JP4461640B2 - 受信器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信に用いられる受信器に係り、特に、希望周波数帯域の信号を高精度に取り出すことができ、且つ、低コスト、省スペース化を図ることのできる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来における通信方式としてスーパーヘテロダイン方式が知られている。図8は、シングルスーパーヘテロダイン方式を用いた受信器の構成を示すブロック図であり、同図に示すように、該受信器101は、アンテナ102と、該アンテナ102を介して受信されるRF信号(高周波信号)から所望の周波数帯域の信号を取り出すRF用BPF(バンドパスフィルタ)103と、低雑音増幅器104と、RF信号をIF信号(中間周波信号)に変換するミキサ105と、局部発振器106と、IF信号に変換された信号から所望の周波数帯域の信号を取り出すIF用BPF107と、復調器108と、水晶発振子109と、を具備している。
【0003】
そして、アンテナ11にて受信されたRF信号は、RF用BPF103、低雑音増幅器104を介してミキサ105に供給され、更に、該ミキサ105には、局部発振器106より出力されるローカル信号が与えられるので、RF信号はIF信号に変換され、復調器108にて復調された後、後段の回路に送られる。
【0004】
このように構成された受信器101では、低雑音増幅器104から復調器108までの、水晶発振子109を除く構成要素を、1つのIC回路で構成することが望まれるが、IF用BPF107をIC回路に組み込むことが困難である。
【0005】
即ち、図8に示した受信器101では、チャンネル妨害信号、スプリアス妨害信号を効果的に除去するために、IF用BPF107は、高精度なフィルタ性能が要求される。特に、STD−T67,30の規格を満足するためには、高性能なインダクタンスを搭載する必要があり、この場合には、インダクタンスをIC回路内に搭載することが困難であり、IF用BPF107を別途用意する必要がある。つまり、図8に示す鎖線「A」で囲んだ部分がIC化されている構成要素であり、IF用BPF107は、IC回路に組み込まれない。
【0006】
このため、部品点数が多くなり、且つ装置規模が大型化するばかりでなく、コストアップにつながるという問題が発生していた。
【0007】
また、前述のIF用BPF107を用いないものとして、図9に示すダイレクトコンバージョン方式を用いた受信器111が知られている。該受信器111は、復調器123を簡素に構成することができるFSK(frequency shift keying)変調方式が採用される。
【0008】
そして、この受信器111では、低雑音増幅器112、クアドラチャミキサ113,114、局部発振器115、フィルタ116,117、アンプ118,119、リミッタ120,121、FSK復調器123を1つのIC回路内に搭載することができるので、図8に示した受信器101と比較すると、外部部品としてのIF用BPF107を取り付ける必要がなく、回路構成を簡素化し、コストダウンを図ることができる。
【0009】
しかし、図9に示した受信器111では、水晶発振子124より出力される基準周波数が、温度変化等に起因して変化することがあり、この場合には、送信器、受信器間の離調が発生し、受信感度が劣化するという問題がある。この問題を解決するために、自動周波数調整回路を搭載する必要がある。
【0010】
また、通常、周波数変換後のIF信号には、直流成分の雑音信号が現れる。従って、ダイレクトコンバージョン方式では、この直流成分のみを有効に除去し、且つ、信号成分のみをできるだけ通過させることのできる高次のハイパスフィルタ、またはDCオフセット電圧をキャンセルする回路が必要となる。特に、STD−67,30規格のように、狭帯域の仕様を満足させるためには、高次のハイパスフィルタを搭載することは、IC回路の規模を増大させ、更には、消費電流を増大させるという結果に結びつく。
【0011】
よって、ダイレクトコンバージョンの大きな利点である、簡素な回路構成を実現することができるというメリットを享受することができない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来より用いられている受信器では、STD−67,30の規格を満足しようとすると、シングルスーパーヘテロダイン方式を用いた受信器101では、外付け部品が必要になるという問題があり、ダイレクトコンバージョン方式を用いた受信器111では、周波数の離調に弱く、且つ、ダイレクトコンバージョン方式特有のDCオフセット電圧を除去するために、回路規模が余儀なく大型化されるという欠点があった。
【0013】
