以下、図1から図30を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。尚、各図は、この発明に係る半導体装置の一構成例を概略的に示してある。また、各図は、この発明が理解できる程度に各構成成分の形状、大きさ及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎず、この発明をこれら図示例に限定するものではない。また、図を分かり易くするために、断面を示すハッチング(斜線)は一部分を除き省略してある。また、以下の説明において、特定の材料及び条件等を用いることがあるが、これら材料及び条件は好適例の一つに過ぎず、従って、何らこれらに限定されない。また、各図において同様の構成成分については同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。また、以下の説明では、半導体装置や半導体チップの平面形状を四角形として説明するが、これらの形状は設計に応じて任意好適な形状とすることができる。
また、以下の各実施の形態では、この発明に係る半導体装置を、カメラシステムを構成する撮像用半導体装置として用いた例につき説明する。
<第1の実施の形態>
図1から図3を参照して、この発明の第1の実施の形態に係る撮像用半導体装置10及びその製造方法につき説明する。
図1は、この実施の形態のカメラシステム(カメラユニット)100の主要部の構成の一例を説明するための一部分を、断面として概略的に示す図である。また、図2(A)は、この実施の形態のカメラシステム100のうちカメラ部50を構成する撮像用半導体装置10を概略的に示す平面図である。また、図2(B)は、図2(A)とは必ずしも対応しないが、半導体装置10の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するために、それら接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。尚、図2(A)では、ポスト部26上に形成される外部端子(半田ボール)28等の図示を省略するとともに、第1パッド16、配線層24及びポスト部26の一部の概要は、図中破線Qで囲まれた領域(以下、Q領域と称する。)を除きその図示を省略してある(以下の各実施の形態についても同様)。
図1に示すように、この実施の形態のカメラシステム100は、カメラ部50とDSP等による画像処理装置45とが、共通の第1配線基板(マザーボード)46上に配設されて構成されている(尚、ここでは、便宜上、通常カメラシステムを構成しているディスプレイ装置等は割愛する(以下の各実施の形態についても同様))。
この構成例におけるカメラ部50は、受光素子部であるセンサ部14を具える撮像用半導体装置10と、当該撮像用半導体装置10への入射光を集光する、撮像用のレンズ51と、撮像用半導体装置10が具える外部端子(半田ボール)28が実装される第2配線基板53と、レンズ51及び第2配線基板53を支持する支持部であるカバー55と、第1配線基板46と第2配線基板53とを電気的に接続する、例えば、鉄(Fe)/ニッケル(Ni)合金や銅(Cu)からなるピン57とを具えている。尚、光透過部であるレンズには、可視光、紫外光、又は、赤外光等を透過するレンズを目的に応じて用いることができるが、以下の各実施の形態では、入射光を可視光とする場合を例に挙げて説明する。
この構成例は、パッケージングされた撮像用半導体装置10のうち光透過部であるガラス板17が、半田ボール28と同じ面側に形成された構造、すなわちフェイスダウン構造となっている。
続いて、図2(A)及び図2(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置10について以下詳細に説明する。
撮像用半導体装置10が具える第1半導体チップ5は、複数の回路素子によって構成された受光素子部であるセンサ部14と、当該センサ部14を駆動する複数の回路素子等によって構成された周辺回路部15とを含んで構成されている。
この構成例のセンサ部14は、例えば、フォトダイオード等の受光素子の受光面(不図示)が第1半導体チップ5の主表面5aに露出するように配設されて、形成されていている。また、この第1半導体チップ5の主表面5aのうちセンサ部14以外の領域上には、周辺回路部15における回路素子と電気的に接続される、電極パッド16が第1半導体チップ5の主表面5aの外周に沿って所定間隔毎に配置されている。これら電極パッドを、ここでは第1パッドと称する。この第1パッド16は、例えば、アルミニウム(Al)によって形成される。図2(A)に示す例では、第1半導体チップ5の平面形状は四角であるので、当該四角の各辺に沿って、第1パッド16が直線状に配列されている。尚、第1パッド16の配置個数と位置は、設計に応じて任意好適に設定することができる(以下の各実施の形態についても同様)。
また、第1半導体チップ5上には、これら第1パッド16の頂面を露出させるように、例えば、光透過性の絶縁膜(可視光であれば、例えば、エポキシ樹脂膜やシリコーン樹脂膜等)18が形成されている。尚、絶縁膜18を光透過性でない膜(例えば、可視光であれば、ポリイミド膜等)とする場合は、この絶縁膜は、当該絶縁膜に、第1パッド16の頂面のほかに、センサ部14の受光面も露出するように、開口が形成されている構成とする。
この絶縁膜18を挟んでセンサ部14と反対側には、センサ部14への入射光を透過する光透過部としての、例えば、平行平面板状のガラス板17が、センサ部14を覆うように形成されている。このとき、センサ部14とガラス板17との間は、エポキシ樹脂等の光透過膜(不図示)を接着剤として固定(固着)されている。尚、光透過部材料はガラスのみに限られず、センサ部14への入射光の透過率の低下を妨げず、また、センサ部14に対する外部からの衝撃等を抑制できるものを適宜選択して利用できる。
また、第1パッド16の各々は、絶縁膜18上を第1半導体チップ5の中心方向に延出する例えば銅からなる専用の配線層24を介して、銅からなるポスト部26と個別に電気的に接続されている。この配線層24は、ポスト部26上に形成される半田ボール28を、第1パッド16の位置に依らず所望位置に再配置可能な再配線層として機能している。尚、配線層24はパターニング形成されているので、配線パターンとも称する。
また、第1半導体チップ5の上側には、エポキシ樹脂等の封止層30が、ポスト部26の頂面(すなわち、端面)26a及びガラス板17の上面17aを露出させるように形成されている。また、各ポスト部26の頂面には、第2配線基板53への接続用の外部端子である半田ボール28が形成されている。尚、この構成例では、ガラス板17の上面17aとは、センサ部14の露出面と対向する側の表面、すなわちガラス板の裏面17bとは反対側のガラス板の表面をいう。
また、この構成例の撮像用半導体装置10は、センサ部14がレンズ51を通して受光した像を画像信号(電気信号)に変換し、DSP等の画像処理装置45に出力する。そして、画像処理装置45では、入力された画像信号を画像データに変換・処理してディスプレイ装置(不図示)に出力する。そして、ディスプレイ装置では、画像データに応じた画像を表示する。
詳細には、この構成例での第1半導体チップ5からの出力信号が、第1パッド16から配線層24とポスト部26とを介して半田ボール28へ至る経路に伝送される。尚、伝送経路は上述に限られず、目的や設計に応じて種々の配線経路として形成することができる。
続いて、図3を参照して、この撮像用半導体装置10の製造方法につき以下説明する。
配線層形成工程として、先ず、その主表面5aに第1パッド16が設けられているとともに、該主表面5aに受光面14aが露出するように受光素子部(すなわち、センサ部)14が設けられている第1半導体チップ5を用意する。その後、第1パッド16に一端が接続され、かつ第1半導体チップ5の主表面5aに沿うように延在する配線層24を形成する。
具体的には、図3(A)に示すように、複数個の第1半導体チップ5を具える半導体ウェハ35を用意する。また、第1半導体チップ5は、センサ部14のほかに、センサ部14を駆動する回路素子等の周辺回路部15を具えている。また、第1半導体チップ5の主表面5aのうち、センサ部14の受光面14a以外の領域、すなわち受光面を取り巻く周辺取り巻き領域15aには、第1パッド16が複数設けられている。この第1パッド16は、例えば、アルミニウムによって形成されており、第1半導体チップ5が具える所定の回路素子と接続されている。尚、図中には便宜上約2個の第1半導体チップ5のみが図示されているが、これに限定されるものではない。
そこで、先ず、第1半導体チップ5の主表面5aの全面上に、第1パッド16の頂面16aを露出させるように、光(可視光)透過性であるエポキシ樹脂膜になる絶縁膜18を形成する。この構成例では、エポキシ樹脂膜18がセンサ部14への入射光(ここでは、可視光とする。)の透過を妨げない光透過性を有するため、この樹脂膜18を当該センサ部14上を覆うように設けてある。しかし、ポリイミド膜等のような可視光を透過しない膜を絶縁膜18として用いる場合は、当該絶縁膜に、センサ部14の受光面14aも露出するような開口を形成しておく。
続いて、例えば、銅からなる配線層24を、第1パッド16の各々にその一端が接続され且つ第1半導体チップ5の主表面5aを沿うように、スパッタ及びホトリソグラフィー工程等によって形成する。尚、配線層24はパターニング形成されているので、配線パターンとも称する。
次に、光透過部形成工程として、センサ部14を覆うような位置に、当該センサ部14への入射光を透過する光透過部であるガラス板17を形成する。
