JPH0621666Y2 - ハンドラツパー - Google Patents

ハンドラツパー

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JPH0621666Y2
JPH0621666Y2 JP1989079472U JP7947289U JPH0621666Y2 JP H0621666 Y2 JPH0621666 Y2 JP H0621666Y2 JP 1989079472 U JP1989079472 U JP 1989079472U JP 7947289 U JP7947289 U JP 7947289U JP H0621666 Y2 JPH0621666 Y2 JP H0621666Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、研磨仕上げに用いられるハンドラツパーに
関するものである。
〔従来の技術〕
プラスチツク成形金型の賦形面等、高い精度が要求され
る凹凸面を滑らかに仕上げる場合には、従来から、ラッ
プ工具と工作物表面の間に砥粒を含むラツプ剤を入れ、
両者を細かく擦り合わせて工作物表面を平坦に仕上げる
ラツピングが主として行われてきた。しかし、この方法
では、作業場がラツプ剤の飛沫で汚れやすく、また使用
したラツプ剤の処理も容易でないことから、最近では、
第11図に示すステイツク状一般砥石1や、第12図に
示すサンドペーパー2等を用いて手作業で研磨仕上げを
することが行われている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記ステイツク状一般砥石1は、GC砥
粒やWA砥粒等の砥粒をボンド等の結合剤で結合させた
もので比較的軟らかい砥石であるため、すぐに摩耗して
寿命が短い。また、砥粒が脱落して粉塵となり、被研磨
面を被い隠すため、研磨作業時に頻繁に被研磨面の粉塵
を除去する必要があり、作業性が悪い。また、上記サン
ドペーパー2は、均一な力をかけて擦ることができない
ので、被研磨面が凹凸になり研磨模様ができてしまうと
いう難点がある。
そこで、優れた研磨力を備えた砥石として、近年、第1
3図に示すような、ダイヤモンド砥粒を台金表面に電着
させた電着砥石3が用いられるようになつている。この
電着砥石3は、所定形状に成形された台金4の表面に、
金属メツキによつてダイヤモンド砥粒5を固着したもの
で、研磨力が強く効果的である。しかし、上記電着砥石
3は、台金4の表面にダイヤモンド砥粒5が1層しか固
着されていないので、角部を使つて研磨する場合、研磨
時の衝撃ですぐにダイヤモンド砥粒5が脱落してしま
い、その時点で角部を使つた研磨ができなくなり問題と
なつている。また、台金4をいかに精度よく平坦面に形
成しても、電着後の砥石先端面(研磨面)が、第6図
(a)に示すように、どうしても不揃いになるため均一
で良好な被研磨面が得られないという問題もある。
この考案は、このような事情に鑑みなされたもので、非
常に精度の高い平坦面を有し、幅の狭い隙間や曲面であ
つても精度よく研磨することのできるハンドラツパーの
提供をその目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、この考案のハンドラツパー
は、一端側が柄部に形成され、他端側がラツプ支持部に
形成され、上記ラツプ支持部に、前後に2分割された弾
性材層を介して薄板状電鋳砥石が貼着されているハンド
ラツパーであつて、上記弾性材層における前端側弾性材
層が後端側弾性材層より気孔率の低い弾性材によつて構
成されているという構成をとる。
〔作用〕
すなわち、この考案のハンドラツパーは、研磨面を、従
来から主としてシリコーン材料の切断用カツターとして
用いられてきた薄板状の電鋳砥石によつて構成してい
る。上記電鋳砥石は、後述するように、鏡面仕上げされ
たステンレス板上に微細な砥粒を堆積させ、メツキによ
つてこれを固着させてその堆積層のみを取り出したもの
で、全体を非常に薄く成形することができ、しかも上記
堆積用のステンレス板との境界面が研磨面となるため、
研磨面の平坦度が非常に精度よく得られるという特徴を
有している。したがつて、この考案のハンドラツパー
は、全体として非常に薄い形状にすることができ、しか
も平坦度の精度に優れ、細い隙間や平坦面等を精度よく
研磨することができる。また、上記電鋳砥石が、前後に
2分割され前端側の方が後端側よりも気孔率の低い特殊
