JP4462093B2 - 吸着コアの運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒の吸着・脱離を行う吸着剤を有する吸着コア、およびそれを用いた吸着式ヒートポンプに関するものである。
近年、エネルギー有効利用の観点から排熱回収技術が注目され、100℃以下の低質で多量に発生する排熱を回収する技術の確立が求められており、これの解決技術のひとつに吸着式冷凍機がある。しかし、吸着式冷凍機は他の方式の冷凍機に比べて体格が非常に大きくなるという問題があり、その中でも吸着コア(吸着剤を充填した熱交換器)の体格が大きな割合を占めており、これの小型化が必要である。
この吸着コアを小型化するためには、(1)吸着コア単位体積あたりの吸着剤量の向上、(2)吸着速度の向上、(3)吸着剤単位体積あたりの水分吸着量向上が挙げられる。
(1)の実現には、吸着コアの体積と水蒸気通路となる空間体積を最小限に抑えなければならない
(2)の実現には、吸着剤表面に気相冷媒がすばやくいきわたる適度な空間の存在と、吸着剤で発生した熱をすばやく除去できる吸着コアの構造でなければならない。
(3)の実現には、吸着剤特性の改良が必要である。
ところで、特許文献1には、小型化を目的とする吸着コアが示されている。この吸着コアは、チューブに削り起こしたフィンをたて、フィン周囲に吸着剤を付着させた構造とし、これにより吸着速度を向上させて小型化を図ろうとするものである。
特開平6−170219号公報
しかしながら、特許文献1に示された吸着コアは、フィンピッチの微細化に限界があり、吸着速度を向上させることができない。また、フィンの板厚を薄くすることができないため、フィンピッチの微細化によって吸着剤の充填体積が低下し、結果的に吸着コアの性能が低下する。
本発明は上記点に鑑みて、吸着コアの小型化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、熱媒体が流通するチューブ(131)と、チューブ(131)の周囲に充填されて、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離する吸着剤(135)と、チューブ(131)と吸着剤(135)との間の伝熱を行うフィン(133、134)とを備える吸着コアの運転方法において、フィン(133、134)の表面から最も離れた位置の吸着剤(135)とフィン(133、134)の表面との間の距離を吸着剤層厚さLa(単位:mm)、吸着剤(135)の熱拡散率を熱拡散率α(単位:mm2/秒)、吸着剤(135)に気相冷媒を吸着させる時間を切替時間τ(単位:秒)とし、周波数f=1/(2・τ)、角周波数ω=2・π・f、熱浸透深さδ≡(2・α/ω)1/2、エントロピー変動無次元数ωτa≡(La/δ)2、としたとき、吸着剤層厚さLa0.6mm以下とし、かつ、エントロピー変動無次元数ωτa5以下とすることを特徴とする。
ところで、吸着コアを小型化するためには、吸着剤の吸着速度を向上させ、吸着と脱離の切替時間を短縮する必要がある。吸着速度を向上させるためには、熱媒体と吸着剤との間の熱交換がすばやく行われなければならない。
図6は、熱媒体と吸着剤との間の熱交換割合とエントロピー変動無次元数ωτaとの関係を示すもので、熱媒体と吸着剤との間の熱交換のし易さを表す指標として本発明者らが実験・解析等にて確認したものである。
この図6は、熱交換割合が0.5より高いほど等温的であり、熱交換割合が0.5より低いほど断熱的であるということを示している。つまり、吸着コアはより等温的が望ましく、エントロピー変動無次元数ωτaが低いほうがよい。
そして、f=1/(2・τ)、ω=2・π・f、δ≡(2・α/ω)1/2、ωτa≡(La/δ)、の各式から分かるように、吸着剤層厚さLaが薄いほど、吸着剤の熱拡散率αが高いほど、また、切替時間τが長いほど、熱交換割合は高くなる。
しかし、切替時間τが長くなると吸着コアの大型化につながるため、切替時間τを短くしつつエントロピー変動無次元数ωτaを低くするためには、熱拡散率αが大きな吸着剤を用いるか、または、吸着剤層厚さLaを薄くするしかない。但し、使用する吸着剤が決まれば吸着剤の熱拡散率αも決まるため、エントロピー変動無次元数ωτaを低くするためには、吸着剤層厚さLaを薄くするしかない。