図3(B)に示すように、先ず、絶縁膜18の表面に延在している配線層24上に、銅からなるポスト部26を、ホトリソグラフィー工程及びめっき等によって形成する。尚、ポスト部26の形成には、銅のほかに金(Au)等を用いても良い。また、銅ポスト部26を形成した後、熱酸化等によりポスト部26の表面に薄い酸化膜を形成しても良い。この場合、ポスト部26及び後述する封止層30間の密着性が高まり両者界面からの水分侵入を抑制できるので、さらに信頼性が向上する。
続いて、絶縁膜18上の各センサ部14の受光面14a全体を覆う位置に、ガラス板17を設ける。このガラス板17は、個片化された光透過部であり、エポキシ樹脂等を接着剤(不図示)として、各第1半導体チップ5に対してそれぞれ個別に固定(固着)する。尚、このガラス板17の上面は、透過性を向上させるための鏡面加工が施されてある。
次に、外部端子形成工程として、配線層24を介して第1パッド16と電気的に接続される外部端子を形成する。
図3(C)に示すように、エポキシ樹脂等の封止材からなる封止層30を、トランスファーモールド法や印刷法を用いてポスト部26が隠れる程度に形成する。その後、ポスト部26の頂面26a及び封止層30の上面30aが、ガラス板17の上面17aの高さと同一レベルになるように、グラインダー(研磨工具)等によってグラインド(研磨)する。この研磨によって、全てのポスト部26の頂面26aを露出させて外部端子(半田ボール)用の搭載面を形成する。
然る後、この露出する外部端子用の搭載面上に、半田ボール28をリフロー形成する。これら半田ボール28は、第2配線基板53への接続用の外部端子となる。尚、必要に応じて、外部端子用の搭載面と半田ボール28との間にバリアメタル層等を形成しても良い。
その後、通常のスクライビング用の、高速回転ブレード(切削工具)等(不図示)によって、各半導体装置(パッケージ)10毎に切り出す(図2(B)参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、従来よりも少ない工程数によって、WCSP構造を有する撮像用半導体装置を得ることができる。
その結果、従来よりも撮像用半導体装置の製品コストを低減でき、量産性の向上を期待できる。
また、こうして得られた撮像用半導体装置のパッケージサイズは、従来のワイヤボンディング方式を採用した構造よりも小型化されているため、その適用範囲の拡大をさらに期待することができる。
<第2の実施の形態>
図4から図7を参照して、この発明の第2の実施の形態に係る撮像用半導体装置95及びその製造方法につき説明する。
図4は、この実施の形態のカメラシステム140の主要部の構成の一例を説明するための一部分を、断面として概略的に示す図である。また、図5(A)は、この実施の形態のカメラシステム140のうちカメラ部80を構成する撮像用半導体装置95を概略的に示す平面図である。また、図5(B)は、図5(A)とは必ずしも対応しないが、撮像用半導体装置95の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するために、その接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。
図4に示すように、この実施の形態のカメラシステム140は、カメラ部80とDSP等による画像処理装置45とが、共通の第1配線基板(マザーボード)46上に配設されて構成されている。
この構成例は、第1の実施の形態と同様のフェイスダウン構造ではあるが、撮像用半導体装置95の構成が異なっている点で相違している。
そこで、図5(A)及び図5(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置95について以下詳細に説明する。
撮像用半導体装置95が具える第1半導体チップ12は、第1の実施の形態と同様に、第1主表面としての主表面12aに、その受光面が露出されるようにセンサ部14が配設されている。そして、このセンサ部14はガラス板17によって覆われている。センサ部14とガラス板17との間は、エポキシ樹脂等の光透過性の接着剤(不図示)によって固定されている。また、第1半導体チップ12の主表面12a上には、第1パッド16が主表面12aの外周に沿って所定間隔毎に配置されている。
そして、この構成例での第1半導体チップ12は、半導体チップ搭載部34の第3主表面としての搭載面34a上に載置され固定されている。この構成例では、半導体チップ搭載部として基板34を用いる。
より詳細には、基板の搭載面34a上に、当該搭載面34aよりも小さな外形寸法を有する第1半導体チップ12が載置されている。第3主表面である搭載面34aのうち、第1半導体チップ12が実際に載置される、すなわち第1主表面12aと対向する第2主表面である裏面12cと対面する第1の領域部分を、載置面34bとする。
この構成例における第1半導体チップ12の4つの側壁12xは、傾斜壁となっている。この傾斜壁の側壁面(傾斜側壁面)12bは、載置面34bに対して鋭角θ(0°<θ<90°)で交差している。尚、この構成例では、各側壁12xは1つの傾斜した側壁面12bを有しているがこれに限定されない。すなわち、スパッタ等による配線層のパターニングが可能であれば、1つの側壁に対して複数段の段差が形成された構成であっても良い。
また、第1半導体チップ12の第2主表面としての裏面12c及び載置面34b間は、ダイスボンド剤等の接着剤(不図示)によって固定(固着)されている。また、以下の説明において、第3主表面である搭載面34aのうち、第1半導体チップ12が載置された第1の領域34b以外の領域であって、第1の領域34bを囲んでいる第2の領域を不載置面34cと称する。また、基板34としては、片面基板、両面基板及び多層基板のいずれかとして、例えば、シリコン(Si)基板、セラミック基板及び金属ベース基板等のいずれかの無機系材料基板、或いは、ガラスエポキシ基板及びポリイミド基板等のいずれかの有機系材料基板を用いることができる。また、この構成例では、半導体チップ搭載部として基板34を例に挙げて説明したがこれに限られず、半導体チップ搭載部としての機能を果たすものであれば良い。また、搭載面34aと側壁面12bとの交差角を鋭角θとし、この鋭角θを45°から60°の範囲内の値となるように設けることにより、ウェハ1枚当たりのチップ収集数の向上はもとより、チップ毎に個片化する際のブレード等のブレによるチップ損傷を回避するマージンを確保でき望ましい。
また、第1半導体チップ12の主表面12a、側壁面12b及び不載置面34cには、第1半導体チップ12の主表面12a上の第1パッド16の端部、例えば、頂面を露出させるようにして、エポキシ樹脂等の光透過絶縁膜18が設けられている。尚、絶縁膜18が、ポリイミド膜等のように光透過性でない膜である場合は、第1パッド16の頂面のほかにセンサ部14の受光面14aも露出するような開口が形成されている構成とする。
そして、この構成例における配線層24は、その一端は第1パッド16に接続されており、かつ第1パッド16から第1半導体チップ12の側壁面12b及び不載置面34c上を沿うように、第1半導体チップ12の主表面12aと不載置面34cとの間の高低差(段差)に応じてその切断面が屈曲するように延在している。そして、配線層24は、第1パッド16の接続先であるとして割り当てられている半田ボール28とポスト部26を介して電気的に接続されている。
また、第1半導体チップ12の主表面12a側には、絶縁膜18及び配線層24等を覆うように、かつポスト部26の頂面とガラス板17の一方の板面である上面17aとを露出させるように、エポキシ樹脂等による封止層30が形成されている。また、各ポスト部26の頂面には、第2配線基板53への接続用の外部端子となる半田ボール28が形成されている。
また、この構成例での第1半導体チップ12からの出力信号は、第1パッド16から配線層24とポスト部26とを介して半田ボール28へ至る経路に伝送される。尚、伝送経路は上述に限られず、目的や設計に応じて種々の配線経路として形成することができる。
続いて、図6及び図7を参照して、この半導体装置95の製造方法につき以下説明する。
先ず、側壁面形成工程として、第1パッド16が形成された第1主表面12aと、該第1主表面12aと対向しかつ第1主表面12aよりも大面積を有する第2主表面12cとを有する第1半導体チップ12に、第1主表面12aと第2主表面12cとの間を接続する側壁面12bを形成する。こうして、第1主表面12aよりも第2主表面12cの面積が大きい、メサ型の第1半導体チップ12を得る。
そのため、先ず、図6(A)に示すように、センサ部14と周辺回路部15’とを具える個片化前の第1半導体チップ12’を複数個具える半導体ウェハ47を用意する。この個片化前の第1半導体チップ12’の主表面12aには、第1パッド16が所定間隔(ピッチ)毎に形成されている。また、このウェハ47の裏面側を、粘着剤(不図示)が塗られたウェハ固定用テープ43で接着して固定する。尚、図中には便宜上約2個の前駆第1半導体チップ12’が図示されているが、これに限定されるものではない。また、半導体ウェハ47のうち隣接する個片化前の第1半導体チップ12’間には、不図示のスクライブラインが形成されている。
続いて、図6(B)に示すように、高速回転するブレード(切削工具)44等によってスクライブライン(不図示)に沿い、個々の第1半導体チップ12毎に個片化、すなわち、分離する。このとき使用するブレード44の刃先は、先端の断面形状がV字型となるような角度(頂角)φ(例えば、60°<φ<90°程度)を有する。このとき、V字型に切削された溝59の形成に伴い、第1半導体チップ12の側壁12xに鋭角θ(0°<θ<90°)をなす側壁面12bが形成される。その後、UV照射等により粘着剤の粘着性を低下させ、個々の第1半導体チップ12をウェハ固定用テープ43から分離する。
