JP4364255B2 - 垂直磁気記録用磁気ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録方式によって記録媒体に情報を記録するために用いられる垂直磁気記録用磁気ヘッドに関する。
磁気記録再生装置における記録方式には、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがある。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密度を実現することが可能であると言われている。
一般的に、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、長手磁気記録用の磁気ヘッドと同様に、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッドと、書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッドとを、基板上に積層した構造のものが用いられる。記録ヘッドは、記録媒体の面に対して垂直な方向の磁界を発生する磁極層を備えている。
垂直磁気記録方式において、記録密度の向上に寄与するのは、主に、記録媒体の改良と記録ヘッドの改良である。高記録密度化のために記録ヘッドに要求されることは、特に、トラック幅の縮小と、記録特性の向上である。一方、トラック幅が小さくなると、記録特性、例えば重ね書きの性能を表わすオーバーライト特性は低下する。従って、トラック幅が小さくなるほど、記録特性の一層の向上が必要となる。
ところで、ハードディスク装置等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、一般的に、スライダに設けられる。スライダは、記録媒体に対向する媒体対向面を有している。この媒体対向面は、空気流入側の端部と空気流出側の端部とを有している。そして、空気流入側の端部から媒体対向面と記録媒体との間に流入する空気流によって、スライダは記録媒体の表面からわずかに浮上するようになっている。このスライダにおいて、一般的に、磁気ヘッドは媒体対向面における空気流出側の端部近傍に配置される。磁気ディスク装置において、磁気ヘッドの位置決めは、例えばロータリーアクチュエータによって行なわれる。この場合、磁気ヘッドは、ロータリーアクチュエータの回転中心を中心とした円軌道に沿って記録媒体上を移動する。このような磁気ディスク装置では、磁気ヘッドのトラック横断方向の位置に応じて、スキューと呼ばれる、円形のトラックの接線に対する磁気ヘッドの傾きが生じる。
特に、長手磁気記録方式に比べて記録媒体への書き込み能力が高い垂直磁気記録方式の磁気ディスク装置では、上述のスキューが生じると、あるトラックへの情報の書き込み時に隣接トラックの情報が消去される現象(以下、隣接トラック消去と言う。)が生じたり、隣り合う2つのトラックの間において不要な書き込みが行なわれたりするという問題が生じる。高記録密度化のためには、隣接トラック消去を抑制する必要がある。また、隣り合う2つのトラックの間における不要な書き込みは、磁気ヘッドの位置決め用のサーボ信号の検出や再生信号の信号対雑音比に悪影響を及ぼす。
上述のようなスキューに起因した問題の発生を防止する技術としては、例えば特許文献1に記載されているように、媒体対向面における磁極層の端面の形状を、記録媒体の進行方向の後側(スライダにおける空気流入端側)に配置される辺が反対側の辺よりも短い形状とする技術が知られている。
また、垂直磁気記録用の磁気ヘッドとしては、例えば特許文献2に記載されているように、磁極層とシールドとを備えた磁気ヘッドも知られている。この磁気ヘッドでは、媒体対向面において、シールドの端面は、磁極層の端面に対して、所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置されている。以下、このような磁気ヘッドをシールド型ヘッドと呼ぶ。このシールド型ヘッドにおいて、シールドは、磁極層の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。また、シールドは、磁極層の端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。このシールド型ヘッドによれば、線記録密度のより一層の向上が可能になる。
また、特許文献3には、磁極層となる中央の磁性層に対する記録媒体の進行方向の前側と後側にそれぞれ磁性層を設け、中央の磁性層と前側の磁性層との間と、中央の磁性層と後側の磁性層との間に、それぞれコイルを配置した構造の磁気ヘッドが記載されている。この磁気ヘッドによれば、中央の磁性層の媒体対向面側の端部より発生される磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分を大きくすることができる。
また、特許文献4には、磁極層となる主磁極に対する記録媒体の進行方向の前側と後側にそれぞれリターン磁極を設け、主磁極と前側のリターン磁極との間と、主磁極と後側のリターン磁極との間に、それぞれコイルを配置した構造の磁気ヘッドが記載されている。この磁気ヘッドは、主磁極におけるトラック幅方向の両側に配置され、2つのリターン磁極を接続する2つのサイドシールドを備えている。
米国特許第6,504,675B1号明細書 米国特許第4,656,546号明細書 米国特許第4,672,493号明細書 米国特許第6,954,340B2号明細書
ここで、図37を参照して、シールド型ヘッドの基本的な構成について説明する。図37は、シールド型ヘッドの一例における主要部を示す断面図である。このシールド型ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面100と、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生するコイル101と、媒体対向面100に配置された端部を有し、コイル101によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する磁極層102と、媒体対向面100に配置された端部を有し、媒体対向面100から離れた位置において磁極層102に連結されたシールド層103と、磁極層102とシールド層103との間に設けられたギャップ層104と、コイル101を覆う絶縁層105とを備えている。磁極層102の周囲には絶縁層106が配置されている。また、シールド層103は、保護層107によって覆われている。
媒体対向面100において、シールド層103の端部は、磁極層102の端部に対して、ギャップ層104の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。コイル101の少なくとも一部は、磁極層102とシールド層103との間に、磁極層102およびシールド層103に対して絶縁された状態で配置されている。
コイル101は、銅等の導電性の材料によって形成されている。磁極層102およびシールド層103は磁性材料によって形成されている。ギャップ層104は、アルミナ(Al23)等の絶縁材料によって形成されている。絶縁層105は、例えばフォトレジストによって形成されている。
図37に示したヘッドでは、磁極層102の上にギャップ層104が配置され、ギャップ層104の上にコイル101が配置されている。コイル101は、絶縁層105によって覆われている。絶縁層105の媒体対向面100側の端部は、媒体対向面100から離れた位置に配置されている。絶縁層105の媒体対向面100側の端部から媒体対向面100までの領域において、シールド層103はギャップ層104を介して磁極層102と対向している。磁極層102とシールド層103がギャップ層104を介して対向する部分の、媒体対向面100側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)THは、スロートハイトと呼ばれる。このスロートハイトTHは、媒体対向面100において磁極層102から発生される磁界の強度や分布に影響を与える。
図37に示したヘッドによって記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置は、媒体対向面100に配置された磁極層102の端面のうち、記録媒体の進行方向Tの前側に配置された端部の位置によって決まる。シールド層103は、磁極層102の端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側において、磁極層102の端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込むことにより、この磁束が記録媒体に達することを阻止する。これにより、記録媒体に既に記録されているビットパターンにおける磁化の方向が上記磁束の影響によって変化することを防止することができる。
例えば図37に示したようなシールド型ヘッドにおいて、オーバーライト特性を向上させるためには、スロートハイトTHを小さくすることが好ましい。スロートハイトTHの値としては、例えば0.1〜0.3μmが要求される。このようにスロートハイトTHの値として小さな値が要求される場合、図37に示したヘッドでは、以下のような問題が発生する。
すなわち、図37に示したヘッドでは、その使用時に、コイル101が発生する熱によって絶縁層105が膨張し、その結果、シールド層103の媒体対向面100側の端部が突出するおそれがある。特にスロートハイトTHが小さい場合には、シールド層103のうちの絶縁層105と媒体対向面100との間に存在する部分が薄くなっているため、シールド層103の媒体対向面100側の端部が突出しやすくなる。ヘッドの使用時におけるシールド層103の端部の突出は、スライダと記録媒体との衝突を生じやすくする。
特許文献3や特許文献4に記載されているように、磁極層を挟むように配置された2つのコイルを備えた磁気ヘッドによれば、2つのコイルのそれぞれの発熱量を、コイルが1つしか設けられていない磁気ヘッドにおけるコイルの発熱量に比べて少なくすることが可能になる。
しかし、特許文献3に記載された磁気ヘッドや特許文献4に記載された磁気ヘッドでは、以下のような問題点がある。まず、特許文献3に記載された磁気ヘッドでは、媒体対向面から離れた位置において、中央の磁性層の上面に前側の磁性層が接続され、中央の磁性層の下面に後側の磁性層が接続されている。そして、中央の磁性層と前側の磁性層との界面と、中央の磁性層と後側の磁性層との界面は、互いに対向している。そのため、この磁気ヘッドでは、上記の2つの界面の間の領域において、前側の磁性層から中央の磁性層に流入した磁束の流れる方向と、後側の磁性層から中央の磁性層に流入した磁束の流れる方向は、ほぼ反対方向となる。そのため、この磁気ヘッドでは、中央の磁性層内において、前側の磁性層から中央の磁性層に流入した磁束と、後側の磁性層から中央の磁性層に流入した磁束とが反発して、中央の磁性層における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。
また、特許文献4に記載された磁気ヘッドでは、媒体対向面から離れた位置において、主磁極の上面に第1の磁気スタッドを介して前側のリターン磁極が接続され、主磁極の下面に第2の磁気スタッドを介して後側のリターン磁極が接続されている。そして、主磁極と第1の磁気スタッドとの界面と、主磁極と第2の磁気スタッドとの界面は、互いに対向する位置に配置されている。そのため、この磁気ヘッドでは、上記の2つの界面の間の領域において、前側のリターン磁極から第1の磁気スタッドを介して主磁極に流入した磁束の流れる方向と、後側のリターン磁極から第2の磁気スタッドを介して主磁極に流入した磁束の流れる方向は、ほぼ反対方向となる。そのため、この磁気ヘッドでは、主磁極内において、前側のリターン磁極から第1の磁気スタッドを介して主磁極に流入した磁束と、後側のリターン磁極から第2の磁気スタッドを介して主磁極に流入した磁束とが反発して、主磁極における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、記録磁界を発生する磁性層と、この磁性層を挟む位置に配置された2つのコイルとを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、磁性層における磁束密度が低下することを防止できるようにした垂直磁気記録用磁気ヘッドを提供することにある。
本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する記録用磁性層と、
記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて、媒体対向面から離れた位置において記録用磁性層に接続され、第1のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第1の磁束集中用磁性層と、
記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて、媒体対向面から離れた位置において記録用磁性層に接続され、第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第2の磁束集中用磁性層とを備えている。
第1の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第1のコイルは、第1の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面を中心として巻回されている。第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第2のコイルは、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面を中心として巻回されている。第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面は、第1の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面と重ならない位置に配置されている。これにより、第1の磁束集中用磁性層から記録用磁性層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層から記録用磁性層に流入する磁束とが反発することが抑制される。
本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、記録用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有する磁極層と、媒体対向面から離れた位置において磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置され且つ磁極層に接続されたヨーク層とを有していてもよい。この場合、第1の磁束集中用磁性層は磁極層に接続され、第2の磁束集中用磁性層はヨーク層に接続される。
また、本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、記録用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有する磁極層と、媒体対向面から離れた位置において磁極層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置され且つ磁極層に接続されたヨーク層とを有していてもよい。この場合、第1の磁束集中用磁性層はヨーク層に接続され、第2の磁束集中用磁性層は磁極層に接続される。
また、本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第2の磁束集中用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有し、第2のコイルの一部は、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有していてもよい。
また、本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、媒体対向面に配置された端面を有し、記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されたシールド層と、非磁性材料よりなり、記録用磁性層とシールド層との間に設けられたギャップ層とを備えていてもよい。この場合、媒体対向面において、シールド層の端面は、記録用磁性層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置される。また、記録用磁性層の端面は、ギャップ層に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定する。この場合、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有し、垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、記録用磁性層に接触せずにシールド層と第1の磁束集中用磁性層とを連結する連結部を備えていてもよい。
本発明の第2または第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、
