。ドライブトランジスタ2cのゲートへは、AND回路90bの出力が与えられる。AND回路90bは、ノードN2上の信号と遅延回路160bの出力を受ける。
図43に示す出力回路の構成の場合、ノードN2の電位が“H”となったとき、まずドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6を緩やかに放電する。次いで所定期間が経過すると、AND回路90aの出力が“H”となり、ドライブトランジスタ2bがオン状態となり、さらに出力ノード6を接地電位レベルへと放電する。
さらに所定時間が経過すると、遅延回路160bの出力が“H”となり、AND回路90bの出力により、ドライブトランジスタ2cがオン状態となり、出力ノード6を高速で接地電位レベルへと放電する。このように出力ノードを放電するためのドライブトランジスタとして3個設け、それぞれのオン状態となるタイミングを異ならせることによりリンギングの発生を伴うことなく安定に出力信号を生成することができる。この図43に示す出力回路の構成は、第1ないし第3の実施の形態と組合せて利用することができる。
[変形例9]
図44は、第4の実施の形態の第9の変形例を示す図である。図44においては、出力ノード6を接地電位レベルへ放電するためのドライブトランジスタ2bを直接ドライブするためのゲート回路90の構成が示される。このゲート回路90は、各実施の形態および変形例において用いることができる。図44においては、出力回路の構成としては基本的な回路構成を示す。
図44において、ドライブトランジスタ2aは、NAND回路4aおよびインバータ回路4bにより駆動される。NAND回路4aは出力許可信号OEMと内部読出データ信号ZDDとを受ける。インバータ回路4bはNAND回路4aの出力を受けてノードN2上に内部読出データ信号に対応する論理の信号を伝達する。
出力回路はさらに、NAND回路4aの出力を所定時間遅延させる遅延回路171aと、遅延回路171aの出力をさらに遅延させる遅延回路171bと、NAND回路4aの出力と遅延回路171aおよび171bの出力に従ってドライブトランジスタ2bを駆動するゲート回路90を含む。このゲート回路90は、図43に示すAND回路90aおよび90bに対応する。
ゲート回路90は、電源電位ノードと内部ノード177との間に互いに並列に設けられるpチャネルMOSトランジスタ172、173および174を含む。トランジスタ172、173および174のそれぞれのゲートへは、NAND回路4aの出力、遅延回路171aの出力、および遅延回路171bの出力が与えられる。
ゲート回路90はさらに、内部ノード177と接地電位との間に設けられるインバータ回路を含む。このインバータ回路は出力ノードN31と内部ノード177との間に設けられ、そのゲートにNAND回路4aの出力を受けるpチャネルMOSトランジスタ175と、出力ノードN31と接地電位ノードとの間に設けられ、そのゲートにNAND回路4aの出力を受けるnチャネルMOSトランジスタ176を含む。次にこのゲート回路90の動作について簡単に説明する。
ノードN2の電位が“L”の場合、NAND回路4aは“H”の信号を出力している。この状態においては、トランジスタ172ないし175はすべてオフ状態にあり、トランジスタ176がオン状態にある。したがって、出力ノードN31は“L”にある。
NAND回路4aの出力が“L”となるとき、ノードN2の電位は“H”となり、ドライブトランジスタ2aがオン状態となり、出力ノード6がドライブトランジスタ2aにより緩やかに放電される。この状態において、NAND回路4aの出力が“H”となると、トランジスタ172および175がオン状態となり、トランジスタ176bはオフ状態となる。したがって出力ノードN31は、トランジスタ172および175を介して緩やかに充電され、その電位が緩やかに上昇する。これにより、ドライブトランジスタ2bの駆動力が少し上昇する。
次いで遅延回路171aの出力が“L”となると、トランジスタ173がオン状態となり、ノードN31は、トランジスタ172および173ならびに175を介して充電され、その電位が少し速く上昇し、ドライブトランジスタ2bの駆動力も少し大きくされる。
さらに所定の時間が経過すると、遅延回路171bの出力が“L”となり、トランジスタ174がオン状態となる。この結果、トランジスタ172〜174を介して電流がトランジスタ175へ流れ込み、ノードN31の電位が高速で立上がり、ドライブトランジスタ2bの駆動力が急速に大きくされる。
上述のように、遅延回路を用いずに、ゲート回路90の出力電位の上昇速度を時間の経過とともに異ならせることにより、ドライブトランジスタ2bの駆動力も時間とともに変化していき、先の各実施の形態および変形例と同様の効果を得ることができる。図44に示すようにドライブトランジスタ2bの電流駆動力を時間変化とともに大きくしても出力ノード6におけるリンギングを生じさせる電流の時間変化率、すなわちdi/dtを小さくすることができ、確実にリンギングの発生を防止することができる。
[実施の形態5]
半導体装置においては、安定な動作を保証するために、電源電圧Vccには上限値Vcmxおよび下限値Vcmnが設定されている。たとえば動作電源電圧Vccが5Vの場合、上限値Vcmxは5.5V、下限値Vcmnは4.5Vと仕様において設定されている。一般に、電源電圧Vccの定格値の±10%の範囲での電源電圧Vccの変動は許容されている。
同様に、動作温度Taに対しても、上限値Tamxおよび下限値Tamnが設定される。このような動作温度Taの範囲としては、0ないし70℃が仕様において規定されている。
一方、MOSトランジスタを構成要素とする回路では、電源電圧Vccが高くなるとその動作速度が速くなる。MOSトランジスタの電流駆動力は、そのゲート電圧(ゲート−ソース間電位差)により決定されており、この電位差は、電源電圧Vccにより決定されるためである。
MOSトランジスタを構成要素とする回路は、また、動作温度Taが低くなるほどその動作速度が速くなる。動作温度が高くなれば、拡散領域の抵抗が高くなり、また熱電子などの影響により、しきい値電圧が高くなるため、その電流駆動力が低くなるためである。
このような回路特性の顕著な例は、半導体記憶装置において、電源電圧Vccが高くなればなるほどアクセス時間taが短くなり、また動作温度が高くなればなるほどアクセス時間が長くなる現象において現われている。
以下に、電源電圧Vccおよび動作温度Taの変動にかかわらず、確実にリンギングの発生を防止するための構成について説明する。
図45は、この第5の実施の形態において用いられる第1の制御電圧の特性を示す図である。図45(a)に示すように、第1の制御電圧VNは、周囲温度Tが上昇するにつれて上昇する。すなわち、第1の制御電圧VNは正の温度係数を有する。また図45(b)に示すように、第1の制御電圧VNは、電源電圧Vccが上昇するにつれて低下する。すなわち、第1の制御電圧VNは、電源電圧Vccに対し負の依存性を備える。
図46は、この第5の実施の形態において用いられる第2の制御電圧の温度および電源電圧依存特性を示す図である。図46(a)に示すように、第2の制御電圧VPは、周囲温度Tが上昇すると低下する。すなわち第2の制御電圧VPは、負温度係数を備える。また図46(b)に示すように、第2の制御電圧VPは、電源電圧Vccの上昇に伴って上昇する。すなわち第2の制御電圧VPは、電源電圧Vccに対し正の依存性を備える。互いに相反する電圧および電源電圧依存特性を有する第1および第2の制御電圧VNおよびVPを用いて遅延段の遅延時間を調節する。
図47は、この第5の実施の形態において用いられる遅延段を構成するインバータ回路の第1の構成を示す図である。図47(A)において、遅延段を構成するインバータ回路は、電源電圧Vcc供給ノードと出力ノード205との間に直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタ201および202と、出力ノード205と接地電位ノードとの間に設けられるnチャネルMOSトランジスタ203を含む。pチャネルMOSトランジスタ201のゲートへは、第2の制御電圧VPが与えられる。MOSトランジスタ202および203のゲートはともに入力ノード204に接続される。次にこの図47(A)に示すインバータ回路の動作特性について図47(B)を参照して説明する。
電源電圧Vccが下限値Vcmnにあるかまたは動作温度Tが上限温度Tamxにある場合、第2の制御電圧VPは、小さくなっている。したがって、pチャネルMOSトランジスタ201の電流駆動力は、電源電圧Vccの上限値Vcmxまたは動作温度Tの下限値Tamnの条件の場合に比べて大きくされている。
今入力ノード204へ与えられる入力信号INがローレベルのとき、MOSトランジスタ202がオン状態、MOSトランジスタ203がオフ状態となる。出力ノード205は、トランジスタ201および202を介して電源電圧Vccレベルにまで充電される。ここで、第2の制御電圧VPは、電源電圧Vccよりも十分低い値に設定されており、トランジスタ201は、ほぼ電源電圧Vccを通過させることができるようにされている。この第2の制御電圧VPの最適値については、実際の装置の動作特性に応じて決定される。
この状態において、電源電圧Vccが下限値Vcmnに近いかまたは動作温度Tが上限値Tamxに近い場合には、出力ノード205は、高速でハイレベルへと立上げられる(図47(B)において破線で示す)。
入力信号INがハイレベルの場合には、MOSトランジスタ203がオン状態となり、出力ノード205を接地電位レベルへと放電する。この場合の出力ノード205の放電速度は、トランジスタ203の電流駆動力により決定される。すなわち、図47(A)に示すインバータ回路を用いて遅延段を構成した場合、ローレベルの信号が伝達される時間は、電源電圧Vccの上限値および周囲温度の低温時の方が長くなる。
図48は、遅延段を構成するインバータ回路の他の構成および動作特性を示す図である。図48(A)において、インバータ回路210は、電源電位ノードと出力ノード215との間に設けられるpチャネルMOSトランジスタ211と、出力ノード215と接地電位ノードとの間に直列に設けられるnチャネルMOSトランジスタ212および213を含む。MOSトランジスタ211および212のゲートへは、入力信号INが入力ノード214を介して与えられる。MOSトランジスタ213のゲートへは、第1の制御電圧VNが与えられる。次に図48(A)に示すインバータ回路の動作特性について、図48(B)を参照して説明する。
第1の制御電圧VNは、電源電位Vccに対し負の依存性を有しかつ正の温度係数を有している。入力信号INがハイレベルのとき、MOSトランジスタ212がオン状態となる。電源電位Vccが上限値Vcmxに近いときおよび周囲温度Tが下限値Tamnに近い場合、第1の制御電圧VNは低くなる。したがってこの状態においては、MOSトランジスタ213の電流駆動力が小さくされる。ここで、第1の制御電圧VNは、MOSトランジスタ213のしきい値電圧よりも十分高い電圧値に設定される。したがって、電源電圧Vccが高い場合または周囲温度Tが低い場合には、出力ノード215は、そうでない場合に比べて比較的緩やかに放電される。すなわち、ハイレベルの信号が図48(A)に示すインバータ回路により構成される遅延段を伝達される場合、電源電位Vccの上限値Vcmxに近い場合または周囲温度Tが下限値Tamnに近い場合には、そうでない場合に比べて伝搬時間が長くなる。
図49は、この第5の実施の形態において用いられる遅延段を構成するインバータ回路のさらに他の構成および動作特性を示す図である。図49(A)において、インバータ回路220は、出力ノード226と電源電位ノードとの間に直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタ221および222と、出力ノード226と接地電位ノードとの間に直列に接続されるnチャネルMOSトランジスタ223および224を含む。MOSトランジスタ222および223のゲートはともに入力ノード225に接続されて入力信号INを受ける。MOSトランジスタ221のゲートへは、第2の制御電圧VPが与えられ、MOSトランジスタ224のゲートへは第1の制御電圧VNが与えられる。次にこの図49(A)に示すインバータ回路の動作を図49(B)を参照して説明する。
図49(A)に示すインバータ回路220は、図47(A)および図48(A)に示すインバータ回路200および210を組合せた構成を備える。したがって、ハイレベルの信号が入力ノード225に与えられた場合には、電源電位Vccが低いかまたは周囲温度Tが高い場合にはそうでない場合よりも高速で出力ノード226が放電される。同様に、入力ノード225にローレベルの信号が与えられた場合、電源電位Vccが低いかまたは周囲温度Tが高い場合には、そうでない場合よりも速く出力ノード226が充電される。したがってこの図49(A)に示すインバータ回路を用いて遅延段を構成した場合、ハイレベルおよびローレベルいずれの信号に対しても伝搬遅延時間が電源電圧Vccが上限値に近いかまたは周囲温度Tが下限値に近い場合の方が長くなる。
上述のようなインバータ回路を用いて遅延段を構成することにより、電源電圧Vccおよび周囲温度Tの変動に対してもアクセス時間の変動をもたらすことなくかつリンギングを生じさせることなく安定に出力信号Qを生成することができる。
図50は、この第5の実施の形態の遅延段の適用の一例を示す図である。図50(A)においては、図5に示す出力許可信号OEMを発生するための回路において遅延段が設けられる。この遅延段230は、内部コラムアドレスストローブ信号の遅延信号ZCASEを遅延させかつ反転する遅延段230を含む。遅延段230の出力はフリップフロップ56へ与えられる。遅延段230の出力がハイレベルとなると、インバータ回路58から出力される出力許可信号OEMがハイレベルとなる。この遅延段230は図5に示すインバータ回路54に相当する。遅延段230は、3個の縦列接続されたインバータ回路231、232、および233を含む。この遅延段230に含まれるインバータ回路231〜233として図49に示すインバータ回路220または図47および図48に示すインバータ回路200および210を交互に接続する。出力許可信号OEMの発生は、信号ZCASEの立下がりをトリガとしており、したがって遅延段230に含まれるインバータ回路231、232、および233としては、インバータ回路200、210および200の順序で設けられる。また図49に示すインバータ回路220を用いる場合には、インバータ回路231〜233はすべてインバータ回路220で構成される。
次に図50(A)に示す回路の動作をその動作波形図である図50(B)を参照して説明する。
出力指示信号DOTがローレベルとなるとこれに応答して有効データZDDが出力される。この出力指示信号DOTの立下がりよりも先に出力許可信号OEMがハイレベルに立上がる状態を考える。この状態は、無効データが出力される状態に対応する。このとき、遅延段230においては、電源電圧Vccが下限値Vcmnに近いかまたは周囲温度Tが高い場合には、その遅延時間が短くされる。したがって出力許可信号OEMがハイレベルに立上がるのが、電源電圧Vccが上限値Vcmxに近いかまたは周囲温度Tが下限値Tamnに近い場合よりも速くなる。したがって、電源電圧Vccが高いかまたは周囲温度Tが低い場合には、出力ノードから無効データ信号が出力される時間が「短く」なる。電源電圧Vccが上限値Vcmxに近いかまたは周囲温度Tが下限値Tamnに近い場合には、MOSトランジスタの駆動力は大きくなっている。したがってこの無効データ信号が出力されるとき、MOSトランジスタの駆動力、すなわち出力ノードを駆動するMOSトランジスタの駆動力が大きい場合にそのオン状態となる時刻を「遅らせる」ことにより、出力ノードにおける電圧のスィング幅を十分小さくすることができ、確実にリンギングの発生を防止することができる。
また、出力指示信号DOTが“L”となった後に出力許可信号OENが“H”となり、その後、有効データZDDが変化する場合においても同様にリンギングの発生を防止して安定に出力データ信号を出力することができる。
また、電源電圧Vccが下限値Vcmnに近いかまたは周囲温度Tが高い場合には、出力ノードを駆動するMOSトランジスタのオンタイミングは「速く」なる。しかしながらこの場合出力ノードを駆動するMOSトランジスタの駆動力は小さいため、出力ノードの電圧のスィング幅はそれほど大きくなく、リンギングの発生は確実に防止することができる。また無効データ信号が出力されず有効データ信号が出力される場合(信号OEMが信号DOTがハイレベルに立上がってからハイレベルに立上がる場合)、出力ノード駆動用のMOSトランジスタの駆動力が小さい場合にそのオン状態となるタイミングが「速く」されるため、アクセス時間の増大が確実に防止される。遅延時間が動作条件に従って調節されるため、出力ノードの充放電速度は動作条件にかかわらずほぼ一定とすることができる。
図51は、この発明の第5の実施の形態による遅延段の他の適用例を示す図である。図51(A)に示すように、図34に示す出力駆動回路における遅延回路161にこの発明の第の実施の形態であるインバータ回路241および242が設けられる。他の構成は図34に示すものと同様である。このインバータ回路241および242は、図49(A)に示すインバータ回路220または図47および図48に示すインバータ回路200および210を利用する。この場合、出力許可信号OEMのハイレベルへの立上がりを遅らせるため、初段のインバータ回路241には、図48に示すインバータ回路210を利用し、次段のインバータ回路242に図47に示すインバータ回路200を利用する。次にこの図51(A)に示す出力回路の動作について図51(B)を参照して説明する。