次に、搭載工程として、側壁面12bが形成された第1半導体チップ12の各々を、第1の領域34bとこの第1の領域34bを囲む第2の領域34cとを有する第3主表面34aと、この第3主表面34aと対向する第4主表面34iとを有する半導体チップ搭載部34の、第1の領域34b上に所定間隔で搭載する。
図6(C)に示すように、個片化した第1半導体チップ12の各々を、基板34の第3主表面である搭載面34aのうち第1の領域である載置面34b上に所定間隔毎に載置する。このとき、第1半導体チップ12の裏面12c及び載置面34b間を、例えば、ダイスボンド剤(不図示)等によって固定する。
次に、配線層形成工程として、第1パッド16に電気的に接続されるとともに、第1パッド16から第1主表面12a及び傾斜した側壁面12bに沿って、搭載面34aのうち第1半導体チップ12の周辺の第2の領域である不載置面34cの上側へと延在する配線層(再配線層)24を形成する。
そこで、図7(A)に示すように、先ず、第1半導体チップ12の第1主表面12a、側壁面12b及び不載置面34cに亘って、第1パッド16の頂面を露出させるようにして、エポキシ樹脂膜からなる絶縁膜18を形成する。
このとき、絶縁膜18の下地面を構成する第1半導体チップ12の主表面12aと不載置面34cとの間には高低差(段差)があるため、絶縁膜18はこの段差に対応して形成される。
続いて、銅からなる配線層24を、第1パッド16にその一端が接続されるように、かつ絶縁膜18上を傾斜壁(側壁)12xの側壁面12bからから不載置面34cに亘って、上述した第1主表面12aと不載置面34cとの間の高低差に応じてその切断面が屈曲して延出されるように、ホトリソ及びスパッタ等によってパターニング形成する。
このとき、配線層24のうち、第1主表面12aと側壁面12bとの境界上、及び側壁面12bと不載置面34cとの境界上に位置する部分(図中zで囲まれた部分)の、当該配線層24の延在方向と実質直交する方向に有する幅を、配線層の他(残り)の部分の当該幅よりも広くなるように形成するのが良い。
その結果、衝撃や応力の集中に弱いこうした境界上の配線層24を補強することができる。尚、配線層24はパターニング形成されているので、配線パターンとも称する。
次に、光透過部形成工程として、受光素子部であるセンサ部14の受光面14aを覆うような位置に、当該センサ部14への入射光を透過する光透過部であるガラス板17を形成する。尚、受光面14aは、第1主表面12aの一部分を占有して構成されている。
図7(B)に示すように、先ず、絶縁膜18の表面に延在している配線層24上に、銅からなるポスト部26をホトリソグラフィー工程及びめっき等によって形成する。また、銅ポスト部26を形成した後、熱酸化等によりポスト部26の表面に薄い酸化膜を形成しても良い。この場合、ポスト部26及び後述する封止層30間の密着性が高まり両者界面からの水分侵入を抑制できるので、さらに信頼性が向上する。
続いて、それぞれのセンサ部14の受光面14aの全体を覆うような位置に、光透過部であるガラス板17をエポキシ樹脂等の接着剤(不図示)によって、各第1半導体チップ12に対してそれぞれ個別に固定(固着)する。尚、このガラス板17の上面17aは、透過性を向上させるための鏡面加工が施されてある。
次に、外部端子形成工程として、配線層24を介して第1パッド16と電気的に接続される外部端子を形成する。
図7(C)に示すように、エポキシ樹脂等の封止材からなる封止層30を、トランスファーモールド法や印刷法を用いてポスト部26が隠れる程度に形成する。その後、ポスト部26の頂面26a及び封止層30の上面30aが、ガラス板17の上面17aの高さと同一レベルになるように、グラインダー(研磨工具)等によってグラインド(研磨)する。この研磨によって、全てのポスト部26頂面を露出させて外部端子である半田ボール用の搭載面を形成する。尚、ポスト部26を形成する際に、ポスト部26のそれぞれを、搭載面34aに対し鉛直方向に、同一高さに形成できる場合は、フィルム成形法等によって外部端子用搭載面形成のための研磨工程を省略することも可能である。
然る後、この露出する外部端子用の搭載面上に、第2配線基板53への接続用の外部端子である半田ボール28をリフロー形成する。尚、必要に応じて、外部端子搭載面と半田ボール28との間にバリアメタル層等を形成しても良い。
その後、通常のスクライビング用の、高速回転ブレード(切削工具)等(不図示)によって、各半導体装置(パッケージ)95毎に切り出す(図5(B)参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、従来よりも簡略化された工程によって、撮像用半導体装置を得ることができる。
その結果、従来よりも撮像用半導体装置の製品コストを低減でき、量産性の向上を期待できる。
また、こうして得られた撮像用半導体装置のパッケージサイズは、従来のワイヤボンディング方式の場合よりも小型化されているため、その適用範囲をさらに拡大させることができる。
さらに、この実施の形態の半導体装置は、第1半導体チップを半導体チップ搭載部に搭載した構成としたことにより、第1半導体チップ上方(すなわち、ファンイン部)に外部端子が形成された構造(ファンイン構造)はもとより、第1半導体チップの主表面から側壁面及び不載置面上へと延在する配線層による第1半導体チップ上方以外の領域(すなわち、ファンアウト部)にも外部端子が形成された構造(ファンアウト構造)となる。よって、第1の実施の形態に比べて多ピン化に対応できる半導体装置となる。
そのため、従来の半導体装置によれば、通常のWCSPのチップサイズを多ピン化のためにのみ不所望に増大させてしまい、ウェハ1枚当たりのチップ収集数を低減させてしまっていたが、この実施の形態によれば、この従来の場合とは異なり、外部端子の配置位置を拡張可能とする拡張部として機能する半導体チップ搭載部によって、半導体装置をファンアウト構造とすることができる。
さらに、この実施の形態では、第1の実施の形態のように、第1半導体チップと対向する位置にのみ外部端子を形成する構成ではないため、第1半導体チップのサイズを第1の実施の形態よりも小さくすることができる。その結果、小チップ化に伴って、半導体装置の製品コストを低減することができる。
<第3の実施の形態>
図8を参照して、この発明の第3の実施の形態に係る半導体装置95及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態では、第2の実施の形態の半導体装置95を製造するための光透過部形成工程において、搭載面34a上に搭載された複数の第1半導体チップ12に対して、光透過部連続体91を用いて、複数の第1半導体チップ12への光透過部17の形成を同時に行っている点が第2の実施の形態との主な相違点である。
第2の実施の形態では、光透過部形成工程において、各センサ部14に対応するガラス板17を、それぞれ個別に形成していた(図7(B)参照)。
しかし、この構成例では、搭載面34a上に設けられた複数のセンサ部14に対応するガラス板17を含んでなる光透過部連続体としてのガラス連続体91を用いて、複数の第1半導体チップ12に対するガラス板17を一括形成する。
このガラス連続体91は、平行平板状のガラス板の、第1半導体チップのぞれぞれに対応した位置に、平坦な頂面を有する四角状のブロック形態の凸部91aを有した構造体としてある。この凸部91aの頭部側の部分は、既に説明したガラス板17に相当する。従って、凸部91aの頂面がセンサ部14の受光面14aを覆うように第1半導体チップ12上に、絶縁膜18を介して固定される。
一方、このガラス連続体91は、この凸部91aの周囲に、丁度凹部すなわち溝91bが形成されている形態を有している。そして、この溝91bは、第1主表面12a及び不載置面34cの上側に凸設されているポスト部26を収容できるように、エッチング等によって形成されている。
より詳細には、この凹部の深さは、ガラス連続体91の下向きに形成された凸部91aを各センサ部14を覆う所定の位置に配置したときに、ガラス連続体91が凸設されたポスト部26と接触しないで、センサ部14の受光面14aを覆うことができる深さとする。尚、ガラス連続体91の凸部とセンサ部14との間は光透過性の接着剤(不図示)によって固定するので、透過率の向上の観点からも接着剤の厚みが極力薄くなるように凹部を設計・形成するのが好ましい。
そして、撮像用半導体装置95を製造するに当たり、第2の実施の形態と同様にして、傾斜側壁面形成工程からポスト部26形成までを行う。
その後、図8に示すように、先に説明した形状を有するガラス連続体91を、エポキシ樹脂等の光透過性の接着剤(不図示)によって、当該ガラス連続体91の凸部91aを、各センサ部14を覆うような位置に配置して固定する。
このとき、この構成例では、搭載面34a上に搭載された、すべての第1半導体チップ12のセンサ部14を覆う位置に、ガラス板17に相当する部分が同時に形成される。
その後は、第2の実施の形態と同様に、外部端子形成工程(封止層の形成、グラインドを含む。)を行い、半導体装置95を得る(図5(B)参照)。尚、この構成例のグラインドには、ガラス板17の上面に対する鏡面加工も含まれる。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を期待することができる。
さらに、この実施の形態では、第2の実施の形態のように、各半導体チップ12毎にガラス板17を個別に形成せずに済むため、第2の実施の形態よりも製造工程の簡略化を図ることができる。
よって、第2の実施の形態よりも半導体装置の製品コストを低減できるため、量産性の向上を図ることができる。
<第4の実施の形態>
