JP4464332B2 - 缶の巻締め不良検査方法 - Google Patents

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本発明は、飲食物用などの缶について、その缶胴と缶底あるいは缶胴と缶蓋との間の締結をなしている巻締め部の不良を検査する技術に関し、特に巻締め上端のリング像を用いて巻締め不良を検査する技術に関する。
飲食物用の缶などは、多くの場合、その缶胴と缶底あるいは缶胴と缶蓋との間が巻締め部を介して締結されており、その巻締め部に巻締め不良を発生する場合がある。巻締め不良としては、巻締めが正しく行われずに缶胴の一部が巻締め部の下方において舌状にはみ出す「舌出し不良」が代表的なものとしてある。このような巻締め不良があると缶の気密性が損なわれ、封入飲食物の品質保持に支障を来たす可能性がある。このため製品検査の一つとして巻締め不良の検査が必要となる。
巻締め不良の検査については、主なものとして、X線により巻締め部の巻締め状態についての透視画像などを取得して検査する手法(例えば特許文献1、2)が知られており、また巻締め部のリング状上端縁(巻締め上端)を中心にした照明の下で缶の端面を撮像して巻締め上端の像を高輝度なリング像として取得し、そのリング像におけるリング幅の計測により検査する手法(例えば特許文献3)が知られ、さらに巻締め部を切断して検査する手法(例えば特許文献4)なども知られている。これらの検査手法のなかでも巻締め上端のリング像による手法は、処理を高速に行えることからインライン検査による全数検査を可能とする点で優れている。
特開平9−248643号公報 特開2000−199747号公報 特開平7−218453号公報 特開2002−200521号公報
巻締め上端のリング像による巻締め不良検査法(リング像法)は、上記のようにインライン検査を可能とするという点で優れており、缶飲料などの製造分野で広く用いられている。ただ、そうした実用の過程で問題点も見出されてきている。それは「無駄バネ」の問題である。「無駄バネ」とは、巻締め不良を発生していない缶までも巻締め不良として排除してしまうことである。この無駄バネは、リング像法の原理に由来し、リング像に乗るノイズに起因して起こる。
リング像法では、例えば可視光照明などを照射した状態で缶の端面を撮像して得られる缶端面画像に現れる巻締め上端の高輝度なリング像におけるリング幅を適宜な間隔でリング像の全周について計測し、そしてこの計測処理で得られるリング幅データに所定のリング幅閾値あるいはリング幅差閾値よりも大きいものがあるか否かを判定し、あった場合にはその缶を巻締め不良と判定するようにされている。このようなリング幅に基づく巻締め不良の検出は、上記の「舌出し不良」などの巻締め不良を生じていると、その不良部分でリング幅が広くなるという関係を利用している。そのためリング像にノイズが乗ってリング幅が擬似的に広くなると、巻締め不良のない缶をも不良として排除してしまうことになる。
リング像のノイズつまりリング幅を擬似的に広く(あるいは細く)するようなノイズは、製造工程で缶の巻締め部に水分や埃が付着したり傷が付いたりすることでもたらされる。ただ、昨今は製造工場のクリーン化が進んでおり、ノイズをもたらすような埃が付着することはほとんどない。また昨今の製造工程ではノイズをもたらすような傷が巻締め部に付くこともほとんどない。一方、例えば缶飲料の製造工程では様々な理由から缶の外面を水で洗浄する工程があり、また充填内容物と外気の温度差による結露などもあるため、巻締め部に水分が付着するのを避けられない。したがってノイズは、そのほとんどが巻締め部に付着する水分でもたらされるといえる。
こうしたことから、缶から付着水分を除去してノイズの原因を物理的に排除する処理を行うことになる。付着水分の除去処理は、巻締め不良検査工程の前工程に設置されるエアブロー装置による高圧空気の吹き付けで付着水分を吹き飛ばすことで行うのが有効であり、実際にもこうしたエアブロー法が用いられている。しかし、エアブロー法による付着水分の除去には限界がある。すなわち細かな粒状の付着水分つまり水滴状態の付着水分までも完全に除去しようとすると、エアブロー装置が巨大化し、無視できないコスト問題を招くことになる。そこで、エアブローによる付着水分除去は、水滴状態の水分が残るのは許容する程度にとどめ、付着水滴がもたらすノイズについては画像処理的に除去して無駄バネを効果的に防止できるようにすることが求められる。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、巻締め上端のリング像を用いる巻締め不良検査について、巻締め部の付着水滴などがもたらすノイズを画像処理的に除去して無駄バネを効果的に防止できるようにすることを目的としている。また、ノイズ除去処理の状態を検証し、不良検査の信頼性を確保することを目的としている。