な弾性材層を介して支持部に取り付けられており、研磨
面が弾力的に動くので、電鋳砥石自身が薄くて多少しな
うことと相俟つて、曲面部の研磨にも優れた効果を発揮
する。さらに、上記電鋳砥石が緻密な砥粒の堆積品であ
ることと、上記前端側弾性材層の気孔率が低くて後端側
よりも硬い材質で構成されていることから、角部の寿命
が長く、長期にわたつて優れた研磨力を発揮する。
つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳細に説明す
る。
〔実施例〕
第1図および第2図(第1図にA矢視図)はこの考案の
一実施例を示している。すなわち、このハンドラツパー
10は、ラツプ支持部11と棒状の柄部12が竹材によ
つて一体的に形成された支持体13と、上記支持体13
のラツプ支持部11の下面側に、アクリル板14および
弾性材層15を介して取り付けられる薄板状の電鋳砥石
16とを備えている。そして、上記弾性材層15は、前
端側と後端側の前後2つに分けられる部分に、それぞれ
材質の異なる弾性材が貼着され構成されている。上記前
端側弾性材層15aは厚みが0.4mmで、アクリル樹脂発
泡体によつて構成されている。また、上記後端側弾性材
層15bは厚みが0.9mmで、ポリエチレン発泡体によつ
て構成されている。したがつて、弾性材層15の先端側
の方が肉厚が薄くなつており、電鋳砥石16の先端側が
やや反り気味になつている。
上記ハンドラツパー10は、例えばつぎのようにして製
造することができる。まず、電鋳砥石16をつくるため
に、第3図に示すように、鏡面仕上げしたステンレス板
17を用意し、これをメツキ槽18に浸漬してダイヤモ
ンド砥粒19の浮遊するメツキ液20内で通電する。こ
れにより、上記ステンレス板17の表面17aにダイヤ
モンド砥粒19が堆積しながらメツキを介して固着す
る。そこで、ステンレス板17をメツキ槽18内から引
き上げ、ステンレス板17からこの堆積固着層を剥離さ
せると、第4図に示すような、ダイヤモンド砥粒19が
メツキを介して緻密に結着された薄板状の電鋳砥石16
が得られる。一方、第5図に示すように。先端部がラツ
プ支持部11に形成され柄部12が長く延びる棒状の支
持体13を竹材によつて準備し、この支持体13のラツ
プ支持部11の下面11aに、適宜の接着剤を介してア
クリル板14を貼着する。つぎに、片面の剥離紙25を
剥がした両面テープ26(住友スリーエム社製、Y−4
920)の接着面を、上記アクリル板14の下面先端側
に押圧して接着する。また、片面の剥離紙27を剥がし
た両面テープ28(積水化学社製、ダブルタツクテープ
♯5162)の接着面を、上記アクリル板14の下端面
根元側に押圧して接着する。そして、これらの両面テー
プ26,28からそれぞれ表面の剥離紙29,30を剥
がすことにより、前後2つの弾性材層15a,15bか
らなる弾性材層15を形成し、この弾性材層15の表面
(接着剤が塗布されている)に、上記電鋳砥石(四角形
状に切断したもの)16を貼着する。このようにして、
第1図に示すハンドラツパー10を得ることができる。
このようにして得られたハンドラツパー10を用いて金
型の内面等の研磨仕上げを行うと、非常に平坦な研磨面
が得られる。これは、上記ハンドラツパー10の研磨面
が電鋳砥石16の研磨面16a(第4図参照)によつて
形成されていることによる。すなわち、この研磨面16
aは、第4図に示すように、前記ステンレス板17の鏡
面仕上げ面17aとの境界面に形成されているから、こ
の面のダイヤモンド砥粒19先端は全く同じ高さに揃つ
ており、平坦度に優れる。これに対し、従来の電鋳砥石
や砥粒結着砥石は、第6図(a)および(b)に示すよ
うに、研磨面となる砥粒の高さが不揃いで、上記電鋳砥
石16のような平坦度が得られない。
また、上記ハンドラツパー10は、従来の電着砥石と異
なり、研磨面16aの角部(第2図において矢印Pで示
す)を使つて繰り返し良好なラツプを行うことができ
る。これは、電鋳砥石16内に微小なダイヤモンド砥粒
19が堆積されていて最外層の砥粒19が摩耗してもつ
ぎつぎ新しい砥粒19が露出するからである。そして、
さらに使用を続けて角部の形状精度が悪くなつてきた場
合には、第2図において鎖線で示すように、支持体13
ごと電鋳砥石16の端部を切断して新しい砥粒17を露
出させるようにして、長時間にわたつて良好な研磨力を
維持させることができる。
さらに、上記ハンドラツパー10は、電鋳砥石16自体