そこで、請求項1に記載の発明のように、吸着剤層厚さLaを0.6mm以下に設定することにより、切替時間τを短くしつつエントロピー変動無次元数ωτaを5以下にすることができ、熱交換割合が比較的高くなる。よって、吸着速度が向上して吸着コアの小型化が可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の吸着コアの運転方法において、吸着剤層厚さLaを0.3mm以下とし、かつ、エントロピー変動無次元数ωτaを1以下とすることを特徴とする。これによると、請求項1に記載の発明よりも熱交換割合がさらに高くなるため、吸着速度がさらに向上して吸着コアの一層の小型化が可能となる。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の吸着コアの運転方法において、吸着剤層厚さLaが0.1mm以下とし、かつ、エントロピー変動無次元数ωτaが0.1以下とすることを特徴とする。これによると、請求項2に記載の発明よりも熱交換割合がさらに高くなるため、吸着速度がさらに向上して吸着コアの一層の小型化が可能となる
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の吸着コアの運転方法において、フィンは、チューブ(131)の表面に接合されるとともに吸着剤(135)と接触して、チューブ(131)と吸着剤(135)との間の伝熱を行う1次フィン(133)、および、1次フィン(133)の表面に接合されるとともに吸着剤(135)と接触して、1次フィン(133)と吸着剤(135)との間の伝熱を行う2次フィン(134)から構成されていることを特徴とする
ところで、吸着コアを小型化するためには、吸着剤層厚さLaを薄くしつつ、吸着剤の充填量を向上させなければならない。しかし、フィンピッチの微細化によって吸着剤層厚さLaを薄くすると、吸着剤の充填体積が低下してしまう。
これに対し、請求項に記載の発明のように、1次フィンの表面に2次フィンを接合することにより、吸着剤の充填体積をほとんど減少させることなく吸着剤層厚さLaを薄くすることができる。すなわち、吸着速度の向上と吸着剤充填量の確保が両立でき、吸着コアの小型化が可能となる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の吸着コアの運転方法において、2次フィン(134)は、カーボンナノチューブであることを特徴とする。これによると、カーボンナノチューブは熱伝導率が高いため、高い熱交換効率が得られる。
請求項に記載の発明では、請求項4または5に記載の吸着コアの運転方法において、吸着コアの前面面積をコア前面面積Af、吸着コアにおける気相冷媒が流通する気相冷媒流路(136)の断面積を気相冷媒流路断面積Asとしたとき、As/Afが0.1以上であることを特徴とする。
ところで、吸着速度の向上には気相冷媒が小さい圧損で吸着コア全体に行き渡る必要がある。そして、請求項の発明のようにAs/Afを0.1以上にすることにより、圧損が小さくなって充分に気相冷媒を供給することができる。よって、吸着速度が向上して吸着コアの小型化が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、本発明に係る吸着ヒートポンプを車両用空調装置に適用したものであって、図1は本発明の一実施形態に係る吸着式ヒートポンプの全体構成図、図2は図1の第2熱交換器130の正面図、図3は図2のA部の拡大図、図4は図3のB矢視図である。
図1に示すように、吸着器100は、少なくとも2個設けられており、以下、紙面上側の吸着器100を第1吸着器100と表記し、紙面下側の吸着器100を第2吸着器100と表記し、第1、2吸着器を総称するときは、単に吸着器100と表記する。なお、吸着器100の詳細は後述する。
室外熱交換器200は、吸着器100内を循環した熱媒体(本実施形態では、水にエチレングリコール系の不凍液を混合した流体)が流通し、その熱媒体と室外空気とを熱交換させる。
室内熱交換器300は、吸着器100にて発生した冷凍能力により冷却された熱媒体が流通し、その熱媒体と室内に吹き出す空気(以下、この空気を空調風という)とを熱交換して空調風を冷却する。因みに、室内熱交換器300は、空調風の通路を形成する空調ケーシング(図示せず)内に配設され、この空調ケーシングの空気流れ上流側には送風機(図示せず)が設けられている。