この発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、部品点数が少なく、周波数の離調を防止することができ、且つ、DCオフセット電圧の影響を低減することのできる受信器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、周波数fRFが426MHz〜470MHzの帯域にあるRF信号をIF信号に変換する機能を具備し、前記RF信号の周波数fRFに対して、前記IF信号の周波数fIFの帯域を加算または減算してなる帯域の周波数のローカル信号を出力するローカル信号発生手段と、前記ローカル信号発生手段より出力されるローカル信号と前記RF信号とを混合し、前記RF信号をIF信号に変換するクアドラチャミキサと、前記クアドラチャミキサより出力されるIF信号から、正周波数または負周波数のいずれか一方の、所望周波数帯域信号を取り出すフィルタと、前記フィルタにて取り出された信号を復調する復調器と、を備え、下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする。
【0015】
(a){(チャンネル幅)−(専有帯域)/2}/2=fIFの帯域の下限
(b){(チャンネル幅)+(専有帯域)/2}/2=fIFの帯域の上限
(c)チャンネル幅が12.5kHzのとき、専有帯域は8.5kHz以下。
【0016】
チャンネル幅が25kHzのとき、専有帯域は8.5kHz以上で、16kHz以下。
【0017】
請求項2に記載の発明は、前記RF信号は、DBPSK、FSK、DQPSK、GFSK、のうちのいずれかの変調方式で変調され、当該変調方式を復調する復調器を具備したことを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記RF信号送信時のクロック周波数を再生するクロック再生手段と、該クロック再生手段にて再生されたクロック信号に同期して、前記復調器よりデータを出力するクロック同期出力手段と、を具備したことを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記受信したRF信号の信号強度に応じたアナログ信号を出力するRSSI発生手段を具備したことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4に記載した受信器の構成要素の一部を外付け部品とし、その他の構成要素をIC化したことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、前記フィルタは、不要波を除去するリアルバンドパスフィルタと、該リアルバンドパスフィルタを通過した信号の、正周波数、または負周波数の信号のいずれか一方を除去する非対称多相フィルタで構成されることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明は、前記フィルタは、前記IF信号の正周波数、または負周波数の信号のいずれか一方を除去する非対称多相フィルタで構成されることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る受信器の構成を示すブロック図である。同図に示すように、該受信器1は、キャリア周波数fRF(fRF=426MHz〜470MHz)のRF信号を受信するアンテナ2と、アンテナ2で受信されたRF信号から所望する周波数成分を取り出すBPF(バンドパスフィルタ)3と、BPF3の出力信号を増幅する低雑音増幅器4と、クアドラチャミキサ5を有している。
【0024】
更に、クアドラチャミキサ5にI軸、Q軸方向のローカル信号を出力する周波数シンセサイザ(ローカル信号発生手段)6と、クアドラチャミキサ5で周波数変換された信号(IF信号)から所望する周波数帯域の信号を取り出すフィルタ7と、I軸方向の信号及びQ軸方向の信号を2値化するリミッタ8,9を具備している。
【0025】
また、当該受信器1が所定時間動作しないときに、待機モードに切り換えるシャットダウン回路12と、リミッタ8,9の出力レベルを監視し、該出力レベルが所定値を越えた際に、待機モードから通常動作モードに切り換えるRSSI発生部(RSSI発生手段)10と、リミッタ8,9にて2値化されたIF信号をベースバンド信号に復元する復調器11と、を有している。
【0026】
更に、復調された信号に含まれるクロック信号を再生するクロック再生部(クロック再生手段)14と、該クロック再生部14にて再生されたクロック信号に同期して、復調された信号を出力するクロック同期出力部(クロック同期出力手段)13と、バッテリ(図示省略)の残量を監視するバッテリモニタ回路16と、バッテリ電圧が低下したときに、外部CPUにリセット信号を送信するリセット回路15と、を具備している。
【0027】
なお、図1に示す鎖線「B」で囲んだ構成要素が、1つのIC回路に搭載される。
【0028】
