JP4467435B2 - 非天然型チロシン誘導体組み込みタンパク質の発現方法 - Google Patents
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Description
(1)aaRSは、通常の20種類のアミノ酸のいずれかではなく、所望の非天然型アミノ酸と特異的に反応するaaRS変異体であること;
(2)tRNAは、通常の20種類のアミノ酸に割り当てられたコドンではないコドン(例えば、ナンセンスコドンまたは4塩基コドンなど)に割り当てられ、かつ、上記非天然型アミノ酸特異的なaaRS変異体にのみ認識され、宿主の通常のaaRSには認識されない(orthogonal tRNA)ものであること。
そして、このメカニズムによる、具体的な人工遺伝暗号系が、大腸菌内の系、及び小麦胚芽抽出液を利用した無細胞タンパク質合成系で確立されている。
また、任意の部位に非天然型アミノ酸を含有するタンパク質を小麦胚芽抽出液中で生産するためのaaRSが開発されている[キガ(Kiga)ら、プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proceedings of the National Academy of Sciences)、USA、第99巻、2002年7月23日、p.9715−9723(文献5)]。
(1) (A)大腸菌由来のTyrRSの変異体であって、チロシンに対する特異性に比べて非天然型のチロシン誘導体に対する特異性が高められた変異TyrRS(以下、変異TyrRSという)と、
(B)上記変異TyrRSの存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子
とを動物細胞中で発現させて、上記タンパク質のナンセンス変異の位置に上記チロシン誘導体を取りこませることを特徴とする、非天然型チロシン誘導体組み込みタンパク質の発現方法。
(2)上記チロシン誘導体が、3位置換チロシンまたは4位置換チロシンである(1)項に記載の発現方法。
(3)(B)サプレッサーtRNAがバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のサプレツサーtRNATyrである(1)又は(2)項に記載の発現方法。
(4)(A)変異TyrRSが、TyrRSの37位チロシン及び195位グルタミンに相当する位置に改変を受けた変異TyrRSである(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発現方法。
(5)(A)変異TyrRSが、TyrRSの37位チロシン(Y)に相当する位置が、バリン(V)またはアラニン(A)により置換され、かつTyrRSの195位グルタミン(Q)に相当する位置がアラニン(A)、システイン(C)、またはアスパラギン(N)で置換された変異TyrRSである(4)項に記載の発現方法。
(6)動物細胞が哺乳類細胞である(1)〜(5)項のいずれか一項に記載の発現方法。
(7)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の方法にしたがって発現させたタンパク質を回収し、精製することを特徴とする、非天然型チロシン誘導体が取りこまれたタンパク質の製造方法。
(8)(A)大腸菌由来のTyrRSの変異体であって、チロシンに対する特異性に比べて非天然型のチロシン誘導体に対する特異性が高められた変異TyrRSを動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
(B)上記変異TyrRSの存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAを、上記動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子を上記動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
とを含有し、上記タンパク質のナンセンス変異の位置に上記チロシン誘導体を取りこませることができる動物細胞。
(9)上記チロシン誘導体が、3位置換チロシンまたは4位置換チロシンである(8)項に記載の動物細胞。
(10)(B)サプレッサーtRNAがバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のサプレッサーtRNATyrである(8)又は(9)項に記載の動物細胞。
