JP4464758B2 - 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ - Google Patents

渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ Download PDF

Info

Publication number
JP4464758B2
JP4464758B2 JP2004226560A JP2004226560A JP4464758B2 JP 4464758 B2 JP4464758 B2 JP 4464758B2 JP 2004226560 A JP2004226560 A JP 2004226560A JP 2004226560 A JP2004226560 A JP 2004226560A JP 4464758 B2 JP4464758 B2 JP 4464758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
flaw detection
probe
inspection target
holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004226560A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006047036A (ja
JP2006047036A5 (ja
Inventor
慶典 近藤
義和 西島
政康 金沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2004226560A priority Critical patent/JP4464758B2/ja
Publication of JP2006047036A publication Critical patent/JP2006047036A/ja
Publication of JP2006047036A5 publication Critical patent/JP2006047036A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4464758B2 publication Critical patent/JP4464758B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

この発明は、コイルによる磁束変化を与えたときに導電部材に生じる過電流の変化から検査対象面の傷を検出する渦流探傷装置に関し、特に、検査効率を高めるために複数の探傷コイルを用いる渦流探傷装置のマルチコイル式プローブに関する。
この種のマルチコイル式プローブを用いた傷の検出においては、検査対象面の傷の検出を精度よく行うために、各探傷コイルと検査対象面との間隔(リフトオフ量)を一定に保持する必要がある。したがって、航空機の外装部品や各種プラントのパイプ等のように、湾曲した表面や凹凸を有する表面が検査対象面となる場合には、湾曲した検査対象面に各探傷コイルを追従させる必要がある。
そこで、従来では、これに対処するものとして、可撓性を有するフィルム基板の表面に複数の探傷コイルのパターンを印刷配線により形成したマルチコイル式プローブがある(例えば、特許文献1参照。)。また、上記のフィルム基板を円柱状の軸体に巻き付け、軸受を介してこの軸体を支持軸に回転可能に支持したマルチコイル式プローブがある(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、従来では、導線を巻回した探傷コイルをマルチコイル式プローブの厚さ方向に重ねたものもある(例えば、特許文献3参照)。このマルチコイル式プローブでは、一方の探傷コイル(以下、励磁コイルと呼ぶ)において交流磁場を発生させ、この交流磁場により検査対象面に過電流を発生させる。そして、マルチコイル式プローブの表面側に配された他方の探傷コイル(以下、検出コイルと呼ぶ)において前記過電流を検知し、隣り合う検出コイルの相互間に生じる電圧差に基づいて傷を検出する。この構成においては、傷の検出に対する斜めリフトオフの影響を無くすことができる。なお、斜めリフトオフとは、検査対象面に対して、これに対向するマルチコイル式プローブの表面が傾斜した状態を示している。すなわち、探傷コイルと検査対象面との距離が探傷コイル毎に異なることを示している。
また、従来では、複数の探傷コイルと各探傷コイルに対応する距離センサとをプリント基板に設けたマルチコイル式プローブがあり(例えば、特許文献4参照)、距離センサからの距離信号に基づいて検出コイルの探傷信号を補正することにより、傷の検出に対する斜めリフトオフの影響を無くしている。
特開平11−51905号公報 特開平11−183441号公報 特許第3343860号公報 特開2001−56317号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載のマルチコイル式プローブにおいては、プリント基板の表面に探傷コイルのパターンを形成するため、導線を巻回するタイプの探傷コイルと比較して、検査対象の表面形状や材質に応じた探傷コイルの設計変更が困難であるという問題がある。そして、プリント基板に探傷コイルのパターンをエッチング等により形成する構成の場合には、探傷コイルの設計変更を行う毎に上記パターン用の型を作成する必要があるため、マルチコイル式プローブの製造コストが増加するという問題がある。
さらに、プリント基板に探傷コイルのパターンを形成する場合には、分解能が高く、高い感度を有する探傷コイルを形成することが困難であるという問題もある。また、プリント基板を利用した構成の場合には、相互に隣り合う探傷コイルのパターンの影響によってノイズが発生する虞もある。
また、特許文献3,4に記載のマルチコイル式プローブにおいては、過電流に基づいて隣り合う検出コイルの相互間に生じる電圧差や、距離センサからの距離信号に基づいて検出コイルの探傷信号の補正によって斜めリフトオフの影響を無くすように構成されているが、検査対象面の曲率が大きい場合や、検査対象面の形状が複雑である場合には、リフトオフ量が大きくなって検査感度が低下するという問題がある。
さらに、特許文献4に記載のマルチコイル式プローブにおいては、別途距離センサを設けているため、マルチコイル式プローブを構成する部材点数が多くなり、その製造コストが高くなるという問題がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、導線を巻回するタイプの探傷コイルを用いて安価に製造でき、かつ、各探傷コイルと検査対象面との間隔のばらつきを無くして検査精度の向上を図れる渦流探傷装置のマルチコイル式プローブの提供を目的としている。
上記目的を達成するために、この発明は、導線を巻回してなる複数の探傷コイルと、前記複数の探傷コイルの端面を検査対象面に対向する前面側に向けた状態で前記複数の探傷コイルを自身の厚さの範囲内に支持する保持部と、を有するコイルユニットと、前記検査対象面に前記コイルユニットを接触させる際に把持する固定部と、前記保持部を押圧して前記複数の探傷コイルを前記固定部から離間させる方向に付勢する付勢手段を有し、前記コイルユニットと前記固定部とを連結する連結部とを備え、前記保持部は、弾性変形可能な弾性材料を用いて可撓性を有するように形成され、前記複数の探傷コイルは、前記コイルユニットが前記検査対象面に接触したときに、前記検査対象面と非接触状態を保持するように配置されていることを特徴とする渦流探傷装置のマルチコイル式プローブを提供する。
この発明に係るマルチコイル式プローブによれば、この発明に係るマルチコイル式プローブにより検査対象面の傷を検出する際には、例えば、固定部を手で把持して保持部の前面を検査対象面に接触させる。ここで、保持部は可撓性を有しているため、検査対象面が曲面に形成されていても、保持部を湾曲させて保持部の前面と検査対象面との間に隙間ができることを防止できる。したがって、保持部に支持された各探傷コイルの端面と検査対象面とのリフトオフ量を一定に保持できると共に、斜めリフトオフの発生も防止できる。
また、この傷の検出の際には、手で把持しない保持部が湾曲し、手で把持する固定部はこの湾曲に追従することがないため、容易に保持部を検査対象面に追従させることができる。
また、この発明に係るマルチコイル式プローブによれば、検査対象面が曲面に形成されていても、弾性材料からなる保持部を弾性変形させることにより、保持部の前面と検査対象面とを容易に密着させることができる。
さらに、固定部を把持してコイルユニットを検査対象面に押さえつけた際に、付勢手段によって探傷コイルが検査対象面に付勢されるため、探傷コイルを検査対象面に確実に追従させることができる。特に、付勢手段により保持部を押圧する場合には、付勢手段の付勢力により保持部を湾曲させることができるため、保持部を検査対象面に容易に追従させることができる。
また、前記保持部が、前記探傷コイルの端面側に配され、かつ前記検査対象面に接触させるシート状のコーティング層を有し、前記付勢手段が、前記探傷コイルに直接接続されてもよい。
この場合、付勢手段により探傷コイルを直接押圧する場合には、探傷コイルを保持部の内部に埋める必要が無くなるため、コーティング層を湾曲させた際に各探傷コイルに発生する応力を抑制することができる。また、各探傷コイルを付勢手段により直接押圧しているため、検査対象面に向けて各探傷コイルを確実に押し付けることができる。
また、前記付勢手段が、前記端面の反対側に位置する前記探傷コイルの裏面に当接する押圧部と、該押圧部と前記固定部との間に設けられ、前記固定部に対して前記押圧部及び前記探傷コイルを前記裏面に沿う基準軸線回りに揺動可能とする揺動部とを備えてもよい。
この場合、揺動部により固定部に対する探傷コイルの向きを変更させることができるため、各探傷コイルの端面を確実に検査対象面に追従させることができる。
さらに、前記押圧部及び前記揺動部が一体的に形成されてもよい。この場合、押圧部と揺動部との連結を省くことができるため、付勢手段の組み上げ工程を簡略化してマルチコイル式プローブの製造効率を向上させることができる。
また、前記付勢手段が、導電性を有し、前記各探傷コイルから引き出される一対の導線に電気接続される一対の配線部を備えてもよい。
この場合、付勢手段は、各探傷コイルを押圧すると共に探傷コイルに電力を供給する役割を果たすため、探傷コイルに電力を供給するための別途配線が不要となる。したがって、マルチコイル式プローブの構成部品を減らしてその製造効率を向上させることができる。
さらに、前記固定部が、前記連結部を介して前記コイルユニットに接続される第1のハウジングと、前記第1のハウジング及び前記保持部の配列方向に略直交する直交軸線を中心として、前記第1のハウジングに対して揺動可能に連結される第2のハウジングとを備えてもよい
この場合、第2のハウジングを手で把持した状態で、保持部を検査対象面に接触させてマルチコイル式プローブを直交軸線の直交方向に移動させる。この際には、マルチコイル式プローブの移動方向前方に位置する検査対象面に大きな凹凸を有する湾曲面があっても、第2のハウジングに対して第1のハウジングが揺動するため、第2のハウジングの向きを前記湾曲面に合わせて変化させることなく、保持部を前記湾曲面に追従させることができる。すなわち、第2のハウジングを把持する手の向きを湾曲面に合わせて変化させる必要が無いため、容易に傷の検出を行うことができる。
また、前記直交軸線を中心とする前記2つのハウジングの相対回転位置が所定位置に向かうように、前記2つのハウジングを相互に前記直交軸線回りに付勢する回転付勢手段を備えてもよい
この場合、保持部を検査対象面に接触させる前の状態においては、回転付勢手段により2つのハウジングの相対回転位置を所定位置に保持できるため、第1のハウジングを把持しなくても、安定した状態で保持部を検査対象面に接触させることができる。
さらに、前記2つのハウジングの相対距離を変更可能に連結すると共に、これら2つのハウジングを相互に離間させる方向に付勢するハウジング付勢手段を備えてもよい
この場合、ハウジング付勢手段により2つのハウジングの相対距離を変化させることができるため、連結部の付勢手段により吸収しきれない大きな湾曲面が検査対象面に存在しても、手で把持する第2のハウジングをこの湾曲面に追従させることなく、第1のハウジング及び保持部を検査対象面に確実に追従させることができる。
