JP4467081B2 - 垂直磁気記録用磁気ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録方式によって記録媒体に情報を記録するために用いられる垂直磁気記録用磁気ヘッドに関する。
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
一般的に、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、長手磁気記録用の磁気ヘッドと同様に、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを、基板上に積層した構造のものが用いられる。記録ヘッドは、記録媒体の面に対して垂直な方向の磁界を発生する磁極層を備えている。
垂直磁気記録方式において、記録密度の向上に寄与するのは、主に、記録媒体の改良と記録ヘッドの改良である。高記録密度化のために記録ヘッドに要求されることは、特に、トラック幅の縮小と、記録特性の向上である。一方、トラック幅が小さくなると、記録特性、例えば重ね書きの性能を表わすオーバーライト特性は低下する。従って、トラック幅が小さくなるほど、記録特性の一層の向上が必要となる。
ところで、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、一般的に、スライダに設けられる。スライダは、記録媒体に対向する媒体対向面を有している。この媒体対向面は、空気流入側の端部と空気流出側の端部とを有している。そして、空気流入側の端部から媒体対向面と記録媒体との間に流入する空気流によって、スライダは記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。このスライダにおいて、一般的に、磁気ヘッドは媒体対向面における空気流出側の端部近傍に配置される。磁気ディスク装置において、磁気ヘッドの位置決めは、例えばロータリーアクチュエータによって行なわれる。この場合、磁気ヘッドは、ロータリーアクチュエータの回転中心を中心とした円軌道に沿って記録媒体上を移動する。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドのトラック横断方向の位置に応じて、スキューと呼ばれる、円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きが生じる。
特に、長手磁気記録方式に比べて記録媒体への書き込み能力が高い垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置では、上述のスキューが生じると、あるトラックへの情報の書き込み時に隣接トラックの情報が消去される現象(以下、隣接トラック消去と言う。)が生じたり、隣り合う2つのトラックの間において不要な書き込みが行なわれたりするという問題が生じる。高記録密度化のためには、隣接トラック消去を抑制する必要がある。また、隣り合う2つのトラックの間における不要な書き込みは、磁気ヘッドの位置決め用のサーボ信号の検出や再生信号の信号対雑音比に悪影響を及ぼす。
上述のようなスキューに起因した問題の発生を防止する技術としては、例えば特許文献1に記載されているように、媒体対向面における磁極層の端面の形状を、記録媒体の進行方向の後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される辺が反対側の辺よりも短い形状とする技術が知られている。
また、特許文献1には、磁極層と補助磁極層とを備えた磁気ヘッドが記載されている。この磁気ヘッドでは、媒体対向面において、補助磁極層の端面は、磁極層の端面に対して、記録媒体の進行方向の後側に配置されている。
また、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、例えば特許文献2に記載されているように、磁極層とシールドとを備えた磁気ヘッドも知られている。この磁気ヘッドでは、媒体対向面において、シールドの端面は、磁極層の端面に対して、所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。以下、このような磁気ヘッドをシールド型ヘッドと呼ぶ。このシールド型ヘッドにおいて、シールドは、磁極層の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。また、シールドは、磁極層の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。このシールド型ヘッドによれば、線記録密度のより一層の向上が可能になる。
また、特許文献3には、磁極層となる中央の磁性層に対する記録媒体の進行方向の前側と後側にそれぞれ磁性層を設け、中央の磁性層と前側の磁性層との間と、中央の磁性層と後側の磁性層との間に、それぞれコイルを配置した構造の磁気ヘッドが記載されている。この磁気ヘッドにおいて、2つのコイルは直列に接続されている。この磁気ヘッドによれば、中央の磁性層の媒体対向面側の端部より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分を大きくすることができる。
米国特許第6,504,675B1号明細書 米国特許第4,656,546号明細書 米国特許第4,672,493号明細書
ここで、図15を参照して、シールド型ヘッドの基本的な構成について説明する。図15は、シールド型ヘッドの一例における主要部を示す断面図である。このシールド型ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面100と、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイル101と、媒体対向面100に配置された端部を有し、コイル101によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層102と、媒体対向面100に配置された端部を有し、媒体対向面100から離れた位置において磁極層102に連結されたシールド層103と、磁極層102とシールド層103との間に設けられたギャップ層104と、コイル101を覆う絶縁層105とを備えている。磁極層102の周囲には絶縁層106が配置されている。また、シールド層103は、保護層107によって覆われている。
媒体対向面100において、シールド層103の端部は、磁極層102の端部に対して、ギャップ層104の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。コイル101の少なくとも一部は、磁極層102とシールド層103との間に、磁極層102およびシールド層103に対して絶縁された状態で配置されている。
コイル101は、銅等の導電性の材料によって形成されている。磁極層102およびシールド層103は磁性材料によって形成されている。ギャップ層104は、アルミナ(Al23)等の絶縁材料によって形成されている。絶縁層105は、例えばフォトレジストによって形成されている。
図15に示したヘッドでは、磁極層102の上にギャップ層104が配置され、ギャップ層104の上にコイル101が配置されている。コイル101は、絶縁層105によって覆われている。絶縁層105の媒体対向面100側の端部は、媒体対向面100から離れた位置に配置されている。絶縁層105の媒体対向面100側の端部から媒体対向面100までの領域において、シールド層103はギャップ層104を介して磁極層102と対向している。磁極層102とシールド層103がギャップ層104を介して対向する部分の、媒体対向面100側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)THは、スロートハイトと呼ばれる。このスロートハイトTHは、媒体対向面100において磁極層102から発生される磁界の強度や分布に影響を与える。
例えば図15に示したようなシールド型ヘッドにおいて、オーバーライト特性を向上させるためには、スロートハイトTHを小さくすることが好ましい。スロートハイトTHの値としては、例えば0.1〜0.3μmが要求される。このようにスロートハイトTHの値として小さな値が要求される場合、図15に示したヘッドでは、以下のような問題が発生する。
