JP3404817B2 - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JP3404817B2 JP22689993A JP22689993A JP3404817B2 JP 3404817 B2 JP3404817 B2 JP 3404817B2 JP 22689993 A JP22689993 A JP 22689993A JP 22689993 A JP22689993 A JP 22689993A JP 3404817 B2 JP3404817 B2 JP 3404817B2
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素生 森本
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクルを用いて
室温の低下を防ぎながら除湿を行う除湿運転が可能な空
気調和機に係り、特に除湿運転時に除湿絞り装置により
発生する冷媒流動音を低減した空気調和機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクルで除湿運転を行う空気調和
機の一従来例として、特開平2―183776号公報に
記載の例がある。この従来技術は、圧縮機、室外熱交換
器、絞り装置、室内熱交換器等を順次冷媒配管で接続
し、さらに室内熱交換器を二分割してこれらの間に除湿
運転用の除湿絞り装置を設けたサイクル構成が開示され
ている。そして除湿運転時には、冷媒を除湿絞り装置に
流すことにより、二分割した室内熱交換器のうち上流側
を凝縮器、下流側を蒸発器とし、蒸発器で冷却・除湿す
ると共に凝縮器で加熱して、温度をあまり下げずに湿度
を下げる除湿運転を可能にしている。さらに除湿絞り装
置として、二方弁の弁可動部に設けた小孔を使用する小
孔付二方弁構造が開示されている。
【0003】一般に、絞り装置の所では、絞り作用に伴
い大きな冷媒流動音、すなわち連続音及び不連続音が発
生し、この冷媒流動音、特に不連続音の大きさは絞り装
置に流入する高圧側冷媒の流動様式に大きく影響され
る。中でも、気体と液の二相流動状態で砲弾形気泡と液
が交互に現れるスラグ流やプラグ流の時に、冷媒流動音
が非常に大きくなることが知られている。ここで、連続
流動音は、主に液冷媒が絞り装置の絞り部で減圧膨張し
て高速の気液二相噴流になることによって生ずるもので
あり、また不連続流動音は、主に圧縮性流体である気体
冷媒と非圧縮性流体である液冷媒とが交互に絞り装置の
狭い流路を通過するときに生ずる大きな圧力変動によっ
て生じるものである。
【0004】こうした冷媒流動音の低減をはかった一従
来例として、特開昭57―129371号公報に記載の
ものがある。この従来技術では、冷房運転や暖房運転の
時に用いる室外熱交換器と室内熱交換器の間に設けた絞
り装置での冷媒流動音低減に関するものであり、絞り装
置である膨張弁の上流側、すなわち高圧側に固定のオリ
フィスを設け、膨張弁を通過する際の冷媒中の気泡を多
くし、またその分布を均一化して騒音レベルの低下を図
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平2―18377
6号公報に記載のような冷凍サイクルでは、除湿運転時
に、除湿絞り装置上流側の凝縮器となる室内熱交換器の
出口が気液二相状態になると除湿絞り装置の所で大きな
冷媒流動音が発生し、除湿絞り装置が室内側にあること
から、人に不快感を与えることになる。この問題に対し
て、従来は制振材や遮音材を設けることにより騒音低減
を図っていた。しかし、最近は快適性に対する要求が非
常に高くなり、騒音に対してさらに低減することが要求
されている。 また、特開昭57―129371号公報
に記載のような絞り装置の上流側にオリフィスを設ける
ような構成を特開平2―183776号公報に記載のよ
うな除湿運転を行う冷凍サイクルの除湿絞り装置に適用
すると、冷房運転あるいは暖房運転において、上記オリ
フィスが冷媒流の流通抵抗となって、性能低下を引き起
こすことになる問題があった。
【0006】本発明の目的は、特に、冷凍サイクルによ
り室温の低下を防ぎながら除湿を行う除湿運転が可能な
空気調和機において、上記従来技術の問題点を解決し、
冷房運転あるいは暖房運転での性能低下を防ぎつつ、除
湿運転時に除湿絞り装置で発生する冷媒流動音を低減で