さらに、前記保持部のうち、少なくとも前記前面に沿う一方向について相互に隣り合う前記探傷コイルの間に、弾性変形可能な易変形部が形成されてもよい
また、前記易変形部が、少なくとも前記保持部の前面、若しくは該前面とは反対側に位置する背面から窪んで形成された切欠部からなるものでもよい
これらの場合、検査対象面に沿うように保持部を湾曲させる際には、各易変形部を弾性変形させればよいため、探傷コイルに応力が発生することを抑制し、保持部を容易に湾曲させることができる。また、易変形部を切欠部から形成した場合には、探傷コイルに応力が発生することを確実に防止できる。
本発明のマルチコイル式プローブによれば、保持部に支持された各探傷コイルの端面と検査対象面とのリフトオフ量を一定に保持できると共に、斜めリフトオフの発生も防止できるため、探傷の検査感度の低下を防止できる。また、固定部を把持した状態で容易に保持部を検査対象面に追従させることができるため、傷の検査を容易に行うことが可能となる。
さらに、マルチコイル式プローブは導線を巻回するタイプの探傷コイルにより構成されているため、マルチコイル式プローブを安価に製造することができる。
以下、本発明による第1の実施形態について図1〜6を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係るマルチコイル式プローブ1は、電源回路及び制御部を内蔵する探傷装置本体3と、マルチコイル式プローブ1及び探傷装置本体3を相互に接続するケーブル5と共に渦流探傷装置7を構成するものである。探傷装置本体3には、電源スイッチ等の各種操作スイッチ4が設けられると共に、表示装置である液晶モニター6が設けられている。
マルチコイル式プローブ1は、図2に示すように、検査対象面T1に接触させるコイルユニット9、ケーブル5に接続される固定部11及び、これらコイルユニット9と固定部11とを相互に連結する連結部13とを備えている。
コイルユニット9は、導線を巻回してなる複数の探傷コイル15と、検査対象面T1に対向する前面17a側に各探傷コイル15の端面15aを向けた状態で探傷コイル15を支持する保持部17とを備えている。各探傷コイル15は、ドーナツ型の空芯コイルによって構成されており、その空芯コイルは、例えばスピンドル型自動巻線機によって巻かれている。これら探傷コイル15は、前述したケーブル5にそれぞれ電気的に接続されている。
保持部17は、シリコンゴムやテフロン(登録商標)等の弾性変形可能な樹脂からなるコイルホルダ本体19と、探傷コイル15の端面15a側に配されたコーティング層21とを備えている。
コイルホルダ本体19には、厚さ方向(Z軸方向)に貫通する略円筒状の収容孔23が複数形成されており、これら収容孔23に各々探傷コイル15が収容されている。これら収容孔23は、図3に示すように、コイルホルダ本体19の長手方向(X軸方向)に沿って2列に、かつ各列の収容孔23がオフセットするように配置されている。なお、各探傷コイル15は、図2に示すように、その周縁部を収容孔23の内周面に接着剤Gで固定することによりコイルホルダ本体19に対して固定されている。ここで使用する接着剤Gとしては、例えば、UV接着剤、瞬間接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコン系接着剤等、硬化後に適度な弾性を有するものが挙げられる。
また、コイルホルダ本体19は、その表面19aから裏面(背面)19b側に向けて幅方向(Y軸方向)の寸法が漸次大きくなるように形成されている。すなわち、コイルホルダ本体19の幅方向の端部に位置する表面19aには、テーパ状に形成されたテーパ部27が設けられている。
コーティング層21は、シリコンゴムやテフロン(登録商標)等の弾性変形可能な樹脂をシート状に形成したものであり、コイルホルダ本体19に形成された断面視略矩形状の凹部25に接着して固定されている。このコーティング層21の表面21aはコイルホルダ本体19の表面19aと共に、検査対象面T1に対向する保持部17の前面17aを構成している。また、このコーティング層21の裏面21bは、コイルホルダ本体19の収容孔23に収容された探傷コイル15の端面15aにも接触している。
このコイルユニット9は、以下のように製造される。
はじめに、図3に示すように、収容孔23、凹部25及びテーパ部27を有するコイルホルダ本体19を形成しておく。この収容孔23の内径は、探傷コイル15の外径寸法よりも大きく形成されている。次いで、平坦面に形成された表面31aから突出する段部29を備えた治具31を用意し、前記表面31aと平行な平坦面に形成された段部29の搭載面29aから突出する複数の位置決めピン33にそれぞれ探傷コイル15を取り付ける。これら位置決めピン33は、コイルホルダ本体19の収容孔23と同様に、段部29の長手方向(X軸方向)に沿って2列に、かつ各列の位置決めピン33がオフセットする位置に配されている。
各位置決めピン33の外径は、探傷コイル15の内径よりも微少に小さく形成されている。すなわち、例えば、探傷コイル15の内径が1.08mmの場合には位置決めピン33の外径を1.06mmとしておく。したがって、各探傷コイル15をそれぞれの位置決めピン33に取り付けることにより、隣り合う探傷コイル15を等間隔に保持できる。
治具31に対する探傷コイル15の位置決めが終了した後には、図4に示すように、凹部25の底面25aが段部29の搭載面29aに接触するように、かつ、コイルホルダ本体19の表面19aが治具31の表面31aに接触するように、コイルホルダ本体19を治具31に載置する。すなわち、コイルホルダ本体19の凹部25の寸法は、治具31の段部29の寸法と略一致している。この状態においては、探傷コイル15が各収容孔23に収容されることになる。また、この状態においては、探傷コイル15及びコイルホルダ本体19が共に治具31に固定されるため、探傷コイル15とコイルホルダ本体19との相対的な位置が決定される。
そして、この状態において、接着剤Gにより各探傷コイル15とコイルホルダ本体19とを固定する。ここで、コイルホルダ本体19は弾性を有しているため、接着の際には各探傷コイル15を搭載面29aに押し付けながら行うことが好ましい。これにより、Z方向に関して複数ある探傷コイル15の端面15aの位置を確実に揃えることができる。
最後に、探傷コイル15を固定したコイルホルダ本体19を治具31から取り外し、図2に示すように、コーティング層21を凹部25に接着することによりコイルユニット9の製造が終了する。
なお、この製造の際には、コイルホルダ本体19を治具31に載置した後に、探傷コイル15を位置決めピン33に取り付けるとしても構わない。
固定部11は、図2,5に示すように、直方体状に形成されたアルミ製のハウジング35と、ハウジング35の内部に配され、各探傷コイル15及びケーブル5の配線を電気的に接続するコイル基板37とを備えている。ハウジング35の下端側には開口部39が形成されており、この開口部39に後述する連結部13のベローズ部(被覆部)41が接続されている。
連結部13は、コイルユニット9及び固定部11の間に配されており、略直方体状のベローズ部41と、コイルユニット9と固定部11とを相互に引き離す方向(Z軸方向)に付勢する付勢手段43とを備えている。
ベローズ部41には、その伸縮方向(Z軸方向)の両端に開口する平面視略矩形状の開口部41a,41bが設けられている。一方の開口部41aは固定部11の開口部39に取り付けられ、他方の開口部41bはコイルユニット9に取り付けられている。ここで、他方の開口部41bは、コイルユニット9により閉塞されているため、固定部11及びベローズ部41の内方空間は外方に露出しない状態となる。
付勢手段43は、複数のコイルスプリング45と、各コイルスプリング45に挿通されたピン47とを備えている。複数のコイルスプリング45は、その長手方向の一端が固定部11側に配され、他端がコイルユニット9側に配されている。各コイルスプリング45の他端は、コイルホルダ本体19の裏面19aの周縁部にワッシャ46を介して配されている。
各ピン47は、ベローズ部41の一方の開口部41aに固定された板状部材48に取り付けられている。すなわち、板状部材48にはその厚さ方向に貫通する挿通孔48aが形成されており、各ピン47がこの挿通孔48に挿通している。これにより、各ピン47は、板状部材48や固定部11に対してZ軸方向のみに移動可能となっている。
なお、各コイルスプリング45の一端は、この板状部材48の表面48bに配されているため、コイルスプリング45は板状部材48とコイルホルダ本体19とをZ軸方向に引き離すように付勢することになる。また、この板状部材48の中央部分には、その厚さ方向に貫通する略矩形状の孔48cが形成されており、この孔48cを介してコイル基板37と各探傷コイル15との電気接続用の配線を通すことができる。
各ピン47の一端は、コイルホルダ本体19の内部に設けられたボールジョイント49に固定されている。このボールジョイント49は、コイルホルダ本体19に対してその裏面19bに沿う軸線回りに揺動可能となっており、ベローズ部41や付勢手段43と共に連結部13を構成している。
また、固定部11の内方空間に配される各ピン47の他端には、板状部材48の挿通孔48aの径よりも大きいフランジ部47aが形成されており、ピン47が挿通孔48aから抜け出ることを防止している。
なお、このピン47は、コイルスプリング45に挿通させているため、コイルスプリング45をZ軸方向のみに伸縮させるようになっている。
このマルチコイル式プローブ1により、検査対象面T1の傷の検出を行う際には、固定部11を手で把持し、図2(b),(c)に示すように、検査対象面T1に保持部17の前面17aを接触させた状態で、コイルホルダ本体19の幅方向(Y軸方向)にマルチコイル式プローブ1を移動させる。この際には、マルチコイル式プローブ1の移動方向の前方に検査対象面T1から突出する突起等の障害物が存在していても、障害物がテーパ部27に接触するため、テーパ部27によって保持部17の前面17aまで滑らかに案内されることになる。また、この際に、固定部11を検査対象面T1に向けて押さえつけても、この押圧力はコイルスプリング45の弾性変形により吸収されるため、各探傷コイル15に過剰な負荷がかかることを防止できる。
なお、検査対象面T1が平坦面である場合には、保持部17を弾性変形させることなく、その前面17a全体を検査対象面T1に接触させることができる。
図6(a)に示すように、凸状の曲面に形成された検査対象面T1の傷の検出を行う際には、固定部11を検査対象面T1に向けて押さえつける。この際には、コイルスプリング45の付勢力によって保持部17の前面17aが凹状となるように保持部17が弾性変形することになる。このため、保持部17の前面17a全体を検査対象面T1に接触させることができる。
また、この際には、保持部17の裏面19bが凸状となるため、X軸方向に関する保持部17の中途部が、保持部17の両端部よりも固定部11側に近づくことになる。すなわち、保持部17の中途部に配されたコイルスプリング45は、両端部に配されたコイルスプリング45よりも縮められることになる。
また、図6(b)に示すように、凹状の曲面に形成された検査対象面T1の傷の検出を行う場合にも、前述と同様に、固定部を検査対象面に向けて押さえつける。この際には、コイルスプリング45の付勢力によって、保持部17の前面17a側が凸状となるように保持部17が弾性変形することになる。このため、その前面17a全体を検査対象面T1に接触させることができる。
また、この際には、保持部17の裏面19bが凹状となるため、X軸方向に関する保持部17の両端部が、保持部17の中途部よりも固定部11側に近づくことになる。すなわち、保持部17の両端部に配されたコイルスプリング45は、中途部に配されたコイルスプリング45よりも縮められることになる。
なお、図6においては、保持部17の移動方向に垂直な方向、すなわち保持部17の長手方向(X軸方向)にわたって保持部17が湾曲する状態を示しているが、保持部17は前記移動方向に沿う方向、すなわち保持部17の幅方向にわたって同様に湾曲することも可能である。