が薄肉で多少しなうことと、電鋳砥石16が弾性材層1
5を介して支持部11に取り付けられ研磨面16aが弾
力的に動くこととが相俟つて、例えば被研磨面が第7図
に示すような曲面であつても、この曲面に沿つて滑らか
に研磨仕上げをすることができる。特に、このハンドラ
ツパー10では、弾性材層15の前端側を、後端側より
も厚みを薄く設定している(前端側弾性材層15aの厚
みは0.4mm、後端側弾性材層15bの厚みは0.9mm)た
め、電鋳砥石16が、先端側をやや持ち上げた(反つ
た)状態になつており、電鋳砥石16の先端部によつて
被研磨面が過度に削られて傷つくようなことがない。そ
して、前端側弾性材層15aを、気孔率が低くて硬い弾
性材によつて形成している(前端側弾性材層15aの発
泡倍率は1〜5倍、後端側弾性材層15bの発泡倍率は
7〜10倍)ため、研磨使用時に荷重がかかりやすい先
端部が丈夫で、電鋳砥石16が長時間、良好に保持され
る。しかも、湿式時における油剤の使用によつても、油
剤が先端側から弾性材層15内に滲み出さず、また、竹
材からなる支持体13と弾性材層15の間にアクリル板
14を介在させているため、油剤の弾性材層15内への
滲み出しによつてこの部分が容易に剥げることはない。
なお、長期の使用によつて、電鋳砥石16の先端が大き
く欠けたり、弾性材層15が剥離したりして、先に述べ
た切断等の対処では修復できない場合には、予め別売り
される砥石部交換ブロツク40によつて、支持体13の
下面から下の部分を交換することができる。上記交換ブ
ロツク40は、第8図に示すように、アクリル板14の
下面に弾性材層15(前端側弾性材層15aおよび後端
側弾性材層15b)を貼着し、さらに上記弾性材層15
の下面に電鋳砥石16を貼着して一体化したスペア砥石
31に、アクリル板14と支持体13とを接着させるた
めの接着剤32が組み合わせられているものである。交
換は、まず損傷したハンドラツパー10の支持体13の
下面から下の部分を除去し、支持体13の下端面をサン
ドペーパー等で磨いたのち、上記接着剤32を支持体1
3の下面に塗布する。そして、この塗布面に、上記スペ
ア砥石31のアクリル板14上面を貼着して砥石部分を
新しくすることができる。
なお、上記実施例では、支持体13として竹材を用いた
が、ステンレス板や木、あるいはプラスチツク等を用い
るようにしてもよい。ただし、全体として適度にしなう
ものが好適である。そして、支持体13として竹材や木
材を用いる場合には、竹や木に油剤が滲み込んで弾性材
層14側に到達してこの部分から弾性材層14が剥離す
るおそれがあるため、上記実施例のように、支持体13
と弾性材層15の間に、油剤を通さずしかも金型等の研
磨対象を傷つけない素材、例えば銅の薄板やアクリル板
等を貼着してから弾性材層14を取り付けるようにする
ことが好適である。
また、電鋳砥石16を構成する砥粒としては、ダイヤモ
ンド砥粒19以外に、立方晶窒化ほう素(CBN)砥粒
等を用いてもよい。ただし、ダイヤモンド砥粒19の硬
度が最も高く切れ味がよいので、ダイヤモンド砥粒19
が最適である。そして、砥粒の粗さは、♯400〜♯2
000まで各段階のものを選択でき、メツキ液20に浮
遊させる量、撹拌の程度、電流量等によつてその堆積厚
みを適宜に設定することができる。
さらに、上記電鋳砥石16と支持体13の間の弾性材層
15を形成する弾性材としては、上記実施例のように、
先端側と根元側とで種類を変え、前端側弾性材層15a
を気孔率が低くて硬度の高いものとし、後端側弾性材層
15bを気孔率が高くて柔軟なものとすることが好適で
ある。このようにすると、後端側弾性材層15bによつ
て充分なクツシヨン性を確保することができ、しかも使
用時に最も荷重のかかる先端側に一定の強度を持たせて
摩耗と油剤の滲み込みを防止することができるからであ
る。そして、前端側弾性材層15aの厚みを、後端側弾
性材層15bの厚みよりも薄く設定することが好適であ
る。このようにすると、研磨面を形成する電鋳砥石16
が、先端側が僅かに持ち上げられた状態(反つた状態)
になつて、ハンドラツパー10の押し出し動作時に電鋳
砥石16の先端で研磨面を過度に削つて傷つけるような
ことがないからである。両者の厚みの差は0.3〜0.6mm程
度に設定することが好適である。
また、上記実施例では、研磨面を平たく形成している
が、第9図(a)および同図(b)に示すように、曲面
に形成してもよい。このような場合には、支持体13の
ラツプ支持部11を所定の曲面に成形するとともに、こ