(11)(A)変異TyrRSが、TyrRSの37位チロシン及び195位グルタミンに相当する位置に改変を受けた変異TyrRSである(8)〜(10)項のいずれか一項に記載の動物細胞。
(12)(A)変異TyrRSが、TyrRSの37位チロシン(Y)に相当する位置が、バリン(V)またはアラニン(A)により置換され、かつTyrRSの195位グルタミン(Q)に相当する位置が、アラニン(A)、システイン(C)、またはアスパラギン(N)で置換された変異TyrRSである(11)項に記載の動物細胞。
(13)哺乳類細胞である(8)〜(12)項のいずれか一項に記載の動物細胞。
(14)配列番号1、配列番号30、配列番号31、及び配列番号32からなる群から選ばれる一の配列を有するDNA。
(15)動物細胞内で認識される制御配列から発現可能に、配列番号1、配列番号30、配列番号31、及び配列番号32からなる群から選ばれる一の配列を含有してなる発現ベクター。
(16)配列番号1の配列を有するDNAが同方向に9個配列されてクローン化された、(15)記載の発現ベクター。
(A)原核生物由来のTyrRSの変異体であって、チロシンに対する特異性に比べて非天然型のチロシン誘導体に対する特異性が高められた変異TyrRSと、
(B)上記変異TyrRSの存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子
とを動物細胞中で発現させて、上記タンパク質のナンセンス変異の位置にチロシン誘導体を取りこませることを特徴とする、非天然型アミノ酸組み込みタンパク質の発現方法である。
本発明において、チロシンよりも所望のチロシン誘導体に対する基質親和性が高められたとは、目的のチロシン誘導体に対する活性値(反応速度Kcatをミカエリス定数Kmで割った値)が、チロシンに対する活性値よりも大きいものをいう。活性値はインビトロのアッセイによって測定できるが、遺伝学的なデータから活性値の相対的な大きさを判定することもできる。
3位置換チロシンとしては、3−ヨードチロシン、3−ブロモチロシンなどの、3−ハロゲン化チロシンが挙げられる。また4位置換チロシンとしては、4−アセチル−L−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、4−アジド−L−フェニルアラニン、O−メチル−L−チロシン、4−ヨード−L−フェニルアラニンなどが挙げられる。
本発明に用いられる変異TyrRSは、例えば、すでに知られている他のTyrRSとチロシルAMPの複合体との3−D構造データ(例えば、Brickら、J.Mol.Bio.、第208巻(1988)p.83に記載されている3−D構造データ)から得られるチロシルAMPを認識する位置を参照した上で、図8の配列の中で、チロシン誘導体を認識する変異を導入すべき位置を推定して、後述する周知の部位特異的に変異を導入する方法により、得ることができる。
まず、37位または195位の1箇所のみのアミノ酸の置換体を作製する。37位及び195位それぞれの1個のアミノ酸の置換体をコードするDNA配列を作製するために使用するプライマー(3)から(8)は以下の通りである。
上記の工程で作製した37位および195位それぞれの一アミノ酸置換体をコードするプラスミドから、プライマーを用いたオーバーラップ・エクステンション法で二アミノ酸置換体をコードするDNA配列を作製し、pET−YRSのNdeI−BamHI部位に導入する。オーバーラップ・エクステンション法はプライマー(1)と(10)の組、プライマー(9)と(11)の組をそれぞれ用いて増幅した2つの断片を精製し、これらとプライマー(1)と(9)を用いたPCRで増幅することによって行なうことができる。
上記変異TyrRSと組み合わせて使用される、サプレッサーtRNAは、通常の20種類のアミノ酸に割り当てられたコドンではないナンセンスコドンに割り当てられ、かつ、上記非天然型アミノ酸特異的なTyrRS変異体にのみ認識され、宿主の通常のaaRSには認識されない(orthogonal tRNA)という要件を備え、かつ真核細胞中で発現しなければならない。
ここで、ナンセンスコドンとしては、UAG(アンバー)、UAA(オーカー)、UGA(オパール)が挙げられるが、UAG(アンバー)コドンを用いることが好ましい。