本発明では上記目的のために、巻締め部を有する缶について前記巻締め部の巻締め不良を検査するために、撮像手段にて前記缶の端面を撮像して得られる前記巻締め部における巻締め上端のリング像についてリング幅を適宜な間隔で前記リング像の全周について計測し、その計測処理で得られるリング幅データに所定のリング幅閾値あるいはリング幅差閾値よりも大きなものがあった場合に当該缶を巻締め不良と判定するようになっている缶の巻締め不良検査方法において、前記巻締め部に付着した水滴などによる前記リング幅に関するノイズを除去するノイズ除去処理を含み、前記ノイズ除去処理では、前記リング幅閾値あるいは適宜に設定したノイズ除去用リング幅閾値よりも広い前記リング幅を有する部分について位置角度に対する前記リング幅の変化状態を判定し、所定以上に急峻に前記リング幅が変化している部分をノイズとして除去するようにされていることを特徴としている。
また本発明では、上記のような缶の巻締め不良検査方法について、前記ノイズ除去処理は、3点微分法、移動平均差分法、中央値差分法のいずれかで前記リング幅の変化状態を判定して行うようにしている。
また本発明では、上記のような缶の巻締め不良検査方法について、前記ノイズ除去処理におけるノイズ除去の状態を検証するノイズ除去検証処理を発明し、検査方法に適用した。
本発明では、位置角度に対するリング幅の変化状態を基にノイズか否かを判定し、これによりノイズの除去を行うようにしている。これは水滴などによるノイズがもたらすリング幅の変化状態と巻締め不良がもたらすリング幅の変化状態との間で急峻性について、さらにはリング幅広部位の連続性について大きな特徴的な相違のあることを利用したものであり、効果的なノイズの除去を可能とする。この結果、大幅なコスト上昇を招くような大型のエアブロー装置を用いなくとも、ノイズに起因する無駄バネを効果的に避けることができ、缶飲料などの製造について生産性を高めることができる。また、ノイズ除去検証方法を適用することによりノイズ除去による不良見逃し防止を行い、検査性能信頼性を確保することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1と図2に、一実施形態による缶の巻締め不良検査方法の実施に用いる巻締め不良検査機のシステム構成を示す。巻締め不良検査機は、例えば缶飲料の製造ラインに組み込むようにして用いられ、コンベアVで連続的に搬送されて来る缶C(この缶は、飲料が充填されて缶胴と缶蓋の巻締めを経た状態にある)の全てについて順次巻締め不良を検査し、巻締め不良とされた缶をコンベアVから排除する。そのため巻締め不良検査機は、撮像手段であるテレビカメラ1、照明装置2、照明装置用電源3、缶検出センサ4、データ処理装置5、および選別装置6を備えている。
テレビカメラ1は、缶Cを上方から撮像できるようにして設けられており、缶Cの端面画像を取得する。こうしたテレビカメラ1による缶Cの撮像は、缶検出センサ4が缶Cを検知するのを受けて行われるもので、照明装置2により缶Cを上方から照明した状態で行われる。照明装置2は、缶Cの巻締め上端に対して上方から照明光を均一に照射できるように構成されている。より具体的に言うと、照明装置2は、リング状の照明光を巻締め上端に対して所定の角度で照射し、その照明光が巻締め上端で反射されることで効率的にテレビカメラ1に入射するようにされている。こうした照明によりテレビカメラ1は、リング状の巻締め上端の像を高輝度なリング像として缶端面画像に取り込むことができる。
テレビカメラ1が缶Cを撮像して画像データを取得すると、その画像データをデータ処理装置5が受け取る。画像データを受け取ったデータ処理装置5は、そのデータを処理して巻締め不良の有無を判定するために後述するような一連の処理を行う。そしてデータ処理装置5により巻締め不良とされた缶は、選別装置6によりコンベアVから排除される。
データ処理装置5は、図2に示すように、A/D変換部21、画像メモリ22、リング幅計測部23、ノイズ除去部24、ノイズ除去閾値テーブル25、巻締不良判定部26、巻締不良判定閾値テーブル27、ノイズ除去検証部28、および検証閾値テーブル29を備えている。
