JP4464001B2 - 画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷の如き画像形成方法及びトナージェット法に用いられる現像剤、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このプロセスカートリッジ方式によれば、例えば現像剤の補給等、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に利便性を向上することができる。このような利点からプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置において広く用いられている。
【0003】
このようなカートリッジ方式の電子写真画像形成装置では、上述のように、ユーザー自身がカートリッジを交換することができ、そのため、現像装置内の現像剤残量を検出し、現像剤量が少なくなった場合にそれを表示し、警告する手段が設けられており、画像濃度低下等が発生する前に、ユーザーにカートリッジ交換を促すようになっているものがある。
【0004】
このようなカートリッジの寿命検出については、種々の方法が提案されており、EEPROM等の不揮発性の記憶手段を利用して、カートリッジの使用量を積算して記憶させる方法が提案されている。例えば特開昭61−185761号公報では、プロセスカートリッジ内の感光ドラムを、レーザ光または発光ダイオードなどによって露光させる場合、露光時間の情報を加算記憶することにより、現像剤残量に対応する情報を加算記憶する手段を備えた電子写真画像形成装置について述べられている。
【0005】
また、このようなカートリッジには、装置本体に対して着脱交換される機会が多いため、記憶手段をカートリッジ自体に内蔵して、一つの装置本体に対して複数のカートリッジが使用された場合の検出精度を高めるという提案もなされている。例えば、特開昭63−212956号公報では、カートリッジ内にメモリを設け、装置本体には、メモリの読み出し及び書き込みを行うための手段と、メモリから読み出した内容と電子写真動作とに基づいてカートリッジの寿命に関連する情報の演算を行い、その情報をメモリに書き込ませる電子写真画像形成装置が提案されている。
【0006】
また、他の現像剤の消費量の検出方法として、カートリッジ内の現像剤の残量を直接検出する方法についても提案されている。例えば、特開昭62−62352号公報では、現像剤担持体である現像スリーブの近傍に検知用アンテナを配して、現像スリーブにAC電圧を印加した時に、アンテナに誘起される電流を測定し、それがスリーブとアンテナ間の現像剤量に応じて変化することを利用して現像剤の残量を検知する方法について述べられている。
【0007】
また、特開平5−100571号公報には、二本の電極棒の代わりに、所定の間隔を持って平行に同一面上に配置された二つの平行電極を凸凹形状に組み合わせた現像剤検知電極部材を備え、この現像剤検知部材を現像剤容器の下面に設置した現像剤検出装置を開示している。この装置は、平面状態に設置された平行電極間の静電容量の変化を検知して現像剤残量を検知するものである。
【0008】
しかしながら、上記いずれの現像剤検出装置も、現像剤容器内における現像剤の有無を検出するもの、すなわち現像剤容器内の現像剤を使い切る直前に現像剤が少ないことを検出できるのみであり、現像剤容器内にどの程度の現像剤が残っているかを検出することはできなかった。
【0009】
これに対して、現像剤容器内の現像剤量を逐次検出することができれば、現像剤容器内の現像剤使用状態をユーザー自身が知ることが可能となり、交換時期に合わせて新しいプロセスカートリッジを用意することができ、ユーザーにとって極めて好便である。
【0010】
このような逐次残量検知システムとしては、例えば、特開平9−120238号公報、特開平10−133543号公報、及び特開平10−133544号公報等に記載されているが、これらのシステムでは未だに誤差が生じることがあり、精度の高い残量検知について検討の余地を残しているのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、現像装置やプロセスカートリッジ内に残っている現像剤量(トナー量)を精度良く検出し、現像剤残量や残りのプリント可能枚数を逐次ユーザーに報知することができ、ユーザーにとって極めて有益な現像剤残量検出手段を有する新規の画像形成方法、この画像形成方法に用いられる現像剤及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従来、逐次残量検出手段は現像装置のみからの改良が行われてきたが、現像剤残量にばらつきを生じることがあった。
【0013】
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の現像剤特性と、特定の現像剤量検出手段との組み合わせを選択することにより、今まで以上に現像剤量検出精度が上がることを発見し、本発明に至った。
【0014】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)〜(d)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)前記現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に対向して設けられた第1電極;
(d)現像装置が画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極より少なくとも下端が下方に配置された第2電極;前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5μm乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
【0015】
【数28】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【0016】
【数29】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0]
(2)前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
(h)現像剤の残量を検出するために、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極間、及び前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記電子写真画像形成装置本体に伝達する第3電気接点;とをさらに有し、前記現像剤量検出手段が、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする(1)の画像形成方法。
(3)記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
(4)記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に同電位に設けられた第1電極;
(d)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
(5)前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極と、(h)前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記画像形成装置本体に伝達する第3電気接点とをさらに有し、前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする(4)の画像形成方法。(6)電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)〜(d)を有する現像装置と、を有し、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に対向して設けられた第1電極;
(d)現像装置部が画像形成装置本体に装着された際に、前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;前記第1電極、第2電極は、前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて、現像剤の残量を検出する現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足する現像剤を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(7)前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
(h)現像剤の残量を検出するために、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極間、及び前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記電子写真画像形成装置本体に伝達する第3電気接点;とをさらに有し、前記現像剤量検出手段が、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする(6)のプロセスカートリッジ。
(8)電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、を有し、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;前記経路電極は、前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(9)電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、を有し、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に同電位に設けられた第1電極;
(d)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;前記第1電極、第2電極、経路電極、第1電気接点、第2電気接点は、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
(10)前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極と、(h)前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記画像形成装置本体に伝達する第3電気接点とをさらに有し、前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする(9)のプロセスカートリッジ。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、現像剤残量(トナー残量)検出における現像剤残量のばらつきに関し、現像剤(トナー)物性と現像剤量検出手段との組み合わせを選択することにより今まで以上に現像剤残量検出精度が上がることを発見し、発明に至った。
【0018】
すなわち本発明の現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5μm乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、上記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、上記式2を満足することを特徴とする。
【0019】
本発明の現像剤の条件として、より好ましくは、
【0020】
【数30】
Y≧exp5.51×X-0.645 ・・・(3)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)より好ましくは6.0<X≦10.0(μm)]
更に好ましくは、
【0021】
【数31】
Y≧exp5.42×X-0.583 ・・・(5)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)より好ましくは6.0<X≦10.0(μm)]
更に好ましくは、
【0022】
【数32】
Y≧exp5.37×X-0.545 ・・・(6)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)より好ましくは6.0<X≦10.0(μm)]
の少なくとも何れかの条件を満足する場合、今まで以上に現像剤残量検出精度が上がることを発見した。
【0023】
現像剤形状及び現像剤粒度の関係は、現像剤(トナー)の空隙率を制御しうる指標であり、現像装置内の現像剤タップ状態を示すものである。
即ち、上記式の少なくとも何れかの条件を満足する場合、現像装置の現像剤収納部(以下、現像剤容器ともいう)内に現像剤を偏りなく存在させることが可能となり、現像剤容器内に空洞等を形成しにくくなる。従って、本発明において、このような現像剤を使用することで、残量検出をしやすい粉体状態をとりやすくなる。それに対し、現像剤の粒度が粗く、現像剤形状が不定形である場合、タップ密度の測定ばらつきが増加し易い。これが現像剤量検出において悪影響し、残量検出精度を悪化させていることが明らかとなった。
【0024】
すなわち、現像剤の重量平均粒子径(X)が15μmよりも大きい、または現像剤の円形度0.900以上の粒子が個数基準の累積で90%に満たない、または円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値(Y)が上記条件を満たすのに不十分である場合では、上記理由により残量検出精度が悪化することがある。一方、現像剤の重量平均粒子径が4.5μm以下であると、流動性が悪化し残量検出制度が悪化する場合がある。なお、個数基準累積値は、所定値以上の円形度における現像剤の累積個数%で表される。
【0025】
また、現像剤のより好ましい条件としての粒度分布範囲としては、上記式3を、より好ましくは下記式7、8、9を満足することが好ましい。
【0026】
すなわち本発明の現像剤の粒度分布が、重量平均粒子径(D4)をX(μm)、個数分布から求めた個数基準の粒径4.00μm以下の現像剤粒子の個数%をZ(個数%)とした時、下記の数式で表される条件、
【0027】
【数33】
exp7.0×X-2.5≦Z≦exp9.1×X-2.9 ・・・(7)
[但し、6.0<X≦15.0(μm)]
より好ましくは、
【0028】
【数34】
exp7.0×X-2.5≦Z≦exp9.1×X-2.9 ・・・(8)
[但し、6.0<X≦10.0(μm)]
更に好ましくは、
【0029】
【数35】
exp7.0×X-2.5≦Z≦exp8.5×X-2.8 ・・・(9)
[但し、6.0<X≦10.0(μm)]
を満足することが好ましい。
【0030】
さらに、現像剤粒度分布は、現像剤の空隙率を制御しうる指標であり、現像装置内の現像剤タップ状態を示すものである。現像剤粒度が粗い、又は粒度分布がブロードである場合、タップ密度の測定ばらつきが増加しやすい。これが現像剤量検出において悪影響し、現像剤量検出精度を悪化させていることが明らかとなった。更には、ある特定の粒度分布を有していることにより、本発明の現像剤量検出システムの精度がより向上することが明らかとなった。
【0031】
すなわち、exp7.0×X-2.5>Zを満足する場合、または粒度分布がシャープである場合では、帯電量の安定性が得られるが、タップ密度の測定ばらつきが増加し、残量検出精度が悪化することがある。また、現像剤粒子の重量平均粒子径が15μmを越える場合では、現像剤のタップ密度の測定ばらつきが増加し、残量検出精度が悪化することがある。
【0032】
一方、Z>exp9.1×X-2.9を満足する場合、または現像剤粒子の重量平均粒子径が6μm未満の場合、流動性が悪化し、残量検出精度を悪化させることがある。
【0033】
即ち、現像剤の形状、粒度、粒度分布を制御することで、現像剤容器内の現像剤の残量を精度よく検出することが可能となるのである。
【0034】
本発明の効果は、現像剤収納部の小から中容量なもの、すなわち容積400cm3以上1000cm3未満(より好ましくは500cm3以上900cm3以下)、トナー充填量200g以上700g未満(より好ましくは300g以上600g以下)の場合、より効果的に発揮される。
【0035】
現像剤収納部が大容量でトナー充填量が大となる程、現像剤量検出精度の誤差を発生しやすいが、本発明の構成によれば精度が格段に向上する。
【0036】
なお、前記粒度分布については、従来より知られている種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行う。
【0037】
測定装置としては、コールターカウンターのマルチサイザーII型またはIIE型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び一般的なパーソナルコンピューターを接続し、電解液は特級又は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整する。
【0038】