以上のように、傷の検出を行う際には、検査対象面T1の湾曲の有無にかかわらず、全ての探傷コイル15のリフトオフ量をコーティング層21の厚さ寸法に相当する所定量に保持することができる。また、マルチコイル式プローブ1のうち、手で把持しない部分となる保持部17が湾曲するため、手で保持部17を弾性変形させることなく、容易に保持部17を検査対象面T1に追従させることができる。
なお、この傷の検出の際に、コイルスプリング45が縮んだ場合には、ピン47がコイルスプリング45の縮み量に合わせて固定部11側に移動することになる。さらに、この際に、ピン47と保持部17との相対的な向きに変化が発生した場合には、この変化に合わせてボールジョイント49が保持部17の内部で揺動する。
上記のように、本実施形態のマルチコイル式プローブ1によれば、検査対象面T1の湾曲の有無にかかわらず、全ての探傷コイル15のリフトオフ量を一定に保持できると共に、斜めリフトオフの発生も防止できるため、探傷の検査感度の低下を防止できる。また、固定部11を把持した状態で容易に保持部17を検査対象面T1に追従させることができるため、傷の検査を容易に行うことが可能となる。
さらに、マルチコイル式プローブ1は導線を巻回するタイプの探傷コイル15により構成されているため、マルチコイル式プローブ1を安価に製造することができる。
また、検査対象面T1が曲面に形成されていても、コイルスプリング45の付勢力により保持部17を弾性変形させると共に、探傷コイル15を検査対象面T1に押さえつけることができるため、保持部17の前面17aと検査対象面T1とを容易に且つ確実に密着させることができ、探傷コイル15を検査対象面T1に確実に追従させることができる。
さらに、コーティング層21を検査対象面T1に接触させた状態で保持部17を移動させるため、傷の検出の際に探傷コイル15の端面15aが検査対象面T1に接触することを防止して探傷コイル15の保護を図ることもできる。
また、保持部17の移動方向の前方に検査対象面T1から突出する突起等の障害物が存在しても、テーパ部27によって保持部17の前面17aまで滑らかに案内されるため、障害物の有無にかかわらず保持部17を検査対象面T1に対して滑らかに移動させることができる。
さらに、連結部13のベローズ部41によって、付勢手段を配した固定部11とコイルユニット9との隙間空間、及び固定部11の内方空間が、外方に対して覆い隠されるため、これらの空間内に塵埃が侵入することを防止して、探傷コイル15、コイル基板37及びこれらを相互に接続する配線の保護を図ることができる。
なお、上記の第1の実施形態において、コーティング層21は弾性変形可能な樹脂をシート状に形成したものとしたが、これに限ることはなく、少なくともシート状の弾性体から形成されていればよい。ただし、コーティング層21は、傷の検出を行う際に検査対象面T1に対して直接擦れるため、耐摩耗性に優れる材料から形成されることが好ましい。
さらに、コーティング層21は、コイルホルダ本体19に接着固定する構成としたが、これに限ることはなく、例えば、コイルホルダ本体19と同じ材料で一体的に形成するとしても構わない。
また、コーティング層21は、コイルホルダ本体19の凹部25に接着固定されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、シリコン樹脂やウレタン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂を凹部25に充填して形成されるとしても構わない。
さらに、コイルホルダ本体19は、シリコンゴムやテフロン(登録商標)等の弾性変形可能な樹脂から形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも弾性変形可能な弾性材料から形成されていればよい。すなわち、コイルホルダ本体19は、例えば、ポリウレタンから形成されるとしても構わない。
また、探傷コイル15は、ドーナツ型の空芯コイルによって構成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、多角形型や8の字型の空芯コイルによって構成されるとしても構わない。
さらに、探傷コイル15は、スピンドル型自動巻線機によって巻かれるとしたが、これに限らず、例えば、手巻きで巻かれるとしても良い。
また、探傷コイル15は空芯コイルによって構成されるとしたが、これに限ることはなく、芯を有する構成であっても構わない。
次に、本発明による第2の実施形態について図7,8を参照して説明する。なお、この第2の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第1の実施形態と付勢手段の構成について異なっている。ここでは、付勢手段のみについて説明し、マルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図7に示すように、マルチコイル式プローブ51の付勢手段53は、その両端をそれぞれ保持部17の裏面19aと板状部材48の表面48bとに接着等により取り付けられた弾性体55を備えている。この弾性体55は、ゴム等の樹脂材料からなり、図8(a)に示すように、その両端と比較して中途部55aが細く形成された、所謂くびれを有する略円柱形状に形成されている。
このマルチコイル式プローブ51により、検査対象面T1の傷の検出を行う際には、主として中途部55aがZ軸方向に縮む。また、検査対象面T1が湾曲している場合には、この中途部55aにおいて屈曲するように弾性変形するため、保持部17を検査対象面T1に追従させることができる。
このマルチコイル式プローブ51では、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、付勢手段53を弾性体55のみで構成することができるため、ピンやボールジョイント等、付勢手段53に要する部品点数を少なくして、マルチコイル式プローブ51の製造の工程数や製造コストの削減を図ることができる。
なお、この第2の実施形態においては、弾性体55がくびれを有する形状に形成されているとしたが、少なくとも弾性変形可能な材料から形成されていればよい。すなわち、例えば、図8(b)に示すように、弾性体55Bが、その外観形状が前述の弾性体55と同様に形成することに加え、その長手方向に貫通する孔55cを形成して略円筒形状をなすとしてもよい。
また、例えば、図8(c)に示すように、弾性体55Eは、その両端と比較して中途部55fを太く形成すると共に、その長手方向に貫通する孔55gを形成して略円筒形状をなすとしても構わない。なお、中途部55fにおける孔55gの内径は、両端における孔55gの内径よりも大きく形成されている。
これら構成の場合には、弾性体55B,55Eの中途部55d,55fの肉厚が薄くなるため、中途部55d,55fを容易に変形させることが可能となる。
また、付勢手段53は、弾性体55,55B,55Eのみから構成されることに限らず、例えば、図8(d)に示すように、弾性体55Bと同様の弾性体55Hの孔55iにピン56を挿通させて付勢手段53Aを構成するとしてもよい。なお、このピン56は第1の実施形態において示したピン47のように、板状部材48やコイルホルダ本体19に接続する必要はなく、少なくとも孔55iの一端から他端に到達するように配されていればよい。また、ピン56と孔55iとの間には隙間を設けておくことが好ましい。これは、弾性体55Hの中途部55jにおける弾性変形を過度に妨げないためである。
さらに、上述した2つの実施形態において、付勢手段43,53は、コイルスプリング45や弾性体51から構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも固定部11と保持部17とを相互に離間する方向に付勢するものであればよい。すなわち、付勢手段は、例えば、空圧シリンダ等の空気の圧縮力を利用したものから構成されるとしてもよい。
次に、本発明による第3の実施形態について図9,10を参照して説明する。なお、この第3の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第1の実施形態と保持部及び連結部の構成について異なっている。ここでは、保持部及び連結部のみについて説明し、マルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、マルチコイル式プローブの連結部63は、第1の実施形態において示したベローズ部41の代わりに、保持部65と一体的に形成されたカバー部(被覆部)67を備えている。すなわち、カバー部67は、保持部65と同じ弾性変形可能な樹脂材料から形成されている。このカバー部67は、保持部65側に配された撓み部69と、固定部11側に配された接続部71とを備えている。
接続部71は、固定部11のハウジング35に取り付けるように構成されており、その肉厚は撓み部69よりも厚く形成されている。すなわち、接続部71は、撓み部69と比較して弾性変形し難い形状となっているため、カバー部67をハウジング35に対して容易に取り付けることができる。
この構成において、図10(a)に示すように、凸状の曲面に形成された検査対象面T1の傷の検出を行う際には、手で把持した固定部11を検査対象面T1に向けて押さえつける。この際には、付勢手段43の付勢力により保持部65の前面65aが凹状となるように保持部65及び撓み部69が弾性変形する。また、図10(b)に示すように、凹状の曲面に形成された検査対象面T1の傷の検出を行う際にも、前述と同様に、付勢手段43の付勢力により保持部65の前面65aが凸状となるように保持部65及び撓み部69が弾性変形する。なお、上述のように保持部65及び撓み部69が弾性変形しても、接続部71が弾性変形することはない。
このマルチコイル式プローブによれば、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、連結部63のカバー部67を保持部65と一体的に形成することにより、保持部65に対するカバー部67の取付工程が不要となるため、マルチコイル式プローブの製造工程を簡略化して、製造効率の向上を図ることができる。
次に、本発明による第4の実施形態について図11を参照して説明する。なお、この第4の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第1の実施形態と保持部の構成について異なっている。ここでは、保持部のみについて説明し、マルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
このマルチコイル式プローブ71の保持部73は、図11(a)に示すように、その前面73aを保持部73の長手方向(X軸方向)に湾曲する凸状の曲面に形成して、構成されている。このマルチコイル式プローブ71では、保持部73を凹状の曲面からなる検査対象面T1に接触させる際に、保持部73の弾性変形の量を少なくできるため、保持部73の前面73aと検査対象面T1とをさらに容易に密着させることができる。
ただし、図11(b),(c)に示すように、この保持部73を平坦面や凸状の曲面からなる検査対象面T1に接触させる際には、前面73aを検査対象面T1に近づける方向に保持部17を弾性変形させる必要がある。したがって、保持部73は、検査頻度の高い検査対象面T1の形状に合わせた形状に形成することが好ましい。すなわち、例えば、検査対象面T1が凹状の曲面からなる場合には、保持部の前面を凹状の曲面に形成しておくことが好ましい。
なお、上述した3つの実施形態に加えて、例えば、図12に示すように、相互に隣り合う探傷コイル15の間に位置する保持部17,65,71の前面17a,65a,73a及び裏面19b,65b,73bから窪んで形成された切欠部(易変形部)75〜78を形成するとしてもよい。これら切欠部75〜78は、保持部17,65,71の幅方向及び長手方向にわたってそれぞれ形成されている。また、幅方向に延びる切欠部75,76は、長手方向にわたって延びる切欠部77,78に対して直交しないように交差している。
この構成の場合には、検査対象面T1に沿うように保持部17を湾曲させる際に、各切欠部75〜78を弾性変形させればよいため、探傷コイル15に応力が発生することを抑制し、保持部17,65,71を容易に湾曲させることができる。