すなわち、図15に示したヘッドでは、その使用時に、コイル101が発生する熱によって絶縁層105が膨張し、その結果、シールド層103の媒体対向面100側の端部が突出するおそれがある。特にスロートハイトTHが小さい場合には、シールド層103のうちの絶縁層105と媒体対向面100との間に存在する部分が薄くなっているため、シールド層103の媒体対向面100側の端部が突出しやすくなる。ヘッドの使用時におけるシールド層103の端部の突出は、スライダと記録媒体との衝突を生じやすくする。
また、例えば図15に示したようなシールド型ヘッドでは、トラック幅方向の広い範囲にわたって、記録または再生の対象となっているトラックに隣接する1以上のトラックに記録された信号が減衰する現象(以下、広範囲隣接トラック消去という。)が顕著に生じる場合があった。シールド型ヘッドにおいて広範囲隣接トラック消去が生じる原因の一つは、以下のように考えられる。磁極層102の端面より発生されて記録媒体を磁化した磁束はシールド層103に還流する。磁極層102の端面より発生される磁束や、シールド層103に還流する磁束が広がることが、広範囲隣接トラック消去が生じる原因の一つと考えられる。
特許文献3に記載された構造の磁気ヘッドによれば、中央の磁性層の媒体対向面側の端部より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分を大きくすることができることから、広範囲隣接トラック消去を抑制することができると考えられる。
ところで、特許文献3に記載された構造の磁気ヘッドは、直列に接続された2つのコイルを備えている。以下の説明では、このように直列に接続された2つのコイルを備えた磁気ヘッドを2コイルヘッドと呼ぶ。また、コイルが1つしか設けられていない磁気ヘッドを1コイルヘッドと呼ぶ。以下、1コイルヘッドと2コイルヘッドとを比較しながら、2コイルヘッドにおける問題点について説明する。ここで、1コイルヘッドと2コイルヘッドの比較を簡単にするために、2コイルヘッドにおける2つのコイルと、1コイルヘッドにおける1つのコイルは、全て、巻数および抵抗値に関して等しいものとする。
2コイルヘッドにおいて、2つのコイルには等しい値の電流が流れる。2コイルヘッドにおける各コイルによる起磁力を、1コイルヘッドにおける1つのコイルによる起磁力と等しくするためには、2コイルヘッドにおける2つのコイルに流す電流の値を、1コイルヘッドにおいて1つのコイルに流す電流の値と等しくする必要がある。すると、2コイルヘッドにおける2つのコイルによる発熱量の合計は、1コイルヘッドにおける1つのコイルによる発熱量の2倍になる。そのため、2コイルヘッドでは、1コイルヘッドに比べて、コイルが発生する熱によって媒体対向面が部分的に突出する可能性が増すという問題点がある。
また、2コイルヘッドでは、2つのコイルに等しい値の電流が流れる。そのため、2コイルヘッドでは、コイル毎に電流の値を調整することによってコイル毎に起磁力を調整することができないという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、磁極層を挟むように設けられた2つのコイルを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、コイル毎に電流の値を調整することを可能にした垂直磁気記録用磁気ヘッドを提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、2つのコイルが発生する熱によって媒体対向面が部分的に突出することを抑制できるようにした垂直磁気記録用磁気ヘッドを提供することにある。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
媒体対向面に配置された端面を有し、媒体対向面から離れた位置において磁極層に連結されたシールド層と、
非磁性材料よりなり、磁極層とシールド層との間に設けられたギャップ層とを備えている。
媒体対向面において、シールド層の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。第1および第2のコイルは、磁極層を挟む位置に配置され、電気的に並列に接続されている。また、第2のコイルの少なくとも一部は、磁極層とシールド層との間に、磁極層およびシールド層に対して絶縁された状態で配置されている。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、磁極層を挟む位置に配置された第1および第2のコイルが、電気的に並列に接続されている。そのため、本発明では、コイル毎に電流の値を調整することが可能である。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1および第2のコイルは、互いに異なる抵抗値を有していてもよい。この場合、第2のコイルの抵抗値は、第1のコイルの抵抗値よりも小さくてもよい。また、第1および第2のコイルは、互いに異なる抵抗率を有する異なる材料によって形成されていてもよい。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1および第2のコイルは、等しい抵抗値を有していてもよい。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1および第2のコイルは、いずれも平面渦巻き形状をなしていてもよい。この場合、第1および第2のコイルは、いずれも中心側接続部と、その反対側の外側接続部とを有し、第1のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向と第2のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向は互いに反対方向であり、第1のコイルの中心側接続部と第2のコイルの中心側接続部とが電気的に接続され、第1のコイルの外側接続部と第2のコイルの外側接続部とが電気的に接続されていてもよい。
本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、磁極層を挟む位置に配置された第1および第2のコイルが、電気的に並列に接続されている。そのため、本発明によれば、コイル毎に電流の値を調整することが可能になるという効果を奏する。
また、本発明の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第2のコイルの抵抗値は第1のコイルの抵抗値よりも小さくてもよい。この場合には、第2のコイルに流れる電流の値を同じにして、第1および第2のコイルが直列に接続されている場合と比較すると、本発明によれば、第1および第2のコイルの発熱量の合計を小さくすることができ、その結果、2つのコイルが発生する熱によって媒体対向面が部分的に突出することを抑制することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成について説明する。図1は本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。図2は、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図3は、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける2つのコイルの外側接続部の近傍を示す断面図である。
図1および図3に示したように、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の上に配置された絶縁膜である下部シールドギャップ膜4と、この下部シールドギャップ膜4の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に配置された絶縁膜である上部シールドギャップ膜6と、この上部シールドギャップ膜6の上に配置された磁性材料よりなる上部シールド層7とを備えている。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
