JP4466275B2 - 永久磁石式回転電機及び永久磁石式回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの方法は、コギングの低減原理として回転子からみて固定子の磁気回路が等方的であることを前提としており、固定子内径は真円であること、ティース部やヨーク部の磁気抵抗が場所によって変化しないことが前提となっていた。
その結果、前述のようなコギング低減のための工夫をしても、実際には不均一な隙間による固定子磁気回路の不均一性が生じたり、固定子内径が真円とならないといった問題があり、新たにコギングが発生してしまうという問題があった。このような固定子の工作誤差で発生するコギングは磁石の極数と同じ周期で発生し、その振幅は定格トルク比でほぼ1%以下であり、その位相は不定である。高精度制御モータにおいては、このようなモータ1回転あたり極数回発生するコギングを調整し、コギングをほぼ零とする必要があった。そこで、このような工作誤差で発生したコギングを調整して零近傍にしようとする場合、モータ組み立て後に上記コギングを調整することが考えられる。
特許文献1においては、複数の磁性体を径方向に移動自在にし、さらにこれら磁性体を周方向に移動自在とし、工作誤差により磁石と固定子との間のコギングトルクが基本波形からずれる場合、磁性体の位置を微調整してコギングトルクを低減させることが記載されている。しかしながら、前述の、工作誤差に起因する、モータ1回転あたり極数回発生するコギングは、回転電機個体やロット毎にコギングの位相や振幅が異なっており、上記コギングを必ずしも低減することは困難である。即ち、特許文献1の構成は、前述のように、磁極数とスロット数で決まる周期のコギングを対象としており、工作誤差に基く極周期のコギング低減を配慮したものでないため、分割コアにおいて発生するバラツキのある種々の位相のコギングトルクを必ずしも調整できるとは限らない。また、コギング補償用の磁性体が多すぎると、コギングを低減する際に自由度が過多となって、調整に多大な時間を要するという問題があった。
(90/P)度+(360m/P)度
但し、Pは回転子の極数、mはP未満の整数
をなすように配置したものである。
多極に着磁された円筒状の永久磁石を有する回転子と、上記永久磁石と空隙を介して配設され、周方向に複数に分割された分割コアにより構成された固定子とを備えた永久磁石式回転電機において、上記永久磁石の軸方向側端面に近接させ、各々独立に上記軸方向に可動可能、かつ各々独立に周方向に可動可能で、上記分割コアにおいて発生する位相バラツキのあるコギングトルクをベクトル和としてキャンセルさせるコギング補償機を設け、
上記コギング補償機をn個備える時、上記n個のコギング補償機は、周方向可動範囲が
(360/nP)度
但し、Pは回転子の極数、nは1以上の整数
であり、隣り合うコギング補償機の可動中心の間隔が、回転子の回転軸に対する相対角度で
(360/nP)+(360m/P)
但し、mはP未満の整数
をなすように配置したものである。
図1はこの発明の実施の形態1による永久磁石式回転電機を示す斜視図、図2は図1のA−A面での断面構成図、図3は図2のB−B線での断面構成図である。図1〜3において、モータ1の内部には円筒状の回転子3があり、上記回転子3は軸受けベアリング7によって軸両端がブラケット8を介してフレーム9で支持されている。また、円筒状の回転子3の円周面には、周方向にN極とS極が交互に配置するように永久磁石2が貼り付けられている。回転子3の外周には回転子3の永久磁石2と微小空隙を介して固定子4が配設されている。固定子4は固定子コア5に巻き線6が施された構成であり、本発明の実施の形態1において固定子4は巻き線6が施されたコア毎に複数の固定子コアに分割されている。固定子4は分割された固定子コアそれぞれに対し事前に巻き線したもの(ティース)を組み合わせることにより作成されたものであり、各ティースを周方向に並べて、図3に示すように一体の円形コアを成形している。このような構成において、回転子3の永久磁石2は空隙径方向に磁束を発生して固定子4との相互作用により一般的な永久磁石式回転電機として動作する。
このような大きな隙間4bが生じたコアは固定子4の磁気回路に不均一性を生じる。固定子の磁気回路の不均一性は主に極周期のコギングを発生させる。また、この分割コアによって生じた新たな極周期のコギングは隙間4bの大きさや位置によって異なるためにモータ個体毎に位相、振幅ともにバラツキを持つ場合が多い。このコギングはモータが速度やトルクを制御する際に、脈動トルクして作用するために高精度のNC加工などの用途に用いる場合に問題となる。