図2は、クアドラチャミキサ5、及びフィルタ7の詳細な構成を示すブロック図である。同図に示すように、フィルタ7は、クアドラチャミキサ5より出力されるI軸信号の所望周波数帯域成分を取り出すBPF71と、Q軸信号の所望周波数帯域成分を取り出すBPF72と、受動素子で構成される非対称多相フィルタ73と、を具備している。
【0029】
なお、フィルタ7は、図3に示すように、能動素子より成るアクティブ非対称多相フィルタ73′を具備したフィルタ7′とすることも可能である。この場合には、BPF71,72は不要となる。
【0030】
図4は、周波数シンセサイザ6の詳細な構成を示すブロック図であり、同図に示すように、該周波数シンセサイザ6は、フラクション−N方式のPLL方式を用いており、水晶発振子17より出力される振動をパルス信号に変換して出力する発振回路61と、水晶発振子17の初期偏差補正を行う水晶補正データが入力され、水晶発振子17の発振周波数のずれに応じた分周比補正データを保持する補正レジスタ62と、チャンネル間隔に対応したデータ(チャンネル設定信号)を記憶し、このチャンネル間隔に応じて所望のチャンネル周波数を設定するチャンネルレジスタ63と、補正レジスタ62、及びチャンネルレジスタ63の出力信号に応じて分周比を設定する分周比制御部64と、を具備している。
【0031】
更に、可変分周器67と、該可変分周器67で分周された周波数と発振回路61より出力されるパルス信号の周波数とを比較する位相比較器(PFD)65と、位相比較器65で求められる位相ずれに応じた電圧信号を出力するチャージポンプ66と、ループフィルタ68と、基準周波数fLOとなるローカル信号を出力する電圧制御発振器69と、を有している。
【0032】
本発明では、STD−T67,30の規格に合わせて基準周波数fLOを設定している。このSTD−67,30の規格では、以下の表1に示すように、チャンネル幅、及び専有帯域が設定されている。
【0033】
【表1】
Figure 0004461640
即ち、チャンネル幅12.5kHzで専有帯域が8.5kHz以下、或いは、チャンネル幅25kHzで専有帯域が8.5kHz〜16kHzに設定される。
【0034】
そして、IF信号の周波数fIFを以下に示す、数1(下限)、数2(上限)に示す範囲内となるようにし、この周波数fIFに対応する基準周波数fLOを設定する。
【0035】
【数1】
Figure 0004461640
【数2】
Figure 0004461640
チャージポンプ66は、外部からの制御信号(チャージポンプ電流制御信号)により、出力電流を切り換える機能を有しており、PLLのループがロックするまでの間は、チャージポンプ電流を大きくすることにより、制御電圧の変化を大きくし、短時間のうちに電圧制御発振器69より所望の周波数の信号が発振されるように制御する。また、ループがロックした後は、チャージポンプ電流を小さくすることにより、急激な電圧制御発振器69の、出力周波数の変化を防止すると共に、消費電力を削減する。
【0036】
図5は、復調器11の具体的な構成を示すブロック図である。該復調器11は、例えば、DBPSK、FSK、DQPSK、GFSK、等の変調方式で変調されたRF信号を復調するものであり、図示のように、遅延器21と、乗算器22、加算器23、LPF(ローパスフィルタ)24、マルチプレクサ25、及びリミッタ26から構成されている。
【0037】
そして、I軸信号に対し、1次遅延、2次遅延、3次遅延されたQ軸信号を乗算器22にて乗算し、且つ、Q軸信号に対し、1次遅延、2次遅延、3次遅延されたI軸信号をそれぞれ乗算器22にて乗算する。その後、3つの加算器23で加算処理を行い、これら3つの信号のうち、最も信号レベルの大きいものを選択し、マルチプレクサ25より出力する。
【0038】
次に、前述のように構成された本実施形態の動作について説明する。まず、図4に示した周波数シンセサイザー6の動作から説明すると、水晶発振子17より出力される振動は、発振回路61によりパルス信号に変換され、該パルス信号は、位相比較器65に供給される。また、電圧制御発振器69より出力されるローカル信号は、可変分周器67にて分周され、位相比較器65に供給される。そして、該位相比較器65では、発振回路61より出力されるパルス信号の周波数と、可変分周器67より出力されるパルス信号の周波数との間の位相ずれが求められる。
【0039】
チャージポンプ66は、求められた位相ずれの大きさに相当する電圧信号を出力し、この電圧信号は、ループフィルタ68にて不要周波数成分が除去された後、電圧制御発振器69に供給される。電圧制御発振器69は、この電圧信号に基づいて、所望の基準周波数fLOを有するローカル信号を出力する。
【0040】