記録媒体に対向する媒体対向面と、
記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
媒体対向面に配置された端面を有し、第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する記録用磁性層と、
記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて、媒体対向面から離れた位置において記録用磁性層に接続され、第1のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第1の磁束集中用磁性層と、
記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて、媒体対向面から離れた位置において記録用磁性層に接続され、第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第2の磁束集中用磁性層とを備えている。
本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、記録用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有する磁極層と、媒体対向面から離れた位置において磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置され且つ磁極層に接続されたヨーク層とを有している。第1の磁束集中用磁性層は磁極層に接続されている。第2の磁束集中用磁性層はヨーク層に接続されている。第1の磁束集中用磁性層と磁極層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第1のコイルは、第1の磁束集中用磁性層と磁極層との界面を中心として巻回されている。第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第2のコイルは、第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面を中心として巻回されている。
本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備えている。非磁性層の少なくとも一部は、第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。ヨーク層は、少なくとも、非磁性層よりも媒体対向面に近い位置において、磁極層に接続されている。これにより、第1の磁束集中用磁性層から磁極層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層からヨーク層に流入する磁束とが反発することが抑制される。
本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第2の磁束集中用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有し、第2のコイルの一部は、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有していてもよい。
また、本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、媒体対向面に配置された端面を有し、磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されたシールド層と、非磁性材料よりなり、磁極層とシールド層との間に設けられたギャップ層とを備えていてもよい。この場合、媒体対向面において、シールド層の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置される。また、磁極層の端面は、ギャップ層に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定する。この場合、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有し、垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、記録用磁性層に接触せずにシールド層と第1の磁束集中用磁性層とを連結する連結部を備えていてもよい。
本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、記録用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有する磁極層と、媒体対向面から離れた位置において磁極層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置され且つ磁極層に接続されたヨーク層とを有している。第1の磁束集中用磁性層はヨーク層に接続されている。第2の磁束集中用磁性層は磁極層に接続されている。第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第1のコイルは、第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面を中心として巻回されている。第2の磁束集中用磁性層と磁極層との界面に対して垂直な方向から見たときに、第2のコイルは、第2の磁束集中用磁性層と磁極層との界面を中心として巻回されている。
本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備えている。非磁性層の少なくとも一部は、第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。ヨーク層は、少なくとも、非磁性層よりも媒体対向面に近い位置において、磁極層に接続されている。これにより、第1の磁束集中用磁性層からヨーク層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層から磁極層に流入する磁束とが反発することが抑制される。
本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第2の磁束集中用磁性層は、媒体対向面に配置された端面を有し、第2のコイルの一部は、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との間に配置されていてもよい。
また、本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドにおいて、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有していてもよい。
また、本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、媒体対向面に配置された端面を有し、磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されたシールド層と、非磁性材料よりなり、磁極層とシールド層との間に設けられたギャップ層とを備えていてもよい。この場合、媒体対向面において、シールド層の端面は、磁極層の端面に対して、ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置される。また、磁極層の端面は、ギャップ層に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定する。この場合、第1の磁束集中用磁性層は、記録用磁性層との間で第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有し、垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、記録用磁性層に接触せずにシールド層と第1の磁束集中用磁性層とを連結する連結部を備えていてもよい。
本発明の第1の垂直磁気記録用磁気ヘッドでは、第2の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面は、第1の磁束集中用磁性層と記録用磁性層との界面と重ならない位置に配置されている。これにより、本発明によれば、第1の磁束集中用磁性層から記録用磁性層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層から記録用磁性層に流入する磁束とが反発することを抑制することができる。その結果、本発明によれば、記録用磁性層における磁束密度が低下することを防止することができるという効果を奏する。
本発明の第2の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備え、この非磁性層の少なくとも一部は、第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。ヨーク層は、少なくとも、非磁性層よりも媒体対向面に近い位置において、磁極層に接続されている。これにより、本発明によれば、第1の磁束集中用磁性層から磁極層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層からヨーク層に流入する磁束とが反発することを抑制することができる。その結果、本発明によれば、記録用磁性層における磁束密度が低下することを防止することができるという効果を奏する。
本発明の第3の垂直磁気記録用磁気ヘッドは、磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備え、この非磁性層の少なくとも一部は、第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。ヨーク層は、少なくとも、非磁性層よりも媒体対向面に近い位置において、磁極層に接続されている。これにより、本発明によれば、第1の磁束集中用磁性層からヨーク層に流入する磁束と第2の磁束集中用磁性層から磁極層に流入する磁束とが反発することを抑制することができる。その結果、本発明によれば、記録用磁性層における磁束密度が低下することを防止することができるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成について説明する。図1は本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。なお、記号Tで示す矢印の意味は、他の図においても同様である。図2は本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図3は本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッドにおける磁極層を示す平面図である。
図1および図2に示したように、本実施の形態に係る垂直磁気記録用磁気ヘッド(以下、単に磁気ヘッドと記す。)は、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この基板1の上に配置されたアルミナ(Al23)等の絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シールド層3の上に配置された絶縁膜である下部シールドギャップ膜4と、この下部シールドギャップ膜4の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子5の上に配置された絶縁膜である上部シールドギャップ膜6と、この上部シールドギャップ膜6の上に配置された磁性材料よりなる上部シールド層7とを備えている。
MR素子5の一端部は、記録媒体に対向する媒体対向面30に配置されている。MR素子5には、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。
下部シールド層3から上部シールド層7までの部分は、再生ヘッドを構成する。磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、上部シールド層7の上に配置された非磁性層8と、非磁性層8の上に配置された記録ヘッドとを備えている。非磁性層8は、例えばアルミナによって形成されている。
記録ヘッドは、第1のコイル11と、第2のコイル23と、記録用磁性層18と、第1の磁束集中用磁性層9と、第2の磁束集中用磁性層20と、ギャップ層19とを備えている。第1のコイル11および第2のコイル23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。
記録用磁性層18は、媒体対向面30に配置された端面を有し、コイル11,23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する。記録用磁性層18は、媒体対向面30に配置された端面を有する磁極層18Aと、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置され且つ磁極層18Aに接続された上部ヨーク層18Bとを有している。
第1の磁束集中用磁性層9は、記録用磁性層18に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置されて、媒体対向面30から離れた位置において記録用磁性層18の磁極層18Aに接続され、第1のコイル11によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる。磁束集中用磁性層9は、媒体対向面30に配置された端面を有する第1層9Aと、媒体対向面30から離れた位置において第1層9Aの上面に接続された第2層9Bとを有している。第2層9Bの上面は、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aの下面に接続されている。
第2の磁束集中用磁性層20は、記録用磁性層18に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されて、媒体対向面30から離れた位置において記録用磁性層18の上部ヨーク層18Bに接続され、第2のコイル23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる。磁束集中用磁性層20は、媒体対向面30に配置された端面を有する第1層20Aと、媒体対向面30に配置された端面を有し、第1層20Aの上面に接続されていると共に、媒体対向面30から離れた位置において上部ヨーク層18Bの上面に接続された第2層20Bとを有している。
磁束集中用磁性層9,20を構成する各層は、いずれも磁性材料によって形成されている。これらの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、第1層9Aの上において第2層9Bの周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層10を備えている。絶縁層10は、例えばアルミナによって形成されている。第1のコイル11は、絶縁層10の上に配置されている。コイル11は、平面渦巻き形状をなしている。また、コイル11は、銅等の導電材料によって形成されている。第1の磁束集中用磁性層9と記録用磁性層18との界面すなわち第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1に対して垂直な方向(図1における上方または下方)から見たときに、コイル11は界面S1を中心として巻回されている。
磁気ヘッドは、更に、コイル11の巻線間および周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層12と、絶縁層12および第2層9Bの周囲に配置された絶縁層13とを備えている。第2層9B、コイル11および絶縁層12,13の上面は平坦化されている。絶縁層12は、例えばフォトレジストによって形成されている。絶縁層13は、例えばアルミナによって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、平坦化された第2層9B、コイル11および絶縁層12,13の上面の上に配置された非磁性材料よりなる収容層14を備えている。収容層14は、上面で開口し、磁極層18Aの少なくとも一部を収容する溝部14aを有している。溝部14aの底部には、第2層9Bの上面の位置においてコンタクトホールが形成されている。収容層14の材料としては、例えば、アルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)等の絶縁材料でもよいし、Ru、Ta、Mo、Ti、W、NiCu、NiB、NiP等の非磁性金属材料でもよい。
磁気ヘッドは、更に、非磁性金属材料よりなり、収容層14の上面の上に配置された非磁性金属層15を備えている。非磁性金属層15は、貫通する開口部15aを有し、この開口部15aの縁は、収容層14の上面における溝部14aの縁の真上に配置されている。非磁性金属層15の材料としては、例えば、Ta、Mo、W、Ti、Ru、Rh、Re、Pt、Pd、Ir、NiCr、NiP、NiB、AlCu、WSi、TaSi、TiSi、TiN、TiWのいずれかを用いることができる。