磁気ヘッドは、更に、上部シールド層7の上に順に配置された非磁性層81および中間磁性層82を備えている。非磁性層81は、アルミナ等の非磁性材料によって形成されている。中間磁性層82は、磁性材料によって形成されている。下部シールド層3から中間磁性層82までの部分は、再生ヘッドを構成する。なお、中間磁性層82は、再生シールド層の機能と、後述する記録ヘッドにおける補助磁極としての機能、すなわち記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能とを有している。
磁気ヘッドは、更に、中間磁性層82の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層83と、この絶縁層83の上に配置された第1のコイル9と、このコイル9の巻線間および周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層10と、絶縁層10の周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層11とを備えている。コイル9は、平面渦巻き形状をなしている。また、コイル9は、中心側接続部9aと、その反対側の外側接続部9bとを有している。これら接続部9a,9bは、後述する第2のコイルに接続される部分である。中心側接続部9aはコイル9の巻線の中心側端部の近傍に設けられ、外側接続部9bはコイル9の巻線の外側端部の近傍に設けられている。コイル9および絶縁層10,11の上面は平坦化されている。絶縁層83,11は、例えばアルミナによって形成されている。絶縁層10は、例えばフォトレジストによって形成されている。コイル9は、銅等の導電材料によって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、コイル9の中心側接続部9aの上に配置された接続層31aと、コイル9の外側接続部9bの上に配置された接続層31bと、平坦化されたコイル9および絶縁層10,11の上面の上に配置された非磁性材料よりなる収容層12とを備えている。接続層31a,31bは、導電材料によって形成されている。収容層12は、上面で開口し、後述する磁極層を収容する溝部12aを有している。収容層12の材料としては、例えば、アルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)等の絶縁材料でもよいし、Ru、Ta、Mo、Ti、W、NiCu、NiB、NiPd等の非磁性金属材料でもよい。
磁気ヘッドは、更に、接続層31aの上に配置された接続層32aと、接続層31bの上に配置された接続層32bとを備えている。接続層32a,32bは、導電材料によって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、非磁性金属材料よりなり、収容層12の上面の上に配置された非磁性金属層13を備えている。非磁性金属層13は、貫通する開口部13aを有し、この開口部13aの縁は、収容層12の上面における溝部12aの縁の真上に配置されている。非磁性金属層13の材料としては、例えば、Ta、Mo、W、Ti、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ir、NiCr、NiP、NiPd、NiB、WSi、TaSi、TiSi、TiN、TiWのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、収容層12の溝部12a内および非磁性金属層13の開口部13a内に配置された非磁性膜14、研磨停止層15および磁極層16を備えている。非磁性膜14は、溝部12aの表面に接するように配置されている。磁極層16は、溝部12aの表面から離れるように配置されている。研磨停止層15は、非磁性膜14と磁極層16の間に配置されている。
非磁性膜14は、非磁性材料によって形成されている。非磁性膜14の材料としては、例えば絶縁材料または半導体材料を用いることができる。非磁性膜14の材料としての絶縁材料としては、例えばアルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)のいずれかを用いることができる。非磁性膜14の材料としての半導体材料としては、例えば多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを用いることができる。
研磨停止層15は、非磁性導電材料によって形成されている。研磨停止層15の材料としては、例えば、非磁性金属層13と同じものを用いることができる。
磁極層16は、金属磁性材料によって形成されている。磁極層16の材料としては、例えば、CoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、アルミナ等の非磁性材料よりなり、研磨停止層15および磁極層16の上面の一部の上に配置された非磁性膜17と、非磁性材料よりなり、非磁性金属層13、非磁性膜14、研磨停止層15、磁極層16および非磁性膜17の上に配置されたギャップ層18とを備えている。ギャップ層18には、媒体対向面30から離れた位置において、開口部が形成されている。ギャップ層18の材料は、アルミナ等の絶縁材料でもよいし、Ru、NiCu、Ta、W、NiB、NiPd等の非磁性金属材料でもよい。
磁気ヘッドは、更に、シールド層20を備えている。シールド層20は、ギャップ層18の上に配置された第1層20Aと、この第1層20Aの上に配置された第2層20Cと、ギャップ層18の開口部が形成された位置において磁極層16の上に配置されたヨーク層20Bと、このヨーク層20Bの上に配置された連結層20Dと、第2層20Cと連結層20Dを連結するように配置された第3層20Eとを有している。第1層20A、ヨーク層20B、第2層20C、連結層20Dおよび第3層20Eは、いずれも磁性材料によって形成されている。これらの層20A〜20Eの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、第1層20Aおよびヨーク層20Bの周囲に配置された非磁性層21を備えている。
磁気ヘッドは、更に、ヨーク層20Bおよび非磁性層21の上面のうち、後述する第2のコイル23が配置される領域の上に配置された絶縁層22と、この絶縁層22の上に配置された第2のコイル23と、このコイル23の巻線間およびコイル23の周囲に配置された絶縁層24と、絶縁層24の周囲に配置された絶縁層25と、コイル23および絶縁層24,25の上に配置された絶縁層26とを備えている。コイル23は、平面渦巻き形状をなしている。また、コイル23は、中心側接続部23aと、その反対側の外側接続部23bとを有している。これら接続部23a,23bは、第1のコイル9の接続部9a,9bに接続される部分である。中心側接続部23aはコイル23の巻線の中心側端部の近傍に設けられ、外側接続部23bはコイル23の巻線の外側端部の近傍に設けられている。中心側接続部23aは、接続層32aの上に配置されている。外側接続部23bは、接続層32bの上に配置されている。コイル23の一部は、第2層20Cと連結層20Dの間を通過している。コイル23は、銅等の導電材料によって形成されている。第2層20C、連結層20D、コイル23および絶縁層24,25の上面は平坦化されている。絶縁層24は、例えばフォトレジストによって形成されている。絶縁層22,25,26は、例えばアルミナによって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、絶縁層26の上に配置されたリード層33a,33bを備えている。絶縁層26には、コイル23の中心側接続部23aの上とコイル23の外側接続部23bの上の位置に、それぞれ開口部が形成されている。そして、これらの開口部を通して、リード層33aの一端部が中心側接続部23aに接続され、リード層33bの一端部が外側接続部23bに接続されている。リード層33a,33bの各他端部は、スライダに設けられる端子に接続されている。
