JP4464794B2 - 研磨加工用治具セット及び複数被研磨体の研磨方法 - Google Patents
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Description
被研磨体として、セラミックス(ジルコニア、PZT)と金属(金、白金)との積層体を用いた。2つの梁が出たコの字形状をしており、わずかな外力により破壊される恐れのあるものである。予め出発トレイに入れられた被研磨体を配置用小型トレイに移し、さらに分割プレート、研磨治具(マスタープレート)に移載した。プレスを行う際、弾性体として、硬度50、厚さ3mmの弾性体(シリコンラバー)を用いた。弾性変形により20μm以上変形しており、接着剤(日化精工社製、商品名:シフトワックス)の研磨治具に対する埋め込み高さを低減させた。加工の取り代は10〜15μmとし、加工中には主に被研磨体のみが定盤に接触するようにした。接着剤が定盤及び加工液に面で当ることを防止し、研削液の欠乏や被研磨体への面圧低下による加工能率の低下を防止することができた。研磨加工には、市販の研磨加工用水性スラリー(エンギス社製、商品名:ダイヤモンドスラリー、ダイヤモンドの平均粒径0.5μm)、錫定盤(ラップマスターSFT社製)及び研磨装置(ラップマスターSFT社製、商品名:ラポリッシュ15)を用いた。水性スラリーと接着剤(ワックス)とを上述のような組合せとしたことにより、両者が互いに反応することを防止することができるとともに、ダイヤモンドの分散性を悪化させることを防止することができた。次いで、表面積が4.5mm2の被研磨体324個に対し、900gの荷重を掛けた。なお、上述の接着剤(ワックス)の高さを低減する方法を用いた場合、接着剤(ワックス)の埋め込み高さが低減されない部分が被研磨体近傍に少量残り、研磨加工中に定盤及びスラリーに接触し削り取られることがあるが、加工液中に溶け出さないため問題となることはない。また、脱離用小型トレイのポケット部(脱離ポケット)の収納面積は配置用小型トレイのポケット部(移載ポケット)は縦横それぞれ0.4mm大きくした。これにより、加工後に脱離用小型トレイを装着した分割プレートを装着する際に、被研磨体がトレイに接触することがなく、損傷を発生させることなしに収納することができた。引き続いて行う剥離では溶剤に1時間浸漬させ、超音波を照射することによって、被研磨体をマスタープレートから剥離させることができた。
実施例1において、マスタープレート上にスポットスペーサをさらに設置したこと以外は実施例1と同様にした。なお、スポットスペーサとしては、外径が3mmで被研磨体の厚さより25μmだけ厚いものを用いた。また、加工初期に定盤に過剰な負荷が掛かるのを防止するため、定盤との接触面側は面取りを行ったものを用いた。このスポットスペーサの設置により、従来必要だったブラシによる被研磨体表面の異物の除去をすることなしに、スクラッチの発生を防止することができるとともに、ブラシによる被研磨体への損傷を防止することができた。
Claims (23)
- 複数の被研磨体を研磨治具(マスタープレート)に配置し、前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させるまでの一連の工程に用いられる、複数の治具ユニットの組み合わせからなる研磨加工用治具セットであって、
前記治具ユニットが、
出発トレイの表面上に所定の載置パターンで整列して載置された複数の被研磨体が、前記出発トレイの表面上から、所定の部分パターンに分割された状態で、その表面上に移載されることが可能な複数の配置用小型トレイと、
前記被研磨体の前記配置用小型トレイへの移載に際し、前記配置用小型トレイの複数を、前記部分パターンを集合した全体のパターンが前記載置パターンとなるように予め配列させて収納することが可能で、前記配置用小型トレイを収納した状態で前記被研磨体が前記出発トレイから前記配置用小型トレイに移載されることが可能な、前記出発トレイに対応した形状を有する分割トレイと、
前記分割トレイから、そこに収納された複数の前記配置用小型トレイが、所定の配置パターンで、その表面上に移載されることが可能であるとともに、移載された前記配置用小型トレイに載置された前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置することが可能な分割プレートと、
前記研磨治具の表面上に転写状態で配置された前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記分割プレートの表面上に前記配置パターンで配置されて、前記研磨治具の表面上から所定の剥離処理によって脱離した前記被研磨体が、転写状態で、かつ前記部分パターンに分割された状態で移載されることが可能な脱離用小型トレイとを含み、
