JP4460186B2 - インクジェットプリンタのプラテン延長具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント用のメディアを搭載するプラテンをその前方に長く延長させたり、その後方に長く延長させたりするための、インクジェットプリンタのプラテン延長具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ほぼ逆樋状をしたプラテン上をシート等のメティアをX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッド下面に並ぶノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させる、ぺーパームービングタイプのプリンタが周知である。
このインクジェットプリンタによれば、プラテン上をX方向に移動させるメディアのX方向に複数のインクのドットの配列からなる、文字、線図、模様等を連続してプリントできる。
【0003】
このペーパームービングタイプのインクジェットプリンタを用いて、図5に示したような、ロール状に長く巻かれた帯状のメディア20表面のX方向に文字、線図、模様等を連続してプリントした場合には、そのプラテン10前方に長く送り出されたメディア20前端の重力を受けて、プラテン10上のメディア20部分が、プラテン10上方に浮き上がってしまった。そして、そのメディア20部分がインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触してしまった。そして、そのメディア20部分に、インクジェットヘッドのノズル32のインクが付着してしまった。そして、そのメディア20部分がインクで汚れて、その体裁が損なわれてしまった。
このように、プラテン10上のメディア20が、プラテン10上方に浮き上がる理由は、プラテン10前方に長く延出して下方に向けて垂れ下がった状態となるメディア20前端の重力を受けて、そのメディア20前端に連なる腰のあるプラテン10上に位置するメディア20部分が、プラテン10上方に円弧状に湾曲して上方に浮き上がるためである。
【0004】
このような課題を解消するために、図6に示したような、インクジェットプリンタが開発されている。
このプリンタでは、インクジェットヘッド30の移動経路の直下のプラテン10部分に、多数の小穴12が並べて開口されている。それと共に、その多数の小穴12を通してプラテン10の表面側の空気をプラテン10の内側に吸引し続ける吸引ファン等からなる吸引手段18が備えられている。
このプリンタにおいては、吸引手段18により、プラテン10表面側の空気を、多数の小穴12を通して、プラテン10内側に吸引し続けることができる。そして、その多数の小穴12が開口されたプラテン10上に位置するメディア20部分を、そのインクジェットヘッド30の移動経路直下のプラテン10上に、大気圧を利用して、隙間なく密着させることができる。そして、そのインクジェットヘッド30の移動経路直下に位置するメディア20部分が、プラテン10上方に浮き上がってインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32と接触し、そのメディア20部分がインクで汚れてしまうのを防ぐことができる。
しかしながら、このような方式のプリンタにおいても、メディア20の腰が強いと、プラテン10前方に送り出されて下方に垂れ下がった状態のメディア20前端の重力を受けて、そのメディア20前端に連なるプラテン10上のメディア20部分が、プラテン10上方に円弧状に湾曲して浮き上がってしまった。そして、そのメディア20部分にインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32が接触し、そのメディア20部分がインクで汚れてしまった。
【0005】
これと同様なことは、図7に示したような、発砲スチロール樹脂等からなる厚手の板状のメディア20表面に文字、線図、模様等をX方向に連続してプリントする場合においても、言えた。
即ち、この場合においても、厚い板状のメディア20をプラテン10上をX方向に移動させて、その厚手のメディア20前端をプラテン10前方にほぼ水平に長く延出させた場合には、そのプラテン10前方に長く延出したメディア20前端の重力を受けて、そのメディア20前端に連なるプラテン10上に位置するメディア20部分が、平らな状態を保ったまま、プラテン10上をメディア20をX方向に送る送りローラ15と押えローラ16との間に挟まれたメディア20部分を中心に、プラテン10前方に傾く等して、プラテン10上方に浮き上がってしまった。そして、そのメディア20部分がインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触し、そのメディア20部分がインクで汚れてしまった。