なお、本実施形態では、水冷式内燃機関(図示せず)で発生した廃熱を回収した冷却水(本実施形態では、熱媒体と同じ流体)を吸着器100(正確には、後述する第2熱交換器130)内に循環させることにより吸着剤の再生を行っており、切換弁410〜440は熱媒体の循環経路を切り換えるものであり、ポンプ450、460は熱媒体を循環させるものである。
吸着器100は、内部が略真空に保たれた状態で冷媒(本実施形態では、水)が封入されたステンレス製のケーシング110、熱媒体とケーシング110内の冷媒との間で熱交換を行う蒸発/凝縮コアをなす第1熱交換器120、及び吸着剤を冷却又は加熱する吸着コアをなす第2熱交換器130等から構成されている。また、第1熱交換器120および第2熱交換器130は、ケーシング110内に収納されている。
第1熱交換器120は、熱媒体が流通する金属製の多数のチューブ、多数のチューブが接合されて熱媒体の分配または集合を行う金属製のタンク、及びチューブの外表面に接合された金属製の多数のフィン、等からなる周知の構造を有するものである。
図2〜図4に示すように、第2熱交換器130には、熱媒体が流通する金属製のチューブ131が多数積層されている。このチューブ131は、断面が楕円形状で、且つ熱媒体の流通方向に細長くなっている。
チューブ131の長手方向(熱媒体流通方向)両端には、略直方体形状の金属製のタンク132が接合されている。そして、一方のタンク132から多数のチューブ131に熱媒体が分配され、多数のチューブ131内を流通した熱媒体が他方のタンク132に集められる。
チューブ131の表面には、多数の1次フィン133が接合されている。この1次フィン133は、薄板金属製のプレートフィンであり、チューブ131の長手方向に沿って所定のフィンピッチで配置されている。因みに、チューブ131の外径を拡大するようにチューブ131を塑性変形させて、チューブ131の表面を1次フィン133に圧接する(拡管する)ことにより、チューブ131と1次フィン133が機械的に接合されている。
1次フィン133の表面には、1つの1次フィン133に対して多数の2次フィン134が接合されている。この2次フィン134は、細長い柱状で、1次フィン133の表面からチューブ131の長手方向に沿って延びている。この2次フィン134に適した物質としては、熱伝導率が高く、かつ自己組織化が可能なカーボンナノチューブが望ましい。
チューブ131の長手方向に対して直交する断面のうち2次フィン134が配置されている領域では、多数の2次フィン134間に存在する空間に、吸着剤135が充填されている。この吸着剤135は、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離するものである。なお、図3では、吸着剤135が充填されている領域を明瞭にするために、その領域を便宜的に斜線で示している。同様に、図4においてチューブ131を除いた部位の斜線は、吸着剤135が充填されている領域を示している。
また、チューブ131の長手方向に対して直交する断面のうち2次フィン134が配置されていない領域には、換言すると、チューブ131の長手方向に対向する2次フィン134間の空間には、吸着剤135は充填されておらず、その空間は、気相冷媒が流通する気相冷媒流路136となっている。
次に、空調装置の概略作動を説明する。
先ず、切換弁410〜440を図1の実線に示すように作動させて、第1吸着器100の第1熱交換器120と室内熱交換器300との間、第1吸着器100の第2熱交換器130と室外器200との間、並びに第2吸着器100の第1熱交換器と室外器200との間、第2吸着器100の第2熱交換器130と内燃機関との間に熱媒体を循環させる。
これにより、室内熱交換器300にて室内に吹き出す空気から吸熱して温度が上昇した熱媒体が第1熱交換器120を流通する際に、第1吸着器100内の液相冷媒が、第1熱交換器120を介して熱媒体から吸熱して蒸発するとともに、その蒸発した気相冷媒が吸着剤135に吸着される。
なお、以下、液相冷媒の蒸発及び気相冷媒の吸着が行われている吸着器100を吸着工程にある吸着器と呼ぶ。