図9を参照して、この発明の第4の実施の形態に係る半導体装置95及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態では、第2の実施の形態の半導体装置95を製造するための光透過部形成工程において、所定距離離間させて複数の光透過部17が接着された治具88の当該光透過部17が、受光素子部14の露出面、すなわち受光面14aを覆うような所定位置に配置した後、光透過部17を、治具88から除去して残置させることにより形成している点が第3の実施の形態との主な相違点である。
第3の実施の形態では、搭載面34a上に設けられた複数の第1半導体チップ12に対するガラス板17を、一括形成できる利点を有している。
しかし、第3の実施の形態では、封止層30を形成した後のグラインドにおいて、ガラス面の切削及び鏡面加工を新たに行う必要がある。
その結果、あらかじめ高精度な鏡面加工が上面に施されているガラス板(第2の実施の形態(図7(B)のガラス板17)を参照のこと。)を用いる場合と比べ、透過率の低いガラス面となり、信頼性が低下する懸念がある。
そこで、この構成例では、光透過部連続体77を用いるとともに、後工程において当該ガラス面の切削及び鏡面加工が不要な構成とする。
そこで、先ず、図9(A)に示すように、ガラスやシリコンウェハ等からなる前駆治具88’上に、平行平板状の予備ガラス板29が形成された第1構造体71を用意する。また、予備ガラス板29のうち前駆治具88’と対向する面には、鏡面加工が施されている。
このとき、前駆治具88’と予備ガラス板29との間を、後に説明する製造工程において治具88をガラス板17から容易に除去(剥離)可能な接着剤(不図示)によって接着させておく。こうした接着剤には、高軟化点ワックス(例えば、日本精蝋(株)製のFNP−0115)、高温で発泡して粘着性が低下するテープ(例えば、日東電工(株)製の熱剥離シートリバアルファ)、紫外線硬化型の接着剤(例えば、古川電工(株)製のダイシング用UVテープ)等を使用することができる。
その後、図9(B)に示すように、予備ガラス板29と前駆治具88’とに対し加工処理を行って、治具88にガラス板17が残存した第2構造体77を得る。このため、先ず、第1構造体71に対し、予備ガラス板29側からブレードによる切削またはエッチング等を行う。この加工や処理によって、第1構造体71のうち、搭載面34aと対向配置させる面に、第1主表面12a及び不載置面34cの上側に凸設されているポスト部26に対応する凹部(溝部)を形成することができる。こうして、光透過部連続体としての第2構造体77を得る。
より詳細には、この凹部77aの深さは、第2構造体77の下向きに形成された凸部77bを各センサ部14を覆う所定の位置に配置したときに、第2構造体77が凸設されたポスト部26等と接触しない深さとする。尚、第2構造体77の凸部77bとセンサ部14との間は光透過性の接着剤(不図示)によって固定するため、透過率の向上の観点からも接着剤の厚みが極力薄くなるように凹部を設計・形成するのが好ましい。
そして、撮像用半導体装置95を製造するに当たり、第2の実施の形態と同様にして、傾斜側壁面形成工程からポスト部26形成までを行う。
その後、図9(C)に示すように、先に説明した形状の第2構造体77は、その先頭部にガラス板17を有している。このガラス板17の露出面を、エポキシ樹脂等の光透過性の接着剤(不図示)によって、各センサ部14の受光面14aを覆うような位置に配置して固定する。
然る後、上述した接着層の種類に応じた処理(例えば、加温や紫外線照射等)を行って、第2構造体77から治具88のみを剥離して、センサ部14を覆う位置にガラス板17を残留(残置)させる。
その後は、第2の実施の形態と同様に、外部端子形成工程(封止層の形成、グラインドを含む。)を行い、半導体装置95を得る(図5(B)参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を期待することができる。
さらに、この実施の形態では、ガラス材からなるガラス連続体を用いた第3の実施の形態に比べ、治具を繰り返し使用することができるので製品コストの低減を図ることができる。
また、ガラス板17の上面にはあらかじめ鏡面加工が施されているので、第3の実施の形態のように、ガラス連続体を切削して鏡面を形成しなくても良い。よって、製造工程の簡略化をさらに図ることができる。
また、第3の実施の形態に比べ、あらかじめ高精度な鏡面加工が上面に施されているガラス板を用いることができるので、透過率の向上を図ることができる。
<第5の実施の形態>
図10から図12を参照して、この発明の第5の実施の形態に係る半導体装置76及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態では、第2の実施の形態と同様にフェイスダウン構造ではあるが、半導体チップ搭載部を回路素子を具える第2半導体チップ73とし、かつ第2半導体チップが配線層24と電気的に接続させている点が、第2の実施の形態との主な相違点である。
図10は、この実施の形態のカメラシステム81の主要部の構成の一例を説明するための一部を、断面として概略的に示す図である。また、図11(A)は、この実施の形態のカメラシステム81のうちカメラ部78を構成する撮像用半導体装置76を概略的に示す平面図である。また、図11(B)は、図11(A)とは必ずしも対応しないが、撮像用半導体装置76の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するために、その接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。
図10に示すように、この実施の形態のカメラシステム81は、カメラ部78のみが第1配線基板(マザーボード)46上に配設され構成されている。すなわち、ここでは、DSP等の画像処理装置45を配置するためのスペースが設けられていない。
続いて、図11(A)及び図11(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置76について以下詳細に説明する。
第1半導体チップ12は、半導体チップ搭載部である第2半導体チップ73の第3主表面としての搭載面73a上に載置され固定されている。そして、この第2半導体チップ73の主表面である搭載面73a上には、アルミニウムからなる第2パッド、すなわち電極パッド62が、第2半導体チップ73の外周に沿って所定間隔毎に配置されている。そして、第2半導体チップ73は、この第2パッド62を介して配線層24と電気的に接続された構成である。尚、第2パッド62の配置個数と位置はこれに限定されない。
そして、ここでの第2半導体チップを、例えばDSP73とする。これにより、撮像用半導体装置76は、DSP73の載置面73b上に第1半導体チップ12が積層されてなるパッケージ積層(スタック)型のMCPとなる。
その結果、高実装度が実現された半導体装置となるため、第1配線基板46上にDSP73を実装するためのスペースを確保する必要がなく、よって、従来よりもカメラシステム81自体の小型化を実現できる。
また、この構成例での第1半導体チップ12からの出力信号は、第1パッド16から配線層24とポスト部26とを介して半田ボール28へ至る経路、及び第1パッド16から配線層24と第2パッド62とを介して第2半導体チップであるDSP73へ至る経路の双方またはいずれか一方の経路を経て伝送される。尚、伝送経路は上述に限られず、目的や設計に応じて種々の配線経路として形成することができる。
続いて、図12を参照して、この半導体装置76の製造方法につき以下説明する。
先ず、第2の実施の形態と同様に、側壁面形成工程までを行う(図6(B)参照)。
続いて、搭載工程では、図12(A)に示すように、個片化された第1半導体チップ12の各々を、第1の領域73bとこの第1の領域73bを囲む第2の領域73cとを有する第3主表面73aと、この第3主表面73aと対向する第4主表面73iとを有する第2半導体チップ73の、第1の領域73b上に所定間隔で搭載する。このとき、第1半導体チップ12の裏面12c及び載置面73b間を、例えば、ダイスボンド剤(不図示)等によって固定する。
続いて、配線層形成工程では、先ず、第1パッド16の頂面16aと第2パッド62の頂面62aとを露出させるように、エポキシ樹脂からなる絶縁膜18を形成する。
当該絶縁膜18を形成した後、第2の実施の形態と同様に、側壁面12bから不載置面73cに亘って配線層24を形成するが、このとき、一部の配線層24の他端が第2パッド62と接続されるように形成する。
その後、第2の実施の形態と同様に、光搭載部形成工程及び外部端子形成工程を順次行って(図12(B))、半導体装置76を得る(図11(B)参照)。尚、ここでは第2の実施の形態で説明した製造方法を例に挙げて説明したが、これに限定されず、第3及び第4の実施の形態で説明した方法を適宜適用できる。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態の半導体装置では、第2の実施の形態と同様の効果を期待できる。
さらに、この実施の形態では、パッケージ積層(スタック)型のMCP構造の半導体装置とすることができるので、従来よりも小型化されたカメラシステムを実現することができる。
<第6の実施の形態>
図13から図16を参照して、この発明の第6の実施の形態に係る半導体装置25及びその製造方法につき説明する。