中間磁性層82からシールド層20の第3層20Eまでの部分は、記録ヘッドを構成する。磁気ヘッドは、更に、シールド層20およびリード層33a,33bを覆うように形成された保護層27を備えている。保護層27は、例えば、アルミナ等の無機絶縁材料によって形成されている。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面30と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。再生ヘッドは記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置され、記録ヘッドは記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層7と、MR素子5と下部シールド層3との間に配置された下部シールドギャップ膜4と、MR素子5と上部シールド層7との間に配置された上部シールドギャップ膜6とを備えている。
記録ヘッドは、第1のコイル9、収容層12、非磁性金属層13、非磁性膜14、研磨停止層15、磁極層16、ギャップ層18、シールド層20および第2のコイル23を備えている。コイル9,23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。なお、非磁性膜14は省略してもよい。
磁極層16は、媒体対向面30に配置された端面を有し、コイル9,23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
シールド層20は、媒体対向面30に配置された端面を有し、媒体対向面30から離れた位置において磁極層16に連結されている。ギャップ層18は、非磁性材料よりなり、磁極層16とシールド層20との間に設けられている。
媒体対向面30において、シールド層20の端面は、磁極層16の端面に対して、ギャップ層18の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。ギャップ層18の厚みは、5〜60nmの範囲内であることが好ましく、例えば、30〜60nmの範囲内である。コイル23の少なくとも一部は、磁極層16とシールド層20との間に、磁極層16およびシールド層20に対して絶縁された状態で配置されている。
磁極層16は、収容層12の溝部12a内および非磁性金属層13の開口部13a内に、非磁性膜14および研磨停止層15を介して配置されている。非磁性膜14の厚みは、例えば10〜40nmの範囲内である。しかし、この範囲内に限らず、非磁性膜14の厚みは、トラック幅に応じて任意に設定することができる。研磨停止層15の厚みは、例えば30〜100nmの範囲内である。
磁極層16は、媒体対向面30に配置された端面を有する第1の部分と、この第1の部分よりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、第1の部分よりも大きな厚みを有する第2の部分とを有している。第1の部分は、媒体対向面30からの距離に応じて変化しない厚みを有している。第1の部分における上面は、第2の部分における上面よりも基板1に近い位置に配置されている。そのため、ギャップ層18に接する磁極層16の上面は屈曲している。第1の部分における上面と第2の部分における上面との間の段差は、例えば0.1〜0.3μmの範囲内である。また、第1の部分の厚みは、例えば0.03〜0.3μmの範囲内である。
シールド層20は、ギャップ層18に隣接するように配置された第1層20Aと、第1層20Aにおけるギャップ層18とは反対側に配置された第2層20Cと、ギャップ層18の開口部が形成された位置において磁極層16の上に配置されたヨーク層20Bと、このヨーク層20Bの上に配置された連結層20Dと、第2層20Cと連結層20Dを連結するように配置された第3層20Eとを有している。第2層20Cは、媒体対向面30とコイル23の少なくとも一部との間に配置されている。
第1層20Aの下面は、ギャップ層18を介して磁極層16の上面に対向するように屈曲している。ギャップ層18も、磁極層16の上面に沿って屈曲している。また、第1層20Aの媒体対向面30に配置された端面の幅は、トラック幅以上である。
第1層20Aは、媒体対向面30に配置された第1の端部とその反対側の第2の端部とを有している。第2層20Cも、媒体対向面30に配置された第1の端部とその反対側の第2の端部とを有している。スロートハイトTHは、媒体対向面30から見て磁極層16とシールド層20との間隔が大きくなり始める位置と、媒体対向面30から見て最初にギャップ層18が屈曲する位置とのうちの媒体対向面30に近い方から媒体対向面30までの距離となる。本実施の形態では、スロートハイトTHは、媒体対向面30から見て最初にギャップ層18が屈曲する位置から媒体対向面30までの距離となる。スロートハイトTHは、例えば0.05〜0.3μmの範囲内である。また、第2層20Cのうち、ギャップ層18および第1層20Aを介して磁極層16と対向する部分における第1の端部と第2の端部との間の最短距離は、例えば0.3〜0.8μmの範囲内である。また、第1層20Aおよびヨーク層20Bの厚みは、例えば0.3〜0.8μmの範囲内である。第2層20Cおよび連結層20Dの厚みは、例えば1.5〜3.0μmの範囲内である。第3層20Eの厚みは、例えば、2.0〜3.0μmの範囲内である。コイル23の厚みは、第2層20Cの厚み以下であり、例えば、1.5〜3.0μmの範囲内である。
ここで、図4を参照して、第1のコイル9の形状について説明する。図4は、第1のコイル9の平面図である。図4に示したように、コイル9は、平面渦巻き形状をなし、中心側接続部9aと外側接続部9bとを有している。図4に示した例では、第1のコイル9における外側接続部9bから中心側接続部9aに向けての回転方向は、反時計回り方向になっている。
次に、図5を参照して、第2のコイル23の形状について説明する。図5は、第2のコイル23の平面図である。図5に示したように、コイル23は、平面渦巻き形状をなし、中心側接続部23aと外側接続部23bとを有している。図5に示した例では、第2のコイル23における外側接続部23bから中心側接続部23aに向けての回転方向は、時計回り方向になっている。このように、本実施の形態では、第1のコイル9における外側接続部9bから中心側接続部9aに向けての回転方向と、第2のコイル23における外側接続部23bから中心側接続部23aに向けての回転方向は、互いに反対方向になっている。なお、第1のコイル9における回転方向および第2のコイル23における回転方向は、それぞれ、図4、図5に示した例とは反対方向であってもよい。なお、図3は、図5において3−3線で示す断面を表している。
次に、図6を参照して、第1のコイル9と第2のコイル23との接続関係について説明する。図6は、第1のコイル9および第2のコイル23を示す斜視図である。図6に示したように、第1のコイル9の中心側接続部9aと第2のコイル23の中心側接続部23aは、接続層31a,32aを介して、電気的に接続されている。同様に、第1のコイル9の外側接続部9bと第2のコイル23の外側接続部23bは、接続層31b,32bを介して、電気的に接続されている。このように、コイル9,23は、電気的に並列に接続されている。また、図1に示したように、コイル9,23は、磁極層16を挟む位置に配置されている。コイル23の少なくとも一部は、磁極層16とシールド層20との間に配置されている。
コイル9とコイル23は、等しい抵抗値を有していてもよいし、互いに異なる抵抗値を有していてもよい。コイル23の抵抗値は、コイル9の抵抗値よりも小さくてもよい。また、コイル9とコイル23は、Cu等の同じ材料によって形成されていてもよいし、互いに異なる抵抗率を有する異なる材料によって形成されていてもよい。例えば、コイル9がNiFeによって形成され、コイル23がCuによって形成されていてもよい。NiFeの抵抗率はCuの抵抗率よりも大きい。