2つの磁性体10a、10bはそれぞれ複数の永久磁石2の極間の位置に対向しているときが安定位置となるために、回転子との相対位置に応じて新たな極周期のコギングを生じる。この極周期のコギングは永久磁石側端面からのため定格トルクのほぼ1%以下と僅かであるが、分割コアとすることにより発生するバラツキをもったコギングも同程度であるので相殺しうる。磁性体10a、10bの配置の位置関係を以下のような所定の角度とすれば、モータ個体毎に位相、振幅ともにバラツキを持った上記コギングの低減に対し、簡便に対処することができる。
工作上発生するバラツキのあるコギングトルクをFcとすれば、Fcは極周期であることを考慮して(1)式で表される。ここでθは1回転を2πとした場合の回転子位置、Pは極数、αはコギングトルクFcの振幅、βは位相である。なお、摩擦や鉄損でDC成分があるがここでは考えないものとする。振幅αおよび位相βはバラツキを持つためにモータ個体によって異なる。
Fc=αsin(Pθ+β) (1)
一方、磁性体10aと永久磁石2とで生じるコギングトルクFaは(2)式で示される。AはコギングトルクFaの振幅である。
Fa=Asin(Pθ) (2)
磁性体10bをもう1つ設け、磁性体10bと永久磁石2とで生じるコギングトルクFbが、磁性体10aと永久磁石2とで生じるコギングトルクFaに対し、位相が90度ずれている関係、即ち、Fbが(3)式で示されるものとする。BはコギングトルクFbの振幅である。
Fb=Bcos(Pθ) (3)
FaとFbとの間のこのような関係が成立する条件は、磁性体10aと磁性体10bとの相対位置関係が、
(2π/P)×(m+0.25)
ここで、m=整数
即ち、一極分の角度の整数倍の角度に、一極分の1/4の角度を足した角度となる場合である。
(2)式と(3)式との和が2つの磁性体10a、10bによって生じるコギングの合計であり、(4)式となる。
まず各磁性体10a、10bと永久磁石2の側端面との距離rと、各磁性体10a、10bにより発生するコギングトルクの大きさ(振幅A、B)との関係を、各磁性体ごとに図4に示すように事前に別途把握しておく。
また、磁性体10a、10bが無い状態で、モータのコギンクトルクを測定し、その振幅αおよび位相βを測定する。得られたα、βより、(5)式を満たすA、Bを求める。図4に示すデータから、所定のA、Bが得られる距離rを求めることにより、即座に最適な10a、10bの調整量が求められる。なお、A、Bは、図5に示すように、B=(β+π)Aの傾きをもつ直線とA2+B2=α2を満たす円との交点がA、Bに対する解となる。図5では各コギングトルクをベクトルとして示しており、FaとFbとは直交配置された位置関係になるように設定されているので、対象となるコギングFcの振幅αと位相βとがわかれば、いかなる位相のFcに対しても、FaとFbとのベクトル和としてコギングFcを相殺することができる。
ただし、A、Bは図4に示すように正の値しかとりえないので、調整範囲はコギング波形の1/4周期分、図5ではFcが第3象限内の位相(β=180〜270度)の場合に留まる。コギングFcのバラツキが大きく位相の範囲として極周期に対して1/2周期の調整範囲を持たせる場合には3個、極周期に対してすべてに対応する場合は4個の磁気コギング補償用磁性体を用意し、そのうちの任意の2個を使うことで対応できる。
第1のコギング補償機の位置を、0、60、120、180、240、300度の角度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第2のコギング補償機の位置を、15、75、135、195、255、315の角度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第3のコギング補償機の位置を、30、90、150、210、270、330の角度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第4のコギング補償機の位置を、45、105、165、225、285、345の角度のうちの少なくとも1つの位置とした時、
少なくとも第1のコギング補償機に対して、第2もしくは第4のコギング補償機が配置されれば、極周期で発生するコギングトルクの位相が極周期の1/4でばらついたとしても、第1のコギング補償機によるコギンクトルクと第2もしくは第4のコギング補償機によるコギンクトルクのベクトル和としてキャンセルすることができる(ただし、補償できる位相範囲は180〜270度、または90〜180度)となる。また、第3のコギング補償機に対して、第2もしくは第4のコギング補償機を配置すれば、同様に極周期の1/4でばらついたとしてもキャンセルできる(ただし、補償できる位相範囲は270〜360度、または0〜90度)。例えば図6に示すように第1のコギング補償機10aに対して135度離れた位置に第2のコギング補償機10bを配置すれば、図5で説明したように、極周期で発生するコギングトルクの1/4周期分の位相のバラツキ(この場合180度から270度の位相範囲)、及び振幅のバラツキをもったコギングを、第1のコギング補償機によるコギンクトルクと第2のコギング補償機によるコギンクトルクのベクトル和としてキャンセルすることができる。