図13は、この実施の形態のカメラシステム120の主要部の構成の一例を説明するための一部を、概略的な断面として示す図である。また、図14(A)は、この実施の形態のカメラシステム120のうちカメラ部69を構成する撮像用半導体装置25を概略的に示す平面図である。また、図14(B)は、図14(A)とは必ずしも対応しないが、撮像用半導体装置25の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するために、その接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。
図13に示すように、この実施の形態のカメラシステム120は、カメラ部69とDSP等による画像処理装置45とが、共通の第1配線基板(マザーボード)46上に配設され構成されている。尚、この構成例におけるカメラ部69は、撮像用半導体装置25が具える半田ボール28が第1配線基板46に直接実装されている。
この構成例は、パッケージングされた撮像用半導体装置25のうち光透過部であるガラス板17が、半田ボール28が形成された面とは反対側の面側に形成された構造、すなわちフェイスアップ構造となっている。
続いて、図14(A)及び図14(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置25について以下詳細に説明する。
撮像用半導体装置25が具える第1半導体チップ12は、第1の実施の形態と同様に、第1主表面としての主表面12aに、その受光面が露出されるようにセンサ部14が配設されている。また、第1の実施の形態と同様に、センサ部14の受光面14aを覆うような位置に、エポキシ樹脂等の光透過性の接着剤(不図示)によってガラス板17がその裏面17bを固定されている。また、第1半導体チップ12の主表面12a上には、第1パッド16が当該主表面12aの外周に沿って所定間隔毎に配置されている。
そして、この構成例での第1半導体チップ12は、半導体チップ搭載部の第3主表面としての搭載面33a上に載置されて固定されている。この半導体チップ搭載部として基板33を用いる。
また、基板33には、当該基板の表裏間を導通するための導体部(銅めっき層)39を有するスルーホール38が形成されている。そして、当該導体部39のうち第1平坦面側の端部には、銅箔による第1ランド42が形成されている。導体部39は、配線層24と第1ランド42を介して電気的に接続されている。 また、導体部39のうち第4主表面33i側の端部には、第1配線基板46に実装するための半田ボール28が形成されている。尚、基板33としては、片面基板、両面基板及び多層基板のいずれかとして、例えば、シリコン(Si)基板、セラミック基板及び金属ベース基板等のいずれかの無機系材料基板、或いは、ガラスエポキシ基板及びポリイミド基板等のいずれかの有機系材料基板を用いることができる。
より詳細には、基板の搭載面33a上に、当該搭載面33aよりも小さな外形寸法を有する第1半導体チップ12が載置され固定されている。第3主表面である搭載面33aのうち、第1半導体チップ12が実際に載置される、すなわち第1主表面12aと対向する第2主表面である裏面12cと対面する第1の領域部分を、載置面33bとする。
さらに、この構成例における第1半導体チップ12の4つの側壁12xは、第2の実施の形態と同様に、傾斜壁となっている。すなわち、この傾斜壁12xの側壁面(傾斜側壁面)12bは、載置面33bに対して鋭角θ(0°<θ<90°)で交差している。また、第1半導体チップ12の第2主表面としての裏面12c及び載置面33b間は、ダイスボンド剤等の接着剤(不図示)によって固定されている。また、以下の説明において、第3主表面である搭載面33aのうち、第1半導体チップ12が載置された第1の領域33b以外の領域であって、第1の領域33bを囲んでいる第2の領域を不載置面33cと称する。
また、第1半導体チップ12の主表面12a、側壁面12b及び不載置面33cには、第1半導体チップ12の主表面12a上の第1パッド16の頂面と第1ランド42の頂面とを露出させるように、エポキシ樹脂からなる絶縁膜18が形成されている。尚、絶縁膜18が、ポリイミド膜等の光透過性でない膜である場合は、第1パッド16の頂面のほかにセンサ部14の頂面も露出するような開口が形成されている構成とする。
そして、この構成例における配線層24は、その一端は第1パッド16に接続されており、かつ第1パッド16から第1半導体チップ12の側壁面12b及び不載置面33c上を沿うように、第1半導体チップ12の主表面12aと不載置面33cとの間の高低差(段差)に応じてその切断面が屈曲するように延在している。そして、配線層24は、第1パッド16の接続先であるとして割り当てられている第1ランド42に接続されている。
すなわち、第1パッド16は、当該第1パッド16に対応する半田ボール28と、配線層24及び導体部39を順次に介して電気的に個別に接続される構成である。
また、第1半導体チップ12の主表面12a側には、ガラス板17の上面17aを露出させるように、エポキシ樹脂等による封止層30が形成されている。
また、この構成例での第1半導体チップ12からの出力信号は、第1パッド16から配線層24と、第1ランド42と、導体部39とを介して半田ボール28へ至る経路に伝送される。
続いて、図15及び図16を参照して、この撮像用半導体装置25の製造方法につき以下説明する。
先ず、側壁面形成工程として、第1パッド16が形成された第1主表面12aと、該第1主表面12aと対向しかつ第1主表面12aよりも大面積を有する第2主表面12cとを有する第1半導体チップ12に、第1主表面12aと第2主表面12cとを接続する側壁面12bを形成する。こうして、第1主表面12aよりも第2主表面12cの面積が大きい、メサ型の第1半導体チップを得る。
ここでは、第2の実施の形態で既に説明したように、側壁面形成工程を行えば良く(図6(B)参照)、その詳細な説明は割愛する。
次に、搭載工程として、側壁面12bが形成された第1半導体チップ12の各々を、第1の領域33bとこの第1の領域33bを囲む第2の領域33cとを有する第3主表面33aと、この第3主表面33aと対向する第4主表面33iとを有する半導体チップ搭載部33の、第1の領域33b上に所定間隔で搭載する。
図15(A)に示すように、個片化した第1半導体チップ12の各々を、所定位置にスルーホール38と露出された第1ランド42とが形成された共通基板33の搭載面33aのうち、第1の領域である載置面33bに所定間隔で載置する。このとき、第1半導体チップ12の裏面12c及び載置面33b間を、例えば、ダイスボンド剤(不図示)等によって固定する。尚、基板33が具えるスルーホール38(貫通部)は、例えば、当該基板33にドリル等によって貫通孔を形成した後、めっき法等により当該貫通孔の内壁に導体部となる銅めっき層39を形成することによって得られる。
次に、配線層形成工程として、第1パッド16の各々に一端が接続されるとともに、第1パッド16から、第1主表面12a及び側壁傾斜面12bに沿って、第1半導体チップ12の搭載面33aのうち、第1半導体チップ12の周辺の不載置面33cの上側へと延在する配線層(再配線層)24を形成する。
図15(B)に示すように、先ず、第1半導体チップ12の主表面12a、傾斜側壁面12b及び不載置面33cに亘って、第1パッド16の頂面及び第1ランド42の頂面42aを露出させるように、エポキシ樹脂膜からなる絶縁膜18を形成する。
このとき、絶縁膜18の下地面を構成する第1半導体チップ12の主表面12aと不載置面33cとの間には高低差(段差)があるため、絶縁膜18はこの段差に対応して形成される。
続いて、銅からなる配線層24を、第1パッド16の各々にその一端が接続されるように、かつ絶縁膜18上を傾斜壁(側壁)12xの傾斜側壁面12bからから不載置面33cに亘って、上述した第1主表面12aと不載置面33cとの間の高低差に応じてその切断面が屈曲して延在するとともに、その他端が第1ランド42に接続されるように、ホトリソグラフィー工程及びスパッタ等によってパターニング形成する。
次に、光透過部形成工程として、受光素子部であるセンサ部14の受光面14aを覆うような位置に、当該センサ部14への入射光を透過する位置に光透過部である平行平板状のガラス板17を形成する。
図15(C)に示すように、それぞれのセンサ部14の受光面14a全体を覆うような位置に、光透過部であるガラス板17を、その裏面17b側にエポキシ樹脂等の接着剤(不図示)を用いて固定(固着)する。尚、このガラス板17の上面は、透過性を向上させるための鏡面加工が施されてある。
次に、外部端子形成工程として、搭載部33の表裏間を導通する導体部39を介して、配線層24と電気的に接続された外部端子28を形成する。
図16に示すように、先ず、有機樹脂(エポキシ樹脂等)からなる封止材を、ガラス板17の表面が露出する高さ(ガラス板17の上面高さ)となるように、ポッティング或いは印刷法によって塗布した後、硬化させて封止層30を形成する。然る後、ガラス板17の表面が露出している基板33を裏返して、露出している導体部39の頂面上に、第1配線基板46への接続用バンプである半田ボール28をリフロー形成する。
その後、通常のスクライビング用の、後続回転ブレード(切削工具)等(不図示)によって、各半導体装置(パッケージ)25毎に切り出す(図14(B)参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を期待できる。
さらに、この実施の形態では、フェイスダウン構造のように、パッケージングを取り付けるための第2配線基板を用いなくても良い。よって、カメラ部の構造を単純化できるので、製品コストの低減を図ることができる。
<第7の実施の形態>
図17及び図18を参照して、この発明の第7の実施の形態に係る半導体装置65及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態の撮像用半導体装置65は、光透過部であるガラス板17が、センサ部の上方のみならず搭載部である基板33全面を覆うように形成されている点が第6の実施の形態との主な相違点である。