因みに、吸着剤135が気相冷媒を吸着するときに凝縮熱相当の吸着熱が発生するが、吸着熱により吸着剤135が加熱されると、吸着剤135の表面における相対湿度(関係湿度)が低下して吸着能力が低下するので、吸着工程にある吸着器の第2熱交換器130に室外熱交換器200にて冷却された熱媒体を循環させて吸着剤135を冷却する。
一方、第2吸着器100の吸着剤135が加熱されるので、吸着剤135に吸着されていた冷媒が気相冷媒として吸着剤135から脱離するとともに、その脱離した気相冷媒が第1熱交換器120にて冷却されて凝縮し、冷媒が再生される。
なお、以下、吸着剤135の再生及び気相冷媒の凝縮が行われている吸着器100を脱離工程にある吸着器と呼ぶ。
つまり、この状態(以下、第1状態と呼ぶ。)では、第1吸着器100の第1熱交換器120は液相冷媒を蒸発させて冷凍能力を発生させる蒸発器として機能し、第1吸着器100の第2熱交換器130は吸着剤135を冷却する冷却器として機能し、第2吸着器100の第1熱交換器120は吸着剤135から脱離した気相冷媒を冷却する凝縮器として機能し、第2吸着器100の第2熱交換器130は吸着剤135を加熱する加熱器として機能する。
そして、第1状態で所定時間が経過したときに、切換弁410〜440を図1の破線に示すように作動させて、第2吸着器100の第1熱交換器120と室内熱交換器300との間、第2吸着器100の第2熱交換器130と室外器200との間、並びに第1吸着器100の第1熱交換器と室外器200との間、第1吸着器100の第2熱交換器130と内燃機関との間に熱媒体を循環させる。
これにより、第2吸着器100が吸着工程となり、第1吸着器100が脱離工程となるので、第2吸着器100で発生した冷凍能力により空調風が冷却され、第1吸着器100にて吸着剤135の再生が行われる。
つまり、この状態(以下、第2状態と呼ぶ。)では、第2吸着器100の第1熱交換器120は液相冷媒を蒸発させて冷凍能力を発生させる蒸発器として機能し、第2吸着器100の第2熱交換器130は吸着剤135を冷却する冷却器として機能し、第1吸着器100の第1熱交換器120は吸着剤135から脱離した気相冷媒を冷却する凝縮器として機能し、第1吸着器100の第2熱交換器130は吸着剤135を加熱する加熱器として機能する。
そして、第2状態で所定時間が経過したとき、切換弁410〜440作動させて再び第1状態とする。このように、第1状態及び第2状態を所定時間毎に交互に繰り返して、空調装置を連続的に稼働させる。
ところで、吸着ヒートポンプを車両用空調装置に適用するためには、搭載性の観点から吸着器100の小型化が重要であり、具体的には、図表5(a)に示すように、第2熱交換器(吸着コア)130の体格1Lで4kWの冷房性能をつくり出すことが要求される。そして、冷媒として水を用いるとともに、図表5(c)に示す特性の吸着剤135を用いた場合に、この図表5(a)に示す要求値を達成するためには、例えば図表5(b)に示す第2熱交換器130の仕様を満足する必要がある。
なお、図表5(b)において、切替時間τ(単位:秒)は、吸着剤135に気相冷媒(水蒸気)を吸着させる時間である。吸着剤充填効率εaは、第2熱交換器130の体格Vcに対する吸着剤135が占める容積の割合である。吸着剤充填量Wa(単位:kg)は、第2熱交換器130に充填される吸着剤135の重量である。熱交換器表面積Ah(単位:m)は、吸着剤135と第2熱交換器130とが接触する部分の面積である。水蒸気圧損ΔP(単位:torr)は、気相冷媒が第2熱交換器130全体に行き渡る際の圧損である。
次に、図表5(b)に示す仕様を満足して第2熱交換器(吸着コア)130の小型化を図るための、具体的検討結果について説明する。
まず、切替時間τの短縮方法について説明する。前述したように、第2熱交換器130を小型化するためには、吸着剤135の吸着速度を向上させ、吸着と脱離の切替時間を短縮する必要がある。吸着速度を向上させるためには、熱媒体と吸着剤135との間の熱交換がすばやく行われなければならない。
図6は、熱媒体と吸着剤135との間の熱交換割合とエントロピー変動無次元数ωτa(詳細後述)との関係を示すもので、熱媒体と吸着剤135との間の熱交換のし易さを表す指標として本発明者らが実験・解析等にて確認したものである。
