JP5322195B2 - 光反応性官能基を有する非天然型アミノ酸組み込みタンパク質の合成方法 - Google Patents

光反応性官能基を有する非天然型アミノ酸組み込みタンパク質の合成方法 Download PDF

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Description

本発明は、光反応性官能基を有する非天然型アミノ酸組み込みタンパク質(アロタンパク質)の合成方法に関し、さらに詳細には、光反応性のフェニルジアジリン基を有するアミノ酸を、動物細胞内でタンパク質に部位特異的に導入する方法、及び当該方法を用いて前記動物細胞内で発現するタンパク質と相互作用するタンパク質をクロスリンクさせ、タンパク質間相互作用を解析する方法等に関する。
タンパク質は何れも他の生体構成分子との相互作用を介してその機能を発揮する。特にタンパク質−タンパク質相互作用は多彩な生命現象の中で中心的な役割を果たしている。従来このようなタンパク質間相互作用を調べる方法としては、細胞内で形成されるタンパク質複合体を免疫沈降法によって共沈させて単離し、その構成成分を質量分析法やウェスタンブロッティング法により調べることが一般的である。しかし、免疫沈降法には次のような問題点がある:(1)タンパク質間相互作用が弱い結合力に基づくものである場合、何れかのタンパク質に対して抗体を作用させるとタンパク質間の相互作用が切れて解離してしまう場合がある。(2)細胞からタンパク質を抽出する必要があるため、タンパク質が細胞内の異なったコンパートメント内に存在していて、相互作用が実際には生じていない場合であっても、抽出操作をすることによって細胞外で相互作用が生じ誤って検出してしまう場合がある。
このような問題点を解消する手段として、タンパク質に光反応性基を部位特異的に導入し、細胞内で相互作用をしているタンパク質同士を光照射によりクロスリンクする方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。タンパク質間相互作用が弱い結合力に基づくものであっても、この方法では共有結合でクロスリンクするため、何れかのタンパク質に対して抗体を作用させたときにタンパク質が解離してしまうことがない。また、細胞内で共有結合させるため、細胞からの抽出操作を行った後でも、細胞内で相互作用しているタンパク質のみを検出することができる。
化学生物学領域で用いられている主な光反応性官能基としては、アジド基、ジアジリン基及びカルボニル基等が挙げられる。フェニルアジド基は合成が容易で市販されているため最も広く用いられている光親和性標識である。アジド基の光分解により反応性の高いニトレン(nitrene)中間体が生成する。しかしながら、寿命の短いフェニルニトレン遊離基は寿命の長い求電子性のケテンイミン基に転移し、望ましくない非特異的反応を起こす。一方、フェニルジアジリン基では、より反応性の高いカルベン(carbene)中間体が生成する。ニトレンを用いたクロスリンクでは、窒素−炭素又は窒素−ヘテロ原子結合が生ずるが、カルベンによるクロスリンクではより安定な炭素同士の結合が生ずる。フェニルジアジリン基の光分解においても求電子性のジアゾ異性体が生成するが、電子吸引性のトリフルオロメチル基を導入することによりジアゾ基を安定化し、生じたジアゾ異性体による副反応を抑制している。ジアジリン基の光分解に必要な波長(約360nm)は、アジド基のそれ(約300nm)より長く、光照射による生体高分子の受けるダメージはより少ないと考えられる。これらの比較によれば、カルベン中間体の方がニトレン中間体よりもクロスリンク剤として優れていることが分かる(例えば、非特許文献1参照)。
一方、カルボニル基を生成するベンゾフェノンは、生物学的な分野にて幅広く用いられる光反応性試薬である。ベンゾフェノンはおよそ360nmの波長の光によって活性化され、近接するC−H結合と反応するが、水素原子を引き抜くために特定の幾何学的配置を必要とし、このため反応選択性が大きいという問題点が指摘されている(例えば、非特許文献2参照)。また、タンパク質表面に導入されたベンゾフェノン基は、近傍のメチオニン残基と特に反応しやすいことから、精密なタンパク質間相互作用の解析方法としては課題が残る。
タンパク質に光反応性基を導入する方法としては、主に3つの方法が用いられる。最初は、タンパク質を化学選択的に修飾する方法である。光反応性基を臭素化又はチオスルホン酸化した試薬を用い、タンパク質中のシステイン残基に導入する方法がある。第二の方法は、無細胞翻訳系を用いて、光反応性アミノ酸を部位特異的に導入する方法である。この方法では、光反応性アミノ酸に化学的に結合させたアンバーサプレッサーtRNAを用い、無細胞翻訳系でmRNAのアンバーコドンへ導入する(例えば、非特許文献3参照)。