この構成例は、第6の実施の形態と同様にフェイスアップ構造であるため、光透過部であるガラス板を設置するに当たり、フェイスダウン構造のようにポスト部や半田ボール等による配置の制約を受けない。
よって、ガラス板17が、半導体チップ12の主表面12a上に設けられた配線層24の一部も覆うように設けられていても良く、また、ガラス板17が半導体チップ12をオーバーハングして設けられていても良く、また、基板33を全て覆うような位置、すなわち、半導体装置(パッケージ)の表層全体に形成されるような位置に設けられていても良い。また、こうした構造とすることには、ガラス板17をセンサ部14の受光面14aを覆う位置に配置する際のマージンを確保できるので、半導体装置の信頼性の向上を図る観点からも好ましい。
そこで、図17に示すように、この実施の形態では、例えば、ガラス板17が基板33を全て覆うような位置に形成された構成とする。
また、この実施の形態の半導体装置65の製造方法は、第6の実施の形態と同様に配線層形成工程までを行う(図15(B)参照)。
その後、封止材塗布工程として、第1半導体チップ12が埋め込まれるように、第1半導体チップ12の主表面12a及び不載置面33c上に光透過性の封止材としてのエポキシ樹脂をスピン塗布する(図18(A))。
そして、この構成例では、光透過部形成工程を、塗布した封止材をキュアリング等によって硬化させ封止層30とする前に行う。
そこで、この構成例では、搭載面33a上の複数の第1半導体チップ12の各センサ部14に対応するガラス板17が連続してなる、光透過部連続体としての大型の平行板状のガラス23を用いる。
そして、このガラス板23を、基板33の搭載面33aと対向配置させて、複数のセンサ部14に対する個々のガラス板17を一括形成する(図18(B))。
こうすることにより、搭載面33a上のすべての半導体チップ12に対する個々のガラス板17を一括形成できるのはもとより、封止層30として形成したエポキシ樹脂をガラス板17を固定するための接着剤としても兼用することができる。
その後、第6の実施の形態と同様に外部端子形成工程を行い、半導体装置65を得る(図17参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第6の実施の形態と同様の効果を期待することができる。
さらに、この実施の形態では、第6の実施の形態のように、各半導体チップ12毎にガラス板17を個別に形成せずに済むため、第6の実施の形態よりも製造工程の簡略化を図ることができる。
よって、第6の実施の形態よりも半導体装置の製品コストを低減できるため、量産性の向上を図ることができる。
<第8の実施の形態>
図19及び図20を参照して、この発明の第8の実施の形態に係る半導体装置及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態の撮像用半導体装置75は、光透過部17が、搭載部33の膨張係数よりも大きな膨張係数を有する光透過性膜を接着層30aとして受光素子部14の露出面である受光面14aを覆う位置に固定されているとき、第1半導体チップ12を埋め込んで封止する封止層30のうち不載置面に接する部分には、光透過性膜の膨張係数よりも小さな膨張係数を有する封止材からなる封止層30bが形成されている点が第7の実施の形態との主な相違点である。
一般に、光透過性であるエポキシ樹脂等の光透過性材料の線膨張係数は大きいことが知られている。
その結果、エポキシ樹脂のみで封止層30が形成された半導体装置(第7の実施の形態を参照。)の場合には、当該封止層30と搭載部である基板33との間の熱膨張係数の違いに起因してパッケージに反りが発生し、信頼性の低下を引き起こす場合がある。
そこで、封止層30のうち、少なくともセンサ部14とガラス板17との間の接着剤を兼ねる封止層30aをエポキシ樹脂等の光透過性の層とする一方で、その他の封止層部分の少なくとも一部を、当該反りを低減させるような線膨張係数を有する封止材からなる層30bとする。
そこで、図19に示すように、撮像用半導体装置75の封止層30のうち、第1半導体チップ12の主表面12a上の絶縁膜18の高さに至るまでの封止層30bを、当該絶縁膜18より上側の第1半導体チップ12が埋め込まれる高さに亘って塗布されている光透過性の層30aよりも小さな膨張係数(ここでは、線膨張係数)を有するものとする。
これにより、封止層30と基板33との膨張係数の違いに起因して発生するパッケージの不所望な反りを、抑制することができる。
また、この実施の形態の半導体装置75の製造方法は、第7の実施の形態と同様に配線層形成工程までを行う。
その後、第7の実施の形態と同様に封止材塗布工程を行うが、この実施の形態では、先ず、フィラー含有のエポキシ樹脂(線膨張係数:0.8〜1.5×10-5/℃)30bを第1半導体チップ12の主表面12a上の絶縁膜18の高さに至るまで、ポッティング或いは印刷法によって塗布する(図20(A))。
続いて、絶縁膜18より上側の第1半導体チップ12が埋め込まれる高さにまで、エポキシ樹脂(線膨張係数:4〜7×10-5/℃)30aをスピン塗布、ポッティング或いは印刷法等によって形成する。(図20(B))。尚、さらに、各封止材の弾性率を考慮して、封止層30aと30bとの組み合わせを調整すれば、より一層反りの発生を低減することができる。
そして、封止材塗布工程後、この封止材をキュアリング等によって硬化させ封止層30とする前に光透過部形成工程を行う(図20(C))。
その後、第7の実施の形態と同様に外部端子形成工程を行い、半導体装置75を得る(図19参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第7の実施の形態と同様の効果を期待できる。
さらに、この実施の形態では、封止層と搭載部である基板との間の熱膨張係数の違いに起因して発生するパッケージの反りを低減できるので、信頼性の低下を効果的に抑制できる。
<第9の実施の形態>
図21及び図22を参照して、この発明の第9の実施の形態に係る半導体装置85及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態の撮像用半導体装置85は、第1半導体チップ12の第1主表面12a上の第1パッド16に接続された配線層によって形成される凸設部に対応するように、光透過部17のうち受光素子部14の露出面と対向する側の面には凹部が形成されている点が第7の実施の形態との主な相違点である。
ガラス板17をセンサ部14の露出面、従って受光面14aを覆う位置に固定するのに用いるエポキシ樹脂等の接着剤(不図示)の膜厚は、当該センサ部14への入射光の透過率を損なわないためにも薄い方が望ましい。
そこで、図21に示すように、ガラス板17を、既に図8を参照して説明したガラス連続体91と同様に、受光面14aと対向する複数の凸部17xと、この凸部17xの周囲に設けられた凹部17yとを具えた形態とする。但し、この場合には、ポスト部は、基板33のガラス板17側には設けられてはいないので、凸部17xの突出高さは、ガラス連続体91の凸設部91aの高さよりも低い。すなわち、この構成例では、ガラス板17のうちセンサ部14の受光面14aと対向する側の面に、第1主表面12a上の第1パッド16に接続された配線層24によって、第1半導体チップ12の上面12aに形成された凸設部に対応するような凹部(溝部)17yが形成されている。この凹部17yにより、ガラス板17は、配線層24との接触が回避される。
これにより、ガラス板17とセンサ部14との間の接着剤の膜厚を、第7の実施の形態の場合よりも薄くすることができ、よって、透過率の向上を図ることができる。
また、この実施の形態の半導体装置85を製造するに当たり、先ず、光透過部連続体としての凹状ガラス41を、第7の実施の形態で使用したのと同様な大型の板状のガラス板23のうち、搭載面33aと対向させる面に、第1主表面12aの上側に凸設されている配線層24に対応する凹部(溝部)を、エッチング等によって形成しておく。
そして、第7の実施の形態と同様に配線層形成工程及び封止材塗布工程までを行う(図18(A)参照)。
その後、封止材をキュアリング等によって硬化させる前に、光透過部形成工程として、先に説明した形状の凹状ガラス41を、当該凹状ガラス41の凸部が各センサ部14を覆うような位置に配置して固定する(図22)。
その後、第7の実施の形態と同様に外部端子形成工程を行い、半導体装置85を得る(図21参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第7の実施の形態と同様の効果を期待できる。
さらに、この実施の形態では、センサ部とガラスとの間の接着剤の膜厚を第7の実施の形態よりも薄くでき、よって、透過率の向上を期待できる。
<第10の実施の形態>
図23から図25を参照して、この発明の第10の実施の形態に係る半導体装置61及びその製造方法につき説明する。
この実施の形態では、第6の実施の形態と同様にフェイスアップ構造ではあるが、半導体チップ搭載部を回路素子を具える第2半導体チップ64とし、かつ当該第2半導体チップ64を配線層24と電気的に接続させている点が第6の実施の形態との主な相違点である。
図23は、この実施の形態のカメラシステム93の主要部の構成の一例を説明するための一部分を、断面として概略的に示す図である。また、図24(A)は、この実施の形態のカメラシステム93のうちカメラ部92を構成する撮像用半導体装置61を概略的に示す平面図である。また、図24(B)は、図24(A)とは必ずしも対応しないが、撮像用半導体装置61の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するためにそれらの接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。