また、コイル23の中心側接続部23aにはリード層33aの一端部が接続され、コイル23の外側接続部23bにはリード層33bの一端部が接続されている。そして、これらリード層33a,33bを介して、コイル9,23に対して、記録する情報に応じた電流が流される。これにより、コイル9,23によって、記録する情報に応じた磁界が発生される。磁極層16は、コイル9,23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。記録磁界のうち、コイル9に起因する成分の方向とコイル23に起因する成分の方向は一致する。中間磁性層82とシールド層20は、磁極層16の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能を有している。中間磁性層82は、媒体対向面30から離れた位置において、磁極層16に連結されていてもよい。
次に、図2および図5を参照して、磁極層16の形状について説明する。図5に示したように、磁極層16は、媒体対向面30に配置された端面を有するトラック幅規定部16Aと、このトラック幅規定部16Aよりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、トラック幅規定部16Aよりも大きな幅を有する幅広部16Bとを有している。トラック幅規定部16Aは、媒体対向面30からの距離に応じて変化しない幅を有している。幅広部16Bの幅は、例えば、トラック幅規定部16Aとの境界位置ではトラック幅規定部16Aの幅と等しく、媒体対向面30から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。本実施の形態では、磁極層16のうち、媒体対向面30に配置された端面から、磁極層16の幅が大きくなり始める位置までの部分を、トラック幅規定部16Aとする。ここで、媒体対向面30に垂直な方向についてのトラック幅規定部16Aの長さをネックハイトNHと呼ぶ。ネックハイトNHは、例えば0.1〜0.3μmの範囲内である。
図2に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層16の端面は、基板1に近い第1の辺A1と、第1の辺A1とは反対側の第2の辺A2と、第1の辺A1の一端と第2の辺A2の一端とを結ぶ第3の辺A3と、第1の辺A1の他端と第2の辺A2の他端とを結ぶ第4の辺A4とを有している。第2の辺A2は、トラック幅を規定する。媒体対向面30に配置された磁極層16の端面の幅は、第1の辺A1に近づくに従って小さくなっている。また、第3の辺A3と第4の辺A4がそれぞれ基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度は、例えば、5°〜15°の範囲内とする。
次に、図7ないし図12を参照して、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。図7ないし図12において、(a)は、磁気ヘッドの製造過程における積層体の、媒体対向面および基板に垂直な断面を示し、(b)は、積層体の、媒体対向面の近傍における媒体対向面に平行な断面を示している。なお、図7ないし図12では、絶縁層83よりも基板1側の部分を省略している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1および図2に示したように、基板1の上に、絶縁層2、下部シールド層3、下部シールドギャップ膜4を順に形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上にMR素子5と、このMR素子5に接続される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子5およびリードを、上部シールドギャップ膜6で覆う。次に、上部シールドギャップ膜6の上に、上部シールド層7、非磁性層81、中間磁性層82および絶縁層83を順に形成する。次に、絶縁層83の上に、コイル9および絶縁層10,11を形成する。次に、コイル9および絶縁層10,11の上面を、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって平坦化する。
図7は、次の工程を示す。この工程では、まず、例えばフレームめっき法によって、コイル9の接続部9a,9bの上にそれぞれ接続層31a,31bを形成する。次に、積層体の上面全体の上に、後に溝部12aが形成されることにより収容層12となる非磁性層12Pを形成する。次に、例えばCMPによって、接続層31a,31bが露出するまで非磁性層12Pを研磨して、接続層31a,31bおよび非磁性層12Pの上面を平坦化する。次に、例えばスパッタ法によって、非磁性層12Pの上に、非磁性金属材料よりなる非磁性金属層13を形成する。非磁性金属層13の厚みは、例えば20〜100nmの範囲内である。
次に、非磁性金属層13の上に、例えば1.0μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、このフォトレジスト層をパターニングして、収容層12に溝部12aを形成するためのマスク34を形成する。このマスク34は、溝部12aに対応した形状の開口部を有している。
次に、マスク34を用いて、非磁性金属層13を選択的にエッチングする。これにより、非磁性金属層13に、貫通した開口部13aが形成される。この開口部13aは、後に形成される磁極層16の平面形状に対応した形状をなしている。更に、非磁性層12Pのうち非磁性金属層13の開口部13aから露出する部分を選択的にエッチングすることによって、非磁性層12Pに溝部12aを形成する。次に、マスク34を除去する。溝部12aが形成されることにより、非磁性層12Pは収容層12となる。非磁性金属層13の開口部13aの縁は、収容層12の上面における溝部12aの縁の真上に配置されている。
非磁性金属層13と非磁性層12Pのエッチングは、例えば、反応性イオンエッチングまたはイオンビームエッチングを用いて行われる。非磁性層12Pに溝部12aを形成するためのエッチングの際には、磁極層16のトラック幅規定部16Aの両側部に対応する溝部12aの壁面と基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度が、例えば5°〜15°の範囲内になるようにする。
図8は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、非磁性膜14を形成する。非磁性膜14は、収容層12の溝部12a内にも形成される。非磁性膜14は、例えば、スパッタ法または化学的気相成長法(以下、CVDと記す。)によって形成される。非磁性膜14の厚みは、精度よく制御することができる。CVDを用いて非磁性膜14を形成する場合には、特に、1原子層毎の成膜を繰り返すCVD、いわゆるアトミックレイヤーCVD(以下、ALCVDと記す。)を用いることが好ましい。この場合には、非磁性膜14の厚みの制御をより精度よく行うことができる。また、ALCVDを用いて非磁性膜14を形成する場合には、非磁性膜14の材料としては、特にアルミナが好ましい。半導体材料を用いて非磁性膜14を形成する場合には、特に、低温(200℃程度)でのALCVDまたは低温での低圧CVDを用いて非磁性膜14を形成することが好ましい。また、非磁性膜14の材料としての半導体材料は、不純物をドープしない多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであることが好ましい。
次に、例えばスパッタ法またはALCVDによって、積層体の上面全体の上に研磨停止層15を形成する。研磨停止層15は、収容層12の溝部12a内にも形成される。研磨停止層15は、後に行われる研磨工程における研磨の停止位置を示す。
次に、例えば以下のようにして、収容層12の溝部12a内に、磁極層16となる磁性層16Pを形成する。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、めっき用の電極となる第1の磁性膜を形成する。この第1の磁性膜は、例えば、スパッタ法またはイオンビームデポジション法によって形成される。スパッタ法によって第1の磁性膜を形成する場合には、コリメーションスパッタやロングスロースパッタを用いることが好ましい。