なお、上記の切欠部75〜78は、各列の探傷コイル15がオフセットする位置に配されている場合のものであるが、各列の探傷コイル15を保持部17,65,71の幅方向に並べて配する場合には、例えば、図13に示すように、保持部17,65,71の幅方向に延びる切欠部(易変形部)77,78を保持部17の長手方向にわたって延びる切欠部75,76に対して直交するように形成してもよい。この構成の場合にも、前述と同様に、探傷コイル15に応力が発生することを抑制し、保持部17,65,71を容易に湾曲させることができる。
また、上記のように、切欠部75,76を保持部17,65,71の幅方向及び長手方向にわたってそれぞれ形成することに限らず、少なくとも保持部17,65,71の前面17a,65a,71aに沿う一方向について相互に隣り合う探傷コイル15の間のみに切欠部を形成すればよい。すなわち、例えば、図14に示すように、保持部17,65,71の長手方向に隣り合う探傷コイル15の間のみに切欠部77,78を保持部17,65,71の幅方向にわたって形成するとしてもよい。この構成の場合には、保持部17,65,71を湾曲させる際に、保持部17,65,71をその長手方向に容易に湾曲させることができる。
なお、上述した切欠部75〜78は、保持部117,65,71の前面17a,65a,71a及び背面13bに形成されるとしたが、これに限ることはなく、前面17a,65a,71a若しくは裏面19b,65b,73bのいずれか一方に形成されるとしても構わない。
また、上述した3つの実施形態に加えて、例えば、図15に示すように、相互に隣り合う各探傷コイル15の間に、保持部17,65,71の湾曲を検出する曲げセンサ79を設けるとしても構わない。この曲げセンサ79は、保持部17,65,71の裏面19b,65b,73bに接着固定されており、保持部17,65,71の裏面19b,65b,73bと共に伸び縮みすることで保持部17,65,71の湾曲を検出するものである。この曲げセンサの検出結果は、探傷コイル15からの検出信号の補正に利用される。
この構成においては、検査対象面T1に沿って保持部17,65,71を湾曲して相互に隣り合う探傷コイル15の間隔が変化しても、曲げセンサ79の検出結果に基づいて探傷コイル15からの検出信号を補正することにより、検査対象面T1の実際の傷と探傷コイル15において検出した傷の情報との間で生じる微少な差をなくすことができ、より正確な傷の検出を行うことができる。
すなわち、例えば、図16(a)に示すように、保持部17,65,71の前面17a,65a,73aが平坦となる状態から、図16(b)に示すように、保持部17,65,71の前面17a,65a,73aが凹状となった場合には、前面17a,65a,73aにおいて隣接する探傷コイル15間の距離Lが短くなる。この状態においては、曲げセンサ79が、裏面19b,65b,73bと共に凸状に伸び、前述の距離Lが短くなったことを検出する。そして、曲げセンサ79の検出結果に基づいて各探傷コイル15からの検出信号を補正する。
また、例えば、図16(c)に示すように、保持部17,65,71の前面17aが凸状となった場合には、前面17aにおいて隣接する探傷コイル15間の距離Lが長くなる。この状態においては、曲げセンサ79が、裏面19b,65b,73bと共に凹状に縮み、前述の距離Lが長くなったことを検出する。そして、曲げセンサ79の検出結果に基づいて各探傷コイル15からの検出信号を補正する。
なお、上述した3つの実施形態において、保持部17,65,71は、弾性変形可能な弾性材料からなるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも可撓性を有するものであればよい。すなわち、保持部17,65,71は、例えば、塑性変形可能な材料から構成されるとしてもよい。
次に、本発明による第5の実施形態について図17〜19を参照して説明する。なお、この第5の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第1の実施形態と保持部及び付勢手段の構成について異なっている。ここでは、保持部及び付勢手段のみについて説明し、マルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図17に示すように、マルチコイル式プローブ81の保持部83は、探傷コイル15の端面15a側に配されたシート状のコーティング層85を備えている。このコーティング層85は、傷の検査時にその前面85aが検査対象面T1に直接接触するようになっている。すなわち、保持部83は、第1の実施形態において示したコイルホルダ本体19を含まない構成となっている。各探傷コイル15は、前記前面85aとは反対側に位置するコーティング層85の裏面(背面)85bに接着剤等により固定されている。
また、この実施形態の付勢手段87は、各探傷コイル15をコーティング層85の厚さ方向に直接押圧するものであり、探傷コイル15と同数のコイルスプリング89、各コイルスプリング89に挿通されたピン91と、端面15aの反対側に位置する探傷コイル15の裏面15bに当接する中間部材(押圧部)93と、ピン91と中間部材93とを連結するボールジョイント(揺動部)95とを備えている。
コイルスプリング89は、その長手方向の一端が固定部11側に配され、他端が探傷コイル15の裏面15b側に配されており、ピン91、中間部材93、ボールジョイント95及び探傷コイル15を固定部11から離間する方向に付勢している。なお、ピン91の一端は、第1の実施形態と同じ板状部材48に取り付けられている。
ボールジョイント95は、ピン91を中間部材93に対して探傷コイル15の裏面15bに沿う軸線回りに揺動可能とするものである。すなわち、探傷コイル15は、このボールジョイント95により固定部11に対して前記軸線回りに揺動可能となっている。
中間部材93は、絶縁材料から形成されており、図18(a),(b)に示すように、探傷コイル15の裏面15bに当接する円板部96と、円板部96の端面から突出する突出部97とを備えている。
円板部96の外縁部には切欠部96aが形成されており、探傷コイル15の導線15cはこの切欠部96aを介しての外方に引き出すことができるように構成されている。
突出部97は、その外径と略同じ内径寸法を有する探傷コイル15の孔15dに挿入されており、少なくとも探傷コイル15とピン91やボールジョイント95との相対的な位置決めをできるようになっている。また、突出部97の先端部97aはコーティング層85の裏面85bに当接しているため、コーティング層85に対するピン91やボールジョイント95の位置決めを容易に行うことができる。
図19に示すように、このマルチコイル式プローブ81により、湾曲した検査対象面T1の傷の検出を行う際には、コイルスプリング89の付勢力によってコーティング層85の前面85a全体が検査対象面T1に接触するようにコーティング層85が湾曲する。また、この際には、ピン91と探傷コイル15との相対的な向きに変化が発生するため、ボールジョイント95によってこれらピン91及び探傷コイル15が相互に揺動した状態となる。
このマルチコイル式プローブ81では、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、コイルスプリング89により各探傷コイル15を直接押圧する構成とし、探傷コイル15が保持部83の内部に埋める必要を無くしているため、コーティング層85を湾曲させた際に各探傷コイル15に発生する応力を抑制することができる。
また、各探傷コイル15をコイルスプリング89により直接押圧しているため、検査対象面T1に向けて各探傷コイル15を確実に押し付けることができる。
さらに、ボールジョイント95により固定部11に対する探傷コイル15の向きを変更させることができるため、各探傷コイル15の端面15aを確実に検査対象面T1に追従させることができる。
なお、上述した第5の実施形態において、中間部材93の突出部97はコーティング層85に当接するとしたが、これに限ることはなく、少なくとも探傷コイル15とピン91やボールジョイント95との相対的な位置決めを容易にできる形状に形成されていればよい。すなわち、中間部材93は、例えば、図18(c)に示すように、突出部97の長さが探傷コイル15の長手方向の長さよりも短い、すなわち、突出部97の先端部97aがコーティング層85の裏面85bに接触しないように構成されるとしてもよい。
また、付勢手段87は、コイルスプリング89、ピン91、中間部材93及びボールジョイント95を備えるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも各付勢手段87が探傷コイル15に直接接続されていればよい。すなわち、付勢手段87は、例えば、空圧シリンダ等の空気の圧縮力を利用したものから構成されるとしてもよい。
さらに、付勢手段87は、例えば、図20に示すように、ゴム等の樹脂材料からなる弾性体(揺動部)99と、弾性体99及び探傷コイル15の間に配された中間部材(押圧部)101とを備えるとしても良い。
この弾性体99の両端は、それぞれ中間部材101と板状部材48とに接着等により取り付けられている。この弾性体99は、第2の実施形態の弾性体55と同様のくびれを有しているため、そのくびれた中途部99aが前述したコイルスプリング89及びボールジョイント95の役割を果たすことになる。なお、第2の実施形態において示した弾性体55,55B,55E,55H(図8参照)と同様の形状を有するとしても構わない。
また、この弾性体99に接続される中間部材101としては、前述と同様に、図21(a)に示すように、突出部103の長さが探傷コイル15の長さよりも短く形成されたものでもよい。
さらに、中間部材101は、図21(b)に示すように、突出部103の長さが探傷コイル15の長さよりも長く形成されたものでも構わない。さらに、中間部材101は、図21(c)に示すように、円板部102をコーティング層85の裏面85bと探傷コイル15の端面15aとの間に挟み込み、突出部103を探傷コイル15の長さよりも長く形成して、その先端部103aを弾性体99に接続するように構成しても構わない。
これらの構成の中間部材101では、突出部103の長さが探傷コイル15の長さよりも長いため、探傷コイル15の長手方向の長さ寸法にばらつきがあっても、弾性体99、中間部材101の長さ寸法の精度に応じて、固定部11に対するコーティング層85の表面85aの位置出しを容易に行うことができる。すなわち、コーティング層85の表面85aを容易に平坦面に形成することができる。なお、図21(a)〜(c)に示した中間部材101の形状は、第5の実施形態の中間部材93に適用しても構わない。
また、弾性体99に接続される中間部材101は、探傷コイル15のコアを構成するとしても構わない。すなわち、中間部材101は、例えば図21(d)に示すように、円板部102及び突出部103と、円板部102の表面の周縁部から突出部103と同じ方向に突出し探傷コイル15の外径と略同じ内径寸法を有する円筒部104とを備えた所謂つぼ型コアを構成するとしてもよい。また、中間部材101は、例えば図21(e)に示すように、上述のつぼ型コアから円板部102及び突出部103を除いた所謂カップコアを構成するとしても構わない。これらの中間部材101は導電性材料から形成されている。
次に、本発明による第6の実施形態について図22,23を参照して説明する。なお、この第6の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第5の実施形態と付勢手段の構成について異なっている。ここでは、付勢手段のみについて説明し、マルチコイル式プローブ81の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図22,23に示すように、マルチコイル式プローブ111の付勢手段113は、固定部11側に固定された支持部115と、支持部115から突出する複数のアーム部117とを備えている。