磁気ヘッドは、更に、収容層14の溝部14a内および非磁性金属層15の開口部15a内に配置された非磁性膜16および研磨停止層17を備えている。非磁性膜16は、溝部14aの表面に接するように配置されている。磁極層18Aは、溝部14aの表面から離れるように配置されている。研磨停止層17は、非磁性膜16と磁極層18Aの間に配置されている。非磁性膜16および研磨停止層17にも、第2層9Bの上面の位置においてコンタクトホールが形成されている。そして、溝部14a、非磁性膜16および研磨停止層17に形成されたコンタクトホールを通して、磁極層18Aが第2層9Bに接続されている。
上述のように、磁極層18Aは、収容層14の溝部14a内および非磁性金属層15の開口部15a内に、非磁性膜16および研磨停止層17を介して配置されている。非磁性膜16の厚みは、例えば10〜40nmの範囲内である。しかし、この範囲内に限らず、非磁性膜16の厚みは、トラック幅に応じて任意に設定することができる。研磨停止層17の厚みは、例えば30〜100nmの範囲内である。
非磁性膜16は、非磁性材料によって形成されている。非磁性膜16の材料としては、絶縁材料、半導体材料または導電材料を用いることができる。非磁性膜16の材料としての絶縁材料としては、例えばアルミナ、シリコン酸化物(SiO)、シリコン酸窒化物(SiON)のいずれかを用いることができる。非磁性膜16の材料としての半導体材料としては、例えば多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンを用いることができる。非磁性膜16の材料としての導電材料としては、例えば、非磁性金属層15の材料と同じものを用いることができる。
研磨停止層17は、非磁性材料によって形成されている。研磨停止層17の材料は、非磁性導電材料でもよいし、絶縁材料でもよい。研磨停止層17の材料としての非磁性導電材料としては、例えば、非磁性金属層15の材料と同じものを用いることができる。研磨停止層17の材料としての絶縁材料としては、例えば、シリコン酸化物を用いることができる。
磁極層18Aは、金属磁性材料によって形成されている。磁極層18Aの材料としては、例えば、NiFe、CoNiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
ギャップ層19は、媒体対向面30の近傍において、磁極層18Aの上に配置されている。ギャップ層19は、非磁性材料によって形成されている。ギャップ層19の材料は、アルミナ等の絶縁材料でもよいし、Ru、NiCu、Ta、W、NiB、NiP等の非磁性導電材料でもよい。
磁束集中用磁性層20の第1層20Aは、ギャップ層19の上に配置されている。媒体対向面30において、第1層20Aの端面は、磁極層18Aの端面に対して、ギャップ層19の厚みによる所定の間隔を開けて配置されている。ギャップ層19の厚みは、5〜60nmの範囲内であることが好ましく、例えば30〜60nmの範囲内である。磁極層18Aの端面は、ギャップ層19に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定している。
第1層20Aは、ギャップ層19を介して磁極層18Aに対向する部分を含む中央部分と、この中央部分のトラック幅方向の外側に配置された2つの側方部分とを有していてもよい。媒体対向面30に垂直な方向についての側方部分の最大の長さは、媒体対向面30に垂直な方向についての中央部分の長さよりも大きい。
上部ヨーク層18Bは、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aの上に配置されて、磁極層18Aに接続されている。磁気ヘッドは、更に、第1層20Aと上部ヨーク層18Bの周囲に配置された非磁性材料よりなる非磁性層21を備えている。非磁性層21は、例えばアルミナによって形成されている。第1層20A、上部ヨーク層18Bおよび非磁性層21の上面は平坦化されている。
磁気ヘッドは、更に、平坦化された上部ヨーク層18Bおよび非磁性層21の上面の一部の上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層22を備えている。絶縁層22は、例えばアルミナによって形成されている。第2のコイル23は、絶縁層22の上に配置されている。コイル23は、平面渦巻き形状をなしている。また、コイル23は、銅等の導電材料によって形成されている。
磁気ヘッドは、更に、コイル23の巻線間および周囲に配置された絶縁材料よりなる絶縁層24を備えている。絶縁層24は、例えばフォトレジストによって形成されている。第2層20Bは、第1層20Aと上部ヨーク層18Bとを連結するように配置されている。また、第2層20Bの一部は、絶縁層24の上に配置されている。第2の磁束集中用磁性層20と記録用磁性層18との界面すなわち第2層20Bと上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向(図1における上方または下方)から見たときに、コイル23は界面S2を中心として巻回されている。また、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、界面S1よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されている。
コイル23の一部は、磁束集中用磁性層20の第2層20Bと記録用磁性層18のヨーク層18Bとの間に配置されている。
磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、第2層20Bを覆うように配置された保護層25を備えている。保護層25は、例えば、アルミナ等の無機絶縁材料によって形成されている。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面30と再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドと記録ヘッドは、基板1の上に積層されている。再生ヘッドは記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配置され、記録ヘッドは記録媒体の進行方向Tの前側(スライダにおける空気流出端側)に配置されている。
再生ヘッドは、再生素子としてのMR素子5と、媒体対向面30側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層7と、MR素子5と下部シールド層3との間に配置された下部シールドギャップ膜4と、MR素子5と上部シールド層7との間に配置された上部シールドギャップ膜6とを備えている。
記録ヘッドは、第1のコイル11と、第2のコイル23と、記録用磁性層18と、第1の磁束集中用磁性層9と、第2の磁束集中用磁性層20と、ギャップ層19とを備えている。記録用磁性層18は、媒体対向面30に配置された端面を有する磁極層18Aと、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置され且つ磁極層18Aに接続された上部ヨーク層18Bとを有している。
第1の磁束集中用磁性層9は、記録用磁性層18に対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置されて、媒体対向面30から離れた位置において記録用磁性層18の磁極層18Aに接続され、第1のコイル11によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる。磁束集中用磁性層9は、媒体対向面30に配置された端面を有する第1層9Aと、媒体対向面30から離れた位置において第1層9Aの上面に接続された第2層9Bとを有している。磁束集中用磁性層9は、記録用磁性層18との間でコイル11の一部を挟む位置に配置された部分、すなわち第1層9Aを有している。磁束集中用磁性層9、特にそのうちの第2層9Bは、コイル11によって発生された磁界に対応する磁束を、そこに集中させる機能を有する。
第2の磁束集中用磁性層20は、記録用磁性層18に対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されて、媒体対向面30から離れた位置において記録用磁性層18の上部ヨーク層18Bに接続され、第2のコイル23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる。磁束集中用磁性層20は、媒体対向面30に配置された端面を有する第1層20Aと、媒体対向面30に配置された端面を有し、第1層20Aの上面に接続されていると共に、媒体対向面30から離れた位置において上部ヨーク層18Bの上面に接続された第2層20Bとを有している。コイル23の一部は、磁束集中用磁性層20の第2層20Bと記録用磁性層18の上部ヨーク層18Bとの間に配置されている。磁束集中用磁性層20、特にその第2層20Bのうちのコイル23の中心部分に配置された部分は、コイル23によって発生された磁界に対応する磁束を、そこに集中させる機能を有する。
第2層20Bと上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されている。
次に、図2および図3を参照して、磁極層18Aの形状について詳しく説明する。図3に示したように、磁極層18Aは、媒体対向面30に配置された端面を有するトラック幅規定部18A1と、このトラック幅規定部18A1よりも媒体対向面30から遠い位置に配置され、トラック幅規定部18A1よりも大きな幅を有する幅広部18A2とを有している。トラック幅規定部18A1は、媒体対向面30からの距離に応じて変化しない幅を有している。幅広部18A2の幅は、例えば、トラック幅規定部18A1との境界位置ではトラック幅規定部18A1の幅と等しく、媒体対向面30から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。本実施の形態では、磁極層18Aのうち、媒体対向面30に配置された端面から、磁極層18Aの幅が大きくなり始める位置までの部分を、トラック幅規定部18A1とする。ここで、媒体対向面30に垂直な方向についてのトラック幅規定部18A1の長さをネックハイトと呼び、記号NHで表す。ネックハイトNHは、例えば0.05〜0.3μmの範囲内である。
図2に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層18Aの端面は、基板1に近い第1の辺A1と、ギャップ層19に隣接する第2の辺A2と、第1の辺A1の一端と第2の辺A2の一端とを結ぶ第3の辺A3と、第1の辺A1の他端と第2の辺A2の他端とを結ぶ第4の辺A4とを有している。第2の辺A2は、トラック幅を規定する。媒体対向面30に配置された磁極層18Aの端面は、ギャップ層19から遠ざかるに従って小さくなる幅を有している。また、第3の辺A3と第4の辺A4がそれぞれ基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度は、例えば、5°〜15°の範囲内とする。第2の辺A2の長さ、すなわちトラック幅は、例えば0.05〜0.20μmの範囲内である。
図1に示したように、本実施の形態において、スロートハイトTHは、媒体対向面30から見て磁極層18Aと磁束集中用磁性層20との間隔が大きくなり始める位置から媒体対向面30までの距離となる。スロートハイトTHは、例えば0.05〜0.3μmの範囲内である。
次に、図4ないし図10を参照して、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。図4ないし図10において、(a)は、磁気ヘッドの製造過程における積層体の、媒体対向面および基板に垂直な断面を示し、(b)は、積層体の、媒体対向面の近傍における媒体対向面に平行な断面を示している。なお、図4ないし図10では、第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aよりも基板1側の部分を省略している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1に示したように、基板1の上に、絶縁層2、下部シールド層3、下部シールドギャップ膜4を順に形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上にMR素子5と、このMR素子5に接続される図示しないリードとを形成する。次に、MR素子5およびリードを、上部シールドギャップ膜6で覆う。次に、上部シールドギャップ膜6の上に、上部シールド層7、非磁性層8、第1層9Aを順に形成する。
図4は、次の工程を示す。この工程では、まず、第1層9Aの上面のうち、コイル11が配置される領域の上に絶縁層10を選択的に形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、絶縁層10の上にコイル11を形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、第1層9Aの上に第2層9Bを形成する。なお、第2層9Bを形成した後に、コイル11を形成してもよい。
次に、コイル11の巻線間およびコイル11の周囲に、例えばフォトレジストよりなる絶縁層12を選択的に形成する。次に、例えばスパッタ法によって、積層体の上面全体の上に、絶縁層13を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって、第2層9Bおよびコイル11が露出するまで絶縁層13を研磨して、第2層9B、コイル11、絶縁層12,13の上面を平坦化する。
図5は、次の工程を示す。この工程では、まず、平坦化されたコイル11および絶縁層12,13の上面の上に、後に溝部14aが形成されることにより収容層14となる非磁性層14Pを形成する。次に、例えばスパッタ法によって、非磁性層14Pの上に、非磁性金属材料よりなる非磁性金属層15を形成する。非磁性金属層15の厚みは、例えば20〜100nmの範囲内である。
次に、非磁性金属層15の上に、例えば1.0μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、このフォトレジスト層をパターニングして、収容層14に溝部14aを形成するためのマスク31を形成する。このマスク31は、溝部14aに対応した形状の開口部を有している。
次に、マスク31を用いて、非磁性金属層15を選択的にエッチングする。これにより、非磁性金属層15に、貫通した開口部15aが形成される。この開口部15aは、後に形成される磁極層18Aの平面形状に対応した形状をなしている。更に、非磁性層14Pのうち非磁性金属層15の開口部15aから露出する部分を選択的にエッチングすることによって、非磁性層14Pに溝部14aを形成する。更に、非磁性層14Pのうち、第2層9Bの上に配置された部分を選択的にエッチングして、溝部14aの底部にコンタクトホールを形成する。次に、マスク31を除去する。溝部14aが形成されることにより、非磁性層14Pは収容層14となる。非磁性金属層15の開口部15aの縁は、収容層14の上面における溝部14aの縁の真上に配置されている。
非磁性金属層15と非磁性層14Pのエッチングは、例えば、反応性イオンエッチングまたはイオンビームエッチングを用いて行われる。非磁性層14Pに溝部14aを形成するためのエッチングの際には、磁極層18Aのトラック幅規定部18A1の両側部に対応する溝部14aの壁面と基板1の上面に垂直な方向に対してなす角度が、例えば5°〜15°の範囲内になるようにする。
図6は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、非磁性膜16を形成する。非磁性膜16は、収容層14の溝部14a内にも形成される。非磁性膜16は、例えば、スパッタ法または化学的気相成長法(以下、CVDと記す。)によって形成される。非磁性膜16の厚みは、精度よく制御することができる。これにより、トラック幅の正確な制御が可能になる。CVDを用いて非磁性膜16を形成する場合には、特に、1原子層毎の成膜を繰り返すCVD、いわゆるアトミックレイヤーCVD(以下、ALCVDと記す。)を用いることが好ましい。この場合には、非磁性膜16の厚みの制御をより精度よく行うことができる。また、ALCVDを用いて非磁性膜16を形成する場合には、非磁性膜16の材料としては、絶縁材料では特にアルミナが好ましく、導電材料では特にTaまたはRuが好ましい。半導体材料を用いて非磁性膜16を形成する場合には、特に、低温(200℃程度)でのALCVDまたは低温での低圧CVDを用いて非磁性膜16を形成することが好ましい。また、非磁性膜16の材料としての半導体材料は、不純物をドープしない多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンであることが好ましい。
次に、積層体の上面全体の上に研磨停止層17を形成する。研磨停止層17は、収容層14の溝部14a内にも形成される。研磨停止層17は、後に行われる研磨工程における研磨の停止位置を示す。なお、非磁性膜16が導電材料よりなる場合には、研磨停止層17を設けずに、非磁性膜16が研磨停止層17の機能を兼ねてもよい。