測定法としては前記電解水溶液100乃至150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1乃至5mL加え、更に測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、100μmアパーチャーを用いて測定する。現像剤の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布とを算出し、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒子径を求める。また、個数分布から対象粒径に該当する現像剤の個数から、粒径4.00μm以下の現像剤個数%を求める。
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明では東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて測定を行い、測定された粒子の円形度を下式(1)
【0039】
【数36】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
により求め、更に下式(10)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
【0040】
【数37】
[式中、b;平均円形度、ai;円形度、m;測定粒子数を示す。]
本発明に用いている円形度は現像剤粒子の凹凸の度合いの指標であり、現像剤が完全な球形の場合1.000を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。本発明の現像剤の平均円形度は0.958以上となることが現像剤量検出精度をより向上させ、より好ましい。
【0041】
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及び円形度標準偏差の算出に当たって、得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を61分割したクラスに粒子を分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度及び円形度標準偏差の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度及び円形度標準偏差の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度及び円形度標準偏差の誤差は非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。
【0042】
円形度の具体的な測定方法としては、容器中に、予め不純物を除去した水100乃至150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1乃至0.5ml加え、更に測定試料を0.1乃至0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波分散機(50kHz、120W)で約1乃至3分間分散処理を行い、分散液濃度を12000乃至15000個/μlとして、上記フロー式粒子像測定装置を用い、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の円形度分布を測定する。
【0043】
なお、本発明において、3μm以上の円相当径の粒子群についてのみの円形度で論ずる理由は、3μm未満の円相当径の粒子群には現像剤粒子とは独立して存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その影響により現像剤粒子群についての円形度が正確に見積もれないからである。
【0044】
円形度の測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年6月版)、測定装置の操作マニュアル及び特開平8−136439号公報に記載されているが、以下の通りである。
【0045】
試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する二次元画像として撮影される。それぞれの粒子の二次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の二次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
【0046】
本発明の現像剤は、前述した重量平均粒子径と個数%から求められる粒度分布条件を少なくとも満たすものであり、かつ少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有する。本発明の現像剤は、現像剤の流動性の向上等を目的として、例えば無機微粉体のような外添剤を更に含むのが一般的である。以下、本発明の現像剤に用いられるトナー粒子について説明する。
【0047】
本発明の現像剤は離型剤を含有することが好ましい。以下に本発明に用いられる離型剤(以下、「ワックス」ともいう)について説明する。
【0048】
本発明の現像剤は、該現像剤に含有される離型剤の少なくとも一つの融点が、60乃至120℃であることが好ましい。この低融点の離型剤を含有することにより、現像剤の低温定着性能が向上する。
【0049】
また、本発明の現像剤は、低融点の離型剤を含有することにより粉砕性がより向上し、前述した粒径(及び形状)をより効率よく達成でき、その結果現像剤の残量検出の精度を向上させることが可能となる。離型剤の融点が60℃未満である場合、現像剤の凝集性が悪化し、残量検出精度が著しく低下することがある。一方、離型剤の融点が120℃を超える場合、粉砕性向上の効果が低下し所望の形状、粒度が得られにくくなり、残量検出精度が著しく低下させることがある。
【0050】
本発明に用いる離型剤(ワックス成分)の現像剤中の含有量は、結着樹脂成分100質量部に対して0.2乃至20質量部であることが好ましく、より好ましくは2乃至10質量部である。0.2質量部未満では、ワックスを含有した離型効果が表れにくく、高温での耐オフセット性が得られにくく、また、定着性も低下することがある。また、20質量部を超える場合には、現像剤中にワックス成分を均一に分散させることが困難となり、帯電性に影響を与え、また現像剤の凝集性が高くなり、現像性が悪化し、更に不良帯電によるかぶりも増加することがある。更には本発明の目的である残量検出精度が低下することがある。
【0051】
本発明に用いられるワックスには、従来より離型剤として知られている種々のワックス成分を用いることができ、次のようなものがある。例えば炭化水素系ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス等がある。
【0052】
官能基を有するワックスとしては、酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;又は、それらのブロック共重合物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類:脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。
【0053】
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、または更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、または更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール;ソルビトールの如き多価アルコール;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N'−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N'−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N'−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
【0054】
ビニルモノマーでグラフトされたワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックスがある。
【0055】
好ましく用いられるワックスとしては、オレフィンを高圧下でラジカル重合したポリオレフィン;高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生成物を精製したポリオレフィン;低圧下でチーグラー触媒、メタロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィン;放射線、電磁波又は光を利用して重合したポリオレフィン;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス;ジントール法、ヒドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水素ワックス;炭素数一個の化合物をモノマーとする合成ワックス;水酸基、カルボキシル基又はエステル基の如き官能基を有する炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を有する炭化水素系ワックスとの混合物;これらのワックスを母体としてスチレン、マレイン酸エステル、アクリレート、メタクリレート、無水マレイン酸の如きビニルモノマーでグラフト変性したワックスが挙げられる。
【0056】
また、これらのワックスを、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたものや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものも好ましく用いられる。
【0057】
これらのワックスは、相対的に、低融点のもの、枝分かれ構造のものや官能基の如き極性基を有するものや主成分とは異なる成分で変性されたものは可塑作用を発揮し、現像剤の定着性に寄与し、またワックス等他成分の均一分散に寄与する。一方、高融点のもの、より直鎖構造のものや官能基を有しない無極性のものや未変性のストレートなものは離型作用を発揮し、現像剤の耐オフセット性や耐ブロッキング性に寄与する。これらを組み合わせることで、定着性と耐オフセット性、耐ブロッキング性をバランス良く両立することができるようになる。
【0058】
なお、ワックス(離型剤)の融点は、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920を用いて昇温速度10℃/minでASTM D3418の温度測定パターンに準じて測定され、その最高融解温度のピークトップの値とする。
【0059】
更に、該ワックスの25℃における針入度は10mm未満であることが好ましい。特に好ましくは、8mm以下である。針入度が10mm以上では、高温における耐オフセット性能を悪化させ、更には現像剤の粉体流動性や凝集性に悪影響を及ぼし、フェーディング現象やかぶり等が悪化しやすい。更には本発明の目的である残量検出精度が著しく低下することがある。
【0060】
ワックスの針入度は、その測定方法は特に限定されないが、本発明では、例えば針入度計を用いて、25℃、100g、5秒の条件下で、測定することができる。
【0061】
また、該ワックスは、GPCにより測定される数平均分子量(Mn)がポリエチレン換算で100乃至3000であることが好ましい。Mnが100未満では、離型効果を十分に得ることが困難となり、また現像剤中に分散させることも困難となることがある。また、Mnが3000を超える場合には、定着性に悪影響を及ぼすことがある為、好ましくない。
【0062】
本発明に用いられるワックスの分子量の測定は、以下の方法で行うことができる。
<ワックスのGPC測定条件>
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−HT(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0mL/min
試料:濃度0.15質量部の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量換算にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。更に、ワックスの分子量は、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式で換算することによって算出される。
【0063】
更に、本発明の現像剤に含まれるトナー粒子は、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量3,000乃至50,000の領域、好ましくは分子量3,000乃至30,000の領域に少なくとも一つピークを有し、分子量100,000乃至10,000,000、好ましくは分子量100,000乃至5,000,000、更に好ましくは100,000乃至1,000,000の領域に少なくとも一つピーク又はショルダーを有することが好ましい。分子量分布において、トナー粒子がこのようなピークを有することによって、定着性、耐オフセット性及び保存性がバランス良く保たれると共に、耐久性、均一帯電性を現像剤に付与することができる。さらに、このようなピークを有することでトナー製造時の粉砕性が向上し結果として所望の形状、粒度分布を達成しやすくなりそれにより現像剤の残量検出の精度が向上する。
【0064】
トナー粒子の高分子量成分のピーク分子量が100,000未満の場合、現像剤の耐高温オフセット性が満足なものとならないばかりか、本発明に係るワックス成分の分散性や分散状態の保持が不十分となり、画像濃度の低下等の画像欠陥を生じ易くなる。一方、トナー粒子のピーク分子量が10,000,000を超える場合には、耐高温オフセット性は良好になるものの、定着性が低下し、製造時における粉砕性が低下して生産性の低下を招くことがある。
【0065】
また、トナー粒子の低分子量成分のピーク分子量が3,000未満の場合には、ワックス成分による可塑化が急激なものとなる為、耐高温オフセット性や保存性に重大な問題を生じ易くなる。その結果、現像剤が現像剤容器内でパッキングしやすくなり残量の検出精度が低下する。また、局部的に相分離を生じ易くなる為、現像剤の摩擦帯電も不均一なものとなり現像特性も悪化することがある。一方、トナー粒子の低分子量成分のピーク分子量が50,000を超えると、該ワックス成分の分散状態はある程度改善され現像特性は向上するものの、定着性が十分なものではなくなり易く、この場合にも製造時の粉砕性が低下し、生産性の低下を招くことがある。
【0066】
このように、トナー粒子の二つの分子量領域に少なくとも一つずつピークを持たせることにより、定着性と耐オフセット性をバランス良く両立させることができ、更に、前述したようなワックス(離型剤)を含有し、特定の円形度の現像剤とすることにより、現像剤を可塑化する効果と離型作用を与える効果が程よく調整することができるようになり、相乗的に定着性と耐オフセット性、耐ブロッキング性のバランスの良い両立が達成でき、さらに現像剤残量の検出精度の向上につながる。
【0067】
次に本発明の現像剤に用いられる結着樹脂について説明する。
【0068】
本発明の現像剤に上記のような分子量分布を持たせる為に、本発明に用いる結着樹脂成分は、THF可溶成分のGPCにより測定される分子量分布において、分子量3,000乃至50,000の領域に少なくとも一つピークを有する低分子量重合体と、分子量100,000乃至10,000,000の領域に少なくとも一つピーク又はショルダーを有する高分子量重合体からなることが好ましい。
【0069】
これらの結着樹脂成分は、現像剤の製造に際し、予めワックス成分を混合、分散させておくこともできる。特に、結着樹脂成分製造時にワックス成分と高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子量重合体溶液と混合する方法が好ましい。予めワックス成分と高分子量成分を混合しておくことで、ミクロ領域での相分離が緩和され、高分子量成分を再凝集させず、低分子量成分との良好な分散状態が得られる。
【0070】
本発明において、現像剤又は結着樹脂の、THF(テトラハイドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
【0071】
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハイドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料のTHF溶液を約100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製、または昭和電工社製の分子量が102乃至107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelGl000H(H XL),G2000H(H XL),G3000H(HXL),G4000H(H XL),G5000H(H XL),G6000H(H XL),G7000H(H XL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0072】
試料は以下のようにして作製する。