したがって、本発明の発現方法に用いられるサプレッサーtRNAは、上記変異TyrRSの存在下でチロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAである。これらのtRNAの配列については、http://medlib.med.utah.edu/RNAmods/trnabase/またはhttp://www.staff.uni−bayreuth.de/〜btc914/search/に記載されている。
変異TyrRSを動物細胞中で発現させるためには、いかなる公知の発現系でも用いることができ、例えば市販のpCDNA3.1(Invitrogen社製)、pAGE107(Cytotechnology,33,(1990))、pAGE103[J.Biochem.101,1307(1987)]などを用いることができる。また、サプレッサーtRNAはいかなる公知の大腸菌クローニング用ベクターを用いても動物細胞内で発現させることができる。例えば、pBR322(Sutcliffe,J.G.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.75,3737−3741(1978))などを用いることができる。
本発明で非天然型アミノ酸を組み込ませるタンパク質の種類は、限定されるものではなく、発現可能ないかなるタンパク質でもよく、異種の組換えタンパク質でもよい。
本発明において非天然型アミノ酸を組み込ませる位置にナンセンスコドン(サプレッサーtRNAがアンバーサプレッサーのときはアンバーコドン)を導入することが必要であり、これによりこのナンセンスコドン(アンバーコドン)部位に特異的に非天然型アミノ酸を組み込むことができる。
本発明の別の態様は、本発明の発現方法に用いることのできる、組換え動物細胞であって、上記aaRS、サプレッサーtRNA及び非天然型アミノ酸を取りこませたい位置にアンバー変異を導入した所望のタンパク質遺伝子を導入した動物細胞である。
これらは、例えば、Molecular Cloning第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)などに記載された方法に準じて行なうことができる。
(B)上記変異TyrRSの存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAを、上記動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子
とを有する動物細胞を、その動物細胞の増殖に適した培地(例えば、CHO細胞の場合、Opti−MEM I(Gibco BRL社)など)に目的のチロシン誘導体を添加した培地で、適当な条件でインキュベートする。例えば、CHO細胞の場合は、37℃程度の温度で、24時間程度、インキュベートする。培地内のチロシン誘導体の添加量は、0.1−3mM程度、好ましくは0.3mM程度とする。
発現したアロタンパク質は、培地又は宿主細胞溶解物から回収し得る。もし膜に結合しているならば、それは適当な洗剤溶液(例えばTriton−X100)を用いて又は酵素的な切断によってその膜から離すことができる。細胞は、凍結−融解サイクル、音波処理、機械的粉砕、又は細胞溶解剤のような各種の物理的化学的手段によって破砕することができる。
本実施例では、32番目のコドンをUAGに置換したRasタンパク質遺伝子をCHO細胞内で発現させて、該当部位に3−ヨードチロシンを含有したRasタンパク質を生産した。
本実施例では、サプレッサーtRNAを恒常的に発現させる一方で、これに非天然型アミノ酸を結合させる変異TyrRSについては、テトラサイクリンを培養液に加えることで発現誘導を行なった。
(1)サプレッサーtRNA
サプレッサーtRNAとして用いたB.s.tRNATyrの遺伝子(167残基)の塩基配列は以下の通りである。
この配列番号1の配列を有する一本鎖DNAは、PCRプライマーなどの一本鎖DNAの合成を行なう、広く利用されている商業的サービス(シグマ・ジェノシス・ジャパン株式会社)によって化学合成品として得た。このDNAを鋳型にして、次の(1)(2)の2つのプライマーを用いたPCRによって増幅したDNA断片を、EcoRI及びHindIIIで切断した後に、pBR322のEcoRI−HindIII部位に組み込むことでクローン化を行なった。
まず、3つの異なるプライマーセット1〜3のプライマー(1)(2)をそれぞれ用いて、以下の通りのPCRを、GeneAmp PCR system 9700(Applied Biosystems)を用いて行なった。
第1の反応は、
第1セットのプライマー(1):
第2の反応は、
第2セットのプライマー(1):