研磨停止層17の材料が非磁性導電材料の場合には、研磨停止層17は、例えばスパッタ法またはCVDによって形成される。CVDを用いて研磨停止層17を形成する場合には、特にALCVDを用いることが好ましい。ALCVDを用いて非磁性導電材料よりなる研磨停止層17を形成する場合には、研磨停止層17の材料としては、特にTaまたはRuが好ましい。ALCVDを用いて形成される研磨停止層17は、ステップカバレージが非常によい。そのため、ALCVDを用いて研磨停止層17を形成することにより、収容層14の溝部14a内に均質な研磨停止層17を形成することができる。その結果、トラック幅の正確な制御が可能になる。また、ALCVDを用いて研磨停止層17を形成する場合には、トラック幅制御用の非磁性膜16を省くこともできる。
また、ALCVDを用いて非磁性導電材料よりなる研磨停止層17を形成した場合には、磁極層18Aをめっき法で形成する際に用いられる電極層(シード層)の抵抗を低減することができる。これにより、正確な厚みの磁極層18Aを形成することが可能になる。
次に、非磁性膜16および研磨停止層17のうち、第2層9Bの上に配置された部分を選択的にエッチングして、非磁性膜16および研磨停止層17にコンタクトホールを形成する。
図7は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、後に磁極層18Aとなる図示しない磁性層を形成する。この磁性層は、例えば以下のようにして形成される。まず、積層体の上面全体の上に、めっき用の電極層(シード層)の一部となる、図示しない電極膜を形成する。この電極膜は、磁性材料よりなり、後に磁極層18Aの一部となる。電極膜は、例えば、スパッタ法またはイオンビームデポジション法によって形成される。スパッタ法によって電極膜を形成する場合には、コリメーションスパッタやロングスロースパッタを用いることが好ましい。なお、磁性材料よりなる電極膜を形成せずに、研磨停止層17をめっき用の電極層(シード層)として用いてもよい。次に、例えばフレームめっき法によって、電極膜の上にめっき層を形成する。めっき層の厚みは、例えば0.5〜1.0μmである。このめっき層は、磁性材料よりなり、後に磁極層18Aの主要部分となる。めっき層は、その上面が非磁性金属層15、非磁性膜16および研磨停止層17の各上面よりも上方に配置されるように形成される。次に、例えばスパッタ法によって、積層体の上面全体の上に、例えばアルミナよりなる、図示しない被覆層を、例えば0.5〜1.2μmの厚みに形成する。次に、例えばCMPによって、研磨停止層17が露出するまで被覆層および磁性層を研磨して、研磨停止層17および磁性層の上面を平坦化する。CMPによって被覆層および磁性層を研磨する場合には、研磨停止層17が露出した時点で研磨が停止するようなスラリー、例えばアルミナ系のスラリーを用いる。
図8は、次の工程を示す。この工程では、まず、積層体の上面全体の上に、ギャップ層19を形成する。ギャップ層19は、例えば、スパッタ法またはCVDによって形成される。CVDを用いてギャップ層19を形成する場合には、特にALCVDを用いることが好ましい。また、ALCVDを用いてギャップ層19を形成する場合には、ギャップ層19の材料としては、絶縁材料では特にアルミナが好ましく、導電材料では特にTaまたはRuが好ましい。次に、積層体の上面全体の上にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層をパターニングして、図示しないマスクを形成する。このマスクは、ギャップ層19のうちの残すべき部分を覆う。次に、マスクを用いて、ギャップ層19を選択的にエッチングする。次に、マスクを除去する。
次に、ギャップ層19の上に第1層20Aを形成すると共に、磁極層18Aの上に上部ヨーク層18Bを形成する。第1層20Aと上部ヨーク層18Bは、フレームめっき法によって形成してもよいし、スパッタ法によって磁性層を形成した後、この磁性層を選択的にエッチングすることによって形成してもよい。磁性層を選択的にエッチングする方法としては、例えば、磁性層の上にアルミナ層を形成し、このアルミナ層の上にフレームめっき法によってマスクを形成し、このマスクを用いて、アルミナ層および磁性層をエッチングする方法を用いることができる。
次に、積層体の上面全体の上に、非磁性層21を形成する。次に、例えばCMPによって、第1層20Aおよび上部ヨーク層18Bが露出するまで非磁性層21を研磨して、第1層20A、上部ヨーク層18Bおよび非磁性層21の上面を平坦化する。
図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、上部ヨーク層18Bおよび非磁性層21の上面のうち、コイル23が配置される領域の上に絶縁層22を形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、絶縁層22の上にコイル23を形成する。
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、コイル23を覆うように絶縁層24を形成する。次に、例えばフレームめっき法によって、第2層20Bを形成する。
次に、図1に示したように、積層体の上面全体を覆うように保護層25を形成する。次に、保護層25の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面30の研磨、浮上用レールの作製等を行って、磁気ヘッドが完成する。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの作用および効果について説明する。この磁気ヘッドでは、記録ヘッドによって記録媒体に情報を記録し、再生ヘッドによって、記録媒体に記録されている情報を再生する。記録ヘッドにおいて、コイル11,23は、記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する。コイル11によって発生された磁界に対応する磁束は、第1の磁束集中用磁性層9と記録用磁性層18を通過する。コイル23によって発生された磁界に対応する磁束は、第2の磁束集中用磁性層20と記録用磁性層18を通過する。従って、記録用磁性層18は、コイル11によって発生された磁界に対応する磁束とコイル23によって発生された磁界に対応する磁束とを通過させる。
なお、コイル11,23は、直列に接続されていてもよいし、並列に接続されていてもよい。いずれにしても、記録用磁性層18において、コイル11によって発生された磁界に対応する磁束とコイル23によって発生された磁界に対応する磁束が同じ方向に流れるように、コイル11,23は接続される。図1において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。
記録用磁性層18は、上述のようにコイル11,23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させて、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体に記録するための記録磁界を、媒体対向面30に配置された磁極層18Aの端面より発生する。
第1の磁束集中用磁性層9および第2の磁束集中用磁性層20は、シールドとして機能する。すなわち、これら磁束集中用磁性層9,20は、磁気ヘッドの外部から磁気ヘッドに印加された外乱磁界を取り込む。これにより、外乱磁界が磁極層18Aに集中して取り込まれることによって記録媒体に対して誤った記録が行なわれることを防止することができる。また、磁束集中用磁性層9,20は、磁極層18Aの端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。また、磁束集中用磁性層9,20は、磁極層18Aの端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。
第1の磁束集中用磁性層9は、磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置され、第2の磁束集中用磁性層20は、磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。従って、本実施の形態によれば、磁極層18Aの端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側と後側の両方において、磁極層18Aの端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを抑制することができる。これにより、本実施の形態によれば、トラック幅方向の広い範囲にわたって、記録または再生の対象となっているトラックに隣接する1以上のトラックに記録された信号が減衰する現象の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、2つのコイル11,23によって発生された磁界に対応する磁束が磁極層18Aを通過する。そのため、本実施の形態では、コイルが1つしか設けられていない磁気ヘッドにおける1つのコイルに比べて、コイル11,23のそれぞれの巻数を少なくすることができる。これにより、本実施の形態によれば、コイル11,23のそれぞれの抵抗値を小さくすることができ、その結果、コイル11,23のそれぞれの発熱量を少なくすることができる。そのため、本実施の形態によれば、コイル11,23が発生する熱によって媒体対向面30が部分的に突出することを抑制することができる。
ところで、記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置は、媒体対向面30に配置された磁極層18Aの端面のうち、記録媒体の進行方向Tの前側に配置された端部の位置によって決まる。従って、ビットパターンの端部の位置を精度よく規定するためには、特に磁極層18Aの端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側において、磁極層18Aの端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを抑制することが重要である。本実施の形態では、第2の磁束集中用磁性層20の第1層20Aは、媒体対向面30に配置された端面を有している。この第1層20Aの端面は、磁極層18Aの端面に対して、ギャップ層19の厚みによる所定の小さな間隔を開けて記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。そのため、本実施の形態では、特に磁極層18Aの端面に対して記録媒体の進行方向Tの前側において、効果的に、磁極層18Aの端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを抑制することができる。その結果、本実施の形態によれば、記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置を精度よく規定することができる。また、これにより、本実施の形態によれば、線記録密度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図2に示したように、媒体対向面30に配置された磁極層18Aの端面は、ギャップ層19から遠ざかるに従って小さくなる幅を有している。これにより、本実施の形態によれば、スキューに起因した問題の発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、非磁性材料よりなる収容層14の溝部14a内に、非磁性膜16および研磨停止層17を介して磁極層18Aが配置される。そのため、磁極層18Aの幅は溝部14aの幅よりも小さくなる。これにより、溝部14aを容易に形成することが可能になると共に、磁極層18Aの幅、特にトラック幅を規定するトラック幅規定部18A1の上面の幅を容易に小さくすることが可能になる。従って、本実施の形態によれば、フォトリソグラフィによって形成可能なトラック幅の下限値よりも小さなトラック幅を、容易に実現でき、且つ正確に制御することができる。
ここで、図11を参照して、比較例の磁気ヘッドについて説明する。図11は、比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図11は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。この比較例の磁気ヘッドでは、第2層20Bと上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1と重なる位置に配置されている。比較例の磁気ヘッドにおけるその他の構成は、本実施の形態に係る磁気ヘッドと同様である。図11において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。比較例の磁気ヘッドでは、記録用磁性層18内の界面S1と界面S2との間の領域において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束の流れる方向と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束の流れる方向は、ほぼ反対方向となる。そのため、比較例の磁気ヘッドでは、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発して、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施の形態では、第2層20Bと上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されている。そのため、本実施の形態では、記録用磁性層18内の、界面S2に対して垂直な方向から見たときに界面S2と重なる領域において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束の流れる方向は、ほぼ水平方向になり、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束の流れる方向に対して反対方向とはならない。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S2は、界面S1よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されていてもよい。この場合には、記録用磁性層18内の、界面S1に対して垂直な方向から見たときに界面S1と重なる領域において、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束の流れる方向は、ほぼ水平方向になり、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束の流れる方向に対して反対方向とはならない。従って、この場合も、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができ、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止することができる。また、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
また、本実施の形態において、第1層9Aの媒体対向面30に近い端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されていてもよい。
また、本実施の形態において、上部ヨーク層18Bを設けずに、第2層20Bを直接、磁極層18Aに接続してもよい。この場合には、第2層20Bと磁極層18Aとの界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面が、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1と重ならない位置に配置されていればよい。
[第2の実施の形態]
次に、図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図12は本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図12は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第1のコイル11および絶縁層12を覆うように絶縁層13が設けられている。絶縁層13および第2層9Bの上面は平坦化されている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態の形態における上部ヨーク層18Bの代わりに下部ヨーク層18Cが設けられている。本実施の形態における記録用磁性層18は、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとを有している。下部ヨーク層18Cは、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置され且つ磁極層18Aに接続されている。下部ヨーク層18Cは、絶縁層13および第2層9Bの上に配置されている。