出力許可信号OEMがハイレベルに立上がってから有効データ信号ZDDがハイレベルに立上がる動作モードを考える。この状態は、無効データ信号が出力されるモードである。出力許可信号OEMのハイレベルの立上がりに応答して、遅延回路161の出力が立上がり、応じてノード243の電位が立上がる。このとき、遅延回路161の有する遅延時間は、電源電圧Vccが下限値Vcmnに近いかまたは周囲温度Tが上限値Tamxに近い場合には、短くされている。したがって、ノード243の電位は、MOSトランジスタ2の駆動力が小さくなる場合に速く立上がる。このときMOSトランジスタ1の駆動力は小さくされているため、無効データ信号に従って出力ノード6は電位が緩やかに上昇する。この後、有効データ信号が伝達されて、内部読出データ信号ZDDがハイレベルへ立上がり、MOSトランジスタ1がオフ状態となる。この無効データ信号が出力される時間TBは長いものの、MOSトランジスタ1の電流駆動力は小さい動作条件であるため、出力ノード6の電位振幅上昇は比較的小さく、ドライブトランジスタ2がオン状態となっても、リンギングを生じさせることなく出力データ信号を安定に発生することができる。
一方、MOSトランジスタ1および2の駆動力が高くなる動作条件の場合、遅延回路161が有する遅延時間は長くされる。すなわち電源電圧Vccが上限値Vcmxに近いかまたは周囲温度Tが下限値Tamxに近い場合には、遅延回路161の有する遅延時間が長くなり、MOSトランジスタ1は遅いタイミングでオン状態となる。したがってMOSトランジスタ1の電流駆動力が大きい場合であっても、そのオン状態となる時間は短く、出力ノード6の電位上昇は小さくなる。したがってMOSトランジスタ2が次いで有効データ信号の伝達に従ってオン状態となっても、その出力ノード6の電位振幅は十分小さく、リンギングの発生を確実に防止することができる。
有効データ信号が出力される場合には、ノード243の電位は常時ローレベルであり、MOSトランジスタ1はオフ状態を維持する。
上述のように、動作条件にかかわらず、出力ノード6の電位振幅を小さくすることができ、動作条件にかかわらずアクセス時間の劣化を確実に防止するとともに、リンギングの発生を確実に抑制することができる。
図52は、この発明の第5の実施の形態である遅延回路のさらに他の適用例を示す図である。図52(A)に示す出力制御回路は、図36に示す出力制御回路と同様の構成を備える。図52(A)において、遅延回路160aに含まれるインバータ回路251〜254に対し、先の図47ないし49に示すインバータ回路が適用される。すなわちこの遅延回路160aにおいても、MOSトランジスタの駆動力が大きい動作条件においては、その遅延時間が長くされる。他の構成は図36に示す出力制御回路と同様である。次にこの図52(A)に示す出力制御回路の動作を図52(B)を参照して説明する。
まず出力許可信号OEMがハイレベルに立上がる。このときまだ内部読出データ信号ZDDがローレベルであるとする。この状態は、無効データ信号が出力される動作モードである。この出力許可信号OEMの立上がりに応答して、ノードN1の電位がハイレベルへ立上がり、電流駆動力の小さなドライブトランジスタ1aがオン状態となり、出力ノード6を緩やかに充電する。
次いで、遅延回路160aの出力がハイレベルへ立上がる。これに応答して、AND回路90aの出力がハイレベルに立上がり、ノードN31aを介してドライブトランジスタ1bがオン状態となる。遅延回路160aの出力がハイレベルに立上がるとき、電源電圧Vccが上限値Vcmxに近いかまたは周囲温度Tが下限値Tamnに近い場合には、そうでない場合よりも遅くされる。したがって電流駆動力の大きいドライブトランジスタ1bがオン状態となるタイミングが、MOSトランジスタの電流駆動力が大きくされる動作環境下では遅くされる。したがって出力ノード6の電位上昇を確実に抑制することができ、出力ノード6の電位振幅を小さくしてリンギングの発生を抑制することができる。このとき、遅延回路160aの有する遅延時間を適当な値に設定すれば、MOSトランジスタの電流駆動力が大きくされる動作環境時には、このドライブトランジスタ1bがオン状態となる時刻をほぼ0とすることができる。
有効データ信号のみが出力される場合には、ノードN1の電位はローレベルであり、ドライブトランジスタ1aおよび1bはオン状態とはならない。したがって、動作環境にかかわらず、リンギングの発生を確実に防止することができる。
図53は、この発明の第5の実施の形態であるインバータ回路のさらに他の構成への適用例を示す図である。図53(A)において、出力ノード6を接地電位レベルへと駆動するためのドライブトランジスタ2bを駆動するための遅延回路12に対し、この第の実施の形態のインバータ回路261〜264を利用する。遅延回路12の有する遅延時間は、電源電圧Vccが下限値Vcmnに近いかまたは周囲温度Tが上限値Tamxに近い場合には短くされる。他の構成は、図7および図8等に示す出力制御回路の構成と同様である。次に図53(A)に示す出力制御回路の動作を図53(B)を参照して説明する。
まず出力許可信号OEMがハイレベルへ立上がる。次いで内部読出データ信号ZDDがハイレベルへ立上がる。これにより、ノードN2の電位がハイレベルへ立上がり、次いで遅延回路12の出力がハイレベルへ立上がる。この遅延回路12の出力の立上がりに応答して、AND回路8を介して電流駆動力の大きいドライブトランジスタ2bがオン状態とされる。このとき、遅延回路12は、MOSトランジスタの電流駆動力が大きくなる動作環境下では、その遅延時間が長くされている。したがって、ドライブトランジスタ2bの電流駆動力が大きい動作環境下では、そのオン状態となる時間は遅くなり、出力ノード6の電位がドライブトランジスタ2aにより十分低くされた後にオン状態となる。したがってこのとき大きな電流駆動力で出力ノード6を接地電位レベルへ放電してもリンギングは生じず、安定な出力データ信号Qが得られる。
一方、MOSトランジスタの電流駆動力が小さくされる動作環境下においては、ドライブトランジスタ2bのオン状態となるタイミングは速くされる。この場合、ドライブトランジスタ2bの電流駆動力は比較的小さくなるため、比較的速いタイミングでオン状態とされても、出力ノード6の電位はそれほど急速には放電されず、リンギングの発生を伴うことのない安定な出力データ信号Qが得られる。
このとき、MOSトランジスタ2aおよび2bの電流駆動力が小さくされる動作環境下では、ドライブトランジスタ2bがオン状態となるタイミングが速く設定されているため、出力ノード6から出力されるローレベルのデータ信号Qの電位は比較的速く確定する。したがって、動作環境(動作条件)が悪化してもアクセス時間が長くなることはなく、高速で安定な出力データ信号を出力することができる。
無効データ信号が出力されない場合には、内部読出データ信号ZDDが出力許可信号OEMよりも先にハイレベルへ立上がる。この場合においても、ノードN2の電位が出力許可信号OEMのハイレベルへの立上がりに応答してハイレベルへ立上がるだけであり、遅延回路12の有する遅延時間の変化は上で説明したものと同様である。したがってこの有効データ信号のみが出力される場合であっても、安定かつ高速で出力データ信号を出力することができる。
次に、第1および第2の制御電圧を発生するための構成について説明する。
図54は、制御電圧発生部の構成を示す図である。図54において、制御電圧発生部は、動作温度および電源電圧に依存しない一定の基準電圧VREF1を発生するVREF1発生回路250と、電源電圧および周囲温度(動作温度)に依存する基準電圧VREF2を発生するVREF2発生回路251と、VREF1発生回路251からの基準電圧VREF1とVREF2発生回路251からの第2の基準電圧VREF2を差動的に増幅する差動増幅回路252および253を含む。差動増幅回路252から第2の制御電圧VPが生成され、差動増幅回路253から第1の制御電圧VNが生成される。差動増幅回路252は、その正入力に第1の基準電圧VREF1を受け、その負入力に第2の基準電圧VREF2を受ける。差動増幅回路253は、その正入力に第2の基準電圧VREF2を受け、その負入力に第1の基準電圧VREF1を受ける。この差動増幅回路252および253により、互いに相反する電圧および温度依存特性を有する第1および第2の制御電圧VPおよびVNを生成することができる。次に各部の具体的構成について説明する。
図55は、第1の基準電圧VREF1の特性およびVREF1発生回路の具体的構成を示す図である。図55(A)に示すように、第1の基準電圧VREF1は、電源電圧および動作温度に依存しない一定の電圧である。図55(B)を参照して、VREF1発生回路250は、電源電位ノードと出力ノード264との間に設けられる定電流源260と、出力ノード264と接地電位ノードとの間に設けられる温度補償付定電圧ダイオード261を含む。温度補償付定電圧ダイオード261は、出力ノード264から順方向に接続されるPNダイオード262と、PNダイオードと接地電位ノードとの間に逆方向に設けられるツェナダイオード263を含む。ツェナダイオード263は、正の温度係数を有し、PNダイオード262は、負の温度係数を備える。このダイオード262および263の互いに相反する温度係数によりツェナダイオード263が発生するツェナ電圧の温度依存性を補償し、動作温度にかかわらず、一定の電圧を発生する。
ツェナダイオード263は、逆方向に、ツェナ電圧以上の電圧が印加された場合、ツェナ降伏を生じ、一定のツェナ電圧を発生する。この場合、出力ノード264には、ツェナダイオードによるツェナ電圧とPNダイオード262による順方向降下電圧との和の電圧が生じる。このPNダイオード262の順方向降下電圧とツェナダイオード263のツェナダイオードは負および正の温度係数を有しており、したがって周囲温度にかかわらず、一定の電圧を出力ノード264に発生することができる。
なお図55(B)に示す構成において、定電流源260としては、電源電圧および動作温度にかかわらず、一定の電流を発生する回路構成がアナログ集積回路技術分野において種々知られており、このような回路を利用することができる。また定電流源260に代えて、十分大きな抵抗値(温度依存特性を無視することのできる程度に大きな抵抗値)を備える抵抗を出力ノード264と電源電位ノードとの間に接続しても同様に、温度補償付ツェナダイオード260が与える一定の基準電圧VREF1を生成することができる。
図56は、第2の基準電圧VREF2の電源電圧および周囲温度依存特性および第2の基準電圧発生回路の構成の一例を示す図である。図56(A)および(B)に示すように、第2の基準電圧VREF2は、電源電圧に対しては負の依存特性を有し、動作温度(周囲温度)に対しては正の依存特性を有する。
図56(C)において、VREF2発生回路251は、電源電位ノードと出力ノード275との間に設けられる定電流源271と、出力ノードとノード276との間に設けられるnチャネルMOSトランジスタ272と、ノード276と接地電位ノードとの間に設けられる抵抗273を含む。抵抗273の抵抗値Rの温度依存性は、定電流源271の温度依存特性およびMOSトランジスタ272のオン抵抗の温度依存特性よりも十分大きくされている。また、抵抗273の有する抵抗値Rは、MOSトランジスタ272のオン抵抗よりも少し大きく設定される。抵抗273は、たとえばポリシリコンまたは比較的高濃度にイオン注入された拡散抵抗を用いて構成され、正の温度係数を備えている。次に動作について説明する。
定電流源271からは一定の電源電圧Vccおよび周囲温度に依存しない電流が供給される。この定電流源271からの定電流により、出力ノード275には、MOSトランジスタ272の与えるオン抵抗R(272)と抵抗273が有する抵抗R(273)の和で決定される基準電圧VREF2が生成される。電源電圧Vccが上限値Vcmxにまで上昇したとき、MOSトランジスタ272のコンダクタンスが大きくされ、すなわち抵抗値R(272)が小さくなり、出力ノード275に現われる基準電圧VREF2は低くなる。すなわち第2の基準電圧VREF2は、負の電源電圧依存特性を備える。
また周囲温度Tが上昇したとき、抵抗273の抵抗値R(273)が大きくなり、出力ノード275からの第2の基準電圧VREF2が上昇する。このとき、MOSトランジスタ272のオン抵抗R(273)も周囲温度Tに依存して変化するものの、その変化は抵抗273の温度依存特性に比べて無視することのできる程度である。したがって第2の基準電圧VREF2は、周囲温度Tに対して正の依存特性を備える。
この図56(C)に示す定電流源271に対しては、アナログ集積回路分野等で知られている電源電圧および周囲温度に依存しない定電流源回路を利用することができる。
またこの定電流源271に代えて、正の温度係数を有する抵抗と負の温度係数を有する抵抗とを並列に電源電位ノードと出力ノード275との間に設ける構成が利用されてもよい。このような正および負の温度特性を有する抵抗体としては、サーミスタと呼ばれる抵抗体を利用することができる。
図57は、第1の制御電圧VNおよび第2の制御電圧VPの発生形態を示す図である。図54に示すように、差動増幅回路252は、第1の基準電圧VREF1をその正入力に受け、第2の基準電圧VREF2をその負入力に受けている。第1の基準電圧VREF1は一定である。第1の基準電圧VREF1と第2の基準電圧VREF2の差が大きくなれば、第2の基準電圧VPは、差動増幅回路252により増幅されて、その電位が上昇する(図57(A)参照)。すなわち、電源電圧Vccが上昇した場合、第2の基準電圧VREF2は低下する。したがって、差(VREF1−VREF2)は大きくなり、第2の制御電圧VPは上昇する。一方、動作温度Tが高くなった場合、第2の基準電圧VREF2は上昇する。この場合、温度上昇に伴って差(VREF1−VREF2)は小さくなる。したがって、この場合には、第2の制御電圧VPは低下する。したがって図46に示す電源電圧および周囲温度依存特性を有する第2の制御電圧VPを生成することができる。
一方、図54に示す差動増幅回路253は、その正入力に第2の基準電圧VREF2を受け、その負入力に第1の基準電圧VREF1を受けている。したがって、第2の制御電圧VPと反対の特性を有する第1の制御電圧VNを生成することができる。
差動増幅回路252および253は、その増幅特性として、電源電圧および周囲温度に依存せずに一定とする構成がアナログ集積回路分野において知られており、そのような構成を利用することができる。したがって、この差動増幅回路252および253の動作特性が電源電圧および周囲温度に依存しないため、第1および第2の制御電圧VNおよびNPを、上で示したように、電源電圧および周囲温度に応じて調節することが可能となる。
なお、第1の制御電圧VNおよび第2の制御電圧VPは、その電圧レベルは、特に説明しないが、図47および図48に示すように、MOSトランジスタを三極間領域で動作させる電圧領域内の適当な値に設定される。
さらに図55(B)に示す構成において、ツェナダイオード263のツェナ電圧が通常の動作電源電圧(たとえば5ボルト)よりも高い場合が考えられる。このような場合、この回路が利用される装置が半導体記憶装置であれば、たとえばワード線昇圧などのために昇圧回路が設けられており、このような昇圧回路により動作電源電圧Vccを昇圧することにより、十分に温度補償付ツェナダイオードから一定の基準電圧VREF1を発生することができる。
またツェナダイオード263のツェナ電圧が低く、負の温度特性を有する場合、PNダイオード262に代えて、正の温度係数を有する抵抗体(たとえば十分な不純物濃度を有する拡散抵抗)が利用されてもよい。
図58は、第5の実施の形態の変更例におけるインバータ回路の動作電源電圧および周囲温度依存特性を示す図である。図58に示すように、この変更例においては、インバータ回路の動作電源電圧Vcc(DELAY)は、外部電源電圧から生成されて外部電源電圧が高くなると低くなり、また周囲温度が高くなるとその値も高くなる。この図58に示す電圧および温度依存特性は、図45に示す第1の制御電圧VNの電圧および温度依存特性と同じである。異なる点は、動作電源電圧Vcc(DELAY)は外部電源電圧から生成される点である。この図58に示す電源電圧Vcc(DELAY)を発生するための構成を図59に示す。
図59(A)に示すように、電源電圧Vcc(DELAY)を発生するための回路は、第1の基準電圧VREF1を負入力に受け、第3の基準電圧VREF3を正入力に受ける差動増幅回路290により構成される。この差動増幅回路290から生成された電源電圧Vcc(DELAY)はインバータ回路291の電源電圧ノードへ与えられる。
第3の基準電圧VREF3は、図56(C)に示す回路構成と同様の回路構成により作成される。異なる点は、電源電圧Vccが外部電源電圧ext.Vccに置換わることである。この場合、電源電圧Vcc(DELAY)は、図45に示す第1の制御電圧VNと同じ電圧および周囲温度依存特性を備える。この動作電源電圧Vcc(DELAY)は、外部電源電圧ext.Vccが上限値に近づくと低くされ、周囲温度が高くなると同様に高くなる。したがって、このインバータ回路291は、外部電源電圧の上限値または周囲温度が下限値に近い場合には、動作速度が遅くなる(動作電源電圧が低くされるため、MOSトランジスタの駆動力が小さくなる;インバータ回路291は、1段ではなく、カスケード接続されて利用されることに留意されたい)。