同様にして、プラテン10上に送り込まれる厚手の板状をしたメディア20後端が、図7に示したように、プラテン10後方にほぼ水平に長く延出した状態にあると、そのメディア20後端の重力を受けて、そのメディア20後端に連なるプラテン10上のメディア20部分が、平らな状態を保ったまま、プラテン10上をメディア20をX方向に送る送りローラ15と押えローラ16との間に挟まれたメディア20部分を中心に、プラテン10後方に傾く等して、プラテン10上方に浮き上がってしまった。そして、そのメディア20部分がインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触し、そのメディア20部分がインクで汚れてしまった。
【0006】
このように、プラテン10後方又はプラテン10前方に長く延出したメディア20前端又はメディア20後端の重力を受けて、プラテン10上に位置するメディア20部分が、プラテン10上方に浮き上がり、インクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触するのを防ぐためには、プラテン10をその前方や後方に長く延出させて、そのプラテン10前部やプラテン10後部にメディア20前端やメディア20後端を長く支持すれば良いことが、従来より、知られている。
しかしながら、そのようにした場合には、プラテン10の前後幅が広くなって、インクジェットプリンタが大型化してしまう。そして、ペーパームービングタイプのプリンタの最大利点である、プリンタの前後幅のコンパクト化を図れなくなってしまう。
【0007】
そこで、本発明者は、プラテン10前方又はプラテン10後方に長く延出したメディア20前端又はメディア20後端を支持するプラテン延長具をプラテン10前部又はプラテン10後部にオプションとして着脱自在に備えれば、そのプラテン10前方又はプラテン10後方に長く延出したメディア20前端又はメディア20後端をプラテン延長具により長く支持できることに、想到した。そして、そのメディア20前端又はメディア20後端に連なるプラテン10上のメディア20部分がプラテン10上方に浮き上がるのを、防ぐことができることに、想到した。そして、そのプラテン10上のメディア20部分がインクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触して、そのメディア20部分がインクで汚れるのを、防ぐことができることに、想到した。
また、そのメディア延長具が不要となった際には、そのメディア延長具をプラテン10前部又はプラテン10後部から取り外して、プリンタの前後幅のコンパクト化を図ることができることに、想到した。
【0008】
即ち、本発明は、プラテン前部又はプラテン後部に装着して、プラテン前方又はプラテン後方に長く延出したメディア前端又はメディア後端を支持するための、プラテン延長具であって、プラテン前方又はプラテン後方に長く延出したメディア前端又はメディア後端に加わる重力を受けて、プラテン上のメディア部分がプラテン上方に湾曲等して浮き上がるのを防ぐことのできる、プラテン延長具を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1のプラテン延長具は、プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタのプラテンに付設されるプラテン延長具であって、
前記メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させて、そのプラテン前方に送り出されるメディア部分を支持する支持腕と、該支持腕をプラテン前部に装着する装着手段とを持ち、
前記支持腕のメディア搭載面が、前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲していて、前記装着手段により支持腕がプラテン前部に装着された状態において、支持腕のメディア搭載面がプラテンのメディア搭載面に下方に向けてほぼ円弧状に湾曲して連なる構造をしていることを特徴としている。
【0010】
この第1のインクジェットプリンタのプラテン延長具においては、プラテン前方に送り出されるメディア前端を支持する支持腕を、装着手段を用いて、プラテン前部に装着できる。そして、その支持腕により、メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させることができる。そして、その支持腕の前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面に沿って、プラテン前方に長く延出したメディア前端を無理のないゆるやかなほぼ円弧状に下方に湾曲させて支持できる。