また、補正レジスタ62には、水晶発振子17の初期偏差補正を行うための水晶補正信号が入力され、水晶発振子17の発振周波数のずれに応じた分周比補正データが記憶される。そして、この分周比補正データは、分周比制御部64に出力される。更に、チャンネルレジスタ63には、チャンネル間隔及び所望チャンネルを設定するチャンネル設定信号が入力され、チャンネル周波数に応じた分周比データが記憶される。そして、この分周比データは、分周比制御部64に出力される。
【0041】
分周比制御部64は、補正レジスタ62より与えられる分周比補正データ、及びチャンネルレジスタ63より与えられる分周比データに応じて、分周比を設定する。
【0042】
次に、図1に示す回路の動作を説明する。図1に示すアンテナ2で、周波数fRF(426MHz〜470MHz)のRF信号(高周波信号)が受信されると、該RF信号はBPF3にて所望の帯域の信号が取り出され、低雑音増幅器4にて増幅される。
【0043】
次いで、増幅されたRF信号は、クアドラチャミキサ5に供給され、また、該クアドラチャミキサ5には、I/Q信号を有する周波数fLO(fLO=fRF±fIF)のローカル信号が周波数シンセサイザ6より供給されるので、これらが混合される。これにより、受信されたRF信号は周波数変換され、I/Q信号を有する周波数fIF(数1,数2に示した下限、上限を有する範囲の周波数)のIF信号となる。
【0044】
その後、IF信号は、フィルタ7にて妨害波成分が除去され、リミッタ8,9で2値化される。なお、フィルタ7の詳しい動作については後述する。そして、2値化された信号は、復調器11に供給される。復調器11は、図5に示したように、遅延器21を用いて3つの遅延信号を求めており、このうちレベルが最大となる信号を選択する。これにより、離調の発生を防止することができる。
【0045】
復調器11としては、FSK(GFSK)等の周波数変調波を復調するI/Q信号を利用したFSKクアドラチャ検波器、またはI/Q信号クアドラチャ検波器を用いる。また、DPSKやDQPSK等の位相変調波を復調する復調器を用いることが可能である。
【0046】
また、図1に示すクロック再生部14では、復調された信号から、クロック周波数を再生し、該クロック周波数信号をクロック同期出力部13に出力する。クロック同期出力部13は、再生されたクロック信号に同期した復調データを後段の装置へ出力する。
【0047】
更に、RSSI発生部12では、受信した信号の信号強度に応じたアナログ信号を出力するので、該出力信号に応じて受信信号の強度を知ることができる。そして、この信号を用いることにより、システムを待機モード、及び通常動作モードを切り換えることができる。即ち、シャットダウン回路12にて、システムを待機モードに切り換えることにより消費電力を節減し、その後、RSSI発生部13で検出される信号レベルが所定値を越えたときに、待機モードを解除して通常動作モードに切り換えることができる。
【0048】
次に、図2に示したフィルタ7(BPF71,72、及び非対称多相フィルタ73)の動作について説明する。図6はクアドラチャミキサ5より出力される信号のスペクトル配置図である。同図において、横軸は周波数の大きさであり、縦軸はスペクトルの大きさである。また、横軸方向の中央部が周波数ゼロとなる点である。
【0049】
そして、同図は、周波数fRFのRF信号(S1)に対して、周波数fLO(=fRF+fIF)のローカル信号(S2)を混合したときに発生するスペクトルを示している。クアドラチャミキサ5を用いることにより、理想的にはローカル信号の負の周波数成分はゼロとなるが、実際には、ゼロとならず、周波数(−fLO)となる負のローカル信号(S5)が存在する。
【0050】
従って、周波数fIFのスペクトルS7は、符号S3に示すイメージ信号による成分S7aと、符号S4に示す周波数(−fRF)の負のRF信号による成分S7bとが加算された信号となる。
【0051】
同様に、周波数(−fIF)のスペクトルS8は、符号S1に示す周波数fRFの正のRF信号による成分S8aと、符号S6に示す負のイメージ信号による成分S8bとが加算された結果となる。
【0052】
そして、図1に示すフィルタ7では、図6に示した周波数スペクトルのうち、符号S7に示す周波数帯域のみを通過させることにより、所望するIF信号を取り出している。即ち、図2に示すBPF71,72にて図6の領域R1,R2に示す周波数帯域を選択的に通過させ、更に、非対称多相フィルタ73により、領域R3に示す周波数帯域のスペクトルを抑える。これにより、希望する周波数fIFのスペクトル成分のみを取り出すことができる。なお、符号S7bに示すイメージ信号成分は、不要な成分であるため除去する必要があるが、該イメージ信号成分は希望するIF信号に対して低いレベルであるので、取り除く処理を行わない。
【0053】