次に、第1の磁性膜の上に第2の磁性膜を形成する。第2の磁性膜は、その上面が非磁性金属層13、非磁性膜14および研磨停止層15の各上面よりも上方に配置されるように形成される。第2の磁性膜は、例えばフレームめっき法によって形成される。あるいは、パターニングしていないめっき膜を形成した後、このめっき膜をエッチングによってパターニングして、第2の磁性膜を形成してもよい。第1の磁性膜と第2の磁性膜とによって磁性層16Pが形成される。なお、研磨停止層15をめっき用の電極として用いてもよいので、第1の磁性膜は必ずしも必要ではない。
次に、積層体の上面全体の上に、例えばアルミナよりなる、図示しない被覆層を、例えば0.5〜1.2μmの厚みに形成する。次に、例えばCMPによって、研磨停止層15が露出するまで被覆層および磁性層16Pを研磨して、研磨停止層15および磁性層16Pの上面を平坦化する。CMPによって被覆層および磁性層16Pを研磨する場合には、研磨停止層15が露出した時点で研磨が停止するようなスラリー、例えばアルミナ系のスラリーを用いる。
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、例えば1.0μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、このフォトレジスト層をパターニングして、磁性層16Pの一部をエッチングするためのマスク35を形成する。マスク35は、磁性層16Pの上面のうち、磁極層16の第1の部分の上面が形成される領域以外の領域を覆っている。次に、マスク35を用いて、例えばイオンビームエッチングによって磁性層16Pの一部をエッチングする。これにより、磁性層16Pの上面に、磁極層16の第1の部分の上面が形成されて、磁性層16Pが磁極層16となる。このエッチングは、媒体対向面30に配置される磁極層16の端面における第2の辺A2が、形成当初の非磁性金属層13の上面の高さと下面の高さとの間の範囲内の高さの位置に配置されるように行う。従って、非磁性金属層13は、このエッチングの停止位置の基準となる。このように磁性層16Pの一部のエッチングを行うことにより、媒体対向面30における磁極層16の厚みおよびトラック幅を、ほぼ一定になるように制御することができる。これにより、磁極層16の厚みおよびトラック幅を精度よく制御することができる。また、特に、非磁性金属層13の厚みが前述の範囲内における比較的大きい値である場合には、開口部13aの内壁が基板1の上面に対して垂直になっていることが好ましい。次に、マスク35を除去する。また、上記のエッチングでは、同時に、接続層31a,31bの上面が露出するように、研磨停止層15、非磁性膜14および非磁性金属層13をエッチングする。
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、例えばスパッタ法によって、積層体の上面全体の上に非磁性膜17を形成する。次に、非磁性膜17の一部をエッチングして、非磁性膜17をパターニングする。次に、積層体の上面全体の上に、ギャップ層18を形成する。ギャップ層18は、例えば、スパッタ法またはCVDによって形成される。CVDを用いてギャップ層18を形成する場合には、特にALCVDを用いることが好ましい。また、ALCVDを用いてギャップ層18を形成する場合には、ギャップ層18の材料としては、特にアルミナが好ましい。ALCVDを用いて形成されるギャップ層18は、ステップカバレージがよい。従って、ALCVDを用いてギャップ層18を形成することにより、平坦ではない面の上に均質なギャップ層18を形成することができる。次に、ギャップ層18の一部をエッチングしてギャップ層18をパターニングする。
次に、ギャップ層18の上に第1層20Aを形成すると共に、ギャップ層18の開口部が形成された位置において磁極層16の上にヨーク層20Bを形成する。第1層20Aとヨーク層20Bは、フレームめっき法によって形成してもよいし、スパッタ法によって磁性層を形成した後、この磁性層を選択的にエッチングすることによって形成してもよい。また、例えばフレームめっき法によって、接続層31a,31bの上にそれぞれ接続層32a,32bを形成する。なお、第1層20Aおよびヨーク層20Bの形成と、接続層32a,32bの形成は、どちらを先に行ってもよい。また、第1層20Aおよびヨーク層20Bの材料と接続層32a,32bの材料を同じものとして、第1層20A、ヨーク層20Bおよび接続層32a,32bを同時に形成してもよい。
次に、積層体の上面全体の上に、非磁性層21を形成する。次に、例えばCMPによって、第1層20A、ヨーク層20Bおよび接続層32a,32bが露出するまで非磁性層21を研磨して、第1層20A、ヨーク層20B、接続層32a,32bおよび非磁性層21の上面を平坦化する。
図11は、次の工程を示す。この工程では、まず、ヨーク層20Bおよび非磁性層21の上面のうち、コイル23が配置される領域の上に絶縁層22を形成する。なお、絶縁層22は、接続層32a,32bの上面は覆わないように形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、コイル23の少なくとも一部が絶縁層22の上に配置されるように、コイル23を形成する。このとき、コイル23の接続部23a,23bは、接続層32a,32bの上面の上に配置されて、接続層32a,32bに接続される。次に、例えばフレームめっき法によって、第2層20Cおよび連結層20Dを形成する。なお、第2層20Cおよび連結層20Dを形成した後に、コイル23を形成してもよい。
次に、コイル23の巻線間およびコイル23の周囲に、例えばフォトレジストよりなる絶縁層24を選択的に形成する。次に、積層体の上面全体の上に絶縁層25を形成する。次に、例えばCMPによって、第2層20C、連結層20Dおよびコイル23が露出するまで絶縁層25を研磨して、第2層20C、連結層20D、コイル23および絶縁層24,25の上面を平坦化する。
図12は、次の工程を示す。この工程では、まず、コイル23および絶縁層24,25の上に絶縁層26を形成する。なお、絶縁層26は、コイル23の接続部23a,23bの上面は覆わないように形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、第3層20Eを形成して、シールド層20を完成させる。また、例えばフレームめっき法によって、それぞれ接続部23a,23bに接続されるようにリード層33a,33bを形成する。なお、第3層20Eの形成と、リード層33a,33bの形成は、どちらを先に行ってもよい。また、第3層20Eの材料とリード層33a,33bの材料を同じものとして、第3層20Eとリード層33a,33bを同時に形成してもよい。
次に、積層体の上面全体を覆うように保護層27を形成する。次に、保護層27の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面30の研磨、浮上用レールの作製等を行って、磁気ヘッドが完成する。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの作用および効果について説明する。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。記録ヘッドにおいて、コイル9,23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。磁極層16およびシールド層20は、コイル9,23が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。磁極層16は、コイル9,23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。
シールド層20は、磁気ヘッドの外部から磁気ヘッドに印加された外乱磁界を取り込む。これにより、外乱磁界が磁極層16に集中して取り込まれることによって記録媒体に対して誤った記録が行なわれることを防止することができる。