また、本実施の形態では、第2の磁束集中用磁性層20は、第1の実施の形態における第1層20Aおよび第2層20Bに加えて、第3層20Cを有している。第3層20Cは、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されている。第3層20Cの下面は磁極層18Aに接続され、第3層20Cの上面は第2層20Bに接続されている。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態における非磁性層21の代わりに絶縁層27が設けられている。絶縁層27は、第1層20Aおよび第3層20Cの周囲に配置されている。絶縁層27は、例えばアルミナによって形成されている。第1層20A、第3層20Cおよび絶縁層27の上面は平坦化されている。本実施の形態では、第2のコイル23および絶縁層24は、絶縁層27の上に配置されている。
本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9の第2層9Bは下部ヨーク層18Cに接続され、第2の磁束集中用磁性層20の第3層20Cは磁極層18Aに接続されている。下部ヨーク層18Cおよび第3層20Cは、磁性材料によって形成されている。これらの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
また、本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9と記録用磁性層18との界面は、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3である。この界面S3に対して垂直な方向から見たときに、コイル11は界面S3を中心として巻回されている。
また、本実施の形態では、第2の磁束集中用磁性層20と記録用磁性層18との界面は、第3層20Cと磁極層18Aとの界面S4である。この界面S4に対して垂直な方向から見たときに、コイル23は界面S4を中心として巻回されている。また、界面S4に対して垂直な方向から見たときに、この界面S4は、界面S3よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されている。
次に、本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、図4に示した工程において、コイル11の上面の位置が、第2層9Bの上面の位置よりも低い位置(基板1に近い位置)になるように、コイル11および第2層9Bが形成される。
本実施の形態では、次に、コイル11の巻線間およびコイル11の周囲に、例えばフォトレジストよりなる絶縁層12を選択的に形成する。次に、積層体の上面全体の上に、絶縁層13を形成する。次に、例えばCMPによって、第2層9Bが露出するまで絶縁層13を研磨して、第2層9Bおよび絶縁層13の上面を平坦化する。
本実施の形態におけるその後の工程は、以下の相違点を除いて、第1の実施の形態における図5ないし図10に示した工程と同様である。まず、本実施の形態では、図5に示した工程において、非磁性層14Pを形成する前に、下部ヨーク層18Cを形成する。その後、非磁性層14Pを形成し、第1の実施の形態と同様にして溝部14aを形成する。次に、非磁性層14Pのうち、下部ヨーク層18Cの上に配置された部分を選択的にエッチングして、溝部14aの底部に開口部を形成する。また、本実施の形態では、図6に示した工程において、非磁性膜16および研磨停止層17のうち、溝部14aの底部の開口部内に配置された部分を選択的にエッチングして、非磁性膜16および研磨停止層17に開口部を形成する。また、本実施の形態では、図8に示した工程において、上部ヨーク層18Bの代わりに第3層20Cを形成し、非磁性層21の代わりに絶縁層27を形成する。
また、本実施の形態では、図9に示した工程において、絶縁層22を形成せずに、絶縁層27の上にコイル23を形成する。
図12において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。本実施の形態では、第3層20Cと磁極層18Aとの界面S4に対して垂直な方向から見たときに、この界面S4は、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されている。そのため、本実施の形態では、記録用磁性層18内の、界面S4に対して垂直な方向から見たときに界面S4と重なる領域において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束の流れる方向は、ほぼ水平方向になり、第3層20Cから磁極層18Aに流入した磁束の流れる方向に対して反対方向とはならない。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第3層20Cから磁極層18Aに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S4は、界面S3よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図13ないし図15を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図13ないし図15はそれぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図13ないし図15はそれぞれ、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第1の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第2層20Bと上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2の少なくとも一部は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。また、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、非磁性材料よりなり、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に配置された非磁性層28Bを備えている。非磁性層28Bの少なくとも一部は、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。そして、上部ヨーク層18Bは、少なくとも、非磁性層28Bよりも媒体対向面30に近い位置において、磁極層18Aに接続されている。非磁性層28Bの材料としては、例えば、ギャップ層19の材料と同じものを用いることができる。非磁性層28Bの厚みは、例えばギャップ層19の厚み以上である。非磁性層28Bの厚みは、特に0.1〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。
また、本実施の形態では、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、界面S2の少なくとも一部と、界面S1の少なくとも一部と、非磁性層28Bの少なくとも一部は、互いに重なる位置に配置されている。
非磁性層28Bにおける媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S2における媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離と等しいか、これより大きいことが好ましい。
図13ないし図15には、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部の位置が異なる3つの例を示している。図13に示した例では、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離と等しい。図14に示した例では、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも大きい。図15に示した例では、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも小さい。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法は、上部ヨーク層18Bを形成する前に磁極層18Aの上に非磁性層28Bを形成する工程を備えている。
図13ないし図15において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。非磁性層28Bがない場合には、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発して、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に非磁性層28Bが設けられている。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、第2層20Bから上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図16を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図16は本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図16は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第3の実施の形態における磁束集中用磁性層9の第1層9Aの代わりに、絶縁層29が設けられている。絶縁層29は、例えばアルミナによって形成されている。本実施の形態における磁束集中用磁性層9は、第1の実施の形態における第2層9Bに相当する磁性層のみによって構成されている。この場合でも、磁束集中用磁性層9は、コイル11によって発生された磁界に対応する磁束を、そこに集中させる機能を有する。図16において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。
なお、図16には、図13と同様に、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離が、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離と等しい例を示している。しかし、第3の実施の形態と同様に本実施の形態においても、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、図14に示したように界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも大きくてもよいし、図15に示したように界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも小さくてもよい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、図17を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図17は本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図17は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第3の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、界面S1の面積が界面S2の面積よりも大きい。界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は界面S1の一部のみと重なる位置に配置されている。また、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S1における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも大きくなっている。非磁性層28Bは、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2よりも広い領域に配置されている。そして、非磁性層28Bは、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2の全体と重なると共に、界面S1に対して垂直な方向から見たときに、この界面S1の全体とも重なる位置に配置されている。図17において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。
なお、本実施の形態において、図17に示した例とは逆に、界面S2の面積が界面S1の面積よりも大きくてもよい。また、本実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、界面S2の少なくとも一部と、界面S1の少なくとも一部と、非磁性層28Bの少なくとも一部が互いに重なる位置に配置されていればよい。また、本実施の形態において、第4の実施の形態と同様に、磁束集中用磁性層9の第1層9Aの代わりに絶縁層29を設けてもよい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形態と同様である。
[第6の実施の形態]
次に、図18を参照して、本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図18は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図18は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第2の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3に対して垂直な方向から見たときに、この界面S3の少なくとも一部は、第3層20Cと磁極層18Aとの界面S4の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。また、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、非磁性材料よりなり、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとの間に配置された非磁性層28Aを備えている。非磁性層28Aの少なくとも一部は、界面S3に対して垂直な方向から見たときに、この界面S3の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。そして、下部ヨーク層18Cは、少なくとも、非磁性層28Aよりも媒体対向面30に近い位置において、磁極層18Aに接続されている。非磁性層28Aの材料および厚みは、第3の実施の形態における非磁性層28Bと同様である。
また、本実施の形態では、界面S3に対して垂直な方向から見たときに、界面S3の少なくとも一部と、界面S4の少なくとも一部と、非磁性層28Aの少なくとも一部は、互いに重なる位置に配置されている。
非磁性層28Aにおける媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S3における媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離と等しいか、これより大きいことが好ましい。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法は、磁極層18Aを形成する前に下部ヨーク層18Cの上に非磁性層28Aを形成する工程を備えている。
図18において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層20中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。非磁性層28Aがない場合には、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第3層20Cから磁極層18Aに流入した磁束とが反発して、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、界面S3と界面S4とが対向する領域において、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとの間に非磁性層28Aが設けられている。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第3層20Cから磁極層18Aに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、図18には、非磁性層28Aにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離が、界面S3における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離と等しい例を示している。しかし、第3の実施の形態と同様に、非磁性層28Aにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S3における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも大きくてもよいし、界面S3における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも小さくてもよい。