A/D変換部21は、テレビカメラ1から入力するアナログの缶端面画像をデジタル多階調の缶端面画像に変換し、それを画像メモリ22に格納する。リング幅計測部23は、画像メモリ22に格納のデジタル多階調缶端面画像から巻締め上端のリング像を抽出しながらそのリング幅を計測する。ノイズ除去部24は、リング像についてノイズの除去を行う。つまりリング像中のノイズと判定される部分について、リング幅計測部23で得られた計測データ(リング幅データ)を除去する。ノイズ除去閾値テーブル25は、ノイズ除去で用いるノイズ除去閾値を缶の種類などに対応させて登録している。巻締不良判定部26は、ノイズ除去処理を経た後の計測データに基づいて巻締め不良の有無を判定し、その結果を選別装置6に出力する。巻締不良判定閾値テーブル27は、巻締不良判定で用いる巻締不良判定閾値(リング幅閾値あるいはリング幅差閾値)を缶の種類などに対応させて登録している。ノイズ除去検証部28は、ノイズ除去の結果を検証する。つまり巻締不良判定部26における巻締不良判定で巻締め不良を見落とす結果になるようなノイズ除去となっていないか否かを検証する。検証閾値テーブル29は、ノイズ除去検証で用いる検証閾値を缶の種類などに対応させて登録している。
次に、以上のような巻締め不良検査機を用いての巻締め不良検査について説明する。図3に、データ処理装置5でなされる巻締め不良検査の処理の流れを示す。巻締め不良検査は、図1のようにコンベアVで連続的に搬送されて来る缶Cの全数についてなされ、缶Cが缶検出センサ4で検出されるごとにその缶Cについて検査が行われる。ここで、図1に示すように、缶Cは、巻締め不良検査工程に入る直前に設置されるエアブロー装置Eによる高圧空気の吹き付けで付着水分を吹き飛ばして除去する処理を受ける。ただエアブロー装置Eによる付着水分の除去は、エアブロー装置Eの大型化を避けるために、水滴状態の水分は残るのを許容する程度にとどめられている。
ある缶Cについて検査が開始されると、まずテレビカメラ1から画像データ(缶端面画像)を取り込む(ステップ101)。取り込まれた画像データはA/D変換部21によりデジタル多階調画像に変換され、画像メモリ22に格納される(ステップ102)。
次いで、リング幅計測部23が画像メモリ22に格納のデジタル多階調缶端面画像における巻締め上端のリング像の中心を求める(ステップ103)。リング像の中心を求めたら、リング幅計測部23はリング像のリング幅の計測を行う(ステップ104)。リング幅の計測は、適切な輝度閾値以上の輝度を有するリング像の部分だけについて幅を計測することで行う。つまり輝度閾値に基づいて抽出したリング像についてリング幅を計測する。そのための輝度閾値は、例えばリング像の平均輝度に適宜係数を乗ずるなどとして求めることができる。このように輝度閾値に基づいてリング幅を計測することにより、リング像からそれに乗っているノイズの一次的な除去をなすことができる。すなわち、例えば巻締め上端に水分が付着しており、その付着水分がリング幅を擬似的に広くさせるノイズとなる可能性のある場合を考える。この場合に、その付着水分による照明光の反射状態が巻締め上端による照明光の反射状態と異なり、そのために付着水分部分の像における輝度が輝度閾値よりも小さければ、リング幅計測用のリング像として抽出されないことになり、結果としてノイズ除去がなされる。
このような一次的ノイズ除去の例を図4に示す。図4は、巻締め部の外部側面に巻締め上端付近で水滴状に水分が付着し、それがリング像(図4の(a)に白線のリングとして現れている)にノイズ(図4の(b)で白線リングの外縁を膨らませるように現れている部分)をもたらしている場合である。なお図4の(b)中の点線は、リング幅を計測するための走査線を示したものである。図4の(c)には、水分によるノイズがある部分における走査線上の輝度グラフを示してある。この輝度グラフに見られるように、ノイズ部分は輝度閾値(図中には「巻締リングエッジ検出輝度」つまりリング幅計測用のリング像のエッジを定める輝度として表示してある)よりも低い輝度となっており、リング幅計測用のリング像(内輪座標P1と外輪座標P2で挟まれる部分)からは外され、その部分のリング幅はノイズを除いた幅として計測されることになる。