また、本実施の形態では、媒体対向面30において、シールド層20の端面は、磁極層16の端面に対して、ギャップ層18による所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置は、媒体対向面30における磁極層16のギャップ層18側の端部の位置によって決まる。シールド層20は、磁極層16の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側において、磁極層16の媒体対向面30側の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込むことにより、この磁束が記録媒体に達することを阻止する。これにより、記録媒体に既に記録されているビットパターンにおける磁化の方向が上記磁束の影響によって変化することを防止することができる。これにより、本実施の形態によれば、線記録密度を向上させることができる。また、シールド層20は、磁極層16の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。
また、中間磁性層82も、磁極層16の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能を有している。また、この中間磁性層82とコイル9は、磁極層16の端面に対して記録媒体の進行方向Tの後側において、磁極層16の媒体対向面30側の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込むことにより、この磁束が記録媒体に達することを抑制する。
このように、本実施の形態では、磁極層16の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側と後側の両方において、磁束の広がりを抑制することができると共に、漏れ磁束が記録媒体に達することを抑制することができる。これにより、本実施の形態によれば、広範囲隣接トラック消去の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、図2に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層16の端面の幅は、第1の辺A1に近づくに従って小さくなっている。これにより、本実施の形態によれば、スキューに起因した問題の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、非磁性材料よりなる収容層12の溝部12a内に、非磁性膜14および研磨停止層15を介して磁極層16が配置される。そのため、磁極層16の幅は溝部12aの幅よりも小さくなる。これにより、溝部12aを容易に形成することが可能になると共に、磁極層16の幅、特にトラック幅を規定するトラック幅規定部16Aの上面の幅を容易に小さくすることが可能になる。従って、本実施の形態によれば、フォトリソグラフィによって形成可能なトラック幅の下限値よりも小さなトラック幅を、容易に実現でき、且つ正確に制御することができる。
また、本実施の形態では、磁極層16を挟む位置に配置されたコイル9,23が電気的に並列に接続されている。そのため、本実施の形態によれば、コイル9,23毎に電流の値を調整することが可能になる。
本実施の形態において、コイル9とコイル23は、互いに異なる抵抗値を有していてもよい。これにより、コイル9に流れる電流の値とコイル23に流れる電流の値とを異ならせることができる。コイル9とコイル23の抵抗値を異ならせる方法としては、例えば、コイル9とコイル23の断面積や巻線の長さを異ならせる方法や、コイル9とコイル23を互いに異なる抵抗率を有する異なる材料によって形成する方法や、これらを併用する方法がある。
ここで、コイル23の抵抗値をコイル9の抵抗値よりも小さくする場合におけるコイル9,23の断面における寸法と、コイル9,23の抵抗値の比の一例を挙げる。なお、この例では、コイル9,23は、同じ材料によって形成されている。この例では、コイル9の巻線のうち最も幅が小さい部分の断面の形状を、幅が0.7μm、高さが1.0μmの矩形とする。また、この例では、コイル23の巻線のうち最も幅が小さい部分の断面の形状を、幅が1.3μm、高さが2.0μmの矩形とする。なお、コイル9,23の各抵抗値は、上記の断面の形状の他に、巻線の長さや、最も幅が小さい部分以外の部分の断面の形状等にも依存する。この例では、コイル23の抵抗値をコイル9の抵抗値の1/3とする。この場合、コイル23に流れる電流の値は、コイル9に流れる電流の値の3倍になる。
また、本実施の形態において、コイル9とコイル23は、等しい抵抗値を有していてもよい。この場合には、コイル9とコイル23の断面積や巻線の長さを等しくして、コイル9とコイル23を同じ材料によって形成することができる。
本実施の形態では、特に、コイル23の抵抗値はコイル9の抵抗値よりも小さいことが好ましい。それは、磁極層16より発生される記録磁界は、主にコイル23が発生する磁界に基づくからである。これに対し、コイル9の主な機能は、磁極層16の端面に対して記録媒体の進行方向Tの後側において、磁束の広がりを抑制すると共に、漏れ磁束が記録媒体に達することを抑制することである。そのため、コイル9の起磁力は、コイル23の起磁力よりも小さくてもよい。コイル23の抵抗値をコイル9の抵抗値よりも小さくすることにより、コイル23に流れる電流の値は、コイル9に流れる電流の値よりも大きくなる。これにより、十分な記録磁界を発生させるために必要な電流をコイル23に流しながら、コイル9に流れる電流を小さくしてコイル9の起磁力を小さくすることができる。
また、本実施の形態では、コイル23の抵抗値をコイル9の抵抗値よりも小さくすることにより、コイル23の起磁力を一定にして比較すると、コイル9とコイル23が直列に接続されている場合よりも、2つのコイル9,23の発熱量の合計を小さくすることができる。その結果、本実施の形態によれば、2つのコイル9,23が発生する熱によって媒体対向面30が部分的に突出することを抑制することができる。以下、このことを、図13および図14を参照して詳しく説明する。
図13は、本実施の形態におけるコイル9,23の等価回路を示す回路図である。図14は、比較例におけるコイル9,23の等価回路を示す回路図である。本実施の形態ではコイル9,23は並列に接続され、比較例ではコイル9,23は直列に接続されている。ここでは、本実施の形態と比較例のいずれの場合においても、コイル9の抵抗値をRとし、コイル23の抵抗値をRとする。また、本実施の形態において、コイル9に流れる電流の値をIとし、コイル23に流れる電流の値をIとする。また、比較例において、コイル9,23に流れる電流の値をIとする。ここでは、コイル23の起磁力を一定にして比較するために、本実施の形態と比較例とで、コイル23に流れる電流の値は等しいものとする。すなわち、ここでは、I=Iとする。
本実施の形態におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量を、それぞれQ1P,Q2Pとする。また、本実施の形態におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計をQpとする。また、比較例におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量を、それぞれQ1S,Q2Sとする。また、比較例におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計をQsとする。ジュールの法則から、各発熱量は、以下のように表される。
1P=I
2P=I =I
Qp=Q1P+Q2P=I +I
1S=I
2S=I
Qs=Q1S+Q2S=I+I
従って、本実施の形態における発熱量Qpと比較例における発熱量Qsとの差Qp−Qsは、以下の(1)式で表される。
Qp−Qs=I −I …(1)
ここで、本実施の形態の場合には、コイル9の両端の電圧とコイル23の両端の電圧は等しいことから、I=IRが成り立つ。よって、I=IR/Rが得られる。これを(1)式に代入すると、以下の(2)式が得られる。
Qp−Qs=I /R−I
=I(R −R )/R …(2)