また、本実施の形態において、第4の実施の形態と同様に、磁束集中用磁性層9の第1層9Aの代わりに絶縁層29を設けてもよい。また、本実施の形態において、第5の実施の形態と同様に、界面S1の面積と界面S2の面積が異なっていてもよい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第2の実施の形態と同様である。
[第7の実施の形態]
次に、図19を参照して、本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図19は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図19は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第3の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第3の実施の形態における第2の磁束集中用磁性層20の代わりに、第2の磁束集中用磁性層40とシールド層50が設けられている。
磁束集中用磁性層40は、媒体対向面30から離れた位置において、記録用磁性層18の上部ヨーク層18Bに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されて、上部ヨーク層18Bに接続されている。第2のコイル23は、磁束集中用磁性層40を中心として巻回されている。磁束集中用磁性層40は、第2のコイル23によって発生された磁界に対応する磁束を通過させる。磁束集中用磁性層40は、コイル23によって発生された磁界に対応する磁束を、そこに集中させる機能を有する。
シールド層50は、第1層50Aと第2層50Bとを有している。第1層50Aは、ギャップ層19の上に配置されている。第1層50Aは、媒体対向面30に配置された端面を有している。媒体対向面30において、第1層50Aの端面は、磁極層18Aの端面に対して、ギャップ層19の厚みによる所定の間隔を開けて配置されている。第1層50Aは、ギャップ層19を介して磁極層18Aに対向する部分を含む中央部分と、この中央部分のトラック幅方向の外側に配置された2つの側方部分とを有していてもよい。媒体対向面30に垂直な方向についての側方部分の最大の長さは、媒体対向面30に垂直な方向についての中央部分の長さよりも大きい。
第2層50Bは、第1層50Aの上に配置されて第1層50Aに接続されている。第2層50Bは、媒体対向面30に配置された端面を有している。磁極層18Aのトラック幅規定部18A1を通り、媒体対向面30および基板1の面に垂直な断面において、媒体対向面30に垂直な方向についての第2層50Bの長さは、媒体対向面30に垂直な方向についての第1層50Aの長さよりも大きい。図19に示したように、本実施の形態において、スロートハイトTHは、媒体対向面30から見て磁極層18Aとシールド層50との間隔が大きくなり始める位置から媒体対向面30までの距離となる。
コイル23、絶縁層24、磁束集中用磁性層40および第2層50Bの上面は平坦化されている。この平坦化された面の上に保護層25が配置されている。従って、磁束集中用磁性層40とシールド層50は接続されていない。シールド層50は、磁気ヘッドの外部から磁気ヘッドに印加された外乱磁界を取り込む。これにより、外乱磁界が磁極層18Aに集中して取り込まれることによって記録媒体に対して誤った記録が行なわれることを防止することができる。また、シールド層50は、磁極層18Aの端面より発生されて記録媒体の面に垂直な方向以外の方向に広がる磁束を取り込んで、この磁束が記録媒体に達することを阻止する機能を有している。
磁束集中用磁性層40とシールド層50を構成する各層は、いずれも磁性材料によって形成されている。これらの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
磁束集中用磁性層40と記録用磁性層18との界面すなわち磁束集中用磁性層40と上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向(図19における上方または下方)から見たときに、コイル23は界面S2を中心として巻回されている。また、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2の少なくとも一部は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第3の実施の形態と同様に、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に配置された非磁性層28Bを備えている。非磁性層28Bの少なくとも一部は、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。そして、上部ヨーク層18Bは、少なくとも、非磁性層28Bよりも媒体対向面30に近い位置において、磁極層18Aに接続されている。また、界面S2に対して垂直な方向から見たときに、界面S2の少なくとも一部と、界面S1の少なくとも一部と、非磁性層28Bの少なくとも一部は、互いに重なる位置に配置されている。
非磁性層28Bにおける媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S2における媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離と等しいか、これより大きいことが好ましい。
なお、図19には、図13と同様に、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離が、界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離と等しい例を示している。しかし、第3の実施の形態と同様に本実施の形態においても、非磁性層28Bにおける媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離は、図14に示したように界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも大きくてもよいし、図15に示したように界面S2における媒体対向面30に近い端部と媒体対向面30との間の距離よりも小さくてもよい。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、コイル23および絶縁層24を形成する工程までは第1の実施の形態と同様である。ただし、本実施の形態では、第1の実施の形態における磁束集中用磁性層20の第1層20Aの代わりに、シールド層50の第1層50Aを形成する。
本実施の形態では、コイル23および絶縁層24の形成後、第1層50Aおよび非磁性層21の上に第2層50Bを形成すると共に、上部ヨーク層18Bの上に第2の磁束集中用磁性層40を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、例えばアルミナよりなる、図示しない被覆層を形成する。次に、例えばCMPによって、コイル23、第2層50Bおよび磁束集中用磁性層40が露出するまで被覆層を研磨して、コイル23、絶縁層24、第2層50B、磁束集中用磁性層40および被覆層の上面を平坦化する。次に、積層体の上面全体を覆うように保護層25を形成する。次に、保護層25の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面30の研磨、浮上用レールの作製等を行って、磁気ヘッドが完成する。
ここで、図20を参照して、比較例の磁気ヘッドについて説明する。図20は、比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図20は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Bを備えていない点を除いて、本実施の形態に係る磁気ヘッドと同様である。比較例の磁気ヘッドも本実施の形態に係る磁気ヘッドも、磁束集中用磁性層40とシールド層50とを接続する磁性層は設けられていない。磁束集中用磁性層40とシールド層50とを接続する磁性層が存在していると、この磁性層はコイル23が発生する熱を受けて膨張しやすいため、媒体対向面30に配置されたシールド層50の端面(第1層50Aの端面および第2層50Bの端面)が突出しやすくなる。これに対し、比較例の磁気ヘッドも本実施の形態に係る磁気ヘッドも、磁束集中用磁性層40とシールド層50とを接続する磁性層は設けられていないため、コイル23が発生する熱に起因してシールド層50の端面が突出することを抑制することができる。
図19および図20において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図20に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Bが設けられていないため、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、磁束集中用磁性層40から上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発して、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、図19に示したように、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に非磁性層28Bが設けられている。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、磁束集中用磁性層40から上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形態と同様である。
[変形例]
図21は、本実施の形態における変形例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図21は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。この変形例の磁気ヘッドでは、第2の磁束集中用磁性層40は、媒体対向面30から離れた位置において、上部ヨーク層18Bに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されて、上部ヨーク層18Bに接続された第1層40Aと、この第1層40Aの上に配置され、第1層40Aに接続された第2層40Bとを有している。また、シールド層50は、第1層50Aと第2層50Bに加えて第3層50Cを有している。第3層50Cは、第2層50Bの上に配置され、第2層50Bに接続されている。第3層50Cは、媒体対向面30に近い端面を有し、この端面は媒体対向面30から離れた位置に配置されている。なお、第3層50Cは設けられていなくてもよい。
変形例の磁気ヘッドでは、絶縁層22の代わりに絶縁層51が設けられている。絶縁層51は、例えばアルミナによって形成されている。第2層50B、第1層40Aおよび絶縁層51の上面は平坦化されている。コイル23および絶縁層24は、絶縁層51の上に配置されている。また、コイル23は、第2層40Bを中心として巻回されている。第3層50C、第2層40B、コイル23および絶縁層24の周囲には絶縁層52が配置されている。絶縁層52は、例えばアルミナによって形成されている。第3層50C、第2層40B、コイル23および絶縁層24,52の上面は平坦化されている。この平坦化された面の上に保護層25が配置されている。変形例の磁気ヘッドのその他の構成は、図19に示した磁気ヘッドと同様である。
図22は、変形例の磁気ヘッドに対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図22は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Bを備えていない点を除いて、図21に示した変形例の磁気ヘッドと同様である。図22に示した比較例の磁気ヘッドも図21に示した変形例の磁気ヘッドも、第2の磁束集中用磁性層40は、第1層40Aと第2層40Bとを有している。そのため、これらの磁気ヘッドでは、より多くの磁束を磁束集中用磁性層40に集中させることができる。
図21および図22において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図22に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Bが設けられていないため、前述のように、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、変形例の磁気ヘッドでは、図21に示したように、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に非磁性層28Bが設けられている。そのため、変形例の磁気ヘッドによれば、前述のように、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
[第8の実施の形態]
次に、図23ないし図25を参照して、本発明の第8の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図23は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図23は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。図24は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。図25は図23における25−25線断面図である。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第7の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aにおける媒体対向面30に近い端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。第1層9Aの周囲には絶縁層32が配置されている。絶縁層32は、例えばアルミナによって形成されている。第1層9Aと絶縁層32の上面は平坦化されている。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録用磁性層18に接触せずにシールド層50の第1層50Aと第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aとを連結する連結部60を備えている。図25に示したように、連結部60は、コイル11と媒体対向面30との間の位置において、第1層9Aの上に配置された磁性層63と、この磁性層63の上に配置された2つの磁性層61,62と有している。
磁性層63、第2層9B、コイル11および絶縁層12,13の上面は平坦化されている。磁性層61,62は、磁極層18Aのトラック幅方向の両側に配置され、第1層50Aと磁性層63とを連結している。磁性層61〜63は、いずれも磁性材料によって形成されている。これらの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
なお、本実施の形態では、第1層50Aは、ギャップ層19を介して磁極層18Aに対向する部分を含む中央部分と、この中央部分のトラック幅方向の外側に配置された2つの側方部分とを有している。媒体対向面30に垂直な方向についての側方部分の最大の長さは、媒体対向面30に垂直な方向についての中央部分の長さよりも大きい。磁性層61,62は、第1層50Aの2つの側方部分に接続されている。
本実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法では、第2層9Bを形成する際に同時に、磁性層63を形成する。また、本実施の形態では、収容層14となる非磁性層14Pを形成する前に、磁性層63の上に磁性層61,62を形成する。その後、非磁性層14Pを形成する。次に、例えばCMPによって、磁性層61,62が露出するまで非磁性層14Pを研磨して、磁性層61,62および非磁性層14Pの上面を平坦化する。また、本実施の形態では、ギャップ層19を形成した後、ギャップ層19、研磨停止層17、非磁性膜16および非磁性金属層15のうち、磁性層61,62の上に配置されている部分を選択的にエッチングして、磁性層61,62の上面を露出させる。その後、ギャップ層19および磁性層61,62の上に第1層50Aを形成する。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、シールド層50の第1層50Aと第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aとが連結部60によって連結されている。そのため、本実施の形態では、媒体対向面30に配置されたシールド層50の端面において取り込まれた磁束は、連結部60および第1の磁束集中用磁性層9を通って、磁極層18Aに流れる。従って、本実施の形態では、シールド層50は、磁極層18Aの端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。
