JP4460498B2 - 電動弁 - Google Patents

Description

本発明は、冷凍サイクルに配設されて冷媒の流量を制御する電動弁に関する。

冷媒の流量を制御する電動弁にあっては、冷媒が弁室を通過する際に流動音を発生させる。
下記特許文献は、この流動音を低減する電動弁を開示している。
特開２００５−３３３６号公報

弁体が装備されている弁室内に流入する冷媒は、液相冷媒中に気相冷媒が泡沫として混入される状態が起こる。
この泡沫が成長して大きな気泡となると、弁室内を通過する際に衝突音を発生し、騒音の原因となる。
本発明の目的は、気泡により発生する騒音の低減を図る電動弁を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の電動弁は、弁室と弁室の軸線方向に形成されるオリフィスを有する弁本体と、弁室に配設される弁体と、弁体をオリフィスに対して離接する電動手段と、弁室の軸線に直交する方向に設けられる冷媒通路と、冷媒通路およびオリフィスに連通される１対の配管を備え、冷媒通路は、弁軸の軸線に沿う方向に並べられる２つの小径穴であって、２つの小径穴の弁室側の端部は、弁室の内径部に対して互に反対向きの接続方向に開口するものである。

本発明は以上の手段を備えることにより、弁室に流入する冷媒中の気泡が弁体に衝突する際に発生させる衝突音を低減することができる。

図１は本発明の電動弁の全体構成を示す説明図である。
全体を符号１で示す電動弁は、黄銅等で作成される弁本体１０を有する。弁本体１０は弁体が挿入される弁室１４とオリフィス１２を有し、弁室１４に連通する配管２０とオリフィス１２に連通する配管２２が固着される。

弁本体１０には、ナット部材３０を介してモータユニット５０の軸受５２が取付けられる。
モータユニット５０は、モータ５４と減速装置５６を有し、減速された出力は、出力軸６０を介してドライバー６２に伝達される。

軸受５２の中心部にはねじ軸６４が螺合し、ドライバー６２によりねじ軸６４は回転駆動され、軸方向に移動する。ねじ軸６４の移動は、ボール７０、受け部材７２を介して弁軸８０に伝達される。弁軸８０の先端には弁体８２が取り付けてあり、オリフィス１２からのリフト量により通過する冷媒の流量を制御する。

弁軸８０の外周部にはベローズ９２が配設され、リング部材９０により弁本体１０に固着される。このベローズ９２により、弁室１４側とモータユニット５０の間がシールされる。
第１の配管２０と弁室１４の間は冷媒通路である２つの小径穴１００，１１０を介して連通される。

図２は、弁本体１０とその内部の構造の詳細を示し、（ａ）は断面図、（ｂ）は（ａ）の左側面図、（ｃ）はＸ−Ｘ´断面のｂ矢視、（ｄ）はＸ−Ｘ´断面のａ矢視を示す。
第１の配管２０と弁室１４の間には、冷媒通路である２つの小径穴１００，１１０が設けられる。第１の小径穴１００と第２の小径穴１１０は、弁体の軸線方向に沿って上下に配設される。

第１の小径穴１００の第１の配管２０側の端部１００ａには、第１の配管２０の弁室１４の軸線と平行な中心線上に配置される。第１の小径穴１００の弁室側の端部１００ｂは、弁室１４の中心から偏位した位置、すなわち弁室１４の内径部１４ａの接線方向に開口する。
第２の小径穴１１０の第１の配管２０側の端部１１０ａは、第１の小径穴１００の端部１００ａの下方に配置されるが、その弁室１４側の端部１１０ｂは、弁室１４の内径部１４ａに対して、第１の小径穴１００の端部１００ｂとは反対側の接線方向に開口する。

図３は、本発明の電動弁の作用を示す説明図である。
第１の配管２０から弁室１４に向かう冷媒流Ｆは、２つの小径穴１００，１１０の位置から弁室１４に向かおうとする。小径穴１００，１１０の径寸法は、冷媒中に大きな気泡が含まれる場合であっても、当該気泡を十分に細分化する機能を持たせるために第１の配管２０の径寸法に比べて大幅に小さく設定されている。
この実施例では、小径穴１００，１１０の径寸法は配管２０の径寸法の約１／４に設定してあるが、小径穴１００，１１０の合計面積がオリフィス１２の面積と同等もしくは僅かに大きい程度に設定される。

そこで、第１の配管２０の冷媒流Ｆ中に含まれる大きな気泡は、小径穴の入口で細分化される。
小径穴１００，１１０を通過して弁室１４内に流入する冷媒流Ｆ_１，Ｆ_２は、互に反対向きの旋回流となって弁室１４に入る。

この２本の冷媒流Ｆ_１，Ｆ_２は、弁体８２に正面から衝突することはなく、このため冷媒流動音が低減する。
２本の冷媒流Ｆ_１，Ｆ_２は、弁室１４の内壁面１４ａに沿って流れてオリフィス側に向かう。
この作用により冷媒流はスムーズな流れとなり、弁室１４の通過時の騒音は低減される。
なお、上述した実施例にあっては、小径穴１００，１１０の配列を弁室に対して縦列に配置した例を説明したが、２つの小径穴は横列に配置したり、斜め方向に配置したりすることもできる。
要は、２つの小径穴から弁室に流入する冷媒流が直接に弁体に衝突することが回避される配列とすれば同様な効果を得ることができる。

本発明の電動弁の全体構成を示す説明図。 弁本体と内部構造の説明図。 本発明の電動弁の作用を示す説明図。

符号の説明

１ 電動弁
１０ 弁本体
１２ オリフィス
１４ 弁室
２０，２２ 配管
５０ モータユニット
６２ ドライバー
６４ ねじ軸
８０ 弁軸
８２ 弁体
１００，１１０ 小径穴

Claims (1)

1. 弁室と弁室の軸線方向に形成されるオリフィスを有する弁本体と、弁室に配設される弁体と、弁体をオリフィスに対して離接する電動手段と、弁室の軸線に直交する方向に設けられる冷媒通路と、冷媒通路およびオリフィスに連通される１対の配管を備える電動弁であって、
   冷媒通路は、その軸線に沿う方向に並べられる２つの小径穴であって、２つの小径穴の弁室側の端部は、弁室内の弁体に対して互に反対側に向く方向に開口する電動弁。
   

Images