一方、図3に示したフィルタ7′では、図7に示す周波数スペクトルのうち、符号S7に示す周波数帯域のみを通過させることにより、所望するIF信号を取り出している。即ち、図3に示すアクティブ非対称多相フィルタにて、図7の符号R4に示す周波数帯域を選択的に通過させる。これにより、フィルタ7と同様にして、希望する周波数fIFのスペクトル成分のみを取り出すことができる。
【0054】
次に、具体的な実施例について説明する。いま、IF信号の周波数fIFを4.8KHz、希望波のキャリア周波数(RF信号の周波数)fRFが426.05MHzの場合を例にとって説明する。この設定では、チャンネル幅を12.5kHz、専有帯域8.5kHz以下とする規格の場合、周波数fIFは前述した数1、数2に規定した範囲内に含まれている。周波数シンセサイザ6より出力されるローカル信号の周波数fLOは、チャンネル設定端子の設定により、426.0548MHzを出力するようになされている。この場合、イメージ周波数fimg(=fRF+2*fIF)は、426.0596MHzとなり、STD−T67,30規格での利用帯域内に設定される。
【0055】
即ち、チャンネル間隔12.5KHz(専有帯域8.5KHz以下)、或いはチャンネル間隔25KHz(専有帯域8.5kHz〜16kHz)で設定される場合には、隣接チャンネルに影響を与えることなく、IF信号を取り出すことができる。日本国内においては、この周波数帯域には、STD−T67,30規格の送受信器以外の無線信号は存在しない。
【0056】
よって、この受信器を利用した無線機を利用する環境下に同一規格の無線機がごく近くにあり、隣接したチャンネルを利用している場合を除けば、イメージ周波数に強大な妨害波が存在することは極めてまれであり、希望する周波数の信号を選択的に取り出すことができる。
【0057】
なお、上記した実施形態では、IF信号の周波数fIFを4.8KHzとする例について説明したが、fIFを数1,数2に設定した範囲内とすれば、ARIB STD−T67,30の規格に合致した形で、帯域外干渉波を有効に除去することができる。
【0058】
このようにして、本実施形態に係る受信器1では、従来のスーパーへテロダイン方式の受信器と比較し、外付け部品が不要となり一つのICで回路(図1に示す「B」で囲んだ範囲)を構成することができる。従って、コストダウン、及び省スペース化を図ることができる。
【0059】
また、IF信号の周波数fIFが、前述した数1、数2に示す下限、上限の範囲内に設定されるので、周波数がゼロとなる点から幾分離れた周波数(正、または負)にてIF信号のスペクトルが発生する。よって、DC成分の影響を受けず、且つ、隣接するチャンネルの影響を受けずに希望周波数成分を選択的に取り出すことができる。従って、直流成分を除去するための回路が不要となり、回路構成を簡素化することができる。
【0060】
更に、復調器11では、3つの遅延信号を生成し、このうち信号レベルが最大となるものを選択して復調しているので、送信器、受信器間にて離調が発生した場合でも、これを補正することができる。従って、自動周波数調整機能を用いることなく、受信感度の劣化を防止することができる。
【0061】
以上、本発明の受信器1を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0062】
例えば、上記した実施形態では、図6に示したように、マイナス側のIF信号を抑圧し、プラス側のIF信号を選択的に取り出す例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラス側のIF信号を抑圧し、マイナス側のIF信号を取り出すように構成することも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本願請求項1、2の発明では、受信されたRF信号をクアドラチャミキサにより、IF信号に変換し、且つ、フィルタにより、該IF信号の、正周波数、または負周波数のうちのいずれか一方を選択的に取り出している。従って、従来のスーパーヘテロダイン方式の受信器のように、バンドパスフィルタを外付けする必要がなく、構成を簡素化することができる。また、従来のダイレクトコンバージョン方式のように、DC成分を除去するための回路を搭載する必要がなく、省スペース、低コスト化を図ることができる。
【0064】
請求項3の発明では、受信されたRF信号に含まれるクロック信号を再生して復調データを出力するので、受信信号に同期したベースバンド信号の再生が可能になる。
【0065】
請求項4の発明では、RSSI発生手段により、受信信号の強度を監視することができるので、待機モード、及び通常モードの切り換えを行う際に有用である。
【0066】
請求項5の発明では、当該受信器を構成する各構成要素のうちの一部を外部部品とし、その他をIC化するので、装置全体を簡素に構成することができる。
【0067】