したがって図59(B)に示すように、このような構成を用いても、外部電源電圧Vccが高いかまたは周囲温度Tが低い場合には、その遅延時間が長くされ、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、第5の実施の形態においては、出力信号Qがローレベルとして出力される場合の出力制御回路の構成について説明している。しかしながら、この出力データ信号Qがハイレベルへプルアップされる場合の出力制御回路においても同様適用可能であり、また第1ないし第4の実施の形態の種々の変更例の遅延回路に対して適用することが可能である。
さらに、第5の実施の形態において、ローレベル出力データ信号およびハイレベル出力データ信号のいずれがアクセス時間を決定するかに応じて適当に遅延回路の遅延時間が変更されればよい。
[実施の形態6]
図60は、この発明の第6の実施の形態である出力回路の構成を概略的に示す図である。図60においては、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDに従って出力信号Qを生成する出力回路926に対し、専用の電源回路304a、304b、306a、306bを含む電圧調整器301が設けられる。電源電圧印加回路304aは、出力許可信号に応答して第1の速度で電源ノード300を充電し、電源電圧印加回路304bは、出力許可信号OEMに応答して、この第1の速度よりも速い第2の速度で電源ノード300を充電する。接地電圧印加回路306aは、出力許可信号OEMに応答して第3の速度(第1の速度に等しくてもよい)で接地ノード302を放電し、接地電圧印加回路306bは、出力許可信号OEMに応答して第3の速度よりも速い第4の速度で電源ノード302を接地電圧レベルに放電する。その構成は後に詳細に説明するが、電源電圧印加回路304bは、電源電圧印加回路304aよりも遅いタイミングで活性状態とされ、接地電圧印加回路306bは、接地電圧印加回路306aよりも遅いタイミングで活性状態とされる。なお、電源ノード300および接地ノード302は、基準電源ノードを構成し、電源電圧印加回路304a、電源電圧印加回路304b、接地電圧印加回路306aおよび接地電圧印加回路306bが、基準電圧源を構成する。
出力回路926は、活性化時(出力許可信号OEMの活性化時)、この電源ノード300および接地ノード302上の電圧を両動作電源電圧として動作し、出力信号Qを出力する。
図61は、図60に示す出力回路の構成を示す図である。図61において、出力回路926は、内部データ信号ZDDを反転するインバータ5と、出力許可信号OEMとインバータ回路5の出力信号とを受ける2入力AND回路3と、内部データ信号ZDDと出力許可信号OEMを受ける2入力AND回路4と、AND回路3の出力信号に応答して導通し、電源ノード300上の電圧VccQを出力ノード6へ伝達するnチャネルMOSトランジスタ1と、AND回路4の出力信号に応答して導通し、接地ノード302上の電圧VssQを出力ノード6へ伝達するnチャネルMOSトランジスタ2を含む。これらnチャネルMOSトランジスタ1および2は、それぞれドライブトランジスタを構成する。この図61に示す出力回路の構成は、従来の構成とは、その電源ノード300および接地ノード302に与えられる電圧が調整されることを除いて同じである。
図62は、図60に示す電圧調整器301の構成を示し、この電圧調整器301は、出力許可信号OEMを反転するインバータ310,311と、出力許可信号OEMを所定時間T5遅延する偶数段(図62において4段)のインバータで構成される遅延回路312と、遅延回路312の出力信号と出力許可信号OEMを受ける2入力NAND回路313と、NAND回路313の出力信号を反転するインバータ314と、インバータ回路310の出力信号に応答して電源ノード300および接地ノード302を短絡するnチャネルMOSトランジスタ315と、インバータ回路310の出力信号に応答して基準電圧VREFを電源ノード300へ伝達するnチャネルMOSトランジスタ316と、インバータ回路310の出力信号に応答して基準電圧VREFを接地ノード302へ伝達するnチャネルMOSトランジスタ317を含む。基準電圧VREFは、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDの間の中間電圧レベルである。出力ノード6(図60参照)は中間電圧レベルにプリチャージされるとき、この基準電圧VREFはこの出力ノード6がプリチャージされる中間電圧レベルとされてもよい。
電圧調整器301は、さらに、インバータ311の出力信号に応答して第1の電流駆動力で電源電圧Vcc供給ノードから、電源ノード300へ電流を供給するnチャネルMOSトランジスタ318と、インバータ回路314の出力信号に応答して、この第1の電流駆動力よりも大きな電流駆動力で電源電圧Vcc供給ノードから電源ノード300へ電流を供給するnチャネルMOSトランジスタ320と、インバータ回路311の出力信号に応答して、第3の電流駆動力で接地ノード302から接地電圧供給ノードへ電流を放電するnチャネルMOSトランジスタ319と、インバータ回路314の出力信号に応答して、接地ノード302から接地電圧GND供給ノードへ第3の電流駆動力よりも大きな第4の電流駆動力で電流を放電するnチャネルMOSトランジスタ321を含む。第1の電流駆動力と第3の電流駆動力とは等しく、また第2の電流駆動力と第4の電流駆動力は等しくされてもよい。MOSトランジスタ318〜321の電流駆動力の大小は、そのトランジスタのW/L(チャネル幅/チャネル長)の比を適当に調節することにより実現される。係数β(W/Lに比例する定数)が大きい程その電流駆動力を大きくすることができる。
図62の構成において、電源電圧印加回路304aはMOSトランジスタ318を含み、電源電圧印加回路304bは、MOSトランジスタ320を含み、接地電圧印加回路306aは、MOSトランジスタ319を含み、接地電圧印加回路306bは、MOSトランジスタ321を含む。遅延回路312、NAND回路313、およびインバータ314は立上り遅延回路を構成する。
次にこの図61および62に示す回路の動作をその動作波形図である図63を参照して説明する。
出力許可信号OEMが“H”から“L”レベルに立下がると、出力回路926が非活性状態とされ、その出力データQを読出すサイクルが完了する。図63においては、出力回路926の非活性化時、その出力信号Qは中間電圧レベルにプリチャージされる構成が一例として示される。出力回路926が非活性状態のとき、出力回路926は、出力ハイインピダンス状態に維持される構成が利用されてもよい。
出力許可信号OEMが“L”となると、インバータ回路310の出力信号が“H”となり、MOSトランジスタ315〜317がオン状態となり、電源ノード300および接地ノード302は中間電圧レベルの基準電圧VREFレベルにプリチャージされる。また、インバータ回路311の出力信号が“L”に立下がり、MOSトランジスタ318および319がオフ状態となる。同様、NAND回路313の出力信号も“H”となり、応じてインバータ回路314の出力信号が“L”となり、MOSトランジスタ320および321がオフ状態とされる。この一連の動作により、ノード300および302は、基準電圧VREFレベルにプリチャージされる。
次のデータ読出が行なわれると、まず、出力許可信号OEMが“H”レベルに立上がる。インバータ回路310の出力信号が“L”に立下り、MOSトランジスタ315〜317がオフ状態とされる。次いで、インバータ回路311の出力信号が“H”となり、電流駆動力の小さなMOSトランジスタ318および319がオン状態とされる。これにより、電源ノード300は、電流駆動力の小さなMOSトランジスタ318により、その電圧レベルが基準電圧VREFレベルから徐々に上昇する。同様、接地ノード302は、電流駆動力の小さなMOSトランジスタ319により接地電圧レベルへ緩やかに放電され、その電圧レベルが中間レベルの基準電圧VREFから緩やかに低下する。内部データ信号ZDDの論理レベルに従って、図61に示すMOSトランジスタ1および2の一方がオン状態とされる。オン状態とされたMOSトランジスタ1または2は、その対応の基準電源ノード(電源ノードまたは接地ノード)上の電圧を出力ノード6へ伝達する(対応の基準電源ノードと出力ノード6との間に電流の流れを生じさせる)。
したがって、電流駆動力の小さなMOSトランジスタ318および319をまずオン状態としてノード300および302の電流を緩やかに変化させることにより、このノード300または302上の電圧が出力ノード6へ伝達されて、出力ノード6の電圧はこの中間電圧レベルから緩やかに変化する。出力ノード6の電圧レベルがリンギングが発生しない電圧レベルに到達すると、そのときにノード300および302の電圧レベルを急激に変化させ、応じて出力信号Qの電圧レベルを急激に変化させても、リンギングが発生することはない。すなわち、出力許可信号OEMが“H”に立上り、ノード300および302の電圧レベルが十分変化した後、遅延回路312の出力信号が“H”に立上り、応じてNAND回路313の出力信号が“L”となると、インバータ回路314の出力信号が“H”となり、大きな電流駆動力を有するMOSトランジスタ320および321がオン状態とされる。これによりノード300および302は電圧レベルが高速で変化し、それぞれ電源Vccおよび接地電圧GNDレベルに到達する。これにより、ドライブトランジスタ1または2を介して出力ノード6の電圧レベルが電源電圧Vccまたは接地電圧GNDレベルまで変化し、リンギングを生じさせることなく高速で安定な出力信号を生成することができる。
[変更例1]
図64は、この発明の第6の実施の形態の第1の変更例の要部の構成を示す図である。図64に示す構成においては、図62に示すMOSトランジスタ318および320に対し、昇圧回路325からの昇圧電圧が与えられる。昇圧回路325は、電源電圧Vccまたは外部電源電圧extVccを昇圧し、外部電源電圧以上の高電圧Vpを生成する。この図64に示す構成の場合、電源ノード302へ与えられる電源電圧VccQは、内部電源電圧Vccよりも十分高い電圧レベルに設定することができる。この場合、低消費電力化などにより、内部電源電圧Vccが低くされた場合においても、余裕をもって十分な電圧レベルを有する“H”の信号を出力することができる。このような、低電源電圧化において、VOH(出力信号のハイレベル電圧)とVOL(出力信号のローレベル電圧)の差が小さくなる場合においても、図64に示すような昇圧回路325を利用することにより、出力ドライブトランジスタ1における損失を補償して十分高い電圧レベルのハイレベル出力信号を生成することができる。この場合においても、電源ノード302の充電が2段階で行なわれるため、何らリンギングは発生することなく、安定に十分な電圧レベルを有する出力信号を高速で出力することができる。
図65は、図64に示す昇圧回路を用いた際の出力回路の構成を示す図である。図65において、出力回路926は、AND回路3と出力ドライブトランジスタ1の間に設けられ、昇圧回路325からの高電圧Vpを一方動作電源電圧として動作しAND回路3の出力信号の“H”レベルを高電圧Vpレベルに昇圧レベル変換するレベル変換回路327を含む。AND回路3および4は内部電源電圧Vccを一方動作電源電圧として動作する。このレベル変換回路327の構成は、pチャネルMOSトランジスタがソースに高電圧Vpを受けるように構成されかつ交差結合された構成を利用することができる。pチャネルMOSトランジスタのドレインと接地電圧ノードの間にnチャネルMOSトランジスタが接続される。このレベル変換回路327を用いることにより、電源ノード302へ与えられた高電圧Vpレベルの電源電圧VccQを出力ノード6へ伝達することができる。
電圧調整器301は、また高電圧Vpを受ける。これは、図62に示す構成において、インバータ311および314の出力信号を高電圧Vpレベルに昇圧する必要があるためであり、この高電圧Vpはインバータ311および314へ与えられる。これらインバータ311および314が、高電圧Vpレベルの信号を出力する。この場合、インバータ311および314の出力部にレベル変換回路が設けられてもよく、また、インバータ311および314自体がレベル変換機能を備えるように構成されてもよい。
この場合、電源ノード300へ与えられる電圧とレベル変換回路327へ与えられる電圧レベルが異なるように構成されてもよい。すなわち、昇圧回路325から出力される高電圧Vpが2種類準備され、レベル変換回路327は、この2種類の高電圧のうち高い方の高電圧のレベルにNAND回路3の出力信号のハイレベルをレベル変換し、またインバータ311および314(図52参照)のハイレベル電圧もこの高い方の高電圧レベルにレベル変換される。この場合には、MOSトランジスタのしきい値電圧の損失を伴うことなく低い方の高電圧レベルを電源ノード300へ伝達することができる。
図65に示す構成においては、AND回路4の出力部にはレベル変換回路は設けられていない。出力ノード6を放電する場合、ドライブトランジスタ2のゲート電位が内部電源電圧Vccレベルであっても、ドライブトランジスタはオン状態となり、出力ノード6への電圧を接地ノード302上の電圧レベルに放電する。このとき、ドライブトランジスタ2のゲート電位が内部電源電圧Vccレベルであれば、高電圧Vpが印加される場合に比べて、そのコンダクタンスが小さくされ、出力ノード6の放電速度は緩やかとされる。したがって、出力ノード6の放電開始時における急激な電流変化を抑制することができ、リンギング抑制に対しより効果的となる。ドライブトランジスタ2のゲート電圧レベルが十分その接地ノード302の電圧レベルよりも高く、接地ノード302上の電圧VssQが高速で接地電圧GNDレベルに放電されても、その高速放電に従って出力ノード6の電圧レベルを高速で接地電圧GNDレベルまで放電することができる。
この場合においても、ドライブトランジスタ2のゲートとAND回路4の間にレベル変換回路を設けることにより、ドライブトランジスタ2のゲート電位を十分高くし、出力ノード6の放電速度調整は、電圧調整器301のみで行なわれる構成が利用されてもよい。なお、上述の構成においては、電源ノード300および接地ノード302(これらをまとめて基準電源ノードと称す)上の電圧は2段階で変化させられている。しかしながら、3以上の複数段階にわたって基準電源ノード上の電圧が変化される構成が利用されてもよい。
また、出力回路においては、無効信号が出力されるか否かに従ってその遅延時間が可変とされる複数の並列に接続されるドライブトランジスタを用いる構成が併わせて利用されてもよい。また出力回路926の構成は、先の第1ないし第5の実施の形態をすべて適用することができる。
以上のように、この発明の第6の実施の形態に従えば、出力ノードを内部信号に従って駆動する出力段トランジスタの基準電源ノード上の電圧を複数段階にわたってその変化速度を変化させるように構成したため、出力ノード6上の電圧変化を最初は緩やかに、徐々に速くすることができ、リンギングを生じることなく高速で安定な出力信号を出力することができる。
[実施の形態7]
図66は、この発明の第7の実施の形態の出力回路の要部の構成を示す図である。図66においては、出力回路の両動作電源電圧を与える電圧調整部の構成を示す。出力回路の構成は図61に示すものと同様である。
図66において、電圧調整部は、以下の点において図60に示す電圧調整器301の構成と異なっている。すなわち、図66に示す構成においては、インバータ回路311の出力信号に応答するnチャネルMOSトランジスタ328が、電源ノード300に対し基準電圧VREFと電源電圧Vccとの間の電圧Vccpを電源ノード300へ伝達する。このMOSトランジスタ328と並列に設けられるnチャネルMOSトランジスタ330は、インバータ回路314の出力信号に応答して電源電圧Vccを電源ノード300へ伝達する。また、接地ノード302に結合されるnチャネルMOSトランジスタ329は、インバータ回路311の出力信号に応答して、接地電圧GNDよりも中間電圧VREFの電圧レベルに近い電圧Vbsgを接地ノード302へ伝達する。nチャネルMOSトランジスタ331は、インバータ回路314の出力信号に応答して接地電圧GNDを接地ノード302へ伝達する。他の構成は図62に示す構成と同じである。
MOSトランジスタ328および330のチャネル幅およびチャネル長の比W/Lは同じとされてもよく、また図62に示すように、MOSトランジスタ328のチャネル幅とチャネル長の比(または係数β)がMOSトランジスタ330のそれよりも小さくされてもよい。また、MOSトランジスタ329のW/LはMOSトランジスタ331と等しくされてもよく、またそれよりも小さくされてもよい。次に動作について簡単に説明する。
出力回路の動作は図61に示すものと同じである。スタンバイ時においては、インバータ回路310の出力信号が“H”であり、MOSトランジスタ315、316および317がオン状態にあり、ノード300および302は基準電圧VREFの電圧レベルにプリチャージされる。このとき、インバータ回路311および314の出力信号は共に“L”であり(出力許可信号OEMは“L”レベルにある)、MOSトランジスタ328、330、321および331はすべてオフ状態にある。
