JP4458230B2 - 正極活物質及びその製造法、該正極活物質を用いた二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、大容量の初期放電容量を持つ鉄系正極活物質とその製造方法の提供が目的である。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧をもつ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、ジグザグ層状構造のLiMnO、層状岩塩型構造のLiCoO、LiCo1−XNi、LiNiO等が一般的に知られている。
しかしながら、1次電池、2次電池に使用できる、安価で、安全で、長期間に渡り安定して使用できる新規電池正極活物質の模索がされている。
そこで、コスト、安全面などにおいて究極の正極活物質と考えられている鉄系化合物が注目されているが、現時点では実用化にはまだ到っていない。
鉄系の正極活物質は鉄自身の持つフェルミ準位に起因して起電力が低いので、その分放電容量の大きな材料の開発が求められている。しかし、実際には結晶化度の高いFeOOHなどの検討が進んでいるが、商品化できるまでの大容量化には到っていない。
結晶化度の低いFeOOHについては、結晶化度の高いFeOOHなどで問題となる結晶の崩壊を克服すること及びLiを留める多くのトンネルが存在することから、より多くの放電容量の確保とサイクル特性の向上という観点で検討が進められてきている。しかしながら、結晶化度の低いFeOOHであっても前記結晶化度の高いFeOOHと同様に下記式で表される化学式から推定される理論的な容量には及んでいない。
FeOOH+Li+e=FeOOHLi
理論容量は283mAh/gである。
従来、特許文献1乃至6において、鉄系化合物を用いた正極活物質が検討されている。
特開平09−255340号公報 特開平10−120421号公報 特開2002−151068号公報 特開2002−208399号公報 特開2002−231239号公報 特開2003−068297号公報
初期放電容量が大きな鉄系正極活物質は現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1及び2には、結晶化度の高いβ型やγ型などのFeOOHを使用したLi電池用電極活物質について記載されているが、初期放電容量は100mAh/g以下であり、十分とは言い難いものである。
また、特許文献3乃至6には、放電容量が多いと期待される結晶化度の低いFeOOHを正極活物質として用いることが記載されているが、得られた鉄系化合物を用いた二次電池の放電容量は理論値よりも低い初期放電容量であり、未だ十分とは言い難いものである。
そこで、本発明は、結晶化度の高いFeOOHよりも放電容量が大きいと期待されている一般に合成される結晶化度の低いFeOOHよりも、さらに結晶化度の低いFeOOH(2L型フェリハイドライト)を得ることによって、従来にない大きな初期放電容量を有する正極活物質を提供することを技術課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、FeとO及び/又はOHとからなる8面体のc軸方向の積層数が3〜50である2L型フェリハイドライトからなることを特徴とする正極活物質(本発明1)。
また、本発明は、初期放電容量が1.0〜4.1Vにおいて270〜1000mAh/gであることを特徴とする前記正極活物質である(本発明2)。
また、本発明は、鉄とLi及びアルカリ土類金属から選ばれる1種以上の元素とからなるハイドロタルサイト類化合物を含むスラリーに酸を加え、pH2.0〜6.0で鉄以外の元素を溶解することにより得られる請求項1記載の正極活物質の製造法である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1又は2の正極活物質を含有する正極を用いたことを特徴とする二次電池である(本発明4)。
本発明に係る正極活物質は、結晶化度が低く、従来にない大容量の初期放電容量を有するので、電池用の正極活物質として好適である。また、本発明に係る正極活物質はコバルト、ニッケル等の金属元素が不要であり、無害な正極活物質を提供することができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る正極活物質について述べる。
本発明に係る正極活物質は、Fe8面体のc軸方向の積層数が3〜50である。Fe8面体の積層数が3未満の2L型フェリハイドライトは合成できない。50を超えると初期放電容量が大きく低下してしまう。好ましくは4〜50、より好ましくは6〜48である。
本発明に係る正極活物質の比表面積値は150〜400m/gが好ましい。比表面積が150m/g未満ではFe8面体のc軸方向の積層数が50を超えてしまう。400m/gを超える正極活物質は工業的には得られない。より好ましくは170〜400m/g、更により好ましくは180〜390m/gである。
次に、本発明に係る正極活物質の製造法について述べる。
本発明におけるハイドロタルサイト類化合物は、2価、3価あるいは4価の状態の鉄と、Liあるいはアルカリ土類金属元素とから構成される。アルカリ土類金属としては、特に限定されないが、Mg、Caがより好ましい。鉄とLi若しくはアルカリ土類金属とのモル比は特に限定されないが、1〜5が好ましく、より好ましくは1.2〜4.5、更により好ましくは1.5〜4.0である。