図23に示すように、この実施の形態のカメラシステム93は、カメラ部92のみが第1配線基板46上に配設され構成されている。すなわち、ここでは、DSP等の画像処理装置を配置するためのスペースが設けられていない。
続いて、図24(A)及び図24(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置61について以下詳細に説明する。
第1半導体チップ12は、搭載部である第2半導体チップ64上に載置され固定されている。そして、この第2半導体チップ64の主表面である搭載面64a上には、アルミニウムからなる第3パッド66が、第2半導体チップ64上に所定間隔毎に配置されている。そして、第2半導体チップ64は、この第3パッド66を介して配線層24と電気的に接続された構成である。尚、第3パッド66の配置個数と位置はこれに限定されない。
そして、ここでの第2半導体チップを、例えばDSP64する。これにより、撮像用半導体装置61は、DSP64の載置面64b上に、第1半導体チップ12が積層されたパッケージ積層(スタック)型のMCPとなる。
その結果、高実装度が実現された半導体装置となるため、第1配線基板46上にDSP64を実装するためのスペースを確保する必要がなく、よって、従来よりもカメラシステム93自体の小型化を実現できる。
また、DSP64には、当該DSP64の表裏間を導通するための導体部(銅めっき層)68を有するスルーホール67が形成されている。そして、当該導体部68のうち第1平坦面側の端部には、銅箔による第2ランド94が形成されている。こうして、導体部68は、配線層24と第2ランド94を介して電気的に接続されている。また、導体部68のうち第2平坦面側の端部には、第1配線基板46に実装するための半田ボール28が形成されている。尚、スルーホール67の配置個数と位置はこれに限定されない。また、外部端子である半田ボール28の位置についても導体部68の第4主表面64i側の端部に限らず、ここから配線をさらに延在させ所定位置に設けられたランド上に半田ボールを形成しても良い。
また、この構成例での第1半導体チップ12からの出力信号は、第1パッド16から配線層24と、第2ランド94と、導体部68とを介して半田ボール28へ至る経路、及び、第1パッド16から配線層24と、第3パッド66とを介して第2半導体チップ64へ至る経路の双方またはいずれか一方の経路を経て伝送される。
続いて、図25を参照して、この半導体装置61の製造方法につき、以下説明する。
先ず、第6の実施の形態と同様に、側壁面形成工程を行う。
その後、搭載工程では、個片化された第1半導体チップ12の各々を、第2半導体チップであるDSP64の第3主表面である搭載面64aのうち、第1の領域としての載置面64bに所定間隔で載置する。このとき、第1半導体チップ12の裏面12c及び載置面64b間を、例えば、ダイスボンド剤(不図示)等によって固定する(図25(A))。尚、DSP64が具えるスルーホール67は、例えば、スルーホール形成予定領域に対してドライエッチングによって貫通孔を形成し、この貫通孔をシリコン酸化膜(SiO2)やシリコン窒化膜(SiN)で内壁絶縁した後に、この貫通孔に銅等を充填して形成することができる。
続いて、配線層形成工程では、第1パッド16の頂面、第3パッド66の頂面及び第2ランド94の頂面を露出させるように、エポキシ樹脂からなる絶縁膜18を形成する。
絶縁膜18を形成した後、第6の実施の形態と同様に、側壁面12bから不載置面64cに亘って配線層24を形成するが、このとき、配線層24の他端が、それぞれ接続関係が指定された第3パッド66又は第2ランド94と接続されるように形成する。
その後、第6の実施の形態と同様に外部端子形成工程を行い、半導体装置61を得る(図24(B))。尚、ここでは第6の実施の形態で説明した製造方法を例に挙げて説明したが、これに限定されず、第7〜第9の実施の形態で説明した方法を適宜適用できる。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第7の実施の形態と同様の効果を期待できる。
さらに、この実施の形態では、パッケージ積層(スタック)型のMCP構造の半導体装置とすることができるので、従来よりも小型化されたカメラシステムを実現することができる。
<第11の実施の形態>
図26から図29を参照して、この発明の第11の実施の形態に係る半導体装置150につき説明する。
図26は、この実施の形態のカメラシステム170の主要部の構成の一例を説明するための一部分を、断面として概略的に示す図である。また、図27(A)は、この実施の形態のカメラシステム170のうちカメラ部160を構成する撮像用半導体装置150を概略的に示す平面図である。また、図27(B)は、図27(A)とは必ずしも対応しないが、撮像用半導体装置150の各構成要素の接続及び配置の様子を説明するためにそれらの接続及び配置関係を変更して概略的に示した断面図である。
図26に示すように、この実施の形態のカメラシステム170は、カメラ部160とDSP等による画像処理装置45とが、共通の第1配線基板(マザーボード)46上に配設され構成されている。
この構成例は、第1の実施の形態と同様のフェイスダウン構造ではあるが、撮像用半導体装置150の構成が異なっている点で相違している。
続いて、図27(A)及び27(B)を参照して、この発明に係る撮像用半導体装置150について以下詳細に説明する。
撮像用半導体装置150が具える第1半導体チップ104は、第1の実施の形態と同様に、第1主表面としての主表面104aに、受光面が露出されるようにセンサ部14が配設されている。そして、このセンサ部14の受光面14aはガラス板17によって覆われている。尚、センサ部14とガラス板17との間は、第1の実施の形態と同様に、エポキシ樹脂等の光透過性の接着剤(不図示)によって固定されている。
また、第1半導体チップ104の主表面104a上には、第1パッド16が主表面104aの外周に沿って所定間隔毎に配置されている。
そして、この構成例での第1半導体チップ104は、支持部である基板103のうち第1半導体チップ104の搭載面103e上に、載置され固定されている。この搭載面103eのうち、実際に第1半導体チップ104が載置されている領域を載置面103fとし、それ以外の領域を不載置面103gとする。
この構成例での第1半導体チップ104は、基板103側の第2主表面である裏面104dと、裏面104dと反対側の第1主表面である主表面104aと、この主表面104aの周縁に接続する傾斜側壁面104bと、この傾斜側壁面104bと連続形成されている基板103の搭載面103eに垂直な垂直壁面104cとを有している。
この傾斜側壁面104bは、第1半導体チップの主表面104aと直交する壁面との稜部を斜めに面取りして形成され、その残部が垂直壁面104cである。
また、第1半導体チップの裏面104d及び基板の載置面103f間は、ダイスボンド剤等(不図示)によって固定(固着)されている。また、この構成例の支持部としての基板103には、既に説明した種々の基板を使用可能であるが、支持部としての機能を果たすものであれば良い。
さらに、基板の不載置面103gには、半導体チップ104の側壁を包囲するとともに傾斜側壁面104bの一部を少なくとも露出させるように、例えば、第1半導体チップ104の側壁104xのうち、傾斜側壁面104bに至る高さで当該第1半導体チップ104を取り囲む、第3主表面107jと該第3主表面107jと対向する第4主表面107kとを具える感光性樹脂(感光性ポリイミド等)からなる枠状部107が設けられている。
また、第1半導体チップ104の主表面104a、傾斜側壁面104b及び不載置面103gの上側には、第1半導体チップ104の主表面104a上の第1パッド16の頂面を露出させるように、絶縁膜18が設けられている。また、第1パッド16は、第2配線基板53に実装するための半田ボール28と、専用の配線層24を介して電気的に個別に接続されている。
より詳細には、この構成例における配線層24は、その一端は第1パッド16に接続されるとともに、第1半導体チップ104の傾斜側壁面104b上及び枠状部107の第3主表面107j上を沿うように、主表面104aと枠状部107の第3主表面107jとの間の高低差に応じてその切断面が屈曲するように延在している。
この配線層24の延在部分は、当該第1パッド16と電気的な接続が指定されている半田ボール28と、ポスト部26を介して、電気的に接続されている。
また、第1半導体チップ104及び枠状部107の上側には、絶縁膜18及び配線層24等を覆うように、かつポスト部26の頂面及びガラス板17の上面を露出させるように、エポキシ樹脂等による封止層30が形成されている。この封止層30の上面は平坦面とする。そして、このポスト部26上に、第2配線基板53への接続用の外部端子となる半田ボール28が形成されている。
また、この構成例での第1半導体チップ104からの出力信号は、各第1パッド16から配線層24とポスト部26とを介して半田ボール28へ至る経路に伝送される。尚、伝送経路は上述に限られず、目的や設計に応じて種々の配線経路として形成することができる。
続いて、図28及び図29を参照して、この半導体装置150の製造方法につき以下説明する。