図5に示すのは輝度閾値に基づくリング幅計測によるノイズの一次的除去の他の例である。この例は、巻締め上端に乗る状態で水滴状の水分が付着し、それがリング像にノイズをもたらしている場合である。巻締め上端に乗った水滴は、その表面の形状状態に応じて照明光を全反射するかレンズ効果で照明光のほとんどについてその方向を変えてしまうかのいずれかである。照明光の方向を変えてしまう場合、水滴の像つまりノイズ像は輝度閾値よりも輝度が低い像となり、リング幅計測用のリング像から除外されることになる。
以上のようなリング幅の計測は所定の角度ピッチでリング像の全周について行う。したがって計測角度ピッチx度とすると、全周の計測では360/x個のリング幅データが得られることになる。ここで、リング幅計測部23が求めるリング幅データとしては、リング像の幅を測定することで得られる値をそのまま用いる場合(直接データ方式)と、個々のリング幅データ間で取った差分を用いる場合(差分データ方式)が可能である。直接データ方式には、データ処理量が少なくて済むという利点があり、差分データ方式には、照明の明るさムラや巻締め部の反射ムラを吸収でき、より高精度な検査を可能とするという利点がある。
リング幅データが得られたら、ノイズ除去部24によるノイズ除去を行う(ステップ105)。ノイズ除去の基本的な考え方は、巻締不良判定用のリング幅閾値あるいは適宜に設定したノイズ除去用リング幅閾値よりも大きなリング幅を有する部分についてリング幅の変化状態を判定し、所定以上に急峻にリング幅が変化している部分をノイズとして除去するということである。こうした考え方について図6と図7を用いて説明する。図6は、巻締め上端に付着している水滴でノイズを生じているリング像の例を示すとともに、そのリング像におけるノイズ部位(水滴付着部位)近傍のリング幅の変化状態についてのグラフの例を示し、図7は巻締め不良のあるリング像の例を示すとともに、そのリング像における巻締め不良部位近傍のリング幅の変化についてのグラフの例を示している。図6と図7それぞれのリング幅変化グラフを比較すると、付着水滴によるノイズでリング幅が広くなっている部位では幅広部分の連続性が短くてグラフが急峻に変化しており、一方、巻締め不良でリング幅が広くなっている部位では幅広部分の連続性が長くてグラフが緩やかに変化している。このことは、巻締め不良によるリング幅の幅広部分の連続性は少なくとも6mm以上の帯状であるのが通常であるのに対し、エアブローを経た後の付着水滴によるはリング幅の幅広部分の連続性は長くても1mm以下程度の粒状であるということによっている。したがってリング幅変化の急峻性について適切な閾値を設定することにより、巻締め不良に対するノイズの判別を有効に行うことが可能となる。このようなノイズ除去を可能とする手法の代表的な例としては、3点微分法、2点微分法、移動平均差分法および中央値差分法などを挙げることができる。
3点微分法によるノイズ除去の原理を図8に示す。図8の上部にはリング像の全周について得られるリング幅データの一部をリング幅変化グラフとして示してある。リング幅変化グラフの縦軸はリング幅であり、横軸はリング幅の計測位置角度である。こうしたリング幅データに対して3点微分演算を施す。3点微分演算の微分式の例を下記に示す。
微分結果=|d(i)−d(i-j)+d(i)−d(i+j)| (1)
ここで、(1)式におけるiは微分箇所の中心点における位置角度、jは中心点に対する左右各点の角度iに対するずれ位置角度、d()は各位置角度でのリング幅データである。
この式においてjの値を適当な設定にすると、幅微分結果は図8の下部に示す幅微分グラフのようになる。この幅微分グラフに見られるように、前後に急峻な勾配つまり急峻なリング幅変化を持つノイズの部分では幅微分値(幅微分データ)が大きな値となり、緩やかな勾配つまり緩やかなリング幅変化を持つ巻締め不良部分では幅微分値が小さな値となる。そこで、ノイズ除去閾値として幅微分値に対する閾値を適切に設定すれば、そのノイズ除去閾値に基づいてノイズを有効に判別して除去することができる。ここで、図8の例では、jの設定をリング像の周方向でのノイズの広がりの半分程度に設定してある。このような設定のjとすると、図8の例の幅微分グラフのような結果が得られ、ノイズ部分の急峻性がより明確となってノイズをより判別し易くなる。ただ、この場合にはノイズ除去閾値を超える部分がノイズの頂点付近に限られることになる。そこで安全のためにノイズ除去閾値を超えた部分の前後一定範囲もノイズとして除去するようにしてもよい。なお2点微分法を用いて急峻な勾配部分自身を除去するようにしてもよい。