データ信号の読出が行なわれる場合、出力許可信号OEMが“L”から“H”に立上る。これにより、まずMOSトランジスタ315〜317がすべてオフ状態とされる。まず、インバータ回路311の出力信号が“H”レベルに立上り、MOSトランジスタ328および329がオン状態となる。電源ノード300は、このMOSトランジスタ328により、比較的緩やかにリンギングの生じない電圧レベルのVccpレベルにまで充電される。一方、MOSトランジスタ329は、接地ノード302を、リンギングの生じない電圧Vbsgレベルにまで緩やかに放電する。この後、MOSトランジスタ330および331がインバータ回路314の出力信号によりオン状態となり、電源ノード300が高速で電源電圧Vccレベルにまで充電され、一方、接地ノード302が接地電圧GNDレベルまで高速で放電される。出力回路からハイレベルの出力信号が出力される場合、このドライブトランジスタ1(図61参照)を介して電源ノード300上の電圧が出力ノード6へ伝達される。一方、出力回路がローレベルの信号を出力する場合には、この接地ノード302上の電圧がドライブトランジスタ2を介して出力ノード6へ伝達される。したがって、この出力ノード6の電圧変化は電源ノード300または接地ノード302の電圧の変化とほぼ同じとなる。これにより、出力ノード6上の出力信号Qは、リンギングの生じない電圧レベルにまで緩やかに変化し、次いで高速で電源電圧または接地電圧レベルまで駆動される。この構成により、リンギングを生じることなく、高速で安定な出力信号を出力することができる。
MOSトランジスタ329は、MOSトランジスタ331と同じチャネル幅とチャネル長の比W/L(または係数β)を有していてもよい。MOSトランジスタ329のソース電圧VbsgはMOSトランジスタ331のソース電圧GNDよりも高いため、実効的に、MOSトランジスタ329のゲート電圧はMOSトランジスタ331のゲート電圧よりも低くなり、応じてMOSトランジスタ329のコンダクタンスはMOSトランジスタ331のコンダクタンスよりも小さくなり、結果的にMOSトランジスタ329の電流駆動力は、MOSトランジスタ331の電流駆動力よりも小さくされるためである。
なお、図62および図66に示す電源ノード300を充電するためのMOSトランジスタ318、320、328および330には、pチャネルMOSトランジスタが用いられてもよい。しきい値電圧の損失を伴うことなく電源電圧Vccを電源ノード300へ伝達することができる。この図66に示す構成において、nチャネルMOSトランジスタ328および330に代えて、pチャネルMOSトランジスタが用いられる場合、これらのpチャネルMOSトランジスタのチャネル幅チャネル長の比(または係数β)は同じとされてもよい。電圧Vccpをソースに受けるpチャネルMOSトランジスタの電流駆動力は、電圧Vccをソースに受けるpチャネルMOSトランジスタのそれよりも小さくされるためである。
図67は、図66に示す電圧VccpおよびVbsgを発生するための構成の一例を示す図である。図67(A)に電圧Vccpを発生するための構成を示し、図67(B)に電圧Vbsgを発生するための構成を示す。
図67(A)において、電圧発生回路は、電源電圧Vcc供給ノードとノード332の間に直列に接続される、ダイオード接続されたpチャネルMOSトランジスタPM1〜PMnと、ノード332と接地電圧GND供給ノードとの間に接続される抵抗Rpを含む。抵抗Rpは、MOSトランジスタPM1〜PMnのチャネル抵抗よりも十分大きな抵抗値を備える。MOSトランジスタPM1〜PMn各々はダイオードモードで動作し、そのしきい値電圧の絶対値Vthpだけ電圧を低下させる。したがってこの図67(A)に示す構成において、電圧Vccpとしては、Vcc−n・Vthpの電圧が出力される。MOSトランジスタPM1ないしPMnの数は、電圧Vccpのレベルに応じて適当な値に調節される。
図67(B)において、電圧発生部は、電源電圧Vcc供給ノードとノード333の間に接続される抵抗Rnと、ノード333と接地電圧GND供給ノードとの間に直列に接続される、各々がダイオード接続されたnチャネルMOSトランジスタNM1ないしNMnを含む。抵抗RnはMOSトランジスタNM1ないしNMnのそれぞれのチャネル抵抗よりも十分大きな抵抗値を有する。この場合には、MOSトランジスタNM1〜NMnはダイオードモードで動作し、それぞれそのしきい値電圧Vthnだけ電圧を低下させる。したがってこの図67(B)に示す構成の場合、ノード33に現われる電圧Vbsgは、n・Vthnとなる(接地電圧GNDを0Vとする)。
電圧Vccpは、基準電圧VREFよりも大きな値を有し、電圧Vbsgは基準電圧VREFよりも小さな値を備える。
なお、図67(A)および(B)に示す電圧発生回路の構成に代えて、種々の基準電圧発生回路を利用することができる。
以上のように、この発明の第7の実施の形態の構成に従えば、出力回路の出力信号の電圧レベルを決定する電圧を供給する電源ノードおよび接地電圧を2段階で駆動するとともに、初段階においては、電源電圧Vccよりも低い電圧Vccpおよび接地電圧GNDよりも高い電圧Vbsg供給源から電源ノードおよび接地ノードへそれぞれ電流を供給するように構成しているため、これらの電圧レベルを安定に発生することにより、確実に出力回路の出力ノードをリンギングが生じない電圧レベルにまで駆動することができ、この後、高速で電源電圧Vccレベルまたは接地電圧GNDレベルに駆動することができ、リンギングの生じない安定な出力信号を高速で出力することができる。
また、この第7の実施の形態の構成に従えば、リンギングが生じない電圧レベルを電圧VccpおよびVbsgにより設定することができるため、出力ノードの電圧レベルが十分に変化する前に、高速で出力ノードが充放電されるのが防止され、確実にリンギングの発生を抑制することができる。
[実施の形態8]
図68は、この発明の第8の実施の形態である出力回路の要部の構成を示す図である。図68において、出力回路926は、先の実施の形態と同様、内部データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力許可信号OEMとインバータ回路5の出力信号を受けるAND回路3と、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDを受けるAND回路4と、AND回路3の出力信号に応答して、出力ノード6を、電源ノード300上の電圧VccQレベルにまで駆動するドライブトランジスタ1と、AND回路4の出力信号に応答して出力ノード6を接地ノード302上の電圧VssQレベルまで放電する出力ドライブトランジスタを含む。
この出力回路は、さらに、AND回路4からノードN2に与えられた信号に応答して、その接地ノード302上の電圧レベルを調整する電圧調整器340を含む。図68において、図面を簡略化するために、接地ノード302上の電圧VssQを調節する電圧調整器340のみを示すが、電源ノード300上の電圧VccQをこのノードN1上の電圧レベルに応じて調整する電圧調整器がまた設けられる。このノードN1上の信号に従って電源ノード300上の電圧VccQを調整する回路は、電圧調整器340と同じ構成を備える。
電圧調整器340は、出力指示信号DOTとノードN2上の外部信号とに応答して無効出力があるか否かを判別し、その判別結果に従って遅延時間を調節して所定の遅延時間経過後に活性化信号を出力する駆動回路350と、駆動回路350の出力信号とノードN2上の内部信号を受ける2入力NAND回路351と、NAND回路351の出力信号を反転するインバータ回路352と、ノードN2上の信号を反転するインバータ回路353と、インバータ回路353の出力信号を反転するインバータ回路354と、インバータ回路354の出力信号に応答して導通し、接地ノード302を接地電圧GNDレベルに放電する、比較的小さな電流駆動力を有するnチャネルMOSトランジスタ360と、インバータ回路352の出力信号に応答して導通し、接地ノード302を接地電圧GNDレベルにまで放電する比較的大きな電流駆動力を有するnチャネルMOSトランジスタ365とを含む。インバータ回路353および354は、バッファ回路を構成する。
電圧調整器340は、さらに、出力許可信号OEMを反転するインバータ回路370と、インバータ回路370の出力信号に応答して基準電圧VREFを接地ノード302へ伝達するnチャネルMOSトランジスタ375を含む。MOSトランジスタ375は、出力許可信号OEMが“L”にある、出力回路926の非活性化時に導通し、接地ノード302を基準電圧VREFにプリチャージする。
駆動回路350は、出力指示信号DOTを反転するインバータ回路381と、ノードN2上の内部信号とインバータ回路381の出力信号を受ける2入力NAND回路382と、ノードN2上の内部信号と出力指示信号DOTを受ける2入力AND回路383と、NAND回路382の出力信号に応答してセットされかつ内部ノードN2上の内部信号に応答してリセットされる、交差結合されたNAND回路NA13およびNA14を含むフリップフロップ384と、フリップフロップ384に含まれるNAND回路NA13の出力信号を受けるインバータ回路385と、インバータ回路385の出力信号を所定時間T1遅延する遅延回路387と、インバータ回路385の出力信号とAND回路383の出力信号とを受ける2入力NAND回路386と、NAND回路386の出力信号を所定時間T2遅延する遅延回路388と、遅延回路387および388の出力信号を受ける2入力NAND回路389を含む。
フリップフロップ384は、出力指示信号DOTが活性状態の“H”となったときに、内部ノードN2上に有効な信号(“H”の信号)が出力されているか否かを判別する機能を備える。遅延回路387の遅延時間T1は、遅延回路388の遅延時間T2よりも長くされる。
この駆動回路350の構成は、実質的に図16に示すドライブトランジスタの導通タイミングを調整する制御回路のそれと同じである。次に動作について簡単に説明する。
まず、図69に示す動作波形図を参照して、無効出力が存在しない場合の動作について説明する。この内部ノードN2上の内部信号が“L”か“H”に立上ると、インバータ回路353および354の出力信号が応じて“H”となり、MOSトランジスタ360がオン状態となり、その小さな電流駆動力により、接地ノード302上の電圧VssQを、この中間電圧VREFから接地電圧GNDへと放電する。このとき、出力許可信号OEMは“H”に立上っており、応じてMOSトランジスタ345はオフ状態にあり、接地ノード302は中間電圧VREF供給源から分離される。一方、出力放電用のドライブトランジスタ2は、この内部ノードN2上の内部信号に応答してオン状態となり、出力ノード6をその接地ノード302上の電圧VssQレベルへ放電する。このとき、出力指示信号DOTは“H”に上昇していないため、この信号は無効信号である。したがって、ノードN2が“H”となるまでの出力信号は無効信号であり、ドライブトランジスタ1を介して出力ノード6が電源ノード300から充電される。フリップフロップ384はリセットされており、その出力信号は“L”である。出力指示信号DOTが“L”から“H”へ立上ると、NAND回路382の出力信号が“L”となり、フリップフロップ384がセットされ、応じてインバータ回路385の出力信号が“L”に立下る。一方、AND回路383の出力信号も同時に“H”に立上るが、このときインバータ回路385の出力信号は“L”にあり、NAND回路386の出力信号は“H”を維持する。したがって遅延回路388の出力信号は“H”を維持する。
インバータ回路385の出力信号が“L”に立下ってから所定時間T1が経過すると、遅延回路387の出力信号が“L”に立下り、NAND回路389の出力信号が“H”に立上る。このとき既に、ノードN2上の内部信号は“H”に立上っており、NAND回路351の入力信号が共に“H”となり、このNAND回路351の出力信号が“H”から“L”に立下り、応じてインバータ回路352の出力信号が“L”から“H”に立上る。これにより、それまでオフ状態にあった電流駆動力の大きなMOSトランジスタ365がオン状態となり接地ノード302を急速に接地電圧GNDレベルにまで低下させる。これにより、ドライブトランジスタ2を介して出力ノード6上の出力信号Qも高速で接地電圧GNDレベルにまで低下する。MOSトランジスタ355がオン状態となるのは、出力指示信号DOTが“H”に立上ってから遅延時間T1経過後である。この遅延時間T1を長くすることにより、無効出力により上昇した出力信号Qを緩やかにリンギングの生じない電圧レベルまで低下させ、その後に高速で接地電圧GNDレベルにまで低下させることができ、リンギングの生じない安定な出力信号を出力することができる。
次に、無効出力が信号が出力されない場合の動作を、その動作波形図である図70を参照して説明する。この状態においては、出力指示信号DOTが“H”となってから内部ノードN2に上の内部信号が“H”に立上る。ノードN2上の内部信号および出力指示信号DOTが共に“H”となると、NAND回路383の出力信号が“H”となる。一方、内部ノードN2上の内部信号が“L”の間、NAND回路382の出力信号は、この出力指示信号DOTの状態に関わらず、“H”である、フリップフロップ384はリセット状態を維持し、その出力信号は“L”を維持する。応じてインバータ回路385の出力信号は“H”の状態を維持する。したがって、NAND回路383の出力信号が“H”に立上ると、NAND回路386の出力信号が“L”に立下り、所定時間T2の経過の後、遅延回路388の出力信号が“L”に立下る。これにより、NAND回路389の出力信号が“L”から“H”に立上る。
内部ノードN2上の内部信号が“H”に立上ると、インバータ回路353および354によりMOSトランジスタ360がオン状態となる。一方このときには、MOSトランジスタ375はオフ状態にあり、接地ノード302上の電圧VssQは、MOSトランジスタ360を介して接地電圧GNDレベルで放電され、その電位が緩やかに低下する。これにより、ドライブトランジスタ2は、この接地ノード302上の電圧VssQに従って出力ノード6上の出力信号Qを放電する。このため、出力ノード6上の出力信号Qの電位変化は緩やかであり、この出力ノード6にリンギングは生じない。内部ノードN2上の内部信号が“H”に立上ってから、遅延時間T2が経過した後、NAND回路351の出力信号が“L”となり、インバータ回路352の出力信号が“H”となり、大きな電流駆動力を有するMOSトランジスタ365がオン状態とされる。これにより、リンギングの生じない電圧レベルにまで低下した接地ノード302上の電圧VssQは、高速で電流駆動力の大きなMOSトランジスタ365により接地電圧GNDレベルにまで放電される。ドライブトランジスタ2は、出力ノード6上の電圧をこの接地ノード302上の電圧レベルにまで放電する。したがってこの場合、急速に出力ノード6上の出力信号Qが低下するものの、既にリンギングが生じない電圧レベルにまで低下しているため、リンギングが生じない安定な出力信号が出力ノード6に出力される。
このように、無効信号出力の有無に従って接地ノード302を駆動するトランジスタ365のオン状態となるタイミングを調節することにより、確実に出力ノード6上の電圧レベルがリンギングを生じない電圧レベルにまで低下した後に高速でこの出力ノード6上の電圧を接地電圧レベルへ放電することができ、無効信号の有無に拘らずリンギングの生じない安定な出力信号を生成することができる。
なお、図68に示す構成において、MOSトランジスタ360は、先に図66に示したように、接地電圧GNDレベルよりも高い電圧Vbsgを受けるように接続されてもよい。また、出力回路926に対しては、先に図23、25、27、29および31などにおいて示したように、無効出力の有無により大きな電流駆動力を有するトランジスタのオン状態となるタイミングを異ならせる構成が設けられてもよい。
この図68に示す電圧調整器に含まれる駆動回路350の構成としては、無効信号出力の有無に従ってMOSトランジスタ365がオン状態となるタイミングを異ならせる構成であればよく、図23、図25、図27、図29および図31に示す構成をこの制御回路に適用することができる。
以上のように、この発明の第8の実施の形態の構成に従えば、出力回路の基準電源ノードに対し電流駆動力の異なる複数のトランジスタを設け、無効出力の有無に従ってこの電流駆動力の大きなトランジスタのオン状態となるタイミングを異ならせるように構成したため、無効出力の有無に関わらず、リンギングの生じない出力信号を高速で出力することができる。
[実施の形態9]
図71は、この発明の第9の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。図71において、出力回路926は、内部ノードN2上の信号を所定時間遅延する遅延回路401と、遅延回路401の出力信号をさらに所定時間遅延する遅延回路402と、内部ノードN2上の信号と遅延回路401の出力信号を受けるNAND回路404と、内部ノードN2上の内部信号と遅延回路402の出力信号を受ける2入力AND回路706と、内部ノードN2上の内部信号に応答して導通し、出力ノード6を接地電圧GNDレベルに放電するnチャネルMOSトランジスタで構成されるドライブトランジスタ2eと、AND回路404の出力信号に応答して導通し、出力ノード6を接地電圧GNDレベルに放電するnチャネルMOSトランジスタで構成されるドライブトランジスタ2fと、AND回路406の出力信号に応答して導通し、出力ノード6を接地電圧GNDレベルへ放電するnチャネルMOSトランジスタで構成されるドライブトランジスタ2gを含む。