れに弾性材層14を介して貼着する電鋳砥石16を目的
とする曲面に成形して、上記実施例と同様にして両者を
一体化するようにする。なお、電鋳砥石16を曲面に成
形するには、曲面に成形された堆積台を用い、この上に
ダイヤモンド砥粒19等を堆積させるようにする。
さらに、この考案のハンドラツパー10は、手でラツプ
支持部11の上面を押すようにして磨くと効果的である
が、例えば第10図に示すように、柄部12を持つて磨
く際、必然的にラツプ支持部11の上面が押されるよう
な治具20を取り付けるようにして、柄部12の持ち方
によつて力の加減がかわるようにしてもよい(柄部12
を垂直方向に立てれば立てるほど先端研磨部に大きい荷
重がかかる)。
また、この考案のハンドラツパー10は、ラツプ支持部
13の片面に電鋳砥石16を取り付けているが、両面に
弾性材層15を介して電鋳砥石15を取り付けても何ら
差し支えない。
さらに、この考案のハンドラツパー10は、上記実施例
のように手動工具として使用するのみならず、公知の電
動ラツプ工具の砥石部分に上記弾性材層15を介して電
鋳砥石16を取り付け、電動ラツプ工具として使用する
こともできる。
〔考案の効果〕
以上のように、この考案のハンドラツパーによれば、そ
の研磨面が、前端側が後端側よりも気孔率の低い材質で
構成された特殊な弾性材層に保持された電鋳砥石によつ
て形成されているため、平坦度および曲面への追従性に
優れ、非常に精度の要求される研磨仕上げを良好に行う
ことができる。しかも、全体を、従来では考えられない
薄さに成形できるため、幅の狭いスリツト部分に入り込
んでその内面を充分に研磨することができる。また、研
磨時に最も力のかかる角部の寿命が長く、砥粒の脱落も
殆どないので、作業効率が非常によいという利点を有す
る。さらに、単位面積当たりのダイヤモンド砥粒の数が
多いので、全体の寿命が長く、しかも切れ味が鋭いとい
う利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第2図は第
1図のA矢視図、第3図は上記実施例に用いる電鋳砥石
の製法の説明図、第4図は上記電鋳砥石の縦断面図、第
5図は上記電鋳砥石の台金への取り付け方の説明図、第
6図(a)はダイヤモンド電着砥石の部分的な縦断面
図、第6図(b)は砥粒結着砥石の部分的な縦断面図、
第7図は上記実施例品を曲面に用いる場合の説明図、第
8図は上記実施例品の先端部の交換ブロツクを示す斜視
図、第9図(a)および(b)はいずれもこの考案の他
の実施例を示す斜視図、第10図はこの考案のさらに他
の実施例を示す正面図、第11図は従来からラツプに用
いられるステイツク状一般砥石を示す斜視図、第12図
はサンドペーパーを示す斜視図、第13図は電着砥石を
示す断面図である。 10…ハンドラツパー、11…ラツプ支持部、12…柄
部、13…支持体、14…アクリル板、15…弾性材
層、15a…先端弾性材層、15b…後端側弾性材層、
16…電鋳砥石、16a…研磨面、19…ダイヤモンド
砥粒

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端側が柄部に形成され、他端側がラツプ
    支持部に形成され、上記ラツプ支持部に、前後に2分割
    された弾性材層を介して薄板状電鋳砥石が貼着されてい
    るハンドラツパーであつて、上記弾性材層における前端
    側弾性材層が後端側弾性材層より気孔率の低い弾性材に
    よつて構成されていることを特徴とするハンドラツパ
    ー。
  2. 【請求項2】電鋳砥石が、ダイヤモンド砥粒もしくは立
    方晶窒化ほう素砥粒の堆積品である請求項(1)記載のハ
    ンドラツパー。
  3. 【請求項3】前端側弾性材層の厚みが後端側弾性材層の
    厚みよりも薄く設定されている請求項(1)または(2)記載
    のハンドラツパー。
  4. 【請求項4】前端側弾性材層がアクリル樹脂発泡体で構
    成され、後端側弾性材層がポリエチレン発泡体もしくは
    ポリウレタン発泡体によつて形成されている請求項(1)
    ないし(3)のいずれか一項に記載のハンドラツパー。
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JP1-27172 1989-03-08
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