そのために、そのプラテン前方に長く延出したメディア前端の重力を受けて、そのメディア前端に連なるプラテン上のメディア部分が、円弧状に上方に湾曲等して浮き上がるのを、防ぐことができる。そして、そのメディア部分が、インクジェットヘッド下面に並ぶノズルに接触して、インクで汚れるのを、防ぐことができる。
なお、プラテン前方に長く延出したメディア前端を、支持腕の下方に極端に屈曲角度大きくほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面に沿って支持した場合には、プラテン前方に長く延出したメディア前端を、支持腕がない状態とほぼ同じ状態で屈曲角度大きく下方にほぼ円弧状に湾曲させてプラテン前方に支持することとなってしまうので、注意を要する。そして、プラテン前部に支持腕を装着した意味がなくなってしまうので、注意を要する。即ち、支持腕のメディア搭載面は、メディアの腰の強さ等に応じて、支持腕の下方に向けてなだらかなほぼ円弧状を描くように形成する必要がある。
この第1のプラテン延長具は、ロール状に長く巻かれた薄い帯状のメディア表面のX方向に文字、線図、模様等を連続してプリントする場合に、有効に作用する。
【0011】
本発明の第2のメディア延長具は、プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタのプラテンに付設されるプラテン延長具であって、
前記メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させて、そのプラテン前方に送り出されるメディア部分を支持する第1支持腕と、該第1支持腕をプラテン前部に装着する第1装着手段と、前記メディアを送り込む側に当たるプラテン後部の少なくとも一部をプラテン後方に長く延長させて、そのプラテン後部に送り込むメディア部分を支持する第2支持腕と、該第2支持腕をプラテン後部に装着する第2装着手段とを持ち、
前記第1支持腕と第2支持腕のメディア搭載面が、ほぼ水平方向を向いていて、前記第1装着手段と第2装着手段とにより第1支持腕と第2支持腕とがプラテン前部とプラテン後部とに装着された状態において、その第1支持腕と第2支持腕のメディア搭載面がプラテンのメディア搭載面にほぼ水平に連なる構造をしていることを特徴としている。
【0012】
この第2のプラテン延長具においては、プラテン前方に送り出されるメディア前端を支持する第1支持腕を、第1装着手段を用いて、プラテン前部に装着できる。そして、その第1支持腕により、メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させることができる。そして、その第1支持腕のほぼ水平方向を向くメディア搭載面に沿って、プラテン前方に長く延出したメディア前端を支持できる。
同様にして、プラテン後方から送り込むメディア後端を支持する第2支持腕を、第2装着手段を用いて、プラテン後部に装着できる。そして、その第2支持腕により、メディアを送り込む側に当たるプラテン後部の少なくとも一部をプラテン後方に長く延長させることができる。そして、その第2支持腕のほぼ水平方向を向くメディア搭載面に沿って、プラテン後方に長く延出したメディア後端を支持できる。
そのために、そのプラテン前方又はプラテン後方にほぼ水平方向に向けて長く延出したメディア前端又はメディア後端の重力を受けて、そのメディア前端又はメディア後端に連なるプラテン上のメディア部分が、プラテン前方又はプラテン後方に傾いて、プラテン上方に浮き上がるのを、防ぐことができる。そして、そのメディア部分が、インクジェットヘッド下面に並ぶノズルに接触して、インクで汚れるのを、防ぐことができる。
この第2のプラテン延長具は、厚い板状をしたメディア表面のX方向に文字、線図、模様等を連続してプリントする場合に、有効に作用する。
【0013】
本発明の第1又は第2のプラテン延長具においては、前記装着手段、第1装着手段又は第2装着手段が、前記支持腕、第1支持腕又は第2支持腕をプラテン前部又はプラテン後部に離脱可能に装着する構造をしていることを好適としている。
【0014】
この第1又は第2のインクジェットプリンタのプラテン延長具にあっては、必要のない場合には、装着手段によりプラテン前部に装着された支持腕を、プラテンから離脱させることができる。同様にして、第1装着手段又は第2装着手段によりプラテン前部又はプラテン後部に装着された第1支持腕又は第2支持腕を、プラテン前部又はプラテン後部から離脱させることができる。そして、そのプラテン前部又はプラテン後部に支持腕、第1支持腕又は第2支持腕が装着されていない状態として、プリンタの前後幅のコンパクト化を図ることができる。
逆に、支持腕、第1支持腕又は第2支持腕が必要となった場合には、その支持腕、第1支持腕又は第2支持腕を、装着手段、第1装着手段又は第2装着手段を用いて、プラテン前部又はプラテン後部に装着し直すことができる。
【0015】