(2)式から、R>Rのときは、Qp−Qs<0となることが分かる。すなわち、本実施の形態において、コイル23の抵抗値Rをコイル9の抵抗値Rよりも小さくすることにより、コイル23の起磁力を一定にして比較すると、コイル9とコイル23が直列に接続されている場合よりも、2つのコイル9,23の発熱量の合計は小さくなる。
次に、本実施の形態と比較例とで、2つのコイル9,23の全体に流れる電流を一定にして、コイル9,23の発熱量の合計について比較する。ここでは、本実施の形態において、コイル9に流れる電流の値Iとコイル23に流れる電流の値Iの和をIとする。また、本実施の形態におけるコイル9,23の合成抵抗の値をRとし、コイル9,23の両端の電圧の値をVとする。この場合、RとVは、それぞれ以下の式で表される。
R=R/(R+R
V=IR=IR/(R+R
従って、本実施の形態において、コイル9に流れる電流の値Iとコイル23に流れる電流の値Iは、それぞれ以下の式で表される。
=V/R=IR/(R+R
=V/R=IR/(R+R
従って、本実施の形態において、コイル9,23の単位時間当たりの発熱量Q1P,Q2Pは、それぞれ以下の式で表される。
1P=I =I /(R+R
2P=I =I /(R+R
これにより、本実施の形態におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計Qpは、以下の(3)式で表される。
=Q1P+Q2P
=I(R+R)/(R+R
=I/(R+R) …(3)
一方、比較例におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計Qsは、以下の(4)式で表される。
=I+I
=I(R+R) …(4)
ここで、(3)式と(4)式から、以下のようにしてQ/Qを求める。
/Q=R/(R+R
=R/(R +2R+R
ここで、R<(R +2R+R )が成り立つことから、Q/Q<1が成り立つ。すなわち、2つのコイル9,23の全体に流れる電流を一定にして比較すると、RとRの大小関係に関わらず、本実施の形態におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計Qpは、比較例におけるコイル9,23の単位時間当たりの発熱量の合計Qsよりも小さくなる。例えば、RとRが等しい場合には、Q/Qの値は、1/4になる。このように、本実施の形態によれば、2つのコイル9,23の全体に流れる電流を一定にして比較すると、コイル9とコイル23が直列に接続されている場合よりも、2つのコイル9,23の発熱量の合計は小さくなる。その結果、本実施の形態によれば、2つのコイル9,23が発生する熱によって媒体対向面30が部分的に突出することを抑制することができる。
なお、2つのコイル9,23の全体に流れる電流を一定にする場合、Rが大きくなるほど、コイル23の起磁力が小さくなるため、RはR以下であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、第1のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向と第2のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向を同じ方向とし、第1のコイルの中心側接続部と第2のコイルの外側接続部とを電気的に接続し、第1のコイルの外側接続部と第2のコイルの中心側接続部とを電気的に接続してもよい。
また、実施の形態では、磁極層の少なくとも一部を、収容層12の溝部12a内に形成している。しかし、本発明における磁極層は、このような方法で形成されたものに限らず、他の方法で形成されたものであってもよい。例えば、磁性層をエッチングによってパターニングして磁極層を形成してもよいし、フレームめっき法によって磁極層を形成してもよい。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドにおける2つのコイルの外側接続部の近傍を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドにおける第1のコイルの平面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドにおける第2のコイルの平面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドにおける第1のコイルおよび第2のコイルを示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 図7に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図8に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図9に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図10に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図11に示した工程に続く工程を示す説明図である。 本実施の形態における2つのコイルの等価回路を示す回路図である。 比較例における2つのコイルの等価回路を示す回路図である。 シールド型ヘッドの一例における主要部を示す断面図である。
符号の説明
9…第1のコイル、16…磁極層、18…ギャップ層、20…シールド層、23…第2のコイル、30…媒体対向面。

Claims (4)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層と、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記媒体対向面から離れた位置において前記磁極層に連結されたシールド層と、
    非磁性材料よりなり、前記磁極層とシールド層との間に設けられたギャップ層と、
    前記シールド層との間で前記磁極層を挟む位置に配置された磁性層とを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、
    前記媒体対向面において、前記シールド層の前記端面は、前記磁極層の前記端面に対して、前記ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置され、
    前記第1および第2のコイルは、前記磁極層を挟む位置に配置され、電気的に並列に接続され、且つ前記第2のコイルの少なくとも一部は、前記磁極層とシールド層との間に、前記磁極層およびシールド層に対して絶縁された状態で配置され、
    前記磁性層は、前記磁極層との間で前記第1のコイルを挟む位置に配置され、前記磁極層に連結されておらず、
    前記第2のコイルの抵抗値は、前記第1のコイルの抵抗値よりも小さいことを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  2. 前記第1および第2のコイルは、互いに異なる抵抗率を有する異なる材料によって形成されていることを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  3. 前記第1および第2のコイルは、いずれも平面渦巻き形状をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  4. 前記第1および第2のコイルは、いずれも中心側接続部と、その反対側の外側接続部とを有し、前記第1のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向と前記第2のコイルにおける外側接続部から中心側接続部に向けての回転方向は互いに反対方向であり、前記第1のコイルの中心側接続部と前記第2のコイルの中心側接続部とが電気的に接続され、前記第1のコイルの外側接続部と前記第2のコイルの外側接続部とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
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