出力回路926は、また、先の実施の形態と同様内部データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力許可信号OEMとインバータ回路5の出力信号を受けるAND回路3と、AND回路3の出力信号に応答して導通し、出力ノード6を電源電圧Vccレベルへ充電するnチャネルMOSトランジスタで構成されるドライブトランジスタ1と、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDに応答してドライブトランジスタ2eをオン状態にするAND回路4を含む。ドライブトランジスタ2e、2fおよび2gはその他しきい値電圧Vth1、Vth2およびVth3を有し、またそれぞれのウェル領域(または基板領域)へはバイアス電圧VBB1、VBB2、およびVBB3が与えられる。
しきい値電圧Vth1、Vth2およびVth3は、
Vth1>Vth2>Vth3>0
の関係を満足し、また基板バイアス電圧VBB1、VBB2、VBB3は、
VBB1<VBB2<VBB3<0
の関係を満足する。nチャネルMOSトランジスタは、そのしきい値電圧が高くなると、同じゲート電圧が印加された場合、実効上そのゲート電位が低くなり、そのコンダクタンスが小さくされる。したがって、ドライブトランジスタ2e,2fおよび2gへ同じ電圧レベルの“H”レベルの電圧が印加された場合、ドライブトランジスタ2e,2fおよび2gの順にそのコンダクタンスが大きくなる。同様、基板バイアス電圧は、一般に、その絶対値が大きくなる程MOSトランジスタのしきい値電圧は高くなる。したがって同様、この基板バイアス電圧の影響により、ドライブトランジスタ2e、2f、および2gの順に基板バイアス効果が小さくされ、コンダクタンスが大きくされる。但し、ここでは、ドライブトランジスタ2e,2fおよび2gは同じサイズを備えていると仮定する。
動作時においては、まず内部ノードN2上の内部信号が“H”に立上ると、ドライブトランジスタ2eがオン状態にされ、出力ノード6が接地電圧GNDレベルに放電される。このドライブトランジスタ2eのしきい値電圧Vth1は最も大きく、またその基板バイアス電圧も最も小さくされており、その基板バイアス効果が大きくされている。したがって比較的小さな電流駆動力で出力ノード6を接地電圧GNDレベルへ放電する。次いで、遅延回路401の出力信号が“H”に立上ると、ドライブトランジスタ2fがオン状態とされる。このドライブトランジスタ2fは、中間の大きさのしきい値電圧Vth2および基板バイアス電圧VBB2を有しており、比較的大きな電流駆動力をもって出力ノード6を接地電圧GNDレベルへ放電する。次いで、遅延回路402の出力信号が“H”に立上り、応じてAND回路406の出力信号が“H”となり、ドライブトランジスタ2gがオン状態にされる。ドライブトランジスタ2gは、その基板バイアスが最も浅く、またしきい値電圧Vth3の最も小さな値を有している。したがって大きな電流駆動力をもって出力ノード6を接地電圧GNDレベルへ放電する。これにより、ドライブトランジスタ2e、および2fによりリンギングの生じない電圧レベルまで低下した出力ノード6上の電圧が、ドライブトランジスタ2gを介して高速で接地電圧GNDレベルまで放電される。
このように、基板バイアス電圧VBB(VBB1〜VBB3)およびしきい値電圧Vth(Vth1〜Vth3)の大きさに違いをつけ、ドライブトランジスタの電流駆動力を応じて異ならせることにより、初期段階において比較的緩やかに出力ノード6の放電を行ない、リンギングが生じない電圧レベルまで低下したときに電流駆動力の大きなドライブトランジスタを用いて高速で出力ノード6を接地電圧GNDレベルにまで放電することができ、リンギングが生じることがない安定な出力信号を高速で出力することができる。
[変更例1]
図72は、この発明の第9の実施の形態の出力回路の変更例を示す図である。図71においては、出力ノード6を放電するためのドライブトランジスタ2e、2fおよび2gのソースを構成する接地ノード302へは、電圧調整器301bからの電圧VssQが与えられる。ドライブトランジスタ2e、2fおよび2gならびに遅延回路401および402は、図71に示すものと同じであり、対応する部分には同一の参照番号を付す。この電圧調整器301bは、出力許可信号OEMに応答してその出力電圧VssQを基準電圧VREFから接地電圧GNDレベルへ変化させる。この電圧調整器の構成は、先に図62および図66において示したものと同様である。
図72において、出力回路はさらに、電源ノード300と出力ノード6の間に互いに並列に、nチャネルMOSトランジスタで構成されるドライブトランジスタ1e、1fおよび1gが設けられる。ドライブトランジスタ1eは、内部ノードN1上の信号に応答して導通する。ドライブトランジスタ1fは、内部ノードN1上の信号を所定時間遅延する遅延回路403の出力信号に応答して導通する。ドライブトランジスタ1gは、遅延回路403の出力信号をさらに遅延する遅延回路404の出力信号に応答して導通する。これらのドライブトランジスタ1e、1fおよび1gは、互いに異なるしきい値電圧および異なる基板バイアス電圧を有する。図72においては、一例として、これらのドライブトランジスタ1e、1fおよび1gは、それぞれ、出力ノード6を放電するためのドライブトランジスタ2e、2fおよび2gのしきい値電圧およびバイアス電圧と同じ大きさのしきい値電圧およびバイアス電圧を有するように示される。これらは別の値に設定されてもよい。出力充電用ドライブトランジスタ1e〜1gにおいて、先にオン状態とされるドライブトランジスタが大きなしきい値電圧および深い基板バイアスを有していればよい。遅延回路403および404は、それぞれ遅延回路401および402と同じ遅延時間を有する。
電源ノード300へは、電圧調整器301aからの電圧VccQが与えられる。この電圧調整器301aは、出力許可信号OEMに応答して活性化され、その出力電圧VccQを基準電圧VRFのレベルから調整する。この電圧調整器301aは、電圧調整器301bと同様、図62または図66に示す構成を備えていればよい。
一般に、MOSトランジスタのドレインからソースへの流れる電流(ドレイン電流)Idsは次式で与えられる。
飽和領域:|Vds|≧|Vgs−Vth|;
Ids=(Vgs−Vth)2
非飽和領域:|Vds|<|Vgs−Vth|:
Ids=A{(Vgs−Vth)Vds−(Vgs/2)}
ここで、Vdsはドレイン−ソース間電圧を示し、Vgsはゲート−ソース間電圧を示す。Vthはしきい値電圧を示す。飽和領域および非飽和領域いずれの場合においても、ゲート−ソース間電圧Vgsが小さくなると、ドレイン電流Idsは、しきい値電圧Vthの影響を大きく受ける。すなわち、言い換えると、電源電圧Vccが低電圧化され、出力ノード6の出力信号の振幅が小さくされると、しきい値電圧Vthにより出力ノード6上の信号の変化速度をこのしきい値電圧で十分に調整することが可能である。同様に、しきい値電圧Vthは、
Vth=A+B(C+|VBB|)1/2
の関係を備える。すなわち、しきい値電圧Vthは、基板バイアス電圧VBBの絶対値に従ってその絶対値が大きくなる。したがって、同様、低電源電圧化された場合においても、この基板電圧バイアスVBBの影響がしきい値電圧に重畳され、出力ノード6の電圧レベルの変化を調整することができる。特に、図72に示すように電圧調整器301aおよび301bを用いて電源ノード300および接地ノード302の電圧を調整する場合、以下の利点が得られる。
すなわち、出力許可信号OEMの活性化された初期段階においては、接地ノード302へ与えられる電圧VssQは接地電圧GNDよりも高い電圧レベルにある。この場合、放電用のドライブトランジスタ2e、2fおよび2gのソース電位が上昇し、応じてゲート電圧が実効的に低くされる。すなわち、ゲート電圧Vgsが小さくされる。この場合には、上述の式から明らかなように、しきい値電圧Vthの影響が大きくなり、応じて基板バイアス電圧の影響も大きくなる。一方、出力ノード6の電圧レベルがリンギングが生じない電圧レベルまで低下すると、接地ノード302上の電圧レベルも接地電圧GNDレベルとされ、ドライブトランジスタ2e〜2gのゲート−ソース間電圧Vgsも十分大きい値となる。この場合には、しきい値電圧Vthの影響は比較的小さくされ、高速で出力ノード6を接地電圧GNDレベルまで放電することができる。したがって、この接地ノード302上の電圧を段階的に変化させることにより、効果的に基板バイアス電圧および接地しきい値電圧の影響を利用してドライブトランジスタの電流駆動力を調整することができる。
出力ノード6を充電するためのドライブトランジスタ1e、1f、1gにおいても同様である。この場合、電源ノード300上の電圧が比較的低い場合においては、ドライブトランジスタ1eのみがオン状態とされる。このとき、ドライブトランジスタ1eにおいて、ドレイン(電源ノード300に接続される導通領域)においては、その不純物領域と基板領域の間は比較的弱い逆バイアス状態にあり、空乏層の広がりが比較的大きくされる。したがって、この場合ドレイン電界が小さく、ドレイン電流が流れるのが抑制され、ドレイン電流に基板バイアス依存性が生じる。したがって、効果的にドレイン電流を抑制することができ、緩やかに電源ノード300から出力ノード6へ電流を供給する。電源ノード300上の電圧VccQが十分大きな値になると、このドライブトランジスタ1e〜1gにおいては、そのドレイン領域と基板領域との間が十分に逆バイアス状態とされ、空乏層が十分狭くなり、ドレイン電流が流れやすくなる。したがってこの場合には、バイアス電圧依存性が損なわれず、比較的大きなドレイン電流を供給することができる。この状態においては、ドライブトランジスタ1eがオン状態とされる。したがって、この出力ノード充電用のドライブトランジスタ1e〜1gにおいても、しきい値電圧およびバイアス電圧を適当な値に調整することにより、その電流駆動力を調整することができる。このように、接地ノード302および電源ノード300上の電圧VssQおよびVccQを調整する回路と組合せて基板バイアス電圧およびしきい値電圧を異ならせる複数のドライブトランジスタを用いることにより、効果的にリンギングの発生を抑制する出力回路を得ることができる。
またこの図71および図72に示す構成においても、ドライブトランジスタ1eおよび2eのオン状態となるタイミングを無効出力の有無に従って行なう構成と組合せることにより、より効果的に出力信号のリンギングを抑制することができる。
以上のように、この発明の第9の実施の形態の構成に従えば、基板バイアス電圧およびしきい値電圧の異なる複数のトランジスタを出力ノードと基準電源ノードとの間に並列に設け、これらのドライブトランジスタを異なるタイミングでオン状態とするように構成したため、これらのドライブトランジスタはその電流駆動力が異なっているため、効果的にリンギングを抑制しつつ高速で安定な出力信号を出力する出力回路を得ることができる。
[実施の形態10]
図73は、この発明の第10の実施の形態である出力回路の構成および動作を示す図である。図73(A)において、出力ノード6と出力ノード放電のためのドライブトランジスタ2の間に、内部ノードN2上の信号を所定時間遅延する立上り遅延回路410の出力信号Aに応答して導通するnチャネルMOSトランジスタ412と、このMOSトランジスタ412と並行に抵抗素子414とが設けられる。抵抗414は、電流制限機能を備える。他の構成は、先の実施の形態と同様であり、内部データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、出力許可信号OEMとインバータ回路5の出力信号を受けるAND回路3と、AND回路3の出力信号NOHに応答して導通し、電源電圧Vccを出力ノード6へ伝達するドライブトランジスタ1と、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDを受けるAND回路4と、AND回路4の出力信号NOLに応答して導通するドライブトランジスタ2が設けられる。次に、この図73(A)に示す出力回路の動作をその動作波形図である図73(B)を参照して説明する。
出力許可信号OEMが“L”のとき、AND回路4の出力信号NOLは“L”であり、ドライブトランジスタ2はオフ状態にある。この状態においては、立上り遅延回路410の出力信号Aは“L”であり、MOSトランジスタ412は、オフ状態にある。
出力許可信号OEMおよび内部データ信号ZDDがともに“H”となると、AND回路4からの出力信号NOLが“H”に立上り、ドライブトランジスタ2がオン状態となる。このとき、立上り遅延回路410の出力信号Aはまだ“L”レベル、MOSトランジスタ412はオフ状態にある。したがって、この状態においては、出力ノード6は、抵抗素子414およびドライブトランジスタ2を介して接地電圧GNDレベルに放電される。この場合には、抵抗素子414の電流制限機能により、出力ノード6は比較的緩やかに放電される。
AND回路4の出力信号NOLが“H”に立上ってから所定時間T6経過後、立上り遅延回路410の出力信号Aが“H”に立上る。これにより、MOSトランジスタ412がオン状態とされ、抵抗素子414は短絡される。MOSトランジスタ412のオン抵抗(チャネル抵抗)は抵抗素子414の抵抗値に比べて十分小さい値に設定されている。したがって、出力ノード6は、このMOSトランジスタ412およびドライブトランジスタ2を介して高速で接地電圧GNDレベルにまで放電される。このMOSトランジスタ412がオン状態となるときには、出力ノード6の電圧レベルはリンギングが生じない電圧レベルにまで低下しており、出力ノード6の電圧レベルが高速で接地電圧GNDレベルにまで放電されても、その出力ノードにリンギングは生じない。
この図73(A)に示す遅延回路410、MOSトランジスタ412および抵抗素子414は、また出力ノード充電のためのドライブトランジスタ1に対して設けられてもよい。
[変更例1]
図74は、この発明の第10の実施の形態の出力回路の第1の変更例の構成および動作を示す図である。図74(A)において、出力回路926は、従来と同様、内部データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、インバータ回路5の出力信号と出力許可信号OEMを受けるAND回路3と、AND回路3の出力信号NOHに応答して導通し、出力ノード6を電源電圧Vccレベルに充電するドライブトランジスタ1と、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDを受けるAND回路4と、AND回路4の出力信号NOL1に応答して導通し、出力ノード6を接地電圧GNDレベルに放電するドライブトランジスタ2hを含む。
出力回路926は、さらに、このAND回路4の出力信号NOL1の立上りを所定時間遅延する立上り遅延回路420と、立上り遅延回路420の出力信号NOL2の立上りをさらに所定時間遅延する立上り遅延回路422と、出力ノード6にその一方端が接続され、立上り遅延回路422の出力信号Aに応答して導通するMOSトランジスタ424と、MOSトランジスタ424と並列に接続される抵抗素子426と、立上り遅延回路420の出力信号NOL2に応答して導通し、抵抗素子426を接地電圧GNDへ結合するドライブトランジスタ2iを含む。ドライブトランジスタ2hのチャネル幅は、ドライブトランジスタ2iのチャネル幅よりも小さくされており、ドライブトランジスタ2hの電流駆動力はドライブトランジスタ2iの電流駆動力よりも小さくされる。また、MOSトランジスタ424のチャネル抵抗(オン抵抗)は、抵抗素子426のオン抵抗値よりも十分小さくされる。次に、この図74(A)に示す出力回路の動作をその動作波形図である図74(B)を参照して説明する。
出力許可信号OEMおよび内部データ信号ZDDの少なくとも一方が“L”のとき、AND回路4の出力信号NOL1が“L”の状態を維持する。この状態においては、ドライブトランジスタ2hおよび2iがともにオフ状態であり、出力ノード6の放電は行なわれない。
出力許可信号OEMおよび内部データ信号ZDDがともに“H”となると、AND回路4の出力信号NOL1が“H”に立上る。それにより、まずドライブトランジスタ2hがオン状態とされ、出力ノード6は、電流駆動力の小さなドライブトランジスタ2hにより比較的緩やかに接地電圧GNDレベルへと放電される。信号NOL1が“H”に立上ってから立上り遅延回路420の有する遅延時間T7が経過した後、この立上り遅延回路420の出力信号NOL2が“H”となり、ドライブトランジスタ2iがオン状態とされる。このように、出力ノード6は抵抗素子426およびドライブトランジスタ2iを介して接地電圧GNDレベルに放電される。抵抗素子426の電流制限機能により、やや緩やかに出力ノード6が接地電圧レベルへ放電される。
さらに、この信号NOL2が“H”に立上ってから立上り遅延回路422の有する遅延時間T8が経過した後、この立上り遅延回路422の出力信号Aが“H”に立上り、MOSトランジスタ424がオン状態とされる。MOSトランジスタ424のチャネル抵抗(オン抵抗)は抵抗素子426の抵抗値よりも十分小さくされており、したがって出力ノード6はドライブトランジスタ2iによりその大きな電流駆動力により高速で接地電圧GNDレベルにまで放電される。これにより、リンギングが生じない電圧レベルにまで低下したときに高速で出力ノード6の電圧レベルが接地電圧レベルへ放電されるため、リンギングを生じさせることなく高速で出力信号を発生することができる。またこのとき、3段階にわたって順次出力ノード6の電圧レベルの低下速度を増加させているため、リンギングが生じる可能性が少なくなった時点でその出力ノード6の放電速度が速くされており、より高速でかつリンギングを生じさせることなく出力信号を生成することができる。