第三の方法は、大腸菌や動物細胞内において光反応性アミノ酸をタンパク質に取り込ませるインビボ合成方法である。シュルツ(Schultz et al)らは、p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン(以下「pBpa」という。)及びp−アジド−L−フェニルアラニン(以下「pApa」という。)を含む5種類のチロシンアナログのそれぞれを特異的に認識する大腸菌のチロシルtRNA合成酵素(以下「TyrRS」という。)の変異体を作製した。これらの酵素を、大腸菌由来のサプレッサーチロシンtRNAと共に真核生物である酵母で発現させ、pBpaやpApaの光反応性アミノ酸を組み込んだタンパク質を合成している(例えば、非特許文献4参照)。
国際公開第2006/057391号パンフレット Sadakane, Y. and Hatanaka, Y., Analytical Sciences, 2006, Vol.22, pp.209-218 Tate, J.J. et al., Nucleic Acids Research, 1998, Vol.26, pp.1421-1426 High, S. et al., The Journal of Biological Chemistry, 1993, Vol.266, pp.26745-26751 Chin, J.W. et al., Science, 2003, Vol.301, pp.964-967
パラベンゾイルフェニルアラニン(pBpa)を導入したタンパク質は、タンパク質間の相互作用を解析するために有用であるが、pBpaのタンパク質への導入効率や、反応選択性の点で必ずしも満足できるものではない。pBpaよりも導入効率が高く、かつ反応選択性の低いタンパク質相互作用解析に適したクロスリンク法が求められている。しかしながら、クロスリンク剤として優れたフェニルジアジリン基を動物細胞内で部位特異的にタンパク質に導入する方法は未だ報告されていない。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、大腸菌のTyrRSの種々の変異体の中に、フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸に特異的なアミノアシルtRNA合成活性を有する変異体酵素を発見し、これを用いて動物細胞内で当該アミノ酸組み込みタンパク質の合成に成功することによって完成したものである。
すなわち、本発明の光反応性官能基を有する非天然型アミノ酸組み込みタンパク質の合成方法は、(a)原核生物由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体と、原核生物由来のチロシンtRNAの変異体であるサプレッサーtRNAと、を動物細胞内で発現させ、(b)前記動物細胞内に、所望の位置にナンセンス変異を受けたタンパク質遺伝子を導入し、そして(c)フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸の存在下において、前記遺伝子にコードされたタンパク質を発現させることを特徴とする。前記フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸としては、L−4’−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニルアラニン(以下、「TmdPhe」と称する。)であることが好ましい。また、前記原核生物由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体が、大腸菌チロシルtRNA合成酵素の37位のチロシン、182位のアスパラギン酸、183位のフェニルアラニン及び186位のロイシンの何れか1又は2以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異体酵素であることが好ましい。更に好ましい実施形態において、前記変異体酵素は、大腸菌チロシルtRNA合成酵素について、Y37I、D182G、F183M、及びL186Aからなるアミノ酸置換を有する変異体酵素である。前記サプレッサーtRNAが由来する原核生物としては、バチルス・ステアロサーモフィラスが好ましい。