本発明の第1のプラテン延長具においては、前記支持腕のほぼ円弧状に下方に湾曲したメディア搭載面が形成された上端側とは反対側の支持腕の下端側に、ほぼ水平方向を向くメディア搭載面が形成されると共に、前記装着手段が上下に反転させた状態の支持腕をもプラテン前部又はプラテン後部に装着できる構造をしていて、その上下に反転させた状態の支持腕が、前記装着手段により、プラテン前部又はプラテン後部に装着された状態において、その支持腕の下端側に形成されたほぼ水平方向を向く前記メディア搭載面がプラテンのメディア搭載面にほぼ水平に連なる構造をしていることを好適としている。
【0016】
この第1のプラテン延長具にあっては、支持腕のほぼ円弧状に下方に湾曲したメディア搭載面が形成された上端側を上方に向けて、装着手段により、その支持腕をプラテン前部に装着できる。そして、その支持腕により、メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させることができる。そして、その支持腕の前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面に沿って、プラテン前方に長く延出したメディア前端を支持できる。
又は、支持腕を上下に反転させた状態として、その支持腕の下端側に形成されたほぼ水平方向を向くメディア搭載面を上方に向けて、装着手段により、その支持腕をプラテン前部又はプラテン後部に装着できる。そして、その支持腕により、メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をほぼ水平方向に向けてプラテン前方に長く延長させたり、メディアを送り込む側に当たるプラテン後部の少なくとも一部をプラテン後方に長く延長させたりできる。そして、その支持腕により、プラテン前方又はプラテン後方にほぼ水平方向に向けて長く延出したメディア前端又は後端を支持できる。
そのために、本発明の第1のプラテン延長具を、本発明の第2のプラテン延長具に兼用することが、可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1と図2は本発明の第1のプラテン支持具の好適な実施の形態を示し、図1はその使用状態を示す側面断面図、図2はその使用状態を示す一部正面図である。以下に、この第1のプラテン支持具を説明する。
【0018】
図の第1のプラテン支持具は、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部の一部をプラテン10前方に長く延長させて、そのプラテン10前方に送り出されるメディア20部分を支持する支持腕100と、該支持腕をプラテン10前部に装着する装着手段110とを持っている。
支持腕100は、プラテン10前端の横幅の数分の1の細幅に形成されている。装着手段110は、図1に示したように、支持腕100後部の上端に延設された引っかけ腕112と、支持腕100後部の下端に延設された引っかけ腕114とから構成されている。そして、その上部の引っかけ腕112を、プラテン10前部の上端に開口された引っかけ穴11に挿入して、プラテン10前部に引っかけることができるように構成されている。それと共に、その下部の引っかけ腕114を、プラテン10前部の下端に開口された引っかけ穴13に挿入して、プラテン10前部に引っかけることができるように構成されている。そして、それらの引っかけ腕112、114により、支持腕100を、プラテン10前部に動かぬように装着できるように構成されている。
支持腕のメディア搭載面102は、図1に示したように、前方に向けてゆるやかに下方にほぼ円弧状に湾曲していて、装着手段110により支持腕100がプラテン10前部に装着された状態において、支持腕のメディア搭載面102が、プラテン前部のメディア搭載面14に凹凸なくゆるやかに下方に向けてほぼ円弧状に湾曲して連なる構造をしている。
【0019】
図1と図2に示した第1のプラテン延長具は、以上のように構成されていて、この第1のプラテン延長具においては、図2に示したように、プラテン10前方に送り出されるメディア20前端を支持する薄い厚さの複数の支持腕100を、装着手段110を用いて、プラテン10前部に所定間隔ずつあけて並べ装着できる。そして、その複数の支持腕100により、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部の一部をプラテン10前方に長く延長させることができる。そして、その支持腕100の前方に向けてゆるやかに下方にほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面102に沿って、プラテン10前方に長く延出したメディア20前端をゆるやかに下方にほぼ円弧状に湾曲させた状態に支持できる。