さらに、第1〜第4のコギング補償機のうちのいずれか3つを配置すれば、コギングの位相が極周期の1/2でばらついたとしても、3つの補償機のうちの2つを可動させれば2つのコギング補償機によるコギングトルクのベクトル和としてキャンセルできる。例えば、第1のコギング補償機に対して、第2のコギング補償機と第4のコギング補償機が配置されれば、第1のコギング補償機と第2のコギング補償機、あるいは第1のコギング補償機と第4のコギング補償機とを可動させ、極周期で発生するコギングトルクの1/2周期分の位相のバラツキ(この場合90〜270度の位相範囲)、及び振幅のバラツキをもったコギングをキャンセルすることができる。あるいは、第3のコギング補償機に対して、第2のコギング補償機と第4のコギング補償機が配置されれば、第3のコギング補償機と第2のコギング補償機、あるいは第3のコギング補償機と第4のコギング補償機とを可動させ、極周期で発生するコギングトルクの1/2周期分の位相のバラツキ(この場合−90〜90度の位相範囲)、及び振幅のバラツキをもったコギングをキャンセルすることができる。
さらに第1〜第4のコギング補償機を配置し、そのうちの2つを可動させれば任意の位相のコギングのバラツキに対して、逆位相のコギングをこれら2つのコギング補償機で発生させることによりコギングを相殺低減できることとなる。
第1のコギング補償機の位置を、360m/P度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第2のコギング補償機の位置を、(90/P)+(360m/P)度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第3のコギング補償機の位置を、(180/P)+(360m/P)度のうちの少なくとも1つの位置とし、
第4のコギング補償機の位置を、(270/P)+(360m/P)度のうちの少なくとも1つの位置とした時、
コギングの位相のバラツキ範囲が90度以下である場合は、第1〜第4のコギング補償機のうちのいずれか2つ(但し、第1と第3、第2と第4の組み合わせは除く)を配置し、コギングバラツキ範囲が90度を超え180度以下である場合は、第1〜第4のコギング補償機のうちのいずれか3つを配置し、コギングバラツキ範囲が180度を超える場合は第1〜第4のコギング補償機すべてを備えれば、コギンクの位相のバラツキ範囲に応じた補償が可能となる。
また、コギングの振幅と位相がわかれば、2つのコギング補償機のみを調整することでコギンクを打ち消すことができ、またその調整量もコギングの位相と振幅より一意に求まるため、調整が即座に的確に行えるという効果が得られる。
また、上記実施の形態では、コギング補償機として磁性体を用いたが、変わりに磁石小片であってもよく、回転子永久磁石と相互作用によって極周期のコギングを発生するので同様の効果がある。
図8はこの発明の実施の形態2による永久磁石式回転電機の一部を分解して示す斜視図、図9はこの発明の実施の形態2による永久磁石式回転電機の断面構成図である。
本実施の形態2では、ブランケット8に設けられた円弧状スリット8aに磁性体(第1のコギング補償機)11aを配置し、第1のコギング補償機11aが軸方向だけでなく、周方向にも可動な構成とした。
図10に第1のコギング補償機11aによるコギング調整の方法を示す。図10において、曲線Aはモータが発生するコギング波形であり、振幅α、位相βなる波形である。曲線Bはコギング調整前の第1のコギング補償機11aが発生するコギング波形、曲線Cはコギング調整後の第1のコギング補償機11aが発生するコギング波形である。曲線Cは曲線Aと正負が反転した波形となっており、モータが発生するコギングを相殺する波形である。まず、第1のコギング補償機11aを周方向に移動し、第1のコギング補償機11aによるコギング波形の位相が曲線Cの位相と一致するようにする。周方向の可動範囲を極周期の1/4とすれば、上記コギング補償機11aによる位相調整範囲は90度となる。次に、コギング補償機11aを軸方向に移動させ、第1のコギング補償機11aによるコギング波形の振幅aが曲線Cの振幅αより大きければ磁石2から遠ざける方向に、小さければ近づける方向に移動して第1のコギング補償機11aによるコギング波形の振幅aが曲線Cの振幅αと一致するようにする。なお、軸方向の移動と周方向の移動の順序は逆でもかまわない。