きる空気調和機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の空
気調和機は、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器
を備え、該利用側熱交換器を二分割してその間に除湿運
転時に使用する除湿絞り装置を設け、除湿運転時には前
記二分割された利用側熱交換器の上流側が凝縮器として
作用し、下流側が蒸発器として作用して除湿を行う空気
調和機であって、除湿運転時における前記除湿絞り装置
の入口管内に多数の小孔を有するねじり板を設けること
により達成される。
【0008】上記目的は、圧縮機、熱源側熱交換器、利
用側熱交換器を備え、該利用側熱交換器を二分割してそ
の間に除湿運転時に使用する除湿絞り装置を設け、除湿
運転時には二分割された利用側熱交換器の上流側が凝縮
器として作用し、下流側が蒸発器として作用して除湿を
行う空気調和機であって、前記除湿絞り装置を除湿運転
時に閉状態、冷房運転あるいは暖房運転時に開状態で使
用する二方弁に除湿運転時に絞りとなる小孔を設けた構
造にするとともに、前記除湿絞り装置に対し、除湿運転
時における冷媒流入口側に気液分離器を設け、前記小孔
を設けた二方弁と気液分離器をこの気液分離器で分離し
た気体冷媒と液冷媒を独立に流すための別々の継管で接
続することにより達成される。
【0009】また、前記除湿絞り装置の前記小孔を設け
た二方弁が、その流路開閉を行う弁体に前記別々の継管
に対応した除湿運転時に絞りとして使用する別々の小孔
を設けられて構成されるようにしたものである
【0010】また、前記除湿絞り装置の前記小孔を設け
た二方弁を、その流路開閉を行う弁体に、前記別々の継
管に対応した別々の流路とこれらの流路をつなぐ接続流
路を設けるとともに、該接続流路の先に除湿運転時に絞
りとして使用する小孔を設けた構造にしたものである
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】以上のように構成されているので、絞り装置に
流入するスラグ冷媒流やプラグ冷媒流は、絞り装置入口
配管内に設けたねじり板により十分撹拌されて、気泡と
液が均一に混じり合った気泡流状態になり、冷媒流動音
が低減する。
【0018】また、絞り装置入口配管を水平にしさらに
その内径を除湿運転時に上流側に接続されて凝縮器とな
る利用側熱交換器の内径よりも十分大きくすると、この
水平太径入口管に流入するスラグ冷媒流やプラグ冷媒流
は、流速が十分遅くなるため、管内の下側が液冷媒、上
側が気体冷媒となった層状流あるいは波状流の状態に変
わり、冷媒流動音が低減する。
【0019】また、除湿絞り装置の上流側に気液分離器
を設けて気体冷媒と液冷媒を分離し、特に前述の小孔付
二方弁のような除湿絞り装置に、これらの冷媒を別々に
流入させることにより、上記小孔に流入する冷媒流を気
泡と液が均一に混じり合った状態になり、冷媒流動音が
低減する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を、建家に取り
付ける空気調和機を想定して、図1から図6により説明
する。
【0021】図1は本実施例に関係する冷凍サイクルを
示す構成図、図2は、図1の冷凍サイクルを構成する小
孔付二方弁7の構造を示す縦断面図、図3は、図2にお
いて、第1継管30内に設けたねじり板32をそれぞれ
矢印33の方向から見た図、図4は、本実施例のキャピ
ラリーチューブを用いた除湿絞り装置の構成図、図5
は、本実施例のねじり板の他の構造を示す斜視図、図6
は、本実施例の小孔付二方弁式除湿絞り装置の他の例を
示す縦断面図である。
【0022】図1に示すように、1は圧縮機、2は冷房
や暖房等の運転状態を切り換える四方弁、3は室外熱交
換器、4は冷房運転及び暖房運転の時に冷媒の流れる主
絞り装置、5は主絞り装置4と並列に設けた除湿運転時
に冷媒を流す二方弁、6a、6bは二分割された室内熱
交換器、7は室内熱交換器6aと6bとの間に詳細は後
述するように、これらと直列に設けた除湿絞り装置であ
る小孔付二方弁、8は圧縮機への液戻りを防止するため
のアキュムレータ、9は室外熱交換器3へ送風するため
の室外ファン、10は室内熱交換器6a及び6bに送風
するための室内ファンである。
【0023】又、図2において、20は、弁座21を備
えた弁本体、22は、弁本体20の内面に沿って摺動す
る太径部22aと、中心に空洞24、周壁に除湿運転時
に絞り作用を行う小孔23を設けるとともに、端部に弁
座21に接する弁部25を備えた細径部22bからなる
弁体であり、弁本体20と弁体の細径部22bとの間に
は弁室26が形成されている。また、27は弁バネ、2
8は吸引子、29は電磁コイル、30は除湿運転時に冷
媒流入口側になる第1継管、31は除湿運転時に冷媒流
出口側になる第2継管であり、第1継管30の内部には
端部32a、32bを持つねじり板32が挿入されてい
る。図3に示すように、ねじり板32は、少なくともそ
の端部32aが鉛直方向を向くように設けてある。
【0024】図1に示すように構成されたサイクル及
び、図2に示す構造の小孔付二方弁により、冷房運転時
には二方弁5を閉じ、小孔付二方弁7を開く(すなわ
ち、図2において、電磁コイル29をオンにし、弁体2
2を吸引子28に引きつけて弁部25を弁座21から引
き離し、第1継管30と第2継管がほとんど圧力損失無
しにつながるようにする。)ことにより、冷媒は実線矢
印で示すように、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器
3、主絞り装置4、室内熱交換器6a、小孔付二方弁
7、室内熱交換器6b、四方弁2、アキュムレータ8、
圧縮機1の順に循環し、室外熱交換器3を凝縮器、室内
熱交換器6a及び6bを蒸発器として室内を冷房する。
暖房運転時には、冷房運転から四方弁2を切り換える
ことにより、冷媒は、破線矢印で示すように、圧縮機
1、四方弁2、室内熱交換器6b、小孔付二方弁7、室
内熱交換器6a、主絞り装置4、室外熱交換器3、四方
弁2、アキュムレータ8、圧縮機1の順に循環し、室外
熱交換器3を蒸発器、室内熱交換器6a及び6bを凝縮
器として室内を暖房する。
【0025】こうした冷房運転及び暖房運転では、図2
に示すように小孔付二方弁7の第1継管30の中にねじ
り板32を挿入しても流路面積がほとんど変わらないこ
とから、圧力損失による性能低下はほとんどない。
【0026】除湿運転時には、四方弁2を冷房運転と同
様に切り換え、二方弁5を開き小孔付二方弁7を閉じる
(すなわち、図2において、電磁コイル29をオフに
し、弁体22を吸引子28から離して弁部25を弁座2
1に接触させ、第1継管30と第2継管が小孔23以外
ではつながらないようにする。)ことにより、冷媒は、
一点鎖線で示すように、圧縮機1、四方弁2、室外熱交
換器3、二方弁5、室内熱交換器6a、小孔付二方弁7
の小孔23、室内熱交換器6b、四方弁2、アキュムレ
ータ8、圧縮機1の順に循環し、小孔付二方弁7の小孔
23での絞り作用により、室外熱交換器3を上流側の凝
縮器、室内熱交換器6aを下流側の凝縮器、室内熱交換
器6bを蒸発器とする。そして、室内熱交換器6bで室
内空気の冷却、除湿行うとともに室内熱交換器6aで空
気を加熱することにより、室温の低下を防ぎながら除湿
する除湿運転を行うことができる。
【0027】なお、この除湿運転の場合、室外熱交換器
3での凝縮能力あるいは圧縮機1の能力を変えることに
より、室内熱交換器6aでの凝縮能力すなわち放熱量を
変えて、室内ファン10による吹出空気温度を冷房気味
から暖房気味の広い範囲にわたって制御することができ
る。また、室内熱交換器6aと6bは、前後に並べて室
内ファン10により風を室内熱交換器6bから6aに流
しても良く、あるいは上下に並べて室内ファン10によ
り風を室内熱交換器6aと6bに並列に流しても良い。
【0028】ここで、上記した除湿運転において、室内
外の温湿度条件、圧縮機1やファンの運転条件等によっ
ては、小孔付二方弁7の入口で冷媒流が気液二相状態に
なり、場合によっては、この気液二相流は砲弾形の気泡
が液流中に断続的に流れるスラグ流やプラグ流になるこ
とがある。こうしたスラグ冷媒流やプラグ冷媒流が小孔
付二方弁7の小孔23に流れ込むと、圧縮性の気体と非
圧縮性の液体が小孔23を通過するときの圧縮、膨張の
状態の違いにより連続流動音と不連続流動音からなる大
きな冷媒流動音が発生し、特に不連続流動音は耳障りな
音となる。そしてこの小孔付二方弁7が室内側にあるこ
とから、室内の人に不快感を与えることになる。
【0029】しかし、気液二相冷媒流の場合でも、流動
状態が、液の中に細かい気泡が均一に混じった気泡流の
場合や、液相の上に気相が層状に並んだ層状流や波状流
の場合には、冷媒流動音のレベルが下がるとともに不連
続音を大きく低減できることが一般に知られている。
【0030】ここで、図1から図3に示した第1の実施
例では、除湿運転時に冷媒流入口となる小孔付二方弁7
の第1継管30内にねじり板32が挿入されており、除
湿運転時にスラグ冷媒流やプラグ冷媒流が第1継管30
に流入すると、こうした冷媒流はねじり板30により撹
拌され、気体冷媒が小さな気泡になると同時に気泡が液
冷媒の中に均一に混じった気泡流になる。また、第1継
管30が水平の場合には気泡は上の方に片寄るが、この
場合にも、図3に示したように、ねじり板30を少なく
とも入口側端部32aが鉛直方向を向くように設けてあ
るから、図3において、ねじり板32によって二分割さ
れた第1継管30の二つの流路35、36のそれぞれの
中に気体冷媒と液冷媒の両方が入り込み、各流路35、
36の各冷媒流ともねじり板32によって十分撹拌さ
れ、ねじり板32の出口端32bでは小さな気泡が液の
中に均一に混じった気泡流になる。この結果、小孔23
を通過する時に発生する冷媒流動音は、その騒音レベル
が下がるとともに不連続音が大幅に下がる。
【0031】なお、以上の説明では、室内熱交換器6a
と6bの間に除湿絞り装置として小孔付二方弁7を用い
た場合を説明したが、これに限らず、除湿絞り装置とし
て、図4に示すような二方弁36とキャピラリーチュー
ブ37を結合部Aと結合部Bで並列に結合し、さらに結
合部Aとキャピラリーチューブ37の結合部Cの間の配
管内にねじり板32を設けた構成のものを用いても、図
2に示したものと同様な効果を得ることができる。
【0032】すなわち、図4において、除湿運転時に二
方弁36を閉じて冷媒を一点鎖線矢印のように流すと、
スラグ流やプラグ流となって流入する冷媒流は、ねじり
板32によって十分撹拌され、小さい気泡と液が均一に
混じった気泡流となってキャピラリーチューブ37に流
入する。この結果、図2に示した場合と同様に、キャピ
ラリーチューブ37で発生する連続あるいは不連続の冷
媒流動音を大幅に低減することができる。なお、図4に
おいて、冷房運転あるいは暖房運転の時には、二方弁を
36を開いて、冷媒を二方弁36に流すようにする。
【0033】また、図1に示す冷凍サイクルにおいて、
室内熱交換器6aと6bの間に除湿絞り装置7として全
開可能な電子式膨張弁(図示省略)を接続しても同様な
効果が得られる。すなわち、電子膨張弁の除湿運転時に
入口側となる接続管内にねじり板を設けるとともに電子
膨張弁を適当に絞ることにより、電子膨張弁入口冷媒流
を気泡流にして冷媒流動音を低減することができる。な
お、冷房運転あるいは暖房運転では、この電子膨張弁を
全開にして圧力損失のない状態で使用する。
【0034】さらに、これまでに述べたねじり板を図5
に示すような構造にしてもよい。図5に示すように、こ
のねじり板39には、面上に数多くの小孔40を設けて
いる。このねじり板の場合には、小孔40を通る冷媒流
により撹拌効果がさらに増大し、冷媒流の均一気泡流化
が促進され、絞り部で発生する冷媒流動音をさらに低減
することができる。
【0035】ここで、小孔付二方弁としては、図2に示
す以外の構造も考えられる。その一例を図6に示す。こ
の実施例では、図2に示す実施例において、移動可能な
弁体41を、従来例である特開平2―183776号公
報に記載のものと同様に、弁本体20の内面に沿って摺
動する太径部41aと、横孔42とこの横孔42から第
2継管31につながり絞り作用を行う縦小孔43とを設
けるとともに先端に弁部44を備えた細径部41bとか
ら構成したものである。また、図2と同一番号を附した
ものは同一部分を示しており、本実施例においては、第
1継管30内にはねじり板32を設けてある。
【0036】図6に示す構造によっても、図2に示すも
のと同様な効果を得ることができる。すなわち、図6に
おいて、除湿運転時には、冷媒は一点鎖線矢印のように
流れるが、小孔付二方弁を閉じる(すなわち、図6で、
電磁コイル29をオフにし弁体41を吸引子28から離
して弁部44を弁座21に接触させ、第1継管30と第
2継管31が横孔42を介した縦小孔43以外ではつな
がらないようにする。)ことにより、スラグ流やプラグ
流となって第1継管30に流入する冷媒流は、ねじり板
32によって十分撹拌され、小さい気泡と液が均一に混
じった気泡流となって横孔42から縦小孔43に流入す
る。この結果、図2ニに示した場合と同様に、縦小孔4
3で発生する連続あるいは不連続の冷媒流動音を大幅に
低減することができる。
【0037】本発明の第2の実施例を図7により説明す
る。図7は小孔付二方弁式除湿絞り装置の縦断面図であ
り、図2に示した絞り併用二方弁の構造において、第1
継管を十分太くするとともにその内部に設けたねじり板
32を取り除いたものである。図7において、50は弁
座51を持つ弁本体、52はほぼ水平に設けた小孔付二
方弁の第1継管、53は第1継管52と室内熱交換器6
aを結ぶ接続管であり、第1継管52の内径は、接続管
53の内径よりも十分大きくしてある。また図2と同一
番号を付したものは同一部分を示す。
【0038】図7に示す小孔付二方弁構造において、除
湿運転時に、接続管53の中でスラグ流やプラグ流であ
った冷媒流は、太径の第1継管52に流入すると流速が
遅くなるとともに第1継管52がほぼ水平に設けてある
ことから、上側が気相、下側が液相の層状流あるいは波
状流となる。この結果、絞り作用を行う小孔23を通過
することによって発生する冷媒流動音は、その騒音レベ
ルが下がるとともに不連続音が大幅に下がる。
【0039】また、図7に示す小孔付二方弁の第1継管
52を太径にするという構造を、図6に示す構造の小孔
付二方弁を適用した場合、図4に示すキャピラリーチュ
ーブを用いた場合、あるいは図1において室内熱交換器
6aと6bの間に全開可能な電子式膨張弁を接続した場
合(図示省略)等の除湿絞り装置の入口側に適用でき、
同様の作用及び効果を得ることができる。
【0040】本発明の第3の実施例を図8により説明す
る。図8は、小孔付二方弁及びその接続状態を変更させ
た実施例を示す小孔付二方弁式除湿絞り装置の縦断面図
である。図8において、60は、弁座61を備えた弁本
体、62は、弁本体60の内面に沿って摺動する太径部
62aと、中心に空洞65、周壁に除湿運転時に絞り作
用を行う上側小孔63と下側小孔64を設けると共に端
部に弁座61に接する弁部66を備えた細径部62bと
から成る弁体であり、弁本体60と弁体の細径部62b
との間には弁室67が形成されている。68、69はそ
れぞれ除湿運転時に冷媒流入口側になる上側第1継管、
下側第1継管、70は除湿運転時に冷媒流出口側になる
第2継管、71は上側第1継管68及び下側第1継管6
9に接続する気液分離器、72は気液分離器71と室内
熱交換器6aを結ぶ接続管である。また、図2と同一番
号を付したものは同一部分を示す。すなわち、図8に示
す実施例は、図2に示す実施例において、さらに第1継
管の前に気液分離器を設けるとともに弁体に設ける小孔
を上下2個設けたものである。
【0041】以上のように構成された本実施例におい
て、除湿運転時には、図2の場合と同様に小孔付二方弁
を閉じる(すなわち、図8において、電磁コイル29を
オフにし弁体62を吸引子28から離して弁部66を弁
座61に接触させ、上側第1継管68及び下側第1継管
69と第2継管70が上側小孔63と下側小孔64以外
ではつながらないようにする。)ことにより、冷媒を、
図1に一点鎖線で示すように、室内側では室内熱交換器
6a、小孔付二方弁の小孔63及び64、室内熱交換器
6bの順に流し、小孔付二方弁の小孔63及び64での
絞り作用により、室外熱交換器3を上流側の凝縮器、室
内熱交換器6aを下流側の凝縮器、室内熱交換器6bを
蒸発器とすることができる。そして、室内熱交換器6b
で室内空気の冷却、除湿行うとともに室内熱交換器6a
で空気を加熱することにより、室温の低下を防ぎながら
除湿するという、図1及び図2の場合と同様な除湿運転
を行うことができる。
【0042】ここで、上記した除湿運転において、小孔
付二方弁の小孔にスラグ流やプラグ流の気液二相冷媒流
が流入すると連続流動音と不連続流動音から成る大きな
冷媒流動音が発生するが、図8に示す実施例では、接続
管72を中を流れてきたスラグ流やプラグ流は、気液分
離器71に入ると、ここで気体冷媒73が上側で、液冷
媒74が下側に分離する。そして気体冷媒73は、小孔
付二方弁の上側第1継管68から上側小孔63を通って
絞られたあと第2継管70に流れ、液冷媒74は、小孔
付二方弁の下側第1継管69から下側小孔64を通って
絞られたあと第2継管70に流れる。この結果、絞り作
用を行う上側小孔63及び下側小孔64にスラグ流やプ
ラグ流等の気体と液体の断続流の流入することがなく、
冷媒流動音、特に不連続音を低減することができる。
【0043】また、図8において、弁体62の細径部6
2bに設ける絞り作用を行わせる小孔を、2個に限ら
ず、1個にしたり、さらに多数個(図示省略)にしても
冷媒流動音を低減することができる。すなわち小孔が1
個の場合には、上側第1継管68を通ってきた気体冷媒
と下側第1継管69を通ってきた液冷媒とが弁室67内
で混合して均一になってから小孔に入るため、冷媒流動
音、特に不連続音が低減する。小孔が多数個の場合に
は、図8に示す小孔が2個の場合の効果と小孔が1個の
場合との効果が合わさって冷媒流動音、特に不連続音が
低減する。なお、図8に示す小孔が2個の場合にも、小
孔が1個の場合の弁室67内で気体冷媒と液冷媒が均一
に混合するという効果は得られる。
【0044】本発明の第4の実施例を図9により説明す
る。図9は、本実施例の小孔付二方弁式除湿絞り装置の
縦断面図である。本実施例は、図8に示す実施例におい
て、小孔付二方弁において弁体の構造を変えたものであ
り、図6に示す実施例と図8に示す実施例を複合した場
合に相当する。図9において、82は、弁本体60の内
面に沿って摺動する太径部82aと、径の大きい上側横
孔83及び下側横孔84を設け、これらの横孔を径の大
きい縦孔85でつなぎ、さらに縦孔85の先に第2継管
70につながり絞り作用を行う縦小孔86、先端に弁部
87を設けた細径部82bとからなる弁体であり、88
は弁本体60と弁体の細径部82bとの間に形成された
弁室である。また、図8と同一番号を付したものは同一
部分を示す。
【0045】以上のように構成された本実施例におい
て、除湿運転時には、小孔付二方弁を閉じる(すなわ
ち、図9において、電磁コイル29をオフにし、弁体8
2を吸引子28から離して弁部87を弁座61に接触さ
せ、上側第1継管68及び下側第1継管69と第2継管
70とが上側横孔83から縦孔85あるいは下側横孔8
4を通して縦小孔86以外ではつながらないようにす
る。)ことにより、冷媒は、図1において一点鎖線で示
すように、室内側では室内熱交換器6a、小孔付二方弁
の横孔83、84から縦小孔86、室内熱交換器6bの
順に流れ、小孔付二方弁の縦小孔86での絞り作用によ
り、室外熱交換器3を上流側の凝縮器、室内熱交換器6
aを下流側の凝縮器、室内熱交換器6bを蒸発器とする
ように作用する。そして、室内熱交換器6bで室内空気
の冷却、除湿行うとともに室内熱交換器6aで空気を加
熱することにより、室温の低下を防ぎながら除湿する除
湿運転を行うことができる。
【0046】ここで、上記した除湿運転において、図9
に示す実施例では、図8に示す実施例と同様に、接続管
72を流れてきたスラグ流やプラグ流等の気液二相冷媒
流は、気液分離器71に入ると、ここで気体冷媒73が
上側で液冷媒74が下側に分離する。そして気体冷媒7
3は小孔付二方弁の上側第1継管68から上側横孔8
3、縦孔85を通って縦小孔86の入口に行き、液冷媒
74は下側第1継管69から下側横孔84を通って縦小
孔86の所に行き、縦小孔86の入口で気体冷媒と液冷
媒が均一に混じった後、縦小孔86に流入して絞り作用
が行われる。なお、この場合にも、前述したような、弁
室88での気体冷媒と液冷媒との均一混合作用は得られ
る。この結果、絞り作用をする縦小孔86にスラグ流や
プラグ流等の気体と液体の断続流の流入することがな
く、冷媒流動音、特に不連続音を低減することができ
る。
【0047】ところで、図1に示す冷凍サイクルにおい
ては、主絞り装置4としては、キャピラリチューブのよ
うな固定絞り装置に限らず、膨張弁や電動膨張弁のよう
な可変絞り装置を用いることができ、特に電動膨張弁に
おいて流通抵抗の少ない全開状態が可能なものを用いた
場合には、図2において二方弁5が不要になる。そして
こうした場合にも図2、図4、図5、図6、図7、図
8、図9に示すような構造を適用して、除湿運転時に除
湿絞り装置として用いる小孔付二方弁やキャピラリーチ
ューブでの冷媒流動音を低減できる。
【0048】また、図1に示す冷凍サイクルにおいて、
四方弁2を暖房サイクルになるように切換えて冷媒を室
内熱交換器6bから除湿絞り装置7、室内熱交換器6a
の順に流すとともに、図2、図6、図7、図8、図9に
示す実施例における小孔付二方弁の第1継管を室内熱交
換器6bに接続し第2継管を室内熱交換器6aに接続し
たり、あるいは図4に示す実施例の点A側を室内熱交換
器6bに接続し点B側を室内熱交換器6aに接続し、さ
らに小孔付二方弁を閉にしたり、あるいは図4に示す二
方弁36を閉にすることにより、室内熱交換器6bを凝
縮器、室内熱交換器6aを蒸発器として室温を下げずに
除湿する除湿運転を行うことができる。この場合にも、
これまでに述べた図2から図9に示す構造を適用して、
同様に除湿運転時の冷媒流動音を低減することができ
る。
【0049】さらに、これまでは冷房、暖房、除湿の三
つの運転状態ができる冷凍サイクルについて説明してき
たが、これに限るものではなく他の冷凍サイクルについ
てもこれまでに説明してきた効果は適用できる。例え
ば、図1において、四方弁2を取り、この位置に圧縮器
1とアキュムレータ8を、室内熱交換器6b、アキュム
レータ8、圧縮器1、室外熱交換器3が直列になるよう
に接続すると(図示省略)、この場合には、冷房運転と
冷房サイクルでの除湿運転が可能な冷凍サイクルとな
り、除湿運転において、図2から図9に示す構造を適用
して、同様に除湿絞り装置の所で発生する冷媒流動音を
低減することができる。また、図1において、四方弁2
を取り、この位置に圧縮機1とアキュムレータ8を、室
外熱交換器3、アキュムレータ8、圧縮機1、室内熱交
換器6bが直列になるように接続すると(図示省略)、
この場合には、暖房運転と暖房サイクルでの除湿運転が
可能な冷凍サイクルとなり、除湿運転において、図2か
ら図9に示す構造を適用して、同様に除湿絞り装置の所
で発生する冷媒流動音を低減することができる。
【0050】なお、図1を始めとするこれまでに述べて
きた冷凍サイクルの構成において、アキュムレータは必
ずしも必要ではなく、使用する圧縮機の種類あるいは主
絞り装置の種類や制御方法によってはアキュムレータを
設けない冷凍サイクル構成とすることができる。
【0051】さらに小孔付二方弁に対しては、特開昭6
1−41015号公報に開示されているようなパイロッ
ト弁を追加して圧力差が大きくても開閉できるようにし
たもの等、これまでに述べてきたもの以外の構造もある
が、弁座と弁部とを接触させたり離したりして第1継管
と第2継管との間の流路を必要に応じてできるだけ抵抗
なく開閉する基本構造はすべて共通であり、それらに対
しても図2から図9に示す構造を適用して、同様の作用
及び効果が得られることは明かである。
【0052】また、以上の説明では、冷凍サイクル内を
流れる冷媒の種類については特に触れなかったが、空気
調和機でよく使われているHCFC22(ハイドロ ク
ロロフルオロ カ−ボン22の略)等の単一冷媒を想定
して説明してきた。しかし最近は、オゾン層破壊や地球
温暖化の点からHCFC22に代わる代替冷媒の研究が
盛んになっている。また代替冷媒としては単一冷媒だけ
でなく混合冷媒の使用が検討されている。こうした代替
冷媒の場合にも、スラグ流やプラグ流等の砲弾形気泡と
液とが交互に来る気液二相流が絞り装置に流入すると冷
媒流動音、特に不連続音が大きくなるが、これまで述べ
たことと同様に、図23から図9に示す構造を適用して
冷媒流動音を低減できることは明かである。
【0053】又、これまでの説明では、建屋の空気調和
機を想定して熱交換器を室内熱交換器、室外熱交換器と
呼んできたが、本発明は、これに限らず、除湿運転が必
要な他の用途の装置にも適用可能である。こうした場合
を考えると、一般に、室内熱交換器は利用側熱交換器、
室外熱交換器は熱源側熱交換器、さらに室内ファンは利
用側ファン、室外ファンは熱源側ファンといいかえても
よい。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の空
気調和機によれば、室内熱交換器のような利用側熱交換
器を二分割してその間に除湿運転時に使用する除湿絞り
装置を設け、除湿運転時に、利用側熱交換器の一方を蒸
発器、他方を凝縮器として冷凍サイクルにより空気の冷
却、除湿及び加熱を行う冷凍サイクルにおいて、除湿絞
り装置に対して、入口管内にねじり板を設けたり、入口
管を太くしたり、気液分離器を設けて気体冷媒と液冷媒
を別々に流入させることにより、入口冷媒流が砲弾形気
泡と液とが交互に来るスラグ流やプラグ流になることを
避けることができ、除湿絞り装置で発生する冷媒流動
音、特に不連続音を大幅に低減できる。
【0055】又、冷凍サイクルによる加熱能力が比較的
大きいことから、静かで室温を下げずに湿度のみを下げ
る快適な除湿運転を行うことができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である冷凍サイクルによ
り空気の除湿及び加熱を行う除湿運転が可能な冷凍サイ
クルの構成を示す図である。
【図2】本実施例の除湿運転が可能な冷凍サイクルに使
用される小孔付二方弁を用いた除湿絞り装置を示す縦断
面図である。
【図3】本実施例の小孔付二方弁における除湿運転時の
冷媒入口管内に設けるねじり板の取り付け状態を示す横
断面図である。
【図4】本実施例のキャピラリーチューブを用いた除湿
絞り装置の構成図である。
【図5】本実施例のねじり板の他の構造を示す斜視図で
ある。
【図6】本実施例の小孔付二方弁式除湿絞り装置の他の
例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施例である小孔付二方弁式除
湿絞り装置の縦断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例である小孔付二方弁式除
湿絞り装置の縦断面図である。
【図9】本発明の第4の実施例である小孔付二方弁式除
湿絞り装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1…圧縮機、2…四方弁、3…室外熱交換器、4…主絞
り装置、5、36…二方弁、6a、6b…室内熱交換
器、7…除湿絞り装置、9…室外ファン、10…室内フ
ァン、20、50、60…弁本体、22、41、62、
82…弁体、23、63、64…小孔、27…弁バネ、
28…吸引子、29…コイル、30、52、68、69
…第1継管、31、70…第2継管、32、39…ねじ
り板、37…キャピラリーチューブ、42、83、84
…横孔、43、86…縦小孔、53、72…接続管、7
1…気液分離器、85…縦孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 英範 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社 日立製作所 リビング機器 事業部内 (72)発明者 梅田 知巳 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 29/00 411 F25B 41/06 F25B 43/00 F25B 41/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器
    を備え、該利用側熱交換器を二分割してその間に除湿運
    転時に使用する除湿絞り装置を設け、除湿運転時には前
    記二分割された利用側熱交換器の上流側が凝縮器として
    作用し、下流側が蒸発器として作用して除湿を行う空気
    調和機であって、除湿運転時における前記除湿絞り装置
    の入口管内に多数の小孔を有するねじり板を設けた空気
    調和機。
  2. 【請求項2】圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器
    を備え、該利用側熱交換器を二分割してその間に除湿運
    転時に使用する除湿絞り装置を設け、除湿運転時には二
    分割された利用側熱交換器の上流側が凝縮器として作用
    し、下流側が蒸発器として作用して除湿を行う空気調和
    機であって、前記除湿絞り装置を除湿運転時に閉状態、
    冷房運転あるいは暖房運転時に開状態で使用する二方弁
    に除湿運転時に絞りとなる小孔を設けた構造にするとと
    もに、前記除湿絞り装置に対し、除湿運転時における冷
    媒流入口側に気液分離器を設け、前記小孔を設けた二方
    弁と気液分離器をこの気液分離器で分離した気体冷媒と
    液冷媒を独立に流すための別々の継管で接続した空気調
    和機。
  3. 【請求項3】前記除湿絞り装置の前記小孔を設けた二方
    弁が、その流路開閉を行う弁体に前記別々の継管に対応
    した除湿運転時に絞りとして使用する別々の小孔を設け
    られて構成されている請求項2に記載の空気調和機。
  4. 【請求項4】前記除湿絞り装置の前記小孔を設けた二方
    弁を、その流路開閉を行う弁体に、前記別々の継管に対
    応した別々の流路とこれらの流路をつなぐ接続流路を設
    けるとともに、該接続流路の先に除湿運転時に絞りとし
    て使用する小孔を設けた構造にした請求項3に記載の空
    気調和機。
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