本実施の形態によれば、シールド層50の端面において、多くの磁束を取り込むことが可能である。そのため、本実施の形態によれば、記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置を精度よく規定することができる。また、これにより、本実施の形態によれば、線記録密度を向上させることができる。
図26は、比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図26は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Bを備えていない点を除いて、図23に示した磁気ヘッドと同様である。図26に示した比較例の磁気ヘッドも、上述した効果を奏する。
図23および図26において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図26に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Bが設けられていないため、第7の実施の形態において説明したように、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、図23に示したように、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に非磁性層28Bが設けられている。そのため、本実施の形態に係る磁気ヘッドによれば、第7の実施の形態と同様に、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第7の実施の形態と同様である。
[変形例]
図27は、本実施の形態における変形例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図27は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。この変形例の磁気ヘッドでは、第7の実施の形態における変形と同様に、第2の磁束集中用磁性層40は第1層40Aと第2層40Bとを有し、シールド層50は、第1層50Aと第2層50Bに加えて第3層50Cを有している。なお、第3層50Cは設けられていなくてもよい。
また、この変形例の磁気ヘッドでは、第7の実施の形態における変形例と同様に、絶縁層22の代わりに絶縁層51が設けられ、第2層50B、第1層40Aおよび絶縁層51の上面が平坦化されている。コイル23および絶縁層24は、絶縁層51の上に配置されている。また、コイル23は、第2層40Bを中心として巻回されている。第3層50C、第2層40B、コイル23および絶縁層24の周囲には絶縁層52が配置されている。第3層50C、第2層40B、コイル23および絶縁層24,52の上面は平坦化されている。この平坦化された面の上に保護層25が配置されている。変形例の磁気ヘッドのその他の構成は、図23に示した磁気ヘッドと同様である。
図28は、変形例の磁気ヘッドに対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図28は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Bを備えていない点を除いて、図27に示した変形例の磁気ヘッドと同様である。図28に示した比較例の磁気ヘッドも図27に示した変形例の磁気ヘッドも、第2の磁束集中用磁性層40は、第1層40Aと第2層40Bとを有している。そのため、これらの磁気ヘッドでは、より多くの磁束を磁束集中用磁性層40に集中させることができる。
図27および図28において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図28に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Bが設けられていないため、前述のように、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、変形例の磁気ヘッドでは、図27に示したように、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと上部ヨーク層18Bとの間に非磁性層28Bが設けられている。そのため、変形例の磁気ヘッドによれば、前述のように、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
[第9の実施の形態]
次に、図29を参照して、本発明の第9の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図29は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図29は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第7の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、第1のコイル11および絶縁層12を覆うように絶縁層13が設けられている。絶縁層13および第2層9Bの上面は平坦化されている。
また、本実施の形態では、第7の実施の形態の形態における上部ヨーク層18Bの代わりに下部ヨーク層18Cが設けられている。本実施の形態における記録用磁性層18は、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとを有している。下部ヨーク層18Cは、媒体対向面30から離れた位置において磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの後側に配置され且つ磁極層18Aに接続されている。下部ヨーク層18Cは、絶縁層13および第2層9Bの上に配置されている。
また、本実施の形態では、第2の磁束集中用磁性層40は、媒体対向面30から離れた位置において、磁極層18Aに対して記録媒体の進行方向Tの前側に配置されて、磁極層18Aに接続された第1層40Aと、この第1層40Aの上に配置され、第1層40Aに接続された第2層40Bとを有している。
また、本実施の形態では、第7の実施の形態における非磁性層21の代わりに絶縁層53が設けられている。絶縁層53は、第1層50Aおよび第1層40Aの周囲に配置されている。絶縁層53は、例えばアルミナによって形成されている。第1層50A、第1層40Aおよび絶縁層53の上面は平坦化されている。本実施の形態では、第2のコイル23および絶縁層24は、絶縁層53の上に配置されている。
本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9の第2層9Bは下部ヨーク層18Cに接続され、第2の磁束集中用磁性層40の第1層40Aは磁極層18Aに接続されている。下部ヨーク層18Cは、磁性材料によって形成されている。下部ヨーク層18Cの材料としては、例えばCoFeN、CoNiFe、NiFe、CoFeのいずれかを用いることができる。
本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9と記録用磁性層18との界面は、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3である。この界面S3に対して垂直な方向から見たときに、コイル11は界面S3を中心として巻回されている。また、第2の磁束集中用磁性層40と記録用磁性層18との界面は、第1層40Aと磁極層18Aとの界面S4である。この界面S4に対して垂直な方向から見たときに、コイル23は界面S4を中心として巻回されている。界面S3に対して垂直な方向から見たときに、この界面S3の少なくとも一部は、界面S4の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、非磁性材料よりなり、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとの間に配置された非磁性層28Aを備えている。非磁性層28Aの少なくとも一部は、界面S3に対して垂直な方向から見たときに、この界面S3の少なくとも一部と重なる位置に配置されている。そして、下部ヨーク層18Cは、少なくとも、非磁性層28Aよりも媒体対向面30に近い位置において、磁極層18Aに接続されている。非磁性層28Aの材料および厚みは、第6の実施の形態と同様である。
また、本実施の形態では、界面S3に対して垂直な方向から見たときに、界面S3の少なくとも一部と、界面S4の少なくとも一部と、非磁性層28Aの少なくとも一部は、互いに重なる位置に配置されている。
非磁性層28Aにおける媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離は、界面S3における媒体対向面30から遠い端部と媒体対向面30との間の距離と等しいか、これより大きいことが好ましい。
図30は、比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図30は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Aを備えていない点を除いて、本実施の形態に係る磁気ヘッドと同様である。
図29および図30において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図30に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Aが設けられていないため、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第1層40Aから磁極層18Aに流入した磁束とが反発して、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、図29に示したように、界面S3と界面S4とが対向する領域において、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとの間に非磁性層28Aが設けられている。これにより、本実施の形態によれば、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第1層40Aから磁極層18Aに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第7の実施の形態と同様である。
[第10の実施の形態]
次に、図31を参照して、本発明の第10の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図31は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図31は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第9の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aにおける媒体対向面30に近い端面は、媒体対向面30から離れた位置に配置されている。第1層9Aの周囲には絶縁層32が配置されている。絶縁層32は、例えばアルミナによって形成されている。第1層9Aと絶縁層32の上面は平坦化されている。
また、本実施の形態に係る磁気ヘッドは、記録用磁性層18に接触せずにシールド層50の第1層50Aと第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aとを連結する連結部60を備えている。連結部60の構成は、第8の実施の形態と同様である。
本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、シールド層50の第1層50Aと第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aとが連結部60によって連結されている。そのため、本実施の形態では、媒体対向面30に配置されたシールド層50の端面において取り込まれた磁束は、連結部60、第1の磁束集中用磁性層9および下部ヨーク層18Cを通って、磁極層18Aに流れる。従って、本実施の形態では、シールド層50は、磁極層18Aの端面より発生されて、記録媒体を磁化した磁束を還流させる機能も有している。
本実施の形態によれば、シールド層50の端面において、多くの磁束を取り込むことが可能である。そのため、本実施の形態によれば、記録媒体に記録されるビットパターンの端部の位置を精度よく規定することができる。また、これにより、本実施の形態によれば、線記録密度を向上させることができる。
図32は、比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図32は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。比較例の磁気ヘッドの構成は、非磁性層28Aを備えていない点を除いて、図31に示した磁気ヘッドと同様である。図32に示した比較例の磁気ヘッドも、上述した効果を奏する。
図31および図32において、第1の磁束集中用磁性層9、記録用磁性層18および第2の磁束集中用磁性層40中の矢印は、磁束の流れる方向を模式的に表している。図32に示したように、比較例の磁気ヘッドでは、非磁性層28Aが設けられていないため、第9の実施の形態において説明したように、記録用磁性層18における磁束密度が低下し、その結果、オーバーライト特性が低下するおそれがある。これに対し、本実施の形態に係る磁気ヘッドでは、図31に示したように、界面S1と界面S2とが対向する領域において、磁極層18Aと下部ヨーク層18Cとの間に非磁性層28Aが設けられている。そのため、本実施の形態に係る磁気ヘッドによれば、第9の実施の形態と同様に、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第9の実施の形態と同様である。
[第11の実施の形態]
次に、図33を参照して、本発明の第11の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図33は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図33は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第7の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第7の実施の形態における非磁性層28Bは設けられていない。本実施の形態では、磁束集中用磁性層40と上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されている。本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用により、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、磁束集中用磁性層40から上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S2は、界面S1よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第7の実施の形態と同様である。
[第12の実施の形態]
次に、図34を参照して、本発明の第12の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図34は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図34は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第8の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第8の実施の形態における非磁性層28Bは設けられていない。本実施の形態では、磁束集中用磁性層40と上部ヨーク層18Bとの界面S2に対して垂直な方向から見たときに、この界面S2は、第2層9Bと磁極層18Aとの界面S1よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されている。本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用により、記録用磁性層18内において、第2層9Bから磁極層18Aに流入した磁束と、磁束集中用磁性層40から上部ヨーク層18Bに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S2は、界面S1よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S1と重ならない位置に配置されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第8の実施の形態と同様である。
[第13の実施の形態]