そのために、そのプラテン10前方に長く延出したメディア20前端の重力を受けて、そのメディア20前端に連なるプラテン10上のメディア20部分が、円弧状に湾曲等してプラテン10上方に浮き上がるのを、防ぐことができる。そして、そのメディア20部分が、インクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触して、インクで汚れるのを、防ぐことができる。
なお、プラテン10前方に長く延出したメディア20前端を、支持腕100の下方に極端に屈曲角度大きくほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面102に沿って支持した場合には、プラテン10前方に長く延出したメディア20前端を、支持腕100がない状態とほぼ同じ状態で、屈曲角度大きく下方にほぼ円弧状に湾曲させてプラテン10前方に支持することとなってしまうので、注意を要する。そして、プラテン10前部に支持腕100を装着した意味がなくなってしまうので、注意を要する。即ち、支持腕のメディア搭載面102は、メディア20の腰の強さ等に応じて、支持腕100の下方に向けてなだらかなほぼ円弧状を描くように形成する必要がある。
この第1のプラテン延長具は、図1に示したような、ロール状に長く巻かれた薄い帯状のメディア20表面のX方向に文字、線図、模様等を連続してプリントする場合に、有効に作用する。
【0020】
この第1のプラテン延長具においては、支持腕100の横幅を、広く形成して、その支持腕100を、装着手段110により、プラテン10前部に連続して長く装着できるようにしても良い。
その場合には、その横幅の広い支持腕100を1個、プラテン10前部に装着するのみで、そのプラテン10前方に長く延出したメディア20前端を幅広く的確に支持できる。
【0021】
図3と図4は本発明の第2のプラテン支持具の好適な実施の形態を示し、図3はその使用状態を示す側面断面図、図4はその使用状態を示す一部正面図である。以下に、この第2のプラテン支持具を説明する。
【0022】
この第2のメディア延長具は、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部の一部をプラテン10前方に長く延長させて、そのプラテン10前方に送り出されるメディア20部分を支持する第1支持腕101と、該第1支持腕をプラテン10前部に装着する第1装着手段111と、メディア20を送り込む側に当たるプラテン10後部の一部をプラテン10後方に長く延長させて、そのプラテン10後部に送り込むメディア20後端を支持する第2支持腕103と、該第2支持腕をプラテン10後部に装着する第2装着手段113とを持っている。
第1支持腕101と第2支持腕103とは、プラテン10前端の横幅の数分の1の細幅に形成されている。第1装着手段111と第2装着手段113とは、図3に示したように、第1支持腕101又は第2支持腕103後部の上端に延設された引っかけ腕112と、第1支持腕101又は第2支持腕103後部の下端に延設された引っかけ腕114とから構成されている。そして、その上部の引っかけ腕112を、プラテン10前部又はプラテン10後部の上端に開口された引っかけ穴11に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成されている。それと共に、その下部の引っかけ腕114を、プラテン10前部又はプラテン10後部の下端に開口された引っかけ穴13に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成されている。そして、それらの引っかけ腕112、114により、第1支持腕101と第2支持腕103とを、プラテン10前部とプラテン10後部とに動かぬように装着できるように構成されている。
第1支持腕101と第2支持腕103のメディア搭載面104は、ほぼ水平方向を向いていて、第1装着手段111と第2装着手段113とにより第1支持腕101と第2支持腕103とがプラテン10前部とプラテン10後部とに装着された状態において、その第1支持腕101と第2支持腕103のメディア搭載面104が、プラテンのメディア搭載面14にほぼ水平に連なる構造をしている。
【0023】
図3と図4に示した第2のプラテン延長具は、以上のように構成されていて、この第2のプラテン延長具においては、プラテン10前方に送り出されるメディア20前端を支持する横幅の狭い複数の第1支持腕101を、第1装着手段111を用いて、プラテン10前部に所定間隔ずつあけて並べて装着できる。そして、その複数の第1支持腕101により、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部の一部をプラテン10前方に長く延長させることができる。そして、その第1支持腕101のほぼ水平方向を向くメディア搭載面104に沿って、プラテン10前方に長く延出したメディア20前端を支持できる。