支持部115は、固定部11の幅方向(Y軸方向)の一端部に配され、固定部11の長手方向(X軸方向)にわたって形成されている。各アーム部117は、各探傷コイル15を固定部11からコーティング層85に向けて付勢する板バネの役割を果たしている。このアーム部117は、第5の実施形態と同様の中間部材(押圧部)123を介して探傷コイル15の裏面15b側に固定される先端部119と、先端部119と支持部133とを相互に連結する連接部(揺動部)121とから構成されている。連接部121は、支持部133から先端部119まで略直線状に形成されており、支持部115に対してX軸方向に沿う軸線回りに撓む弾性変形や、連接部121の長手方向に沿う軸線回りに捻れる弾性変形ができるように構成されている。これら支持部115、先端部119及び連接部121は、ベリリウム鋼等の弾性材料により一体的に形成されている。
このマルチコイル式プローブ111では、第5の実施形態と同様の効果を奏する。特に、連接部121の撓みや捻れにより固定部11に対する探傷コイル15の向きを変更させることができるため、各探傷コイル15の端面15aを確実に検査対象面T1に追従させることができる。また、1つの部材により付勢手段113が構成されるため、マルチコイル式プローブ111の構成部品を減らしてその製造効率を向上させることができる。
なお、この第6の実施形態においては、第5の実施形態と同様の中間部材123を用いるとしたが、これに限ることはなく、例えば、図24(a)に示すように、円板部125から突出する突出部127の長さを探傷コイル15の長さよりも長く形成された中間部材123を用いても構わない。また、例えば、図24(b)に示すように、円板部125をコーティング層85と探傷コイル15との間に挟み込むと共に、突出部127を探傷コイル15の長さよりも長く形成して、その先端部127aを先端部119に接続するように中間部材123を構成しても構わない。これらの構成場合には、探傷コイル15の長さ寸法に関係なく、固定部11に対するコーティング層85の位置を決めることができる。
また、この実施形態において、板バネの付勢力を利用する付勢手段113としては、上述したものの他に、例えば、図25に示すように、平面視略矩形状に形成され、固定部11の外縁にわたって配された支持枠部129と、支持枠部から各探傷コイル15に向けて突出する複数のアーム部131とを備えたものとしてもよい。なお、各アーム部131の構成は、前述した第6の実施形態のアーム部117と同様の先端部119及び連接部121を備えている。また、この先端部119は、前述と同様の中間部材(不図示)に接着固定されている。
さらに、付勢手段113のアーム部117,131は、支持部133や支持枠部129から先端部119まで略直線状に形成された連接部121を備えるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも支持部133や支持枠部129と先端部119とを相互に連結していればよい。
したがって、連接部121は、例えば、図26,27に示すように、U字状やS字状に湾曲していても構わないし、図28に示すように、螺旋状に形成されていてもよい。
このように連接部121を形成した場合には、湾曲した部分や螺旋状に形成した部分において容易に弾性変形できるため、各探傷コイル15の端面15aをより確実に検査対象面T1に追従させることができる。
また、板バネの付勢力を利用した付勢手段113としては、例えば、図29に示すように、固定部11の長手方向の両端部に固定された一対の支持部133と、各支持部133からコーティング層85に延びる一対の延出部135と、コーティング層85の長手方向に延びて一対の延出部135の先端を相互に連結する梁部137と、梁部137から延びて各探傷コイル15の裏面15b側に設けられる複数の揺動部139とを備えたものとしてもよい。これら支持部133、延出部135、梁部137及び揺動部139は、ベリリウム鋼等の弾性材料により一体的に形成されている。
この構成において、各探傷コイル15は、延出部135の撓みによってコーティング層85側に付勢されている。また、梁部137側に位置する揺動部139の基端部は、捻れたり撓んだりする弾性変形ができ、各探傷コイル15をその裏面15bに沿う軸線回りに揺動させるように構成されている。
なお、上述した実施形態において、アーム部117,131の先端部119,139は中間部材に接着等により固定されるとしたが、これに限ることはなく、中間部材に当接するのみとしてもよい。
また、板バネの付勢力を利用した付勢手段113としては、例えば、図30に示すように、前述と同様の中間部材(不図示)を介して探傷コイル15の裏面15b側に設けられた円板部141と、円板部141を探傷コイル15の裏面15bに沿う軸線回りに揺動可能とする揺動ユニット143と、該揺動ユニット143を固定部11に対して支持する一対の支持部145とを備えたものとしてもよい。
揺動ユニット143は、一対の支持部145から探傷コイル15に向けてコーティング層85の幅方向(Y軸方向)に延びる一対の第1の揺動部147と、円板部141の周囲に配される平面視略矩形状の矩形枠部149と、円板部141の周縁からコーティング層85の長手方向(X軸方向)に延びて矩形枠部に連結された一対の第2の揺動部151とを備えている。なお、矩形枠部149の幅方向の両端部は第1の揺動部147に連結されている。また、これら支持部145、第1の揺動部147、矩形枠部149、第2の揺動部151及び円板部141は、ベリリウム鋼等の弾性材料により一体的に形成されている。
なお、揺動ユニット143は上述のものに限らず、例えば、図31に示すように、各第1の揺動部147と第2の揺動部151とを屈曲した一対の連接部153により連結したものとしてもよい。
これら構成の場合には、第1の揺動部147及び第2の揺動部151の撓みによって探傷コイル15が、円板部141と共にコーティング層85に向かう方向(Z軸方向)に付勢されることになる。また、第1の揺動部147が捻れることにより、探傷コイル15が、円板部141や第2の揺動部151と共にY軸を中心として揺動することになる。さらに、第2の揺動部151が捻れることにより、探傷コイル15が、円板部141と共にX軸を中心として揺動することになる。
なお、板バネの付勢力を利用した付勢手段113を用いて各探傷コイル15に給電するとしても構わない。すなわち、付勢手段113は、例えば、図32に示すように、コーティング層85の幅方向の両端部に配された探傷コイル15と同数の信号用配線155と、コーティング層85の幅方向中央部にその長手方向にわたって配されたグランド用配線157と、これら各信号用配線155及びグランド用配線157からそれぞれ各探傷コイル15に向けて延びる接続端部159とを備えた構成としてもよい。
ここで、各信号用配線155及び各接続端部159、グランド用配線157及び複数の接続端部159は、それぞれ導電性を有する材料からエッチングにより一体的に形成されている。また、固定部11に向けて延びる信号用配線155及びグランド用配線157の各端部は、固定部11に設けられたコイル基板(不図示)に電気的に接続されている。
これら信号用配線155及びこれに連結される接続端部159と、グランド用配線157及び連結される接続端部159とにより、各探傷コイル15から引き出される一対の導線15cに電気接続される一対の配線部が構成されている。
各接続端部159は、信号用配線155やグランド用配線157に接続され、探傷コイル15に向けてY軸方向に延びる第1の揺動部161と、X軸方向に延びて中間部材(不図示)を介して探傷コイル15の裏面15b側に当接する第2の揺動部163と、これら第1の揺動部161と第2の揺動部163とを相互に連結する連接部165とを備えている。
第1及び第2の揺動部161,163は、その撓みにより各探傷コイル15をコーティング層85に向けて付勢するように構成されている。また、第1の揺動部161は、その捩れによってY軸を中心として探傷コイル15を揺動させるように、第2の揺動部163は、その捩れによってX軸を中心として探傷コイル15を揺動させるように、それぞれ構成されている。
信号用配線155及びグランド用配線157から同一の探傷コイル15に向けて配された一対の接続端部159は、探傷コイル15の一対の導線15cにそれぞれ接続されている。すなわち、図33に示すように、探傷コイル15の各導線15cは、中間部材(押圧部)167を当接させた探傷コイル15の裏面15b側に引き出されており、第2の揺動部163には、探傷コイル15の導線15cを取り付ける鉤状の取付部163aが形成されている。そして、探傷コイル15の導線15cは、この第2の揺動部15の取付部163aに巻き付けられて固定されている。
なお、ここに示す中間部材167は、第2の揺動部163との接触によって探傷コイル15が傷つくことを防止しており、また、探傷コイル15と第2の揺動部163とが接触して電気的に短絡することを防止するために、絶縁材料から形成されている。
この構成の場合には、探傷コイル15とコイル基板との電気接続と、付勢手段113の取り付けを同時に行うことができる、すなわち、探傷コイル15に電力を供給するための別途配線が不要となるため、マルチコイル式プローブの構成部品を減らしてその製造効率の向上を図ることができる。
なお、上記の構成においては、各信号用配線155及び各接続端部159、グランド用配線157及び複数の接続端部159がエッチングにより形成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、固定部11に対してインサート成形されるとしてもよい。
次に、本発明による第7の実施形態について図34〜38を参照して説明する。なお、この第7の実施形態に係るマルチコイル式プローブは、第1の実施形態と固定部の構成について異なっている。ここでは、固定部のみについて説明し、マルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
図34,35に示すように、マルチコイル式プローブ171の固定部173は、連結部13を介してコイルユニット9に接続されるアルミ製の第1のハウジング175と、第1のハウジング175及びコイルユニット9の配列方向(Z軸方向)に直交する直交軸線L1を中心として、第1のハウジング175に対して揺動可能に連結された第2のハウジング177とを備えている。
第1のハウジング175は、第1の実施形態のハウジング35(図2参照)と同様に、直方体状に形成され、その内部にはコイル基板(不図示)が配されている。また、第1のハウジング175の上端面175aからは、前述のコイル基板をケーブル5に電気接続するためのケーブル181が延びている。さらに、第1のハウジング175の長手方向の両端部には、一対の軸体180が突出して設けられている。これら軸体180の軸線(直交軸線)L1は、第1のハウジング175とコイルユニット9の配列方向(Z軸方向)に直交している。各軸体180の基端側の周面には、撓む弾性変形が可能な板バネ182が設けられ、軸体180の半径方向に突出して取り付けられている。
なお、この第1のハウジング175の開口部176と連結部13のベローズ部41や板状部材48との間には、開口部176の周縁に配される矩形環状のシール部材174が挟み込まれるようになっている。このシール部材174によって第1のハウジング175と連結部13との隙間を確実に埋めることができる。
第2のハウジング177は、略コ字状の門型に形成されており、第1のハウジング175の長手方向(X軸方向)の両端部から上方(Z軸方向)に延びる一対のアーム部183と、これらアーム部183の上端を相互に固定する板状の梁部材185とを備えている。
梁部材185の長手方向(X軸方向)の中央には、マルチコイル式プローブ171を操作する際に手で把持するハンドル部184が設けられており、このハンドル部184の先端部にケーブル5の端部が取り付けられている。また、このハンドル部184の内部にはその長手方向にケーブル5の配線が挿通されており、梁部材185の厚さ方向に貫通する孔185aを介してケーブル5の配線と第1のハウジング175から延びるケーブル181とが相互に接続されている。
アーム部183は、第1のハウジング175の軸体180側に配された板状のレール部材187と、レール部材187に対してZ軸方向に移動可能に取り付けられた軸受部189と、軸受部189をレール部材187の下端側に付勢するコイルばね191と、軸受部189をレール部材187と共にX軸方向に挟み込む保持部材193とを備えている。レール部材187には、その厚さ方向(X軸方向)に貫通し、Z軸方向に拡がる長孔187aが形成されており、この長孔187aの内面には、Z軸方向に延びる軌道187bが形成されている。