以上のような3点微分法を用いる場合には、幅微分値に対する閾値としてノイズ除去閾値を缶の種類などに対応させてノイズ除去閾値テーブル25に登録しておき、(1)式で求まる微分結果をそのノイズ除去閾値と比較してノイズか否かを判定し、ノイズと判定された場合にはそのリング幅データを除去する。
移動平均差分法によるノイズ除去の原理を図9に示す。図9の上部には図8の場合と同様なリング幅変化グラフとして示してある。こうしたリング幅データに対して移動平均差分演算を施す。移動平均差分演算の差分式の例を下記に示す。
差分結果=|d(i)−AVERAGE(d(i-k)〜d(i+k))| (2)
ここで、(2)式におけるiは移動平均範囲の中心点における位置角度、kは移動平均範囲の角度の半分の角度、d()は各位置角度での幅データで、AVERAGE(d(i-k)〜d(i+k))はd(i-k)からd(i+k)までの平均データである。
この式においてkの値を適当な設定にする、つまり移動平均範囲を適当な設定にすると、差分結果は図9の下部に示す移動平均差分グラフのようになる。この移動平均差分グラフに見られるように、急峻なリング幅変化を持つノイズの部分では差分値(差分データ)が大きな値となり、緩やかなリング幅変化を持つ巻締め不良部分では差分値が小さな値となる。そこで、ノイズ除去閾値として差分値に対する閾値を適切に設定すれば、そのノイズ除去閾値に基づいてノイズを有効に判別して除去することができる。ここで、図の例では、移動平均範囲を巻締め不良で生じる幅広部分の標準的な長さ(角度範囲)程度に設定してある。このように移動平均範囲を設定すると、図9の例の移動平均差分グラフのような結果が得られ、ノイズ部分の急峻性がより明確となってノイズをより判別し易くなる。
中央値差分法は、原理的には移動平均差分法と同様である。中央値差分法における差分式としては下記の式を用いることができる。
差分結果=|d(i)−MEDIAN(d(i-k)〜d(i+k))| (3)
ここで、(3)式におけるi、k、d()は(2)式におけるそれらと同様であり、MEDIAN(d(i-k)〜d(i+k))はd(i-k)からd(i+k)までのデータの中央値である。
こした中央値差分法は、ランク値として中央値を用いるのに代えて、データ並びの所定順位値を使用する形態に変形することも可能である。
以上のような移動平均差分法や中央値差分法などを用いる場合には、差分値に対する閾値としてノイズ除去閾値を缶の種類などに対応させてノイズ除去閾値テーブル25に登録しておき、(2)式や(3)式などで求まる差分結果をそのノイズ除去閾値と比較してノイズか否かを判定し、ノイズと判定された場合にはそのリング幅データを除去する。ここで安全のためにノイズの勾配立ち上がり部分も除去するためには、ノイズ除去閾値を超えた部分の前後一定範囲も除去するようにしてもよい。
以上のようなノイズ除去手法のいずれかでノイズ除去処理を行ったら、ステップ106としてノイズ除去に対する検証を行う。このノイズ除去検証処理は、過度のノイズ除去により巻締不良判定で巻締め不良を見落とす結果になるようなことを避けるための処理である。例えば、巻締め不良の部分に水滴が連続状態で付着しているような場合があると、その部分についてノイズ除去過程でリング幅データが除去されてしまい、結果として巻締め不良を見逃すことになる。そこでこのようなノイズ除去を生じた缶については巻締め不良とすることで、巻締め不良の見逃しを有効に防止する。ノイズ除去検証では一例として以下のような処理を行う。
まずノイズとして除去したリング幅データがリング像の周方向で連続している場合におけるその連続個数の最大値つまり除去データ最大連続数C1を求め、また有効リング幅データ率C2を求める。有効リング幅データ率C2は、
C2=(全リング幅データ数−除去リング幅データ数)/全リング幅データ数
として求める。それから検証閾値テーブル29に登録してある検証閾値S1、S2に対して「C1>S1またはC2<S2」を判定し、それが肯定的である場合には不良品であるとの出力を図1の選別装置6に出し、否定的な場合には次の巻締不良判定(ステップ107)に進む。
ここで、ノイズ除去検証処理で求める除去データ最大連続数C1や有効リング幅データ率C2は、エアブロー装置Eの性能状態を定量的に評価する指標として使用できる。すなわちC1の値が一定以上になる場合が一定以上の頻度で現れる場合、またはC2の値が一定以下になる場合が一定以上の頻度で現れる場合には、エアブロー装置Eにおける付着水分除去性能が要メンテナンス状態まで低下していると判断することができ、このような機能を用いることでエアブロー装置Eの予防保全システムを実現することができる。また、このようなノイズ除去検証方法は巻締検査に限るものではない。他のノイズ除去方法を有する検査システムあるいは全データ中の有効データ比率が算出できるシステムにおいて、検査の信頼性確保として有用なのはいうまでもない。