ここで、1次フィン133または2次フィン134の表面から最も離れた位置の吸着剤135と、1次フィン133または2次フィン134の表面との間の距離La(図4参照)を、吸着剤層厚さLa(単位:mm)とする。また、吸着剤135の熱拡散率を熱拡散率α(単位:mm/秒)とする。さらに、周波数f=1/(2・τ)、角周波数ω=2・π・f、熱浸透深さδ≡(2・α/ω)1/2、としたとき、エントロピー変動無次元数ωτa≡(La/δ)、である。
この図6は、熱交換割合が0.5より高いほど等温的であり、熱交換割合が0.5より低いほど断熱的であるということを示している。つまり、吸着コアとしての第2熱交換器130はより等温的が望ましく、エントロピー変動無次元数ωτaが低いほうがよい。
そして、f=1/(2・τ)、ω=2・π・f、δ≡(2・α/ω)1/2、ωτa≡(La/δ)、の各式から分かるように、吸着剤層厚さLaが薄いほど、吸着剤135の熱拡散率αが高いほど、また、切替時間τが長いほど、熱交換割合は高くなる。
しかし、切替時間τが長くなると第2熱交換器130の大型化につながるため、切替時間τを短くしつつエントロピー変動無次元数ωτaを低くするためには、熱拡散率αが大きな吸着剤135を用いるか、または、吸着剤層厚さLaを薄くするしかない。但し、使用する吸着剤135が決まれば吸着剤135の熱拡散率αも決まるため、エントロピー変動無次元数ωτaを低くするためには、結局、吸着剤層厚さLaを薄くするしかない。
本実施形態では、1次フィン133から細長い2次フィン134を突出させることにより、吸着剤の充填体積をほとんど減少させることなく、吸着剤層厚さLaを薄くすることができる。また、隣接する2次フィン134の間隔の調整等によって、吸着剤層厚さLaを任意に設定することができる。
そこで、例えば、熱拡散率α=0.016mm/秒の吸着剤135を用い、切替時間τの目標を20秒にした場合、吸着剤層厚さLa=30μmに設定すると、エントロピー変動無次元数ωτa=0.01となって高い熱交換割合が得られ、切替時間中に充分熱交換できることがわかる。
換言すると、図6に基づいてエントロピー変動無次元数ωτaが所定値以下になるように吸着剤層厚さLaを決めることにより、熱交換割合が高くなって吸着剤135の吸着速度が向上し、切替時間τが短縮されるため、第2熱交換器130を小型にすることができる。
因みに、吸着剤層厚さLaを0.6mm以下に設定することにより、エントロピー変動無次元数ωτaを5以下にして熱交換割合を略0.5以上にすることができ、また、吸着剤層厚さLaを0.3mmに設定することにより、エントロピー変動無次元数ωτaを1以下にして熱交換割合を略0.9以上にすることができ、さらに、吸着剤層厚さLaを0.1mmに設定することにより、エントロピー変動無次元数ωτaを0.1以下にして熱交換割合を略1にすることができる。
次に、熱交換器表面積Ahの確保方法について説明する。第2熱交換器130を小型化するためには、吸着剤層の薄さを確保しつつ、吸着剤135の充填量を向上させなければならない。
そして、図表5(a)に示す要求値を達成するためには、吸着剤層厚さLa=30μmで吸着剤体積Va=0.0004mを達成しなければならない。つまり、熱交換器表面積Ahは13.33m以上必要となり、単位体積あたりの表面積にすると13000m/m以上となる。
これは、従来からある熱交換器、例えばプレートフィン型熱交換器やコルゲートフィン熱交換器では、フィンにルーバーを設けたりあるいはディンプル等の突起を設けても表面積の増加はわずかであり、到底達成できない値である。
また、表面積を増加させるためにフィンを微細化すると今度はフィンが吸着剤の充填体積の減少を引き起こし、目標値を達成することができない。
さらに、フィンピッチの微細化に伴いフィンの肉厚も減少させて、フィンの体積が増加しないように(すなわち、同じ体積となるように)設計しても、フィンの薄肉化は30μm程度までが製造限界であり、それ以上の薄肉化された熱交換器の製造は困難であるため、目標値を達成することができない。
それに対して、本実施形態のように1次フィン133から突出した細長い2次フィン134を設けた場合、1次フィン133にルーバーやディンプルを設ける場合よりも、同じ体積増加分でより大きな表面積を確保することが容易である。したがって、本実施形態では、吸着剤の充填体積をほとんど減少させることなく熱交換器表面積Ahを増加させることができる。
次に、水蒸気圧損ΔPの低下方法について説明する。