軸受部189は、レール部材187の長孔187aに対して、Z軸方向に移動可能に取り付けられる摺動部材195と、摺動部材195に形成された孔195aに取り付けられた軸受197とを備えている。
摺動部材195には、軌道187bに係合する段部195cが形成されている。この摺動部材195は、レール部材187と保持部材193とにより挟み込まれた状態において、軌道187bに沿ってZ軸方向のみに移動可能となり、レール部材187の長孔187aから抜け出ないようになっている。すなわち、保持部材193は、レール部材187の軌道187aと共に摺動部材195がレール部材187から外れることを防止する役割を果たしている。
コイルばね191は、その一端を摺動部材195の上端面に固定すると共に、その他端を前記上端面に対向する長孔187aの内面に固定した状態で、レール部材187の長孔187aに配されている。なお、コイルばね191は、一対のアーム部183にそれぞれ設けられており、互いに独立して各摺動部材195を付勢するようになっている。
これらレール部材187、摺動部材195及びコイルばね191により、2つのハウジング175,177の相対距離を変更可能に連結すると共に、これら2つのハウジング175,177を相互に離間させる方向に付勢するハウジング付勢手段192が構成されている。
すなわち、摺動部材195の孔195aは、X軸方向に貫通しており、軸体180を挿入できるように構成されている。したがって、軸体180をこの孔195aに挿入した状態においては、摺動部材195が第1のハウジング175と共に、第2のハウジング177に対してZ軸方向に移動させることができる。また、この状態においては、摺動部材195と共に第1のハウジング175がコイルばね191の付勢力によって第2のハウジング177の梁部材185から離れる方向に付勢されることになる
レール部材187側に位置する摺動部材195の表面には、孔195aの内周面から半径方向に延びるスリット状の溝195bが形成されている。この溝195bには、軸体180の板バネ182が挿入されるようになっている。
この板バネ182及び軸体180をそれぞれ溝195bや孔195aに挿入した状態で軸体180をその軸線L1回りの一方向に回転させた際には、板バネ182の基端部が溝195bから孔195a側に出て撓むことになる。板バネ182がこのように撓んだ状態においては、板バネ182にその基端部を溝195bに収容させる方向に付勢力が働くため、軸体180は、前記一方向とは逆方向に回転して元の所定位置に戻ることになる。
これら軸体180の板バネ182及び摺動部材195の溝195bにより、2つのハウジング175,177の相対回転位置が所定位置に向かうように、2つのハウジング175,177を相互に軸線L1回りに付勢する回転付勢手段194が構成されている。
円筒状の軸受197は、摺動部材195に軸体180を挿入した状態において、軸体180の先端部を嵌め込むように配されており、この状態においては、軸受197に対して軸体180がその軸線L1回りに回転可能となる。
すなわち、この軸受197は、図36に示すように、内輪197a及び外輪197bの間に玉197cを設けた所謂玉軸受からなり、軸体180を内輪197aと共に外輪197bに対して軸線L1回りに回転させることができる。また、玉197cに接触する内輪197aの外周面197dは、内輪197aの厚さ方向にわたって凸曲面をなしており、外輪197bの中心軸線に対して内輪197a及び軸体180を揺動させることができるようになっている。なお、特に図示はしていないが、この軸受197には、玉197cを内輪197aと外輪197bとの間に保持する保持器が設けられている。
上記のように軸受197を構成しておくことにより、第1のハウジング175の両端に配された摺動部材195がそれぞれ独立してレール部材187の軌道187b上を移動して、各アーム部183に対する軸体180の直交軸線L1の向きが変わっても、軸受197の内輪197aを軸体180の向きに追従させることができる。
このマルチコイル式プローブ171により検査対象面T1の傷を検出する場合には、第2のハウジング175のハンドル部184を手で把持した状態で、図37に示すように、コイルユニット9を検査対象面T1に接触させてマルチコイル式プローブ171を直交軸線L1の直交方向(Y軸方向)に移動させる。この際には、マルチコイル式プローブ171の移動方向前方に位置する検査対象面T1に大きな凹凸を有する湾曲面があっても、第2のハウジング177に対して第1のハウジング175が揺動するため、第2のハウジング177の向きを前記湾曲面に合わせて変化させることなく、コイルユニット9を前記湾曲面に追従させることができる。すなわち、第2のハウジング177を把持する手の向きを湾曲面に合わせて大きく変化させる必要が無い。
このマルチコイル式プローブ171では、第1の実施形態と同様の効果を奏する。また、第2のハウジング177を把持する手の向きを湾曲した検査対象面T1に合わせて変化させる必要が無いため、容易に傷の検出を行うことができる。
また、コイルユニット9を検査対象面T1に接触させる前の状態においては、回転付勢手段194により2つのハウジング175,177の相対回転位置を所定位置に保持できるため、第1のハウジング175を把持しなくても、安定した状態でコイルユニット9を検査対象面T1に接触させることができる。
さらに、ハウジング付勢手段192により2つのハウジング175,177の相対距離を変化させる、連結部13の付勢手段43により吸収しきれない大きな湾曲面が検査対象面T1に存在しても、手で把持する第2のハウジング177をこの湾曲面に追従させることなく、第1のハウジング175及びコイルユニットを検査対象面T1に確実に追従させることができる。
特に、ハウジング付勢手段192の各コイルばね191により第1のハウジング175の両端がそれぞれ独立して付勢されているため、図38に示すように、検査対象面T1が前述の移動方向に直交するコイルユニット9の長手方向に大きく湾曲していても、第2のハウジング177に対して第1のハウジング175を傾斜させてコイルユニット9を検査対象面T1に確実に追従させることができる。したがって、手で把持する第2のハウジング177をこの湾曲した検査対象面T1に追従させることなく、容易に傷の検査を行うことができる。
なお、この第7の実施形態において、軸受197は所謂玉軸受からなるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも第2のハウジング177に対して第1のハウジング175を傾斜させるように、軸体180の向きに追従させることができるように構成されていればよい。すなわち、軸受は、例えば、図39に示すように、レール部材187に対する摺動部材195の移動方向(Z軸方向)及び軸線L1に直交する軸線L2回りに、摺動部材195に対して回転可能に取り付けられるブッシュ198から構成されるとしてもよい。
このブッシュ198は、軸体180を嵌め込む環状のリング部198aと、リング部198aの外周面から半径方向外方に相互に逆向きに突出する一対の突出部198bとを備えている。各突出部198bは、摺動部材195に形成された軸線L2を中心軸線とする孔195dに回転可能に挿入されており、このように構成することで、軸体180がリング部198aと共に摺動部材195に対して軸線L2回りに揺動することができる。
また、コイルユニット9及び連結部13の構成は第1の実施形態と同じとしたが、これに限ることはなく、第2実施形態から第6実施形態を含め、前述した内容のいずれであっても構わない。
次に、本発明による第8の実施形態について図40〜44を参照して説明する。なお、第1の実施形態のマルチコイル式プローブ1の構成要素と同一の部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施の形態に係るマルチコイル式プローブ201は、第1の実施形態と同様に渦流探傷装置7にケーブル5を介して接続されるものであり、図40,41に示すように、コイルユニット203と、略コ字状の門型に形成された把持部(固定部)205と、把持部205に対してコイルユニット203をその中心軸線L3回りに回転可能に連結する連結部207とを備えている。
コイルユニット203は、中心軸線L3を中心とした円筒状に形成された保持部209と、保持部209に設けられた複数の探傷コイル15とを備えており、各探傷コイル15は、その端面15aを検査対象面T1に接触させる保持部209の外周面(前面)209a側に向けた状態で保持部209に支持されている。保持部209は、シリコンゴムやテフロン(登録商標)等の弾性変形可能な樹脂からなるコイルホルダ本体211と、探傷コイル15の端面15a側に配されたコーティング層213とを備えている。
コイルホルダ本体211には、その径方向に貫通する略円筒状の収容孔215が複数形成されており、これら収容孔215に各々探傷コイル15が収容されている。これら収容孔215は、コイルホルダ本体211の周方向にわたって複数列配置されており、各列の収容孔215は中心軸線L3方向に並べられている。また、周方向に隣り合う収容孔215の列は、互いにオフセットするように配置されている。なお、各探傷コイル15は、第1の実施形態と同様に、硬化後に適度な弾性を有する接着剤を用いて収容孔215に固定される。
コーティング層213は、シリコンゴムやテフロン(登録商標)等の弾性変形可能な樹脂をシート状に形成したものであり、コイルホルダ本体211の外周面211a上に複数重ねて巻き付けられている。これらコーティング層213は、一層ずつ取り外すことができるようになっている。そして、コイルホルダ本体211の外周面211aには、最下層のコーティング層213が接着して固定されている。なお、各探傷コイル15の端面15aも、この最下層のコーティング層213に当接している。
このコイルユニット203は、以下のように製造される。
はじめに、図42に示すように、複数の収容孔215を有する円筒状のコイルホルダ本体211を形成しておく。この収容孔215の内径は、探傷コイル15の外径寸法よりも大きく形成されている。次いで、コイルホルダ本体211の外周面211aに対応する凹面204と、この凹面204から突出する複数の位置決めピン206を備えた治具208を用意し、各収容孔215内に位置決めピン206が配されるようにコイルホルダ本体211を凹面204に配する。そして、各探傷コイル15の孔に位置決めピン206を挿通させるように、各収容孔215にそれぞれ探傷コイル15を収容する。
ここで、これら位置決めピン206は、収容孔215と同様に、凹面204の周方向にわたって等しい間隔をおいて複数列配置されており、各列の位置決めピン206は凹面204の長手方向に等間隔に並べられている。また、周方向に隣り合う位置決めピン206の列は、互いにオフセットするように配置されている。したがって、探傷コイル15を各位置決めピン206に取り付けることにより、隣り合う探傷コイル15を等間隔に保持できる。
治具208に対する探傷コイル15の位置決めが終了した後には、一対の押圧部材210をコイルホルダ本体211の長手方向の両端部に取り付ける。各押圧部材210は、コイルホルダ本体211の長手方向の端面に固定する円環状の固定リング212と、固定リング212の内周縁からコイルホルダ本体211の内部に突出する複数のバネ部214とを備えている。なお、一対の押圧部材210のバネ部214の総数は、探傷コイル15の数と同じとなっている。
この押圧部材210を取り付けた状態においては、図43に示すように、バネ部214の先端が探傷コイル15の裏面15bに当接し、このバネ部214の付勢力によって各探傷コイル15が、治具208の凹面204に押し付けられることになる。その後、この押圧部材210による探傷コイル15の押し付けを保持したままで、接着剤により各探傷コイル15とコイルホルダ本体211とを固定する。なお、押圧部材210による押し付けを行う際には、バネ部214の先端と探傷コイル15の裏面15bとの間に板状の中間部材を配して、探傷コイル15の保護を図ることが好ましい。
最後に、探傷コイル15を固定したコイルホルダ本体211を治具208から取り外し、図41に示すように、コーティング層213をコイルホルダ本体211の外周面211aに接着することによりコイルユニット203の製造が終了する。