【0073】
試料をTHFに入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への試料の放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45乃至0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−5(東ソー社製)、エキクロディスク25CR(ゲルマン サイエンス ジャパン社製)等が利用できる)を通過させたものを、GPCの測定試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5乃至5mg/mLとなるように調整する。
【0074】
本発明の現像剤に含有される結着樹脂の酸価が1乃至50mgKOH/gであることが好ましい。より好ましくは、1乃至30mgKOH/gである。樹脂酸価は現像剤帯電特性に関与し、現像剤帯電性の環境安定性に影響を与える。さらには現像剤表面抵抗のばらつきにも影響を与える。酸価が1mgKOH/g未満の場合、帯電立ち上がりが悪くなりやすく、50mgKOH/g以上であると環境特性(特に高温高湿下での帯電性)が悪化することがある。このように、本発明の現像剤に帯電性の環境依存性がある場合、現像剤の流動性、静電付着性、現像剤表面抵抗(吸着水の影響)が変動し、現像剤量検出において検出精度にばらつきが生じやすい。
【0075】
即ち、現像剤に含有される結着樹脂の酸価を1乃至50mgKOH/gに制御することで、帯電性の安定した、残量検出精度の安定した現像剤を得ることが可能となる。なお、本発明における酸価の測定は、例えばJIS K−0070に記載されている方法、またはこの方法に準じて測定することができる。
【0076】
本発明で用いられるトナー中樹脂の酸価・水酸基価の測定について、より具体的に説明する。
<酸価の測定>
基本操作はJIS K−0070に属する。
1)試料はあらかじめ結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を除去して使用するか、試料の結着樹脂以外の成分の含有量を求めておく。トナーまたは結着樹脂の粉砕品0.5乃至2.0gを精秤する。このときの結着樹脂成分をWgとする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定測定装置を用いて測定する。(たとえば、京都電子株式会社の電位差的定測定装置AT−400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクを測定して、この時のKOHの使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
本発明に用いられる結着樹脂としては、従来より結着樹脂として知られている種々の樹脂化合物を使用することができ、例えば、ビニル系樹脂、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。中でもポリエステル系樹脂が現像剤に使用したときに帯電性が安定であり流動性が良好であることから高い残量検出精度を得ることができ、さらには定着性も優れていることから好ましい。
【0077】
ビニル系樹脂としては、例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチレンスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸またはメタクリル酸誘導体;α,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸等のアクリル酸及びそのα−またはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物等のビニル系モノマーを用いた重合体が挙げられる。上記ビニル系樹脂では、前述したようなビニル系モノマーが単独または二つ以上で用いられる。これらの中でもスチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましい。
【0078】
また、本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体又は共重合体であってもよい。
【0079】
前記架橋性モノマーとしては、架橋可能な二以上の不飽和結合を有するモノマーを用いることができる。このような架橋性モノマーとしては、以下に示すような種々のモノマーが従来より知られており、本発明の現像剤に好適に用いることができる。
【0080】
前記架橋性モノマーには、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルべンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートの代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートの代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロバンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートの代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)等が挙げられる。
【0081】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートの代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。
【0082】
これらの架橋剤は、架橋しようとするモノマーの種類や、結着樹脂の所望の物性等によって使用量を調整することが好ましいが、一般に結着樹脂を構成する他のモノマー成分100質量部に対して、0.01乃至10質量部(さらに好ましくは0.03乃至5質量部)用いることができる。
【0083】
これらの架橋性モノマーのうち、現像剤用樹脂(結着樹脂)に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルべンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0084】
本発明において、ビニル系モノマーの単重合体又は共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、前述した結着樹脂に、必要に応じて混合して用いることができる。二種以上の樹脂を混合して、結着樹脂として用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好ましい。
【0085】
さらに本発明に用いられる結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45乃至80℃、より好ましくは55乃至70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500乃至50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
【0086】
結着樹脂のガラス転移点温度は、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−p139〜192(John Wiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度が45乃至80℃を示すように、結着樹脂の構成物質(重合性単量体)を選択することにより調整することができる。また結着樹脂のガラス転移点温度は、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン社製のDSC2920を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも小さいと現像剤の保存安定性が不十分となることがあり、結着樹脂のガラス転移温度が上記範囲よりも大きいと現像剤の定着性が不十分となることがある。
【0087】
ビニル系重合体又は共重合体からなる結着樹脂を合成する方法としては特に限定されず、従来より知られている種々の製法を利用することができ、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法の如き重合法が利用できる。カルボン酸モノマー又は酸無水物モノマーを用いる場合には、モノマーの性質上、塊状重合法又は溶液重合法を利用することが好ましい。
【0088】
本発明に用いられる結着樹脂としては、以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45乃至55mol%がアルコール成分であり、55乃至45mol%が酸成分であることが好ましい。
【0089】
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記一般式(1)で表されるビスフェノール誘導体;
【0090】
【化1】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2乃至10である。)
下記一般式(2)で示されるジオール類;
【0091】
【化2】
またはグリセリン、ソルビット、ソルビタン等の多価アルコール類等が挙げられる。
【0092】
また、酸成分としてはカルボン酸が好ましくは例示することができ、二価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きべンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられ、また、3価以上のカルボン酸としてはトリメリット酸、ピロメリット酸、べンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられる。
【0093】
特に好ましいポリエステル樹脂のアルコール成分としては前記一般式(1)で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、コハク酸、n−ドデセニルコハク酸又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸類;トリメリット酸又はその無水物のトリカルボン酸類が挙げられる。これらの酸成分及びアルコール成分から得られたポリエステル樹脂を結着樹脂として使用した熱ローラ定着用現像剤として定着性が良好で、耐オフセット性に優れているからである。
【0094】
ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価(水酸基価)は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えると現像剤の帯電特性において環境依存性が大きくなり、現像剤の流動性、静電付着性、現像剤表面抵抗(吸着水の影響)が変動し、現像剤量検出において検出精度にばらつきが生じやすいからである。
【0095】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは50乃至75℃、より好ましくは55乃至65℃であり、更に数平均分子量(Mn)は好ましくは1,500乃至50,000、より好ましくは2,000乃至20,000であり、重量平均分子量(Mw)は好ましくは6,000乃至100,000、より好ましくは10,000乃至90,000であることが良い。
【0096】
次に本発明に用いられる着色剤について説明する。本発明の現像剤は、特にその種類については限定されず、磁性現像剤であっても良いし、非磁性現像剤であっても良いが、現像剤の体積抵抗値が低いという点において、磁性現像剤であることが好ましく、着色剤として磁性体を用いることが好ましい。
【0097】
着色剤として磁性体を用いる場合では、以下のような利点を挙げることができる。すなわち、現像剤量検出手段によって現像剤残量に準じた静電容量を測定する際に、現像剤体積抵抗値は、磁性現像剤粒子の方が磁性体を含有しない非磁性現像剤粒子よりも低く、現像剤の残量に応じた静電容量と参照静電容量との差をより生じやすい。ここで「参照静電容量」とは、比較用の値が固定のコンデンサーであり、この参照静電容量と現像剤の残量に応じた静電容量との差を検知することで現像剤量を検出することを目的としている。
また、帯電性についても、着色剤として磁性体を含有することで現像剤のチャージアップが抑制され、現像剤量検出精度に悪影響を及ぼしにくい。
【0098】
着色剤として磁性体を用いる場合では、本発明の現像剤は、磁性体を結着樹脂100質量部に対し、60乃至150質量部含有していることが好ましい。磁性体の含有量が上記範囲よりも小さいと、得られる画像の着色が不十分であったり、画像形成行程における現像剤の搬送性が不十分となり、画像不良を生じることがある。また、磁性体の含有量が上記範囲よりも大きいと、画像形成行程における現像剤の流動性が不十分となり、画像不良を生じることがある。
【0099】
更に好ましくは、少なくともケイ素原子を含有する磁性体を結着樹脂100質量部に対して60乃至150質量部含有することが好ましい。ケイ素元素を含有することで、現像剤の流動性、帯電安定性が向上し、本発明の目的である現像剤量検出精度もより向上する。ケイ素元素は、磁性体中においてどのような形態で含まれていても良く、例えば酸化ケイ素の形態で磁性体表面近傍に存在するような形で含まれる。
【0100】
ケイ素元素の含有率は磁性体の鉄元素に対して0.1乃至4.0質量%(より好ましくは0.3乃至2.5質量%)含有することが好ましい。ケイ素元素の含有率が上記範囲よりも小さいと、ケイ素元素を磁性体に含有させることによる効果が不十分となることがある。また、ケイ素元素の含有率が上記範囲よりも大きいと、吸水性が増加し、特に高湿下で帯電量が低下することがある。
【0101】
磁性体中におけるケイ素元素の含有率は、例えば蛍光X線回折装置SYSTEM3080(理学電気工業(株)製)を使用し、JISK0119「蛍光X線分析通則」に従って測定し、ケイ素のX線強度により求めることができる。
【0102】
また、磁性体の個数平均粒径としては、通常用いられている範囲であれば良いが、0.1乃至0.4μmのものであるとトナー粒子中の分散性が良く、現像剤の現像剤量検出精度もより向上する。
【0103】
本発明の磁性体の粒径を得るためには酸化反応における粒子成長をモニタリングし、好ましい範囲となるまでコントロールしている。尚、得られた磁性体を分級することにより上記範囲を得ることも可能である。
また、磁性体形状に関しても特に限定されないが、より球状に近い形状であることが好ましく、球状のものであると現像剤流動性、帯電安定性に優れ、現像剤の現像剤量検出精度もより向上する。
【0104】
磁性体の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。具体的には、測定するトナー粒子の粉体サンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、視野中の100個の磁性体粒径を測定して平均粒径を求めることができる。また、磁性体形状についても、透過型電子顕微鏡によって観察することができる。
【0105】
本発明の現像剤を磁性現像剤として用いる場合、磁性現像剤に含まれる磁性体の磁性材料としては、通常使用されている磁性体であれば特に限定されないが、例えばマグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、または、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0106】
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ニオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性材料を単独でまたは二種以上組み合わせて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0107】
これらの強磁性体は個数平均粒径が0.05乃至2μmで、795.8kA/m印加での磁気特性が抗磁力1.6乃至12.0kA/m、飽和磁化50乃至200Am2/kg(好ましくは50乃至100Am2/kg)、残留磁化2乃至20Am2/kgのものが、本発明の画像形成方法、特に電子写真画像形成方法に用いる上で好ましい。
【0108】
前述したように本発明の現像剤では磁性体を着色剤として用いても良いが、その他の着色剤として非磁性の着色剤等も用いることができる。このような非磁性の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、べンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは結着樹脂100質量部に対し0.1乃至20質量部、好ましくは1乃至10質量部の添加量が良い。また、同様に染料が用いられ、例えば、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等があり、結着樹脂100質量部に対し0.1乃至20質量部、好ましくは0.3乃至10質量部の添加量が良い。
【0109】
本発明の現像剤は、その帯電性を更に安定化させる為に、必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.1乃至10質量部、好ましくは1乃至5質量部使用するのが、現像剤の帯電性を制御する上で好ましい。
【0110】
荷電制御剤としては、従来より知られている種々の荷電制御剤を使用することができるが、例えば以下のものが挙げられる。
【0111】
現像剤を負荷電性にする負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体又はキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、又はそのエステル類、又は、ビスフェノールのフェノール誘導体類等が挙げられる。
【0112】
現像剤を正荷電性にする正荷電性制御剤としては、ニグロシン、ニグロシン誘導体、トリフェニルメタン化合物、有機四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0113】
なお、本発明に用いられるトナー粒子には、前述した材料等に加えて更に他の材料等を用いても良い。
【0114】
本発明の現像剤は、前述したように、トナー粒子の他に、現像剤の流動性や帯電性等を調整するための外添剤を含むことが一般的である。このような外添剤として、本発明の現像剤に流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ等がある。
【0115】
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉末であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
【0116】
SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、前記シリカとしてはそれらも包含する。その粒径は、平均一次粒径として、0.001乃至0.2μmの範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002乃至0.02μmの範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0117】
前記流動性向上剤の平均一次粒径は、例えば、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する元素でマッピングされた現像剤の写真を対照しつつ、トナー粒子表面に付着または遊離して存在している流動性向上剤の一次粒子を100個以上測定し、個数平均粒径を求めることで測定することができる。
【0118】
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
【0119】
更には、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体において、下記測定方法に規定されるメタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30乃至90(より好ましくは60乃至90)の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが好ましい。疎水化度が上記範囲よりも小さいと高温高湿下での現像剤の帯電特性が劣化することがあり、疎水化度が上記範囲よりも大きいと極低湿環境下で現像剤がチャージアップする現象となることがある。
<本発明のメタノール滴定試験による疎水化度測定方法>
粉体濡れ性試験機WET−100P((株)レスカ社製)を用い、メタノール滴下、透過率曲線を測定する。透過率が減少するすなわち、メタノールへの濡れが発生するメタノール含有質量%を疎水化度とする。
【0120】
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応または物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0121】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、べンジルジメチルクロロシラン、ブロモメトリジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、p−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2乃至12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ一個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。更に、ジメチルシリコーンオイルの如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物で用いられる。
【0122】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー粒子100質量部に対して流動性向上剤0.01乃至8質量部、好ましくは0.1乃至4質量部使用するのが、現像剤の帯電性や流動性を適度に維持する上で好ましい。
【0123】
特に本発明の現像剤(トナー)はシリカを含有し、かつ該シリカがシリカ100質量部に対して0.5乃至20質量部のシリコーンオイルで処理されていることが好ましい。前述したシリカを上記範囲のシリコーンオイルで処理することにより、現像剤あるいは現像剤から遊離したシリカが現像剤容器内や現像剤量検出に使用される電極に付着しにくくなり、現像剤の流動性を保持したまま現像剤量検出精度を向上させることができる。
【0124】
また、本発明の現像剤はシリカを含有し、かつ該シリカがシリカ100質量部に対して0.5乃至20質量部のヘキサメチルジシラザンで処理されていることが好ましい。上記処理を行うことにより、前述した疎水化度を達成し、現像剤の環境帯電性、及び流動性の変動の少ない現像剤を得ることが出来、結果として現像剤量検出精度を向上させることができる。
【0125】
更に好ましくは、本発明の現像剤(トナー)は、ヘキサメチルジシラザン処理後にシリコーンオイル処理を行ったシリカを含有することが好ましい。この様なジシラザン処理及びシリコーンオイル処理を行うことにより環境帯電性、流動性に変動が更に少なくなり、現像剤量検出精度を更に向上させることができる。
【0126】
上記のように、本発明の現像剤は、疎水化処理シリカを流動性向上剤(外添剤)として含む構成をとることにより環境安定性(現像剤流動性、帯電性)が向上し、現像剤量検出のばらつきが良化する。
【0127】
本発明の現像剤(トナー)は、流動性向上剤の他に前記外添剤として、粒径0.1乃至5.0μmの粒子を少なくともトナー粒子100質量部に対して0.05質量部乃至5質量部含有することが好ましい。この粒径の外添剤は、現像剤に対してスペーサー粒子として働くことが知られており、現像剤同士の凝集性を悪化させない効果をもたらす。従ってこのような粒子をトナー粒子に外添することにより、本発明の目的を更に効率よく達成可能となる。このサイズの粒径であれば現像剤容器内での現像剤密度に影響なく現像剤凝集性を良化させ、現像剤量検出のばらつきを軽減できる。
【0128】
前記粒子の粒径及び含有量が上記範囲よりも小さいと、スペーサー粒子としての効果が不十分となることがあり、記範囲よりも大きいと、現像剤容器内での現像剤タップ密度に悪影響を及ぼすことがある。なお、前記粒子の粒径は、前述した磁性体または流動性向上剤の平均一次粒径の測定法と同様の方法により測定することができる。
【0129】
本発明で用いられる粒径0.1乃至5.0μmの粒子としては無機微粒子、有機微粒子、及びこれらの混合物及び複合物が使用可能である。具体的には、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、及び、フッ素樹脂粉末、樹脂微粒子等が挙げられる。特に帯電特性的にもチタン酸ストロンチウム、酸化セリウムが好ましい。
【0130】
本発明の現像剤は、前記トナー粒子が、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含む混合物を混練し、混練物を粉砕し、粉砕物を分級することにより製造されることを特徴とする。
【0131】
製造装置としては、いわゆる粉砕法と呼ばれる製造方法で使用される種々の機器を利用することができ、このような機器としては、下記の装置が例示できる。例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KCRニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
本発明の現像剤(トナー)の円形度と粒度の関係を得るための最適に生産できる製造工程としては、下記に示す工程が好ましい。
【0132】
粉砕・分級システムは、結着樹脂、着色剤及びワックス(離型剤)を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粗粉砕し、得られた粗粉砕物からなる粉体原料を第一定量供給機に導入する。そして、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固定子とを具備し、且つ間隔を保持することによって形成される環状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機内に、上記第一定量供給機から所定量の粉体原料を該機械式粉砕機の粉体導入口を介して導入し、該機械式粉砕機の上記回転子を高速回転させることによって粉体原料を微粉砕し、該微粉砕物を機械式粉砕機の粉体排出口から排出して第二定量供給機に導入する。そして、第二定量供給機から所定量の微粉砕物を、交差気流とコアンダ効果を利用して粉体を気流分級する多分割気流式分級機に導入し、該多分割気流式分級機内で微粉砕物を少なくとも微粉体、中粉体及び粗粉体に分級し、分級された粗粉体を粉体原料と混入して該機械式粉砕機に導入して粉砕し、分級された中粉体(トナー粒子)から現像剤を生産するシステムである。
【0133】
以下、本発明の現像剤において好ましい製造方法の実施の形態を具体的に説明する。
【0134】
本発明の現像剤の製造においては、結着樹脂、着色剤及びワックス(離型剤)を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粉砕手段によって粉砕して得られた粗粉砕物が粉体原料として使用される。そして、先ず、所定量の粉砕原料を、少なくとも中心回転軸に取り付けられた回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子の周囲に配置されている固定子とを有し、かつ該間隔を保持することによって形成される環状空間が気密状態となるように構成されている機械式粉砕機に導入し、該機械式粉砕機の上記回転子を高速回転させることによって被粉砕物を微粉砕する。
【0135】
次に、微粉砕された粉砕原料は、分級工程に導入されて分級され、好ましい粒径を有する粒子群からなる現像剤原料となる分級品(トナー粒子)が得られる。この際、分級工程では、少なくとも粗粉領域、中粉領域及び微粉領域を有する多分割気流式分級機が好ましく用いられる。例えば、三分割気流式分級機を使用した場合には、粉体原料は、少なくとも微粉体、中粉体及び粗粉体の三種類に分級される。このような分級機を用いる分級工程では、好ましい粒度よりも粒径の大きな粒子群からなる粗粉体及び好ましい粒径未満の粒子群からなる微粉体は除かれ、中粉体(トナー粒子)が現像剤製品としてそのまま使用されるか、又は、疎水性コロイダルシリカの如き外添剤と混合された後、現像剤として使用される。
【0136】
上記の分級工程で分級された好ましい粒度未満の粒子群からなる微粉体は、一般的には、粉砕工程に導入されてくる現像剤材料からなる粉体原料を生成するための溶融混練工程に供給されて再利用されるか、または廃棄される。また、上記微粉体より更に粒子径が小さい、粉砕工程及び分級工程で僅かに発生する超微粉体も同様に、溶融混練工程に供給されて再利用されるか、または廃棄される。
【0137】
また、この装置システムにおいて、重量平均粒子径が15μm以下(更には10μm以下)のシャープな粒度分布を有する現像剤を得るためには、機械式粉砕機で微粉砕された微粉砕物の重量平均粒子径が6乃至15μm(好ましくは6乃至10μm)で、4.0μm以下が70個数%以下、更には65個数%以下で、かつ10.1μm以上が25体積%以下、更には20体積%以下であることが好ましい。また、分級された中粉体(トナー粒子)の粒度は、重量平均粒子径が6乃至15μm(好ましくは6乃至10μm)で、4.0μm以下が40個数%以下、更には35個数%以下で、かつ10.1μm以上が25体積%以下、更には20体積%以下であることが好ましい。
【0138】
前記製造方法を適用した上記装置システムにおいては、粉砕処理前の第一分級工程を必要とせず、粉砕工程及び分級工程を1パスで行うことができる。
【0139】
本発明の現像剤の製造に使用される粉砕手段として好ましく用いられる機械式粉砕機について説明する。機械式粉砕機としては、例えば、川崎重工業(株)製粉砕機KTM、クリプトロン、ターボ工業(株)製ターボミル等を挙げることができ、これらの装置をそのまま、または適宜改良して使用することができる。
【0140】
本発明で用いられる粉砕方法は、粉砕工程前の第一分級工程を必要としないため、現像剤が微粒子化されることにより粒子間の静電凝集が高まり、本来は第二分級工程に送られる現像剤が再度第一分級工程に循環されることにより過粉砕となった微粉及び超微粉が発生しない。更に、シンプルな構成に加え、粉砕原料を粉砕するのに多量のエアを必要としないため、電力消費が低く、エネルギーコストを低く抑えることができる。
【0141】
また、本発明の現像剤を製造することができる製造システムにおいては、粉砕及び分級条件をコントロールすることにより、重量平均粒子径が15μm以下(特に10μm以下)である粒径のシャープな粒度分布を有する現像剤を効率良く生成することができる。
【0142】
また、本発明の現像剤は、ジェットミルの如き気流式粉砕機で粉砕したもの、または粉砕−分級したものを上記機械式粉砕機及びハイブリタイザーの如き表面改質装置によって円形度の調整を行っても良い。
【0143】
また、本発明の現像剤は、水性懸濁重合法により直接的に前記トナー粒子を製造されるものでも良い。本発明で用いられる重合トナー粒子は、以下の如き一般的な方法にて得られる。
【0144】
即ち、結着樹脂を重合によって形成する重合性単量体中に離型剤・着色剤・荷電制御剤等の添加物を加え、離型剤が溶解、又は融解するまで加温しホモジナイザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめて単量体系を得る。この単量体系を、分散安定剤を含有する単量体系と同温程度の水相中に通常の攪拌機又はホモミキサー・ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所定のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の粒径を有するように攪拌速度・時間を調整する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重合温度は離型剤の析出温度以下の温度に設定して重合開始剤を添加し、重合を行う。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0145】
次に、本発明の画像形成方法及びプロセスカートリッジ(以下、「画像形成方法等」ともいう)について説明する。本発明の画像形成方法等は、本発明の現像剤を用いた以下の方法が挙げられる。
【0146】
本発明の画像形成方法は、下記(a)〜(d)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)前記現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に対向して設けられた第1電極;
(d)現像装置が画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極より少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いる画像形成方法である。
【0147】
さらに本発明の画像形成方法は、前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
(h)現像剤の残量を検出するために、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極間、及び前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記電子写真画像形成装置本体に伝達する第3電気接点;とをさらに有し、
前記現像剤量検出手段が、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、下記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いる画像形成方法である。
【0148】
本発明の画像形成方法は、下記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に同電位に設けられた第1電極;
(d)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いた画像形成方法であり、
更に、前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極と、(i)前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記画像形成装置本体に伝達する第3電気接点とをさらに有し、
前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることも好ましい。
【0149】
また、本発明のプロセスカートリッジは、電子写真画像形成装置本体に着脱自在であり、電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
上記(a)〜(d)を有する現像装置と、を有し、
前記第1電極と第2電極は、前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて、現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものである。
【0150】
また、本発明のプロセスカートリッジは、前記現像装置が、上記(e)〜(h)を更に有し、
前記現像剤量検出手段が、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することも好ましい。
【0151】
更に、本発明のプロセスカートリッジは、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
上記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、を有し
前記経路電極は、前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものである。
【0152】
さらに、本発明のプロセスカートリッジは、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
上記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、を有し、
前記第1電極、第2電極、経路電極、第1電気接点、第2電気接点は、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものであり、
更に、前記現像装置が、前記(e)と(h)とをさらに有し、
前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることも好ましい。
【0153】
本発明に係る画像形成方法及びプロセスカートリッジを図面に則して更に詳しく説明する。なお、以下の説明ではプロセスカートリッジを装着する電子写真画像形成装置を用いるが、本発明の画像形成方法は、現像剤収納部の現像剤量を静電容量によって逐次検出する機構を用いる画像形成方法であれば特に限定されず、静電気録方式やトナージェット方式等の他の画像形成方法にも適用することができる。
<プロセスカートリッジ形態1>
先ず、図1を参照して、本発明に従って構成されるプロセスカートリッジを装着可能な電子写真画像形成装置の一実施形態について説明する。本実施形態において、電子写真画像形成装置は、電子写真式のレーザビームプリンタAとされ、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体、例えば、記録紙、OHPシート、布などに画像を形成するものである。
【0154】
レーザビームプリンタAは、ドラム形状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム7を有する。感光体ドラム7は、帯電手段である帯電ローラ8によって帯電され、次いで、レーザダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズlc、反射ミラー1dを有した光学手段1から画像情報に応じたレーザ光を照射することによって、感光体ドラム7に画像情報に応じた潜像が形成される。この潜像は、現像手段9によって現像され、可視像、即ち、トナー像とされる。
【0155】
図3に示すように、現像手段9は、現像剤担持体としての現像ローラ9aを備えた現像室9Aを有しており、現像室9Aに隣接して形成された現像剤収納部としての現像剤容器11A内の現像剤を現像剤送り部材9bの回転によって、現像室9Aの現像ローラ9aへと送り出す。現像室9Aには、現像ローラ9aの近傍に現像剤攪拌部材9eを備えており、現像室内の現像剤を循環させる。又、現像ローラ9aは、固定磁石9cを内蔵しており、現像ローラ9aを回転することによって現像剤は搬送され、現像ブレード9dにて摩擦帯電電荷が付与されると共に所定厚の現像剤層とされ、感光体ドラム7の現像領域へと供給される。この現像領域へと供給された現像剤は、前記感光体ドラム7上の潜像へと転移され、トナー像を形成する。現像ローラ9aは、現像バイアス回路に接続されており、通常、交流電圧に直流電圧が重畳された現像バイアス電圧が印加される。
【0156】
一方、トナー像の形成と同期して給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d及びレジストローラ対3eで転写位置へと搬送する。転写位置には、転写手段としての転写ローラ4が配置されており、電圧を印加することによって、感光体ドラム7上のトナー像を記録媒体2に転写する。
【0157】
トナー像の転写を受けた記録媒体2は、搬送ガイド3fで定着手段5へと搬送する。定着手段5は、駆動ローラ5c及びヒータ5aを内蔵した定着ローラ5bを備え、通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を記録媒体2上に定着する。
【0158】
記録媒体は、排出ローラ対3g、3h、3iで搬送し、反転経路3jを経由して排出トレイ6へと排出される。この排出トレイ6は、レーザビームプリンタAの電子写真画像形成装置本体14の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3Kを動作させ、排出ローラ対3mによって反転経路3jを介することなく記録媒体2を排出することもできる。本実施形態では、上記ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c、3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、排出ローラ対3g、3h、3i及び排出ローラ対3mによって搬送手段3を構成している。
【0159】
転写ローラ4によってトナー像を記録媒体2に転写した後の感光体ドラム7は、クリーニング手段10によって感光体ドラム7上に残留した現像剤を除去した後、次の画像形成プロセスに供される。クリーニング手段10は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード10aによって感光体ドラム7上の残留現像剤を掻さ落として廃現像剤溜め10bへと集める。
【0160】
次に、本実施形態のプロセスカートリッジBの一例を説明する。図3に示すように、現像剤を収納する現像剤容器(現像剤収納部)11A及び、現像剤攪拌手段である現像剤攪拌・搬送部材9bを有する現像剤枠体11と、現像ローラ9a及び現像ブレード9dなどの現像手段9を保持する現像枠体12とを溶着して一体として現像装置が形成される。プロセスカートリッジBは、該現像装置に、感光体ドラム7、クリーニングブレード10aなどのクリーニング手段10及び帯電ローラ8を取り付けたクリーニング枠体13を一体に結合することによってカートリッジ化されている。
【0161】
このプロセスカートリッジBは、ユーザーによって電子写真画像形成装置本体14に設けたカートリッジ装着手段に対して取り外し可能に装着される。本実施形態によれは、カートリッジ装着手段は、図4に示す、プロセスカートリッジBの両外側面に形成したガイド手段13R(13L)と、このガイド手段13R(13L)を装入可能に装置本体14に形成したガイド部16R(16L)(図5)にて構成される。
【0162】
本発明によれば、プロセスカートリッジBは、現像剤容器11A内の現像剤の消費に従ってその残量を逐次検出することのできる現像剤量検出手段(以下、「現像剤量検出装置」ともいう)に用いられる、第1電極81、第2電極82等の検知手段を備えている。なお、該現像剤量検出装置(不示図)は、画像形成装置に備えられているのが好ましい。
【0163】
プロセスカートリッジは、図6に示すように、現像剤攪拌・搬送部材9bによって送られた現像剤が入り込めるような、下方が開放された凹部80を形成する第1及び第2の電極81、82等の検知手段(以下、現像剤量検出手段に用いる電極を「検知手段」ということもある)を有する。
【0164】
又、これらの電極81、82は、略対向し且つ現像ローラ9aとほぼ平行になるように配置されている。つまり、現像剤攪拌・搬送部材(攪拌部材)9bによって移動させられる現像剤Tの移動方向と交差する方向において、第1電極81と第2電極82は異なった位置に配置されている。尚、第1、第2電極81、82は現像室9を構成する枠体12に取り付けられている。これら電極81、82のより具体的な構成については、後で詳しく説明する。
【0165】
そして、現像剤量検出装置は、第1及び第2の電極81、82のいずれかに電交流圧を印加することにより、これらの電極81、82間の静電容量に応じた電気信号を発生させ、それを測定することで現像剤量を検出するものである。
【0166】
次に、プロセスカートリッジの出荷前から、電子写真画像形成装置本体14に装着され、使用される際における現像剤の動きと減少状態について説明する。
【0167】
プロセスカートリッジを出荷する際には、図3において点線で示すように、現像室9Aと現像剤容器11との間に、現像剤容器11内のトナーを密封するためのシール部材30を貼設し、搬送時の振動などによって現像剤が外部に漏れないようにしている。
【0168】
ユーザーがプロセスカートリッジを使用する際には、シール部材30を取り除いたうえで電子写真画像形成装置本体14に装着する。尚、近年では、電子写真画像形成装置本体14に装着した後、自動的にシール部材30を取り除く構成を備えたものもある。
【0169】
上記のように、現像剤容器11内には現像剤攪拌・搬送部材9bが設けられているが、この現像剤攪拌・搬送部材9bは攪拌軸9b1と、攪拌軸9bに取り付けられた弾性シート(マイラー)9b2とを備えており、その回転によって現像剤容器11内の現像剤を現像室9A側へと搬送する。この回転は、本発明のプロセスカートリッジ形態では、4秒間に1回転する。
【0170】
この現像剤攪拌・搬送部材9bの作用によって、プロセスカートリッジBが初めて使用され、シール部材30が取り除かれた直後であっても、現像剤は即座に現像室9A側に送り込まれるため、スムーズに印字可能状態となる。同時に、第1、第2電極81、82間にも現像剤が送り込まれるため、静電容量が変化する。
【0171】
第1、第2電極81、82近傍に分布する現像剤の状態を変化する力としては以下の4項目が挙げられる。
(1)現像剤攪拌・搬送部材9bによって送り込まれる際の上方向の力。
(2)現像剤の自重にて下方に落下する力。
(3)凹部80内の現像剤に蓋をし、留めようとする力。(凹部80の下方に現像剤が多量に存在すると、「自重によって落下しようする現像剤」に蓋をしてしまう。)
(4)現像剤自体の流動性が低いために現状位置に留まろうとする力。
【0172】
現像剤容器11内及び現像室9A内に現像剤が十分にある時には、項目(1)の力が極めて大きく、又、項目(3)の力によって凹部80が蓋する力によってしっかりと締められているため、第1、第2電極81、82間には現像剤が詰め込まれた状態が維持され、この場合、静電容量値として高い値を示し続ける。
【0173】
プロセスカートリッジBを使用し続けると、現像ローラ9a近傍の現像剤は現像のために消費されて減少するが、現像剤攪拌・搬送部材9bの作用によって現像ローラ9a近傍には現像剤容器11内の現像剤が常に補充される。その結果、プロセスカートリッジBを使用していくと、現像剤容器11内の現像剤の量が減少し、その高さは低くなっていく。
【0174】
図7に示すように、図7(a)、(b)、(c)、(d)の順に現像剤容器11内の現像剤の高さが低くなっていくと、上記項目(1)と(3)の力が小さくなり、そのため次第に第1、第2電極81、82間の現像剤残量も減少していき、その結果、静電容量も変化する。
【0175】
図7について説明すると、図7(a)には現像剤が現像剤容器11内に十分にあって第1、第2電極81、82が現像剤中に埋まっている状態が示されている。図7(b)には現像剤容器11内の現像剤が減少し、現像剤の表面が第1電極81の下端と第2電極82の上端に接する高さになっている状態が示されている。図7(c)には現像剤が更に減少し、既に凹部80内にはなく、第1電極81の下端よりも低く、第2電極82の中程の高さになっている状態が示されている。図7(d)には第2電極82の下端にようやく接する程度の高さになっている状態が示されている。
【0176】
現像剤容器11内の現像剤高さ(現像剤残量)と静電容量値の変化の傾向は、使用している現像剤の流動性や現像剤攪拌・搬送部材9bの搬送能力によって左右される。
【0177】
例えば、現像剤が水のような流動性を有している場合、現像剤容器11内の現像剤高さと第1、第2電極81、82間の現像剤高さは完全に一致するが、実際の現像剤の流動性は水の流動性に比べてはるかに低く、現像剤攪拌・搬送部材9bによって現像室9A側に搬送された状態をある程度維持するため、図7(a)乃至(d)に示したように、現像剤容器11内の現像剤高さの変化に若干遅れて第1、第2電極81、82間の現像剤高さが変化する傾向がある。
【0178】
又、現像剤攪拌・搬送部材9bの搬送力が弱すぎても強すぎても、第1、第2電極81、82間への現像剤の入り込みが変わり、現像剤残量の変化と静電容量値の変化との関係が異なったものとなる。
【0179】
従って、現像剤の流動性及び現像剤搬送能力に応じて第1、第2電極の位置や形状を適正化する必要がある。
【0180】
上述のように、第1、第2電極81、82間の静電容量は、凹部80やその下側近傍における第1、第2電極81、82の感度に影響を与える領域の現像剤分布状態によって変化する。しかし、凹部80における現像剤は、上記項目(1)乃至(4)などのさまざまな力を受けているため、現像剤がある程度平衡状態に達するまでは安定した静電容量値を示さない傾向がある。つまり、この静電容量値は上記領域に一時的に入り込み過ぎる場合や、入り込みが遅くなるなどの場合によって異なる。
【0181】
図8のグラフに、第1、第2電極81、82の近傍に現像剤が供給されてから消尽されるまでの現像剤残量とそれに対応する第1、第2電極81、82間の静電容量との関係を模式的示す。図8(b)は、第1、第2電極81、82の感度に影響を与える領域に現像剤が入り込み過ぎた場合、図8(c)は入り込みが遅くなった場合、及び図8(a)は正常な推移の場合を示す。
【0182】
図8(b)に示すように、現像剤が入り込み過ぎた場合には、静電容量値が突出する部位pが生じる。また、図8(c)に示すように、入り込みが遅くなった場合には、平衡状態bに達するまでに時間のかかる部位qが生じる。
【0183】
この問題を解決する手段の一つとして、現像剤の搬送方向に対して凹部80を浅い構成とすることがある。つまり、現像ローラ9aから遠い側の第1電極81を、その下端を上方に上げるようにして、短くするのがよい。しかし、短くし過ぎると、第1、第2電極81、82が構成するコンデンサの面積が小さくなるため、感度が低下してしまうので、適当な長さが必要となる。
【0184】
又、現像ローラ9aに近い側の第2電極82を凹部80の上端まで延設した場合には、凹部80における第1、第2電極81、82の距離が近すぎるため、感度が極めて大きくなり、上記の平衡状態になるまでのバラツキも感度良く検出してしまい、その結果、検出精度を下げてしまう可能性があるため、望ましくない。
【0185】
そこで、図9に示すように、第2電極82の凹部80に対応する部位をカットし、電極自体を短くする構成、つまり、第2電極82の下端が第1電極81の下端より低めになる構成、更に換言すると、プロセスカートリッジBあるいは現像装置9が電子写真画像形成装置本体に装着された際に、第2電極82の少なくとも下端が第1電極81よりも下方に配置された構成によって、バラツキの感度を極めて低く抑えることが可能となる。尚、短くし過ぎると感度が低くなるなどの問題が発生するので、好適な長さにカットする必要がある。又、プロセスカートリッジ形態では、第1電極81及び第2電極82は板状であって、現像ローラ9aの長手方向と交差する方向における長さは、第1電極81の方が第2電極82よりも長いことが好ましい。
【0186】
上記構成以外に、例えばプロセスカートリッジに記憶手段を備えている場合は印字枚数やプロセスカートリッジの駆動時間などを記憶させておき、平衡状態に達すると考えられる時間以上を経過した時に初めて検出をスタートする方法もある。
【0187】
又、現像剤量を逐次に検出する際に、検出精度を向上させるためには、静電容量の変化量を増やせばよい。これは、具体的には第1、第2電極81、82のそれぞれの表面積を増やすこと、あるいは第1、第2電極81、82間の距離を近づけることなどによって達成できる。電極の表面積を増やす際には、図10に示すように、波打ち形状にしてもよく、あるいは図11に示すように、絞り形状にしてもよい。
【0188】
尚、設計上の都合により、電極のスペースが確保できない、あるいはコストダウンを図らなければならないというときには、図12、及び図13に示すように、第1、第2電極81、82のいずれか一方を丸棒などによって構成してもよい。
【0189】
次に、電極の長手方向の配置について図14と図15により説明する。
【0190】
図14に示すように、第1、第2電極81、82の長手方向の長さは画像領域とほぼ同じ範囲とすることによって、検出精度の向上を図ることができる。但し、検出精度を比較的必要としない場合には、例えば画像領域中央部、あるいは端部付近などに幅の狭い電極を配置してコストダウンを図ってもよい。しかしこの場合、長手方向の現像剤量のバラツキを検出できないので、それを防ぐために、図15に示すように、幅の狭い電極を画像領域の両端部、中央の複数箇所に配置することが望ましい。
【0191】
画像形成を続けることによって、現像剤の消費が進み、最終的に、現像ローラ9a表面の現像剤量を規制する現像ブレード9dの先端と第2電極82の間、即ち、現像ローラ9aと第2電極82の間の現像剤が消費されることで画像上に白抜けが発生し、現像剤エンド、つまり現像剤無しの状態になる。
【0192】
このとき更に現像ローラ9aをコンデンサの電極の一つとして用い(対となるのは第2電極82である)、図16に示すように、第1、第2電極81、82が構成するコンデンサと並列に接続することによって白抜けの検出精度を大幅に向上させることができる。
【0193】
図17のグラフに、現像ローラ9aをコンデンサの一つとして用いた場合(図17(b))と、用いない場合(図17(a))とについての検出精度を模式的に示す。図17(b)の方が、図17(a)に比して、白抜け間際の単位トナー変化量(消費量)に対する静電容量の変化量が劇的に大きくなっていることが分かる。
【0194】
白抜け間際の単位トナー変化量(消費量)に対する静電容量の変化量が劇的に大きくなるのは、上述のように白抜けが現像ローラ9a表面上のトナー量が減り始めることによって発生するからであり、従って、現像ローラ9a表面上の現像剤量をより正確に測定することが検出精度アップの必須条件となる。
【0195】
上記のように、現像ローラ9aをコンデンサの電極の一つとして用い、対となる第2電極82が現像ローラ9a表面の近傍にあることによって、現像ローラ9a近傍における「検出感度」を高くすることが可能となり、図17(a)、(b)における検出精度の差が生じることとなる。
【0196】
更に白抜け近傍の「検出感度」を高めるためには、現像ローラ9a表面近傍における「検出感度」を高める必要がある。
【0197】
現像ローラ9a表面上に現像剤がほとんどなくても、図18に示すように、現像ブレード9d近傍領域に現像剤Tがあると現像が可能となることから、上記領域における現像剤Tを感度良く検出することによって白抜け検出精度を向上させることができる。
【0198】
そのため本発明のプロセスカートリッジ形態では、図19に示すように、第2電極82の先端に、現像ブレード9dの先端に接近し、且つ現像ローラ9aに対して平行に延在する第3電極としての曲折部83を設ける構成とすることも好ましい。その結果、白抜け検出精度の更なるアップが可能となる。
【0199】
尚、上記曲折部83は、第2電極と現像ローラの間に配置されていれば、第2電極82と必ずしも一体である必要はなく、単体の電極としても白抜けレベル検出精度の観点から差はない。この場合、板金ではなく丸棒などでもよい。
【0200】
又、曲折部83を単体の構成とした場合には、現像剤量検出手段ではなく、現像剤有無検出手段としても検出精度の極めて高い構成として応用可能である。
【0201】
従って、現像室9A内における現像剤量の測定は、第1、第2電極81、82間の現像剤量を測定することによって行われ、これは第1、第2電極81、82間の静電容量を逐次に検出することによって行うことができる。
【0202】
又、第2電極82と一体又は別体に第3電極83を設け、現像ローラ9aをコンデンサの片側の電極とすることによって白抜けの検出精度を高めることができる。
【0203】
現像剤残量を早くから検出するためには、現像剤容器側に現像剤量検出手段に用いる電極である検知手段を設けることが必要で、逆に白抜け間際を精度良く検出するためには現像ローラ近傍に電極である検知手段が必要となる。この相反する条件を1つの検知手段で達成しているのが本形態の特徴で、現像ローラ近傍に検知手段を設け、同時に現像剤の減少していく高さ方向に対して感度を有するように配置する。そして現像剤容器内の現像剤量情報は現像剤容器11内の現像剤攪拌・搬送部材9bから送られてくる現像剤の情報を基に判断可能な構成としている点がポイントである。
【0204】
これによって、白抜けの検出精度が高い状態を保ちつつ、且つ現像剤量検出を可能にする。また、本構成では上記の条件を現像剤容器側に一つの検知手段のみを設けることによって達成しているためコストダウンが可能となる。
【0205】
尚、上記の電極81、82、83は導電性部材であれば、すべて同等の作用をするが、本発明のプロセスカートリッジ形態では、現像剤の循環に影響を出さないように、非磁性SUS材などの非磁性金属材料を用いている。
【0206】
又、電極81、82、83を、現像室9Aを構成する枠体12に直接、蒸着、印刷などの処理を施したり、導電性樹脂を2色成形すれば、別部材からなる電極に比べ、取り付け公差、部品公差がへるため、位置精度の向上を図ることができる。
【0207】
上記説明では、現像剤として磁性現像剤を用いた現像剤量検出の構成について説明したが、非磁性現像剤を用いた現像装置構成にも適用できる。
【0208】
次に、かかる本発明の原理を具現化する現像剤量検出装置を、図20を参照して更に説明する。図20は、プロセスカートリッジB内の現像ローラ9a及び測定側電極部材としての第1、第2電極81、82と、画像形成装置本体側の現像剤量検出回路100との接続状態をも示している。
【0209】
第1電極81及び現像ローラ9aは、それぞれ、第1電気接点92(装置本体側接点17)及び第2電気接点91(装置本体側接点19)を介して現像バイアス印加手段としての現像バイアス回路101に接続されている。又、測定側電極部材のうち出力側の第2電極82は、第3電気接点93(本体側接点18)を介して制御回路102と接続されている。尚、ここでは省略しているが、前述のように第2電極82には第3電極83を一体的に形成することができる。
【0210】
現像バイアス回路101は、制御回路102内の基準容量部材88(参照静電容量を発生させるためのコンデンサー)と接続されており、現像バイアス回路101から印加されるAC(交流)電流I1を用い、現像剤残量を検出する上での基準電圧V1を設定する。
【0211】
制御回路102は、基準容量部材88、即ち、インピーダンス素子に印加されるAC電流I1をボリュームVR1で分流した値であるAC電流I11と抵抗R2で生じる電圧降下分V2を、抵抗R3、R4で設定されたV3に加算し、基準電圧V1を決めている。
【0212】
従って、測定電極部材である第1、第2電極81、82に印加されるAC(交流)電流I2は増幅回路103に入力され、現像剤残量の検出値V4(V1-I2×R5)として出力される。そして、この出力値を現像剤残量の検出値として利用する。
【0213】
本発明の電子写真画像形成装置によれば、上述のように、第1、第2電極間の現像剤量を逐次に検出して、その情報を基に現像剤量の消費量を表示することにより、ユーザーに新規プロセスカートリッジ或いは現像剤補給カートリッジの準備を促し、更に、第3の電極と現像ローラ間の現像剤量を検出し、その情報を基に現像剤エンドの情報を高精度に表示し、現像剤の補給を促すことができる。このため、本発明のプロセスカートリッジ実施形態では電圧印加側が現像ローラと第1電極、信号検出側が第2と第3電極としているが、電圧印加側が現像ローラと第2電極、信号検出側が第1と第3電極としても同様の効果を持つ。
【0214】
尚、プロセスカートリッジ(現像剤容器)の内側に導電部材の対を配置する場合は、場所、形状、面積ともに自由度が低く設計が比較的困難であるが、対となる導電部材の距離は上記の場合と比較できないほど近づけることが可能となる。また、現像剤担持体近傍に導電部材の対を配置することも可能であるため白抜け時の検出精度を高めることも可能となる。
【0215】
さらにこのカートリッジ形態と特定の材料を使用した現像剤を特定の形状、粒度分布に制御することで現像剤としての流動性、現像剤容器内での存在状態を制御した本発明の現像剤を組み合わせることで、電極近傍における現像剤同士の空隙を減少させることが出来、相乗的に残量検出の精度を高めることが可能となる。
【0216】
現像剤残量表示方法について説明すると、例えば、上述の現像剤量検出装置による検出情報は、図21に示すようにユーザーのパソコン44などの端末画面45上に、直接現像剤残量を数値(例えば10%残)で示す方法や図22(a)及び図22(b)に示すように表示される。図22(a)及び図22(b)においては、現像剤量に応じて動く針41がゲージ42のどの部分を指しているかによって現像剤量がユーザーに報知される。又、図23に示すように、電子写真画像形成装置本体に直接、LEDなどによる表示部43を設け、現像剤量に応じてLEDを点滅させてもよい。
<プロセスカートリッジ形態2>
次に、本発明の第2のプロセスカートリッジ形態について図24〜図28により説明する。
【0217】
第2のプロセスカートリッジ形態においても、第1のプロセスカートリッジ形態において説明したものと同様の構成及び作用をなす電子写真画像形成装置を用い、同一部材については同一符号を付す。又、長手方向の配置、電極周辺構成など、第1のプロセスカートリッジ形態と重複する構成の説明は省略する。
【0218】
第2のプロセスカートリッジ形態では、図24に示すように電極84を現像室9Aの底面に配置している。即ち、電極84は、現像剤容器11に収納されている現像剤Tが現像ローラ9aへ至る経路に沿って設けられている。従ってこの電極84は以下、経路電極84という。この経路電極84は、図24に示す断面形状で長手方向全領域について同じ形状をしている。
【0219】
第2のプロセスカートリッジ形態では、電気的には前述の図20に示すように、現像ローラ9aを現像バイアス回路101に接続し、経路電極84を現像剤量検出回路100の制御回路102に接続する。
【0220】
現像室9Aの底面近傍の磁性現像剤は現像ローラ9aの中に配置されたマグネット9cの磁力によって現像ローラ9aに引き付けられる力が常に働いている。そのため現像剤量が少なくなり現像剤容器11からの現像剤の供給が減少すると、まず現像室9Aの床面近傍の現像剤から消費されていく傾向がある。
【0221】
具体的には、図26に示すように、現像剤容器11内の現像剤残量が多いと現像室9A内の現像剤を自重で押し込むため上記のように現像剤が消費されてもすぐに押し込まれるが(図26(a))、現像剤容器11内の現像剤残量が少なくなっていくと、消費された現像剤の分を押し込む力が強く働かずに、現像室9Aの底面近傍から空洞ができて(図26(b)、(c))、最終的には現像ブレード9d先端周りに現像剤が残るようになる(図26(d))。
【0222】
このように現像剤が消費されていくので、本構成によれば、現像室9Aの底面近傍の現像剤量を検出できる現像剤量検出が可能となる。
【0223】
図27のグラフに、現像剤残量が減少していく時の静電容量の変化を模式的に示す。図27に示すように、本構成を用いても現像剤量検出が可能であることが分かる。しかし、本構成では第1のプロセスカートリッジ形態と比較すると白抜け精度がそれほど高くはない。
【0224】
そこで、白抜けの検出精度を高める必要がある場合には、第1のプロセスカートリッジ実施形態で示した第3電極83などを別途用いる方法があるが、例えば現像室9Aの底部分の感度を上げるために、図25に示すように現像ローラ9a及び経路電極84とほぼ平行になるように長手方向全体にわたって中間電極としての電極棒87を設けてもよい。即ち、経路電極84と電極棒87との間でコンデンサとすることによって電極間の距離が近づけられるため検出感度を高めることができる。中間電極87を配置し、現像ローラ9aと第3電極83とを同電位として、現像バイアス印加手段としての現像バイアス回路101に接続し、中間電極87を現像剤量検出回路100の制御回路102に接続するような構成とすることによって現像剤量検出の検出感度と、白抜けの検出感度を大幅なコストアップを招かずに高めることが可能となる。即ち、現像剤残量の減少に伴う静電容量の変化は模式的に図28のグラフに示すような推移となる。この構成に限らず現像室底面の検出感度を高められるのであれば中間電極はどこにあってもよい。
【0225】
さらにこのカートリッジ形態と、特定の材料を使用した現像剤を特定の形状、粒度分布に制御することで現像剤としての流動性、現像剤容器内での存在状態を制御した本発明の現像剤を組み合わせることで、電極近傍における現像剤同士の空隙を減少させることが出来、相乗的に残量検出の精度を高めることが可能となる。
<プロセスカートリッジ形態3>
次に、本発明の第3のプロセスカートリッジ形態について説明する。
【0226】
第3のプロセスカートリッジ形態においても、第1、第2のプロセスカートリッジ形態にて説明したものと同様の構成及び作用をなす画像形成装置を用い、同一部材にては同一符号を付す。又、長手配置、電極の周辺構成など、第1、第2のプロセスカートリッジ形態と重複する構成は説明を省略する。
【0227】
第3のプロセスカートリッジ形態によれば、第1、及び第2のプロセスカートリッジ形態よりも更に正確な現像剤量検出を行うことができる。
【0228】
より正確に検出するための一つの方法として、検出感度をアップすることが考えられるが、前述の第1、第2のプロセスカートリッジ形態に示した構成を基に電極の形状や配置を多少変更する程度では大きく感度を上げることは難しい。
【0229】
そこで本発明の第3のプロセスカートリッジ形態では、図29に示すように、第1のプロセスカートリッジ形態の構成、すなわち図19に示した第1電極81、第2電極82、第3電極83を備えた構成、及び第2のプロセスカートリッジ形態の構成、すなわち図24に示した、現像室9Aの底面に設けた経路電極84を備えた構成とを併用する構成とする。なお、第3のプロセスカートリッジ形態において、第3電極を有さなくとも効果は得られる。
【0230】
この際、白抜け検出精度に関しては、第1のプロセスカートリッジ形態の第3電極83と現像ローラ9aとのコンデンサの部分で十分な精度を達成しているため、第3のプロセスカートリッジ形態では中間電極87を用いていない。但し、場合によっては中間電極87を用いてもなんら問題はなく本発明の第3のプロセスカートリッジ形態と同様の効果を得ることができる。
【0231】
これによって、検出感度は大幅に増え現像剤量検出をより正確に行うことが可能となる。更には現像室9Aのほぼ全域に渡って検出感度を有している構成であるため、例えば画像形成装置本体からプロセスカートリッジを取り出し振るなどして現像剤容器11内の現像剤状態を一時的に変えた場合などでも、元の静電容量値から大きく離れてしまうことは少ない。
【0232】
本発明の第3のプロセスカートリッジ形態では、電気的には現像ローラ9aと第1電極81とを同電位にし現像バイアス回路101に接続し、第2電極82と経路電極84とを同電位にし現像剤量検出回路100の制御回路102に接続する。
【0233】
なお、第3電極を有する場合、第3電極は第2電極、経路電極と同電位とする。
これら電極の回路的接続態様は、この他にも現像室の底面部分及び第1、第2電極81、82部分に対して特に強い「検出感度」を有していればどのような構成でもよい。
【0234】
この時、同電位にする電極同士をプロセスカートリッジ内で接続して同電位にすることによって本体電源との接点を増やすことなくコストアップを避けることが可能となる。
【0235】
ここで図30(a)、(b)に、第1及び第2のプロセスカートリッジ形態の構成における現像剤量の変動とそれに伴う静電容量の変化との関係をそれぞれ模式的示し、更には、第3のプロセスカートリッジ形態の構成における関係を図30(c)に模式的に示す。
【0236】
この図より、第3のプロセスカートリッジ形態の構成を用いることによってより正確な検出を行うことができることがわかる。
【0237】
本発明のプロセスカートリッジ形態において経路電極84は、板状の導電部材を容器内壁に固定して使用したが、必ずしもこの形状だけに限らず、外壁に固定したり、壁から一定距離れた位置に設置したり、更には棒状の導電部材を複数本並べるような構成でも、現像剤攪拌搬送部材によって現像ローラに送られる現像剤の搬送経路に沿って配置されていれば同様な効果を得ることができる。
【0238】
さらにこのカートリッジ形態と特定の材料を使用した現像剤を特定の形状、粒度分布に制御することで現像剤としての流動性、現像剤容器内での存在状態を制御した本発明の現像剤を組み合わせることで、電極近傍における現像剤同士の空隙を減少させることが出来、相乗的に残量検出の精度を高めることが可能となる。
【0239】
尚、上述したプロセスカートリッジ形態において、当初、容器内に収納されている現像剤の量を100%としたときに、現像剤の残量を約30%乃至0%までの全領域にわたって逐次に検出することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、容器内の現像剤の残量が50%乃至0%まで、或いは、40%乃至0%までの領域にわたって逐次に検出するようにしてもよい。ここで、現像剤の残量が0%とは、現像剤が完全になくなったことのみを意味するものではない。例えば、現像剤の残量が0%とは、容器内に現像剤が残っていたとしても、所定の画像品質(現像品質)が得られなくなる程度まで現像剤の残量が減ったことも含まれる。
【0240】
【実施例】
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。なお、実施例中の部数は質量部である。実施例に用いられる樹脂を表1に、ワックスを表2に、磁性酸化鉄粒子を表3に記す。スチレン系樹脂は溶液重合法により合成し、ポリエステル樹脂は脱水縮合法により合成した。
【0241】
【表1】
【0242】
【表2】
磁性体の製造方法については以下のとおりである。
(磁性酸化鉄粒子の製造例1)
硫酸第一鉄溶液中に、Fe2+に対して0.95当量の水酸化ナトリウム水溶液とを混合した後、Fe(OH)2 を含む第一鉄塩水溶液の生成を行った。その後、ケイ酸ソーダを鉄元素に対してケイ素元素換算で、1.0質量%となるように添加した。次いでFe(OH)2 を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気してpH6〜7.5の条件下で酸化反応をすることにより、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄粒子を生成した。さらにこの懸濁液に(鉄元素に対してケイ素元素換算)0.1質量%のケイ酸ソーダを溶解した水酸化ナトリウム水溶液を残存Fe2+に対して1.05当量添加して、さらに温度90℃で加熱しながら、pH8〜11.5の条件下で酸化反応してケイ素元素を含有した磁性酸化鉄粒子を生成させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、ロ過乾燥した。得られた磁性酸化鉄粒子の一次粒子は、凝集して凝集体を形成しているので、ミックスマーラーを使用して磁性酸化鉄粒子の凝集体に圧縮力及びせん断力を付与して、該凝集体を解砕して磁性酸化鉄粒子を一次粒子にするとともに、磁性酸化鉄粒子の表面を平滑にし、表3に示すような特性を有する磁性酸化鉄粒子1を得た。磁性酸化鉄粒子の個数平均粒径は0.21μmであった。
【0243】
【表3】
(磁性酸化鉄粒子の製造例2)
製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例2の磁性酸化鉄粒子2を得た。
(磁性酸化鉄粒子の製造例3)
製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例3の磁性酸化鉄粒子3を得た。
(磁性酸化鉄粒子の製造例4)
製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例4の磁性酸化鉄粒子4を得た。
(磁性酸化鉄粒子の製造例5)
製造例1と同様、ケイ素元素量を変え製造例5の磁性酸化鉄粒子5を得た。
【0244】
【実施例1】
・結着樹脂C 100部
・磁性酸化鉄粒子1 90部
・ワックスb 4部
・アゾ系鉄錯体化合物C 2部
上記材料を予備混合した後に、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって溶融混練を行った。混練物を冷却後、粗粉砕し、機械式粉砕機 ターボ工業(株)製ターボミルT−250型によって微粉砕をし、さらに風力分級機を用いて分級をし、磁性トナー粒子1を得た。
一方で、ジメチルシリコーンオイル(25℃における粘度が100mm2/S)10部を、乾式法で合成された後にヘキサメチルジシラザン(HMDS)10部で疎水化処理したシリカ(比表面積が200m2/g)100部に攪拌しながら噴霧し、噴霧終了後窒素ガス雰囲気下で250℃に昇温し、50分間攪拌しながら保持し、ジメチルシリコーンオイル処理シリカを得た。
上記磁性トナー粒子1 100部に対して、上記ジメチルシリコーンオイル処理乾式シリカ1.2部と、粒径1.2μmのチタン酸ストロンチウム1.0部を磁性トナー粒子1に添加し、ヘンシェルミキサーにて攪拌混合して現像剤1を得た。
現像剤1の粒度分布をコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定した。その結果、重量平均粒子径は6.80μm、個数分布における4.00μm以下は20.3%であった。また、円形度をFPIA−1000(東亜医用電子社製)を用いて測定した。図33のグラフに示したように粒度と円形度の関係において本発明で規定する条件を満足した。現像剤の詳細な物性を表4に示す。
【0245】
【表4】
なお、表中の荷電制御剤A〜Cは、それぞれ以下の化学式で表されるものである。
【0246】
【化3】
攪拌手段を有する図31(なお、図31において電極は示していない)に示される現像装置を、図29のプロセスカートリッジ内に装着し、このプロセスカートリッジを現像剤量検出手段を有する前記電子写真画像形成装置に装着した。そして、該プロセスカートリッジに現像剤1を充填した。
本実施例で用いた現像手段の特徴を表す図31に基づき、該現像手段を説明する。この現像装置は、トナー容器(現像剤収納部)104、現像スリーブ(現像剤担持体)105、トナー攪拌部材(現像剤攪拌手段)106、及び現像剤規制部材107を有する。
現像スリーブ105は、直径16mmの非磁性アルミスリーブで、その表面には導電性粒子を含有する樹脂層105bでコートされている。現像スリーブ内には四極のマグネットロール105aが配置されている。現像剤規制部材107としては、JIS硬度40°程度のシリコンゴムを現像スリーブに対して当接力が0.3乃至0.4N(スリーブ長手方向についての1cmあたりの当接力)となるように用いられている。
【0247】
トナー容器104内にトナー攪拌部材106があり、5秒間に1回の割合で回転し、トナー容器内のトナーをほぐしながら、現像領域にトナー108を送り込んでいる。トナー攪拌部材106は、図32に示すように軸棒と弾性シートとを有しており、剛体の角棒(断面形状は8mm四方の正方形)に弾性シート部材(厚み50乃至350μm)を接着したものである。本実施例では弾性シート材料としてPPS(ポリフェニルサルファイド)を用いた。他にはウレタン、PET、PI等が用いられる。
【0248】
このプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤1を43g充填したものと128g充填したものと214g充填したものを用意する。なお、トナー容器の容積は855cm3であり、現像剤43g充填では充填率が5.0%であり、128g充填では充填率が15.0%であり、現像剤214g充填では充填率が25.0 %である。そしてこのプロセスカートリッジを温度30.0℃湿度80%の環境で、それぞれ左右−上下各々150mm幅で5サイクル振動させ、その後現像剤担持体(現像スリーブ)を周速180mm/secで5分間空回転させ、現像剤充填量に伴う静電容量を測定した。これを5回同様に行い、静電容量の測定を行い、静電容量の最小値に対する最大値の振れ幅を現像剤量検出ばらつき精度とした。その結果、本実施例では、現像剤量検出ばらつき精度は、表5に示したように、43g充填で2.1%、128g充填で4.5%、214g充填で7.8%であった。
【0249】
【表5】
又、攪拌手段を有する図31に示される現像装置を、図24のプロセスカートリッジに装着し、このプロセスカートリッジを現像剤量検出手段を有する前記電子写真画像形成装置に装着した。そして、該プロセスカートリッジに現像剤1を充填し同様に試験を行った。但し現像剤43g充填での試験は行わなかった。その結果、本実施例では、現像剤量検出ばらつき精度は、表5に示したように、128g充填で6.3%、214g充填で8.2%であった。
【0250】
又、攪拌機構を有する図31に示される現像装置を、図19のプロセスカートリッジに装着し、このプロセスカートリッジを現像剤量検出手段を有する前記電子写真画像形成装置に装着した。そして、該プロセスカートリッジに現像剤1を充填し同様に試験を行った。但し現像剤43g充填での試験は行わなかった。その結果、本実施例では、現像剤量検出ばらつき精度は、表5に示したように、128g充填で5.7%、214g充填で7.9%であった。
【0251】
【実施例2】
表4に記載の処方で実施例1と同様に現像剤2を作成した。
トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤2の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0252】
【実施例3】
表4に記載の処方で実施例1と同様に現像剤3を作成した。
トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤3の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0253】
【実施例4】
表4に記載の処方で実施例1と同様に現像剤4を作成した。
トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤4の円形度と平均粒子径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0254】
【実施例5】
表4に記載の処方で実施例1と同様に現像剤5を作成した。但し、分級後に得られたトナー粒子を用いて、300℃の熱風中を瞬間的に通過させる処理を行った。
トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤5の円形度と平均粒子径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0255】
【実施例6】
表4に記載の処方で現像剤6を作成した。但し粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、その後ハイブリダイザーによる表面処理工程を行った。トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤6の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0256】
【実施例7】
イオン交換水709部に0.1kmol/m3−Na3PO4水溶液451部を投入し60℃に加温した後、1.0kmol/m3−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加してCa3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
・スチレン 164部
・n−ブチルアクリレート 36部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル 8部
(85:5:10)共重合体(Mw=7万)
・負荷電性制御剤(ジアルキルサリチル酸系アルミニウム化合物)2部
・表面処理磁性酸化鉄 90部
上記処方をアトラクター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(Mn:380、融点:70℃)40部を混合溶解し、これに重合開始剤である2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[t1/2=140分(60℃)]8g及びジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート[t1/2=270分(60℃)、t1/2=80分(80℃)]2部を溶解した。
【0257】
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて150s-1で12分間攪拌し、造粒した。その後パドル攪拌翼で攪拌しつつ、60℃で1時間反応させた。その後液温を80℃とし更に10時間攪拌を続けた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa3(PO4)2を溶解し、濾過、水洗、乾燥して重合トナー粒子を得た。
【0258】
トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤6の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0259】
【比較例1】
表4に記載の処方で現像剤8を作成した。但し粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級を行った。トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤8の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0260】
【比較例2】
表4に記載の処方で現像剤9を作成した。但し粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級を行った。トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤9の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0261】
【比較例3】
表4に記載の処方で現像剤10を作成した。但し粉砕工程は衝突式気流粉砕を用いた微粉砕機で粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級を行った。トナー内添処方、外添処方及び物性値を表4に記し、現像剤10の円形度と平均粒径の関係を図33のグラフに示す。又、同様の試験をした結果を表5に示す。
【0262】
【発明の効果】
本発明によれば、現像装置やプロセスカートリッジ内に残っている現像剤量(トナー量)を精度良く検出し、現像剤残量や残りのプリント可能枚数を逐次ユーザーに報知することができ、ユーザーにとって極めて有益な現像剤量検出手段に好適に適用できる現像剤を提供することができる。
【0263】
また、本発明によれば、現像装置やプロセスカートリッジ内に残っている現像剤量(トナー量)を精度良く検出し、現像剤残量や残りのプリント可能枚数を逐次ユーザーに報知することができ、ユーザーにとって極めて有益な現像剤量検出手段を有する新規の画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子写真画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】 本発明に係る電子写真画像形成装置の外観斜視図である。
【図3】 本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の縦断面図である。
【図4】 本発明に係るプロセスカートリッジの下方より見た外観斜視図である。
【図5】 プロセスカートリッジを装着するための装置本体の装着部を示す外観斜視図である。
【図6】 本発明に従ったプロセスカートリッジにおける第1及び第2電極の配置及び凹部を示す図である。
【図7】 現像剤が消費されていく時の現像剤の減少状態と第1及び第2電極の位置関係を示す図である。
【図8】 本発明の現像装置におけるトナー量と静電容量のとの観系を示す図であって、(a)正常な推移を示す図、(b)凹部に現像剤が入り込み過ぎた場合の推移を示す図、そして、(c)凹部に現像剤が入り込むのに時間がかかり過ぎた場合の図である。
【図9】 第2電極を凹部に対応しないようにカットした場合を示す図である。
【図10】 第1及び第2電極の一実施例を示す斜視図である。
【図11】 第1及び第2電極における他の実施例を示す斜視図である。
【図12】 本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の縦断面図である。
【図13】 本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の縦断面図である。
【図14】 現像室内に配置された第1及び第2電極における他の実施例を示す斜視図である。
【図15】 現像室内に配置された第1及び第2電極における他の実施例を示す斜視図である。
【図16】 第1、第2の電極及び現像ローラの電気回路の一実施例を示す図である。
【図17】 (a)現像剤担持体をコンデンサとして用いない場合と、(b)現像剤担持体をコンデンサとして用いた場合とについて、トナー量と静電容量の推移をそれぞ示した図である。
【図18】 現像ブレード近傍のみに現像剤がある状態を示す説明図である。
【図19】 第2電極に曲折部(第3電極)を延設した状態を示す要部縦断面図である。
【図20】 現像剤量検出装置の電気回路の一実施例を示す図である。
【図21】 現像剤残量表示の一実施例を示す図である。
【図22】 現像剤残量表示の他の実施例を示す図である。
【図23】 現像剤残量表示の他の実施例を示す図である。
【図24】 本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の縦断面図である。
【図25】 図24のプロセスカートリッジに中間電極を設けた他の実施例を示す要部縦断面図である。
【図26】 現像室内の現像剤が減少していくときの底面電極と現像剤の状態を示す説明図である。
【図27】 図24のプロセスカートリッジにおけるトナー量と静電容量との関係を示す図である。
【図28】 図25の、プロセスカートリッジに中間電極を付設した時のトナー量と静電容量との関係を示す図である。
【図29】 本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の縦断面図である。
【図30】 図19、図24及び図29に示したプロセスカートリッジによるトナー量と静電容量との関係を示す図である。
【図31】 実施例で使用した現像装置の特徴を示す概略構成図である。
【図32】 図31に示す現像装置に備えられたトナー撹拌部材を示す図である。
【図33】 粒径と円形度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
7 感光体ドラム(電子写真感光体)
9a 現像ローラ(現像部材)
9b 現像剤攪拌・搬送部材(現像剤攪拌手段)
9e 攪拌部材
9A 現像室
11 現像剤容器
80 凹部
81 第1電極
82 第2電極
83 曲折部(第3電極)
84 経路電極
87 電極棒(中間電極)
92 第1電気接点
93 第2電気接点
Claims (33)
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)〜(d)を有する現像装置と、(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)前記現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に対向して設けられた第1電極;
(d)現像装置が画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極より少なくとも下端が下方に配置された第2電極;前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
【数1】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数2】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
(h)現像剤の残量を検出するために、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極間、及び前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記電子写真画像形成装置本体に伝達する第3電気接点;とをさらに有し、前記現像剤量検出手段が、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。 - 記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
【数3】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数4】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 記録媒体上に画像を形成する画像形成方法であって、下記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、(a)現像剤を収納する現像剤収納部;(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に同電位に設けられた第1電極;
(d)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段と、を用いており、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とする画像形成方法。
【数5】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数6】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置さ
れた第3電極と、(h)前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記画像形成装置本体に伝達する第3電気接点とをさらに有し、前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。 - 前記現像剤が、下記式3を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【数7】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(3)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)] - 前記現像剤が、下記式4を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【数8】
Y≧exp5.51×X−0.645・・・(4)
[但し、6.0<X≦10.0(μm)] - 前記現像剤が、下記式5を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
【数9】
Y≧exp5.42×X−0.583 ・・・(5)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)] - 電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)〜(d)を有する現像装置と、を有し、(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に対向して設けられた第1電極;
(d)現像装置部が画像形成装置本体に装着された際に、前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;前記第1電極、第2電極は、前記第1電極と第2電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて、現像剤の残量を検出する現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足する現像剤を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【数10】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数11】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;
(h)現像剤の残量を検出するために、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極間、及び前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記電子写真画像形成装置本体に伝達する第3電気接点;とをさらに有し、前記現像剤量検出手段が、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする請求項9に記載のプロセスカートリッジ。 - 電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)、(b)、(i)を有する現像装置と、を有し、
(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;前記経路電極は、前記現像剤担持体に電圧が印加されて、前記現像剤担持体及び前記経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【数12】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数13】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 電子写真画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、下記(a)〜(d)、(f)、(g)、(i)を有する現像装置と、を有し、(a)現像剤を収納する現像剤収納部;
(b)該現像剤収納部に収納された現像剤を用いて、形成すべき画像に応じた静電潜像を現像する、現像剤担持体を有する現像手段;
(c)前記現像剤担持体に同電位に設けられた第1電極;
(d)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極よりも少なくとも下端が下方に配置された第2電極;
(i)前記現像剤収納部に収納されている現像剤が前記現像剤担持体へ至る経路に沿って設けられている経路電極;
(f)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に前記第1電極に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第1電気接点;
(g)前記現像装置が前記電子写真画像形成装置本体に装着された際に、前記現像剤担持体に印加する電圧を前記電子写真画像形成装置本体から受けるための第2電気接点;前記第1電極、第2電極、経路電極、第1電気接点、第2電気接点は、前記電子写真画像形成装置本体によって、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間に電圧が印加され、前記第1電極と第2電極間、及び前記現像剤担持体と経路電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出するための現像剤量検出手段に用いられるものであり、前記現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子を有し、該現像剤の重量平均粒子径が4.5乃至15μmであり、かつ該現像剤の3μm以上の粒子において、下記式1より求められる円形度が0.900以上の粒子を個数基準の累積で90%以上有し、円形度0.950以上の粒子の個数基準累積値をY、現像剤の重量平均粒子径(D4)をX(μm)とした時、下記式2を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【数14】
円形度a=L0/L ・・・(1)
[式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは粒子像の周囲長を示す。]
【数15】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(2)
[但し、4.5<X≦15.0] - 前記現像装置が、(e)前記第2電極と前記現像剤担持体との間に配置された第3電極と、(h)前記現像剤担持体と前記第3電極間の静電容量に応じた電気信号を前記画像形成装置本体に伝達する第3電気接点とをさらに有し、前記現像剤検出手段が、前記第1電極と第2電極間、前記現像剤担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間に電圧が印加されて、前記第1電極と第2電極間、前記現像担持体と経路電極間、及び前記現像剤担持体と第3電極間の静電容量に応じた電気信号が発生され、前記電気信号に基づいて現像剤の残量を検出することができることを特徴とする請求項12に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像剤が、下記式3を満足することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【数16】
Y≧exp5.51×X−0.645 ・・・(3)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)] - 前記現像剤が、下記式4を満足することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【数17】
Y≧exp5.51×X−0.645・・・(4)
[但し、6.0<X≦10.0(μm)] - 前記現像剤が、下記式5を満足することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
【数18】
Y≧exp5.42×X−0.583 ・・・(5)
[但し、4.5<X≦10.0(μm)] - 前記トナー粒子が、磁性体を結着樹脂100質量部に対して60乃至150質量部含有していることを特徴とする請求項9〜16のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記磁性体が、少なくともケイ素原子を含有することを特徴とする請求項17記載のプロセスカートリッジ。
- 前記トナー粒子に含有される結着樹脂の酸価が1乃至50mgKOH/gであることを特徴とする請求項9〜18のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記トナー粒子に含有される結着樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項9〜19のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記トナー粒子に含有される離型剤の少なくとも一つの融点が60乃至120℃であることを特徴とする請求項9〜20のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像剤が、粒径0.1乃至5.0μmの粒子を少なくともトナー粒子100質量部に対して0.05乃至5質量部含有することを特徴とする請求項9〜21のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像剤がシリカを含有し、かつ該シリカがシリカ100質量部に対して0.5乃至20質量部のシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項9〜22のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像剤がシリカを含有し、かつ該シリカがシリカ100質量部に対して0.5乃至20質量部のヘキサメチルジシラザンで処理されていることを特徴とする請求項9〜23のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記経路電極は、前記経路に沿って設けられた板状部材であることを特徴とする請求項11〜24のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記第3電極は、前記第2電極と一体又は別体に形成され、且つ前記現像剤担持体に対向して配置されていることを特徴とする請求項10、13〜25のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記形成すべき画像に応じた静電潜像は、電子写真感光体に形成された静電潜像であり、前記現像剤担持体は現像ローラであり、前記第1電極及び前記第2電極は、該現像ローラの長手方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項9、10、12〜26のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記第1電極と、前記第2電極を支持する現像枠体とによって前記現像枠体に対して平行に延びる下方が開放した凹部が形成されていることを特徴とする請求項9、10、12〜27のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像装置は、前記現像剤担持体と前記経路電極との間に設けられた中間電極を有することを特徴とする請求項11〜28のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記第1及び第2電極は、板状及び棒状の電極の組み合わせであることを特徴とする請求項9、10、12〜29のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記第1電極及び第2電極は共に板状であって、前記現像剤担持体の長手方向と交差する方向における長さは、前記第1電極の方が前記第2電極よりも長いことを特徴とする請求項9、10、12〜30のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像装置は、現像剤を攪拌する現像剤攪拌手段を有し、少なくとも前記第1電極及び第2電極は前記現像剤攪拌手段の回転によって生じる現像剤の移動領域に配置されることを特徴とする請求項9、10、12〜31のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像剤を収納する現像剤収納部の容量が400cm3以上1000cm3未満であることを特徴とする請求項9〜32のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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