第3の反応は、
第3セットのプライマー(1):
これら3つのPCR産物は、公知の技術によって、リガーゼを用いて互いに連結して、tRNA遺伝子の3つのコピーからなるサブクラスターを作製した。
このサブクラスターを、pbs1(配列番号15)の配列にEcoRI制限部位を生成するための配列が付加されたプライマーと、pbs2(配列番号16)の配列にHindIII制限部位を生成するための配列が付加されたプライマーを用いて、両端部に、各々、EcoRIとHindII1部位が付加されたサブクラスターの断片として、増幅した。
さらに、同様にして、両端に各々HindIIIとEcoRI部位が付加された断片、両端に各々EcoRIとBamHI部位が付加されたサブクラスターの断片を、作製した。こうして、最終的に、制限部位の異なる組み合わせを有する3つのタイプのサブクラスターを作製した。これらのサブクラスター1〜3を、リガーゼによって互いに連結し、さらにpBR322(宝酒造株式会社)のEcoRIとBamHI部位の中にクローン化して、9コピーのBacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyr遺伝子を有するプラスミドpBstRNAを作製した。
図3において、pbs1、pbs2、BstX−1、およびBstX−2の塩基配列は次の通りである。
大腸菌変異体TyrRS(以下、TyrRS(V37C195)という)の遺伝子の塩基配列は、文献5に記載されている。
上述の方法で、37位または195位のそれぞれのアミノ酸の1個が置換された一アミノ酸置換体をコードするDNA配列を、上記プライマー(3)から(8)を用いて作製した。プライマー(3)及び(4)は、37位の改変のためのものである。またプライマー(5)から(8)は195位の改変のためのものである。
ついで、37位および195位それぞれの一アミノ酸置換体をコードするプラスミドから、プライマー(1)と(10)の組、プライマー(9)と(11)の組をそれぞれ用いて増幅した2つの断片を精製し、これらのプライマー(1)と(9)を用いたPCRで増幅することによって、2つの断片を連結した。
PCR増幅物を、ベクターpcDNA4/TO(Invitrogen社)のマルチプルクローニング部位に挿入してプラスミドpEYSM1を作製した。
LipofectAMINE 2000(Gibco BRL)の方法に従って、35mmプレート当たり、各プラスミドについて0.5−2μgのDNAを用いてトランスフェクションを行なった。Opti−MEM 1(Gibco BRL)を、培地として用いた。細胞抽出物を、トランスフェクションの24時間後に調製し、SDS−PAGEに供し、その後、抗−FLAGM2抗体(Sigma)と、ECL+免疫検出システム(Amersham Pharmacia Biotech)を用いてウェスタンブロッティングを行なった。バンドの強度をイメージアナライザー、LAS−1000plus(富士フィルム)を用いて測定した。ras(Am)産物及び比較のための野生型ras産物(各0.5μg)を、抗−FLAG M2抗体アフィニティゲル(Sigma)を用いて、1から5の培養プレート(100mm径)で各々精製した。液体クロマトグラフィー−エレクトロスプレー質量分析(LC−MS)とタンデム質量分析シークエンシングを行なった。
TyrRS(V37C195)を安定に保持するCHO−Y細胞を創るため、テトラサイクリンリプレッサータンパク質を構成的に生産するT−REX−CHO細胞(Invitrogen)を、プラスミドpEYSM1でトランスフェクトした。トランスフェクタントは、25μg/mlのゼオシン(Invitrogen)を含む培地で選択し、1μg/mlの存在下で、選択した細胞の、TyrRS(V37C195)の発現を調べて、CHO−Y細胞を得た。アロタンパク質の合成のために、CHO−Y細胞は、ras(Am)とBacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyr遺伝子を含むプラスミドでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に、テトラサイクリン(1μg/ml)と3−ヨード−L−チロシン(0.3mM)を培地に添加し、さらに24時間後に細胞抽出物を調製した。