請求項6の発明では、リアルバンドパスフィルタと、受動素子で構成される非対称多相フィルタにて、フィルタが構成されるので、不要成分を取り除き、希望波のみを確実に取り出すことができる。
【0068】
請求項7の発明では、能動素子を使用した非対称多相フィルタを用いてフィルタが構成されるので、不要成分を取り除き、希望波のみを確実に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る受信器の構成を示すブロック図である。
【図2】クアドラチャミキサ、及びフィルタの構成を示すブロック図である。
【図3】アクティブ非対称多相フィルタを用いたフィルタの構成を示すブロック図である。
【図4】周波数シンセサイザの構成を示すブロック図である。
【図5】復調器の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る受信器の信号配置図である。
【図7】アクティブ非対称多相フィルタを用いたときの信号配置図である。
【図8】従来のシングルスーパーヘテロダイン方式の受信器の構成を示すブロック図である。
【図9】従来のダイレクトコンバージョン方式の受信器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 受信器
2 アンテナ
3 BPF(バンドパスフィルタ)
4 低雑音増幅器
5 クアドラチャミキサ
6 周波数シンセサイザ
7,7′ フィルタ
8,9 リミッタ
10 RSSI発生部
11 復調器
12 シャットダウン回路
13 クロック同期出力部
14 クロック再生部
15 リセット回路
16 バッテリモニタ
21 遅延器
22 乗算器
23 加算器
24 LPF(ローパスフィルタ)
25 マルチプレクサ
26 リミッタ
61 発振回路
62 補正レジスタ
63 チャンネルレジスタ
64 分周比制御部
65 位相比較器
66 チャージポンプ
67 可変分周器
68 ループフィルタ
69 電圧制御発振器
71,72 バンドパスフィルタ
73 非対称多相フィルタ
73′ アクティブ非対称多相フィルタ

Claims (7)

  1. 周波数fRFが426MHz〜470MHzの帯域にあるRF信号をIF信号に変換する機能を具備し、
    前記RF信号の周波数fRFに対して、前記IF信号の周波数fIFの帯域を加算または減算してなる帯域の周波数のローカル信号を出力するローカル信号発生手段と、
    前記ローカル信号発生手段より出力されるローカル信号と前記RF信号とを混合し、前記RF信号をIF信号に変換するクアドラチャミキサと、
    前記クアドラチャミキサより出力されるIF信号から、正周波数または負周波数のいずれか一方の、所望周波数帯域信号を取り出すフィルタと、
    前記フィルタにて取り出された信号を復調する復調器と、を備え、
    下記(a)〜(c)の条件を満たすことを特徴とする受信器。
    (a){(チャンネル幅)−(専有帯域)/2}/2=fIFの帯域の下限
    (b){(チャンネル幅)+(専有帯域)/2}/2=fIFの帯域の上限
    (c)チャンネル幅が12.5kHzのとき、専有帯域は8.5kHz以下。
    チャンネル幅が25kHzのとき、専有帯域は8.5kHz以上で、16kHz以下。
  2. 前記RF信号は、DBPSK、FSK、DQPSK、GFSK、のうちのいずれかの変調方式で変調され、当該変調方式を復調する復調器を具備したことを特徴とする受信器。
  3. 前記RF信号送信時のクロック周波数を再生するクロック再生手段と、該クロック再生手段にて再生されたクロック信号に同期して、前記復調器よりデータを出力するクロック同期出力手段と、を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の受信器。
  4. 前記受信したRF信号の信号強度に応じたアナログ信号を出力するRSSI発生手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の受信器。
  5. 請求項1〜請求項4に記載した受信器の構成要素の一部を外付け部品とし、その他の構成要素をIC化したことを特徴とする受信器。
  6. 前記フィルタは、不要波を除去するリアルバンドパスフィルタと、該リアルバンドパスフィルタを通過した信号の、正周波数、または負周波数の信号のいずれか一方を除去する非対称多相フィルタで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の受信器。
  7. 前記フィルタは、前記IF信号の正周波数、または負周波数の信号のいずれか一方を除去する非対称多相フィルタで構成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の受信器。
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