本発明におけるハイドロタルサイト類化合物は、通常の方法によって得ることができるが、例えば、下記製造法によって得ることができる。
即ち、鉄の塩と、Liあるいはアルカリ土類金属の塩、酸化物、水酸化物、あるいは炭酸塩との混合溶液と、アルカリ溶液とを混合・撹拌しながら、100℃以下で、pH7.5〜14.0においてエージングすることで得られる。
100℃を超える反応温度では圧力容器が必要となり経済的ではない。好ましくは95℃以下、より好ましくは85℃以下である。pH7.5未満ではハイドロタルサイト類化合物の単相は得られない。好ましくはpH8.0〜13.0、より好ましくはpH8.5〜12.5である。エージングの時間は特に限定されないが、好ましくは工業的生産性を考慮した場合、24時間未満である。
本発明に係る正極活物質は、前記ハイドロタルサイト類化合物を含むスラリーに酸を加え、pH2.0〜6.0、反応温度95℃以下でLi及びアルカリ土類金属元素を溶解することによって得られる。
酸としては、例えば塩酸、硝酸、酢酸、蓚酸、クエン酸などが挙げられる。pHが2.0未満では、鉄が溶液中に錯体などのイオン化した状態で溶存するため本発明の目的とする正極活物質が得られない。pH6.0を超えるとLiあるいはアルカリ土類金属が酸で溶解せず多量に残存してしまうため、得られる正極活物質の初期放電容量が低下する。好ましくはpH2.5〜6.0であり、より好ましくはpH3.0〜5.8である。
反応温度が95℃を超えるとFe8面体の積層数が50を超える2L型フェリハイドライトが生成したり、さらには酸化鉄が生成することがあるので反応温度を上げる必要はない。好ましくは85℃以下、より好ましくは75℃以下である。
反応時間は温度やpH、Liあるいはアルカリ土類金属の種類や量によって変わるので一概には決められないが、概して24時間以内であり、これを超えると工業的な生産は困難である。
次に、本発明に係る正極活物質を用いた正極について述べる。
本発明に係る正極活物質を用いて正極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオレイト、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明に係る正極活物質を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイトや黒鉛等を用いることができる。
また、電解液の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
本発明に係る正極活物質を用いて製造した二次電池は、1.0〜4.1Vにおいて初期放電容量はFe8面体の積層数が50を超えるものよりも圧倒的に大きく、270〜1000mAh/gである。270mAh/g未満では実用的ではない。好ましくは280〜1000mAh/gでり、より好ましくは300〜1000mAh/gである。
<作用>
本発明に係る正極活物質が従来の合成法によって得られる2L型フェリハイドライトに対し、高い初期放電容量を示す理由は未だ明らかではないが、本発明者らは次のように推定している。
即ち、本発明に係る正極活物質は、従来の2L型フェリハイドライトに比べ、Fe8面体のc軸方向の積層数が極端に少ない2L型フェリハイドライト粒子である。図1に本発明に係る正極活物質を構成する2L型フェリハイドライトの結晶構造の概念図を示す。図に示すとおり、本発明における2L型フェリハイドライトは、FeO(OH)八面体のc軸方向の積層数が少なくなっている。Liは構造中のトンネルに、弱い化学結合若しくは捕捉という形で2L型フェリハイドライト中に存在する。本発明における2L型フェリハイドライトはc軸方向の八面体の積層数が少ないため、構造中のトンネルが粒子の表面近傍に存在する確率が高くなり、Liが出入りしやすくなること及び粒子表面にトンネルの跡形が多数存在しそこにLiが留まりやすいということが起因し、非常に大きな初期放電容量が得られるものと本発明者は推定している。
前記の通り、本発明に係る二次電池の正極活物質は、大容量の初期放電容量を持つ無毒で安価な鉄系正極活物質として用いることができる。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
<分析評価方法>
2L型フェリハイドライト粉末の同定はX線回折測定で行った。X線回折測定は「X線回折装置RINT−2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:2°/min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.50mm)を使用し、回折角2θが3〜80°で測定した。
2L型フェリハイドライトのc軸方向のFe8面体の積層数は、「電界放出形電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)」(加速電圧:200kV)を使用し、粒子のc軸方向の厚みを測定し、積層スタック1層の厚さが2.35Åであることから、測定した厚みに含まれる積層枚数数値を求めて平均化した値である。