本発明の別の観点において、上記方法により合成したタンパク質を含む動物細胞に、特定波長の光を照射することを特徴とするタンパク質のクロスリンク方法を提供する。当該特定波長としては、動物細胞へのダメージが比較的少ない360nm付近の波長の光であることが好ましい。この方法によりクロスリンクさせたタンパク質を解析することにより、タンパク質相互作用を精密に検出することができる。
さらに異なる観点において、本発明は、動物細胞内で発現するタンパク質に、部位特異的に光反応性官能基を導入する方法を提供するものであって、その方法は、(a)原核生物由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体と、原核生物由来のチロシンtRNAの変異体であるサプレッサーtRNAと、を発現する動物細胞を用意し、(b)前記細胞内に、所望の位置にナンセンス変異を受けたタンパク質遺伝子を導入し、そして(c)フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸の存在下において、前記遺伝子にコードされたタンパク質を発現させることを特徴とする。
本発明の方法によれば、光反応性官能基としてpBpaよりもサイズの小さいTmdPheを用いることができるため、動物細胞内においてタンパク質への導入効率が高く、また導入されたタンパク質の細胞内でのフォールディング効率も高いと考えられる。タンパク質間のクロスリンクについても、他のタンパク質との相互作用を阻害することなく、かつ光反応効率がよいため短時間でクロスリンクが生じるという利点がある。本発明の方法は、動物細胞内でタンパク質同士を効率的にクロスリンクさせることができるので、動物細胞内におけるタンパク質の相互作用を容易かつより正確に検出することが可能となる。
(光反応性官能基を有するアミノ酸)
本発明の方法に用いられる光反応性官能基を有するアミノ酸は、中間体としてカルベンを生成するフェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸であれば特に制限されないが、好ましくはL−4’−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニルアラニン(TmdPhe)である。TmdPheの化学構造式を図2に示す。タンパク質表面における光反応性の効率を上げるため、ジアジリン基がフェニルアラニンの4位に存在することが好ましい。また、フェニルアラニンの2位にメトキシ基又はポリエーテル基を介してアミノ基やビオチニルアミノ基を導入した誘導体化合物が報告されており(Hashimoto, M. et al., Bioorganic & Medicinal Chemistry Letter, 2002, Vol.12, pp.2507-2510)、これらの化合物を用いることも可能である。
TmdPheの製造方法としては、3−[p−[3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル]フェニル]アラニンを、p−ブロモベンジルアルコールから10段階で合成する方法が報告されている(Shih LB, Bayley H., Anal Biochem, 1985, Vol.144, pp.132-141、FIG.1参照)。この方法によれば、p−ブロモベンジルアルコールは、3−(α−ヨード−p−トリル)−3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリンに転換され、さらにこれを用いて、N−(ジフェニルメチレン)グリシンエチルエステルをアルキル化する。得られたラセミ体は、誘導体化した後、酵素的に分解して光学分割することができる。
(TyrRS変異体)
本発明で用いられるTyrRS変異体は、アミノ酸として上記光反応性を有する非天然型アミノ酸を特異的に認識し、かつtRNAとして、併用するサプレッサーtRNAを特異的に認識して上記非天然型アミノ酸が結合したアミノアシルサプレッサーtRNAを生成させることができる原核生物由来のTyrRS変異体である。原核生物としては大腸菌やバチルス属、等を挙げることができる。その中でも大腸菌K12株、及びB株が好ましい。大腸菌等の原核生物由来のTyrRS(野生型)は、動物細胞のチロシンtRNAと反応せず、同様に原核生物由来のチロシンtRNAは動物細胞のTyrRSと反応しない(直交性)。