以下、第2熱交換器130の前面面積をコア前面面積Afという。なお、コア前面面積Afは、第2熱交換器130のコア巾Xa(図2参照)とコア高さYa(図2参照)との積(Af=Xa×Ya)である。また、第2熱交換器130を気相冷媒の流通方向に見たときの、気相冷媒が流通する各気相冷媒流路136の面積の和を、気相冷媒流路断面積Asという。
ところで、吸着速度の向上には気相冷媒が小さい圧損で第2熱交換器130全体に行き渡る必要がある。具体的には、As/Afが0.1以上であれば、充分に気相冷媒を供給することができる。
本実施形態では、1次フィン133の板厚Tf(図3参照)を50μm、2次フィン134の長さLf(図3参照)を100μm、対向する2次フィン134の間に設けられた気相冷媒流路136の幅Wr(図3参照)を50μm、としている。この場合、As/Afが0.167となり、水蒸気圧損ΔPを低くすることができるため、気相冷媒の供給を充分に行える。
以上の検討結果を踏まえて設計を行うことにより、図表5(b)に示す仕様を満足する第2熱交換器130を得ることができる。
(他の実施形態)
上記実施形態においては、1次フィン133をプレートフィンとしているが、例えば、コルゲートフィンとしてもよい。
本発明の一実施形態に係る吸着式ヒートポンプの全体構成図である。 図1の第2熱交換器130の正面図である。 図2のA部の拡大図である。 図3のB矢視図である。 吸着ヒートポンプを車両用空調装置に適用する際の第2熱交換器(吸着コア)130の要求仕様等を示す図表である。 熱媒体と吸着剤135との間の熱交換割合とエントロピー変動無次元数ωτaとの関係を示す図である。
符号の説明
131…チューブ、133…1次フィン、134…2次フィン、135…吸着剤、La…吸着剤層厚さ。

Claims (6)

  1. 熱媒体が流通するチューブ(131)と、
    前記チューブ(131)の周囲に充填されて、蒸発した気相冷媒を吸着するとともに、加熱されることにより吸着していた冷媒を脱離する吸着剤(135)と、
    前記チューブ(131)と前記吸着剤(135)との間の伝熱を行うフィン(133、134)とを備える吸着コアの運転方法において、
    前記フィン(133、134)の表面から最も離れた位置の前記吸着剤(135)と前記フィン(133、134)の表面との間の距離を吸着剤層厚さLa(単位:mm)、
    前記吸着剤(135)の熱拡散率を熱拡散率α(単位:mm2/秒)、
    前記吸着剤(135)に気相冷媒を吸着させる時間を切替時間τ(単位:秒)とし、
    周波数f=1/(2・τ)、角周波数ω=2・π・f、熱浸透深さδ≡(2・α/ω)1/2、エントロピー変動無次元数ωτa≡(La/δ)2、としたとき、
    前記吸着剤層厚さLa0.6mm以下とし、かつ、前記エントロピー変動無次元数ωτa5以下とすることを特徴とする吸着コアの運転方法
  2. 前記吸着剤層厚さLa0.3mm以下とし、かつ、前記エントロピー変動無次元数ωτa1以下とすることを特徴とする請求項に記載の吸着コアの運転方法
  3. 前記吸着剤層厚さLaが0.1mm以下とし、かつ、前記エントロピー変動無次元数ωτa0.1以下とすることを特徴とする請求項に記載の吸着コアの運転方法
  4. 前記フィンは、前記チューブ(131)の表面に接合されるとともに前記吸着剤(135)と接触して、前記チューブ(131)と前記吸着剤(135)との間の伝熱を行う1次フィン(133)、および、前記1次フィン(133)の表面に接合されるとともに前記吸着剤(135)と接触して、前記1次フィン(133)と前記吸着剤(135)との間の伝熱を行う2次フィン(134)から構成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の吸着コアの運転方法
  5. 前記2次フィン(134)は、カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項に記載の吸着コアの運転方法
  6. 前記吸着コアの前面面積をコア前面面積Af、前記吸着コアにおける気相冷媒が流通する気相冷媒流路(136)の断面積を気相冷媒流路断面積Asとしたとき、As/Afが0.1以上であることを特徴とする請求項4または5に記載の吸着コアの運転方法
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