2L型フェリハイドライト粉末に含まれる鉄及びLiあるいはアルカリ土類金属の含有量は該粉末を酸で溶解し「プラズマ発光分光分析装置 SPS4000(セイコー電子工業(株))」を用いて分析した。
比表面積値は、窒素によるB.E.T.法により測定した。
<電池の作製>
電池の作製には宝泉株式会社製の宝泉セルを用いた。正極、負極、電解液についてはそれぞれ以下の方法で作製した。
<正極の作製>
得られた正極活物質を、導電剤としてのアセチレンブラック、結着剤としてのポリビニリデンフルオレイト(−[CFCHn−)が4:2:1となるように混合し、さらに分散剤としてノルマルメチルピロリドン(CNO)を加え混合した。これをAl箔上に塗布し、120℃で乾燥させることで正極を作製した。
<負極の作製>
金属リチウム箔を用いた。
<電解液の作製>
プロピレンカーボネート(C)とジメチルカーボネート[(CHCO]を7:3(体積比)で混合したものを溶媒とした1MのLiPF溶液を調製し、電解液とした。
<各電池の充放電測定試験>
このようにして得られたリチウム電池を0.1mAの定電流で1.0Vまで初期放電した後、4.1Vまで充電した際の正極活物質1gあたりの初期放電容量を測定した。
実施例1
<ハイドロタルサイト類化合物の作製>
Ca(NO4HO 78.7gとFe(NO9HO 67.33g(モル比でCa/Fe=2)とを純水で溶解させ660mlの混合溶液とした。別にNaOH 90.0ml(18.5mol/L)を純水で薄めて340mlとしたアルカリ水溶液を用意した。このアルカリ水溶液に前記カルシウム及び鉄の塩の混合溶液を加え、40℃で4時間熟成を行った。得られた沈殿物を濾過し、エタノールで洗浄後、乾燥させハイドロタルサイト類化合物粉末を得た。
<正極活物質の作製>
ここに得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて室温にてpH5.0に調整しCaを溶出させた。沈殿物を濾過し、80℃で8時間乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を得た。得られた粉末は、酸化鉄や結晶化度の高いα型、β型、γ型、δ型のFeOOH、6L型フェリハイドライトのいずれの結晶構造にも属さず、2L型フェリハイドライトであった。ICP分析の結果、Feの含有量は56.5wt%、Caの含有量は700ppmであり、比表面積は284m/gであった。また、Fe8面体の積層数は26であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は453mAh/gであった。
実施例2
Ca(NO4HO 88.55gとFe(NO9HO 50.55g(モル比でCa/Fe=3)とを純水で溶解させ660mlとした。別にNaOH 87.8ml(18.5mol/L濃度)を純水で薄めて340mlとしたアルカリ水溶液を用意した。この溶液に前記カルシウム及び鉄の塩の混合溶液を加え、40℃で4時間熟成を行った。得られた沈殿物を濾過し、エタノールで洗浄することによりハイドロタルサイト類化合物を得た。
ここに得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて30℃にてpH5.0に調整し、Caを溶出させた。沈殿物を濾過し、60℃で15時間乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を得た。得られた正極活物質の比表面積は310m/gであり、Fe8面体の積層数は22であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は670mAh/gであった。
実施例3
Ca(NO4HO 70.8gとFe(NO9HO 80.8g(モル比でCa/Fe=1.5)とを純水で溶解させ660mlとした。別にNaOH 91.9ml(18.5mol/L濃度)を純水で薄めて340mlとしたアルカリ水溶液を用意した。この溶液に前記カルシウム及び鉄の塩の混合溶液を加え、40℃で4時間熟成を行った。得られた沈殿物を濾過し、エタノールで洗浄することによりハイドロタルサイト類化合物を得た。
ここに得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、蓚酸溶液を用いて30℃にてpH5.0に調整し、Caを溶出させた。沈殿物を濾過し、100℃で2時間乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を作製した。得られた正極活物質の比表面積は250m/gであり、Fe8面体の積層数は38であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は420mAh/gであった。
実施例4
前記実施例1と同様にして得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて30℃にてpH3.0に調整し、Caを溶出させた。沈殿物を濾過し、60℃で8h乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を作製した。得られた正極活物質の比表面積は370m/gであり、Fe8面体の積層数は11であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は568mAh/gであった。