同様にして、プラテン10後方から送り込むメディア20後端を支持する横幅の狭い複数の第2支持腕103を、第2装着手段113を用いて、プラテン10後部に所定間隔ずつあけて並べて装着できる。そして、その複数の第2支持腕103により、メディア20を送り込む側に当たるプラテン10後部の一部をプラテン10後方に長く延長させることができる。そして、その第2支持腕103のほぼ水平方向を向くメディア搭載面104に沿って、プラテン10後方に長く延出したメディア20後端を支持できる。
そのために、そのプラテン10前方又はプラテン10後方にほぼ水平方向に向けて長く延出したメディア20前端又はメディア20後端の重力を受けて、そのメディア20前端又はメディア20後端に連なるプラテン10上のメディア20部分が、平らな状態を保ったまま、プラテン10上をメディア20をX方向に送る送りローラ15と押えローラ16との間に挟まれたメディア20部分を中心に、プラテン10の一方の側に傾いて、プラテン10上方に浮き上がるのを、防ぐことができる。そして、そのメディア20部分が、インクジェットヘッド30下面に並ぶノズル32に接触して、インクで汚れるのを、防ぐことができる。
この第2のプラテン延長具は、図3に示したような、厚い板状をしたメディア20表面のX方向に文字、線図、模様等を連続してプリントする場合に、有効に作用する。
【0024】
この第2のプラテン延長具においても、第1支持腕101又は第2支持腕103の横幅を、広く形成して、その第1支持腕101又は第2支持腕103を、第2装着手段111又は第2装着手段113により、プラテン10前部又はプラテン10後部に連続して長く装着できるようにしても良い。
その場合には、その横幅の広い第1支持腕101又は第2支持腕103を1個、プラテン10前部又はプラテン10後部に装着するのみで、そのプラテン10前方又はプラテン10後方に長く延出したメディア20前端又はメディア20後端を幅広く的確に支持できる。
【0025】
図1と図2に示した第1のプラテン延長具、又は図3と図4に示した第2のプラテン延長具においては、その装着手段110、第1装着手段111又は第2装着手段113を、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103をプラテン10前部又はプラテン10後部に離脱可能に装着する構造とすると良い。
具体的には、例えば図1又は図3に示したように、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103後部の上端に延設された引っかけ腕112を、横方向を向くT字状に形成すると良い。そして、その引っかけ腕112を、プラテン10前部又はプラテン10後部の上端に開口された引っかけ穴11に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成すると良い。同様にして、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103後部の下端に延設された引っかけ腕114も、同じく横方向を向くT字状に形成すると良い。そして、その引っかけ腕114を、プラテン10前部又はプラテン10後部の下端に開口された引っかけ穴13に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成すると良い。そして、それらの引っかけ腕112、114により、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103を、プラテン10前部又はプラテン10後部に動かぬように着脱可能に装着できるようにすると良い。
【0026】
その場合には、装着手段110、第1装着手段111又は第2装着手段113によりプラテン10前部又はプラテン10後部に装着された支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103を、必要のない場合には、プラテン10から離脱させることができる。そして、そのプラテン10前部又はプラテン10後部に支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103が装着されていない状態として、プリンタの前後幅のコンパクト化を図ることができる。
逆に、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103が必要となった場合には、その支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103を、装着手段110、第1装着手段111又は第2装着手段113を用いて、プラテン10前部又はプラテン10後部に装着し直すことができる。
【0027】