このコイルユニット203を製造する際に、押圧部材210を用いて各探傷コイル15をコイルホルダ本体211に固定する場合には、全ての探傷コイル15を同時に凹面204に押し付けることができるため、コイルユニット203の製造時間を短縮できる。
把持部205は、図40,44に示すように、コイルユニット203に対向して中心軸線L3に沿って配された把持部本体217と、把持部本体217の両端部から中心軸線L3まで延びる一対のアーム部219とを備えている。
連結部207は、コイルユニット203の長手方向(中心軸線L3方向)の両端部に設けられた一対の軸体221と、各軸体221をアーム部材219に対して中心軸線L3回りに回転可能に連結する軸受223とを備えている。
軸体221の軸方向の中途部にはフランジ部225が形成されており、その外径寸法はコイルホルダ本体211の外径寸法と略等しくなっている。このフランジ部225は、コイルホルダ本体211の端面211bに固定され、軸方向端部におけるコイルホルダ本体211を円形状に保持する役割を果たしている。軸受223は、所謂ボールベアリングから構成されており、アーム部219の先端部に形成された貫通孔219aに取り付けられている。
一方の軸体211は、一方のアーム部219の先端部に固定された読取部227と共に検査対象面T1に概ね対向して配された複数の探傷コイル15に電力を供給したり、これら探傷コイル15からの信号を取得してケーブル5から探傷装置本体3に伝達するロータリトランス229を構成している。
すなわち、一方の軸体221は、コイルユニット203の内方に収容される第1の円柱部231を備えており、第1の円柱部231の周面には、周方向にわたって各探傷コイル15の導線15cと電気的に接続する複数の端子231aが設けられている。また、一方の軸体221は、第1の円柱部231の反対側に突出し、軸受223に取り付けられる第2の円柱部233とを備えており、第2の円柱部233は筒状に形成された読取部227に挿通されている。読取部227にはケーブル5の端部が固定されており、検査対象面T1に概ね対向する複数の探傷コイル15とケーブル5とが電気的に接続されるように構成されている。
このように構成された一方の軸体221と読取部227とを相対的に回転させた際には、第2の円柱部233と読取部227との間で、検査対象面T1に対向する複数の探傷コイル15に供給する電力や、探傷コイル15から出力される信号の伝達が行われる。
このマルチコイル式プローブ201により検査対象面T1の傷を検出する場合には、把持部205の把持部本体217を手で把持して、図41に示すように、保持部209の外周面209aを検査対象面T1に接触させる。そして、マルチコイル式プローブ201を中心軸線L3の直交方向に移動させる。この際には、保持部209が中心軸線L3を中心に検査対象面T1上を転がって、周方向に並べて配された探傷コイル15が順に検査対象面T1に対向する位置を通過する。
そして、この際には、マルチコイル式プローブ201の移動方向前方に位置する検査対象面T1に大きな湾曲面が存在しても、保持部209が検査対象面T1上を転がるため、保持部209の外周面209aを確実にこの湾曲面に追従させることができる。
さらに、図45に示すように、マルチコイル式プローブ201の移動方向に直交する方向、すなわち、中心軸線L3に沿う方向に検査対象面T1が湾曲している場合には、保持部209を検査対象面T1の形状に合わせて弾性変形させることができるため、保持部209の外周面209aを湾曲した検査対象面T1に確実に追従させることができる。
なお、外方に露出するコーティング層213の外周面209aが上述した傷の検査で摩耗してその厚さ寸法が不均一になった場合、すなわち、検査対象面T1からの距離が探傷コイル15毎に異なった場合に、このコーティング層213を取り外すことにより、別のコーティング層213が新たに外方に露出することになる。この状態においては、各探傷コイル15と検査対象面T1との距離が等しくなる。
このマルチコイル式プローブ201によれば、第1の実施形態と同様に、保持部209に支持された各探傷コイル15の端面15aと検査対象面T1とのリフトオフ量を一定に保持できると共に、斜めリフトオフの発生も防止できるため、探傷の検査感度の低下を防止できる。また、把持部205を把持した状態で保持部209を検査対象面T1に追従させることができるため、傷の検査を容易に行うことが可能となる。
さらに、導線を巻回するタイプの探傷コイル15を用いているため、マルチコイル式プローブ201を安価に製造することができる。
また、検査対象面T1に概ね対向する複数の探傷コイル15のみがケーブル5と電気的に接続され、同時に全ての探傷コイル15に電力を供給することがないため、マルチコイル式プローブ201の省電力化を図ることができる。
さらに、複数のコーティング層213は、中心軸線L3回りに重ねて巻き付けられ、一層ずつ取り外し可能となっているため、長時間にわたって検査対象面T1と各探傷コイル15との距離を容易に均一に保つことができる。
なお、この第8の実施形態においては、保持部209は、断面視で円形状に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも筒状に形成されていればよい。すなわち、保持部209は、例えば、断面視で六角形状や八角形状等の多面体形状に形成されるとしても構わない。この構成の場合には、保持部209のうち、多面体の相互に隣り合う面の角部を弾性変形させることにより、保持部209を検査対象面T1に追従させることができる。
また、傷の検査に際してコーティング層213が摩耗することが少ない場合には、コーティング層213を複数重ねて巻き付ける必要はなく、一層だけコイルホルダ本体211の外周面211aに巻き付けるとしても構わない。
さらに、軸受223は、所謂ボールベアリングから構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも軸体221を把持部205に対して中心軸線L3回りに回転可能とするものであればよい。すなわち、軸受223は、例えば、ブッシュから構成されるとしても構わない。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
この発明の第1の実施形態に係るマルチコイル式プローブを用いて構成される渦流探傷装置を示す斜視図である。 この発明の第1の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示しており、(a)は斜視図、(b)はX軸方向から見た断面図、(c)はY軸方向から見た概略断面図である。 図2のマルチコイル式プローブにおいて、コイルユニットの製造工程を示す斜視図である。 図2のマルチコイル式プローブにおいて、コイルユニットの製造工程を示す断面図である。 図2のマルチコイル式プローブを示す分解斜視図である。 図2のマルチコイル式プローブを検査対象面に配した状態を示しており、(a)は検査対象面が凸状の曲面である場合の概略断面図、(b)は検査対象面が凹状の曲面である場合の概略断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す断面図である。 この発明の第2の実施形態に係るマルチコイル式プローブに使用する弾性体を示す斜視図である。 この発明の第3の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略断面図である。 図3のマルチコイル式プローブを検査対象面に配した状態を示しており、(a)は検査対象面が凸状の曲面である場合の概略断面図、(b)は検査対象面が凹状の曲面である場合の概略断面図である。 この発明の第4の実施形態に係るマルチコイル式プローブを検査対象面に配した状態を示しており、(a)は検査対象面が凹状の曲面である場合の概略断面図、(b)は検査対象面が平坦面である場合の概略断面図、(c)は検査対象面が凸状の曲面である場合の概略断面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略断面図である。 図15のマルチコイル式プローブにおいて、隣接する2つの探傷コイルの間隔を示しており、(a)は保持部の前面が平坦となる場合の要部断面図、(b)は保持部の前面が凹状となる場合の要部断面図、(c)は保持部の前面が凸状となる場合の要部断面図である。 この発明の第5の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 図17のマルチコイル式プローブにおいて、探傷コイルに取り付けられた中間部材を示しており、(a)は拡大斜視図、(b)、(c)は拡大断面図である。 図17のマルチコイル式プローブを凸状の曲面に形成された検査対象面に配した状態を示す断面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す断面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの弾性体を示す拡大断面図である。 この発明の第6の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略斜視図である。 図22のマルチコイル式プローブのアーム部を示す要部拡大断面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの中間部材を示す要部拡大断面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの付勢手段を示す要部拡大斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの付勢手段を示す要部拡大斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの付勢手段を示す要部拡大斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの付勢手段を示す要部拡大斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの付勢手段を示す要部拡大斜視図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す概略斜視図である。 図32のマルチコイル式プローブにおいて、探傷コイルと付勢手段との接続を示しており、(a)は要部拡大断面図であり、(b)は要部拡大斜視図である。 この発明の第7の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 図34のマルチコイル式プローブを示す分解斜視図である。 図34のマルチコイル式プローブにおいて、軸受及び軸体を示す拡大断面図である。 図34のマルチコイル式プローブを検査対象面に沿って移動させる状態を示す側面図である。 図34のマルチコイル式プローブのコイルユニットを検査対象面に接触させた状態を示す正面図である。 この発明の他の実施形態に係るマルチコイル式プローブの軸受を示す拡大断面図である。 この発明の第8の実施形態に係るマルチコイル式プローブを示す斜視図である。 図40のマルチコイル式プローブを検査対象面に接触させた状態を示す測断面図である。 図40のマルチコイル式プローブにおいて、コイルユニットの製造工程を示す概略斜視図である。 図40のマルチコイル式プローブにおいて、コイルユニットの製造工程を示す断面図である。 図40のマルチコイル式プローブを示す分解斜視図である。 図40のマルチコイル式プローブを検査対象面に接触させた状態を示す正面図である。
符号の説明
1,51,71,81,111,171,201 マルチコイル式プローブ
9,203 コイルユニット
11,173 固定部
13,207 連結部
15 探傷コイル
15a 端面
15b 裏面
15c 導線
17,65,73,83,209 保持部
17a,65a,73a,85a 前面
19b,65b,73b,85b 裏面(背面)
21,85,213 コーティング層
27 テーパ部
41 ベローズ部(被覆部)
43,53,87,113, 付勢手段
67 カバー部(被覆部)
75〜78 切欠部(易変形部)
79 曲げセンサ
93,101,123,167 中間部材(押圧部)
95 ボールジョイント(揺動部)
99 弾性体(揺動部)
121 連接部(揺動部)
139 揺動部
147,161 第1の揺動部