次に、図35を参照して、本発明の第13の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図35は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図35は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第9の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第9の実施の形態における非磁性層28Aは設けられていない。本実施の形態では、第1層40Aと磁極層18Aとの界面S4に対して垂直な方向から見たときに、この界面S4は、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されている。本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用により、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第1層40Aから磁極層18Aに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S4は、界面S3よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第9の実施の形態と同様である。
[第14の実施の形態]
次に、図36を参照して、本発明の第14の実施の形態に係る磁気ヘッドについて説明する。図36は、本実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。なお、図36は、媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示している。
本実施の形態に係る磁気ヘッドは、第10の実施の形態に係る磁気ヘッドと類似しているが、以下の点で異なっている。本実施の形態では、第10の実施の形態における非磁性層28Aは設けられていない。本実施の形態では、第1層40Aと磁極層18Aとの界面S4に対して垂直な方向から見たときに、この界面S4は、第2層9Bと下部ヨーク層18Cとの界面S3よりも媒体対向面30に近い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されている。本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の作用により、記録用磁性層18内において、第2層9Bから下部ヨーク層18Cに流入した磁束と、第1層40Aから磁極層18Aに流入した磁束とが反発することを抑制することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録用磁性層18における磁束密度が低下することを防止でき、その結果、オーバーライト特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態において、界面S4は、界面S3よりも媒体対向面30から遠い位置であって、界面S3と重ならない位置に配置されていてもよい。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第10の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、第8、第10、第12、第14の各実施の形態において、磁極層18Aに、貫通する孔を設け、連結部60が、磁極層18Aに接触することなく上記の孔を通過して、シールド層50の第1層50Aと第1の磁束集中用磁性層9の第1層9Aとを連結してもよい。
また、本発明における磁極層は、各実施の形態に示された方法で形成されたものに限らず、他の方法で形成されたものであってもよい。例えば、磁性層をエッチングによってパターニングして磁極層を形成してもよいし、フレームめっき法によって磁極層を形成してもよい。また、磁極層の上面は平坦であってもよい。
また、実施の形態では、基体側に再生ヘッドを形成し、その上に、記録ヘッドを積層した構造の磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドにおける磁極層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 図4に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図5に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図6に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図7に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図8に示した工程に続く工程を示す説明図である。 図9に示した工程に続く工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成の一例を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成の他の例を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成の更に他の例を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第6の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第7の実施の形態における変形例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 図21に示した変形例に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第8の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第8の実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 図23における25−25線断面図である。 本発明の第8の実施の形態に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第8の実施の形態における変形例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 図27に示した変形例に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第9の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第9の実施の形態に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第10の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第10の実施の形態に対する比較例の磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第11の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第12の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第13の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第14の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 シールド型ヘッドの一例における主要部を示す断面図である。
符号の説明
9…第1の磁束集中用磁性層、11…第1のコイル、18…記録用磁性層、18A…磁極層、18B…上部ヨーク層、19…ギャップ層、20…第2の磁束集中用磁性層、23…第2のコイル。

Claims (10)

  1. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する記録用磁性層と、
    前記記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて、前記媒体対向面から離れた位置において前記記録用磁性層に接続され、前記第1のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第1の磁束集中用磁性層と、
    前記記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて、前記媒体対向面から離れた位置において前記記録用磁性層に接続され、前記第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第2の磁束集中用磁性層とを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、
    前記記録用磁性層は、前記媒体対向面に配置された前記端面を有する磁極層と、前記媒体対向面から離れた位置において前記磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置され且つ前記磁極層に接続されたヨーク層とを有し、
    前記第1の磁束集中用磁性層は前記磁極層に接続され、
    前記第2の磁束集中用磁性層は前記ヨーク層に接続され、
    前記第1の磁束集中用磁性層と磁極層との界面に対して垂直な方向から見たときに、前記第1のコイルは、前記第1の磁束集中用磁性層と磁極層との前記界面を中心として巻回され、
    前記第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、前記第2のコイルは、前記第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との前記界面を中心として巻回され、
    垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、前記磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備え、
    前記非磁性層の少なくとも一部は、前記第2の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置され、
    前記ヨーク層は、少なくとも、前記非磁性層よりも前記媒体対向面に近い位置において、前記磁極層に接続されていることを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  2. 前記第2の磁束集中用磁性層は、前記媒体対向面に配置された端面を有し、
    前記第2のコイルの一部は、前記第2の磁束集中用磁性層と前記記録用磁性層との間に配置されていることを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  3. 前記第1の磁束集中用磁性層は、前記記録用磁性層との間で前記第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有することを特徴とする請求項または記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  4. 更に、前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されたシールド層と、非磁性材料よりなり、前記磁極層と前記シールド層との間に設けられたギャップ層とを備え、
    前記媒体対向面において、前記シールド層の前記端面は、前記磁極層の前記端面に対して、前記ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置され、
    前記磁極層の前記端面は、前記ギャップ層に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定することを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  5. 前記第1の磁束集中用磁性層は、前記記録用磁性層との間で前記第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有し、
    垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、前記記録用磁性層に接触せずに前記シールド層と前記第1の磁束集中用磁性層とを連結する連結部を備えたことを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  6. 記録媒体に対向する媒体対向面と、
    前記記録媒体に記録する情報に応じた磁界を発生する第1および第2のコイルと、
    前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記第1および第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させると共に、垂直磁気記録方式によって前記情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する記録用磁性層と、
    前記記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置されて、前記媒体対向面から離れた位置において前記記録用磁性層に接続され、前記第1のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第1の磁束集中用磁性層と、
    前記記録用磁性層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されて、前記媒体対向面から離れた位置において前記記録用磁性層に接続され、前記第2のコイルによって発生された磁界に対応する磁束を通過させる第2の磁束集中用磁性層とを備えた垂直磁気記録用磁気ヘッドであって、
    前記記録用磁性層は、前記媒体対向面に配置された前記端面を有する磁極層と、前記媒体対向面から離れた位置において前記磁極層に対して記録媒体の進行方向の後側に配置され且つ前記磁極層に接続されたヨーク層とを有し、
    前記第1の磁束集中用磁性層は前記ヨーク層に接続され、
    前記第2の磁束集中用磁性層は前記磁極層に接続され、
    前記第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、前記第1のコイルは、前記第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との前記界面を中心として巻回され、
    前記第2の磁束集中用磁性層と磁極層との界面に対して垂直な方向から見たときに、前記第2のコイルは、前記第2の磁束集中用磁性層と磁極層との前記界面を中心として巻回され、
    垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、前記磁極層とヨーク層との間に配置された非磁性層を備え、
    前記非磁性層の少なくとも一部は、前記第1の磁束集中用磁性層とヨーク層との界面に対して垂直な方向から見たときに、この界面の少なくとも一部と重なる位置に配置され、
    前記ヨーク層は、少なくとも、前記非磁性層よりも前記媒体対向面に近い位置において、前記磁極層に接続されていることを特徴とする垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  7. 前記第2の磁束集中用磁性層は、前記媒体対向面に配置された端面を有し、
    前記第2のコイルの一部は、前記第2の磁束集中用磁性層と前記記録用磁性層との間に配置されていることを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  8. 前記第1の磁束集中用磁性層は、前記記録用磁性層との間で前記第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有することを特徴とする請求項または記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  9. 更に、前記媒体対向面に配置された端面を有し、前記磁極層に対して記録媒体の進行方向の前側に配置されたシールド層と、非磁性材料よりなり、前記磁極層と前記シールド層との間に設けられたギャップ層とを備え、
    前記媒体対向面において、前記シールド層の前記端面は、前記磁極層の前記端面に対して、前記ギャップ層の厚みによる所定の間隔を開けて記録媒体の進行方向の前側に配置され、
    前記磁極層の前記端面は、前記ギャップ層に隣接する辺を有し、この辺はトラック幅を規定することを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
  10. 前記第1の磁束集中用磁性層は、前記記録用磁性層との間で前記第1のコイルの一部を挟む位置に配置された部分を有し、
    垂直磁気記録用磁気ヘッドは、更に、前記記録用磁性層に接触せずに前記シールド層と前記第1の磁束集中用磁性層とを連結する連結部を備えたことを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録用磁気ヘッド。
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