3−ヨード−L−チロシンのタンパク質中への取りこみのために、以下の2つの点を考慮した。第1に、哺乳類細胞は、周囲の環境から、本来のアミノ酸と、それらの種々のアナログを取りこむ、輸送機構を有している。第2に、真核生物と原核生物からの野生型のTyrRSはいずれも、基質として3−ヨード−L−チロシンを認識しない。したがって、3−ヨード−L−チロシンは、おそらく、チロシンの位置に誤った取り込みによる毒性を有していないが、3−ヨード−チロシンを認識できる変異のTyrRSは、そのサプレッサーtRNAへの付着に必要である。
我々は、3−ヨード−L−チロシンを効率的に認識し(アミノ酸活性化のためのKcat/Km値は、3.3×103/M/s)、チロシンを十倍低い効率で認識する(Kcat/Km値は、3.2×102/M/s)ことが報告されている、大腸菌TyrRS(V37C195)を用いた。さらに、TyrRS(V37C195)は、野生型酵素についてのKcat/Km値(2.3×106/M/s)と比べて、L−チロシンを10000倍低い効率で活性化する。
図5A及び図5Bに示すように、野生型のTyrRSとTyrRS(V37C195)は、各々、Bacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyrと、ras(Am)遺伝子とともにCHO細胞で発現した。これらの酵素は、同様のレベルで発現した。3−ヨード−L−チロシン(図5A)の非存在下で、両方の酵素についてアンバーサプレッションが観察されたが、TyrRS(V37C195)のras(Am)産物の収率は、野生型酵素の40%に過ぎなかった。このことは、競合する3−ヨード−L−チロシンの非存在下でも、TyrRS(V37C195)は、やはりL−チロシンを認識し、アンバー位置にそれを取りこむことを示す。ついで、3−ヨード−L−チロシンを最終濃度0.3mMになるように培地に添加した(L−チロシンはそれの2倍の濃度で含んでいた(図5B))。3−ヨード−L−チロシンのこの濃度は、細胞増殖に、ほとんど影響を与えなかった。
3−ヨード−L−チロシンの存在下で、TyrRS(V37C195)のサプレッション効率は、野生型酵素に匹敵するレベルまで改善され、3−ヨード−L−チロシンが細胞により効率的に取りこまれ、TyrRS(V37C195)による認識を介してタンパク質中に組み込まれたことを示唆した。
3−ヨード−L−チロシン取りこみを確認し、それがアンバー位置(32位)を占めることを確認するために、AchromobacterプロテアーゼI(Lys−C)によって分解し、その分解産物であるペプチド混合物を液体クロマトグラフィー質量分析機(LC−MS)によって解析した。ついで、32位に取りこまれたアミノ酸をマスクロマトグラフィーで、特異的平均質量と、液体クロマトグラフィーにおける溶出時間について解析した(各々、Ser17からLys42までの領域に相当し、ヨードチロシンとチロシンを32位に含む2つの断片(各々、IYとY断片と称する))。
図6Aは、ras(Am)断片(チャートa)及びras産物(チャートB)について、UVスペクトルで検出した液体クロマトグラフィーの結果である。
図6Bは、ras(Am)産物(チャートa及びb)及びras産物(チャートc及びd)からの、IY断片について(チャートa及びc)及びY断片(チャートb及びd)の質量スペクトルの結果である。Y断片はRasタンパク質の残基17−42(SALTIQLIQNHFVDEYDPTIEDSYRK)からなり、IY断片は下線のYが3−ヨード−L−チロシンに置換されたものである。
図6Cは、IY断片のタンデム質量スペクトルの結果である。N末端からC末端方向の部分配列は、Val、Asp,Glu、ヨードチロシン及びAspである。
この解析結果は、生産されたRasタンパク質のほぼ100%が、UAGコドンによって指定された位置に3−ヨード−L−チロシンを含有していることを示しており、本発明が期待通りの効果を与えることが示された。
大腸菌GlnRSは、テトラサイクリン制御プロモーターから哺乳類で発現し、誘導サプレッションをおこす。我々は、他のタイプのテトラサイクリン制御プロモーターから発現する、TyrRS(V37C195)遺伝子を安定に保持するCHOセルライン(CHO−YS細胞と称する)を創出した。ras(Am)遺伝子とBacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyr遺伝子をついで、CHO−YS細胞中に一時的に導入した。
図7に示すように、TyrRS(V37C195)は、テトラサイクリンが培地に存在するときに発現した(図7、レーン1及び2)が、インデューサーなしでは発現しなかった(レーン3)。発現レベルは、一時的に細胞中に導入したプラスミドから発現したTyrRS(V37C195)のレベルの2倍であった。3−ヨード−L−チロシンとテトラサイクリンの両方の存在下で、サプレッション効率30%でras(Am)産物を検出した(レーン1)。ras(Am)産物の品質は、CHO−Y細胞中に同様に生産されるras(WT)の品質とともに、LC−MSにより分析し、プラスミドからのTyrRS(V37C195)下の品質と同一であることが示された。95%を上回るras(Am)産物が、アンバー位置に3−ヨード−L−チロシンを含み、3−ヨード−L−チロシンは、ras(WT)産物中で検出されなかった。
(1)サプレッサーtRNAの誘導発現系
真核生物のtRNAは、遺伝子内部に転写プロモーター配列(ボックスA、B)を持つ転写複合体がtRNA遺伝子上に形成されるが、このときtRNA遺伝子の直前の配列に結合するタンパク質因子があるとき、この因子は転写複合体の形成を妨げてtRNAの発現を阻害する。これまでに、酵母、及び粘菌において、テトラサイクリン結合性抑制因子の結合配列の1つであるtetO1を、tRNA遺伝子の直前に組み込んで、tRNAの発現抑制に成功していた(T.ディンガーマン他、エンボ・ジャーナル、11巻、1487−1492頁、1992年;T.ディンガーマン他、モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー、12巻、4038−4045頁、1992年)。このとき培養液に添加するテトラサイクリンの濃度は15〜30μg/mLであった。
これらのサプレッション効率を比較し、TetBst0、TetBst1については、それぞれ3コピーの配列を並べたものも作製して比較した。
上記TetBst0、TetBst1、TetBst2を、それぞれプラスミドpBR322のEcoRI−HindIII部位にクローニングした。配列の1,2をそれぞれ3つ並べた配列も同様である(図9)。プラスミドの培養細胞への導入方法と、サプレッション産物の検出は、実施例1(5)と同様に行なった。
1μg/mLのテトラサイクリン添加でサプレッサーtRNAの発現が誘導され、テトラサイクリン濃度を減らすことができた。これは細胞毒性を低減化するために有用である。
図10Aには、Rasタンパク質、図10BにはEGF受容体(EGFR)のそれぞれのアンバー変異体の生産量を、ウェスタンブロットのバンド強度から測定し、それをサプレッション効率としてグラフ化した。それぞれ3回の実験データに基づいて、グラフを作成した。レーン1はアンバーコドンを有しない野生型Rasタンパク質、野生型EGFRの生産量を示しており、この値を100として他のサプレッション効率を数値化した。しかし、野生型タンパク質のバンド強度は、測定限界値を超えていて、実際には100を超える値であると推測されるので、ここでは9×BYR(CUA)のサプレッション効率と、TetBstの効率の比較だけを議論する。他の実験から、9×BYR(CUA)によるRas変異体、EGFR変異体のサプレッション効率は、それぞれ24%、及び20%とわかっている(サカモトら、ヌクレイック・アシッド・リサーチ、30巻、4692−4699、2002年)。
実施例1では、サプレッサーtRNAを恒常的に発現させる一方で、これに非天然型アミノ酸を結合させるTyrRSについては、テトラサイクリンを培養液に加えることで発現誘導を行なった。すなわち、tRNAはアミノ酸を結合しないとサプレッションを引き起こさないので、非天然型アミノ酸を含有するタンパク質の生産に必要な時間だけTyrRSを発現させることで、細胞毒性を軽減することを意図したものである。しかし、Bacillus stearothemophilusサプレッサーtRNA(Tyr)が細胞内のTyrRSなどのaaRSから全く認識されないという保証はないので、本実施例のごとく、サプレッサーtRNAも併せて発現誘導を行なうことがより好ましい。
TyrRS遺伝子とレポーター遺伝子の構築
変異TyrRS(V37C195)遺伝子、ras遺伝子及び上皮成長因子受容体レポーター遺伝子のC末端に、適当なPCRプライマーでこれらの遺伝子を増幅することにより、FLAGタグ(DYKDDDDK)を付加した。PCR産物は、各々、哺乳類細胞での発現のために、ベクターpcDNA3.1/Zeo(+)(Invitrogen)にクローン化した。TyrRS(V37C195)について、PCR産物も、ベクターpcDNA4/TO(Invitrogen)にクローン化して、テトラサイクリン制御発現のためのプラスミドpRYSM1を作製した。ras遺伝子の部位特異的変異を、変異誘発性プライマーを用いたPCRで行なった。同様に、上皮成長因子受容体の1068位のチロシンコドンを、アンバーコドンに変異した。緑色蛍光タンパク質(シアノ蛍光変異)(Clontech)の第1のメチオニン残基を、
図4Aにおいて、野生型ras遺伝子(レーン1)またはras(Am)遺伝子(レーン2−8)は、それぞれFLAGタグが付加されて、CHO細胞内に導入されたものである。ヒトサプレッサーtRNATyr(レーン3)または大腸菌TyrRSと大腸菌サプレッサーtRNATyr(レーン4)はCHO細胞内で発現した。この酵素は、FLAGタグも有している。Bacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyrは、大腸菌TyrRSとともに(レーン5及び8)、または酵素なしで(レーン7)、CHO細胞内で発現し、大腸菌TyrRS単独でもCHO細胞内で発現した(レーン6)。Bacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyrは、1コピーの遺伝子を有するプラスミド(レーン5及び7)から、9コピーの遺伝子を有するプラスミド(レーン8)から、発現した。レーン1は、2.5μgの細胞抽出物をのせたものであり、レーン2−8はその4倍量の細胞抽出物をのせたものである。
図4Bにおいて、各々FLAGタグが付加された、1068位にアンバーコドンを含む(レーン1−3)、及び野生型EGFR遺伝子(レーン2)、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子をCHO細胞に導入した。Bacillus stearothermophilusサプレッサーtRNATyrと大腸菌TyrRSペアは細胞中で発現した(レーン3)。レーン1と2で大腸菌TyrRSのレベルで移った弱いバンドは、抗FLAG抗体に反応した内因性タンパク質由来である。
これらの遺伝子とras(Am)遺伝子は、アンバーコドンの周囲に、異なるコドンを有している。
哺乳類細胞中のアンバーサプレッションに対する、原核生物のtRNATyr・TyrRSペアの発現の必要性
真核細胞でのtRNAの発現は、RNAコーディング配列内の2つの内部プロモーター(ボックスAとB)を必要とする。大腸菌tRNATyr配列は、ボックスBしか含まないため、U9とC10をAとGで各々置換し、ボックスAを作製した(図2)。その結果得られたミスマッチ塩基対、G10−G25は、G25をCに置換して修正した(以下、tRNATyr(A9G10C25)という)。大腸菌tRNATyrの9位、10位、25位は、3次元の相互作用に関与しており、L型構造を支えている。
これらのras遺伝子を、CHO細胞に導入し、それらの産物を、抗FLAG抗体を用いた、細胞抽出物のウェスタンブロットにより検出した(図4A)。サプレッサーtRNAの非存在下で、ras(WT)遺伝子の発現が検出されたが(レーン1)、ras(Am)の発現は検出されなかった(レーン2)。これは、細胞内部の固有のサプレッサー活性の欠如を示している。ヒトサプレッサーtRNATyrは、バンドの強度(レーン3)で検出されるように、ras(Am)中のアンバー変異を、26%の効率で、サプレッションをおこした。他方で、CUAアンチコドンを有する大腸菌tRNATyr(A9G10C25)は、大腸菌からの野生型のTyrRSとともに、サプレッションを起さなかった(レーン4)。ついで、我々は、ボックスA(G9G10C25)を生成することができる他のヌクレオチドのセットを用いて、他の大腸菌サプレッサーtRNATyr変異体を調べた。このtRNAもサプレッションをおこすことができなかった。このように、大腸菌サプレッサーtRNATyr変異体のボックスAの生成は、サプレッション活性を損ねた。これは、おそらく3次構造が維持できずに、tRNAの成熟またはアミノアシル化の阻害をおこしたためであると考えられた。
Claims (16)
- (A)大腸菌由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体であって、チロシンに対する特異性に比べて非天然型のチロシン誘導体に対する特異性が高められた変異チロシルtRNA合成酵素と、
(B)上記変異チロシルtRNA合成酵素の存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス(Bacillus)属、マイコプラズマ(Mycoplasma)属、又はスタフィロコッカス(Staphylococus)属真性細菌由来のサプレッサーtRNAと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子
とを動物細胞中で発現させて、上記タンパク質のナンセンス変異の位置に上記チロシン誘導体を取りこませることを特徴とする、非天然型チロシン誘導体組み込みタンパク質の発現方法。 - 上記チロシン誘導体が、3位置換チロシンまたは4位置換チロシンである、請求の範囲第1項記載の発現方法。
- 上記(B)サプレッサーtRNAがバチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のサプレッサーチロシンtRNAである請求の範囲第1項または第2項に記載の発現方法。
- (A)変異チロシルtRNA合成酵素が、チロシルtRNA合成酵素の37位チロシン及び195位グルタミンに相当する位置に改変を受けた変異TyrRSである請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか一項に記載の発現方法。
- (A)変異チロシルtRNA合成酵素が、チロシルtRNA合成酵素の37位チロシン(Y)に相当する位置が、バリン(V)またはアラニン(A)により置換され、かつチロシルtRNA合成酵素の195位グルタミン(Q)に相当する位置が、アラニン(A)、システイン(C)、またはアスパラギン(N)で置換された変異TyrRSである請求の範囲第4項に記載の発現方法。
- 上記動物細胞が、哺乳類細胞である請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の発現方法。
- 請求の範囲第1項乃至第6項のいずれか一項に記載の方法にしたがって発現させたタンパク質を回収し、精製することを特徴とする、非天然型チロシン誘導体組み込みタンパク質の製造方法。
- (A)大腸菌由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体であって、チロシンに対する特異性に比べて非天然型のチロシン誘導体に対する特異性が高められた変異チロシルtRNA合成酵素を動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
(B)上記変異チロシルtRNA合成酵素の存在下で上記チロシン誘導体と結合可能な、バチルス属、マイコプラズマ属、又はスタフィロコッカス属真性細菌由来のサプレッサーtRNAを、上記動物細胞内で発現させる発現ベクターと、
(C)所望の位置にナンセンス変異を受けた所望のタンパク質遺伝子を上記動物細胞内で発現させる発現ベクター
とを含有し、上記タンパク質のナンセンス変異の位置に上記チロシン誘導体を取りこませることができる動物細胞。 - 上記チロシン誘導体が、3位置換チロシンまたは4位置換チロシンである、請求の範囲第8項に記載の動物細胞。
- 上記(B)サプレッサーtRNAがバチルス・ステアロサーモフィラス由来のサプレッサーチロシンtRNAである請求の範囲第8項または第9項に記載の動物細胞。
- 上記(A)変異チロシルtRNA合成酵素が、チロシルtRNA合成酵素の37位チロシン及び195位グルタミンに相当する位置に改変を受けた変異チロシルtRNA合成酵素である請求の範囲第8項乃至第10項のいずれか一項に記載の動物細胞。
- 上記(A)変異チロシルtRNA合成酵素が、チロシルtRNA合成酵素の37位チロシン(Y)に相当する位置が、バリン(V)またはアラニン(A)により置換され、かつチロシルtRNA合成酵素の195位グルタミン(Q)に相当する位置が、アラニン(A)、システイン(C)、またはアスパラギン(N)で置換された変異TyrRSである請求の範囲第11項に記載の動物細胞。
- 哺乳類細胞である請求の範囲第8項乃至第12項のいずれか一項に記載の動物細胞。
- 配列番号1、配列番号30、配列番号31、及び配列番号32からなる群から選ばれる一の配列を有するDNA。
- 動物細胞内で認識される制御配列から発現可能に、配列番号1、配列番号30、配列番号31、及び配列番号32からなる群から選ばれる一の配列を含有してなる発現ベクター。
- 配列番号1の配列を有するDNAが同方向に9個配列されてクローン化された、請求の範囲第15項に記載の発現ベクター。
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