なお、この図74(A)に示す構成は、また出力ノード6を電源電圧Vccレベルにまで充電する構成に対しても適用することができる。
また、この図73(A)および図74(A)に示す出力回路の構成に対し、電圧電源Vccおよび接地電圧GNDに代えて電圧調整器を用いて電圧VccQおよびVssQを与えてもよい。さらに、ドライブトランジスタ1および2hに対しては、無効出力の有無に従ってそのオン状態となるタイミングを異ならせる構成が利用されてもよい。
以上のように、この発明の第10の実施の形態に従えば、まず抵抗素子を用いて出力ノードを基準電源ノードの電圧レベルへ駆動し、次いでこの抵抗素子を短絡して出力ノードを基準電源ノードの電圧レベルへ高速で駆動しているため、リンギングが生じる可能性のあるときには抵抗素子による電流制限機能により緩やかに出力ノードの駆動が行なわれ、次いでリンギングが生じない段階において高速で出力ノードが駆動されているため、リンギングを生じさせることなく安定にかつ高速で出力信号を出力する出力回路を得ることができる。
[実施の形態11]
図75は、この発明の第11の実施の形態である出力回路の構成および動作を示す図である。図75(A)において出力回路926は、従来と同様、内部データ信号ZDDを反転するインバータ回路5と、インバータ回路5の出力信号と出力許可信号OEMを受けるAND回路3と、AND回路3の出力信号NOHに応答して導通し、出力ノード6を電源電圧Vccレベルに充電するドライブトランジスタ1と、出力許可信号OEMと内部データ信号ZDDを受けるAND回路4を含む。
出力回路926は、さらに、出力ノード6に並列に結合される抵抗値の互いに異なる抵抗素子430、432、および434と、AND回路4の出力信号NOL1に応答して抵抗素子430の他方端を接地電圧GNDレベルに結合するドライブトランジスタ2jと、AND回路4の出力信号NOL1の立上りを所定時間T9遅延させる立上り遅延回路440と、立上り遅延回路440の出力信号NOL2に応答して導通し、抵抗素子432の他方端を接地電圧GNDレベルに結合するドライブトランジスタ2kと、立上り遅延回路440の出力信号NOL2の立上りをさらに所定時間T10遅延する立上り遅延回路442と、立上り遅延回路442の出力信号NOL3に応答して抵抗素子434の他方端を接地電圧GNDレベルに結合するドライブトランジスタ2lを含む。抵抗素子430、432および434は、この順に大きな抵抗値を有する。次に、この図75(A)に示す回路の動作をその信号波形図である図75(B)を参照して説明する。
出力許可信号OEMおよび内部データ信号ZDDがともに“H”となると、AND回路4の出力信号NOL1が“H”となる。これにより、ドライブトランジスタ2jがオン状態となる。この状態においては、出力ノード6は、大きな抵抗値を有する抵抗素子430を介して接地電圧GNDレベルへ放電される。抵抗素子430は最も大きな電流制限機能を備えており(最も大きな抵抗値を有しており)、出力ノード6の電圧低下は比較的緩やかである。次いで、所定時間T9経過すると、立上り遅延回路440からの信号NOL2が“H”となり、ドライブトランジスタ2kがオン状態とされ、出力ノード6が抵抗素子432を介して接地電圧レベルに放電される。抵抗素子432は抵抗素子430よりも小さな抵抗値を有しており、したがって出力ノード6はやや緩やかにその電位が放電される。
次いで、信号NOL2が立上ってから時間T10が経過した後、立上り遅延回路442の出力信号NOL3が“H”となり、ドライブトランジスタ2lがオン状態とされる。抵抗素子434は最も小さな抵抗値を有しており、したがって出力ノード6は高速で接地電圧GNDレベルにまで放電される。ドライブトランジスタ2lがオン状態となるときには、既に出力ノード6の電圧レベルはリンギングが生じない電圧レベルにまで低下しており、このドライブトランジスタ2lを介して出力ノード6を高速で放電しても、リンギングが出力ノードに生じることなく、安定な出力信号を生成することができる。
またこの図75(A)に示す構成において、抵抗素子430、432および434はそれぞれ互いに異なる抵抗値を有しており、大きい抵抗素子から順に出力ノードを放電するように構成されている。この構成は、出力ノード6に同じ抵抗値を有する抵抗素子を並列に設ける構成に比べて以下の利点を与える。同じ抵抗値を有する抵抗素子が並列に設けられている場合、この出力ノード6に接続する合成抵抗は順次小さくされる。したがって、この場合においても、出力ノード6を順次高速で放電することはできる。しかしながら、リンギングが生じない電圧レベルに到達したときにおいても、その抵抗素子の数で決定される合成抵抗値により放電速度が決定され、高速で出力ノード6を放電することができない場合が生じる。したがって、抵抗値の異なる構成を利用することにより、確実にリンギングが生じない電圧レベルにまで出力ノード6の電圧が低下したときに高速でこの出力ノード6の電圧を放電することができ、より高速に出力信号を発生することができる。
なお、この図75(A)に示す構成は、また出力ノード6を充電するための構成に対しても適用することができる。
さらに、この図75(A)に示す構成において、無効出力信号の有無に従ってドライブトランジスタのオン状態となるタイミングを異ならせる構成が併せて利用されてもよい。さらに、電源ノードおよび接地ノードへ電圧VccQおよびVssQを与える電圧調整器が用いられてもよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、出力ノードに抵抗値の異なる抵抗素子を複数個並列に接続し、抵抗値の大きな抵抗素子から順に出力ノードを充放電するように構成しているため、出力ノードにリンギングが生じる場合には比較的緩やかに充放電し、出力ノードにリンギングが生じない電圧レベルにまで変化したときに高速で出力ノードを最小電圧レベルまで駆動することができ、リンギングを生じさせることなく高速で出力信号を生成することのできる出力回路を得ることができる。
[実施の形態12]
図76は、この発明の第1の実施の形態である出力回路の構成を概略的に示す図である。図76においては、出力回路926は、内部データ信号、出力許可信号および必要ならば出力指示信号DOTに従って出力されるデータ信号を生成するドライブ回路450と、このドライブ回路450の出力信号に従って出力ノード6へ出力信号Qを出力するドライブトランジスタ1および2を含む。この出力回路926の構成は、先の実施の形態または従来の構成と同様である。
図76において、出力回路は、さらに、外部電源電圧extVcc供給ノード455から電流が供給され、温度および外部電源電圧extVccに依存する基準電圧VREF3を発生する基準電圧発生回路470と、温度Tおよび外部電源電圧extVccに依存しない一定の基準電圧VREF1とこの基準電圧VREF3とを差動的に増幅する差動増幅器460を含む。差動増幅器460から電源ノード300へ出力回路926に対する一方動作電源電圧VccQが与えられる。この差動増幅器460は、外部電源電圧extVcc供給ノード455へ与えられた外部電源電圧extVccを一方動作電源電圧として動作する。基準電圧VREF1は、図55(B)に示す回路構成を用いて発生される(ただし外部電源電圧extVccから基準電圧VREF1が発生される)。
基準電圧発生回路470は、外部電源電圧extVcc供給ノード455からノード475へ一定の電流を供給する定電流源471と、ノード475と接地電圧GND供給ノードの間に直列に接続されるMOSトランジスタ472および抵抗素子473を含む。MOSトランジスタ472のゲートへは、外部電源電圧extVccが与えられる。この基準電圧発生回路470の構成は、実質的に図56(C)に示すものと同じである。単に外部電源電圧extVccから基準電圧VREF3が生成されているだけである。すなわち、抵抗素子473が、たとえばポリシリコンまたは比較的高濃度にイオン注入された拡散抵抗を用いて構成され、正の温度係数を備える。この抵抗素子473が有する抵抗値Rは、MOSトランジスタ472のオン抵抗よりも少し大きくされる。また抵抗473の抵抗値Rの温度依存性は、定電流源271の温度依存特性およびMOSトランジスタ472のオン抵抗の温度依存特性よりも十分大きくされる。MOSトランジスタ472は、この外部電源電圧extVccに従って変化するコンダクタンスを与える可変抵抗素子として機能する。この基準電圧発生回路470の動作は図56(C)に示す基準電圧発生回路のそれと同じであり、詳細説明は省略する。この基準電圧発生回路470からは、図77(A)に示すように外部電源電圧extVccに対し負の依存特性を有し、また図77(B)に示すように周囲温度(動作温度)に対しては正の依存特性を有する基準電圧VREF3が発生される。
差動増幅器460は、基準電圧VREF3と基準電圧VREF1の差を増幅している。動作温度(周囲温度)Tが上昇したとき、基準電圧VREF3が上昇し、応じて差動増幅器460から出力される電圧VccQが増加する。一方、周辺温度(動作温度)Tが一定であり、外部電源電圧extVccが上昇したとき、基準電圧VREF3が低下し、応じて差動増幅器460から出力される電圧VccQが低下する。すなわち、差動増幅器460は、図78(A)に示すように動作温度(周囲温度)Tに対しては正の依存特性を有し、また外部電源電圧extVccに対しては図78(B)に示すように負の依存特性を有する電圧VccQを電源ノード300上へ与える。次にこのような特性を有する電圧VccQの効果について説明する。
図56以降図59を参照して説明したように、一般に、MOSトランジスタは、動作温度が上昇するとチャネル領域での熱電子の発生などによりその動作速度が低下し、一方、ゲート電位またはドレイン電位が高くなるとドレイン電流が多くなり、その動作速度が速くなる(nチャネルMOSトランジスタの場合)。外部電源電圧extVccが上昇した場合、この外部電源電圧extVccに比例して変化する電圧を電源ノード300へ与えた場合、ドライブトランジスタ1の動作速度が速くなる。この場合、出力ノード6の電位が中間電位にプリチャージされる構成の場合、ドライブトランジスタ2とドライブトランジスタ1の動作速度が異なることになり、その“H”レベルの信号出力時に必要とされる時間と、“L”レベルの信号出力時に必要とされる時間に差が生じ、出力回路の動作特性が悪化する。この場合、差動増幅器460を用いて、電源ノード300へ与えられる電圧VccQを低下させることにより、ドライブトランジスタ1の動作速度の上昇を抑制することができ、“H”レベル信号出力時のアクセス時間の変化を抑制することができ、動作特性を一定に維持することができる。同様、周辺温度(動作温度)Tが上昇した場合、ドライブトランジスタ1および2の動作速度は低下するが、この場合、電源ノード300上の電源電圧VccQを増加させることにより、このドライブトランジスタ1の動作速度の低下を補償することができ、出力信号の確定タイミングを一定に保持することができる。
この図76に示す構成において、ドライブトランジスタ1および2のゲートへは、レベル変換回路を用いて電圧VccQと同様に変化する電圧VccQレベルの電圧を印加する構成とすることにより、外部電源電圧extVccおよび周辺温度(動作温度)Tいずれにも依存せず、その出力信号確定タイミングを一定とすることのできる安定な出力回路を得ることができる。
図79は、この発明が適用される半導体装置の全体の構成を概略的に示す図である。図79において、半導体装置は、外部電源電圧extVccが所定の範囲においてこの外部電源電圧extVccに依存しない一定の内部電圧Vccを生成する降圧回路480と、降圧回路480から内部電源線303上に与えられた内部電源電圧Vccと接地線302上に与えられた接地電圧GNDを両動作電源電圧として動作する内部電源使用回路482と、電源ノード300へ与えられた外部電源電圧extVccと接地ノード302へ与えられた接地電圧GNDを両動作電源電圧として動作し、装置外部とのインタフェースを与える入出力回路484を含む。この図79に示す構成の場合、装置外部のシステムに含まれる構成要素は外部電源電圧extVccを動作電源電圧として動作する。したがってこの場合、外部装置とのインタフェースをとるために、入出力回路484は、その動作電源電圧として外部電源電圧extVccを使用する。この入出力回路484に含まれる出力回路に対し、図76に示す構成を適用することにより、外部電源電圧extVccおよび周辺温度(動作温度)に依存しない安定な出力信号を生成することができ、また信号出力タイミングも一定とすることができる。
なお、図76に示す構成において、電源ノード300へ与えられる電源電圧VccQは、ドライブトランジスタ1のみならずドライブ回路450へ与えられてもよい。また、この出力回路926においては、ドライブ回路450に、内部電源電圧Vccを外部電源電圧extVccレベルにレベル変換してドライブトランジスタ1および2のゲートへ与える回路が設けられていてもよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、出力回路の電源ノードへ、周辺温度に対し正の依存特性を維持し、かつ外部電源電圧に負の依存特性を有する電圧を伝達するように構成したため、周辺温度および外部電源電圧の変動によるドライブトランジスタの動作特性の変化を補償し、安定に一定のタイミングでリンギングの発生しない出力信号を生成する出力回路を生成することができる。
なお、ここで言うまでもなく、この第11の実施の形態における出力回路においては、先の第1ないし第6の実施の形態における出力ノード駆動タイミングを異ならせる構成が組合せて用いられてもよい。
[実施の形態13]
図80は、この発明の第1の実施の形態である出力回路の要部の構成を示す図である。図80に示す構成においては、出力回路926の電源ノード300へ電圧VccQを与えるために、クロック信号φCKに応答して活性化され、電源ノード300上の電圧VccQと基準電圧VREFaを差動的に増幅する差動増幅器490と、電源ノード(内部電源電圧供給ノードまたは外部電源電圧供給ノード)と電源ノード300の間に結合され、差動増幅器490の出力信号C1に応答してこの電源電圧供給ノード491から電源ノード300へ電流を供給するpチャネルMOSトランジスタ492と、クロック信号/φCKに応答して、電源ノード300を接地電圧GNDレベルへ放電するnチャネルMOSトランジスタで構成されるスイッチングトランジスタ494が設けられる。
クロック信号φCKは、たとえば出力許可信号OEMの活性化時に活性状態とされる。このクロック信号φCKは、出力回路926の動作タイミングを与える信号に応答して活性状態とされればよい。次にこの図80(A)に示す回路の動作をその動作波形図である図80(B)を参照して説明する。
クロック信号φCKが非活性状態の“L”のとき、差動増幅器490は非活性状態にあり、その出力信号C1は電源電圧供給ノード491に与えられた電圧Vccレベルにあり、ドライブトランジスタ492はオフ状態にある。一方、クロック信号/φCKが“H”にあり、スイッチングトランジスタ494がオン状態にあり、電源ノード300上の電圧VccQは接地電圧GNDレベルにある。出力回路926に含まれるドライブトランジスタ1および2は、この状態において、ともにオフ状態であり、出力ノード6は中間電圧レベルにプリチャージされているかまたは先のサイクルで読出された出力信号の状態に維持される(出力ハイインピーダンス状態に設定される)。
新しいデータ信号の読出が行なわれるとき、出力許可信号OEMと同時またはそれより早いタイミングでクロック信号φCKが活性状態の“H”レベルとなり、差動増幅器490が活性状態とされる。一方、クロック信号/φCKが“L”となり、スイッチングトランジスタ494がオフ状態とされる。電源ノード300上の電圧VccQが基準電圧VREFaよりも低い場合には、差動増幅器490からの出力信号C1がその“H”のレベル(電圧Vccレベル)から低下し、ドライブトランジスタ492がオン状態とされ、電源電圧供給ノード491から電源ノード300へ電流を供給し、電圧VccQを上昇させる。このとき、ドライブトランジスタ492の電流駆動力が適当な値に調整されていれば、電源ノード300上の電圧VccQは緩やかに上昇する。電源ノード300上の電圧VccQが基準電圧VREFaよりも高くなると、差動増幅器490の出力信号が“H”レベルとなり、ドライブトランジスタ492がオフ状態とされる。これにより、電源ノード300上の電圧VccQは、基準電圧VREFaの電圧レベルに維持される。
出力回路926において、“H”の信号出力時においては、ドライブトランジスタ1がオン状態とされ、この電源ノード300から出力ノード6へ電流を供給する。このとき、出力ノード6上の電圧レベルの変化は、電源ノード300の電圧VccQの変化とほぼ同じとなる。電源ノード300上の電圧VccQの変化速度は、ドライブトランジスタ492の電流駆動力およびこの電源ノード300に付随する寄生容量により決定される。電源ノード300における寄生容量は回路固有の値であり、ほぼ一定である。したがって、ドライブトランジスタ492の電流駆動力を適当な値に調節することにより、この電圧VccQの変化速度を適当な値に調節することができ、応じて出力ノード6における出力信号Qのリンギングの発生を抑制することができる。
このとき、また差動増幅器490の出力信号C1の変化速度を調整すれば、ドライブトランジスタ492の電流駆動力を適当な速度で変化させることができ、応じて出力ノード6の出力信号Qの変化速度をリンギングが生じないように緩やかにすることができる。