先ず、傾斜側壁面形成工程として、第1パッド16が形成された第1主表面104a、第1主表面104aと対向する第2主表面104d、及び第1及び第2主表面間(104a、104d)を接続している側壁面を有する第1半導体チップのうち第1主表面104aと側壁面との稜部の面取りを行って、傾斜側壁面104bを有し、かつ第1主表面104aよりも第2主表面104dの面積が大きいメサ型の第1半導体チップ104を得る。
そのため、図28(A)に示すように、先ず、個片化前の第1半導体チップ104’を複数個具える半導体ウェハ81を用意する。
個片化前の第1半導体チップ104’には、その主表面104a上に第1パッド16が所定間隔で形成されている。このウェハ81の裏面側を、粘着剤(不図示)が塗られたウェハ固定用テープ43で接着して固定する。尚、図中には便宜上約2個の個片化前の第1半導体チップ104’が図示されているが、これに限定されるものではない。また、半導体ウェハ81のうち隣接する前駆第1半導体チップ104’間には、不図示のスクライブライン(不図示)が形成されている。
続いて、図28(B)に示すように、高速回転するブレード(切削工具)79等によって、各前駆第1半導体チップ104’の稜部の面取りを行う。このとき使用するブレードの刃先は、先端の断面形状がV字型となるような角度(頂角)φ(例えば、60°<φ<90°程度)を有する。このとき、V字型に切削された溝89の形成に伴い、前駆第1半導体チップ104’に傾斜側壁面104bが形成される。そして、この傾斜側壁面104bを形成した後、スクライビング用の、通常のブレード79等によって個々の第1半導体チップ104毎に個片化、すなわち、分離する。
次に、枠状部形成工程として、第1半導体チップ104を、傾斜側壁面104bの一部を少なくとも露出するように、嵌め込みできる開口部を有する枠状部107を支持部103上に形成する。
すなわち、支持部である基板103上に枠状部107を形成するが、このとき、後述するように後工程においてその枠の内側に第1半導体チップ104を、その側壁を包囲するとともに傾斜側壁面104bの一部を少なくとも露出させるように、収容する。
すなわち、図28(C)に示すように、共通の基板103上に、枠状部107を構成する感光性樹脂材をスピン塗布した後、例えば、ホトリソグラフィ工程及びキュアリング処理により第3主表面107j及び第4主表面107kを有する枠状部107を形成する。尚、枠状部107の形成には、この他にも高精度印刷方式等を適用することができる。基板の搭載面103eのうち、この枠状部107で囲まれた基板103の露出表面が載置面103fである。
次に、搭載工程として、第1半導体チップ104を開口部内にはめ込んで支持部103上に搭載する。そのため、この第1半導体チップ104は、この枠状部107に、実質的に隙間なく嵌め込まれる大きさとなっている。
図29(A)に示すように、個片化した第1半導体チップ104の各々を、共通基板103上の所定位置、ここでは載置面103fに載置する。この載置面103fに第1半導体チップ104を載置すると、第1半導体チップ104の側壁が枠状部107によって包囲される。このとき、第1半導体チップ104の裏面104dと載置面103fとの間を、例えば、ダイスボンド剤等(不図示)によって固定する。尚、この構成例では、枠状部107を構成する感光性樹脂を完全に硬化させる前(例えば、予備硬化時等)に第1半導体チップ104を載置面103f上に載置することにより、第1半導体チップ104及び感光性樹脂107間の密着性をさらに向上させることができる。その結果、第1半導体チップ104及び感光性樹脂107間の隙間(ボイド)の発生を抑制でき、耐湿性に優れた界面を形成できる。
次に、配線層形成工程として、第1パッド16に一端が電気的に接続されるとともに、該第1パッド16から、第1主表面104a及び傾斜側壁面104bに沿って、枠状部107の第1平坦面である主表面107jの上側へと延在する配線層24を形成する。
そこで、図29(B)に示すように、先ず、第1半導体チップ104の主表面104a及び傾斜側壁面104bと枠状部107の主表面107jとに亘って、第1パッド16の頂面を露出させるように、エポキシ樹脂からなる絶縁膜18を形成する。
絶縁膜18の下地面を構成する第1半導体チップ104の主表面104aと枠状部107の表面との間には高低差(段差)があるため、絶縁膜はこの段差に対応して形成される。
続いて、銅からなる配線層24を、第1パッド16にその一端が接続されるように、かつ絶縁膜18上を傾斜側壁面104bから枠状部107の主表面107j上に亘って、上述した主表面104aと枠状部107の第3主表面107jとの間の高低差に応じてその切断面が屈曲して延在するように、ホトリソグラフィー工程及びスパッタ等によってパターニング形成する。
このとき、配線層24のうち、主表面104aと傾斜側壁面104bとの境界上、及び傾斜側壁面104bと第3主表面との境界上に位置する部分(図中zで囲まれた部分)の、配線層24の延在方向と実質直交する方向(図示の紙面と直交する方向)に有する幅を、配線層24の他(残り)の部分の当該幅よりも広くなるように形成するのが良い。
その結果、衝撃や応力の集中に弱いこうした境界上の配線層24を補強することができる。
次に、光透過部形成工程として、受光素子部であるセンサ部14の受光面14aを覆うような位置に、当該センサ部14への入射光を透過する位置に光透過部であるガラス板17を形成する。
図29(C)に示すように、先ず、絶縁膜18の表面に延在している配線層24上に、銅からなるポスト部26をホトリソグラフィー工程及びめっき等によって形成する。また、銅ポスト部26を形成した後、熱酸化等によりポスト部26の表面に薄い酸化膜を形成しても良い。この場合、ポスト部26及び後述する封止層30間の密着性が高まり両者界面からの水分侵入を抑制できるので、さらに信頼性が向上する。
続いて、各センサ部14の受光面14aの全体を覆うような位置に、光透過部であるガラス板17をエポキシ樹脂等の接着剤(不図示)によってそれぞれ個別に固定(固着)する。このガラス板17の上面17aは、透過性を向上させるための鏡面加工が施されてある。
次に、外部端子形成工程として、配線層24を介して第1パッド16と電気的に接続される外部端子を形成する。
図29(D)に示すように、エポキシ樹脂等の封止材からなる封止層30を、トランスファーモールド法や印刷法を用いてポスト部26が隠れる程度に形成する。その後、ポスト部26及び封止層30がガラス板17の上面と同一の高さになるように、グラインダー(研磨工具)等によってグラインド(研磨)する。この研磨によって、全てのポスト部26頂面を露出させて外部端子(半田ボール)用の搭載面を形成する。尚、ポスト部26を形成する際に、ポスト部26のそれぞれを鉛直方向に同一高さに形成可能な場合は、フィルム成形法等によって外部端子用搭載面形成のための研磨工程を省略することも可能である。
然る後、この露出する外部端子用の搭載面上に、第2配線基板53への接続用の外部端子である半田ボール28をリフロー形成する。尚、必要に応じて、外部端子搭載面と半田ボール28との間にバリアメタル層等を形成しても良い。
その後、通常のスクライビング用の、高速回転ブレード(切削工具)等(不図示)によって、各半導体装置(パッケージ)150毎に切り出す(図27(B)参照)。
上述した説明から明らかなように、この実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を期待することができる。
さらに、この実施の形態では、第1半導体チップの側壁の一部に上述したような傾斜側壁面を設けたことにより、第1半導体チップの側壁のうち当該枠状部から露出する部分を傾斜側壁面とすれば良い。そのため、この実施の形態では、第1半導体チップの傾斜側壁面以外の側壁を、垂直壁(垂直端面)とすることができる。
よって、第2の実施の形態のように、チップの裏面に至るダイシングにより傾斜した側壁面を形成する場合に比べて当該傾斜側壁面形成のためのダイシングの深さを浅くできるので、ウェハのダイシングラインの幅を縮めることができる。
その結果、ウェハ1枚当たりのチップ収集数の向上を図ることができ、半導体装置の製品コストの上昇を抑制することができる。
また、摩耗し易いV字型刃ブレードの使用量を低減できるので、第1の実施の形態に比べて、当該ブレードの寿命が長くなるうえに第1半導体チップ毎に個片化する際の切削時間を短縮できる。
<第12の実施の形態>
図30を参照して、この発明の第12の実施の形態に係る半導体装置180につき説明する。
図30に示すように、この実施の形態の半導体装置180には支持部である基板103が具備されていない点が、第11の実施の形態との主な相違点である。
また、この実施の形態の半導体装置180の製造方法は、第11の実施の形態で説明した搭載工程を行うに当たり、支持部として、低接着な表面特性を有する基板(不図示)を用いる。尚、低接着性な表面特性を有する基板としては、例えば、光プラズマによるアッシング処理やCF4プラズマ処理による疎水基の導入等が施された、硬化後のポリイミド膜等を使用することができる。
そして、第11の実施の形態と同様にして外部端子形成工程まで行った後、この実施の形態では、基板103をバキューム等によって剥離して除去する支持部除去工程を行って半導体装置180を得る。
上述した説明から明らかように、この実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、この実施の形態では、支持部である基板103を具備しない構成であるため、第11の実施の形態よりも半導体装置の薄膜化を図ることができる。
以上、この発明は、上述した実施の形態の組合せのみに限定されない。よって、任意好適な段階において好適な条件を組み合わせ、この発明を適用することができる。
例えば、上述した各実施の形態ではBGA型について説明したが、この発明をLGA型に任意好適に適用させても良い。