151,163 第2の揺動部
175 第1のハウジング
177 第2のハウジング
192 ハウジング付勢手段
194 回転付勢手段
205 把持部(固定部)
209a 外周面(前面)
223 軸受
L1 直交軸線
T1 検査対象面

Claims (10)

  1. 導線を巻回してなる複数の探傷コイルと、前記複数の探傷コイルの端面を検査対象面に対向する前面側に向けた状態で前記複数の探傷コイルを自身の厚さの範囲内に支持する保持部と、を有するコイルユニットと、
    前記検査対象面に前記コイルユニットを接触させる際に把持する固定部と、
    前記保持部を押圧して前記複数の探傷コイルを前記固定部から離間させる方向に付勢する付勢手段を有し、前記コイルユニットと前記固定部とを連結する連結部と
    を備え、
    前記保持部は、弾性変形可能な弾性材料を用いて可撓性を有するように形成され、前記複数の探傷コイルは、前記コイルユニットが前記検査対象面に接触したときに、前記検査対象面と非接触状態を保持するように配置されていることを特徴とする渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  2. 前記保持部が、前記探傷コイルの端面側に配され、かつ前記検査対象面に接触させるシート状のコーティング層を有し、
    前記付勢手段が、前記探傷コイルに直接接続されていることを特徴とする請求項1に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  3. 前記付勢手段が、
    前記端面の反対側に位置する前記探傷コイルの裏面に当接する押圧部と、
    該押圧部と前記固定部との間に設けられ、前記固定部に対して前記押圧部及び前記探傷コイルを前記裏面に沿う基準軸線回りに揺動可能とする揺動部と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  4. 前記押圧部及び前記揺動部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  5. 前記付勢手段が、導電性を有し、前記各探傷コイルから引き出される一対の導線に電気接続される一対の配線部を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  6. 前記固定部が、
    前記連結部を介して前記コイルユニットに接続される第1のハウジングと、
    前記第1のハウジング及び前記保持部の配列方向に略直交する直交軸線を中心として、前記第1のハウジングに対して揺動可能に連結される第2のハウジングと、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  7. 前記直交軸線を中心とする前記2つのハウジングの相対回転位置が所定位置に向かうように、前記2つのハウジングを相互に前記直交軸線回りに付勢する回転付勢手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  8. 前記2つのハウジングの相対距離を変更可能に連結すると共に、これら2つのハウジングを相互に離間させる方向に付勢するハウジング付勢手段を備えることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  9. 前記保持部のうち、少なくとも前記前面に沿う一方向について相互に隣り合う前記探傷コイルの間に、弾性変形可能な易変形部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
  10. 前記易変形部が、少なくとも前記保持部の前面、若しくは該前面とは反対側に位置する背面から窪んで形成された切欠部からなることを特徴とする請求項9に記載の渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ。
JP2004226560A 2004-08-03 2004-08-03 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ Expired - Fee Related JP4464758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004226560A JP4464758B2 (ja) 2004-08-03 2004-08-03 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004226560A JP4464758B2 (ja) 2004-08-03 2004-08-03 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006047036A JP2006047036A (ja) 2006-02-16
JP2006047036A5 JP2006047036A5 (ja) 2007-09-20
JP4464758B2 true JP4464758B2 (ja) 2010-05-19

Family

ID=36025759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004226560A Expired - Fee Related JP4464758B2 (ja) 2004-08-03 2004-08-03 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4464758B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9678175B2 (en) 2010-07-26 2017-06-13 Radiation Monitoring Devices, Inc. Eddy current detection

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4608322B2 (ja) * 2005-01-07 2011-01-12 オリンパス株式会社 渦流探傷マルチコイル式プローブの製造方法
JP2006194815A (ja) * 2005-01-17 2006-07-27 Olympus Corp 渦流探傷マルチコイル式プローブ及びその製造方法
JP4875510B2 (ja) * 2007-02-14 2012-02-15 三菱重工業株式会社 センサ素子および渦電流探傷プローブ
US8049494B2 (en) * 2007-05-21 2011-11-01 Olympus Ndt Flexible array probe for the inspection of a contoured surface with varying cross-sectional geometry
JP5016977B2 (ja) * 2007-05-29 2012-09-05 株式会社日立製作所 渦電流探傷プローブ
JP5056381B2 (ja) * 2007-11-29 2012-10-24 新東工業株式会社 渦電流による金属製品の内部検査装置
DE102008054250A1 (de) * 2008-10-24 2010-04-29 Institut Dr. Foerster Gmbh & Co. Kg Elektromagnetisch-akustischer Messwandler und Ultraschall-Prüfsystem damit
JP6472334B2 (ja) * 2015-06-03 2019-02-20 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 渦電流検査装置
CN108593762A (zh) * 2018-04-18 2018-09-28 北京京桥热电有限责任公司 燃机叶片缺陷检测工艺
CN109752450A (zh) * 2018-12-07 2019-05-14 兰州空间技术物理研究所 一种发动机叶片无损检测探头
CN110261470B (zh) * 2019-04-30 2024-07-26 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 多工位钢轨涡流检测设备
JP7310430B2 (ja) * 2019-08-09 2023-07-19 大同特殊鋼株式会社 探傷装置
JP7351332B2 (ja) * 2020-12-01 2023-09-27 Jfeスチール株式会社 渦流探傷用プローブ、探傷方法および渦流探傷装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9678175B2 (en) 2010-07-26 2017-06-13 Radiation Monitoring Devices, Inc. Eddy current detection

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006047036A (ja) 2006-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4464758B2 (ja) 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ
JP4704065B2 (ja) 回転検出装置付き軸受
JP2006010689A (ja) トリガ付探触子
JP2006024845A (ja) プローブカード及び磁気センサの検査方法
US20080229842A1 (en) Suspension equipped with vibration sensor and manufacturing method thereof
JP2006514275A (ja) 座標測定機械用プローブヘッド
CN101310190A (zh) 基板检查用夹具和检查用探头
CN101606073A (zh) 加强接触元件
JP2003207330A (ja) トリガプローブおよびトリガプローブの組立て方法
JP2010060316A (ja) 異方性導電部材および異方導電性を有する測定用基板
US20190049410A1 (en) Eddy current inspection probe
JP2006046909A (ja) 渦流探傷装置のマルチコイル式プローブ
US20080186037A1 (en) Probe card and structure for fixing needle thereof
JP6557313B2 (ja) 磁気誘導を測定して作動を検出する回転制御ステムを含む携帯品
US20080079427A1 (en) Test device for tubular specimens
JP2006194815A (ja) 渦流探傷マルチコイル式プローブ及びその製造方法
US7768281B2 (en) Probe assembly for lapping a bar using a patterned probe
JP2006226829A (ja) プローブヘッド及び電子デバイスの検査方法
JP4608322B2 (ja) 渦流探傷マルチコイル式プローブの製造方法
JP4673239B2 (ja) 円筒体の内周真円度検査装置及び円筒体の内周真円度検査方法
EP2889574B1 (en) Thickness inspection device
CN101275984A (zh) 半导体检查装置
KR20070115658A (ko) 기판 검사용 치구 및 이 치구를 구비하는 기판 검사 장치
JP5210550B2 (ja) 電気的接続装置
JP5055061B2 (ja) 導電接触ピン

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070802

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100219

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4464758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees