JP4463498B2

JP4463498B2 - 印刷方法、印刷システム

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Publication number: JP4463498B2
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Inventors: ロドネイファーリッシュアンドリュー
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Description

本発明の背景および要約
本発明は、ＴＩＦＦ（Tagged Image File Format）ファイルによる複数の各文書（ドキュメント）の印刷に関し、特に、従来の多様な各印刷オプションの実行および機能を簡便に可能とする、ドライバレス（ドライバ不要）の上記各文書印刷方法に関するものである。特に、本発明は、ＴＩＦＦファイルのデータ構造のイメージファイルディレクトリー（ＩＦＤ）での改良を含む印刷方法、それに関する装置（印刷システム）およびＴＩＦＦファイルのデータ構造を特徴としている。本発明では、ＴＩＦＦファイルを用いて印刷することで、専用のプリンタドライバが必要でなく、ラスタライズ無しでダイレクトに印刷できる。
【０００１】
ＴＩＦＦファイルのデータ構造は、８バイト（Bytes）からなるイメージファイルヘッダ（ＩＦＨ）と、ＩＦＤと、イメージデータフィールドとの３つの階層を有している。
【０００２】
ＩＦＨでは、各バイト０−１にファイル中のバイトオーダーが、各バイト２−３に４２（２Ａｈ）固定値（ＴＩＦＦ形式のデータを識別するためのもの）が、各バイト４−７にＩＦＤのオフセット（最初のＩＦＤの位置を示すポインタ）がそれぞれ書き込まれる。
【０００３】
ＩＦＤは、エントリカウントと、複数のＩＦＤエントリと、次のＩＦＤへのオフセット（ポインタ）とをこの順にて備えている。エントリカウントは、２バイトであり、ＩＦＤエントリの数を示すものである。次のＩＦＤへのオフセットは、４バイトであり次のＩＦＤの位置を示すもの（ポインタ）である。ＩＦＤエントリには、最初の２バイトである各バイト０−１にタグが、次の２バイトである各バイト２−３にフィールドタイプが、さらに次の４バイトである各バイト４−７にカウントフィールドが、さらに次の４バイトである各バイト８−１１にデータポインタまたはデータフィールドが書き込まれる。
【０００４】
タグは、どのような形式にてデータフィールドが記録されているかを識別するためのコード番号である。フィールドタイプは、データフィールドのタイプ（型）を示すものである。
【０００５】
カウントフィールドは、データフィールドの実際の長さではなく、データフィールドに含まれている値の数を示すものである。各バイト８−１１には、データフィールドが４バイト以下のとき、上記データフィールドが記録され、データフィールドが４バイトを超えるとき、上記データフィールドへのオフセット（位置を示すポインタ）が記録されている。
【０００６】
ＴＩＦＦファイルにおけるＩＦＤデータは、頁毎のデータ（イメージ）単位に関連付けられ、そのようなＩＦＤデータは、通常、普通のシリアル（連続頁）順序にて印刷する頁毎に規定するように組織化されている。上記ＩＦＤデータは、上記の通常の機能を指向するための、使用可能な各パスポインタ（path pointer）を含む。
【０００７】
後述するように、本発明は、他と無関係に、ドライバレス、かつラスタライズフリーで、複数の印刷オプションが選択可能な、ＴＩＦＦファイルを印刷できるようにＴＩＦＦファイルの内部構造を利用した、簡便で優れた方法を提供するものである。上記ラスタライズとは、ベクタイメージからビットマップによるラスタイメージをソフトウエアまたはハードウエアにより生成することである。また、ラスタライズフリーとは、ラスタライズのためのグラフィックス・エンジン（ハードウエアまたはソフトウエア）が省ける、つまり不要ということである。
【０００８】
【特許文献１】
特開平５−２６５６７０号公報（公開日：１９９３年１０月１５日）
本発明を実施するための好ましい方法によれば、提案されるものは、他の点では従来のＴＩＦＦファイルのデータ構造であるが、ＴＩＦＦファイルのデータ構造に含まれるＩＦＤデータの内容（コンテンツ）を、種々な方法にて変更して、適切に改良することである。
【０００９】
そのような改良は、従来の多様な各印刷オプションに対しても充分にアクセス可能で、ドライバレス、ラスタライズフリーの複数頁印刷が容易に可能になるものである。上記の多様な各印刷オプションとしては、選択された頁における、文書頁の分割や、頁毎の印刷や、所望する位置でのフェースダウンやフェースアップ印刷や、ファイルからの選択された各頁毎の複数枚コピーや、頁順の複数頁の印刷や、頁順ではない複数頁の印刷や、他の多くのものが挙げられる。
【００１０】
本発明の実行に基づき施されるＩＦＤの改良は、通常の用語での、（ａ）各追加、（ｂ）各削除、（ｃ）各ポインタの書き換えといったような内部の変更を含む。
【００１１】
本発明の方法は、一般的な見方によれば、複数頁のＴＩＦＦファイルにおける、頁毎の印刷のヒエラルキー（階層）を、必要に応じて変更するためのドライバレスでの方法として記述される。上記変更は、データの流れにおけるプリンタの上流側にて上記ＴＩＦＦファイルを取り込むステップと、その後に、ノーマルなＴＩＦＦファイル印刷と相違する、選択された印刷オプションを実行するように、上記ファイル内に存在しているＩＦＤデータの内容および／または配置を適切に変更するステップとを含む。
【００１２】
本発明の方法における他の記述としては、上記ファイル内に、標準から改良されたＩＦＤデータの生成を含む、印刷のための複数頁のＴＩＦＦファイルを生成することを含む。そのような改良されたＩＦＤデータは、選択された印刷オプションに基づく頁印刷の実施を指示する情報（インフォメーション）を含む。
【００１３】
本発明により提案された構造は、上述された方法を実行することが可能なものである。また、本発明は、改良されたＩＦＤデータ自体のユニークなデータ構造を特徴としている。本発明により得られる、上記の各目的や各利点および他の各目的や各利点は、添付図面を参照した以下の説明で充分に明白になるであろう。
【００１４】
発明の詳細な説明
本発明の、優れた、簡便な、実現可能な点については、図１ないし図９に基づいて順次説明すれば、複数頁のＴＩＦＦファイルに関する各印刷ジョブの遂行に対する、ラスタライズフリー、ドライバレスにて、各印刷オプションの多様な選択肢が選択可能に調整可能なことは十分に明らかとなるであろう。
【００１５】
それら各図面のそれぞれは、それら自体にて十分に理解されるものであり、本発明の、一つ以上の実施例や実施の形態を示している。
【００１６】
しかしながら、上記各図面の全てによっても、本発明の実施例に基づいて実行される全ての各印刷オプションを図示しているものではない。本発明に基づく、他のオプションをどのように実施するかについては、本願明細書に示された幾つかの図示から当業者にとって明らかであろう。
【００１７】
図２ないし図９のそれぞれに含まれる、外側に張り出した矢印は、各図面の示された各ブロック部分の一方の側部または両方の各側部に示されている。それら各矢印は、本発明に基づき、示されたＴＩＦＦファイルに対する、選択されたオプション印刷が可能な、ＩＦＤの操作可能な各ポインタの操作にてなされる変更を示している。
【００１８】
上記理解のもとに、まず、図１に注目すると、全体像の概観として、本発明の実施例を実行するための基本的な構造および方法は、１０，１２，１４，１６にてラベルされた４つの各ブロックにて図示されている。単一の矢印１８にて示された４つの各ブロックは、互いに共同（協働）することにより、本発明の構造（印刷システム）および方法（印刷方法）に関する、ハイレベルで包括的な概説を示している。
【００１９】
ＴＩＦＦファイル生成部（ＴＩＦＦファイル生成構造部）１０は、例えば、コンピューターにおける適切な文書（ドキュメント）作成アプリケーションプログラムの制御下での複数頁のＴＩＦＦファイルの生成に関するものである。オプション選択部１２は、ユーザが、複数頁の文書ファイルの印刷に関する実行可能な一つまたは複数の印刷オプションを選択するためのものである。
【００２０】
ＩＦＤデータ操作部（ＩＦＤデータ操作構造部）１４は、生成されたＴＩＦＦファイルのイメージファイルディレクトリー（ＩＦＤ）のデータ内容内での適切な改良を生成するための構造および方法を表している。
【００２１】
ＩＦＤデータ操作部１４内での動作や操作は、印刷部（プリンタ）１６にて示される、他の点では従来の印刷環境における多様な各印刷オプションの、ラスタライズフリーで、ドライバレスでの実行が可能となるように、情報を追加すること、情報を削除すること、および／または情報を変更（改良）することによって、他の点では従来と同じＴＩＦＦファイルでのＩＦＤデータの配置が変更されることである。
【００２２】
ＩＦＤデータ操作部１４にて示される動作では、複数の印刷オプションの選択性を確保できる、本発明の方法が実行されるようになっている。上記の各図示され、明確化された各ブロックにおいて、ＩＦＤデータ操作部１４の範囲内で生じていることは、幾つかの相違する、複数頁の各文書印刷オプションに関し、より具体的に図示されている。
【００２３】
図２に、２０にて一般化されて示されている、ブロック／流れ図は、本発明に基づく、複数頁のＴＩＦＦエミュレーションを利用したダイレクトなＴＩＦＦ印刷方法のレイアウトを示している。当業者やこの分野に知識を有するものであれば、図２に示したＴＩＦＦファイル構造内のＩＦＤデータの操作により、複数頁の印刷エミュレーションがどのようにして可能となるかについて、図を見れば理解できるであろう。
【００２４】
本発明の実施の形態は、通常は単一頁のＴＩＦＦファイルのみをサポートしているファームウエア（例えば、配置された各構造）に、ＴＩＦＦファイルの複数頁印刷を出力させることができる。複数頁を印刷するために、印刷装置は、通常、頁毎の印刷方法において、別々の印刷ジョブを組み合わせる。この印刷ジョブは、例えば、文書生成アプリケーション、何らかの背景処理、プリンタドライバ、スプーラ（取り込み部）、印刷プロセッサ、または関係する印刷データの流れの何れかに挿入される印刷アシスタントによって構成することができる。
【００２５】
本発明では、個々の物理的なスプールファイルを生成することなしにて上記タスク（印刷ジョブ）を実行できる。代わりに、ＴＩＦＦファイルのデータは、特定された印刷装置または複数の印刷装置のための入出力ポートマネージャの、書き換え可能な記憶媒体例えばランダムアクセスメモリに直接書き込まれる。上記データは、上記メモリ内で、適切な方法で変更される。
【００２６】
本発明によれば、他の点では単一頁用のＴＩＦＦリーダー（reader）にての複数頁の印刷は、上記ＴＩＦＦファイルの一番目のＩＦＤにリンクされるＩＦＤのパスポインタを改良や変更することにより、達成される。上記ＩＦＤは、イメージ（例えば、頁の画像）の内容や位置を記述し、上記ＴＩＦＦファイル内の頁毎は、互いの異なるＩＦＤを備え、各ＩＦＤは、上記ＴＩＦＦファイル内にて次のＩＦＤに対してパスポインタにより順次リンクされている。パスポインタは、ＩＦＤオフセットの値によって示される。
【００２７】
図２に示すように、選ばれたＴＩＦＦファイル内での互いに連続した各頁の印刷は、一番目のＩＦＤオフセットの値を、特定の連続した頁に対応するＩＦＤオフセットに変更することにより達成される。例えば、３頁のＴＩＦＦファイルでは、上記ＴＩＦＦファイルは、１頁目のためにプリンタに対しＡＳ−ＩＳが書き込まれている。２頁目のために、上記ＴＩＦＦファイルがプリンタに書き込まれたときに、一番目の頁のＩＦＤオフセットは、二番目の頁のＩＦＤオフセットに一致するように、メモリ内にて書き換えられる。三番目の頁のために、上記ＴＩＦＦファイルがプリンタに書き込まれたときに、一番目の頁のＩＦＤオフセットは、三番目の頁のための適切なＩＦＤオフセットに、メモリ内にて再度書き換えられる。表１は、本発明の方法に基づき、適合させ、機能させた、上記複数頁のＴＩＦＦ印刷エミュレーションのオプションを実行するための詳細なアルゴリズムを後述するものである。

図３は、２２、２４で表される２つの、本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルの各頁において、複数頁、および文書頁の分割という２つの相違する各例示をそれぞれ示すブロック／流れ図である。２つの各例示は、５頁のＴＩＦＦファイルであり、（ａ）の２２で例示されるものは、１頁目、２頁目、３頁目のみが印刷され、（ｂ）の２４で例示されるものは、４頁目と５頁目のみを選択的に印刷するものである。
【００２８】
本発明の上記変形例／実施の形態を実行するには、ある特定の印刷装置または各装置に用いられているＴＩＦＦリーダーは、複数頁のＴＩＦＦの各フォーマットをサポートできると想定される。用いられたＴＩＦＦリーダーが、単一頁のＴＩＦＦの各フォーマットのみをサポートするものの場合であっても、文書の分割印刷をエミュレートするための図３にて図示されたプロセスは、当業者にとって明白なように、本発明により達成可能である。この場合は、図３に関して上述された方法と、図２にて上述され図示された方法とを単純に組み合わせればよい。
【００２９】
本発明に基づく文書の分割方法における選択された各頁の印刷は、図示されているように、印刷されるべき頁のシークエンス（順番、連なり）に対応した、最初の頁のＩＦＤオフセットに、一番目のＩＦＤオフセットを変更し、続いて、順次、上記の頁のシークエンスに対応した、次の頁のＩＦＤオフセットに変更し、最終的には、最後の頁のＩＦＤオフセットに変更することにより達成される。
【００３０】
例えば、１０頁の文書について、１頁ないし５頁を含む文書のシークエンスのものと、６頁ないし１０頁を含む文書のシークエンスのものとに互いに分割するとき、一番目のシークエンスのＴＩＦＦファイルは、５頁目におけるイメージの次のＩＦＤオフセットをメモリ内にてゼロに変更し、５頁目のイメージが最後の頁を示すように設定して、プリンタに送られる。上記の二番目のシークエンスのＴＩＦＦファイルは、６頁目のイメージのＩＦＤオフセットがメモリ内にて一番目のＩＦＤオフセットに変更され、６頁目のイメージが最初の頁を示すように設定されて、プリンタに送られる。
【００３１】
上述した方法は、図３では、５頁のＴＩＦＦファイルの文書を２つに互いに分割し、一番目は１頁ないし３頁の全てを含み、二番目は４頁目と５頁目とを含む例である。本発明の上記の例を達成するための適切なアルゴリズムを下記の表２に示す。

図４は、２６で示すブロック／流れ図を図示し、ＴＩＦＦファイルからの非連続の頁シークエンスでの印刷を実行する、ダイレクトなＴＩＦＦ印刷方法を示している。本明細書では、ＴＩＦＦファイルからの非連続の頁シークエンスでの印刷は、頁毎の選択的な印刷としても言及されている。このような本発明の変形例では、使用されるべき印刷装置のＴＩＦＦリーダーは、複数頁のためのＴＩＦＦの各フォーマットをサポートしていると推定されるが、本発明の上述した実施の形態にて記述したように、上述されたプロセスは、単一頁のためのＴＩＦＦの各フォーマットのみがサポートされている条件でも、既に前述したように前記手順や方法を組み合わせることによって達成可能である。
【００３２】
頁シークエンスと呼ばれる印刷は、原理的には、非連続な順序の各頁に対応する１以上のＩＦＤオフセットを操作することにより達成される。上記印刷は、例えば、非連続な頁シークエンスにおいては、一番目のＩＦＤオフセットの値を最初の頁のＩＦＤのものに変更し、上記頁の次のＩＦＤオフセットを、非連続な頁シークエンスでの次のＩＦＤオフセットに変更することを順次繰り返すことで、非連続的な各頁のＩＦＤがパスポインタで順次リンクされて達成される。上記非連続な頁シークエンスでの、最後の頁における、次のＩＦＤオフセットは、ゼロ（ヌル、null）に設定されて、上記シークエンスの最後を示すようになっている。
【００３３】
他の例示としては、５頁の文書から１頁、２頁、４頁を含む非連続な頁シークエンスは、印刷装置内のＴＩＦＦリーダーに対して、４頁目のＩＦＤオフセットの値に変更された２頁目のＩＦＤオフセットの値と、ゼロ（ヌル）に変更された４頁目のＩＦＤオフセットの値と共に送られる。上記のゼロのＩＦＤオフセットの値は、非連続に選択された頁シークエンスの最後を示している。以下の表３は、図４に示された本発明の動作を実現するための適切なアルゴリズムを示している。

図５は、本発明に基づく、フェースダウン（表示面が下向きの、通常順）での頁合わせの印刷を、２８で示すブロック／流れ図と、フェースアップ（表示面が上向きの、逆順）での頁合わせでの印刷を、３０で示すブロック／流れ図とを図示している。
【００３４】
フェースダウン印刷は、従来からのＴＩＦＦファイルにより取り扱う通常の印刷順のシークエンスである。本明細書では、通常順での印刷のための構成を一般に要求する、実行されるさらなる印刷オプションを除いて、要求されるＩＦＤ操作は少ないが、それにもかかわらず、上記の通常順での印刷は、あるやり方でのＩＦＤデータの変更を求める、幾つかの追加の要求事項を取り入れることがある。一方、フェースアップ印刷は、明確に関連付けられる、ＩＦＤデータ内容の変更を要求する。
【００３５】
本発明に基づく、逆順のフェースアップの印刷を達成するためには、標準のＴＩＦＦファイルに一般に含まれているＩＦＤオフセットの全ては、逆の順序に入れ換えられ、これにより、確実にフェースアップでの頁順にて、各イメージが印刷される。逆順のフェースアップ印刷では、上記ファイルの順番では最後の頁が最初に印刷され、２枚目に上記最後頁の直前の頁が印刷され、続いて、最後から三番目の頁が３枚目として、というように順次印刷される。上記印刷ジョブが完了すると、読み出され印刷された文書は、最初から最後への頁がトップ（最上部）からボトム（最下部）の形態で提示されることになる。
【００３６】
それゆえ、本発明に基づくフェースアップの頁順にて揃えられた印刷は、最初のＩＦＤオフセットの値を最後の頁に変更し、最初頁の次のＩＦＤオフセットの値をゼロ（ヌル）に変更し、残り全ての次のＩＦＤオフセットを直前の頁のＩＦＤオフセットに変更することによって達成される。例えば、４頁の文書では、最初のＩＦＤオフセットは４頁目に設定され、４頁目における次のＩＦＤオフセットは３頁目に設定され、３頁目における次のＩＦＤオフセットは２頁目に設定され、２頁目における次のＩＦＤオフセットは１頁目に設定され、１頁目における次のＩＦＤオフセットは上記印刷ジョブの最後頁を示すゼロ（ヌル）に設定される。
【００３７】
上記機能を達成するためのアルゴリズムを表４に示す。

図６は、本発明に基づく、複数頁のＴＩＦＦファイルの１頁を複数枚コピーするダイレクトなＴＩＦＦ印刷方法の実施を３２で示すブロック／流れ図により図示している。
【００３８】
そのような複数頁のＴＩＦＦファイルからの複数枚コピー印刷は、１を超える数のコピー毎に対するＴＩＦＦファイル全体の最後の位置に一番目のＩＦＤのコピーを付加し、一番目の次のＩＦＤオフセットをゼロ（ヌル）からコピーのための一番目のＩＦＤのオフセットに変更することにより達成される。その後、コピーのためのＩＦＤ毎における、次のＩＦＤオフセットは、最後のコピーのためのＩＦＤに達するまで、付加されたコピーのための次のＩＦＤが読まれるように変更され、最後のＩＦＤにおける次のＩＦＤオフセットでは、最後のコピーを示すゼロ（ヌル）が設定される。
【００３９】
図６は、上述した動作の実行に基づく、複数頁のＴＩＦＦファイルの１頁を３枚コピーする印刷を示している。
【００４０】
このような各印刷オプションに関する本発明の実行は、印刷のためのコピ−毎のイメージデータを繰り返し送信することを省いて、代わりに、元の最初のイメージを指し示すように各ＩＦＤ（比較的データ量の小ないファイル、またはサブファイル）を送信してなされる。これにより、その印刷に使用されるＴＩＦＦリーダーは、コピ−毎に同一の頁を読み取り、印刷するというような簡素な動作で済む。
【００４１】
本発明に係る上述した実行に基づく、ＩＦＤの入力によるイメージデータの代替は、上記ファイルの最初から進行しており、よって、ＩＦＤデータは、上記以外での変更の必要がないという点にも注目すべきである。
【００４２】
例えば、単一頁の３枚コピ−の要求では、まず、最初のＩＦＤが上記ＴＩＦＦファイルから解析され、特定された印刷ジョブに要求される１を超えるコピ−毎に、上記ＴＩＦＦファイルの最後に一度ずつ付加される。最初のＩＦＤは最初のコピーを示す。一番目のＩＦＤにおける、次のＩＦＤオフセットは、１枚目のコピ−のＩＦＤオフセットを示すように変更される。
【００４３】
これにより、２枚目のコピ−が得られる。１枚目のコピ−における、次のＩＦＤオフセットは、２枚目のコピ−のためのＩＦＤに設定される。これにより、３枚目のコピ−が得られる。２枚目のコピ−のためのＩＦＤにおける、次のＩＦＤオフセットは、ゼロ（ヌル）に設定されて、要求されたコピ−の最後を示す。
【００４４】
上記機能を達成するためのアルゴリズムを表５に示す。

図７は、複数頁のＴＩＦＦファイルからの各頁を、選択的で頁順を考慮しないで複数枚コピー印刷するものとしての、本明細書内にて記述された本発明に基づく実施形態を３４で示すブロック／流れ図により図示している。
【００４５】
複数頁のＴＩＦＦファイルからの各頁を、選択的で頁順を考慮しないで複数枚コピー印刷する方法は、最後のＩＦＤのコピ−値に達するまで、１を超える数の、要求されたコピー毎のＴＩＦＦファイルの最後に、頁毎のＩＦＤ値のコピーを付加し、一番目における次のＩＦＤオフセットの値を、ゼロ（ヌル）から一番目の頁の一番目のＩＦＤオフセットのコピ−に変更し、かつ、コピ−のＩＦＤ毎における、次のＩＦＤオフセットを付加された、次のＩＦＤオフセットのコピ−に変更し、最後のＩＦＤにおける、次のＩＦＤオフセットには、最後のコピ−要求頁における最後のコピ−を示す、ゼロ（ヌル）が設定される。
【００４６】
例えば、２頁での２枚ずつのコピ−では、まず、１頁目と２頁目とのための各ＩＦＤが上記ＴＩＦＦファイルから解析される。一番目のＩＦＤのコピ−が、１を超える数の、要求されたコピー毎のＴＩＦＦファイルの最後に、１度、付加される。一番目のＩＦＤにおける、次のＩＦＤオフセットを、一番目のＩＦＤのコピ−のＩＦＤオフセットに変更する（これにより、２枚目の頁コピ−を生成できる）。
【００４７】
一番目のＩＦＤのコピ−における、次のＩＦＤオフセットを、２頁目のＩＦＤのそれに変更する。２頁目のＩＦＤのコピ−が、１を超える数の、要求されたコピー毎のＴＩＦＦファイルの最後に、１度コピ−される。２頁目のＩＦＤのＩＦＤオフセットは、２頁目のＩＦＤのコピ−のＩＦＤオフセットに変更され（つまり、２頁目のコピ−）、２頁目のＩＦＤのコピ−における、次のＩＦＤオフセットが、上記ジョブの最後頁の最後のコピ−を示す、ゼロ（ヌル）に設定される。
【００４８】
上記機能を達成するための適切なアルゴリズムを表６に示す。

図８に示されるものは、複数頁のＴＩＦＦファイルからの各頁を、選択的で頁順を考慮した、複数枚コピーのダイレクト印刷するものとしての、本明細書内にて記述された本発明に基づく実施形態を３６で示すブロック／流れ図により図示している。
【００４９】
複数頁のＴＩＦＦファイルからの各頁を、選択的で頁順を考慮した複数枚コピー印刷する方法は、最後のＩＦＤのコピ−値に達するまで、１を超える数の、要求されたコピー毎に対する、頁順でのＴＩＦＦファイルの最後に、頁毎のＩＦＤ値のコピーを付加し、かつ、最後頁における次のＩＦＤオフセットを、ゼロ（ヌル）から一番目の頁の一番目のＩＦＤオフセットのコピ−に変更し、かつ、ＩＦＤのコピ−毎における、次のＩＦＤオフセットを、付加された次のＩＦＤのコピ−に変更することで、達成される。最後のＩＦＤにおける次のＩＦＤオフセットには、上記ジョブにおける最後のコピ−を示す、ゼロまたはヌルが設定される。
【００５０】
例えば、２頁での２枚ずつのコピ−の要求での具体的な印刷ジョブでは、まず、１頁目と２頁目とのための各ＩＦＤが上記ＴＩＦＦファイルから解析される。一番目および二番目の各ＩＦＤの各コピ−が、１を超える数の、要求されたコピー毎の頁順でのＴＩＦＦファイルのデータの最後に、１度ずつ、付加される。一番目の頁のＩＦＤにおける、次のＩＦＤオフセットが、一番目のＩＦＤコピ−のＩＦＤオフセットを指し示すように変更される（これにより、一番目の頁の２枚目のコピ−が得られる）。
【００５１】
一番目のＩＦＤのコピ−における次のＩＦＤオフセットが、二番目のＩＦＤコピ−に変更される。二番目の頁のＩＦＤのコピ−における、次のＩＦＤオフセットが、上記の最後のコピ−の終了を示す、ゼロ（ヌル）に設定される。
【００５２】
上記機能を達成するための適切なアルゴリズムを下記の表７に示す。

図９は、ＴＩＦＦファイルからの、選択的な各頁の印刷において、ポートレイトフォーマットまたは背景(ランドスケープ)フォーマットの何れかに対し、本発明に基づく実施形態をどのように用いられるかを、３８で示すブロック／流れ図により図示している。上記３８で示すブロック／流れ図は、特に、上記ファイルの一部がポートレイトフォーマットにて印刷されることが要求され、かつ、上記ファイルの残りが背景フォーマットにて印刷されることが要求された場合を示している。
【００５３】
一般的な標準（デフォールト）モードではない背景モードでの印刷は、イメージを９０度左側に回転させ、オリエンテーション（orientation）のためのＩＦＤのディレクトリーエントリ（入力値）を、８．８＝０次（０^th）列、および０次行に設定することによって達成される。
【００５４】
８．８＝０次（０^th）列は、上記イメージの左手側の画像を示している。０次行は、上記イメージの株の画像を示している。背景モードでの上記のような印刷は、オリエンテーション入力のためのＩＦＤのディレクトリーエントリを解析し、要求される頁毎に上記入力値を「８」の値に変更することによって達成される。
【００５５】
本発明に基づく上記方法での実行のためのアルゴリズムを下記の表８に示す。

上述した説明により、本発明は、極めて多様な一般的な各印刷オプションの自由な選択や実行を可能とする環境下で、ドライバレス、ラスタライゼーションエンジンフリー、かつダイレクトなＴＩＦＦ印刷を達成する、本発明の特徴以外は従来のＴＩＦＦファイルのデータ内容を利用するためのユニーク（新規）、きわめて優れ、かつ高度な方法を提案するものであることは明らかであろう。
【００５６】
本発明の多くの実施形態や実施例については、本明細書内にて十分に図示され説明されている一方、本発明の精神から離れない範囲内にて、種々な変形例や改良例がなされることも明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明により提案された、方法および構造の組織を一般的に示す、概略化されたブロック／流れ図である。
【図２】１頁のＴＩＦＦファイルを単にサポートするシステム配置（アレンジメント）において、複数頁の印刷を可能とする、複数頁のＴＩＦＦエミュレーション（模倣）を伴うＴＩＦＦ印刷の指示を示すブロック／流れ図である。
【図３】本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルの各頁において、複数頁、および文書頁の分割という２つの相違する各例示を（ａ）と（ｂ）とにてそれぞれ示す流れ図である。
【図４】本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルにて表される所定の頁の選択された頁毎の印刷のための印刷オプションの実行を示す流れ図である。
【図５】本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルからの印刷において、図の左側（ａ）にフェースダウン（通常の順序の）印刷の場合、図の右側（ｂ）にフェースアップ（逆の順序の）印刷の場合をそれぞれ示す流れ図である。
【図６】本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルからの、選択された各頁における、頁毎の複数枚コピー印刷を示す流れ図である。
【図７】本発明に基づく、ＴＩＦＦファイルからの、選択された各頁における、頁毎の頁順ではない複数枚コピー印刷を示す、ブロック／流れ図である。
【図８】本発明の実行に基づく、ＴＩＦＦファイルからの、選択された各頁における、頁毎の頁順での複数枚コピー印刷を示す、ブロック／流れ図である。
【図９】本発明の実行に基づく、ＴＩＦＦファイルからの、選択されたポートレイトまたは風景の各頁の印刷を示す、ブロック／流れ図である。
【符号の説明】
１０ＴＩＦＦファイル生成部（ＴＩＦＦファイル生成構造部）
１２オプション選択部
１４ＩＦＤデータ操作部（ＩＦＤデータ操作構造部）
１６印刷部（プリンタ）

Claims

プリンタに複数頁のＴＩＦＦファイルをドライバレスで印刷させるシステムによる印刷方法であって、
データの流れにおけるプリンタの上流側にて上記システムに備えられたＩＦＤデータ操作部が上記ＴＩＦＦファイルを取り込み、
ユーザにより選択された頁順にて上記ＴＩＦＦファイルが印刷されるように、上記ＩＦＤデータ操作部が、上記ＴＩＦＦファイルに含まれる頁にて規定されるイメージデータ毎に上記ＴＩＦＦファイル内に存在する各イメージファイルディレクトリー（ＩＦＤ）データ内の情報であり、上記イメージデータ単位の相対的な印刷順序を決める情報であるパスポインタを変更する、ことを含む印刷方法。
上記の変更することは、上記パスポインタの、変形、除去および追加の各動作の少なくとも一つを含む請求項１の印刷方法。
上記ＩＦＤデータ操作部が上記複数頁のＴＩＦＦファイルを単一頁毎に取り込む構成であり、上記の変更することによって、上記単一頁毎に取り込まれたＴＩＦＦファイルの複数頁を連続して印刷することを可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルの頁を分割して印刷することを可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルから、選択された個々の頁印刷を可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルの、各頁のフェースダウン印刷を可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルの、各頁のフェースアップ印刷を可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルから選択された頁の複数コピー印刷を可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルの各頁を、頁毎に複数コピー印刷することを可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルを頁順に印刷することを複数繰り返すことを可能としている請求項２の印刷方法。
上記の変更することによって、上記複数頁のＴＩＦＦファイルから選択された各頁の、ポートレイトまたは背景の印刷を可能としている請求項２の印刷方法。
プリンタに複数頁のＴＩＦＦファイルをドライバレスで印刷させるための印刷システムであって、
上記ＴＩＦＦファイルに含まれる頁にて規定されるイメージデータ毎に存在する各イメージファイルディレクトリー（ＩＦＤ）データを含む上記複数頁のＴＩＦＦファイルを生成するＴＩＦＦファイル生成部と、
複数の各印刷オプションをユーザが選択可能に設けられたオプション選択部と、
上記オプション選択部を介してユーザが選択した頁順にて上記ＴＩＦＦファイルが印刷されるように、上記ＩＦＤデータ内の情報であり、上記イメージデータ単位の相対的な印刷順序を決める情報であるパスポインタを変更するＩＦＤデータ操作構造部と、を含む印刷システム。