このようにすれば、コギング波形がいかなる位相範囲でばらついたとしても、2つのコギング補償機によりコギングを相殺低減することが可能となる。
360/nP
とし、各コギング補償機の可動中心の間隔が、回転子の回転軸に対する相対角度で
(360/nP)+(360m/P)
となるようにすれば、同様に、コギング波形がいかなる位相範囲でばらついたとしても、2つのコギング補償機によりコギングを相殺低減することが可能となる。ここで、Pは極数、mはP未満の整数である。
また、コギング補償機として磁石小片であってもよい。
上記各実施の形態におけるコギング補償機の最適な配置個所について説明する。モータは通常他の負荷に接続されて使われるが、プーリ等の軸受けに荷重がかかる負荷装置が多い。その場合、モータの軸受けサイズを大きくする必要があるが、一般的には負荷側の軸受けサイズのみを大きくする。その場合には、軸受けと本発明のコギング補償機が干渉する。これを避けるとモータの軸方向寸法が大型化する。そこで、小なる軸受け部である反負荷側にコギング補償機を取り付けると、コギング補償機を設けても軸方向サイズの増加を最小限にし、小型なコギング補償機付サーボモータを得ることができる。
図14はこの発明の実施の形態4による永久磁石式回転電機を示す断面構成図、図15は本発明の実施の形態4に係わるティースを示す上面図である。固定子4は分割された分割コアにより構成されており、各分割コア(ティース)は鉄心5aを積層して構成されている。即ち、図15に示すようにティースのa部は通常のティース形状にプレスされた鉄心を積層しているが、b部は2分割された鉄心5bを積層して構成されており、貫通孔5cを有する。貫通孔5cはモータの径方向に貫通しており、図14に示すように、磁性体12a(第1のコギング補償機)または磁性体12b(第2のコギング補償機)が固定子コア5を貫通し、回転子3との間の空隙中に飛び出る構成となっている。このような構成により、局所的にコギング補償用のあらたなコギングトルクを発生させることができ、そのコギングの大きさは磁性体12a、12bの空隙への突き出し量で調整することができる。また、本実施の形態の永久磁石式回転電機は3相モータであり、磁性体12aおよび磁性体12bを挿入するティースは異なる相のティースである。このようにすることにより、工作誤差により発生する、位相のばらつきのあるコギングトルクを相殺することが可能となる。
一般に固定子スロット数をs、極数をPとすると、コギング波形に対するティース間の位相差は360P/sとなる。したがって、たとえば通電U相のティース位置に第1のコギング補償機12aを挿入し、第2のコギング補償機12bをコイルの通電相が異なるVまたはW相に挿入すれば、第1のコギング補償機12aにより発生するコギングトルクFaと、第2のコギング補償機12bにより発生するコギングトルクFbとは120度コギングトルクの位相が異なるため、同位相とはならない。したがって実施の形態1で述べた2つの直交ベクトルでコギングを消す場合と同様、複数のベクトル(この場合、120度の角度をなすベクトル)を合成して位相のばらついたコギングトルクを打ち消すことが可能となる。即ち、コギング補償機12a、12bを、例えばU相のティース位置とV相のティース位置に配置すると、図16に示すように、コギングトルクFa及びFbが発生する。Fa、Fbの大きさは空隙への磁性体挿入量で調整できるので、例えば、ばらつきのあるコギングFcがあっても、Fa+Fbの合成ベクトルで打ち消すように、Fa、Fbの大きさを調整することによって、回転電機の工作誤差によるコギングFcをキャンセルすることができる。
また、複数のコギング補償機は互いの位相関係が既知の相対角度に配置されるので、一意にコギング調整が可能であり、多大な調整時間を要することなく、簡便かつ的確にコギングを補償することが可能となる。
また、固定子コア内にコギング補償機を設けることは、軸方向のブラケットやフレームに寸法的余裕がない場合でも、調整可能なコギング補償機を挿脱できる効果がある。
上記実施の形態1〜4で示したコギング補償機を用いて、分割コアで構成された回転電機におけるコギングを簡便に実施できる方法を以下に示す、
まず、回転子と、分割コアによる固定子とからなる永久磁石式回転電機を製造する(ステップ1)、次にこのモータ単体でコギングを測定する(ステップ2)。さらに、測定したコギングをFFT解析等によって周波数成分毎に分離し、極周期成分の位相と振幅を検出し、これをモータ毎に記録する(ステップ3)。その後、コギング補償機を設置し、上記記録に基づきコギング補償機を調整する(ステップ4)。