大腸菌のTyrRS(野生型)のアミノ酸配列を配列番号1に示す。また、図1は、そのTyrRSの活性部位と、そこに結合したチロシンの立体構造を示した模式図である。これらの分子モデルを参照した上で、配列番号1の配列の中で、基質となるフェニルジアジリン基を認識する酵素側の残基、すなわち、変異を導入すべき位置を推定して、周知の部位特異的変異導入方法により本発明に用いうるTyrRS変異体を取得することができる。光反応性官能基を有するアミノ酸がTmdPheである場合には、野生型TyrRSの37位のチロシン、182位のアスパラギン酸、183位のフェニルアラニン及び186位のロイシンの何れか1又は2以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された変異体酵素であることが好ましい。例えば、野生型TyrRSの37位のチロシンがバリンに置換され、かつ182位のアスパラギン酸がセリンに置換された変異体等である。
さらに好ましくは、前記変異体酵素がY37I、D182G、F183M、及びL186Aなるアミノ酸置換を有することによりTmdPheに対する特異性を高めることができる。ここで、Y37Iとは、37位のチロシン(Y)がイソロイシン(I)に変異していることを、D182Gとは、182位のアスパラギン酸(D)がグリシン(G)に変異していることを、F183Mとは、183位のフェニルアラニン(F)がメチオニン(M)に変異していることを、及びL186Aとは、186位のロイシン(L)がアラニン(A)に変異していることを意味する。アミノ酸を一文字の略号で表示する方法は当業者において周知の技術常識である。
次に、これらの変異体酵素を調製する方法としては、公知の遺伝子組換え技術により行うことができる。例えば、目的のアミノ酸をコードする塩基配列を、改変すべきアミノ酸をコードする塩基配列に置換したプライマーを用いて、TyrRS遺伝子を鋳型にPCRを行ってDNAを増幅し、増幅させたDNA断片を結合して全長のTyrRS変異体をコードするDNAを取得する。これを大腸菌や酵母、又は動物細胞等の宿主細胞に導入して発現させることにより容易に調製することができる。この方法において使用するプライマーとしては、20〜70塩基、好ましくは20〜50塩基程度である。鋳型DNAとのミスマッチの塩基数に応じてプライマーの長さを適宜調整することは当業者であれば容易に実施しうるであろう。
これらのTyrRS変異体は、公知の発現系を用いて動物細胞内で発現させることができる。例えば、市販のpcDNA3.1(インビトロジェン社製)、pAGE107(Cytotechnology,3,133(1990))、及びpAGE103[J.Biochem.101,1307(1987)]など発現プラスミドの所定の位置に上記TyrRS変異体遺伝子を導入して構築したプラスミドを、哺乳動物細胞に導入すればよい。必要に応じて、誘導可能なベクターを用いることができ、例えば、クロンテック社、インビトロジェン社等から市販されているテトラサイクリン応答プロモーター等を用いることができる。
(サプレッサーtRNA)
上記アミノアシルtRNA合成酵素と組み合わせて使用されるtRNAは、通常20種類のアミノ酸に割り当てられたコドンではないナンセンスコドンに割り当てられ、かつ、上記非天然型アミノ酸特異的なアミノアシルtRNA合成酵素にのみ認識され、宿主の通常のアミノアシルtRNA合成酵素には認識されない(直交性:orthogonal tRNA)という要件を備え、かつ真核細胞内で発現しなければならない。アミノアシルtRNA合成酵素が大腸菌のTyrRSである場合、対応するtRNAは、原核生物由来で、かつ動物細胞中で発現するサプレッサーtRNAである。
ここで、ナンセンスコドンとしては、UAG(アンバー)、UAA(オーカー)、UGA(オパール)が挙げられるが、UAG(アンバー)コドンを用いることが好ましい。また、ナンセンスコドンに代えて、4塩基以上(好ましくは4若しくは5塩基)の塩基からなるコドン(以下「フレームシフトコドン」という。)を用いることもできる。
一般に、真核細胞でtRNAを転写するタイプIIプロモーターは、tRNAコーディング配列内の2つの領域から成り立つ内部プロモーターであり、そのコンセンサス配列は、ボックスA、ボックスBとして知られている。ボックスAのコンセンサス配列は、8位〜19位のTRGCNNAGYNGG(配列番号2)であり、ボックスBのコンセンサス配列は、52位〜62位のGGTTCGANTCC(配列番号3)である。このため、例えば、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)のサプレッサーチロシンtRNAは、原核生物由来であるものの、そのサプレッサーチロシンtRNAコーディング配列内には、ボックスAとボックスBが存在しているため(例えば、M.Sprinzl et al., Nucleic Acids Research 17, 1-172(1989)参照)、なんら改変を加えなくても動物細胞内で発現させることができる。