前記治具ユニットを組み合わせて用いることによって、前記被研磨体を互いに接触させることなく、かつ一括して、前記研磨治具に配置し、かつ前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記研磨治具から研磨後の前記被研磨体を脱離させることが可能な研磨加工用治具セット。 - 前記分割トレイ及び前記出発トレイが、前記被研磨体の前記出発トレイから前記配置用小型トレイへの移載の際における、互いの位置を決定する第1の位置決め手段を備えた請求項1に記載の研磨加工用治具セット。
- 前記分割トレイ及び前記配置用小型トレイが、前記配置用小型トレイの前記分割トレイ
への配列、収納の際における、互いの位置を決定する第2の位置決め手段を備えた請求項1又は2に記載の研磨加工用治具セット。 - 前記分割プレート及び前記配置用小型トレイが、前記配置用小型トレイの前記分割プレートの表面上への配置の際における、互いの位置を決定する第3の位置決め手段を備えた請求項1〜3のいずれかに記載の研磨加工用治具セット。
- 前記分割プレート及び前記研磨治具が、前記分割プレートの表面上に配置された前記配置用小型トレイに載置された前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置する際における、互いの位置を決定する第4の位置決め手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の研磨加工用治具セット。
- 前記分割プレート及び前記脱離用小型トレイが、前記脱離用小型トレイの前記分割プレートの表面上への配置の際における、互いの位置を決定する第5の位置決め手段を備えた請求項1〜5のいずれかに記載の研磨加工用治具セット。
- 前記脱離用小型トレイが、移載された前記被研磨体を収納するポケット部を有し、そのポケット部の底面に、外部と連通する貫通孔が形成された請求項1〜6のいずれかに記載の研磨加工用治具セット。
- 前記配置用小型トレイ及び前記脱離用小型トレイが、移載された前記被研磨体を収納するポケット部を有し、前記脱離用小型トレイのポケット部の収納面積が、前記配置用小型トレイのポケット部の収納面積よりも大である請求項1〜7のいずれかに記載の研磨加工用治具セット。
- 複数の被研磨体を研磨治具(マスタープレート)に配置し、前記被研磨体を研磨加工し、前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させる複数被研磨体の研磨方法であって、
出発トレイの表面上に所定の載置パターンで整列して載置された複数の被研磨体を前記出発トレイの表面上から所定の部分パターンに分割された状態でその表面上に移載することが可能な複数の配置用小型トレイの複数を、前記部分パターンを集合した全体のパターンが前記載置パターンとなるように、前記出発トレイに対応した形状を有する分割トレイに予め配列させて収納した状態で、前記被研磨体を前記出発トレイから前記配置用小型トレイに移載し、
前記分割トレイに収納された複数の前記配置用小型トレイを、所定の配置パターンで、分割プレートの表面上に移載し、
前記配置用小型トレイに載置された前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置し、
前記研磨治具の表面上に転写状態で配置された前記被研磨体を研磨加工し、
研磨加工の終了後に、前記研磨治具の表面上から所定の剥離処理によって脱離させた、研磨加工された前記被研磨体を、前記分割プレートの表面上に前記配置パターンで配置された脱離用小型トレイに、転写状態で、かつ前記部分パターンに分割された状態で移載することを特徴とする複数被研磨体の研磨方法。 - 前記配置用小型トレイに載置された前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置するに際し、前記研磨治具の表面上に予め接着剤を配設し、前記接着剤によって前記被研磨体を前記研磨治具の表面上に転写状態で固定する請求項9に記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記研磨治具の表面上に予め接着剤を配設し、前記接着剤によって前記被研磨体を前記
研磨治具の表面上に転写状態で固定するに際し、所定の硬度を有する弾性体を、前記接着剤の表面上に予め介在させた状態でプレス加工する請求項10に記載の複数被研磨体の研磨方法。 - 前記脱離用小型トレイとして、移載された前記被研磨体を収納するポケット部を有し、そのポケット部の底面に、外部と連通する貫通孔が形成されたものを用いる請求項9〜11のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記配置用小型トレイ及び前記脱離用小型トレイとして、移載された前記被研磨体を収納するポケット部を有するものを用いるとともに、前記脱離用小型トレイとして、そのポケット部の収納面積が、前記配置用小型トレイのポケット部の収納面積よりも大であるものを用いる請求項9〜12のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記分割トレイ及び前記出発トレイとして、前記被研磨体の前記出発トレイから前記配置用小型トレイへの移載の際における、互いの位置を決定する第1の位置決め手段を備えたものを用いる請求項9〜13のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記分割トレイ及び前記配置用小型トレイとして、前記配置用小型トレイの前記分割トレイへの配列、収納の際における、互いの位置を決定する第2の位置決め手段を備えたものを用いる請求項9〜14のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記分割プレート及び前記配置用小型トレイとして、前記配置用小型トレイの前記分割プレートの表面上への配置の際における、互いの位置を決定する第3の位置決め手段を備えたものを用いる請求項9〜15のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記分割プレート及び前記脱離用小型トレイとして、前記脱離用小型トレイの前記分割プレートの表面上への配置の際における、互いの位置を決定する第4の位置決め手段を備えたものを用いる請求項9〜16のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 複数の被研磨体を研磨治具(マスタープレート)に配置し、前記被研磨体を研磨加工し、前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させる複数被研磨体の研磨方法であって、
前記研磨治具は、前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置することが可能な分割プレートと、
前記研磨治具の表面上に転写状態で配置された被研磨体の研磨加工の終了後に、前記分割プレートの表面上に配置パターンで配置されて、前記研磨治具の表面上から所定の剥離処理によって脱離した被研磨体を、転写状態で、かつ部分パターンに分割した状態で移載することが可能な脱離用小型トレイと、を少なくとも備え、
前記研磨治具の表面上に予め接着剤を配設し、前記被研磨体を、前記接着剤を貫通して前記接着剤中に半分以上埋め込まれた状態で前記研磨治具の表面上に配置、固定して前記被研磨体の研磨加工を終了した後、前記分割プレートと前記脱離用小型トレイとを用いて、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させる複数被研磨体の研磨方法。 - 前記研磨治具の表面上に予め接着剤を配設し、前記被研磨体を、前記接着剤を貫通して前記接着剤中に半分以上埋め込まれた状態で前記研磨治具の表面上に配置、固定するに際し、所定の硬度を有する弾性体を前記接着剤の表面上に予め介在させた状態でプレス加工し、前記接着剤の前記研磨治具に対する埋め込み高さを低減させる請求項18に記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 複数の被研磨体を研磨治具(マスタープレート)に配置し、前記被研磨体を研磨加工し
、前記被研磨体の研磨加工の終了後に、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させる複数被研磨体の研磨方法であって、
前記研磨治具は、前記被研磨体を、前記研磨治具の表面上に転写状態で配置することが可能な分割プレートと、
前記研磨治具の表面上に転写状態で配置された被研磨体の研磨加工の終了後に、前記分割プレートの表面上に配置パターンで配置されて、前記研磨治具の表面上から所定の剥離処理によって脱離した被研磨体を、転写状態で、かつ部分パターンに分割した状態で移載することが可能な脱離用小型トレイと、を少なくとも備え、
前記研磨治具の表面上に予め接着剤を配設し、前記被研磨体を、前記被研磨体より厚いスポットスペーサとともに、前記接着剤を貫通して前記接着剤中に半分以上埋め込まれた状態で前記研磨治具の表面上に配置、固定して前記被研磨体の研磨加工を終了した後、前記分割プレートと前記脱離用小型トレイとを用いて、前記研磨治具から前記被研磨体を脱離させる複数被研磨体の研磨方法。 - 前記スポットスペーサとして、定盤と接触する面が面取りをしてあるものを用いる請求項20に記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記スポットスペーサとして、材質がセラミックスであるものを用いる請求項20又は21に記載の複数被研磨体の研磨方法。
- 前記被研磨体として、機械的強度が小なる部分を含むものを用いる請求項9〜22のいずれかに記載の複数被研磨体の研磨方法。
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