場合によっては、支持腕100、第1支持腕101又は第2支持腕103を、ねじ等からなる装着手段110、第1装着手段111又は第2装着手段113により、プラテン10前部又はプラテン10後部に容易に離脱させることができないように強固に装着しても、勿論良い。
【0028】
図1と図2に示した第1のプラテン延長具においては、同じ図1に示したように、支持腕100のほぼ円弧状に下方に湾曲したメディア搭載面102が形成された上端側とは反対側の支持腕100の下端側に、ほぼ水平方向を向くメディア搭載面104を形成しても良い。それと共に、装着手段110を、上下に反転させた状態の支持腕100をも、プラテン10前部又はプラテン10後部に装着できる構造に形成しても良い。そして、その上下に反転させた状態の支持腕100を、装着手段110により、プラテン10前部又はプラテン10後部に装着した状態において、その支持腕100の下端側に形成されたほぼ水平方向を向くメディア搭載面104がプラテンのメディア搭載面14に凹凸少なくほぼ水平に連なる構造としても良い。
装着手段110を、上下に反転させた状態のをもプラテン10前部に装着できる構造に形成するには、例えば図1に示したように、支持腕100後部の上端に延設された引っかけ腕112と、支持腕100後部の下端に延設された引っかけ腕114とを、支持腕100のほぼ中央部を対称軸として、互いに横方向を向く同一形状のT字状に形成すると良い。そして、その一方の引っかけ腕112又は引っかけ腕114を、プラテン10前部の上端に開口された引っかけ穴11に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成すると良い。それと共に、その他方の引っかけ腕114又は引っかけ腕112を、プラテン10前部の下端に開口された引っかけ穴13に挿入して、プラテン10前部又はプラテン10後部に引っかけることができるように構成すると良い。そして、それらの引っかけ腕112、114により、支持腕100を、上下に反転させても、プラテン10前部又はプラテン10後部に装着できるようにすると良い。
【0029】
その場合には、図1に示したように、支持腕100のほぼ円弧状に下方に湾曲したメディア搭載面102が形成された上端側を上方に向けて、装着手段110により、その支持腕100をプラテン10前部に装着できる。そして、その支持腕100により、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部をプラテン10前方に長く延長させることができる。そして、その支持腕100の前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲したメディア搭載面102に沿って、プラテン10前方に長く延出したメディア20前端を支持できる。
又は、支持腕100を上下に反転させた状態として、その支持腕100の下端側に形成されたほぼ水平方向を向くメディア搭載面104を上方に向けて、装着手段110により、その支持腕100をプラテン10前部又はプラテン10後部に装着できる。そして、その支持腕100により、メディア20を送り出す側に当たるプラテン10前部をほぼ水平方向に向けてプラテン10前方に長く延長させたり、メディア20を送り込む側に当たるプラテン10後部をほぼ水平方向に向けてプラテン10後方に長く延長させたりできる。そして、その支持腕100により、プラテン10前方又はプラテン10後方にほぼ水平方向に向けて長く延出したメディア20前端又はメディア20後端を支持できる。
そのために、その第1のプラテン延長具を、第2のプラテン延長具にも、兼用することが、可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1又は第2のプラテン延長具によれば、プラテン前方又はプラテン後方に長く延出したメディア前端又はメディア後端を、ゆるやかに下方にほぼ円弧状に湾曲させた状態で、又はほぼ水平に向けた状態で、的確に支持できる。そして、プラテン前方又はプラテン後方に長く延出したメディア前端又はメディア後端の重力を受けて、そのメディア前端又はメディア後端に連なるプラテン上のメディア部分が、プラテン上方に浮き上がるのを、確実に防ぐことができる。そして、そのプラテン上方に浮き上がったメディア部分が、インクジェットヘッド下面に並ぶノズルと接触して、インクで汚れるのを、確実に防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のプラテン延長具の使用状態を示す側面断面である。
【図2】本発明の第1のプラテン延長具の使用状態を示す一部正面面である。
【図3】本発明の第2のプラテン延長具の使用状態を示す側面断面である。
【図4】本発明の第2のプラテン延長具の使用状態を示す一部正面面である。
【図5】インクジェットプリンタの使用状態を示す側面断面図である。
【図6】インクジェットプリンタの使用状態を示す側面断面図である。