ステップ107では巻締不良判定部26による巻締不良判定が行われる。巻締不良判定は、巻締不良判定閾値テーブル27に登録してある巻締不良判定閾値S3と各リング幅データdiとの間で「di>S3」を判定し、それが肯定的となる場合には不良品であるとの出力を図1の選別装置6に出し、否定的な場合には良品であるとの出力を図1の選別装置6に出し、当該缶に対する検査が終了となる。ここでdiにリング幅間で取った差分を用い、S3を幅差分の閾値としてもよい。この場合は照明の明るさムラや巻締め部の反射ムラを吸収した高精度検査を行うことができる。
ここで、本実施形態では、巻締不良判定を「di>S3」の判定で行うようにしているが、このような判定に加えて上記の特許文献3に開示されるような判定、つまり巻締め不良の前後2箇所で幅広部がリング像に現れるような巻締め不良について、それぞれの幅広部についてリング幅を評価する判定を行うようにしてもよい。またノイズ除去検証処理と巻締不良判定処理の間でリング幅データ補間処理を行うようにしてもよい。すなわちノイズ除去でリング幅データが除去されたリング像の部位について新たなリング幅データを挿入して補間する処理である。補間用の新たなリング幅データには、その補間部位の前後のリング幅データなどを用いる。この処理は、ノイズ除去で減っているリング幅データの数をリング幅計測時点での360/x個に戻すための処理である。
本発明は、巻締め部を有する缶の巻締め不良検査について、ノイズに起因する無駄バネを効果的に避けて缶飲料などの製造について生産性を高めることを可能とするものであり、缶飲料などの製造分野で有効性の高いものとして広く利用することができる。
一実施形態による巻締め不良検査方法の実施に用いる巻締め不良検査機のシステム構成を示す図である。 図1の巻締め不良検査機におけるデータ処理装置の構成を示す図である。 一実施形態による巻締め不良検査方法における処理の流れを示す図である。 輝度閾値に基づくリング幅計測過程でノイズ除去がなされる場合の例を示す図である。 輝度閾値に基づくリング幅計測過程でノイズ除去がなされる場合の他の例を示す図である。 ノイズを生じているリング像とそのリング像におけるノイズ部位近傍のリング幅変化状態グラフの例を示す図である。 巻締め不良のあるリング像とそのリング像における巻締め不良部位近傍のリング幅変化グラフの例を示す図である。 3点微分法によるノイズ除去の原理を説明する図である。 移動平均差分法によるノイズ除去の原理を説明する図である。
符号の説明
1 テレビカメラ(撮像手段)
2 照明装置
5 データ処理装置
22 画像メモリ
23 リング幅計測部
24 ノイズ除去部
25 ノイズ除去閾値テーブル
26 巻締不良判定部
27 巻締不良判定閾値テーブル
28 ノイズ除去検証部
29 検証閾値テーブル
C 缶

Claims (3)

  1. 巻締め部を有する缶について前記巻締め部の巻締め不良を検査するために、撮像手段にて前記缶の端面を撮像して得られる前記巻締め部における巻締め上端のリング像についてリング幅を適宜な間隔で前記リング像の全周について計測し、その計測処理で得られるリング幅データに所定のリング幅閾値あるいはリング幅差閾値よりも大きいものがあった場合に当該缶を巻締め不良と判定するようになっている缶の巻締め不良検査方法において、
    前記巻締め部に付着した水滴などによる前記リング幅に関するノイズを除去するノイズ除去処理を含み、前記ノイズ除去処理では、前記リング幅閾値あるいは適宜に設定したノイズ除去用リング幅閾値よりも広い前記リング幅を有する部分について位置角度に対する前記リング幅の変化状態を判定し、所定以上に急峻に前記リング幅が変化している部分をノイズとして除去するようにされていることを特徴とする缶の巻締め不良検査方法。
  2. 前記ノイズ除去処理は、3点微分法、移動平均差分法、中央値差分法のいずれかで前記リング幅の変化状態を判定して行うようにした請求項1に記載の缶の巻締め不良検査方法。
  3. 前記ノイズ除去処理におけるデータ除去の状態を検証するノイズ除去検証処理を含んでいる請求項1又は2に記載の缶の巻締め不良検査方法。
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