一方、大腸菌のサプレッサーチロシンtRNAは配列内にボックスBコンセンサス配列は有しているがボックスAコンセンサス配列を含まない。これらの内部プロモーターを持たないサプレッサーtRNAの場合は、外部プロモーターを用いて真核細胞内で発現させることもできる。例えば、大腸菌のサプレッサーチロシンtRNA遺伝子の5’末端に、真核生物のtRNA核酸配列やU1及びU6snRNA遺伝子のプロモーター配列を結合させることによって動物細胞内で効果的に発現させうることができる。さらに、異なる実施形態として、T7ファージ由来のT7プロモーターを連結し、動物細胞内でT7RNAポリメラーゼと同時に発現させてもよい。
(相互作用解析の対象となるタンパク質)
本発明で非天然型アミノ酸を組み込ませるタンパク質の種類は、限定されるものではなく、発現可能な如何なるタンパク質でもよく、異種の組換えタンパク質でもよい。例えば、タンパク質の種類として、いわゆるシグナル伝達関連タンパク質、受容体、増殖因子、細胞周期関連因子、転写因子、翻訳因子、輸送関連タンパク質、分泌タンパク質、細胞骨格関連タンパク質、酵素、シャペロン又は癌、糖尿病若しくは遺伝病等を含む疾患関連タンパク質などが挙げられる。これらのタンパク質は、相互作用によってその機能を果たすものであり、本発明の方法を用いてその相互作用を解析することができる。
本発明において、光反応性非天然アミノ酸を組み込ませる所望の位置にナンセンスコドンを導入する。これにより、部位特異的に光反応性非天然アミノ酸を組み込ませることができる。タンパク質の所望の位置に変異を導入する方法としては、周知の方法を用いることができ、特に限定されないが、Gene 152,271-275(1995)、Methods Enzymol.100,468-500(1983)、Nucleic Acids Res.12,9441-9456(1984)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82, 488-492(1985)、「細胞工学別冊「新細胞工学実験プロトコール」、秀潤社、241−248頁(1993)」に記載の方法、または「QuikChange Site-Directed Mutagenesis Kit」(ストラタジーン社製)を利用する方法などに準じて、適宜実施することができる。
本発明は動物細胞内で発現させることができるので、これまで、大腸菌や無細胞タンパク質系では、発現しない、あるいは発現量が低い、または活性型となるための翻訳後の修飾を受けることができないようなタンパク質へ、光反応性非天然型アミノ酸を取りこませることができる。このようなタンパク質としては、当業者には種々のものが知られているが、例えば、ヒトEGFR等のチロシンキナーゼ型レセプター(Cell,110,775-787(2002))、ヒトGroucho/TLE1タンパク質(Structure 10,751-761(2002))、ラット筋肉特異的キナーゼ(Structure 10.1187-1196(2002))などについて、アロタンパク質を合成することができるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の方法においては、動物細胞内でアロタンパク質を発現させるので、糖鎖と結合した糖タンパク質に光反応性非天然型アミノ酸を組みこませることもできる。特に、無細胞タンパク質系における糖鎖付加のパターンが、本来のパターンと異なるようなタイプの糖タンパク質の場合には、本発明の動物細胞内での系は、目的の(本来の)パターンの糖鎖が付加されたアロタンパク質を得るための有効な手段と考えられる。
(宿主)
本発明に用いられる、宿主の動物細胞としては、遺伝子組換え系が確立されている、哺乳類細胞が好ましい。有用な哺乳動物宿主細胞系の実例は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞とCOS細胞を含む。より特有な例は、SV40によって形質転換したサル腎臓CV1系(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓系(293又は懸濁培養での増殖用にサブクローンした293細胞、J.Gen Virol.,36:59(1977));チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216(1980));マウスセルトーリ細胞(TM4,Biol.Reprod.,23:243-251(1980));ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2, HB 8065);及びマウス乳癌(MMT 060562, ATCC CCL51)を含む。これらの宿主は、各々発現系が確立されており、適切な宿主細胞の選択は、当業者の技術範囲内である。
上記宿主細胞へのベクターの導入方法としては、例えば、電気穿孔法(Nucleic,Acids Res.15,1311-1326(1987))、リン酸カルシウム法(Mol.Cell Biol. 7,2745-2752(1987))、リポフェクション法(Cell 7,1025-1037(1994);Lamb,Nature Genetics 5,22-30(1993))などが挙げられる。これらは、例えば、Molecular Cloning 第3版、 Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)などに記載された方法に準じて行なうことができる。従って、本発明の1つの実施形態として、上記TyrRS変異体及びサプレッサーtRNAを発現し、かつ相互作用解析の対象となるタンパク質遺伝子を導入した組換え動物細胞、好ましくは哺乳動物細胞が提供される。
次に、本発明に係るアロタンパク質の合成方法について説明する。最初に、(a)動物細胞内において、原核生物由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体と、原核生物由来のチロシンtRNAの変異体であるサプレッサーtRNAとを発現させる。例えば、CHO細胞等の哺乳動物細胞内に上記遺伝子をコードする発現ベクターを導入し、Opti−MEMI(ギブコ)等の増殖に適した培地中、37℃程度の温度で適当な時間インキュベートする。続いて、或いはこれと同時に、(b)前記細胞内に、所望の位置にナンセンス変異を受けたタンパク質遺伝子を導入し、そして(c)フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸の存在下において、前記遺伝子にコードされたタンパク質を発現させる。前記非天然型アミノ酸は、培地中に0.1〜1mM程度、好ましくは0.5mM程度添加することにより、動物細胞自身の働きで細胞内に取り込まれる。細胞内で当該非天然型アミノ酸はTyrRS変異体の働きによってサプレッサーtRNAに結合する。その後、当該アミノアシルtRNAがリボソーム上にて、目的タンパク質の所望の位置に存在するナンセンスコドンの翻訳に用いられる。
上記動物細胞内で発現したアロタンパク質が、その動物細胞内で他のタンパク質と相互作用している場合、その動物細胞に特定波長の光を照射することにより該アロタンパク質に取り込まれた非天然型アミノ酸が、該他のタンパク質と共有結合を形成する。当該非天然型アミノ酸はフェニルジアジリン基を有するため、凡そ350〜380nm付近、好ましくは360〜370nmの波長の光の照射により、ジアジリン環が開裂して反応性のカルベン中間体が生成する。これが相互作用する他のタンパク質と炭素−炭素共有結合によるクロスリンクを生成する。照射時間に特に制限はないが、例えば、10秒〜1時間であり、好ましくは30分以内である。照射は、例えば、細胞を適当な緩衝液で洗浄した後、水浴上で行なうことが好ましい。
タンパク質相互作用を検出する工程は、ウェスタンブロット法等公知の検出方法を用いることができる。例えば、細胞を緩衝液で溶解した後、SDS−PAGEを行い、PVDF膜等に移した後、適当な一次抗体、二次抗体を用いて検出することができる。
本発明は、以下の実施例によりさらに詳細に説明されるが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]動物細胞内で発現するβ−ガラクトシダーゼへの部位特異的TmdPhe導入
β−ガラクトシダーゼに部位特異的にTmdPheを導入し、その導入効率をβ−ガラクトシダーゼの酵素活性を指標にして調べた。TmdPheを特異的に認識する大腸菌TyrRS変異体の遺伝子は、大腸菌由来の野生型TyrRS遺伝子を鋳型として、種々の変異プライマーを用いたPCRにより部位特異的変異を導入して調製した。本実施例で用いた種々のTyrRS変異体は、Hino et al. Nature Methods (2005) Vol.2, pp.201-0206、国際公開第2004/094593号パンフレット、及びChin et al.(上掲の非特許文献4)によりすでに報告されており、その内容は参照により本願明細書に組み込まれる。大腸菌のβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)の91位のチロシンコドンを、Quik Change site-directed mutagenesis kit(ストラタジーン社)を用いてアンバーコドンに変換し、pcDNA3.1+(Zeo耐性)のマルチクローニング部位にクローン化した(lacZ(91amber))。バチルス・ステアロサーモフィラス由来のサプレッサーtRNATyr遺伝子の発現プラスミドpBstRNAは本発明者らによりすでに報告されている(Sakamoto, K. et al., Nucleic Acids Research 30, 4692-4699(2002)及び国際公開第2004/039989号パンフレット参照)。これらのプラスミドを、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−TRex細胞)に同時に形質導入した。形質導入は、リポフェクタミン2000(インビトロジェン社)を用い、そのマニュアルに沿って行った。培養液中に0.1〜0.5mMのTmdPheを添加し、16時間培養した。細胞からタンパク質を回収し、レポーターアッセイキットβ−Gal(TOYOBO)を用いてlacZ酵素活性を調べた。その結果を図3及び図4に示す。なお、これらの図の縦軸は、発光基質であるLumi−Gal530の化学発光強度をパーキネルマー社の測定装置FUSIONにて測定した結果である。
図3は、以下の表1に示した試料(9種類の変異体TyrRS酵素と野生型TyrRSとを含む。)を用い、0.5mMのTmdPhe(有限会社新成化学社製)を添加又は無添加のときのβ−ガラクトシダーゼ活性を示す。
図3に示したように、大腸菌TyrRSの37位のチロシンがバリンに、及び182位のアスパラギン酸がセリンに変異したTyrRS変異体(試料番号1、3及び4、表1の変異導入部位に下線を示した。)がTmdPhe存在下においてサプレッション活性を有することが分かった。続いて、サプレッション活性を示した上記3種類の変異体を含む以下の表2の変異体TyrRSを用いて、0.1mM及び0.5mMのTmdPheを添加又は無添加のときのβ−ガラクトシダーゼ活性を図4に示した。
図4に示したように、大腸菌TyrRSの37位のチロシンがイソロイシンに、182位のアスパラギン酸がグリシンに、183位のフェニルアラニンがメチオニンに、そして186位のロイシンがアラニンに変異したTyrRS変異体(試料番号4)が最も高いサプレッション活性を示すことが分かった。意外なことに、この変異体酵素は、Chin et al.によりアセチルフェニルアラニンに対する特異性を有するTyrRS変異体(AcPheRS−1)として報告されていたものである。また、この変異体酵素は、野生型TyrRSを用いた場合(この場合は、アンバーコドンにチロシンが導入される。)と比べて50%以上の導入効率を示すことも分かった。一般的に、同様の方法を用いてpBpaを導入したときの導入効率は、野生型TyrRSを用いてチロシンを導入した場合の約50%以下である(比較例参照)ことから、pBpaよりもTmdPheの方が導入効率において優れていることが示唆される。
[実施例2]動物細胞内で発現するグルタチオンSトランスフェラーゼへの部位特異的TmdPhe導入とクロスリンク
グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)のダイマー表面領域に部位特異的にTmdPhe、又はpBpaを導入した。さらに、細胞内でクロスリンクが生じるのに必要な光照射の時間を比較した(図5)。
GST遺伝子の52番目のフェニルアラニンコドンをアンバーコドンに置換した遺伝子と、アンバーサプレッサーであるBst−tRNAの遺伝子と、大腸菌由来チロシルtRNA合成酵素の変異体の遺伝子(TmdPhe導入のためにはiodoPheRS−3、pBpa導入のためにはpBpaRS)をCHO T−REx細胞に同時に導入した。培養液中に0.5mMのTmdPheもしくは1mMのpBpaを添加した後16時間培養することで細胞中にTmdPheを含むGSTもしくはpBpaを含むGSTを発現させた。これらの細胞に365nmの波長を持つ光を10分ないし30分照射したところ、GSTにTmdPheを導入した群では10分間の光照射でクロスリンク体が有意に生成するのに対し、pBpaを導入した群では30分間の光照射が必要であった。
GSTには,C末端にFLAGタグが付加されるように設計してある。細胞抽出液から、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降法によってGSTモノマーおよびクロスリンクダイマーを精製し、それらをSDS−PAGEによって展開した。さらにPVDF膜に転写し,抗FLAG抗体を用いたウエスタンブロッティングを行ったところ、図5に示したように、30kDa付近にGSTモノマーが、TmdPheの場合は60kDa付近にクロスリンクダイマーが、pBpaの場合は50kDa及び70kDa付近にクロスリンクダイマーが検出された。この結果より、導入する光反応基の違い(pBpa又はTmdPhe)によって、クロスリンク反応が起こる部位に違いがあることが示唆される。
[比較例1]動物細胞内で発現するβ−ガラクトシダーゼへの部位特異的pBpa導入
β−ガラクトシダーゼに部位特異的にpBpaを導入し,その効率をβガラクトシダーゼの酵素活性を指標に調べた(図6)。lacZ遺伝子の91番目のチロシンコドンをアンバーコドンに置換した遺伝子と、大腸菌由来チロシルtRNA合成酵素の変異体の遺伝子(pBpaRS)と、アンバーサプレッサーであるBst−tRNAの遺伝子とをCHO T−REx細胞に同時に導入した。培養液中に0.1−1.0mMのpBpaを添加し、16時間培養した。細胞からタンパク質を回収し、レポーターアッセイキットβ−Gal(TOYOBO)を用いてlacZ酵素活性を調べた。その結果を図6に示した。サプレッション効率はpBpaを0.5mM加えた時に最大となり,野生型チロシルtRNA合成酵素を用いてアンバーコドンにチロシンを導入した時の約50%の活性があった。
本発明の方法は、動物細胞内におけるタンパク質相互作用の解析を行うための分析用、研究用試薬のみならず、生命科学分野における研究の促進を通じて、医薬、健康産業において有用である。
大腸菌TyrRS(野生型)の活性部位と、そこに結合した基質チロシンの立体構造を表した模式図である。 L−4’−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニルアラニン(TmdPhe)の構造式である。 種々の変異体TyrRSを用いて、動物細胞内における部位特異的TmdPheの導入効率をβ−ガラクトシダーゼ活性を指標として調べた結果である。 培養液に添加するTmdPheの濃度を変えて、図3と同様の実験を行った結果である。 動物細胞内で発現するグルタチオンSトランスフェラーゼへ部位特異的にTmdPhe又はpBpaを導入し、光照射によるクロスリンクを行った結果である。 動物細胞内で発現するβ−ガラクトシダーゼへの部位特異的pBpa導入効率を調べた結果である。

Claims (5)

  1. (a)Y37I、D182G、F183M、及びL186Aからなるアミノ酸置換を有する大腸菌チロシルtRNA合成酵素の変異体、Y37V、D182S、及びF183Y若しくはF183Mからなるアミノ酸置換を有する大腸菌チロシルtRNA合成酵素の変異体、又は、Y37V、D182S、F183M、及びL186Aからなるアミノ酸置換を有する大腸菌チロシルtRNA合成酵素の変異体と、原核生物由来のチロシンtRNAの変異体であるサプレッサーtRNAと、を動物細胞内で発現させ、
    (b)前記動物細胞内に、所望の位置にナンセンス変異を受けたタンパク質遺伝子を導入し、そして
    (c)フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸の存在下において、前記遺伝子にコードされたタンパク質を発現させることを特徴とする、光反応性非天然型アミノ酸組み込みタンパク質の合成方法。
  2. 前記フェニルジアジリン基を有する非天然型アミノ酸が、L−4’−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニルアラニン(TmdPhe)である請求項1に記載の方法。
  3. 前記サプレッサーtRNAが由来する原核生物が、バチルス・ステアロサーモフィラスである請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の方法により合成したタンパク質を含む動物細胞に、特定波長の光を照射することを特徴とするタンパク質のクロスリンク方法。
  5. 請求項4に記載の方法によりクロスリンクさせたタンパク質を解析することを特徴とするタンパク質相互作用の検出方法。
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