また、基準電圧VREFaを出力ノード6を高速で駆動した場合においてリンギングが生じない電圧レベルに設定すれば、比較的高速で出力ノード6をこの基準電圧VREFaの電圧レベルまで到達させることができる。このとき別の回路により、電源電圧Vccレベルにまで電源ノード300上の電圧を上昇させる構成を用いれば、高速かつ安定にリンギングを生じさせることなく出力信号Qを出力することができる。
なお、基準電圧VREFaは、仕様で定められる出力信号のハイレベル電圧VOHよりも高い電圧レベルであればよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、出力回路926の電源ノードへ与えられる電圧VccQを、この出力回路の動作タイミングを与える信号に応答して活性化される差動増幅器およびこの差動増幅器の出力信号に応答して電源電圧供給ノードから電源ノードへ電流を供給するドライブトランジスタとで与えるように構成したため、出力ノードに現われる出力信号をこの電源ノード300上の電圧VccQの変化速度に応じて変化させることができ、リンギングを生じさせることなく安定に高速で出力信号を生成することができる。
[実施の形態14]
図81は、この発明の第1の実施の形態である半導体装置のデータ信号出力に関連する部分の構成を概略的に示す図である。図81において、半導体装置500は、各々が行列状に配列される複数のメモリセルを備えるメモリセルアレイ501および502と、メモリセルアレイ501および502において選択されたメモリセルのデータを増幅して内部データバス506上に伝達するデータバスアンプ504を含む。このメモリセルアレイ501および502は同時に活性化されてそれぞれからメモリセルが選択されて選択されたメモリセルのデータを読出す構成が用いられてもよい。また、メモリセルアレイ501および502の一方のメモリセルアレイのみが活性状態とされ、活性状態とされたメモリセルアレイにおいてメモリセルが選択されてその選択されたメモリセルデータが読出される構成が用いられてもよい。
この半導体記憶装置500においては、複数ビットのデータ信号が出力されるため、複数のパッド510a〜510cおよび510d〜510fが配置される。内部データバス506とパッド510a〜501fの間に、パッド510a〜510fそれぞれに対応して出力回路926a〜926cおよび926d〜926fが配置される。図81に示すように、データバスアンプ504から出力回路926a〜926fへ至る内部データバス506の長さは異なる。図81においては、半導体装置500において、出力回路926a〜926cと出力回路926d〜926fが対称的に配置されるように示される。その場合、データバスアンプ504と出力回路926aおよび926dの間の内部データバス506の長さが最も短く、出力回路926cおよび926fとデータバスアンプ504の間の内部データバス506の長さが最も長くなる。
出力回路926a〜926cは、データバスアンプ504から遠ざかるにつれて(内部データバス506の長さが長くなるにつれて)、その出力信号Qを生成するための時定数が小さくされ、出力信号Qの変化速度は大きくされる。同様、出力回路926d〜926fにおいても、データバスアンプ504からの距離が長くなるにつれて、その出力信号Qの時定数が小さくされる。
また複数の出力ノードを駆動するためのドライブトランジスタが並列に設けられており、これら複数のドライブトランジスタのオンタイミングが異ならされる場合、出力回路926aにおけるドライブトランジスタのオンタイミングの時間差は、出力回路926cにおけるそれよりも大きくされる。同様、出力回路926dにおける複数のドライブトランジスタのオンタイミングの時間差は、出力回路926fのそれよりも大きくされる。次に動作について説明する。
まず、データバスアンプ504からの距離が長くなるにつれてその出力信号の時定数が小さくされる場合の動作について図82(A)を参照して説明する。図82(A)においては、出力回路926aへ与えられる内部データ信号IQaおよび出力回路926cへ与えられる内部データ信号IQcに従ってそれぞれの出力信号QaおよびQcが“L”から“H”へ変化する場合の動作が示される。データバスアンプ504は、図示しないたとえばプリアンプイネーブル信号に応答して活性化され、メモリセルアレイ501および/または502において選択された複数のメモリセルのデータを増幅し、該増幅した複数ビットのメモリセルデータを内部データバス506上に伝達する。これにより、内部データバス506上の内部信号IQaおよびIQcが時刻taからこの増幅された信号に従って変化する。内部データバス506の長さが長いほど、その寄生容量および配線抵抗が大きく、したがって内部データ信号IQaは、内部データ信号IQcよりも比較的早く変化する。図82(A)において、時刻tbにおいて内部データ信号IQaが所定の電圧レベルの“H”レベルに到達する状態が示される。
出力回路926a〜926cおよび926d〜926fは、出力許可信号OEM(図示せず)に従って同じタイミングで活性状態とされる。出力回路926aはその電流駆動力が小さくされており、出力信号Qaの時定数は大きくされており、その出力信号Qaの変化速度は比較的緩やかである。一方、出力回路926cは、その出力信号Qcの時定数が小さくされており、すなわち出力回路926cの電流駆動力は比較的大きくされており、内部データ信号IQcに従って出力信号Qcは比較的高速で変化する。内部データ信号IQaは高速で変化し、出力回路926aの電流駆動力は小さくされているため、したがってこの出力回路926aからの出力信号Qaは比較的緩やかに変化する。一方、出力回路926cにおいて、内部データ信号IQcが比較的緩やかに変化するものの、この出力回路926cの電流駆動力は大きくされており、したがってこの内部データ信号IQcの緩やかな変化速度を補償して出力信号Qcが比較的早く変化する。これにより、出力回路926cおよび926aの出力信号QcおよびQaの変化速度を同じとすることができ、ほぼ同一のタイミングで確定状態とすることができる。
図82(A)においては、時刻tcにおいて、データ出力信号QaおよびQcが確定状態に設定されている状態が一例として示される。このとき、高速で変化する内部データ信号IQaを受ける出力回路926aの電流駆動力は小さくされており、内部データ信号IQaが高速で変化しても、この出力信号Qaにおいてはリンギングの発生は抑制される。一方、比較的緩やかに変化する内部データ信号IQcを受ける出力回路926cにおいては、電流駆動力は大きくされているものの、その内部データ信号IQcの変化速度は緩やかであり、大きな電流駆動力をもって信号Qcを生成することにより、この内部データ信号IQcの緩やかな変化を補償して高速で出力信号Qcを生成することができる。このとき出力回路926cの電流駆動力は、大きくされていても、たとえば、内部に含まれるAND回路の出力信号レベル変化がこの内部データ信号IQcの変化速度に追随するものであれば、この出力信号Qcは、リンギングを生じさせることなく高速で出力信号Qcを生成することができる。これが一連の動作により、パッド510a〜510cおよび510d〜510fにほぼ同一タイミングで安定に確定状態となる出力信号が生成される。
次に、図82(B)を参照して、出力回路が2つのドライブトランジスタを含み、これらの2つのドライブトランジスタが異なるタイミングでオン状態とされる場合の動作について説明する。この図82(B)においても、出力回路926aおよび926cのデータの入出力関係を示す。またこの図82(B)においても、内部データ信号IQaおよびIQcがともに“H”に変化し、また出力回路926aおよび926cからの出力信号QaおよびQcがともに“H”レベルに変化する場合が一例として示される。
データバスアンプ504が活性化され、内部データバス506上の内部データ信号IQaおよびIQcが変化すると、所定時間経過後出力回路926a〜926cおよび926d〜926fが活性状態とされる。出力回路926aに対する内部データ信号IQaは時刻tbにおいて安定状態とされる。このとき、出力回路926aは、比較的小さな駆動力をもってその出力信号Qaを出力する。したがってデータ信号Qaが比較的緩やかに変化する(駆動力が小さなトランジスタで充電される)。次いで、時刻teにおいて、出力回路926aに含まれる駆動力の大きなドライブトランジスタがオン状態とされ、出力信号Qaが高速で所定の電圧レベルにまで充電される。このとき、出力信号Qaは十分その電圧レベルがリンギングが生じない電圧レベルまで変化しており、したがって高速で内部信号Qaを所定の電圧レベルまで駆動しても、リンギングが生じることなく、安定な出力信号を得ることができる。一方、内部データ信号IQcは、比較的緩やかに変化する。この場合、出力回路926cは、まず駆動力の小さなドライブトランジスタをオン状態として、その出力信号Qcを充電する。時刻tdにおいて、出力回路926cにおいて電流駆動力の大きなドライブトランジスタがオン状態とされ、その出力信号Qcが高速で充電される。このとき、内部データ信号IQcは比較的緩やかに変化しており、したがって、出力回路926cが大きな駆動力をもって出力信号Qcを変化させても、ドライブトランジスタ1へ与えられる信号電圧レベルは、この内部データ信号IQcの緩やかな変化のため、十分高い電圧レベル(所定の最終到達電圧レベル)に達していないため、比較的緩やかに出力ノードのドライブが行なわれ、リンギングを生じさせることなく高速で出力信号Qcを所定電圧レベルまで駆動する。内部データ信号IQcが所定電圧レベルに到達すると、最終的にこの内部データ信号IQcに従って出力信号Qcが高速で所定電圧レベルにまで到達する。
この図82(A)および図82(B)に示すように、データバスアンプ504からの距離に応じて出力回路の電流駆動力の大小および複数のドライブトランジスタのオンタイミングの時間差を調節することにより、リンギングを生じさせることなく、すべての出力回路からの出力信号が確定状態となるタイミングをほぼ同一とすることができ、アクセス時間の短い半導体記憶装置を実現することができる。
なお図82(A)および図82(B)に示す信号波形図において、データバスアンプ504が活性状態とされたとき、同時に出力回路も活性化されるように示される。しかしながら、データバスアンプ504が活性化され、データバス506の内部データがほぼ確定状態とされた後に出力回路926a〜926fが活性状態とされる(出力許可信号OEMが活性状態とされる)構成においても、このデータバスアンプ504の活性化タイミングと出力回路926a〜926fの活性化タイミングの時間差を短くすることができ、応じてアクセス時間の短い半導体記憶装置を実現することができる。
[変更例1]
図83は、この発明の第1の実施の形態の変更例の構成を示す図である。図83において、半導体装置500はパッケージ550に収納される。このパッケージ550には外部リード端子515a〜515cおよび515d〜515fが配置される。これらの外部リード端子515a〜515fは半導体装置500のパッド510a〜510cおよび510d〜510fにリードフレームおよびボンディングワイアを介して接続される。図83において、パッド510a〜510fと外部リード端子515a〜515fは、これらのボンディングワイアおよびリードフレームを併せて1つの直線で示す。半導体装置において、このパッケージの形状に応じてリードフレームの長さが異なる。図83に示すように、パッド510(510a〜510f)と外部リード端子515(515a〜515f)の間の距離lfとデータバスアンプ504とパッド510の間の距離ld(出力回路は図83には示していない)の距離に従って、出力回路におけるドライブトランジスタの電流駆動力および複数のドライブトランジスタのオンタイミングの時間差を調節する。すなわち、たとえば内部データバス506の距離ldとボンディングワイアおよびリードフレームの合計距離lfの和が小さいほど出力回路から出力される出力信号Qの時定数を大とし、その変化速度を遅くする(ドライブトランジスタの電流駆動力を小さくする)。または、この距離ldおよびlfの和が小さいほど複数のドライブトランジスタのオンタイミングの時間差を大きくする。リードフレームおよびボンディングワイアの長さlfが長ければ、出力回路の駆動すべき負荷が大きくなり、出力信号の変化速度が小さくなる。したがって、距離lfが大きいほど出力回路の駆動力を大きくすることにより、この大きな負荷を補償して高速で出力信号を変化させる。この構成により、内部データバスの距離およびワイヤボンディングとリードフレームの距離の和の長短にかかわらず、リンギングを生じさせることなくすべての出力回路からの出力信号をすべて同一のタイミングで安定状態に達成させることのできる半導体記憶装置を得ることができる。
なお、出力回路の入出力特性に対し内部データバスにおける信号遅延がそのボンディングワイヤおよびリードフレームの長さが与える影響ほど大きくない場合には、出力回路の駆動力は、ボンディングワイヤおよびリードフレームの長さlfの長短に応じて出力信号Qの時定数が決定されてもよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、出力回路それぞれの入力および出力の負荷(内部データバスおよび出力信号線の長短)に応じてそのドライブトランジスタの電流駆動力の大小または複数のドライブトランジスタのオンとなるタイミングの時間差を調節したため、リンギングを生じさせることなくすべての出力回路においてほぼ同一タイミングで確定状態とされる高速動作する半導体装置を得ることができる。
[実施の形態15]
図84は、この発明の第1の実施の形態である出力回路の要部の構成を示す図である。図84においては、出力ノードを接地電圧レベルに放電する部分の構成が示される。出力ノード6を電源ノード561上の電圧レベルに充電する部分に対して同様の構成が設けられてもよい。図84において、出力回路は、内部信号NOL1に応答して出力ノード6を接地電圧GNDレベルに放電する小さな電流駆動力を有するドライブ素子562と、内部信号NOL1よりも遅いタイミングで活性状態となるドライブ信号NOL2に応答して出力ノード6を接地電圧レベルに放電する大きな電流駆動力を有するドライブ素子564を含む。出力ノード6はパッド560に接続される。パッド560に近い位置に大きな電流駆動力を有するドライブ素子564が配置される。図84においては、このドライブ素子562および564は内部に抵抗素子を含んでもよく、先の実施の形態において説明した種々の構成を適用することができるため、ドライブトランジスタ2aおよび2bを代表的に示す。
電流駆動力の大きなドライブトランジスタ2bは、電流駆動力の小さなドライブトランジスタ2aに比べてそのチャネル幅が大きくされる。すなわち、出力ノード6に接続される不純物領域と基板領域の間の接合面積はドライブトランジスタ2bの方がドライブトランジスタ2aよりも大きい。同様、ゲート絶縁膜の面積が、ドライブトランジスタ2bの方がドライブトランジスタ2aよりも大きい。したがって、同じ電圧がドライブトランジスタ2aおよび2bのドレインゲート間およびドレインソース間に印加された場合においても、ドライブトランジスタ2bの方がドレイン電界が小さくなり、応じて接合耐圧が大きくされる。同様、ゲート絶縁膜の広いドライブトランジスタ2bの方が、ドライブトランジスタ2aの絶縁耐圧よりも大きくなるキャパシタの電極間電界はそのキャパシタ面積に反比例するためである)。抵抗素子が用いられる場合、大きな抵抗値の抵抗素子の電圧降下が大きくなる。
したがって、この図84に示す構成を用いれば、出力パッド560にサージ電圧などの大きなノイズが発生した場合、接合耐圧または絶縁耐圧の大きなドライブトランジスタ2bによりその過大ノイズが吸収され、接合耐圧が小さくかつまたは絶縁耐圧の小さなドライブトランジスタ2aへ過大ノイズが与えられるのが防止される。これにより、何ら特別な保護装置を設けることなく過大ノイズに対する耐性の優れた出力回路を得ることができる。
なお、図84に示す構成においては、電源ノード561に対しては電源電圧Vccが与えられてもよく、また先の実施の形態において説明したような別の電源回路から出力される電圧VccQが与えられてもよい。
また、この出力ノードに並列に接続されるドライブ素子の数は2よりも大きくてもよく、この場合最も大きな電極駆動力を有するドライブ素子が出力パッド560に最も近い位置に配置されればよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、複数のドライブ素子が設けられており、これら複数のドライブ素子の電流駆動力が異なる場合において、一番大きな電流駆動力を有するドライブ素子を出力パッドに最も近い位置に配置する構成とすることにより、出力パッドに発生したサージ電圧などの過大ノイズが電流駆動力の大きなドライブ素子により吸収されるため、特別の保護装置を設けることなくノイズ耐性に優れた信頼性の高い出力回路を得ることができる。
[実施の形態16]
図85は、この発明の第1の実施の形態である出力回路の要部の構成を示す図である。図85においては、出力ノード6を接地電圧レベルに放電する部分の構成が示される。出力ノード6を電源ノード561上の電圧レベルに充電する(トランジスタ1を代表的に示す)部分に対しても同様の構成を設けることができる。トランジスタ1は保護回路570により保護される様に示される。