【図7】インクジェットプリンタの使用状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
10 プラテン
12 小穴
14 プラテンのメディア搭載面
20 メディア
30 インクジェットヘッド
32 ノズル
100 支持腕
101 第1支持腕
102 支持腕のメディア搭載面
103 第2支持腕
104 第1支持腕又は第2支持腕のメディア搭載面
110 装着手段
111 第1装着手段
113 第2装着手段
Claims (5)
- プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタのプラテンに付設されるプラテン延長具であって、
前記メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させて、そのプラテン前方に送り出されるメディア部分を支持する支持腕と、
該支持腕をプラテン前部に装着する装着手段と
を持ち、
前記支持腕のメディア搭載面が、前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲していて、前記装着手段により支持腕がプラテン前部に装着された状態において、支持腕のメディア搭載面がプラテンのメディア搭載面に下方に向けてほぼ円弧状に湾曲して連なる構造をしており、
前記装着手段が、前記支持腕をプラテン前部に離脱可能に装着する構造をしていることを特徴とするインクジェットプリンタのプラテン延長具。 - プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタのプラテンに付設されるプラテン延長具であって、
前記メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させて、そのプラテン前方に送り出されるメディア部分を支持する第1支持腕と、
該第1支持腕をプラテン前部に装着する第1装着手段と、
前記メディアを送り込む側に当たるプラテン後部の少なくとも一部をプラテン後方に長く延長させて、そのプラテン後部に送り込むメディア部分を支持する第2支持腕と、
該第2支持腕をプラテン後部に装着する第2装着手段と
を持ち、
前記第1支持腕と第2支持腕のメディア搭載面が、ほぼ水平方向を向いていて、前記第1装着手段と第2装着手段とにより第1支持腕と第2支持腕とがプラテン前部とプラテン後部とに装着された状態において、その第1支持腕と第2支持腕のメディア搭載面がプラテンのメディア搭載面にほぼ水平に連なる構造をしていることを特徴とするインクジェットプリンタのプラテン延長具。 - 第1装着手段又は第2装着手段が、第1支持腕又は第2支持腕をプラテン前部又はプラテン後部に離脱可能に装着する構造をしている請求項2記載のインクジェットプリンタのプラテン延長具。
- プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタのプラテンに付設されるプラテン延長具であって、
前記メディアを送り出す側に当たるプラテン前部の少なくとも一部をプラテン前方に長く延長させて、そのプラテン前方に送り出されるメディア部分を支持する支持腕と、
該支持腕をプラテン前部に装着する装着手段と
を持ち、
前記支持腕のメディア搭載面が、前方に向けて下方にほぼ円弧状に湾曲していて、前記装着手段により支持腕がプラテン前部に装着された状態において、支持腕のメディア搭載面がプラテンのメディア搭載面に下方に向けてほぼ円弧状に湾曲して連なる構造をしており、
前記支持腕のほぼ円弧状に下方に湾曲したメディア搭載面が形成された上端側とは反対側の支持腕の下端側に、ほぼ水平方向を向くメディア搭載面が形成されると共に、前記装着手段が上下に反転させた状態の支持腕をもプラテン前部又はプラテン後部に装着できる構造をしていて、その上下に反転させた状態の支持腕が、前記装着手段により、プラテン前部又はプラテン後部に装着された状態において、その支持腕の下端側に形成されたほぼ水平方向を向く前記メディア搭載面がプラテンのメディア搭載面にほぼ水平に連なる構造をしていることを特徴とするインクジェットプリンタのプラテン延長具。 - プリント用のメディアをプラテン上をX方向に移動させたり、そのプラテン上に搭載されたメディア上方をインクジェットヘッドをY方向に移動させたりしながら、そのインクジェットヘッドのノズルからインク滴を所定のタイミングで噴射させて、前記メディア表面に複数のインクのドットの配列からなる文字、線図、模様等をプリントするインクジェットプリンタであって、
プラテンと、
請求項1から4のいずれかに記載のインクジェットプリンタのプラテン延長具と
を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。
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