制御装置によりモータを極低速となるよう微小トルク指令で駆動する。微小一定トルク指令時においてはコギングトルクFcが外乱となるために速度変動が生じるので、ωを速度、Jを回転軸の慣性モーメントとすると、速度変動分をdω/dtとして測定することでコギングFcを
Fc=J・dω/dt
として観測できる。
別の方法としては、速度一定を目標値として速度フィードバック制御した場合に、一定速度に運転するのに要した制御量からコギングトルクを概略測定して記録する。
これらの手法はこれまではもっぱら制御量の補正によるコギング抑制手段として使われることが多かったが、本発明ではコギング補償機を調整する際に用いてコギングを抑制する。
例えば、モータに添付したバーコードラベルを読み取った後に、自動化ロボットにより、読み取った情報と、あらかじめ記憶されたコギング補償機の情報(コギング補償機により発生するコギングトルクの情報)とを用いてコギング補償機の調整ネジの回転量、あるいは上記回転量と周方向移動量とを決定すれば、生産ライン内でコギング低減の自動調整も可能になるという効果がある。
Claims (5)
- 多極に着磁された円筒状の永久磁石を有する回転子と、
上記永久磁石と空隙を介して配設され、
周方向に複数に分割された分割コアにより構成された固定子とを備えた永久磁石式回転電機において、
上記永久磁石の軸方向側端面に近接させ、
各々独立に上記軸方向に可動可能で、上記分割コアにおいて発生する位相バラツキのあるコギングトルクをベクトル和としてキャンセルさせる複数のコギング補償機を設けると共に、隣り合うコギング補償機の間隔が、上記回転子の回転軸に対する相対角度で
(90/P)度+(360m/P)度
但し、Pは回転子の極数、mはP未満の整数
をなすように配置したことを特徴とする永久磁石式回転電機。 - 多極に着磁された円筒状の永久磁石を有する回転子と、上記永久磁石と空隙を介して配設され、周方向に複数に分割された分割コアにより構成された固定子とを備えた永久磁石式回転電機において、
上記永久磁石の軸方向側端面に近接させ、
各々独立に上記軸方向に可動可能、かつ各々独立に周方向に可動可能で、上記分割コアにおいて発生する位相バラツキのあるコギングトルクをベクトル和としてキャンセルさせるコギング補償機を設け、
上記コギング補償機をn個備える時、上記n個のコギング補償機は、周方向可動範囲が
(360/nP)度
但し、Pは回転子の極数、nは1以上の整数
であり、隣り合うコギング補償機の可動中心の間隔が、回転子の回転軸に対する相対角度で
(360/nP)+(360m/P)
但し、mはP未満の整数
をなすように配置したことを特徴とする永久磁石式回転電機。 - 回転子が軸方向両端でそれぞれ軸受けにより支持されており、上記軸受けの一方が負荷側、他方が反負荷側であるときに、上記反負荷側にコギング補償機を取り付けたことを特徴とする請求項1または2に記載の永久磁石式回転電機。
- 多極に着磁された円筒状の永久磁石を有する回転子と、
上記永久磁石と空隙を介して配設され、周方向に複数に分割された分割コアにより構成された固定子とを備え、
各分割コアに施された巻き線に位相の異なる電流を流す永久磁石式回転電機において、
上記複数の分割コアのうち、位相の異なる電流が流される複数の分割コア内に、
上記分割コアにおいて発生する位相バラツキのあるコギングトルクをベクトル和としてキャンセルさせる複数のコギング補償機を径方向に挿入し、各コギング補償機が上記永久磁石に近接配置するように構成すると共に、上記各コギング補償機は各々独立に径方向に可動可能となるようにしたことを特徴とする永久磁石式回転電機。 - 多極に着磁された円筒状の永久磁石を有する回転子と、上記永久磁石と空隙を介して配設され、周方向に複数に分割された分割コアにより構成された固定子とを備えた永久磁石式回転電機を製造するステップと、上記回転電機が発生するコギングを測定するステップと、測定したコギングを周波数成分毎に分離し、極周期成分の位相および振幅情報を取り出すステップと、上記回転電機に請求項1〜4のいずれかに記載のコギング補償機を設置し、上記位相および振幅情報と予め測定された上記コギング補償機によるコギングの情報とに基き、上記極周期成分の位相および振幅を有するコギングを相殺するように上記コギング補償機の位置を調整するステップとを備えたことを特徴とする永久磁石式回転電機の製造方法。
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