実施例5
Mg(SO7HO 411.48gとFe(SO溶液(1.75mol/L)470ml(モル比でMg/Fe=2)とを純水で溶解させ2000mlとした。別にNaCO 61.6gを2000mlの純水に溶解させたアルカリ混合溶液を用意した。この溶液に空気を10ml/minで吹き込みながら前記マグネシウム塩と鉄塩との混合溶液を滴下し、6N NaOH水溶液を加えながらpH10.0とした。滴下終了後50℃で4時間熟成を行った。得られた沈殿物を濾過し、洗浄することによりハイドロタルサイト類化合物を得た。
該ハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて35℃にてpH2.0に調整してMgを溶出させた。沈殿物を濾過し、50℃で12h乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を得た。得られた正極活物質の比表面積は315m/gであり、Fe8面体の積層数は25であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は302mAh/gであった。
実施例6
前記実施例1と同様にして得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて40℃にてpH5.0に調整してCaを溶出させた。沈殿物を濾過し、60℃で15h乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を作製した。得られた正極活物質の比表面積は250m/gであり、Fe8面体の積層数は42であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は333mAh/gであった。
実施例7
前記実施例1と同様にして得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N塩酸を用いて60℃にてpH5.0に調整してCaを溶出させた。沈殿物を濾過し、60℃で15h乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を作製した。得られた正極活物質の比表面積は190m/gであり、Fe8面体の積層数は50であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は297mAh/gであった。
実施例8
前期実施例1と同様にして得たハイドロタルサイト類化合物5gを500mlの純水に懸濁させ、1N硝酸を用いて20℃でpH5.0としCaを溶出させた。沈殿物を濾過し、40℃で15h乾燥させることにより2L型フェリハイドライトからなる正極活物質を作製した。得られた正極活物質の比表面積は280m/gであり、Fe積層数は25であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は389mAh/gであった。
比較例1
<一般的な2L型フェリハイドライト粒子の合成>
Fe(NO9HO 16.2gを純水で溶解させ200mlとした。この溶液に1MのKOH水溶液を滴下し、pH5.0に調整した。滴下終了後30℃で5h熟成を行った。得られた沈殿物を濾過し、洗浄することにより2L型フェリハイドライト粒子を得た。得られた粉末の比表面積は140m/gであり、Fe積層数は87であった。
ここに得た正極活物質を用いて二次電池を製造した場合、初期放電容量は120mAh/gであった。
得られた正極活物質の諸特性及び該正極活物質を用いて作製した二次電池の初期放電容量を表1に示す。
Figure 0004458230
本発明に係る正極活物質は、従来の2L型フェリハイドライト合成法に比べ、Fe8面体のc軸方向の積層数が極端に少ない特徴を有し、二次電池の正極活物質として用いることで、従来にない大容量の初期放電容量を持つ無毒な二次電池の鉄系正極活物質を提供することができる。
本発明に係る正極活物質を構成する2L型フェリハイドライトの結晶構造の概念図である。
宝泉セルの構成図を示す。
実施例1で得た正極活物質を用いた二次電池のリチウムイオン充放電測定の結果を示す。実線は1回目の充放電、破線は2回目の充放電を表す。

Claims (4)

  1. FeとO及びOHとからなる8面体のc軸方向の積層数が3〜50である2L型フェリハイドライトからなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 初期放電容量が1.0〜4.1Vにおいて270〜1000mAh/gであることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 鉄とMg、Caから選ばれる1種以上の元素とからなるハイドロタルサイト類化合物を含むスラリーに酸を加え、pH2.0〜6.0で鉄以外の元素を溶解することにより得られる請求項1記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造法。
  4. 請求項1又は2記載の正極活物質を含有する正極を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。

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