図85において、出力回路は、出力ノード6に並列に接続される電流駆動力の異なる複数のドライブ素子を含む。図85においては、電流駆動力の最も小さなドライブ素子562のみを示す。このドライブ素子562は、種々の構成が先の実施の形態と同様適用可能であり、ドライブトランジスタ2aのみを代表的に示す。出力ノード6は出力パッド560に接続される。この電流駆動力の小さなドライブ素子562と電源パッド560の間の出力ノードの位置に保護回路570が設けられる。保護回路570は、一例として、電源ノード561に接続されるカソードと出力ノード6に接続されるアノードを有するダイオード571と、出力ノード6に接続されるカソードと接地電圧GNDを受ける様に接続されるアノードとを有するダイオード574を含む。電流駆動力の大きなドライブ素子は図85において矢印で示す位置FおよびGのいずれの位置に設けられてもよい。電流駆動力の小さなサージ電圧などの過大ノイズにより破壊される可能性のあるドライブ素子と出力パッド560の間に保護回路570が配置されればよい。この図85に示す構成の場合、出力パッド560において正の過大ノイズが発生した場合、ダイオード572が導通し、この正の過大ノイズを電源ノード561へ放電し、過大ノイズを吸収する。一方、負の過大ノイズが発生した場合、ダイオード574が導通し、この負の過大電圧を接地電圧レベルへ充電する。これにより、正および負のサージ電圧などの過大ノイズが保護回路570により吸収され、接合耐圧および絶縁耐圧の小さなドライブトランジスタ2aが過大ノイズにより破壊されるのを防止することができる。抵抗素子を用いる場合も、同様である。
この図85に示す構成においても、電源ノード561へは、電圧VccQが与えられる構成と組合せられてもよい。なお、保護回路570は、ダイオードで構成される場合が示されるが、サージ電圧などの過大ノイズを吸収する保護機能を有する回路であれば任意の構成を利用することができる。
また、出力充電用トランジスタ1は、保護回路570の後段に設けられているが、このトランジスタ1は比較的大きな電流駆動力を持つ場合には、保護回路570とパッド560との間に設けられてもよい。
以上のように、この発明の第1の実施の形態に従えば、電流駆動力の小さなドライブ素子と出力パッドとの間に過大ノイズ吸収のための保護回路を配置したため、出力パッドを介して出力ノードに過大ノイズが生じる場合においても、このような過大ノイズは保護回路により吸収され、電流駆動力の小さなドライブ素子へ過大ノイズが伝達されるのが防止され、電流駆動力の小さなドライブ素子が過大ノイズにより破壊されるのが防止され、過大ノイズに対する耐性の優れた出力回路を得ることができる。
以上、本願発明の第1ないし第1の実施の形態が詳細に説明されてきたが、これらの実施の形態は適用される用途において適宜組合せて利用されればよい。
また、上述の実施の形態において、データ出力構成としては、一例としてメモリセルのデータの反転データがデータ出力系に伝達される場合が示されている。しかしながら、これに限らず、反転しないデータが伝達される場合または反転データと反転しないデータの相補データ対両者が1対のデータ線によりデータ出力系に伝達される場合それぞれにおいても本発明の構成を適用することができる。
さらに、上記実施の形態においては、主として、“L”レベルの出力データが出力される構成が説明されているが、“H”のデータを出力する経路に対しても本発明は適用することができる。
また、上述の実施の形態においては、出力回路1つについて主として説明しているが、多ビット並列出力構成においても、各ビットの出力系に対し本発明の構成を適用することができる。またデータ出力ノードとデータ入力ノードは共有される構成であってもよく、また別々に設けられる構成であってもよい。
さらに、上述の実施の形態においては、出力回路はnチャネルMOSトランジスタのみで構成される場合を示しているが、nチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタをともに用いるCMOS回路で構成される出力回路に対しても同様に適用することができる。
この発明に従う、出力回路は、一般の半導体集積回路装置においてパッドを介して外部バスを駆動する部分に適用することができ、特に、半導体記憶装置の外部とのインターフェースを取る部分に適用することにより、安定にデータを生成することのできる記憶装置を実現することができる。
この発明の第1の実施の形態である出力制御回路の構成を示す図である。 図1に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第1の実施の形態の変更例を示す図である。 図3に示す出力制御回路の動作を説明するための図である。 図1に示す出力許可信号発生回路の構成を示す図である。 図5に示す出力許可信号発生回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第1の実施の形態の変更例を示す図である。 この発明の第1の実施の形態の変更例を示す図である。 この発明の第2の実施の形態である出力制御回路の構成を示す図である。 図9に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 図9に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第2の実施の形態の変更例を示す図である。 図12に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 出力指示信号と出力許可信号のタイミング関係とそのときに現われる出力信号の関係を示すための図である。 出力指示信号と出力許可信号とのタイミング関係と出力データ信号の関係を説明するための図である。 この発明の第3の実施の形態である出力制御回路の構成を示す図である。 図16に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第3の実施の形態の変更例の構成およびその動作を示す信号波形図である。 この発明の第3の実施の形態の変更例の構成を示す図である。 この発明の第3の実施の形態の変更例の構成を示す図である。 図20に示すNAND回路の変更例を示す図である。 図21に示す回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の構成を示す図である。 図23に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態の出力制御回路の変更例を示す図である。 図25に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図27に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図29に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図31に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図34に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図36に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 図36に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 図36に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 図40に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 図40に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 この発明の第4の実施の形態である出力制御回路の変更例を示す図である。 この発明の第5の実施の形態において用いられる第1の制御電圧の温度および電圧依存特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態において用いられる第2の制御電圧の温度および電圧依存特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態において用いられる遅延回路の構成要素の構成およびその動作特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態において用いられる遅延回路の構成要素の他の構成例およびその動作特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態において用いられる遅延回路の構成要素のさらに他の構成およびその動作特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の適用例およびその動作波形を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の適用例およびその動作波形を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の適用例およびその動作波形を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の適用例およびその動作波形を示す図である。 第1および第2の制御電圧を発生するための回路構成を概略的に示す図である。 図54に示すVREF1発生回路の具体的構成および第1の基準電圧の電圧/温度依存特性を示す図である。 図54に示すVREF2発生回路の具体的構成および第2の基準電圧の電圧/温度依存特性を示す図である。 図54に示す差動増幅回路の入出力電圧を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の変更例において用いられる動作電源電圧の電圧/温度依存特性を示す図である。 この発明の第5の実施の形態の変更例およびその動作特性を示す図である。 この発明の第6の実施の形態である出力回路の構成を概略的に示す図である。 図60に示す出力回路の構成を概略的に示す図である。 図60に示す電圧調整器の構成を示す図である。 図62に示す電圧調整器の動作を示す信号波形図である。 この発明の第6の実施の形態の変更例を示す図である。 この発明の第6の実施の形態の変更例における出力回路の構成を概略的に示す図である。 この発明の第7の実施の形態の出力回路における電圧調整器の構成を示す図である。 図66に示す調整電圧VccpおよびVbsg発生回路の構成を示す図である。 この発明の第8の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。 図68に示す出力回路の動作を示す信号波形図である。 図68に示す出力回路の動作を示す信号波形図である。 この発明の第9の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。 この発明の第9の実施の形態の変更例を示す図である。 この発明の第10の実施の形態である出力回路の構成および動作を示す図である。 この発明の第10の実施の形態の変更例の構成および動作を示す図である。 この発明の第11の実施の形態である出力回路の構成および動作を示す図である。 この発明の第12の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。 図76に示す基準電圧発生回路から出力される基準電圧VRF3の外部電源電圧および温度依存特性を示す図である。 図76に示す基準電源ノード上に現われる電源電圧VccQの温度および外部電源電圧依存特性を示す図である。 この発明の第12の実施の形態の適用例を示す図である。 この発明の第13の実施の形態である出力回路の構成および動作を示す図である。 この発明の第1の実施の形態である半導体装置の構成を示す図である。 図81に示す半導体装置における信号出力動作を示す波形図である。 この発明の第1の実施の形態の変更例を示す図である。 この発明の第1の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。 この発明の第1の実施の形態である出力回路の構成を示す図である。 従来のダイナミック型半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。 従来の出力回路の構成を示す図である。 図87に示す出力回路の動作を示す信号波形図である。 出力ノードに付随する寄生容量および寄生インダクタンスを示す図である。 図89に示す寄生インダクタンスにより生じるリンギングを説明するための図である。 出力制御回路の可能な修正例を示す図である。 図91に示す出力制御回路の動作を示す信号波形図である。 図91に示す出力許可信号とコラムアドレスストローブ信号の関係を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b 出力ドライブトランジスタ、2,2a,2b 出力ドライブトランジスタ、6 出力ノード、12 遅延回路、13 NAND回路、14 NAND回路、15 遅延回路、16 NOR回路、17 反転遅延回路、18 NOR回路、19 反転遅延回路、20 NOR回路、21 OR回路、22 NAND回路、40a,40b 制御ブロック、50 ワンショットパルス発生回路、51 遅延回路、52 ワンショットパルス発生回路、56 フリップフロップ、60a,60b 内部データ線プリチャージ用トランジスタ、67 pチャネルMOSトランジスタ、84 フリップフロップ、87 遅延回路、87a 遅延回路、88 遅延回路、89 NAND回路、90 AND回路、91 NOR回路、92 ゲート回路、93 フリップフロップ、94 フリップフロップ、95 遅延回路、100 出力制御回路、105 ラッチ回路、106 ラッチ回路、107 遅延回路、108 遅延回路、111 AND回路、113 NAND回路、114 遅延回路、115 遅延回路、116 NAND回路、117 ラッチ回路、121 NAND回路、122 ラッチ回路、123 遅延回路、125 遅延回路、126 NAND回路、130 NAND回路、131 遅延回路、132 ラッチ回路、134 NAND回路、135 NAND回路、136 遅延回路、137 遅延回路、142 ラッチ回路、143 遅延回路、144 AND回路、145 NOR回路、146 遅延回路、160,160a,160b 遅延回路、161 遅延回路、230 遅延回路、231,232,233 インバータ回路、241,242 インバータ回路、251〜254 インバータ回路、261〜264 インバータ回路、250 VREF1発生回路、251 VREF2発生回路、252 差動増幅回路、253 差動増幅回路、261 温度補償付ツェナダイオード、271 定電流源、272 nチャネルMOSトランジスタ、273 抵抗素子、290 差動動増幅回路、291 インバータ回路、922 入出力制御回路、926 出力回路、300 電源ノード、301 電圧調整器、302 接地ノード、304a,304b 電源電圧印加回路、306a,306b 接地電圧印加回路、318,319,320,321 ドライブトランジスタ、325 昇圧回路、327 レベル変換回路、328,329 ドライブトランジスタ、330,331 ドライブトランジスタ、340 電圧調整器、350 駆動回路、360,365 ドライブトランジスタ、384 フリップフロップ、387,388 遅延回路、2e、2f,2g ドライブトランジスタ、401,402 遅延回路、404,406 AND回路、1e、1f,1g ドライブトランジスタ、403,404 遅延回路、301a,301b 電圧調整器、410 立上り遅延回路、412 スイッチングトランジスタ、414 抵抗素子、420,422 立上り遅延回路、2h,2i ドライブトランジスタ、424 スイッチングトランジスタ、426 抵抗素子、2j,2k,2l ドライブトランジスタ、430,432,434 抵抗素子、440,442
立上り遅延回路、460 差動増幅器(比較回路)、470 基準電圧発生回路、490 差動増幅器、492 ドライブ素子、494 スイッチングトランジスタ、504 データバスアンプ、506 内部データバス、510a〜510f 出力パッド、515a〜515f 外部リード端子、560 出力パッド、562,564 ドライブ素子、570 保護回路、926a〜926f 出力回路。

Claims (2)

  1. 出力許可信号と入力信号とに応答して第1のノードに前記入力信号の論理に対応する論理を有する信号を伝達するゲート手段と、
    前記ゲート手段の出力に応答して、出力ノードを前記入力信号の論理に対応する電位レベルへ駆動する第1の駆動素子と、
    前記ゲート手段の出力を遅延させる遅延手段と、
    前記遅延手段の出力に応答して、前記出力ノードを前記入力信号の論理に対応する電位レベルへと前記第1の駆動素子の電流駆動力よりも大きな電流駆動力で駆動する第2の駆動素子と、
    前記出力許可信号と、列アドレス信号の変化時に発生され、前記入力信号が出力されるべきことを示す出力指示信号とに従って、前記出力指示信号の活性化の後に前記出力許可信号が活性化状態になる場合には第1の遅延時間となり、前記出力許可信号の活性化の後に前記出力指示信号が活性化状態になる場合には前記第1の遅延時間より長い第2の遅延時間となるように、前記遅延手段の遅延時間を調節する調節手段とを備える、出力回路。
  2. 前記調節手段は、前記ゲート手段の出力と前記出力指示信号に応じて有効データ出力の有無の判別を行なう判別回路を備える、請求項1記載の出力回路
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